JP2507731B2 - ポリブチレンアジペ−トの製造法 - Google Patents

ポリブチレンアジペ−トの製造法

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JP2507731B2
JP2507731B2 JP62085262A JP8526287A JP2507731B2 JP 2507731 B2 JP2507731 B2 JP 2507731B2 JP 62085262 A JP62085262 A JP 62085262A JP 8526287 A JP8526287 A JP 8526287A JP 2507731 B2 JP2507731 B2 JP 2507731B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,ブチレンアジペート成分を主体とする高粘
度のポリエステルを工業的に安定して製造する方法に関
するものであり,さらに詳しくは低融点で,かつ結晶性
のポリブチレアジペートを工業的に安定して製造する方
法に関するものである。
(従来の技術) 低融点で結晶性のポリエステル,例えば,ポリカプロ
ラクトンは特公昭53−6797号公報等に示される様に,単
独でまたはポリビニルアルキルエーテルのごとき他の樹
脂と混合して成形可能なギブス材料として有用されてい
る。
(発明が解決しようとする問題点) 低融点で結晶性のポリエステルとして,ポリカプロラ
クトンに替えて,相対的に低コストのアジピン酸と1,4
−ブチレングリコールを主原料とするポリブチレンアジ
ペートを提供することができれば工業的に多大な利益を
もたらすものであるが,高粘度のポリブチレンアジペー
トを工業的に安定して製造することは極めて困難であっ
た。
すなわち,コハク酸,アゼライン酸,ゼバシン酸のご
とき他の脂肪族ジカルボン酸あるいはテレフタル酸のご
とき芳香族ジカルボン酸と1,4−ブチレングリコールと
からテトラブチルチタネートのごとき有機チタネートを
触媒として容易に高粘度のポリエステルを製造すること
ができ,他方,アジピン酸とエチレングリコールからも
容易に高粘度のポリエステルを製造することができるに
もかかわらず,アジピン酸と1,4−ブチレングリコール
から同様な方法で高粘度ポリエステルを得ることができ
なかった。
このようにアジピン酸又はその低級アルキルエステル
と過剰の1,4−ブチレングリコールとを150〜230℃でエ
ステル化又はエステル交換して得られる低重合体を,テ
トラブチルチタネートのごとき重合触媒の存在下,200〜
250℃の温度,0.5mmHg以下の高減圧下で重縮合させるに
もかかわらず相対粘度(重合度)の上昇が極めて遅い原
因として,かかる反応系においては重合度上昇につなが
る重縮合反応に比較して,重合度低下につながる熱分解
反応等の分解反応が優勢であるとの推定も行える。
そこで,分解反応を抑制する添加剤,例えば,通常ポ
リエステルの分解反応を抑制するために重合触媒ととも
に用いられるヒンダードフエノールあるいはP系化合物
を重合触媒と併用してみた。しかし,この場合も粘度上
昇速度が改善されないばかりか,かえってP系化合物を
併用すると,さらに粘度上昇が阻害される。
本発明の目的は,高粘度のポリブチレンアジペートを
製造する方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は,相対粘度(重合度)上昇速度を改善す
べく種々の助触媒について鋭意検討を続けたところ,飽
和脂肪族モノカルボン酸の金属塩,とくにカルシウム塩
又はマグネシウム塩を,テトラ−n−ブチルチタネート
のごとき重合触媒と併用したところ,極めて容易に高粘
度ポリブチレンアジペートの重合が可能なことを見出し
本発明に到達した。
すなわち,本発明は,アジピン酸又はその低級アルキ
ルエステルと1,4−ブチレングリコールとを重縮合して
ポリエステルを製造するに際し,エステル化又はエステ
ル交換反応によって得られた低重合体を(a)重合触媒
である有機チタニウム化合物及び有機スズ化合物から選
ばれる1種以上がジカルボン酸成分1モルあたり3×10
-4〜6×10-4モルと,(b)助触媒である飽和脂肪族モ
ノカルボン酸のカルシウム塩及びマグネシウム塩から選
ばれる1種以上がジカルボン酸成分1モルあたり1×10
-5〜1×10-2モルの存在下で重縮合を行うことを特徴と
するポリブチレンアジペートの製造法を要旨とするもの
である。
本発明の方法を実施するにあたり,カルシウム塩又は
マグネシウム塩を構成する飽和脂肪族モノカルボン酸と
しては,例えば,酢酸,プロピオン酸,カプロン酸,カ
プリル酸,カプリン酸,ウンデカン酸,ラウリン酸,ミ
リスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸などがあげら
れる。カルシウム塩又はマグネシウム塩としては,これ
らの飽和脂肪族モノカルボン酸のカルシウム塩又はマグ
ネシウム塩が用いられる。本発明においては,このよう
な飽和脂肪モノカルボン酸のカルシウム塩又はマグネシ
ウム塩は単独で用いてもよいし,また二重以上を混合し
て用いてもさしつかえない。
重合触媒と併用する飽和脂肪族モノカルボン酸のカル
シウム塩又はマグネシウム塩の量は,原料ジカルボン酸
成分1モルあたり1×10-5モル〜1×10-2モル,とくに
1×10-4モル〜1×10-3モルが好ましい。
本発明の方法を実施するにあたり,重合触媒として
は,例えば,テトラ−n−プロピルチタネート,テトラ
−n−ブチルチタネート,チタニウムアセチルアセテー
トのごとき有機チタニウム化合物,ジ−n−ブチルチン
オキサイド,ジ−n−ブチルチンマレートのごとき有機
スズ化合物などを用いることができる。重合触媒の使用
量はジカルボン酸成分1モルあたり3×10-4〜6×10-4
モルである。
また,本発明の方法においては,調整するポリブチレ
ンアジペートの保存又は使用時の重合度低下を制御する
べく,ヒンダードフエノール等の化合物を併用しても無
論さつかえない。
また,本発明の実施にあたり,目的とするポリエステ
ルの結晶性を大巾に阻害しない範囲で,すなわち,好ま
しくは,全酸成分の25モル%以下の範囲でテレフタル
酸,イソフタル酸,フタル酸,2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸のごとき芳香族ジカルボン酸,あるいはコハク酸,
アゼライン酸,セバシン酸,ドデカン二酸のごとき他の
脂肪族ジカルボン酸,さらにはp−ヒドロキシ安息香酸
のごときオキシ酸,ε−カプロラクトンのごときラクト
ン類,また全アルコール成分の25モル%以下の量でエチ
レングリコール,ジエチレングリコール,1,2−プロピレ
ングリコール,1,3−プロピレングリコール,1,3−ブチレ
ングリコール,1,6−ヘキシレングリコール,ネオペンチ
ルグリコール,シクロヘキサンジメタノール,水添ビス
フエノールA,さらにはビスフエノールAのエチレンオキ
サイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物のごとき
他のジアルコール,あるいはトリメリツト酸,ピロメリ
ツト酸,トリメチロールエタン,トリメチロールプロパ
ン,ペンタエリスリトールのごとき多官能成分などから
選ばれる1種または2種以上のポリエステル構成成分を
目的に応じて共重合することもできる。
(実施例) 次に,実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。
なお,例中のポリエステルの相対粘度は,フエノール
/テトラクロルエタン等重量混合溶媒を用いて0.5g/100
mlの溶液を調整し,20℃±0.1℃の温度でウベローデ型粘
着管を用いて測定した。
また,ポリエステルの融点は,パーキンエルマー社製
DSC・2型を用いて測定した。
実施例1 アジピン酸73重量部,1,4−ブチレングリコール72重量
部をガラス製反応容器にとり,常圧下225℃で3時間,
エステル化反応を行ない,生成する水を反応系外に除い
て低重合度ブチレンアジペートを調製した。続いて,表
−1に示す重合触媒及び助触媒を加えて表−1に示す条
件で重縮合反応を行なったところ,表−1に示す相対粘
度のポリエステルを調製することができた。
なお,実施例のNo.1〜11においては,イルガノツクス
1010(Ciba−Geigy社製ヒンダードフエノール)を1000p
pm,原料とともに投入した。
表−1における略号は以下を意味する。
TBT : テトラ−n−ブチルチタネート DBTO : ジ−n−ブチルチンオキサイド ST−Ca: ステアリン酸カルシウム MY−Ca: ミリスチン酸カルシウム CP−Ca: カプリン酸カルシウム CR−Ca: カプロン酸カルシウム ST−Mg: ステアリン酸マグネシウム 比較例1 表−2に示す重合触媒を用いて表−2に示す重合条件
で表−2に示すポリブチレンアジペート(ポリエステ
ル)を調製した。
その結果を表−2のNo.1〜3に示す。
実施例2 ステアリン酸カルシウムに代えて,混合飽和脂肪族モ
ノカルボン酸(ラウリン酸:ミリスチン酸:カプリン
酸:85:10:5の重量比)のカルシウム塩を用いた以外は実
施例1のNo.3と同様にしてポリブチレンアジペートを調
製した。
得られたポリブチレンアジペートの相対粘度は1.630,
融点は58℃であった。
実施例3 ステアリン酸カルシウムに代えて,ステアリン酸混合
金属塩(マグネシウム:カルシウム=38:62の重量比)
を用いた以外は実施例1のNo.3と同様にしてポリブチレ
ンアジペートを調製した。
得られたポリブチレンアジペートの相対粘度は1.596,
融点は57℃であった。
比較例2 イルガホースP−EPQ(Ciba Geigy社製,P系ヒンダー
ドフエノール)1,000ppmを加えた以外は比較例1のNo.3
と同様にしてポリブチレンアジペートを調製したが,相
対粘度は1.109までしか上昇しなかった。
比較例3 ステアリン酸カルシウム2×10-2mol/molを加えた以
外は比較例1のNo.3と同様にしてポリブチレンアジペー
トを調製したが,相対粘度1.116までしか上昇しなかっ
た。
比較例4 アジピン酸に代えてセバシン酸,101重量部を用い,重
合時間を3時間に短縮した以外は比較例1のNo.3と同様
に重合したところ,得られたポリブチレンアジペートの
相対粘度は1.759であった。
実施例と比較例を比較すれば明らかなように,通常の
方法では高粘度(高重合度)に調製が困難なブチレンア
ジペート成分を主体とするポリエステルを,それ自身で
は触媒機能を有しない飽和脂肪族モノカルボン酸の金属
塩を重合触媒と併用することによって効果的に調製し得
ることが明らかである。
(発明の効果) 本発明によれば,高粘度のポリブチレンアジペートを
容易に製造することができる。本発明によれば,低融点
で結晶性のポリブチレンアジペートを得ることができ,
このものは単独で,あるいは他の樹脂と混合して成形材
料として好適に用いられる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アジピン酸又はその低級アルキルエステル
    と1,4−ブチレングリコールとを重縮合してポリエステ
    ルを製造するに際し,エステル化又はエステル交換反応
    によって得られた低重合体を(a)重合触媒である有機
    チタニウム化合物及び有機スズ化合物から選ばれる1種
    以上がジカルボン酸成分1モルあたり3×10-4〜6×10
    -4モルと,(b)助触媒である飽和脂肪族モノカルボン
    酸のカルシウム塩及びマグネシウム塩から選ばれる1種
    以上がジカルボン酸成分1モルあたり1×10-5〜1×10
    -2モルとの存在下で重縮合を行うことを特徴とするポリ
    ブチレンアジペートの製造法。
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