JP2507468B2 - 四輪駆動車の駆動力配分制御装置 - Google Patents

四輪駆動車の駆動力配分制御装置

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JP2507468B2
JP2507468B2 JP21772687A JP21772687A JP2507468B2 JP 2507468 B2 JP2507468 B2 JP 2507468B2 JP 21772687 A JP21772687 A JP 21772687A JP 21772687 A JP21772687 A JP 21772687A JP 2507468 B2 JP2507468 B2 JP 2507468B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、四輪駆動車のトランスファ装置の駆動力配
分クラッチに用いられる四輪駆動車の駆動配分制御装置
に関する。
(従来の技術) 従来の四輪駆動車の駆動力配分制御装置としては、例
えば特開昭61−157437号公報に記載されているような装
置が知られている。
この従来装置は、前後輪回転速度センサからのセンサ
信号に基づいて前後輪の回転速度差を演算し、この前後
輪回転速度差が大きい程、すなわち駆動輪スリップの発
生が大きい程トランスファクラッチの締結力を増大させ
て4輪駆動側に駆動力配分を変更し、速やかに駆動輪ス
リップを抑制させようとするものであった。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来装置にあっては、前後
輪回転速度差に対するクラッチ締結力制御特性は一義的
に定まったものであった為、走行路面の摩擦係数変化に
即座に対応出来ないという問題点を残していた。
例えば、乾燥良路で軽快に走り易い制御特性(前輪側
に駆動力を多く配分しない特性)に設定すると、氷雪路
等の低摩擦係数路でスピン傾向が強く、走行安定性やス
タック脱出性が十分でなくなってしまうし、逆に、低摩
擦係数路で走行安定性が得られる制御特性(前輪側に駆
動力を多く配分する特性)に設定すると、高摩擦係数路
の場合に前輪側への伝達トルクが多くて、早期にドリフ
トアウトする傾向になってしまう。
これに対し、従来公報に述べられているように、セレ
クトスイッチでの切換え操作で路面摩擦係数によって制
御特性の制御定数を変更するという案もあるが、運転者
の負担になるし、また、路面状態の急変に対応出来な
い。
そこで、本出願人は、特願昭61−288498号の先行出願
において、横加速度Ygをパラメータとし、横加速度Ygが
大となる程、制御定数を下げて4輪駆動の度合を下げる
様にする制御内容で、前述の問題点を解決する案を示し
た。
しかし、この先行出願でも、横加速度Ygのみをパラメ
ータとしてΔN−ΔT制御特性が決められるものであっ
た為、例えば、横加速度Ygが小さい時(低車速での旋回
時,発進時,スタック脱出時,直進走行時等)の制御特
性は、先行出願のマップではKaの線が選択されることに
なる。
そこで、このKa線の傾き(ゲイン)を高く設定し、前
後輪回転速度差ΔNの発生に対して早期に4輪駆動側へ
駆動力配分が変更される様にすると、スタック時や低μ
路発進時等においては脱出や走破性が向上して好ましい
ものの、高μ路の急発進時には、前輪側への伝達トルク
ΔTが高まり過ぎてエンジンがストールし、加速及びフ
ィーリングが悪く、所謂、もたつきが発生する。
また、Ka線の傾き(ゲイン)を低く設定し、前後輪回
転速度差ΔNの発生に対して遅れて4輪駆動側へ駆動力
配分が変更される様にすると、逆に、高μ路の急発進時
にはもたつき感がなく好ましいものの、スタック時や低
μ路発進時等においては脱出や走破性が悪く、更に、ク
ラッチのすべり締結状態が長く続く為にクラッチ耐久性
も悪くなる。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上述のような問題点を解決することを目的
としてなされたもので、この目的達成のために本発明で
は、以下に述べるような解決手段とした。
本発明の解決手段を第1図に示すクレーム概念図によ
り説明すると、エンジン駆動力を前後輪に分配伝達する
エンジン駆動系の途中に設けられ、外部からのクラッチ
締結力により伝達トルクの変更ができる駆動系クラッチ
手段1と、所定の検出手段2からの検出信号に基づいて
前記駆動系クラッチ手段1の締結力を増減制御する制御
信号を出力するクラッチ制御手段3と、を備えた四輪駆
動車の駆動力配分制御装置において、前記検出手段2と
して、前後輪回転速度差検出手段201と横加速度検出手
段202と駆動輪加速度検出手段203を含み、前記クラッチ
制御手段3を、前後輪回転速度差ΔNに応じてクラッチ
締結力を4輪駆動方向に増大させると共に、横加速度Yg
が大きい時はクラッチ締結力の増大割合が小さく、横加
速度Ygが小さい時には増大割合が大きな制御特性が得ら
れ、且つ、横加速度Ygが設定値より小さい時には、駆動
輪加速度に応じてクラッチ締結力の増大割合を更に増
大するような制御特性が得られる手段とした事を特徴と
する。
(作 用) 本発明の四輪駆動車の駆動力配分制御装置では、横加
速度検出手段202で旋回走行時に発生する横加速度Ygを
監視することにより路面摩擦係数情報、特に、大きな横
加速度Ygの検出により高摩擦係数路での旋回時であるこ
とが入力情報としてもたらされることになり、横加速度
Ygが大きい時はクラッチ締結力の増大割合が小さな制御
特性が得られる為、主に2輪駆動側の駆動力配分傾向と
なり、早期にドリフトアウトすることなく、高摩擦係数
路での良好な旋回性が実現出来る。
また、横加速度Ygが小さい時(高μ路又は低μ路での
直進,発進及び低μ路旋回等)には増大割合が大きな制
御特性が得られる為、主に4輪駆動側の駆動力配分傾向
となり、発進性能の向上や直進安定性の向上や旋回時に
早期にスピンやドリフトアウトすることが防止される。
更に、駆動輪加速度検出手段203で駆動輪加速度を
監視することにより駆動輪スリップの発生速度情報がも
たらされ、駆動輪加速度に応じてクラッチ締結力の増
大割合を更に増大するような制御特性が得られる。
この為、前後輪回転速度差ΔNと駆動輪加速度とが
共に大きく発生するスタック時や低μ路発進時には、い
ちはやく4輪駆動側へ駆動力配分が変更されることにな
り、脱出性及び走破性が向上する。また、その時の駆動
系クラッチ手段1は短時間で完全締結されることでクラ
ッチ耐久性が向上する。
また、前後輪回転速度差ΔNは大きく発生するが、駆
動輪加速度は路面摩擦係数影響で小さな高μ路の急発
進時には、タイヤから路面への伝達トルクを確保しなが
ら徐々に4輪駆動側へ駆動力配分が変更されることにな
り、早期に4輪駆動側へ駆動力配分がなされる時のよう
なエンジンのストールによるもたつき感の発生がない。
そして、駆動輪加速度をパラメータとする制御は横
加速度Ygが設定値Yg0より小さい時に限っている為、パ
ワースライド時等の様に横加速度Ygが大きい時には駆動
輪加速度が大きくなっても制御ゲインが高まったりす
ることなく、パワースライド走行が確保される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。尚、こ
の実施例を述べるにあたって、後輪駆動をベースにした
四輪駆動車の駆動力配分制御装置を例にとる。
まず、構成を説明する。
実施例の駆動力配分制御装置Dが適用される四輪駆動
車は、第2図に示すように、トランスファ装置10,エン
ジン11,トランスミッション12,トランスファ入力軸13,
後輪側駆動軸14,多板摩擦クラッチ(駆動系クラッチ手
段)15,リヤディファレンシャル16,後輪17,フロントデ
ィファレンシャル18,前輪19,ギヤトレーン20,前輪側駆
動軸21を備てえいる。
上記トランスミッション12は、前記エンジン11からの
回転駆動力をシフト操作により選択した変速段位置に応
じて変速させるもので、実施例では平行な二本のシャフ
トに異なるギヤ比の歯車組を設けたタイプのものを用い
ている。
上記トランスファ入力軸13は、トランスファ装置10内
の多板摩擦クラッチ15へ前記トランスミッション12から
の回転駆動力を入力させる軸である。
上記後輪側駆動軸14は、前記トランスファ入力軸13と
同芯上に直結させたもので、トランスファ入力軸13から
の回転駆動力がそのまま伝達される。
上記多板摩擦クラッチ15は、クラッチ油圧により前輪
側への伝達トルクの変更が可能なクラッチで、前記トラ
ンスファ入力軸13及び後輪側駆動軸14に固定させたクラ
ッチドラム15aと、該クラッチドラム15aに回転方向係合
させたフリクションプレート15bと、前記入力軸13の外
周部に回転可能に支持させたクラッチハブ15cと、該ク
ラッチハブ15cに回転方向係合させたフリクションディ
スク15dと、交互に配置されるフリクションプレート15b
とフリクションディスク15dとの一端側に設けられるク
ラッチピストン15eと、該クラッチピストン15eと前記ク
ラッチドラム15aとの間に形成されるシリンダ室15fと、
を備えている。
上記リヤディファレンシャル16及びフロントディファ
レンシャル18は、左右の後輪17,17及び左右の前輪19,19
に差動を許しながら駆動力を分配伝達する差動装置であ
る。
上記ギヤトレーン20は、前記クラッチハブ15cに設け
られた第1ギヤ20aと、中間シャフト20bに設けられた第
2ギヤ20cと、前輪側駆動軸21に設けられた第3ギヤ20d
と、によって構成され、多板摩擦クラッチ15の締結によ
る前輪側への駆動力を伝達させる手段である。
上記前輪側駆動軸21は、車両の前輪19,19に回転駆動
力を伝達させる軸である。
尚、第4図はトランスファ装置10の具体例を示したも
ので、トランスファケース22の中に前記多板摩擦クラッ
チ15やギヤ類やシャフト類が納められている。
第4図中15gはディシュプレート、15hはリターンスプ
リング,24はクラッチ圧油入力ポート,25はクラッチ圧油
路,26は後輪側出力軸,27は潤滑用油路,28はスピードメ
ータ用ピニオン,29はオイルシール,30はベアリング,31
はニードルベアリング,32はスラストベアリング,33は継
手フランジである。
次に、実施例の駆動力配分クラッチ制御装置Dは、第
3図に示すように、前記多板摩擦クラッチ15を締結させ
るための油圧力を発生させる外部装置としての油圧発生
装置50と、この油圧発生装置50からの油圧を所定のクラ
ッチ圧Pに制御する油相制御装置40とを備えている。
上記油圧発生装置50は、オイルポンプ51、ポンプ油圧
路52、クラッチ圧油路53、分岐ドレーン油路54、リザー
ブタンク55、吸込油路56を備えている。
上記油圧制御装置40は、検知手段として、前輪回転速
度センサ41,後輪回転速度センサ42,横加速度センサ43を
備え、制御回路として、コントロールユニット45を備
え、制御アクチュエータとして、バルブソレノイド46a
及びチェック油路46bを有する前記電磁比例リリーフバ
ルブ46(分岐ドレーン油路54に設けられている)を備え
ている。
前輪回転速度センサ41及び後輪回転速度センサ42は、
それぞれ前輪側駆動軸21及び後輪側駆動軸14の途中や左
右の前輪19,19位置等に設けられたもので、軸に固定さ
れたセンサロータと、センサロータに近接配置され、磁
力変化を検知するピックアップセンサと、による回転速
度センサ等が用いられ、この両回転速度センサ41,42か
らは軸回転に応じた正弦波信号等による回転信号(n
f),(nr)が出力される。
前記横加速度センサ43は、Gセンサと呼ばれるセンサ
が用いられ、旋回時等において車両に加わる横加速度Yg
を検出し、横加速度Ygに応じた横加速度信号(yg)が出
力される。
前記コントロールユニット45は、車載のマイクロコン
ピュータを中心とする制御回路が用いられ、前記回転速
度センサ41,42からの回転信号(nf),(nr)を入力
し、基本的には前後輪の駆動軸21,14の回転速度差ΔN
(Nr−Nf)を演算し、回転速度差ΔNが大きくなるに従
って前輪側への伝達トルクΔT(クラッチ油圧P)を高
めて駆動力配分を4輪駆動状態に近づける指令電流信号
(i)を前記電磁比例リリーフバルブ46に出力するもの
で、第5図に示すように、内部回路として、入力インタ
ーフェース451、RAM452、ROM453、CPU454、出力インタ
ーフェース455を備えている。
上記ROM454(リード.オンリー.メモリ)は読出し専
用のメモリで、このROM454には、第8図に示すように、
前後輪回転速度差ΔNと前輪側への伝達トルクΔTとの
制御特性との関係がΔT=Kt・ΔN(Kt;制御定数)と
して予め演算式の形で記憶されている。
上記電磁比例リリーフバル46は、指令電流信号(i)
の出力が指令電流値I=0の場合はクラッチ圧P=0
となるが、指令電流信号(i)の出力が指令電流値I
>0の場合はバルブが閉じ方向に移動し、オイルポンプ
51からのポンプ圧をドレーン油量制御により指令電流値
の大きさに応じたクラッチ圧Pとなす(第6図)。
尚、クラッチ圧Pと前輪側への伝達トルクΔTとの関
係は次式であらわされる(第7図)。
P=ΔT/(μ・S・2n・Rm) 但し μ;クラッチ板の摩擦係数 S;ピストンへの圧
力作用面積 n;フリクションディスク枚数 Rm;フリク
ションディスクのトルク伝達有効半径 従って、クラッチ圧Pを増大させると、前輪側への伝
達トルクΔTも比例して増大する。
次に、作用を説明する。
まず、実施例での駆動力配分制御作動の流れを、第9
図に示すフローチャート図により説明する。
まず、実施例は、横加速度Ygを横加速度センサ43によ
り直接検出すると共に、前後輪回転速度差ΔNの増大に
対して前輪側への伝達トルクΔTが直線的に増大する制
御特性を得るようにした例である。
ステップ100では、各センサ41,42,43から前輪回転速
度Nf,後輪回転速度Nr,横加速度Ygが読み込まれる。
ステップ101では、前記ステップ100で読み込まれた前
輪回転速度Nfと後輪回転速度Nrから前後輪回転速度差Δ
Nが演算により求められる。
尚、演算式は、ΔN=Nr−Nfである。
ステップ102では、横加速度Ygが設定値Yg0以上かどう
かが判断される。そして、Yg≧Yg0の時には、ステップ1
03へ進む。
尚、設定値はゼロに近い値である。
ステップ103では、前記ステップ100で読み込まれた横
加速度Ygから制御定数Kt1が演算により求められる。
尚、演算式は、Kt1=f1(Yg)であり、無段階的に求
めても良いし、0≦Yg<Y1の時にKt1=Ka、Y1≦Yg<Y2
の時にKt1=Kb、Y2≦Ygの時にKt1=Kc(但し、Ka>Kb>
Kc)のように多段階的に求めても良い。
ステップ104では、前記ステップ101で求めた前後輪回
転速度差ΔNとステップ103(またはステップ107)で求
めた制御定数Kt1(Kt2)とによって前輪側伝達トクルΔ
Tが求められる。
尚、演算式は、ΔT=f2(ΔN)であり、ΔN≧0の
時にΔT=Kt*ΔNとし、ΔN<0の時にΔT=0とす
る。
ステップ105では、前記ステップ103で求められた前輪
側への伝達トルクΔTに対応したクラッチ圧Pが得られ
る指令電流値Iによる指令電流信号(i)が出力され
る。
又、前記ステップ102でYg<Yg0と判断されるとステッ
プ106へ進み、前後輪回転速度差時間変化率Δが前後
輪回転速度差ΔNの微分演算により求められる。
ステップ107では、前後輪回転速度差時間変化率Δ
から制御定数Kt2が演算により求められる。
尚、演算式は、Kt2=f3(Δ)であり、Δが大き
い程、第8図のKdに示すように、制御定数Kt2が大きく
なる。
ステップ107からはステップ104→ステップ105へと進
む。
次に、横加速度YgがYg≧Yg0の場合とYg<Yg0の場合に
分けて作用の説明をする。
(イ)Yg≧Yg0の時 横加速度センサ43からの信号で旋回走行時に発生する
横加速度Ygを監視することにより路面摩擦係数情報、特
に、大きな横加速度Ygの検出により高摩擦係数路での旋
回時であることが入力情報としてもたらされることにな
り、横加速度Ygが大きい時はクラッチ締結力の増大割合
が小さな制御特性(例えば、Kc線)が得られる為、主に
2輪駆動側の駆動力配分傾向となり、早期にドリフトア
ウトすることなく、高摩擦係数路での良好な旋回性が実
現出来る。
また、横加速度Ygが小さい時(高μ路又は低μ路での
直進,発進及び低μ路旋回等)には増大割合が大きな制
御特性(例えば、Kb線やKa線)が得られる為、主に4輪
駆動側の駆動力配分傾向となり、発進性能の向上や直進
安定性の向上や旋回時に早期にスピンやドリフトアウト
することが防止される。
(ロ)Yg<Yg0の時 演算により求めた前後輪回転速度差時間変化率Δで
駆動輪加速度を監視することにより駆動輪スリップの発
生速度情報がもたらされ、駆動輪加速度に応じてクラ
ッチ締結力の増大割合を更に増大するような制御特性
(Ka線〜Kd線)が得られる。
この為、前後輪回転速度差ΔNと駆動輪加速度とが共
に大きく発生するスタック時や低μ路発進時には、いち
はやく4輪駆動側へ駆動力配分が変更されることにな
り、脱出性及び走破性が向上する。また、その時の多板
摩擦クラッチ15は短時間で完全締結されることでクラッ
チ耐久性が向上する。
また、前後輪回転速度差ΔNは大きく発生するが、駆
動輪加速度は路面摩擦係数影響で小さな高μ路の急発進
時には、タイヤから路面への伝達トルクを確保しながら
徐々に4輪駆動側へ駆動力配分が変更されることにな
り、早期に4輪駆動側へ駆動力配分がなされる時のよう
なエンジンのストールによるもたつき感の発生がない。
そして、前後輪回転速度差時間変化率Δ(駆動輪加
速度)をパラメータとする制御は横加速度Ygが設定値Yg
0より小さい時に限っている為、パワースライド時等の
様に横加速度Ygが大きい時には前後輪回転速度差時間変
化率Δが大きくなっても制御ゲインが高まったりする
ことなく、パワースライド走行が確保される。
以上説明してきたように、実施例の駆動力配分クラッ
チ制御装置Dにあっては、以下に述べるような効果が得
られる。
横加速度センサ43により旋回走行時に発生する横加
速度Ygを監視するようにした為、路面摩擦係数センサを
用いることなく、路面摩擦係数の情報、特に、大きな横
加速度Ygの検出により高摩擦係数路での旋回時であるこ
とが入力情報としてもたらされることになる。
横加速度Ygが大きい時はクラッチ締結力の増大割合
が小さな制御特性(例えば制御定数Kcによる特性)が得
られる為、前輪側への伝達トルクΔTが小さく、主に2
輪駆動側の駆動力配分傾向となり、早期にドリフトアウ
トすることなく、高摩擦係数路での良好な旋回性が実現
出来る。
横加速度Ygが小さい時(高μ路旋回時以外で直進,
発進,低μ路旋回等)には増大割合が大きな制御特性
(例えばKa線による)が得られる為、前輪側への伝達ト
ルクΔTが大きく、主に4輪駆動側の駆動力配分傾向と
なり、発進性能の向上や直進安定性の向上や旋回時に早
期にスピンやドリフトアウトすることが防止される。
横加速度Ygが設定値Yg0より小さい時には、前後輪
回転速度差時間変化率ΔをパラメータとしてΔが大
きくなればなる程、制御定数Ktを高くする様にしている
為、スタック時や低μ路発進時の脱出性及び走破性が向
上と、高μ路の急発進時のもたつき感の発生防止との両
立を図ることが出来る。
また、スタック時や低μ路発進時には、多板摩擦クラ
ッチ15は短時間で完全締結されることでクラッチ耐久性
の向上する。
前後輪回転速度差時間変化率Δ(駆動輪加速度)
をパラメータとする制御は横加速度Ygが設定値Yg0より
小さい時に限っている為、パワースライド時等の様に横
加速度Ygが大きい時には前後輪回転速度差時間変化率Δ
が大きくなっても制御ゲインが高まったりすることな
く、パワースライド走行が確保される。
制御定数Ktを変更することで異なる制御特性が得ら
れるようにしている為、複数の制御特性マップの設定を
要さず、コントロールユニット45に予め設定しておく演
算式が一つでよく、メモリの記憶容量が小さくて済む。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、駆動輪加速度を前後輪回転速
度差ΔNを利用した前後輪回転速度差時間変化率Δで
検出する例を示したが、駆動輪である後輪17の回転加速
度rにより検出しても良く、この場合には、制御計算
時間に関する応答性について有利である。
また、実施例では、横加速度Ygに応じて制御定数Ktを
変更させる例を示したが、予め複数の制御特性マップを
設定しておいて、これらのマップの中から横加速度Ygに
応じたマップを選択するような例であってもよい。
また、実施例では、油圧制御アクチュエータとして電
磁比例式リリーフバルブを用いた例を示したが、他の手
段、例えばデューティ制御信号を用いる場合にはソレノ
イド開閉弁構造のもの等としてもよい。
また、実施例では、クラッチ手段として油圧締結によ
る多板摩擦クラッチを示したが、電磁クラッチや粘性ク
ラッチ等他のクラッチを用いてもよい。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の四輪駆動車の駆動
力配分制御装置にあっては、クラッチ制御手段を、前後
輪回転速度差に応じてクラッチ締結力を4輪駆動方向に
増大させると共に、横加速度が大きい時はクラッチ締結
力の増大割合が小さく、横加速度が小さい時には増大割
合が大きな制御特性が得られる手段とした為、横加速度
が路面摩擦係数情報もたらすことになり、横加速度の大
きな高摩擦係数路の旋回時には、早期にドリフトアウト
することなく良好な旋回性が実現出来るし、また、横加
速度の小さな直進,発進,低摩擦係数路旋回等には、発
進性能の向上や直進安定性の向上や旋回時に早期にスピ
ンやドリフトアウトすることが防止されるという効果が
得られる。
更に、横加速度が設定値より小さい時には、駆動輪加
速度に応じてクラッチ締結力の増大割合を更に増大する
ような制御特性が得られるクラッチ制御手段とした為、
スタック時や低μ路発進時の脱出性及び走破性が向上
と、高μ路の急発進時のもたつき関の発生防止との両立
を図ることが出来る。また、スタック時や低μ路発進時
には、多板摩擦クラッチ15は短時間で完全締結されるこ
とでクラッチ耐久性の向上するし、パワースライド走行
が確保される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の四輪駆動車の駆動力配分制御装置を示
すクレーム概念図、第2図は実施例の駆動系クラッチ制
御装置が適用される四輪駆動車を示す図、第3図は実施
例の四輪駆動車の駆動力配分制御装置を示す全体図、第
4図は実施例装置のトランスファ装置を示す断面図、第
5図は実施例装置のコントロールユニットを示すブロッ
ク線図、第6図はクラッチ油圧と前輪側への伝達トルク
の関係特性図、第7図は指令電流値とクラッチ圧の関係
特性図、第8図は実施例装置のコントロールユニットに
予め設定されている前後輪回転速度差に対する前輪側へ
の伝達トルクの制御特性線図、第9図は実施例装置のコ
ントロールユニットにおける駆動系クラッチ制御作動の
流れを示すフローチャート図である。 1……駆動系クラッチ手段 2……検出手段 201……前後輪回転速度差検出手段 202……横加速度検出手段 203……駆動輪加速度検出手段 3……クラッチ制御手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン駆動力を前後輪に分配伝達するエ
    ンジン駆動系の途中に設けられ、外部からのクラッチ締
    結力により伝達トルクの変更ができる駆動系クラッチ手
    段と、所定の検出手段からの検出信号に基づいて前記駆
    動系クラッチ手段の締結力を増減制御する制御信号を出
    力するクラッチ制御手段と、を備えた四輪駆動車の駆動
    力配分制御装置において、 前記検出手段として、前後輪回転速度差検出手段と横加
    速度検出手段と駆動輪加速度検出手段を含み、前記クラ
    ッチ制御手段を、前後輪回転速度差に応じてクラッチ締
    結力を4輪駆動方向に増大させると共に、横加速度が大
    きい時はクラッチ締結力の増大割合が小さく、横加速度
    が小さい時には増大割合が大きな制御特性が得られ、且
    つ、横加速度が設定値より小さい時には、駆動輪加速度
    に応じてクラッチ締結力の増大割合を更に増大するよう
    な制御特性が得られる手段とした事を特徴とする四輪駆
    動車の駆動力配分制御装置。
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