JP2507874Y2 - 折板屋根葺板の取付構造 - Google Patents

折板屋根葺板の取付構造

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JP2507874Y2
JP2507874Y2 JP1993034307U JP3430793U JP2507874Y2 JP 2507874 Y2 JP2507874 Y2 JP 2507874Y2 JP 1993034307 U JP1993034307 U JP 1993034307U JP 3430793 U JP3430793 U JP 3430793U JP 2507874 Y2 JP2507874 Y2 JP 2507874Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、折板屋根葺板の取付構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、工場や倉庫等の広面積の鉄骨建
築物の屋根として多用されている折板屋根は、例えば図
10に示すように、母屋の梁71の上面に沿って溶接に
より固定されたタイトフレーム72上に、断面略V字状
の折板屋根葺板(以下、折板と称する)73…を順次
着することによって構成される。隣接する折板73・7
3は、互いに重なり合う側縁部を馳締めすることにより
相互に連結され、また、この馳締め部におけるタイトフ
レーム72との各交差箇所は、タイトフレーム72にお
ける上端側の水平板部に、吊子74を介して連結されて
いる。
【0003】図11に示すように、上記の吊子74は、
上記の馳締め部に間装される巻き込み部74aと、この
巻き込み部74aから下方に延びる垂直面部74bと、
この垂直面部74bの下端からL字状に曲げ成形された
取り付け部74cとを有する形状に形成されている。上
記の巻き込み部74aの先端部分は、図12に示すよう
に、断面略三角形となるように鋭角的(約45°)に折り
曲げられている。一方、図11に示すように、タイトフ
レーム72の水平板部は、上段水平部72aと下段水平
部72bとの二段の段差状に形成されている。この段差
形状に沿って、上記の吊子74のL字状部を位置させる
と共に、下段水平部72bと、この上に沿って位置する
吊子74の取り付け部74cとを、上下に貫通する根角
ボルト等の締結ボルト75、座金76、ナット77によ
り緊定することによって、吊子74のタイトフレーム7
2への固定が行われている。
【0004】そして、標準的な折板屋根の施工は、次の
ような手順により行われる。即ち、先ず、タイトフレー
ム72を母屋の梁71の上面に溶接する。即ち、タイト
フレーム72を梁71上に載置した後、タイトフレーム
72と梁71とを順次、溶接する。タイトフレーム72
の固定を終了すると、折板73をタイトフレーム72上
に載置する。尚、タイトフレーム72や折板73を運搬
する際には、補助作業道具として万能キャリー等と称さ
れる運搬装置(図示せず)が使用される。
【0005】次いで、図12に示すように、折板73と
タイトフレーム72とが交差する箇所での折板73の第
一側縁部73aに吊子74の巻き込み部74aを被せた
後、この吊子74を締結ボルト75、座金76、ナット
77によりタイトフレーム72に組み付ける。
【0006】続いて、この吊子74が取り付けられた折
板73(同図中、左側の折板)の隣に、次の折板73を
載置し、吊子74の巻き込み部74aに次の折板73の
第二側縁部73bを被せる。そして、両折板73・73
の第一側縁部73aと第二側縁部73bとの重なり合う
部分を折板73の長手方向に馳締め機を使用して馳締め
していくという作業を繰り返すことによって、折板屋根
が構築される。
【0007】しかしながら、上記従来の取付構造におい
ては、吊子74のタイトフレーム72への取り付けが、
吊子74の取り付け部74cとタイトフレーム72の下
段水平部72bとを貫通する締結ボルト75によって行
われ、この締結ボルト75の螺着作業を、多数の吊子7
4…毎に繰り返していく必要があるために、組み立て作
業に多大の労力並びに時間を要するという問題点を有し
ている。
【0008】また、上記の螺着作業は、高所での作業で
あり、かつ、部品点数が多いために、例えば吊子74や
締結ボルト75等を落下させて紛失する虞れがあり、取
り扱い等が不便なものとなっている。さらに、経時変化
により締結ボルト75の螺着が弛んで折板73がタイト
フレーム72から浮き上がる虞れを有している。
【0009】尚、近年、タイトフレームに締結ボルトが
予め固定されていることが多くなっているが、この場合
においても、上記と同様の螺着作業を行う必要があり、
やはり多大の労力並びに時間を要する。また、上記従来
の吊子をタイトフレームに前もって固定しておくことも
考えられるが、この場合には、前記の図10からも明ら
かなように、固定された吊子74の巻き込み部74a
が、タイトフレーム72の長手方向と直交する方向に突
出する。このため、上述の運搬装置を使用することがで
きなくなり、作業効率が著しく低下するという別の問題
点を招来する。また、突出した巻き込み部74aに作業
者が足や衣服を引っ掛ける虞れも有している。
【0010】そこで、このような問題点を解消するため
に、実公昭62−42004号公報には、梁に固着した
タイトフレームに対して、締結ボルトのような分離した
部材を用いることなく、吊子を取り付けることができる
構成が開示されている。すなわち、山型のタイトフレー
ムの頂部には、上方へややふくらむようにアールを付け
た吊子取付け面が設けられ、吊子取付け面から上方へ軸
が突設されている。軸の上端には、直方体の係止片が固
設されることにより、軸と係止片とでT字形状をなす係
止部が構成されている。
【0011】一方、吊子側には、上記吊子取付け面に載
置される座が設けられている。この座には、吊子取付け
面と同様のアールが付けられていると共に、上記係止部
が嵌入できる長孔が穿設されている。
【0012】吊子をタイトフレームに取り付ける際に
は、梁に固着されたタイトフレームの係止部が、吊子の
上記長孔に嵌入するように、吊子の座を吊子取付け面に
着座させる。この後、吊子の長手方向とタイトフレーム
の長手方向とが直交するように、係止部の軸を中心とし
て吊子を90度回転させる。これにより、係止片と長孔
とが直交するので、係止片は長孔から抜けなくなると同
時に、吊子取付け面と吊子の座の底面とが密着した状態
を保持できるようになっている。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、実公昭
62−42004号公報に開示された折板屋根葺板の取
付構造では、タイトフレームに対して吊子を回転させる
ことができるようになっているとはいうものの、吊子を
取り付ける向き、つまり折板屋根の葺き方向に自由度が
少なく、全く逆方向に折版屋根を葺く場合にも対応でき
るように、吊子を取り付ける向きを変えることはできな
い。
【0014】このことは、同公報の第5図において、吊
子20の向きを180度回転させた場合、吊子20の上
端部に形成された凹部の位置が、タイトフレーム10に
対して全く変わってしまうことから明らかである。した
がって、全く逆方向に折版屋根を葺く場合には、タイト
フレームの取付け方向そのものを逆にすることが必要で
ある。
【0015】したがって、折板屋根の葺き方向に対する
タイトフレームの取付け方向を誤ると、タイトフレーム
の付け直し作業が必要となるため、作業能率が著しく低
下するという問題が生ずる。また、タイトフレームを梁
に固着した後で、折板屋根の葺き方向を風向き等の地理
的条件に最も適合するように変更することはきわめて困
難である。
【0016】また、タイトフレームの上記係止部が、吊
子の長孔に嵌入しただけの状態、すなわちタイトフレー
ムの長手方向と吊子の長手方向とが一致している状態で
は、 吊子がタイトフレームから外れてしまうため、この
状態で持ち運びすることは、危険を伴う。一方、タイト
フレームと吊子とを締結した状態、すなわちタイトフレ
ームの長手方向と吊子の長手方向とが直交している状態
では、複数セットをコンパクトに梱包することが難しい
等、上記の構成は様々な問題点を有している。
【0017】本考案は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、折板屋根の組み立て作業性
を向上し得ると共に、吊子をタイトフレームに連結した
状態での保管・運搬が容易であり、さらに、より強固な
取り付け状態を長期にわたって安定的に維持し得る折板
屋根葺板の取付構造を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の考案の折
板屋根葺板の取付構造は、上記の課題を解決するため
に、折板屋根葺板を支持するタイトフレームと、折板屋
根葺板の互いに重なり合う側縁部を馳締めするために間
装される凹部が、上記側縁部に沿う長さを持って形成さ
れた上端部を備えた吊子とを有する折板屋根葺板の取付
構造において、タイトフレームの長手方向と上記上端部
の長さ方向とが一致し、かつタイトフレームから分離し
ない状態に保持された第1の姿勢から、タイトフレーム
の長手方向と上記上端部の長さ方向とが直交する状態で
あって、上記上端部が、タイトフレームの長手方向に平
行な第2の方向に向く第2の姿勢、または第2の方向と
逆方向の第3の方向に向く第3の姿勢のどちらにでも、
上記吊子の姿勢が変わり、かつ、上記第2および第3の
姿勢がそれぞれ保持されるように、吊子の下部とタイト
フレームの連結領域とが連結されると共に、上記第2お
よび第3の姿勢のどちらでも、葺き方向を変えるだけで
折板屋根葺板を馳締めすることができるように、吊子の
下部とタイトフレームの連結領域とが連結されている
とを特徴としている。
【0019】請求項2記載の考案の折板屋根葺板の取付
構造は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の
構成に加えて、上記吊子が上記第1ないし第3の姿勢に
保持されているとき、上記吊子の下部の底面と上記タイ
トフレームの連結領域の上面 とは、互いに接触した状態
となっていることを特徴としている。
【0020】請求項3記載の考案の折板屋根葺板の取付
構造は、上記の課題を解決するために、請求項1または
2記載の構成に加えて、上記吊子の下部は、軸部を有す
る連結部材を介してタイトフレームの連結領域に軸着さ
れており、吊子の上記上端部の長さ方向における上記凹
部の中央が、上記軸部の軸方向に位置していることを特
徴としている。
【0021】請求項4記載の考案の折板屋根葺板の取付
構造は、上記の課題を解決するために、請求項1、2ま
たは3記載の構成に加えて、上記タイトフレームは、2
つの脚部と、脚部の頂部にて脚部同士を繋ぐ連接部とを
有し、上記連結領域は、上記連接部を下方へ窪ませるこ
とにより形成されていることを特徴としている。
【0022】請求項5記載の考案の折板屋根葺板の取付
構造は、上記の課題を解決するために、タイトフレーム
上に載置された折板屋根葺板の互いに重なり合う側縁部
が吊子の上端部を間装して馳締めされる一方、上記吊子
の下端部がタイトフレームに連結される折板屋根葺板の
取付構造において、上記吊子の下部を、タイトフレーム
の連結領域に、タイトフレームの長手方向と、この方向
に直交する折板屋根葺板の長手方向とに回転可能に連結
する連結部材を備えると共に、吊子を折板屋根葺板の長
手方向に回転させた状態で係止する凹凸嵌合が、上記連
結領域および上記吊子の下部に形成されていることを特
徴としている。
【0023】
【作用】請求項1記載の構成によれば、タイトフレーム
の長手方向と吊子上端部の長さ方向とが一致する状態
は、タイトフレームの長手方向と吊子上端部の長さ方向
とが直交する状態に比べて、吊子上端部がタイトフレー
ムから張り出さないため、吊子が他の物品に引っ掛かり
にくく、また吊子とタイトフレームとを連結したセット
の複数をコンパクトに収納しやすい状態である。この状
態、すなわち第1の姿勢を取る吊子は、タイトフレーム
から分離しない状態に保持されるので、吊子 をタイトフ
レームに連結した状態での保管・運搬が容易になる。ま
た、この状態に連結したセットを梁上に持ち運んだとし
ても、吊子またはタイトフレームの一方が外れて落下す
る危険性も無い。
【0024】さらに、吊子は、第1の姿勢からタイトフ
レームの長手方向のどちらにでも向いて、第2または第
3の姿勢で保持されるように構成され、しかも第2およ
び第3の姿勢のどちらでも、葺き方向を変えるだけで折
板屋根葺板を馳締めすることができるように構成されて
いるので、折板屋根の葺き方向に対するタイトフレーム
の取付け方向を考慮する手間を省くことができる。この
ことは、タイトフレームの取付け方向を誤り、付け直し
を強いられるという従来の作業ミスが、全く発生しない
ことを意味する。この結果、折板屋根の組立て作業性を
向上させることができる。
【0025】また、吊子が第1の姿勢に保持されたタイ
トフレームを梁に固着した後で、折板屋根の葺き方向が
風向き等の地理的条件に最も適合するように、第2の姿
勢または第3の姿勢を選択し、吊子の向きを変更するこ
とができる。
【0026】なお、例えば従来の締結ボルトの螺着作業
等に比べて、高所での作業が容易となり、折板屋根の施
工が簡便となるので、労力並びに時間が掛からず、作業
効率が良いことはいうまでもない。
【0027】請求項2記載の構成によれば、吊子が各姿
勢で保持されるとき、吊子の下部の底面と上記タイトフ
レームの連結領域の上面とが接触した状態となるように
構成されているので、吊子の下部の底面および連結領域
の上面をそれぞれ最も単純な平面で構成でき、このた
め、例えばリベットやボルトナット等の簡単な締結部材
を用いて互いの面を連結することができる。これによ
り、姿勢を変えることができるように吊子を連結したタ
イトフレームを安価に作製することができる。
【0028】請求項3記載の構成によれば、吊子の下部
は、軸部を有する連結部材を介して タイトフレームの連
結領域に軸着されているので、軸部を中心に吊子を回転
させることによって、吊子の第1の姿勢を第2または第
3の姿勢に変えることができる。しかも、吊子の上記上
端部の長さ方向における上記凹部の中央が、上記軸部の
軸方向に位置しているので、吊子が第2の姿勢を取ろう
と第3の姿勢を取ろうと、どちらでも上記凹部の中央
が、上記軸部の軸方向に位置することになる。すなわ
ち、タイトフレームに対する上記凹部の位置は変わらな
いので、葺き方向を変えるだけで折板屋根葺板を馳締め
することができる
【0029】このように、吊子の第1の姿勢を第2また
は第3の姿勢に変えたときに、葺き方向を変えるだけで
折板屋根葺板を馳締めすることを可能とする具体的な構
成の仕方を提供することができる。
【0030】請求項4記載の構成によれば、タイトフレ
ームの連結領域は、脚部同士を繋ぐ連接部を下方へ窪ま
せることにより形成されているので、連結領域は各脚部
の頂部より低くなる。このため、折板屋根葺板の側縁部
を吊子の凹部に間装する際に、側縁部を下方へ逃がし間
装しやすくする余裕が、タイトフレームの連結領域に形
成されることになるので、吊子の頂部をできるだけ低い
位置に配することができる。
【0031】請求項5記載の構成によれば、タイトフレ
ームの連結領域および吊子の下部に形成された凹凸嵌合
により、吊子を折板屋根葺板の長手方向に回転させた状
態で係止することができる。このため、折板屋根葺板を
タイトフレームに載置する際に、吊子が不用意に回転す
る虞れが無くなる。
【0032】これにより、作業効率を向上させることが
できる。また、経時変化による吊子の弛みが生じないの
で、折板屋根葺板がタイトフレームから浮き上がること
もない。従って、より強固な取り付け状態を長期にわた
って安定的に維持することができる。
【0033】
【実施例】〔実施例1〕 本考案の一実施例について図1ないし図5に基づいて説
明すれば、以下の通りである。
【0034】本実施例にかかる折板屋根は、図5に示す
ように、母屋の長手方向に延びる図示しない梁の上面に
タイトフレーム1を溶接にて固定し、その後、タイトフ
レーム1上に折板屋根葺板(以下、折板と称する)2…
を順次着することにより構成されている。隣接する折
板2・2は、互いに重なり合う側縁部を馳締めすること
によって相互に連結され、また、この馳締め部における
タイトフレーム1との各交差箇所は、吊子3を介してタ
イトフレーム1に連結されている。
【0035】上記の折板2は、水平底部2aと、この水
平底部2aの両側部から上方に広がり方向に傾斜して延
びる傾斜面2b・2cとを有する略V字断面形状に形成
され、さらに、同図において、左側の傾斜面2bの上端
部には、断面コ字状の折り曲げ部(以下、第一連結部と
称する)5が延設されており、右側の傾斜面2cの上端
部には、断面逆U字状の折り曲げ部(以下、第二連結部
と称する)6が延設されている。
【0036】タイトフレーム1は、上記の折板2におけ
る断面と同様の略V字の連なり形状で形成されている。
また、隣合うV字形状部が相互に連なる上端側の水平板
部(連結領域)1aは、後述のように吊子3を取り付け
るために、その中央部分が下方に幾分凹入している。さ
らに、図4に示すように、水平板部1aの中心位置に
は、吊子3を取り付けるための取り付け孔1bが設けら
れると共に、吊子3をタイトフレーム1の長手方向に沿
った第1の姿勢となる位置(同図中、Bで示される位
置)から、折板2の長手方向に沿った第2の姿勢または
第3の姿勢となる位置(同図中、Aで示される位置)に
90°回転させたときに吊子3を係止する突起部8・8
が、取り付け孔1bを挟んで向かい合う所定位置に、プ
レスによる加工等により形成されている。
【0037】吊子3は、図1に示すように、垂直面部1
1と、この垂直面部11の上端を、同図において左側へ
と断面コ字状に折り曲げて形成した巻き込み部12とを
有する形状に形成されている。即ち、巻き込み部12の
先端部分(巻き込み部分)15は、下側に略直角に折り
曲げられている。図2に示すように、上記の巻き込み部
12は、請求項1に記載の凹部に相当し、垂直面部11
の幅方向に沿って細長く延びており、垂直面部11は、
巻き込み部12全体を支持するように逆台形状に形成さ
れている。上記の先端部分15には長手方向に沿って複
数の切り欠き部が形成されており、これら切り欠き部に
より、先端部分15は、両端の爪部15a・15aと、
中央の複数の馳締め部15b…とに分割されている。こ
のように、馳締め部15bが複数に分割されているの
で、巻き込み部12の先端部分15の強度を損なうこと
なく馳締めに必要な力を低減させることができるように
なっている。
【0038】また、図1に示すように、垂直面部11の
下端は、巻き込み部12が形成されている側に一旦折り
曲げられた後、断面略U字状、即ち同図において右側へ
と水平に折り曲げられ、次いで、垂直面部11の下端に
向かうように再び断面略U字状に折り曲げられ、さら
に、垂直面部11に面接した状態で上方に折り曲げられ
ており、これにより、吊子3本体をタイトフレーム1に
取り付けるための連結部13、および、吊子3本体の剛
性を高める延出面部14が形成されている。また、上記
の連結部13の水平面部13aの中心位置には、取り付
け孔13bが設けられており、さらに、この取り付け孔
13bを挟んで向かい合う所定位置に、上述の突起部8
・8が嵌入する嵌入孔8a・8a(図4)が形成されて
いる。そして、図2に示すように、上記の垂直面部11
および延出面部14には、例えばバーリングかしめやリ
ベッティングかしめ等のかしめ14a・14aが施され
ており、これにより、両面部11・14の接合強度を高
めた構造となっている。
【0039】尚、上記の吊子3は、全体形状が略T字状
の図示しない平板材から一体的に形成されている。即
ち、例えばプレスによる打ち抜き加工等により形成され
た上記の平板材に対し、連結部13を形成すると共に延
出面部14を垂直面部11に重ねる曲げ加工、および巻
き込み部12を形成する曲げ加工を施すことにより、充
分な強度を具備する吊子3が成形されている。
【0040】図1および図2に示すように、上記の取り
付け孔13bには、吊子3をタイトフレーム1に回転可
能に連結する連結部材20が挿通されている。この連結
部材20は、上記の取り付け孔13bの直径よりも大き
い直径を有する頭部20aと、取り付け孔13bの直径
と略等しい直径、および所定の長さを有する軸部20b
と、後述のように上記の軸部20bの軸端をかしめるこ
とにより形成されたかしめ部20cとを備えた形状に形
成されている。
【0041】次に、上記の連結部材20を用いて吊子3
をタイトフレーム1に連結する連結手順について説明す
る。
【0042】先ず、吊子3となる平板材に設けられた取
り付け孔13bに、連結部材20の軸部20bを挿通し
た後、連結部材20の頭部20aを包み込むようにして
平板材を折り曲げ、連結部13を形成する。次に、延出
面部14を垂直面部11に重ね合わせてかしめ14a・
14aを施す。これにより、連結部材20は取り付け孔
13bから脱落しなくなる。
【0043】上記の成形後、垂直面部11の上端側を断
面コ字状に折り曲げて巻き込み部12を形成する。これ
により、吊子3が連結部材20を挿通した状態で所定形
状に形成される。
【0044】続いて、連結部材20の軸部20bを、タ
イトフレーム1の水平板部1aに形成された取り付け孔
1bに挿通する。この際、図3(a)に示すように、吊
子3の巻き込み部12の長手方向が、タイトフレーム1
の長手方向に平行となるように吊子3を配する。その
後、取り付け孔1bから反対側に突出した軸部20b
を、例えばいわゆるリベッティングマシン等でかしめる
ことにより、かしめ部20cを形成する。これにより、
連結部材20は取り付け孔1bから脱落しなくなり、吊
子3はタイトフレーム1の水平板部1aに、タイトフレ
ーム1の長手方向と、この方向に直交する折板2(図
5)の長手方向とに回転可能に連結される。
【0045】尚、上記のかしめ部20cは、タイトフレ
ーム1の水平板部1aとの間に僅かな隙間を有するよう
にして形成されている。従って、連結部材20、即ち吊
子3は、タイトフレーム1に固定されていないものの、
強固に連結されており、しかも、ぐらつかず、所定の応
力を掛けなければ回転しないようになっている。そし
て、吊子3が連結されたタイトフレーム1は、吊子3と
タイトフレーム1の長手方向が互いに平行となる第1の
姿勢を吊子3に取らせたまま、例えば保管・運搬等され
る。
【0046】次に、上記の吊子3を用いた折板屋根の組
み立て作業手順について説明する。先ず、母屋の図示し
ない梁の上面に沿って、タイトフレーム1を溶接にて固
定する。この際、図3(a)に示すように、吊子3の巻
き込み部12の長手方向は、タイトフレーム1の長手方
向に平行となった第1の姿勢が取られている。梁の全長
にわたってタイトフレーム1の固定取り付けを終了する
と、その建屋の立地条件、例えば風向き等からの適正な
馳締め方向を定め、図3(b)に示すように、この方向
に対応する向き、つまり第2の姿勢または第2の姿勢と
逆向きの第3の姿勢に吊子3を90°回転させる。即ち、
図1に実線(第2の姿勢)および二点鎖線(第3の姿
勢)で示すように、吊子3を回転させて、その巻き込み
部12を馳締め方向に応じて向ける。上記の吊子3の回
転は、例えばハンマー等で吊子3の連結部13を叩くこ
とにより、吊子3に所定の応力を掛けて行う。
【0047】尚、例えば折板2に断熱材等の裏打ち材
(図示せず)が予め取り付けられ、かつ、上記の裏打ち
材の軒外しが行われている場合には、この折板2の葺き
方向に合うようにタイトフレーム1の固定取り付けを行
わなければならないが、上記のタイトフレーム1は後述
のように左右の方向性が無いものとなっており、しか
も、吊子3がタイトフレーム1に回転可能に連結されて
いる。従って、折板2に裏打ち材の軒外しが行われてい
る場合においても、タイトフレーム1の方向性を考慮す
る必要が無く、例えばタイトフレーム1の向きを誤って
梁に溶接する等というトラブルを回避することができる
ようになっている。
【0048】図4に示すように、吊子3に応力を掛ける
と、吊子3は、タイトフレーム1の長手方向に沿った位
置(同図中、Bで示される位置、以下、B位置と称す
る)から、折板2の長手方向に沿った位置(同図中、A
で示される位置、以下、A位置と称する)に回転する。
吊子3は、B位置からA位置に回転するときは、連結部
13の水平面部13aがタイトフレーム1の水平板部1
aに形成された突起部8・8上に乗り上げている。そし
て、吊子3がA位置まで回転すると、タイトフレーム1
の水平板部1aに形成された突起部8・8が、連結部1
3の水平面部13aに形成された嵌入孔8a・8aに嵌
入する。この凹凸嵌合により、吊子3は、B位置から90
°回転したA位置にてタイトフレーム1に係止される。
【0049】続いて、図5に示すように、折板2をタイ
トフレーム1上に載置し、折板2とタイトフレーム1と
が交差する箇所での折板2の第一連結部5を、吊子3の
巻き込み部12の内側に挿入する。この際、巻き込み部
12の先端部分15は、下側に略直角に折り曲げられて
いるので、折板2の第一連結部5を巻き込み部12の内
側に容易に挿入することができる。
【0050】その後、この吊子3が取り付けられた折板
2(同図中、左側の折板)の隣に、次の折板2を載置す
る。この場合、先の折板2の第一連結部5に次の折板2
の第二連結部6が上方から重なり、また、吊子3は、両
折板2・2間に挟み込まれたものとなる。そして、両折
板2・2の第一連結部5と第二連結部6とが重なり合う
側縁部を折板2の長手方向に馳締めしていくことによっ
て、隣合う折板2・2が相互に連結されると共に、これ
ら折板2・2は、吊子3を介してタイトフレーム1に連
結された組み付け状態となる。その後、同様に、次の折
板3の第一連結部5を吊子3の巻き込み部12の内側に
挿入し、新たな折板2を上方から載置し、両折板2・2
の重なり合う部分を馳締めしていくという作業を繰り返
すことによって、折板屋根が構築される。
【0051】尚、吊子3の先端部分15が二つの爪部1
5a・15aと複数の馳締め部15b…とに分割されて
いるので、上記の作業手順中、折板2の第一連結部5を
吊子3の巻き込み部12の内側に挿入したときに、例え
ば吊子3における両端の爪部15a・15aのみをプラ
イヤー等により挟んで内側に折り曲げ、折板2を吊子3
に仮固着することもできる。
【0052】以上の説明のように、上記実施例において
は、吊子3はタイトフレーム1の水平板部1aに、図4
に示すB位置とA位置とに回転可能に連結部材20によ
り連結されている。このため、例えばタイトフレーム1
の製造時等、折板屋根の組み立て作業を行う前の任意の
時期に、吊子3をタイトフレーム1に連結しておくこと
ができる。また、折板屋根の組み立て作業時は、吊子3
B位置で第1の姿勢に保持された状態でタイトフレー
ム1の梁(図示せず)への固着を行った後、吊子3をA
位置に90°回転させ、吊子3に第2の姿勢または第3の
姿勢を取らせるだけで、折板2を取り付けることができ
る。
【0053】このように、折板屋根の組み立て作業時に
おいては、吊子3をハンマー等で90°回転させ、吊子3
の姿勢を変えるという簡単な作業を行うだけで、吊子3
を折板2を組み付け可能な状態に配置することができ
る。これにより、例えば従来の締結ボルトの螺着作業等
に比べて、高所での作業が容易となり、折板屋根の施工
が簡便となるので、労力並びに時間が掛からず、製作費
をより安価なものとし、作業効率を向上させることがで
きる。
【0054】尚、上記実施例においては、図5に示すよ
うに、隣合う折板2・2とタイトフレーム1との間に
は、前記した従来例における締結ボルトのナットが位置
するための空間等が不要であり、従って、タイトフレー
ム1は、その水平板部1aを従来のように段差状とする
必要が無い。このため、タイトフレーム1は、左右の方
向性の無い構造となっており、かつ、折板2の両肩(傾
斜面2a・2bの上端部分)を均等に支えることができ
るため、例えば積雪等による上部からの荷重に強く、変
形し難い構造となっている。このように、タイトフレー
ム1は、左右何れの向きにしても固着が可能なことか
ら、梁へのタイトフレーム1の取り付けにあたって、そ
の方向性を考慮せずに行うことができるので、作業性が
向上する。また、従来、タイトフレームの向きを誤って
梁に溶接した場合、その修復にあたって多大の労力を要
するものとなっていたが、上記の構造によれば、このよ
うな労力も低減される。
【0055】また、上記の吊子3がタイトフレーム1に
回転可能に連結されているので、タイトフレーム1を梁
に固着した後、建屋の立地条件に合わせて折板2の葺き
方向を決定することができる。また、折板2に裏打ち材
の軒外しが行われている場合においても、折板2の葺き
方向を考慮せずにタイトフレーム1を梁に固着すること
ができる。
【0056】さらに、吊子3をB位置に回転させること
により、タイトフレーム1の幅方向への吊子3の巻き込
み部12の突出を防止することができるので、吊子3を
タイトフレーム1に連結し、タイトフレーム1から分離
しない状態でタイトフレーム1をコンパクトに梱包で
き、吊子3が他の物品に引っ掛かることを防止すること
ができる。それゆえ、例えばタイトフレーム1の保管・
運搬等に支障を来すことはない。その上、従来の組み立
て作業と同様に、タイトフレーム1や折板2を運搬する
補助作業道具としての万能キャリー等と称される運搬装
置を使用することができる。
【0057】そして上記の構造においては、吊子3の連
結部13に形成された嵌入孔8a・8aに、タイトフレ
ーム1の水平板部1aに形成された突起部8・8を嵌入
することにより、吊子3をA位置に回転させた状態で係
止することができる。このため、折板2をタイトフレー
ム1に載置する際に、吊子3が不用意に回転する虞れが
無くなる。これにより、作業効率を一層向上させること
ができる。また、経時変化による吊子3の弛みが生じな
いので、折板2・2がタイトフレーム1から浮き上がる
こともない。従って、より強固な取り付け状態を長期に
わたって安定的に維持することができる。
【0058】さらに、上記の吊子3の巻き込み部12の
先端部分15が下側に略直角に折り曲げられているの
で、吊子3を折板2の第一連結部2bに取り付ける際に
は、単に折板2の第一連結部2bを、吊子3の巻き込み
部12の内側に挿入するだけでよい。また、吊子3に折
板2の第二連結部2cを取り付ける際には、吊子3の巻
き込み部12に折板2の第二連結部2cを上方から被せ
るだけでよい。
【0059】その上、上記の吊子3の巻き込み部12の
先端部分15が二つの爪部15a・15aと複数の馳締
め部15b…とに分割されているので、吊子3を折板2
に取り付ける際に、例えば、吊子3における両端の爪部
15a・15aにて折板2の第一連結部2bを吊子3に
仮固着することが可能となる。また、馳締め部15bが
複数に分割されているので、巻き込み部12の先端部分
15の強度を損なうことなく馳締めに必要な力を低減さ
せることができ、馳締め作業が容易となる。これによ
り、折板2が吊子3、即ちタイトフレーム1に対してず
れる虞れが無くなると共に、吊子3への折板2の取り付
け作業が容易なものとなり、作業効率を一層向上させる
ことができる。
【0060】〔実施例2〕 本考案の他の実施例について図ないし図に基づいて
説明すれば、以下の通りである。尚、説明の便宜上、前
記の実施例1の図面に示した部材と同一の機能を有する
部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0061】本実施例にかかる折板屋根は、前記の実施
例1の吊子3の代わりに、図、図および図に示す
ように、吊子50を備えた構成となっている。吊子50
は、垂直面部11と、巻き込み部12と、巻き込み部1
2が形成されている側に水平に折り曲げられた後、垂直
面部11の下端に向かうように折り重ねられて形成され
た連結部13とで形成されている。
【0062】また、吊子50は連結部材20により、図
(a)に示すように、吊子50の巻き込み部12の長
手方向が、タイトフレーム1の長手方向に平行となり、
第1の姿勢を取置、および、同図(b)に示すよう
に、タイトフレーム1の長手方向に直交する折板2(図
)の長手方向に平行となる第2の姿勢または第3の姿
勢を取る位置とに回転可能に連結されている。尚、連結
部材20は、タイトフレーム1の水平板部1aの中心位
置に取り付けられており、図7、図8(a)および図8
(b)に示すように、吊子50の姿勢によらず、連結部
材20の軸部20b(図6)の軸方向に、吊子50の巻
き込み部12の長手方向における中央が位置している。
これにより、吊子50は、図に実線(第2の姿勢を示
す)および二点鎖線(第3の姿勢を示す)で示すよう
に、建屋の立地条件、例えば風向き等からの適正な馳締
め方向に、その巻き込み部12を向けることができるよ
うになっている。その他の構成は、前記の実施例1の折
板屋根と同一である。
【0063】上記の取付構造においても、前記の実施例
1の取付構造と同様の作用・効果を奏することができ
る。尚、上記の取付構造においては、図から明らかな
ように、吊子50を所定の形状に形成した後、連結部材
20によりタイトフレーム1に連結することができる。
このため、吊子50の成形作業と、吊子50のタイトフ
レーム1への取り付け作業とをそれぞれ別個に行うこと
ができるので、これら作業性をより一層向上させること
ができる。
【0064】
【考案の効果】本考案の請求項1記載の折板屋根葺板の
取付構造は、以上のように、タイトフレームの長手方向
と吊子の上端部の長さ方向とが一致し、かつタイトフレ
ームから分離しない状態に保持された第1の姿勢から、
タイトフレームの長手方向と上記上端部の長さ方向とが
直交する状態であって、上記上端部が、タイトフレーム
の長手方向に平行な第2の方向に向く第2の姿勢、また
は第2の方向と逆方向の第3の方向に向く第3の姿勢の
どちらにでも、上記吊子の姿勢が変わり、かつ、 上記第
2および第3の姿勢がそれぞれ保持されるように、吊子
の下部とタイトフレームの連結領域とが連結されると共
に、上記第2および第3の姿勢のどちらでも、葺き方向
を変えるだけで折板屋根葺板を馳締めすることができる
ように、吊子の下部とタイトフレームの連結領域とが連
結されている構成である。
【0065】このため、吊子が第1の姿勢を取っている
とき、吊子上端部がタイトフレームから張り出さないた
め、吊子が他の物品に引っ掛かりにくく、また吊子とタ
イトフレームとを連結したセットの複数をコンパクトに
収納しやすい。さらに、このとき、吊子はタイトフレー
ムから分離しない状態に保持されるので、吊子をタイト
フレームに連結した状態での保管・運搬が容易になる。
また、この状態に連結したセットを梁上に持ち運んだと
しても、吊子またはタイトフレームの一方が外れて落下
する危険性も無い。
【0066】さらに、折板屋根の葺き方向に合わせて、
吊子の姿勢を第2および第3の姿勢のどちらにでも変え
ることができるので、折板屋根の葺き方向に対するタイ
トフレームの取付け方向を考慮する手間を省くことがで
きる。このことは、タイトフレームの取付け方向を誤
り、付け直しを強いられるという従来の作業ミスが、全
く発生しないことを意味しており、折板屋根の組立て作
業性を格段に向上させることができる。
【0067】また、タイトフレームを梁に固着した後
で、折板屋根の葺き方向が風向き等の地理的条件に最も
適合するように、第2の姿勢または第3の姿勢を選択
し、吊子の向きを変更することができるという種々の優
れた効果を奏する。
【0068】本考案の請求項2記載の折板屋根葺板の取
付構造は、以上のように、請求項1記載の構成に加え
て、上記吊子が上記第1ないし第3の姿勢に保持されて
いるとき、上記吊子の下部の底面と上記タイトフレーム
の連結領域の上面とは、互いに接触した状態となってい
構成である。
【0069】このため、吊子の下部の底面および連結領
域の上面をそれぞれ最も単純な平面で構成でき、このた
め、例えばリベットやボルトナット等の簡単な締結部材
を用いて互いの面を連結することができる。これによ
り、姿勢を変えることができるように吊子を連結したタ
イトフレームを安価に作製することができるという効果
を奏する。
【0070】本考案の請求項3記載の折板屋根葺板の取
付構造は、以上のように、請求項1または2記載の構成
に加えて、上記吊子の下部は、軸部を有する連結部材を
介してタイトフレームの連結領域に軸着されており、吊
子の上記上端部の長さ方向における上記凹部の中央が、
上記軸部の軸方向に位置している構成である。
【0071】これにより、連結部材の軸部を中心に吊子
を回転させることによって、吊子の第1の姿勢を第2ま
たは第3の姿勢に変えることができる。しかも、吊子の
凹部の中央が、軸部の軸方向に位置していることによ
り、吊子の姿勢を変えてもタイトフレームに対する上記
凹部の位置は変わらないので、葺き方向を変えるだけで
折板屋根葺板を馳締めすることができる
【0072】このように、吊子の第1の姿勢を第2また
は第3の姿勢に変えたときに、葺き方向を変えるだけで
折板屋根葺板を馳締めすることを可能とする具体的な構
成の仕方を提供することができるという効果を奏する。
【0073】本考案の請求項4記載の折板屋根葺板の取
付構造は、以上のように、請求項1、2または3記載の
構成に加えて、上記タイトフレームは、2つの脚部と、
脚部の頂部にて脚部同士を繋ぐ連接部とを有し、上記連
結領域は、上記連接部を下方へ窪ませることにより形成
されている構成である。
【0074】これにより、連結領域は各脚部の頂部より
低くなるため、折板屋根葺板の側縁部を吊子の凹部に間
装する際に、側縁部を下方へ逃がし間装しやすくする余
裕が 、タイトフレームの連結領域に形成されることにな
るので、吊子の頂部をできるだけ低い位置に配すること
ができるという効果を奏する。
【0075】本考案の請求項5記載の折板屋根葺板の取
付構造は、以上のように、吊子の下部を、タイトフレー
ムの連結領域に、タイトフレームの長手方向と、この方
向に直交する折板屋根葺板の長手方向とに回転可能に連
結する連結部材を備えると共に、吊子を折板屋根葺板の
長手方向に回転させた状態で係止する凹凸嵌合が、上記
連結領域および上記吊子の下部に形成されている構成で
ある。
【0076】このため、タイトフレームの連結領域およ
び吊子の下部に形成された凹凸嵌合により、折板屋根葺
板をタイトフレームに載置する際に、吊子が不用意に回
転する虞れが無くなる。これにより、作業効率を向上さ
せることができる。また、経時変化による吊子の弛みが
生じないので、折板屋根葺板がタイトフレームから浮き
上がることもない。従って、より強固な取り付け状態を
長期にわたって安定的に維持することができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例における折板屋根の組み立て
に用いられる吊子が、タイトフレームに連結されている
状態を示す断面図である。
【図2】上記の吊子の正面図である。
【図3】上記の吊子の回転動作を示すものであり、
(a)はタイトフレームと平行な位置に回転した状態を
示す平面図、(b)はタイトフレームと垂直な位置に回
転した状態を示す平面図である。
【図4】タイトフレームの水平板部を示す要部の斜視図
である。
【図5】上記の吊子を用いた折板屋根葺板の取付構造を
示す要部の正面図である。
【図6】本考案の他の実施例における折板屋根の組み立
てに用いられる吊子が、タイトフレームに連結されてい
る状態を示す断面図である。
【図7】図の吊子の正面図である。
【図8】図の吊子の回転動作を示すものであり、
(a)はタイトフレームと平行な位置に回転した状態を
示す平面図、(b)はタイトフレームと垂直な位置に回
転した状態を示す平面図である。
【図9】図の吊子を用いた折板屋根葺板の取付構造を
示す要部の正面図である。
【図10】従来の折板屋根の構造を示す要部の斜視図で
ある。
【図11】従来の折板屋根の組み立てに用いられる吊子
とタイトフレームとの連結構造を示す分解斜視図であ
る。
【図12】従来の折板屋根葺板の取付構造を示す要部の
断面図である。
【符号の説明】
1 タイトフレーム 1a 水平板部(連結領域) 2 折板(折板屋根葺板) 3 吊子 5 第一連結部(折り曲げ部) 6 第二連結部(折り曲げ部) 8 突起部(凹凸嵌合) 8a 嵌入孔(凹凸嵌合) 11 垂直面部 12 巻き込み部(吊子の上端部および凹部) 13 連結部13a 水平面部(吊子の下部) 15 先端部分(巻き込み部分) 15a 爪部 20 連結部材20b 軸部 50 吊子

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】折板屋根葺板を支持するタイトフレーム
    と、折板屋根葺板の互いに重なり合う側縁部を馳締めす
    るために間装される凹部が、上記側縁部に沿う長さを持
    って形成された上端部を備えた吊子とを有する折板屋根
    葺板の取付構造において、 タイトフレームの長手方向と上記上端部の長さ方向とが
    一致し、かつタイトフレームから分離しない状態に保持
    された第1の姿勢から、タイトフレームの長手方向と上
    記上端部の長さ方向とが直交する状態であって、上記上
    端部が、タイトフレームの長手方向に平行な第2の方向
    に向く第2の姿勢、または第2の方向と逆方向の第3の
    方向に向く第3の姿勢のどちらにでも、上記吊子の姿勢
    が変わり、かつ、上記第2および第3の姿勢がそれぞれ
    保持されるように、吊子の下部とタイトフレームの連結
    領域とが連結されると共に、上記第2および第3の姿勢
    のどちらでも、葺き方向を変えるだけで折板屋根葺板を
    馳締めすることができるように、吊子の下部とタイトフ
    レームの連結領域とが連結されている ことを特徴とする
    折板屋根葺板の取付構造。
  2. 【請求項2】上記吊子が上記第1ないし第3の姿勢に保
    持されているとき、上記吊子の下部の底面と上記タイト
    フレームの連結領域の上面とは、互いに接触した状態と
    なっていることを特徴とする請求項1記載の折板屋根葺
    板の取付構造。
  3. 【請求項3】上記吊子の下部は、軸部を有する連結部材
    を介してタイトフレームの連結領域に軸着されており、
    吊子の上記上端部の長さ方向における上記凹部の中央
    が、上記軸部の軸方向に位置していることを特徴とする
    請求項1または2に記載の折板屋根葺板の取付構造。
  4. 【請求項4】上記タイトフレームは、2つの脚部と、脚
    部の頂部にて脚部同士を繋ぐ連接部とを有し、上記連結
    領域は、上記連接部を下方へ窪ませることにより形成さ
    れて いることを特徴とする請求項1、2または3に記載
    の折板屋根葺板の取付構造。
  5. 【請求項5】タイトフレーム上に載置された折板屋根葺
    板の互いに重なり合う側縁部が吊子の上端部を間装して
    馳締めされる一方、上記吊子の下端部がタイトフレーム
    に連結される折板屋根葺板の取付構造において、 上記吊子の下部を、タイトフレームの連結領域に、タイ
    トフレームの長手方向と、この方向に直交する折板屋根
    葺板の長手方向とに回転可能に連結する連結部材を備え
    ると共に、吊子を折板屋根葺板の長手方向に回転させた
    状態で係止する凹凸嵌合が、上記連結領域および上記吊
    子の下部に形成されていることを特徴とする折板屋根葺
    板の取付構造。
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JPS58207445A (ja) * 1982-05-28 1983-12-02 三晃金属工業株式会社 吊子付受金具
JPS6242004U (ja) * 1985-08-30 1987-03-13

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