JP2507452C - - Google Patents

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JP2507452C
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は冷却装置およびその運転方法に係り、特にクライオポンプの再生等に
好適な冷却装置およびその運転方法に関するものである。 〔従来の技術〕 従来の装置は、例えば、クライオポンプのパネルを冷却するのに用いており、
そのクライオポンプを再生するのに、実開昭57−54684号に記載のように
、一方からクライオポンプ本体に加温ガスを供給し、他方から排気して、クライ
オポンプを再生するものや、実公昭60−42235号に記載のように、クライ
オポンプ本体内に加熱板を設け、加熱板を所定温度に加熱して残留した液体を気
化させながら、一方から再生ガスを供給し、他方から排して、クライオポンプを
再生していた。 【発明が解決しようとする課題】 上記従来技術は、クライオポンプ再生時の冷却部である膨張機の加温の点につ
いて配慮されておらず、クライオポンプ再生時は膨張機の運転を停止するが、膨
張機は冷却されたままになっているため、外部から常温または加温したガスをパ
ネル面に供給しても、膨張機の寒冷がパネルに伝わりパネル温度が速やかに上昇
せず、クライオポンプの再生に時間が掛かり、再使用の状態にするまでに長時間
を要するという問題があった。 本発明の目的は、寒冷発生部である膨張機を速く加温することのできる冷却装
置およびその運転方法を提供することにある。 〔課題を解決するための手段〕 上記目的は、冷媒ガスを膨張機に送り断熱膨張させる寒冷発生手段と、冷媒ガ
スを膨張機に送り断熱圧縮させる熱発生手段と、寒冷発生手段と熱発生手段との
切り替えを行なう切替手段とを具備した装置とし、膨張機への冷媒ガスの 供給手順を逆にして膨張機を加温する工程を有する方法とすることにより、達成
される。 〔作用〕 寒冷発生手段により冷媒ガスを膨張機に送って断熱膨張させて寒冷を発生させ
、被冷却体等を冷却した後、膨張機を加温する場合は、熱発生手段により冷媒ガ
スの供給手段を逆にして膨張機に送り、冷媒ガスを断熱圧縮して熱を発生させる
。これにより膨張機内部から加温され、加温を速やかに行なえる。 〔実施例〕 以下、本発明の一実施例を第1図〜第5図によって説明する。 第1図の図面上において、取付け台10の下面にカバー11を取り付け、カバ
ー11で囲まれ空間内にモータ20を設け、ベース12を介して取付け台10に
モータ20を取り付ける。モータ20の回転軸の先端には回転バルブ21を取り
付け、回転バルブ21は取付け台10内で回転可能に支持される。 取付け台10の上部にはシリンダ30を取り付け、シリンダ30内には軸方向
に移動可能なピストン32を設ける。シリンダ30は、この場合、2段に形成し
てあり、下側に第1シリンダ30aを配し、上側に第2シリンダ30bを配して
いる。第1シリンダ30aおよび第2シリンダ30bの上端部には、第1コール
ドステージ31aおよび第2コールドステージ31bが設けてある。ピストン3
2は第1シリンダ30aおよび第2シリンダ30bに対応して同方向に同時に移
動可能な第1ピストン32aおよび第2ピストン32bに分けて形成してある。
第1シリンダ30aの下側端部には凹部を設け、取付け台10に設けた凸部とス
ライド可能に組み合わしてある。 第1ピストン32aおよび第2ピストン32bには空間を設け、この場合、第
1ピストン32aの空間内には銅鋼等で構成した第1蓄冷材33aを入れ、第2
ピストン32bの空間内には鉛球等で構成した第2蓄冷材33bを入れている。 カバー11には内部空間を通じて回転バルブ21につながる高圧ガス供給口1
3が設けてある。取付け台10には回転バルブ21につながる低圧ガス排出 口14と、回転バルブ21から取付け台10の凸部を通って第1ピストン32a
の凹部につながる通路15と、回転バルブ21から第1ピストン32aの下側端
面につながる通路16とが設けてある。第1ピストン32aには凹部と第1蓄冷
材33aの挿入空間とにつながる通路34と、第1蓄冷材33aの挿入空間から
第1シリンダ30aと第1ピストン32aとで形成される第1膨張室38aにつ
ながる通路35とが設けてある。第2ピストン32bには第1膨張室38aと第
2蓄冷材33bの挿入空間とにつながる通路36と、第2蓄冷材33bの挿入空
間から第2シリンダ30bと第2ピストン32bとで形成される第2膨張室38
bにつながる通路37とが設けてある。 高圧ガス供給口13および低圧ガス排出口14には圧縮機50につながる高圧
配管51および低圧配管52が接続してある。 このように、この場合の膨張機はソルベイサイクル方式のものであり、膨張機
の駆動手段としてはシリンダ30内に供給される冷媒ガスで、冷媒ガスの供給手
順を決める冷媒ガス供給手段としてはモータ20によって回される回転バルブで
、冷媒ガスの供給手順を変える反転手段としてはモータ電源62にモータ20を
反転させる信号を送る制御装置である。 第1コールドステージ31aには上方に開口部を設けた第1パネル44が取り
付けてあり、第1パネル44の上部開口部にはバッフル45が取り付けてある。
第2コールドステージ31bには第1パネル44で囲まれた空間内に配置した第
2パネル46が取り付けてある。取付け台10には第1パネル44およびシリン
ダ30を囲む真空槽40が取り付けてある。真空槽40には上部に開口部が設け
てあり上端にフランジ41を設け他の機器の真空槽に接続可能としてある。また
、真空槽40には排気口42および再生ガス導入口43が設けてある。 コールドステージ31aおよび31bには温度を検出するセンサ63および6
4が取り付けてあり、センサ63および64は真空槽40の外部に設けた温度計
64につながり、温度計64はさらに制御装置60につながる。また、高圧配管
51および低圧配管52には圧力計66および67が取り付けてあり、 圧力計66および67は制御装置60につながる。制御装置60はさらにモータ
20を駆動するためのモータ電源62と、圧縮機50を駆動するための圧縮機電
源61につなげてある。 制御装置60は、この場合、あらかじめ設定された時間周期でモータ20の正
反転を切り替える信号をモータ電源62に出力するとともに、膨張室38a,3
8b部の温度および圧縮機50の吐出、吸込部の圧力によって圧縮機50から吐
出する冷媒ガス量を調整するように圧縮機用モータの回転数を制御する信号を圧
縮機電源61に出力する。 このように構成されたクライオポンプの作用について第2図から第5図により
説明する。 圧縮機50で加圧された冷媒ガス、この場合、ヘリウムガスは高圧配管51を
通ってカバー11内に送られ、回転バルブ21によって所定の供給先に順次供給
配送される。また、回転バルブ21を介して排出されたヘリウムガスは低圧配管
52を通って圧縮機50の吸込側に戻る。 まず、膨張機を冷却運転させる場合には、回転バルブ21は第2図に示す(a
)から(d)の4工程のように切り替える。工程(a)では、回転バルブ21の
バルブH1とL2とが開き、バルブH2とL1とは閉じた状態になり、圧縮機50か
らの高圧ヘリウムガスはバルブH1を介して通路15を通りピストン32内に入
る。ピストン32内に入った高圧ヘリウムガスは通路34を通って第1蓄冷材3
3aを通過し、第1蓄冷材33aに蓄積された寒冷により冷却されて、通路35
を介して第1膨張室38aに入る。さらに高圧ヘリウムガスは通路36を通って
第2蓄冷材33bを通過し、第2蓄冷材33bに蓄積された寒冷によりさらに冷
却され、通路37を介して第2膨張室38bに導入される。また、図面上におい
て、ピストン32の下端面の空間部39は通路16およびバルブL2を介して低
圧配管52に連通され、空間部39内のヘリウムガスは圧縮機50に吸い込まれ
る。これにより、ピストン32は圧力差によって下降状態にある。 次に、工程(b)では、回転バルブ21は1/4回転し、バルブL1とL2と が開き、バルブH1とH2とは閉じた状態になり、圧縮機50からの高圧ヘリウム
ガスはバルブH1,H2で止められ、通路15および16がバルブL1およびL2
介して低圧配管52に連通され、空間部39は前工程と同様減圧される。また、
通路15に連通したピストン32内は、前工程で膨張室38aおよび38bに供
給された高圧ヘリウムガスが圧縮機50に引かれて減圧することにより、膨張室
38aおよび38b内でヘリウムガスが断熱膨張して寒冷が発生し、冷えたヘリ
ウムガスが蓄冷材33aおよび33bを介して圧縮機50側に戻る際に、蓄冷材
33aおよび33bに寒冷が蓄冷されて、ヘリウムガスは最終的に常温に温度回
復して圧縮機50に戻される。なお、このときシリンダ30内の圧力は低圧状態
になり、ピストン32を上昇させる圧力差はなく、ピストン32は下降状態のま
まである。 次に、工程(c)では、回転バルブ21は1/2回転し、バルブH2とL1とが
開き、バルブH1とL2とが閉じた状態になり、圧縮機50からの高圧ヘリウムガ
スはバルブH2を介して通路16に入り、空間部39に供給される。また、ピス
トン32および膨張室38a,38b内は前工程と同様に減圧される。これによ
り、ピストン32は圧力差によって上昇する。 次に、工程(d)では、回転バルブ21は3/4回転し、バルブH1とH2とが
開き、バルブL1とL2とが閉じた状態になり、圧縮機50からの高圧ヘリウムガ
スがバルブH2および通路16を介して前工程と同様に空間部39に供給される
とともに、バルブH1を介して通路15に流れ、ピストン32内を通って膨張室
38aおよび38bに供給される。なお、このときはシリンダ30内の圧力は高
圧状態になり、ピストン32を下降させる圧力差はなく、ピストン32は上昇状
態のままである。 次には前記工程(a)に戻り、以下順次繰り返えされる。このときの膨張室3
8a,38b内におけるヘリウムガスの状態は、第3図に示すように矩形状のP
V線図となり、第2図における工程(a)ないし(d)はそれぞれ第3図に示す
PV線図のaないしd点に相当する。 このようにして運転された冷却工程により発生された寒冷によって、膨張室 38a,38b部にそれぞれ設けられたコールドステージ31a,31bが冷却
され、このコールドステージ31a,31bに取り付けられたパネル44,46
がそれぞれ、例えば、約80Kおよび約20Kに冷却される。 これにより、パネル44に取り付けられたバッフル45も約80Kに冷却され
、フランジ41に接続した被排気室の比較的沸点の高いガス、例えば、水分や炭
配ガス等が主にバッフル45によって凝縮、凝固され吸着排気され、バッフル4
5を介してパネル44内に入った沸点の低いガス、例えば酸素、窒素、アルゴン
等のガスがパネル46によって凝縮、凝固され吸着排気される。パネル44は真
空槽40からの輻射熱をシールドして、パネル44内への熱侵入を防止している
。 このようにして、クライオポンプは被排気室のガスを吸着排気して高真空にす
るが、バッフル45および46の吸着量が多くなると、排気能力が低下するため
、バッフル45およびパネル46に吸着した固化ガスを気化して脱ガスする再生
作業を行なう。 次に、クライオポンプを加温して再生作業を行なう場合について説明する。ク
ライオポンプの再生に当っては、フランジ41と図示しない被排気室との間に設
けたバルブを締め、真空槽40に設けた再生ガス導入口43から再生ガス、例え
ば、常温の窒素ガスを導入し、排気口42から排気するとともに、膨張機を加温
運転させる。 膨張機を加温運転させる場合には、制御装置60によってモータ20を反転さ
せるようにモータ電源62に電源を切り替える信号を送って、モータ20を反転
させ、回転バルブを逆回転させる。これにより回転バルブ21は第4図に示す(
a)から(d)の4工程のように切り替えられる。 工程(a)では回転バルブ21のバルブH1とL2とが開き、バルブH2とL1
は閉じた状態になり、圧縮機50からの高圧ヘリウムガスはバルブH1を介して
通路15を通りピストン32内に入る。ピストン32内に入った高圧ヘリウムガ
スは通路34を通って第1蓄冷材33aを通過し、第1蓄冷材33aに蓄積され
た寒冷により冷却されて、通路35を介して第1膨張室38aに入る。 さらに高圧ヘリウムガスは通路36を通って第2蓄冷材33bを通過し、第2蓄
冷材33bに蓄積された寒冷によりさらに冷却され、通路37を介して第2膨張
室38bに導入される。また、図面上において、ピストン32の下端面の空間部
39は通路16およびバルブL2を介して低圧配管52に連通され、空間部39
内のヘリウムガスは圧縮機50に吸い込まれる。これにより、ピストン32は圧
力差によって下降状態にある。ただし、この場合の蓄冷材33a,33bに蓄積
された寒冷は、以下に述べる工程により徐々に加温され昇温する。 次に工程(b)では、回転バルブ21は反対側に1/4回転し、バルブH1
2とが開き、バルブL1とL2とが閉じた状態になり、圧縮機50からの高圧ヘ
リウムガスはバルブH1を介して前工程と同様に通路15を通ってピストン32
内および膨張室38a,38bに供給され、膨張室38a,38b内に入ったヘ
リウムガスが高圧に断熱圧縮され発熱する。また、バルブH2を介して通路16
に入り、空間部39に供給される。なお、このとき、シリンダ30内の圧力は高
圧状態になり、ピストン32を上昇させる圧力差はなく、ピストン32は下降状
態のままである。 次に工程(c)では、回転バルブ21は反対側に1/2回転し、バルブH2
1とが開き、バルブH1とL2とが閉じた状態になり、圧縮機50からの高圧ヘ
リウムガスは前工程と同様にバルブH2を介して通路16に入り空間部39に供
給される。また、バルブL1を介して圧縮機50の吸込側に連通した通路15か
らは、膨張室38a,38b内で発熱して昇温したヘリウムガスが、蓄冷材33
a,33bを通って圧縮機50の吸込側に戻る。これにより、膨張機の冷却運転
で寒冷が蓄積された蓄冷材38a,38bは加温される。また、ピストン32は
圧力差によって上昇する。 次に工程(d)では、回転バルブ21は反対側に3/4回転し、バルブL1
2とが開き、バルブH1とH2とは閉じた状態になり、圧縮機50からの高圧ヘ
リウムガスはバルブH1,H2で止められ、通路15および16がバルブL1およ
びL2を介して低圧配管52に連通され、ピストン32および膨張室38a,3
8b内は前工程と同様に減圧され、空間部39も通路16、バルブL2を介して 減圧される。なお、このときシリンダ30内の圧力は低圧状態になり、ピストン
32を下降させる圧力差はなく、ピストン32は上昇状態のままである。 次には前記工程(a)に戻り、以下順次繰り返えされる。このときの膨張室3
8a,38b内におけるヘリウムガスの状態は、第5図に示すように右上りの直
線状のPV線図となり、第4図における工程(a)ないし(d)はそれぞれ第5
図に示すPV線図のaないしd点に相当する。 このようにして運転された加温工程により発生された熱によって、膨張室38
a,38b部にそれぞれ設けられたコールドステージ31a,31bが加温され
、このコールドステージ31a,31bに取り付けられたパネル44,46がそ
れぞれ、常温まで素早く加温される。 これにより、パネル44に取り付けられたバッフル45も常温まで素早く加温
され、冷却工程でバッフル45および第2パネル46に吸着していたガスが気化
して、再生ガス導入口43から供給された窒素ガスに混じって排気口42から排
気され、クライオポンプの再生が行なわれる。 また、本一実施例では、冷却工程および加温工程において、圧縮機50からの
高圧ヘリウムガスの吐出量を調整するようにしている。これは、膨張機内で必要
とされるヘリウムガスの量が、圧力と温度とによって変わってくるためであり、
この場合、冷却ガスの必要流量Qは次式で表わされる。 ここで、T1 :第1膨張室の絶対温度 T2 :第2膨張室の絶対温度 V1 :第1膨張室の最大容積 V2 :第2膨張室の最大容積 ΔP:圧縮機の吐出圧力と吸込圧力との差圧 (1)式において、この場合、変動する値は絶対温度T1,T2および差圧ΔP
であり、これらの値を求めることにより、膨張機が必要とする最適の冷媒ガ ス流量を求めることができ、膨張機の冷却運転および加温運転を効率良く運転で
きる。 この場合は、膨張室38a,38bの温度をセンサ63,64で検出し温度計
65を介して制御装置60に入力するとともに、圧縮機50の吐出側および吸入
側の圧力を圧力計66および67で検出し制御装置60に入力する。このとき、
回転バルブ21の切り替わりによって圧力の脈動が生じ、これが圧力計66およ
び67に検出されてしまうので、制御装置60では圧力の平均値を算出して用い
る。制御装置60ではこれらの値を用いて前記(1)式により冷媒ガスの必要流
量Qを算出し、あらかじめ記憶しておいた圧縮機50の特性から決まる吐出流量
と圧力差(吐出圧力と吸込圧力の差)の関係から、圧縮機50の吐出流量が必要
流量Qと等しくなるときの圧力差を求め、検出した圧力値から算出した圧力差Δ
Pと比較して、比較した値によって圧縮機50のモータを速く回転させるように
したり、遅く回転させるようにしたりするために、圧縮機電源61を制御する。 冷却運転時は冷媒ガス温度が下がるので、必要流量Qは大きくなり、このため
圧縮機50は吐出量が多くなるように制御され、加温運転時は逆に圧縮機50の
吐出量が少なくなるように制御される。 以上、本一実施例によれば、制御装置60によってモータ20を逆回転させる
ことができ、回転バルブを反転させるようにしているので、膨張機を加温運転さ
せることができ、従来外部からの熱侵入だけにたよって加温していたシリンダ3
0および蓄冷材33a,33bが内部から加温され早く常温状態に戻すことがで
きるので、再生時間を短縮することができるという効果がある。例えば、排気速
度1500l/s(窒素ガス)のクライオポンプを再生するのに必要な時間は、
従来は2〜3時間必要であったものが、本一実施例では約1時間に短縮できた。 また、膨張室38a,38bの温度および圧縮機50の出入口部の圧力を検出
して、膨張機が必要とする最適な流量を算出して、圧縮機50からの吐出量を制
御することができるので、ロスのない効率的なクライオポンプの運転を行 なうことができるという効果がある。 なお、本一実施例ではクライオポンプの効率運転を行なうのに、温度と圧力の
両方を検出して行なうようにしているが、運転状態が悪くなると圧力差が大きく
なって膨張機部から発生する音が大きくなるので、この音をマイクで検出して、
所定のレベル以上の大きさになったら圧縮機50を制御するようにしても良い。
これによれば、制御は少し雑になるが制御系を簡単にすることができる。 また、本一実施例ではクライオポンプの効率運転を行なうのに圧縮機50の吐
出量を調整するようにしているが、圧縮機50の吐出量は一定にし、モータ20
の回転数を制御してピストン運動を多くしたり少なくしたりして、単位時間当り
の冷媒ガスの使用量を一定にするように制御しても良い。この場合には、寒冷発
生量や熱発生量を多くすることができるので冷却運転および加温運転の運転時間
を短縮することができ、さらに再生時間を短縮することができる。なお、この場
合は、シリンダ30の質量をどこまで減せるかで、シリンダが往復運転できるサ
イクルが決まるので、モータ20の回転数をむやみに上げることができない。 さらに、本一実施例の膨張機はソルベイサイクル方式のものであるが、スター
リングサイクル方式,ギフォードマクマホンサイクル方式等の往復動機関の膨張
機においては、全て適用できる。また、本一実施例の膨張機は被冷却体を凍らせ
る冷凍装置としても使用でき、被冷却体の冷凍または解凍を行なうのに便利であ
り、また、被冷却体を冷却する冷却装置として使用し、被冷却体の冷却または温
度回復をさせるのに便利である。また、温度回復運転は外部入力指示によって行
なっても良い。 次に、本発明の第2の実施例を第6図により説明する。第6図は保冷装置を示
すもので、内部に液化ガス73(例えば液体窒素)を貯蔵する保冷槽70の外側
を断熱空間71(例えば真空断熱)を介して外槽72で囲み、保冷槽70上部の
フランジ74に、この場合、開口部を2箇所設け、一方には先端にコールドステ
ージ82を有する凝縮機80を設け、他方にはサポート76を介して 被冷却体、例えば、電子素子を実装したCPUやメモリを取り付けた基板77を
支持した蓋75を設ける。この場合、基板16は保冷槽1内の液化ガス73中に
浸漬してあり、基板77に接続されたリード線78は蓋75を貫通して外部に引
き出され、外部に設けたインターフェイス79に接続してある。 寒冷発生手段である凝縮機80のコールドステージ82は保冷槽70内の空間
に収納してあり、この場合、凝縮機80は前記一実施例の膨張機と同様のソルベ
イサイクル方式のものであり、凝縮機80の動作を逆動作させるためのモータ8
1は制御装置84で制御するようになっている。また、制御装置84にはコール
ドステージ82の温度を測定する温度計86と、保冷槽70内の圧力を測定する
圧力計85とがつないであり、これらの信号を受けて凝縮機80を運転するため
の冷媒ガスを供給する圧縮機83を制御するようになっている。 なお、この場合、動作切替手段としては切替え信号を入力する制御装置84と
、制御装置84から信号を受けて逆回転する凝縮機80のモータ81と、モータ
81に取り付けた図示しない回転バルブとから成る。 このように構成された保冷装置により、液化ガス73が蒸発して所定の圧力レ
ベルよりも圧力が高くなると圧力計85が信号を出し、この信号を制御装置84
が受けて圧縮機83を運転開始させるとともに、凝縮機80が冷却工程となるよ
うにモータ81を回転制御する。これにより、前記一実施例のように圧縮機83
からの冷媒ガスが凝縮機80に送られ、回転バルブを介して凝縮機80の膨張室
に供給されて寒冷が発生し、コールドステージ82が冷却されることにより、コ
ールドステージ82に蒸発したガスが凝縮してくっつき、滴下して液化ガス73
に戻る。保冷槽70内の圧力が所定の圧力レベルまで下がると、圧力計85から
の信号が止まり、制御装置84は圧縮機83およびモータ81の運転を停止する
。 また、凝縮機80の保守点検を行なう場合には、保冷槽70外に凝縮機80を
取り出す必要があり、この場合、制御装置84に加温指令の信号を入力すること
により、制御装置84が圧縮機83を運転開始させるとともに、凝縮機80が加
温工程となるようにモータ81を回転制御する。これにより、前記一実 施例のように圧縮機83からの冷媒ガスが凝縮機80に送られ、回転バルブを介
して凝縮機80の膨張室に供給されて熱を発生し、冷却されていた部分を内部か
ら加温して常温に戻す。常温になると温度計86から信号が出て制御装置84に
入力され、制御装置84はこの信号を受けて圧縮機83およびモータ81の運転
を停止する。凝縮機80の冷却部が常温に戻ると凝縮機80を保冷槽70外に抜
き出し、保守点検を行なう。 以上、本第2の実施例によれば、従来凝縮機80の保守,点検を行なう場合は
、凝縮機80の冷却部にモータを取り付け常温になるまで加温していたが、この
場合は、凝縮機80のピストンやピストン内に設けた蓄冷材がなかなか温まらず
、常温まで加温するのに時間が掛かっていたが、本実施例によれば、冷却部を内
部から加温できるので速やかに常温まで加温することができ、保守,点検に要す
る時間を短縮することができるという効果がある。 次に、本発明の第3の実施例を第7図により説明する。第7図は試料冷却装置
を示すもので、真空槽93の内部に低温に冷却される試料台92を収納するよう
に冷却機90を真空槽93に取り付け、真空槽93の上部に蓋94を設けて、試
料95を真空槽93内の試料台92に載置可能にしてある。また、真空槽93に
は図示しない真空ポンプにつながる排気口が設けてあり、真空排気およびリーク
が可能にしてある。試料95にはデータを取り出すためのリード線が取り付けて
あり、リード線の他端は真空槽93の外部に設けたインターフェイス96に接続
してある。 寒冷発生手段である冷却機90は、この場合、前記一実施例の膨張機と同様の
ソルベイサイクル方式のものであり、冷却機90の動作を逆動作させるためのモ
ータ91は制御装置98で制御するようになっている。また、制御装置98には
試料台92部に取り付けた温度計99から検出信号を入力するようになっている
とともに、冷却機90を運転するための冷媒ガスを供給する圧縮機97を制御す
るようになっている。 なお、この場合、動作切替手段としては切替え信号を入力する制御装置98と
、制御装置98から信号を受けて逆回転する冷却機90のモータ91と、モ ータ91に取り付けた図示しない回転バルブとからなる。 このように構成された試料冷却装置により、試料台92に載置した試料95を
冷却する場合は、制御装置98に冷却開始の指令を入力することによって、制御
装置98が圧縮機97を運転開始させるとともに、冷却機90が冷却工程となる
ようにモータ91を回転制御する。これにより、前記一実施例のように圧縮機9
7から冷媒ガスが冷却機90に送られ、回転バルブを介して冷却機90の膨張室
に供給されて寒冷が発生し、試料台92が冷却されることにより、試料台92に
載置した試料95が冷却される。 試料95の冷却温度を調整したい場合には、温度計99からの測定値を制御装
置98に入力し、調整したい温度と比較して、比較した値によって圧縮機97か
らの冷媒ガスの吐出量を調整するように、制御装置98によって圧縮機97を運
転制御する。また、他の方法として、試料台93部にヒータ等の加熱手段を設け
ておき、制御装置98によって温度計99からの測定値と調整したい値とを比較
しながら加温手段を制御するようにしても良い。 また、試料95の試験が終了し、試料95を真空槽93外部に取り出そうとす
る場合には、一旦試料95を真空槽93内で常温にしてから外部に出す必要があ
り、この場合は、制御装置98に加温指令を入力することにより、制御装置98
は圧縮機97をそのまま運転させておき、冷却機90が加温工程となるようにモ
ータ91を回転制御する。これにより、前記一実施例のように圧縮機97からの
冷媒ガスが冷却機90に送られ、回転バルブを介して冷却機90の膨張室に供給
されて熱を発生し、冷却されていた部分を内部から加温して常温に戻す。温度計
99からの測定値が常温になると、制御装置98は圧縮機97およびモータ91
の運転を停止する。次に、真空槽93内を大気圧に戻し、蓋94を開けて試料9
5を取り出す。 以上、本第3の実施例によれば、従来試料95の取り出しを行なう場合には、
冷却機90の冷却部にヒータを取り付けて常温になるまで加温していたが、この
場合は、冷却機90のピストンやピストン内に設けた蓄冷材がなかなか温まらず
、常温まで加温するのに長い時間を要していたが、本実施例によれば、冷 却部を内部から加温できるので速やかに常温まで加温することができ、速く試料
を取り出すことができるという効果がある。 〔発明の効果〕 本発明によれば、膨張機へ供給する冷媒ガスの供給手順を逆にすることによっ
て、膨張機に供給した冷媒ガスを断熱圧縮させて熱を発生させることができるの
で、膨張機を内部から加温することができ、しかも、その際、膨張機のピストン
運動回数を制御するので、膨張機の加温を速やかに行なうことができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の冷却装置を適用した一実施例であるクライオポンプの構成図
、第2図は第1図の膨張機の冷却工程を示す図、第3図は第2図の冷却工程にお
けるPV線図、第4図は第1図の膨張機の加温工程を示す図、第5図は第4図の
加温工程におけるPV線図、第6図は本発明の冷却装置を適用した第2の実施例
である保冷装置の構成図、第7図は本発明の冷却装置を適用した第3の実施例で
ある試料冷却装置の構成図である。 20……モータ、21……回転バルブ、30a,30b……シリンダ、31a
,31b……コールドステージ、32a,32b……ピストン、44,46……
パネル、50……圧縮機、60……制御装置、70……保冷槽、80……凝縮機
、81……モータ、82……コールドステージ、83……圧縮機、84……制御
装置、90……冷却機、91……モータ、92……試料台、93……真空槽、9
7……圧縮機、98……制御装置

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 圧縮機から供給される冷媒ガスを取り入れ該冷媒ガスを断熱膨張する膨張機と
    、 該膨張機の寒冷発生部に設けたパネルと、 前記膨張機を駆動する駆動手段と、 前記膨張機への前記冷媒ガスの供給手順を決める冷媒ガス供給手段とを具備し
    たクライオポンプにおいて、 前記駆動手段は前記膨張機のピストンを往復運動させるモータとこのモータの
    回転数を制御する制御装置とを含み、前記モータは正逆両方向に回転可能であり
    、このモータの回転方向を冷却の場合と加温の場合とにおいて逆にすることによ
    り前記膨張機の駆動と前記膨冷媒ガスの供給手段との関係を反転する反転手段を
    設け、前記加温の場合において前記圧縮機から供給される冷媒ガス量を一定にし
    て前記モータの回転数を前記制御装置により制御することを特徴とする冷却装置
    。 【請求項2】 シリンダと該シリンダ内を往復運動するピストンとからなる膨張機と、前記ピ
    ストンを往復運動させる正逆両方向に回転可能かつ回転数可変のモータとからな
    る冷却装置の前記膨張機に対して圧縮機より冷媒ガスを供給し、前記モータを一
    方の方向に回転させ、該冷媒ガスを断熱膨張して寒冷を発生させる工程と、 該発生した寒冷によりパネルを冷却する工程と、 前記膨張機に対して前記冷媒ガスを供給し、前記モータを他方の方向に回転さ
    せるとともに前記圧縮機より供給される冷媒ガス量を一定にしてその回転数を制
    御し、該冷媒ガスを断熱圧縮して熱を発生させる工程と、 該発生した熱により前記パネルを加温する工程と、 前記パネルを冷却する工程と前記パネルを加温する工程とを交互に行う工程と からなることを特徴とする冷却装置の運転方法。

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