JP2507531B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP2507531B2 JP63093404A JP9340488A JP2507531B2 JP 2507531 B2 JP2507531 B2 JP 2507531B2 JP 63093404 A JP63093404 A JP 63093404A JP 9340488 A JP9340488 A JP 9340488A JP 2507531 B2 JP2507531 B2 JP 2507531B2
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気デイスク,磁気テープ,フロツピーデ
イスク,磁気カードなどの磁気記録媒体の製造方法に係
り、特に、信頼性の高い対ヘツド摺動性を有する磁気記
録媒体を再現性よく製造することのできる磁気記録媒体
の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
コンピユータなどの外部記憶装置として広く用いられ
ている磁気デイスクは年々大容量化が進み面あたりの記
録密度の大きい記憶媒体に対する要請が、ますます、強
くなつてきている。このため、磁性層としてCo-Ni系合
金などの薄膜を用いたいわゆるスパツタ磁気デイスクが
用いられているが、このような金属薄膜を記録層として
用いる場合、記録・再生時のヘツドの摺動による摩擦に
よつて記録層あるいはヘツドが摩耗したり損傷したりす
ることを避けるために、記録層を保護膜および潤滑剤で
被覆することが必要であり、保護膜および潤滑剤の特性
によつて磁気テイスクの信頼性あるいは寿命が大きく影
響される。しかも、記録密度を向上させるためにはヘツ
ドとデイスクとの間の浮上スペーシングをさらに狭くす
る必要があり、デイスク側の受けう損傷の可能性がます
ます大きくなるため、保護膜および潤滑剤としては一段
と優れた特性を有するものが要求される。
上記の保護膜および潤滑剤については、例えば日本応
用磁気学会誌Vol.10.No.1(1986)第10項記載にみられ
るように、保護膜としては、硬く,摩耗し難いとことか
ら、炭素質薄膜がよく用いられており、また、潤滑剤と
しては、低分子量の含ふつ素高分子化合物を塗布するこ
とが行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来技術においては、潤滑剤は保
護膜表面に付着しているだけであり、ヘツドとの摺動に
よつて潤滑剤が消耗されてしまうと、ヘツド〜デイスク
間の摩擦係数が増加し、遂に破壊するに至る。また、こ
れを防ぐため潤滑剤量を増量すると、ヘツド停止時に、
潤滑剤がスライダ周囲に集まつてヘツドが貼りつき、動
作不良の原因となるという問題があつた。
従つて、保護膜上には潤滑剤の適正量を均一に塗布す
ることが必要となるが、保護膜の表面状態によつて潤滑
剤のぬれ性が異なるために、塗布むらが生じたり塗布量
が変動しやすく、プロセスの安定性に欠けるという問題
もあつた。
本発明の目的は、上記従来技術の有していた課題を解
消して、潤滑剤消耗が少なく、かつ、適正な潤滑剤量を
安定に確保することのできる磁気記録媒体の製造方法を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、磁性薄膜上に炭素質保護膜を形成したデ
イスク基盤を反応槽内に置き、該槽内に感光性を有する
官能基を末端に持つ鎖状分子の蒸気を導入した後、上記
基盤表面に紫外光があるいは超紫外光を照射して上記感
光性を有する官能基を反応させ、炭素質保護膜を構成す
る炭素原紙との間に化合結合を生じさせることによつて
達成することができる。
ここで、感光性を有する官能基を末端に持つ鎖状分子
について説明する。
まず、上記感光性を有する官能基とは短波長の光の照
射によりラジカルあるいはイオンを生ずるもので、例え
ば以下のようなものである。
また、上記感光性を有する官能基を末端に持つ鎖状分
子の主鎖は、直鎖状で、炭素数が5〜20程度であること
が望ましい。これは、炭素数が少な過ぎる場合には潤滑
性に劣り、炭素数が多過ぎる場合には蒸発し難くなるこ
とによる。また、主鎖にはふつ素を含む方が蒸発しやす
く、また、潤滑性に優れる。このような、ふつ素を含む
主鎖の構造としてはパーフロロアルキル(−CF2−)n
またはパーフロロポリエーテル(−CF2−O)n, (XはFまたはCH3) などがある。
なお、炭素質保護膜の形成について簡単に説明する
と、該膜は(イ)グラフアイトをターゲツトととし、こ
れをAr,Xe,Neなどの不活性ガス中でスパツタさせる方
法,(ロ)炭化水素ガスまたはアルコール,アセトンな
どの有機化合物を単独またはH2,Ar,He,Neなどと混合し
て、プラズマCVD法により形成する方法,(ハ)炭化水
素ガスまたはアルコール,アセトンなどの有機化合物を
イオン化し、100〜1000Vの電圧で加速して基板に衝突さ
せ、膜を形成するイオンビームデポジシヨン法などによ
り作成することができ、これらのいずれの方法をとつて
もよいが、形成膜中に水素が多く含まれ、水素との置換
反応によつて潤滑剤中の感光性を有する末端官能基との
結合を生じやすいところから、(ロ)のプラズマCVD法
がより好ましい。
〔作用〕
上記したような工程により炭素質保護膜および潤滑剤
層を形成することによつて、潤滑剤が炭素質保護膜表面
に強固に固定されるため、長期にわたつて潤滑性能を安
定に保つことができ、また、ヘツドスライダ周囲に潤滑
剤が凝集する現象も起り難く、したがつて、磁気デイス
クの信頼性および寿命を飛躍的に向上させることができ
る。
また、照射する光の強度と照射時間を制御することに
よつて、潤滑層の厚さの調整が可能であり面内分布も均
一にすることができる。
〔実施例〕
以下、本発明による磁気記録媒体の製造方法について
実施例によつて説明する。
実施例1 第1図は本発明に使用される磁気記録媒体製造装置
(潤滑剤固定装置)の構成を示す一部断面概略構成図
で、基板支持手段2,原料槽3,石英ガラス窓4等からなる
反応槽1と、低圧水銀灯5,原料槽加熱用熱源6,配管7,真
空ポンプ8とからなることを示す。
まず、Ni−P硬質めつきを施したAl製デイスク基板上
に、スパツタリングにより、厚さ0.5μmのCr膜,厚さ
0.05μmのCo-Ni磁性合金膜,厚さ0.05μmの炭素膜を
順次形成した後、該基板を第1図の反応槽1に入れ、基
板支持手段2により固定した。次いで、反応槽1内を真
空ポンプ8により1Torr以下の圧力となるまで排気した
後、潤滑剤原料としての末端をフエニルアジド化したパ
ーフロロポリエーテルを入れた原料槽3を、原料槽加熱
用熱源6により、70°〜100℃に加熱して該原料の蒸気
9を反応槽1内に満たし、さらに、低圧水銀灯5から放
射される紫外線10を石英ガラス窓4を通して基板面11上
に約1分間照射した。上記工程を第2図に示した。
上記のようにして得たデイスク基板についてコンタク
ト・スタート・ストツプ・テスト(CSS試験。実際のヘ
ツドと同一材質,形状の試験用ヘツドを用いて、デイス
ク面にヘツドを接触させた状態でデイスクを回転させ、
ヘツドを浮上させた後、再びデイスク回転を停止しても
との状態に戻すサイクルを一定間隔で繰り返す試験)に
より寿命評価を行つた結果、繰り返し回数50K回後もデ
イスク表面に損傷はみられず、また、回転時にヘツドに
かかる摩擦力について、50K回経過時で初期の値と比較
して、約20%の増加しかみられないという結果が得られ
た。また、該デイスク基板表面をフーリエ変換赤外分光
法(FT-IR)により分析を行つた結果、C−F結合の吸
収に相当するピークが観察された。このピークは、デイ
スク基板を約150℃に加熱しても、消失しないことか
ら、上記結合は下地炭素膜表面に存在しているものと考
えられる。
なお、比較のために、炭素膜表面に上記潤滑剤層を形
成しなかつたもの、および、炭素膜表面にスピンコート
によつて上記潤滑剤原料を塗工しただけのものについ
て、同様に、CSS試験を行つた結果、いずれも、10K回以
下で炭素膜表面に傷を生じ、また、ヘツドにかかる摩擦
力も初期値に比べて3倍以上に増加するという結果が得
られた。
〔発明の効果〕
以上述べてきたように、本発明の製造方法を用いて磁
気記録媒体を製造することによつて、従来技術の有して
いた課題を解消して炭素質保護膜上に該保護膜と強固に
結合した潤滑剤層を形成することができ、ヘツド摺動に
おける安定性を長期にわたつて確保することのできる、
長寿命で信頼性の高い磁気記録媒体を製造することがで
きた。
なお、以上の説明においては、主として、磁気デイス
クの例について述べたが、磁気テープ,フロツピーデイ
スクなど他の磁気記録媒体においても対ヘツド摺動に関
する問題点は同様であり、本発明を適用することによつ
て、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に使用される磁気記録媒体製造装置(潤
滑剤固定装置)の構成を示す一部断面概略構成図、第2
図は本発明の磁気記録媒体製造方法の加工手順を示す工
程図である。 1……反応槽、2……基板支持手段 3……原料槽、4……石英ガラス窓 5……低圧水銀灯、6……原料槽加熱用熱源 7……配管、8……真空ポンプ 9……原料蒸気、10……紫外線 11……基板面

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の工程からなることを特徴とする磁気
    記録媒体の製造方法。 i 非磁性基板表面に強磁性を有する第1の層を設ける
    工程 ii 上記第1の層の上に主として非晶質炭素からなる第
    2の層を設ける工程 iii iiによって得た試料を感光性を有する官能基を末
    端に持つ鎖状分子であって鎖状部分の炭素数が5〜20の
    化合物の蒸気中に保持し、紫外光または遠紫外光を照射
    して、上記第2の層の表面に上記化合物を固定させる工
  2. 【請求項2】上記の感光性を有する官能基が、フエニル
    アジド基,スルホニルアジド基,カルボニルアジド基,
    グリシジル基,イソシアネート基,シンナモイル基,ハ
    ロゲン基の中のいずれか1種であることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】上記の感光性を有する官能基を末端に持つ
    鎖状分子が、その鎖状部分の構造が(−CF2−)m,(−C
    F2−O−)n, (ただしXはFあるいはCF3,m20,n10)のいずれか
    で表わされる鎖状分子であることを特徴とする請求項1
    又は2記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】上記の主として非晶質炭素からなる第2の
    層が、炭化水素化合物あるいは含酸素炭化水素化合物プ
    ラズマCVD法により分解し、堆積させた層であることを
    特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の磁気記録
    媒体の製造方法。
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JPS6161233A (ja) * 1984-09-03 1986-03-29 Ulvac Corp 耐摩耗性磁気記録体の製造法
JPS6236668A (ja) * 1985-08-10 1987-02-17 Fujitsu Ltd アツシング方法

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