JP2014173571A - クライオポンプ及びその再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クライオポンプの再生において水の排出を促進する。
【解決手段】クライオポンプの再生方法は、クライオポンプ容器の排気とパージガスの供給とを第1圧力範囲で交互に行うことを含む第1排出工程(S12)と、第1圧力範囲を下回る低圧領域までクライオポンプ容器を排気することを含む第2排出工程(S18)と、を備える。第2排出工程は、第2排出工程を終了するか否かを低圧領域で少なくとも一回判定することと、第2排出工程を終了するか否かの初回の判定より前に、クライオポンプ容器にパージガスを供給することと、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、クライオポンプ及びその再生方法に関する。
クライオポンプは、極低温に冷却されたクライオパネルに気体分子を凝縮または吸着により捕捉して排気する真空ポンプである。クライオポンプは半導体回路製造プロセス等に要求される清浄な真空環境を実現するために一般に利用される。クライオポンプはいわゆる気体溜め込み式の真空ポンプであるから、捕捉した気体を外部に定期的に排出する再生を要する。クライオポンプの再生における問題の一つは、水の排出である。
国際公開第2005/052369号 特開平9−14133号公報 特開2009−156220号公報 特開2002−249876号公報
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、クライオポンプの再生において水の排出を促進することにある。
本発明のある態様によると、クライオパネルと、前記クライオパネルを収容するクライオポンプ容器と、前記クライオパネルの再生のために前記クライオポンプ容器の排気と前記クライオポンプ容器へのパージガスの供給とを制御するよう構成されている制御部と、を備え、前記制御部は、前記クライオポンプ容器の排気と前記パージガスの供給とを第1圧力範囲で交互に行うことを含む第1排出工程と、前記第1圧力範囲を下回る低圧領域まで前記クライオポンプ容器を排気することを含む第2排出工程と、を実行し、前記第2排出工程は、前記第2排出工程を終了するか否かを前記低圧領域で少なくとも一回判定することと、前記第2排出工程を終了するか否かの初回の判定より前に、前記クライオポンプ容器にパージガスを供給することと、を含むことを特徴とするクライオポンプが提供される。
本発明のある態様によると、クライオポンプ容器の排気とパージガスの供給とを第1圧力範囲で交互に行うことを含む第1排出工程と、前記第1圧力範囲を下回る低圧領域まで前記クライオポンプ容器を排気することを含む第2排出工程と、を備え、前記第2排出工程は、前記第2排出工程を終了するか否かを前記低圧領域で少なくとも一回判定することと、前記第2排出工程を終了するか否かの初回の判定より前に、前記クライオポンプ容器にパージガスを供給することと、を含むことを特徴とするクライオポンプの再生方法が提供される。
本発明によれば、クライオポンプの再生において水の排出を促進することができる。
本発明のある実施形態に係るクライオポンプを模式的に示す図である。 本発明のある実施形態に係る再生方法を説明するためのフローチャートである。 本発明のある実施形態に係る再生シーケンスを例示する図である。
図1は、本発明のある実施形態に係るクライオポンプ10を模式的に示す図である。クライオポンプ10は、例えばイオン注入装置やスパッタリング装置等の真空チャンバに取り付けられて、真空チャンバ内部の真空度を所望のプロセスに要求されるレベルまで高めるために使用される。
クライオポンプ10は、気体を受け入れるための吸気口12を有する。吸気口12はクライオポンプ10の内部空間14への入口である。クライオポンプ10が取り付けられた真空チャンバから吸気口12を通じて、排気されるべき気体がクライオポンプ10の内部空間14に進入する。
なお以下では、クライオポンプ10の構成要素の位置関係をわかりやすく表すために、「軸方向」、「径方向」との用語を使用することがある。軸方向は吸気口12を通る方向を表し、径方向は吸気口12に沿う方向を表す。便宜上、軸方向に関して吸気口12に相対的に近いことを「上」、相対的に遠いことを「下」と呼ぶことがある。つまり、クライオポンプ10の底部から相対的に遠いことを「上」、相対的に近いことを「下」と呼ぶことがある。径方向に関しては、吸気口12の中心に近いことを「内」、吸気口12の周縁に近いことを「外」と呼ぶことがある。なお、こうした表現はクライオポンプ10が真空チャンバに取り付けられたときの配置とは関係しない。例えば、クライオポンプ10は鉛直方向に吸気口12を下向きにして真空チャンバに取り付けられてもよい。
クライオポンプ10は、低温クライオパネル18と、高温クライオパネル19と、を備える。また、クライオポンプ10は、高温クライオパネル19及び低温クライオパネル18を冷却する冷却システムを備える。この冷却システムは、冷凍機16と、圧縮機36と、を備える。
冷凍機16は、例えばギフォード・マクマホン式冷凍機(いわゆるGM冷凍機)などの極低温冷凍機である。冷凍機16は、第1ステージ20、第2ステージ21、第1シリンダ22、第2シリンダ23、第1ディスプレーサ24、及び第2ディスプレーサ25を備える二段式の冷凍機である。よって、冷凍機16の高温段は、第1ステージ20、第1シリンダ22、及び第1ディスプレーサ24を備える。冷凍機16の低温段は、第2ステージ21、第2シリンダ23、及び第2ディスプレーサ25を備える。
第1シリンダ22と第2シリンダ23は直列に接続されている。第1ステージ20は、第1シリンダ22と第2シリンダ23との結合部に設置されている。第2シリンダ23は第1ステージ20と第2ステージ21とを連結する。第2ステージ21は、第2シリンダ23の末端に設置されている。第1シリンダ22及び第2シリンダ23それぞれの内部には第1ディスプレーサ24及び第2ディスプレーサ25が冷凍機16の長手方向(図1において左右方向)に移動可能に配設されている。第1ディスプレーサ24と第2ディスプレーサ25とは一体に移動可能に連結されている。第1ディスプレーサ24及び第2ディスプレーサ25にはそれぞれ第1蓄冷器及び第2蓄冷器(図示せず)が組み込まれている。
冷凍機16は、第1シリンダ22の高温端に設けられている駆動機構17を備える。駆動機構17は、第1ディスプレーサ24及び第2ディスプレーサ25のそれぞれが第1シリンダ22及び第2シリンダ23の内部を往復動可能であるように第1ディスプレーサ24及び第2ディスプレーサ25に接続されている。また駆動機構17は、作動気体の吸入と吐出を周期的に繰り返すよう作動気体の流路を切り替える流路切替機構を含む。流路切替機構は例えばバルブ部とバルブ部を駆動する駆動部とを含む。バルブ部は例えばロータリーバルブを含み、駆動部はロータリーバルブを回転させるためのモータを含む。モータは、例えばACモータまたはDCモータであってもよい。また流路切替機構はリニアモータにより駆動される直動式の機構であってもよい。
冷凍機16は高圧導管34及び低圧導管35を介して圧縮機36に接続される。冷凍機16は、圧縮機36から供給される高圧の作動気体(例えばヘリウム)を内部で膨張させて第1ステージ20及び第2ステージ21に寒冷を発生させる。圧縮機36は、冷凍機16で膨張した作動気体を回収し再び加圧して冷凍機16に供給する。
具体的には、まず駆動機構17が高圧導管34と冷凍機16の内部空間とを連通させる。圧縮機36から高圧導管34を通じて冷凍機16に高圧の作動気体が供給される。冷凍機16の内部空間が高圧の作動気体で満たされると、駆動機構17は冷凍機16の内部空間を低圧導管35に連通させるよう流路を切り替える。これにより作動気体は膨張する。膨張した作動気体は圧縮機36へと回収される。こうした作動気体の給排に同期して、第1ディスプレーサ24及び第2ディスプレーサ25のそれぞれが第1シリンダ22及び第2シリンダ23の内部を往復動する。このような熱サイクルを繰り返すことで冷凍機16は第1ステージ20及び第2ステージ21に寒冷を発生させる。
冷凍機16は、第1ステージ20を第1温度レベルに冷却し、第2ステージ21を第2温度レベルに冷却するよう構成されている。第2温度レベルは第1温度レベルよりも低温である。例えば、第1ステージ20は65K〜120K程度、好ましくは80K〜100Kに冷却され、第2ステージ21は10K〜20K程度に冷却される。
図1は、クライオポンプ10の内部空間14の中心軸と、冷凍機16の中心軸とを含む断面を示す。図1に示されるクライオポンプ10は、いわゆる横型のクライオポンプである。横型のクライオポンプとは一般に、冷凍機16がクライオポンプ10の内部空間14の中心軸に交差する(通常は直交する)よう配設されているクライオポンプである。本発明はいわゆる縦型のクライオポンプにも同様に適用することができる。縦型のクライオポンプとは、冷凍機がクライオポンプの軸方向に沿って配設されているクライオポンプである。
低温クライオパネル18は、クライオポンプ10の内部空間14の中心部に設けられている。低温クライオパネル18は例えば、複数のパネル部材26を含む。パネル部材26は例えば、それぞれが円すい台の側面の形状、いわば傘状の形状を有する。各パネル部材26には通常活性炭等の吸着剤27が設けられている。吸着剤27は例えばパネル部材26の裏面に接着されている。このようにして、低温クライオパネル18は、気体分子を吸着するための吸着領域を備える。
パネル部材26はパネル取付部材28に取り付けられている。パネル取付部材28は第2ステージ21に取り付けられている。このようにして、低温クライオパネル18は、第2ステージ21に熱的に接続されている。よって、低温クライオパネル18は第2温度レベルに冷却される。
高温クライオパネル19は、放射シールド30と入口クライオパネル32とを備える。高温クライオパネル19は、低温クライオパネル18を包囲するよう低温クライオパネル18の外側に設けられている。高温クライオパネル19は第1ステージ20に熱的に接続されており、高温クライオパネル19は第1温度レベルに冷却される。
放射シールド30は主として、クライオポンプ10のハウジング38からの輻射熱から低温クライオパネル18を保護するために設けられている。放射シールド30は、ハウジング38と低温クライオパネル18との間にあり、低温クライオパネル18を囲む。放射シールド30は、吸気口12に向けて軸方向上端が開放されている。放射シールド30は、軸方向下端が閉塞された筒形(例えば円筒)の形状を有し、カップ状に形成されている。放射シールド30の側面には冷凍機16の取付のための孔があり、そこから第2ステージ21が放射シールド30の中に挿入されている。その取付孔の外周部にて放射シールド30の外面に第1ステージ20が固定されている。こうして放射シールド30は第1ステージ20に熱的に接続されている。
入口クライオパネル32は、吸気口12において径方向に沿って配置されている。入口クライオパネル32はその外周部が放射シールド30の開口端に固定されて、放射シールド30に熱的に接続されている。入口クライオパネル32は、低温クライオパネル18から軸方向上方に離れて設けられている。入口クライオパネル32は、例えば、ルーバ構造やシェブロン構造に形成される。入口クライオパネル32は、放射シールド30の中心軸を中心とする同心円状に形成されていてもよいし、あるいは格子状等他の形状に形成されていてもよい。
入口クライオパネル32は、吸気口12に入る気体を排気するために設けられている。入口クライオパネル32の温度で凝縮する気体(例えば水分)がその表面に捕捉される。また、入口クライオパネル32は、クライオポンプ10の外部の熱源(例えば、クライオポンプ10が取り付けられる真空チャンバ内の熱源)からの輻射熱から低温クライオパネル18を保護するために設けられている。輻射熱だけではなく気体分子の進入も制限される。入口クライオパネル32は、吸気口12を通じた内部空間14への気体流入を所望量に制限するように吸気口12の開口面積の一部を占有する。
クライオポンプ10は、ハウジング38を備える。ハウジング38は、クライオポンプ10の内部と外部とを隔てるための真空容器である。ハウジング38は、クライオポンプ10の内部空間14を気密に保持するよう構成されている。ハウジング38は、高温クライオパネル19の外側に設けられており、高温クライオパネル19を囲む。また、ハウジング38は冷凍機16を収容する。つまり、ハウジング38は、高温クライオパネル19及び低温クライオパネル18を収容するクライオポンプ容器である。
ハウジング38は、高温クライオパネル19及び冷凍機16の低温部に非接触であるように、外部環境温度の部位(例えば冷凍機16の高温部)に固定されている。ハウジング38の外面は外部環境にさらされており、冷却されている高温クライオパネル19よりも温度が高い(例えば室温程度)。
また、ハウジング38はその開口端から径方向外側に向けて延びる吸気口フランジ56を備える。吸気口フランジ56は、クライオポンプ10を真空チャンバに取り付けるためのフランジである。真空チャンバの開口にはゲートバルブが設けられており(図示せず)、吸気口フランジ56はそのゲートバルブに取り付けられる。そのようにして入口クライオパネル32の軸方向上方にゲートバルブが位置する。例えばクライオポンプ10を再生するときにゲートバルブは閉とされ、クライオポンプ10が真空チャンバを排気するときに開とされる。
ハウジング38には、ベントバルブ70、粗引きバルブ72、及びパージバルブ74が取り付けられている。
ベントバルブ70は、クライオポンプ10の内部から外部環境へと流体を排出するための排出ライン80の例えば末端に設けられている。ベントバルブ70が開弁されることにより排出ライン80の流れが許容され、ベントバルブ70が閉弁されることにより排出ライン80の流れが遮断される。排出される流体は基本的にはガスであるが、液体または気液の混合物であってもよい。例えばクライオポンプ10に凝縮されたガスの液化物が排出流体に混在していてもよい。ベントバルブ70が開弁されることにより、ハウジング38の内部に生じた陽圧を外部に解放することができる。
粗引きバルブ72は、粗引きポンプ73に接続される。粗引きバルブ72の開閉により、粗引きポンプ73とクライオポンプ10とが連通または遮断される。粗引きバルブ72を開くことにより、粗引きポンプ73とハウジング38とが連通される。粗引きバルブ72を閉じることにより、粗引きポンプ73とハウジング38とが遮断される。粗引きバルブ72を開きかつ粗引きポンプ73を動作させることにより、クライオポンプ10の内部を減圧することができる。
粗引きポンプ73は、クライオポンプ10の真空引きをするための真空ポンプである。粗引きポンプ73は、クライオポンプ10の動作圧力範囲の低真空領域、言い替えればクライオポンプ10の動作開始圧力であるベース圧レベルをクライオポンプ10に提供するための真空ポンプである。粗引きポンプ73は、大気圧からベース圧レベルまでハウジング38を減圧することができる。ベース圧レベルは、粗引きポンプ73の高真空領域にあたり、粗引きポンプ73とクライオポンプ10の動作圧力範囲の重なり部分に含まれる。ベース圧レベルは、例えば1Pa以上50Pa以下(例えば10Pa程度)の範囲である。
粗引きポンプ73は典型的にはクライオポンプ10とは別の真空装置として設けられ、例えばクライオポンプ10が接続される真空チャンバを含む真空システムの一部を構成する。クライオポンプ10は真空チャンバのための主ポンプであり、粗引きポンプ73は補助ポンプである。
パージバルブ74は図示しないパージガス源75に接続される。パージガスは例えば窒素ガスである。パージガスは、乾燥したガスであってもよいし、(例えば室温より高温に)加熱されたガスであってもよい。パージバルブ74の開閉によりパージガス源75とクライオポンプ10とが連通または遮断され、パージガスのクライオポンプ10への供給が制御される。パージバルブ74を開くことにより、パージガス源75からハウジング38へのパージガス流れが許容される。パージバルブ74を閉じることにより、パージガス源75からハウジング38へのパージガス流れが遮断される。パージバルブ74を開きパージガス源75からパージガスをハウジング38に導入することにより、クライオポンプ10の内部を昇圧することができる。
クライオポンプ10は、第1ステージ20の温度を測定するための第1温度センサ90と、第2ステージ21の温度を測定するための第2温度センサ92と、を備える。第1温度センサ90は、第1ステージ20に取り付けられている。第2温度センサ92は、第2ステージ21に取り付けられている。なお、第1温度センサ90は高温クライオパネル19に取り付けられていてもよい。第2温度センサ92は低温クライオパネル18に取り付けられていてもよい。
また、ハウジング38の内部に圧力センサ94が設けられている。圧力センサ94は例えば、高温クライオパネル19の外側で冷凍機16の近傍に設けられている。圧力センサ94は、ハウジング38の圧力を周期的に測定し、測定圧力を示す信号を制御部100に出力する。圧力センサ94はその出力を通信可能に制御部100に接続されている。
圧力センサ94は、クライオポンプ10により実現される高い真空レベルと大気圧レベルの両方を含む広い計測範囲を有する。少なくとも再生処理中に生じ得る圧力範囲を計測範囲に含むことが望ましい。よって、圧力センサ94の計測範囲の下限は例えば、1Pa(又は10Pa)のオーダであり、上限は10Paのオーダである。なお、真空レベルの測定用の圧力センサと、大気圧レベルの測定用の圧力センサとが、個別にクライオポンプ10に設けられていてもよい。
圧力センサ54は例えばクリスタルゲージであってもよい。クリスタルゲージとは、水晶振動子の振動抵抗が圧力によって変化する現象を利用して圧力を測定するセンサである。あるいは圧力センサ54はピラニー真空計などの熱伝導真空計、または熱陰極電離真空計であってもよい。
また、クライオポンプ10は、クライオポンプ10を制御するための制御部100を備える。制御部100はクライオポンプ10に一体に設けられていてもよいし、クライオポンプ10とは別体の制御装置として構成されていてもよい。
制御部100は、クライオポンプ10の真空排気運転及び再生運転のために冷凍機16を制御するよう構成されている。制御部100は、クライオパネルの再生のためにクライオポンプ容器の排気とクライオポンプ容器へのパージガスの供給とを制御するよう構成されている。制御部100は、主として再生中に必要に応じてベントバルブ70、粗引きバルブ72、及びパージバルブ74の開閉を制御する。制御部100には、第1温度センサ90、第2温度センサ92、及び圧力センサ94を含む各種センサの測定結果を受信するよう構成されている。制御部100は、そうした測定結果に基づいて、冷凍機16及び各種バルブに与える制御指令を演算する。
例えば、真空排気運転においては、制御部100は、ステージ温度(例えば第1ステージ温度)が目標の冷却温度に追従するように冷凍機16を制御する。第1ステージ20の目標温度は通常、一定値に設定される。第1ステージ20の目標温度は例えば、クライオポンプ10が取り付けられる真空チャンバで行われるプロセスに応じて仕様として定められる。
上記の構成のクライオポンプ10による動作を以下に説明する。クライオポンプ10の作動に際しては、まずその作動前に粗引きバルブ72を通じて粗引きポンプ73でクライオポンプ10の内部を動作開始圧力(例えば1Paないし10Pa程度)まで粗引きする。その後クライオポンプ10を作動させる。制御部100による制御のもとで、冷凍機16の駆動により第1ステージ20及び第2ステージ21が冷却され、これらに熱的に接続されている高温クライオパネル19、低温クライオパネル18も冷却される。
入口クライオパネル32は、真空チャンバからクライオポンプ10内部へ向かって飛来する気体分子を冷却し、その冷却温度で蒸気圧が充分に低くなる気体(例えば水分など)を表面に凝縮させて排気する。入口クライオパネル32の冷却温度では蒸気圧が充分に低くならない気体は入口クライオパネル32を通過して放射シールド30内部へと進入する。進入した気体分子のうち低温クライオパネル18の冷却温度で蒸気圧が充分に低くなる気体は、その表面に凝縮されて排気される。その冷却温度でも蒸気圧が充分に低くならない気体(例えば水素など)は、低温クライオパネル18の表面に接着され冷却されている吸着剤27により吸着されて排気される。このようにしてクライオポンプ10が取り付けられている真空チャンバの真空度を所望のレベルに到達させることができる。
排気運転が継続されることによりクライオポンプ10には気体が蓄積されていく。蓄積した気体を外部に排出するために、所定の再生開始条件が満たされたときに、クライオポンプ10の再生が行われる。再生開始条件は例えば、排気運転が開始されてから所定時間が経過したことを含んでもよい。再生処理は、昇温工程、排出工程、及び冷却工程を含む。排出工程は、第1排出工程及び第2排出工程を含む。
クライオポンプ10の再生処理は、制御部100により制御される。制御部100は、所定の再生開始条件が満たされたか否かを判定し、当該条件が満たされた場合には再生を開始する。当該条件が満たされていない場合には、制御部100は再生を開始せず、真空排気運転を継続する。
図2は、本発明のある実施形態に係る再生方法を説明するためのフローチャートである。再生処理は、排気運転中のクライオパネル温度よりも高温である再生温度にクライオポンプ10を昇温する昇温工程を含む(S10)。図2に示す再生処理は、いわゆるフル再生である。フル再生は、高温クライオパネル19及び低温クライオパネル18を含むすべてのクライオパネルを再生する。クライオパネル18、19は真空排気運転のための冷却温度から例えば常温付近の再生温度(例えば約300K)まで加熱される。
昇温工程は、いわゆる逆転昇温を含む。作動気体に断熱圧縮を生じさせるように冷凍機16が運転され、そうして得られる圧縮熱でクライオパネル18、19及び吸着剤27が加熱される。昇温工程は、クライオポンプ10及び/または冷凍機16に設けられているヒータ(図示せず)によってクライオパネル18、19及び吸着剤27を加熱することを含んでもよい。
昇温工程は、パージガスによってクライオパネル18、19及び吸着剤27を加熱することを含んでもよい。よって、昇温工程は、クライオポンプ10へのパージガスの供給を開始することを含んでもよい。制御部100は、パージバルブ74を開いてパージガスをクライオポンプ10の内部空間14に導入する。供給されたパージガスは、ベントバルブ70を通じてクライオポンプ10から排出される。
昇温工程において制御部100は、クライオパネル温度の測定値が再生温度に達したか否かを判定する。制御部100は、再生温度に達するまでは昇温工程を継続し、再生温度に達した場合には昇温工程を終了する。冷凍機16の逆転昇温が行われている場合、制御部100は、昇温工程を終了するとともに冷凍機16の運転を停止してもよい。制御部100は、冷凍機16の運転停止とともにパージを終了してもよいし、冷凍機16の運転停止後もパージガスの供給を所定時間継続してもよい(いわゆる延長パージ)。
昇温工程の終了に続いて、制御部100は、第1排出工程(S12)及び第2排出工程(S18)をこの順番で実行する。これらの排出工程においては、クライオパネル表面から再気化した気体がクライオポンプ10の外部へ排出される。再気化した気体は例えば排出ライン80を通じて、または粗引きポンプ73を使用して、外部に排出される。再気化した気体は、必要に応じて導入されるパージガスとともにクライオポンプ10から排出される。排出工程においては、冷凍機16の昇温運転が継続されていてもよいし、冷凍機16の運転は停止されてもよい。
第1排出工程は主として、クライオパネル18、19に凝縮した水を気化して排出するための処理である。第1排出工程は、第1ラフアンドパージ(S14)と、第1ビルドアップ判定を含む(S16)と、を含む。言い換えれば、第1ラフアンドパージ及び第1ビルドアップ判定は、クライオパネル18、19に凝縮した水をクライオポンプ10から排出するよう設定されている。
ラフアンドパージとは、ハウジング38の粗引きとパージガスの供給とを交互に行う工程である。ラフアンドパージにおいては、粗引きとパージとの組み合わせが1回または複数回実行される。通例、ラフアンドパージにおいて制御部100は、粗引きとパージとを選択的に実行する。すなわち、粗引き(またはパージ)が行われているときパージ(または粗引き)は停止されている。代案として、ラフアンドパージにおいて、粗引き及びパージの一方が連続して行われる間に粗引き及びパージの他方が間欠的に行われてもよい。これも、粗引きとパージガスの供給とが交互に行われているとみなされる。粗引き及びパージの開始及び終了は、後述するようにハウジング38の圧力に基づき行われてもよいし、あるいは経過時間に基づいてもよい。
昇温工程が終了すると、制御部100は、第1ラフアンドパージを開始する。このとき制御部100はまずハウジング38の粗引きを開始する。制御部100は、パージバルブ74を閉じ、粗引きバルブ72を開く。粗引きによって、ハウジング38の内部が減圧される。以下では説明の便宜上、第1ラフアンドパージの粗引き及びパージをそれぞれ、第1粗引き及び第1パージと呼ぶことがある。
第1粗引きには終了圧が設定されている。第1粗引きの終了圧は、ベース圧レベルよりも高圧であり、例えば50Pa乃至500Pa、好ましくは100Pa乃至200Paの範囲から選択される。この圧力領域を以下では準ベース圧レベルと呼ぶことがある。また、第1粗引きには開始圧が設定されている。第1粗引きの開始圧は例えば大気圧である。
制御部100は、圧力センサ94の測定圧力が第1粗引きの終了圧に達したとき、粗引きバルブ72を閉じ、第1粗引きを終了する。続いて、制御部100は、パージバルブ74を開き、第1パージを開始する。第1パージによって、ハウジング38の内部が昇圧される。
制御部100は、圧力センサ94の測定圧力が第1粗引きの開始圧に達したとき、パージバルブ74を閉じ、第1パージを終了する。このようにして、初回の第1粗引き及び第1パージが終了する。続いて、制御部100は、粗引きバルブ72を開き、2回目の第1粗引きを開始する。
第1パージの終了後、第1粗引きが開始される前に、制御部100は、第1ラフアンドパージの終了条件が満たされているか否かを判定する。第1ラフアンドパージの終了条件は例えば、第1パージ(または第1粗引き)が規定の回数(1回または複数回、図3においては4回)実行されたことを含む。終了条件が満たされている場合には、制御部100は、第1ラフアンドパージを終了し、第1ビルドアップ判定を実行する(S16)。終了条件が満たされていない場合には、制御部100は、第1ラフアンドパージを継続する(すなわち、第1粗引きが開始される)。
こうして、第1ラフアンドパージにおいて制御部100は、ハウジング38の圧力を第1圧力範囲で制御する。第1圧力範囲は、第1粗引きの開始圧と終了圧とにより定まる範囲である。第1ラフアンドパージにおいてクライオポンプ内圧は第1圧力範囲を振動的に往復する。
第1ラフアンドパージが終了すると、制御部100は、第1ビルドアップ判定を開始する。クライオポンプ再生におけるビルドアップ判定は、初期圧力からの圧力上昇勾配が判定しきい値を超えない場合に、クライオポンプ10から気体が充分に排出されたと判定する処理である。
制御部100は、粗引きバルブ72を開き、第1ビルドアップ判定のための初期圧力までハウジング38を粗引きする。初期圧力は準ベース圧レベルの圧力から選択され、例えば第1粗引きの終了圧に等しいかそれよりも低い。制御部100は、圧力センサ94の測定圧力が初期圧力に達したとき粗引きを停止する。制御部100は、粗引きバルブ72を含む各バルブを閉じ、ハウジング38を気密に保持する。同時に、制御部100は、判定時間の計時を開始し、圧力センサ94の測定圧力を監視する。制御部100は、判定時間が経過したときの昇圧量(初期圧力からの増分)をハウジング38の圧力上昇勾配とみなす。
制御部100は、第1ビルドアップ判定が合格の場合、つまりハウジング38の圧力上昇勾配がしきい値を超えない場合に、第1排出工程を終了し、第2排出工程を開始する(S18)。一方、制御部100は、第1ビルドアップ判定が不合格の場合つまりハウジング38の圧力上昇勾配がしきい値を超える場合には第1排出工程を継続する。この場合、制御部100は、再び初期圧力まで粗引きをして改めて圧力上昇勾配を監視するか、あるいは第1ラフアンドパージを再実施したうえで第1ビルドアップ判定をする。
第1排出工程が終了したとき、クライオパネル18、19の表面から氷及び液体の水は充分に(好ましくは完全に)排出されている。クライオポンプ10に残留しているガスは水蒸気である。水蒸気は、吸着剤27、クライオパネル18、19、及びその他の構造物の表面に吸着されている。
第2排出工程は主として、吸着剤27に吸着した水を気化して排出するための処理である。第2排出工程は、第2ラフアンドパージ(S20)と、第2ビルドアップ判定を含む(S22)と、を含む。以下では説明の便宜上、第2ラフアンドパージの粗引き及びパージをそれぞれ、第2粗引き及び第2パージと呼ぶことがある。第2ラフアンドパージは、第2粗引きの終了圧が第1粗引きの終了圧より低いことを除いて、第1ラフアンドパージと同様である。
第1排出工程が終了すると(すなわち第1ビルドアップ判定に合格すると)、制御部100は、第2ラフアンドパージを開始する。制御部100は、第1排出工程の直後に第2ラフアンドパージを行う。
第2ラフアンドパージにおいて制御部100は最初に、粗引きバルブ72を開き、第2粗引きを行う。初回の第2粗引きにおいては、第1ビルドアップ判定の終了時点の準ベース圧レベルの圧力を下回る第2粗引き終了圧へとハウジング38が減圧される。第2粗引き終了圧はベース圧レベルから選択され、例えば約10Paである。制御部100は、圧力センサ94の測定圧力が第2粗引き終了圧に達したときこの第2粗引きを終了し、初回の第2パージを開始する。第2パージは、吸着剤27に吸着されている水が凍らない圧力へとハウジング38を昇圧する。制御部100は、圧力センサ94の測定圧力が第2粗引きの開始圧に達したとき、第2パージを終了し第2粗引きを開始する。第2粗引きの開始圧は例えば大気圧である。
第2パージの終了後、第2粗引きが開始される前に、制御部100は、第2ラフアンドパージの終了条件が満たされているか否かを判定する。第2ラフアンドパージの終了条件は例えば、第2パージ(または第2粗引き)が規定の回数(1回または複数回、図3においては3回)実行されたことを含む。終了条件が満たされている場合には、制御部100は、第2ラフアンドパージを終了し、第2ビルドアップ判定を実行する(S22)。終了条件が満たされていない場合には、制御部100は、第2ラフアンドパージを継続する(すなわち、第2粗引きが開始される)。
こうして、第2ラフアンドパージにおいて制御部100は、ハウジング38の圧力を第2圧力範囲で制御する。ラフアンドパージ工程のクライオポンプ内圧は、第2圧力範囲を振動的に往復する。第2圧力範囲は、第2粗引きの開始圧と終了圧とにより定まる範囲である。第2圧力範囲は、第1圧力範囲を下回る低圧領域に拡張されている。すなわち、この低圧領域は準ベース圧レベルよりも低い。第2排出工程は、クライオポンプ容器を低圧領域まで排気することと、クライオポンプ容器にパージガスを供給することと、を交互に行うことを含む。
本実施形態においては、制御部100は、第1排出工程を終了することと、第1圧力範囲からこの低圧領域へとハウジング38を排気することと、ハウジング38にパージガスを供給することと、を逐次実行する。このような逐次的な処理により、第2排出工程の初期においてクライオポンプ10にパージガスを自動的に導入することができる。
第2ラフアンドパージが終了すると、制御部100は、第2ビルドアップ判定を開始する。制御部100は、第2ビルドアップ判定の初期圧力までハウジング38を粗引きする。初期圧力はベース圧レベルの圧力から選択され、例えば第2粗引きの終了圧に等しいかそれよりも低い。よって、第2ビルドアップ判定は、第1ビルドアップ判定に比べて高真空領域で実行される。制御部100は、圧力センサ94の測定圧力が初期圧力に達したとき粗引きを停止する。制御部100は、粗引きバルブ72を含む各バルブを閉じ、ハウジング38を気密に保持する。同時に、制御部100は、判定時間の計時を開始し、圧力センサ94の測定圧力を監視する。制御部100は、判定時間が経過したときの昇圧量をハウジング38の圧力上昇勾配とみなす。
制御部100は、第2ビルドアップ判定が合格の場合、つまりハウジング38の圧力上昇勾配がしきい値を超えない場合に、第2排出工程を終了し、クールダウン工程を開始する(S24)。したがって、第2ビルドアップ判定は、クールダウン開始の可否を判定するクールダウン開始判定である。一方、制御部100は、第2ビルドアップ判定が不合格の場合つまりハウジング38の圧力上昇勾配がしきい値を超える場合には第2排出工程を継続する。この場合、制御部100は、再び初期圧力まで粗引きをして改めて圧力上昇勾配を監視するか、あるいは第2ラフアンドパージを再実施したうえで第2ビルドアップ判定をする。
昇温工程及び排出工程において制御部100は、ハウジング38の外部に対して内部に陽圧が生じたか否かを圧力センサ94の測定値に基づいて判定し、陽圧が生じたと判定した場合にはベントバルブ70を開放してもよい。これにより排出ライン80を通じてクライオポンプ10内部の高圧を外部に解放することができる。制御部100は、陽圧が生じていないと判定した場合にはベントバルブ70を閉鎖する。こうして、ハウジング38内が減圧されているときは容器内へのリークをシールすることができる。
第2排出工程が終了すると、制御部100は、クールダウン工程を開始する(S24)。クールダウン工程は、真空排気運転を再開するためにクライオパネル18、19及び吸着剤27を再冷却する処理である。冷凍機16の冷却運転が開始される。この冷却工程の少なくとも一部において粗引きが行われてもよく、例えば冷却開始から粗引き終了圧力または粗引き終了温度に達するまで粗引きが継続されてもよい。制御部100は、クライオパネル温度の測定値が真空排気運転のためのクライオパネル冷却温度に達したか否かを判定する。制御部100は、クライオパネル冷却温度に到達するまでクールダウン工程を継続し、当該冷却温度に達したときクールダウン工程を終了する。こうして再生処理は完了する。クライオポンプ10の真空排気運転が再開される。
図3は、本発明のある実施形態に係る再生シーケンスを示す図である。この再生シーケンスは上述のように制御部100によって制御される。図3は、クライオポンプ10における再生中の温度及び圧力の時間変化の一例を模式的に示す。図3に示される温度は第2温度センサ92の測定温度であり、圧力は圧力センサ94の測定圧力である。
図3に示される再生シーケンスは、その開始から終了までの全期間が期間aないし期間fの6期間に区分される。上述の昇温工程は期間aにあたり、第1排出工程は期間b及び期間cにあたり、第2排出工程は期間d及び期間eにあたり、クールダウン工程は期間fにあたる。期間b及び期間cにおいてはそれぞれ第1ラフアンドパージ及び第1ビルドアップ判定が行われている。期間d及び期間eにおいてはそれぞれ第2ラフアンドパージ及び第2ビルドアップ判定が行われている。
期間aにおいては冷凍機16の逆転昇温が行われている。冷凍機16の逆転昇温と窒素パージとにより第2ステージ21が目標温度(例えば300K)へと昇温されていく。窒素パージによりクライオポンプ内の圧力は速やかに大気圧に達する。水以外の大半のガスは、昇温中にクライオパネル18、19から放出される。
期間bは、主に水分を気化し排出するためにある。期間bの第1ラフアンドパージにおいて、粗引きによるクライオポンプ内の減圧は、水が凍らない圧力範囲に留める。最低圧力は例えば100Pa程度である。期間bの前半は主として、クライオパネル18、19に堆積した氷を溶かすための期間である。期間bの後半は主として、水を気化させるための期間である。
期間cは、粗引きにより水蒸気を排出するための第1粗引き期間である。このとき窒素パージは停止されている。期間cにおいては、粗引きと、圧力上昇勾配の判定とが繰り返される。判定中は粗引きは停止される。圧力上昇勾配がしきい値より小さくなったとき(すなわち、第1ビルドアップ判定に合格したとき)、期間cは終了する。
期間dの第2ラフアンドパージにおいては、ベース圧レベルまでクライオポンプ10が粗引きされる。最低圧力は第1ラフアンドパージより低く、例えば10Pa程度である。蒸発速度は一般に圧力に反比例する。そのため、低圧まで粗引きをすることは、吸着剤27からの水の蒸発速度を増やす効果がある。
しかし、このとき、吸着剤27に残留する水が、過剰な気化熱によって再び氷になる可能性がある。パージガスによる昇圧は、水の蒸発速度を抑える効果をもつ。また、パージガスは吸着剤27を加熱する効果もある。これらはいずれも、吸着剤27での氷結抑制または解氷促進に有効である。
期間eにおいては、期間cに比べて高真空領域で、粗引きと圧力上昇勾配の判定とが繰り返される。判定中は粗引きは停止される。圧力上昇勾配がしきい値より小さくなったとき(すなわち、第2ビルドアップ判定に合格したとき)、期間eは終了する。
期間fにおいては、冷凍機16の冷却運転が開始される。このとき粗引きも行われる。目標の冷却温度に達したとき、粗引きは終了される。このようにして再生は完了し、真空排気運転が開始される。
以上説明したように、本実施形態によると、吸着剤27の再生段階において初回のクールダウン開始判定に先行して、パージガスが供給される。こうして吸着剤再生段階の初期にパージガスを供給することで、吸着剤27での解氷が促進され又は氷結が抑制される。加えて、ベース圧レベルの低圧への粗引きによって吸着剤27からの水の蒸発が促進される。このようにして、吸着剤27から水を効率的に排出することができる。よって、吸着剤再生の所要時間を短くすることができる。
本実施形態に係るクライオポンプ10は、水分を多量に排気する用途(例えば、高電流イオン注入装置)に有効である。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
上述の実施形態においては第2排出工程の粗引き圧が一定である。しかし、第2排出工程における複数回の粗引き終了圧は、第1圧力範囲を下回る低圧領域において段階的に低減されてもよい。あるいは、第2排出工程における粗引き終了圧は、第1圧力範囲を下回る低圧領域においてランダムに設定されてもよい。
10 クライオポンプ、 18 低温クライオパネル、 19 高温クライオパネル、 38 ハウジング、 72 粗引きバルブ、 73 粗引きポンプ、 74 パージバルブ、 75 パージガス源、 100 制御部。

Claims (4)

  1. クライオパネルと、
    前記クライオパネルを収容するクライオポンプ容器と、
    前記クライオパネルの再生のために前記クライオポンプ容器の排気と前記クライオポンプ容器へのパージガスの供給とを制御するよう構成されている制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記クライオポンプ容器の排気と前記パージガスの供給とを第1圧力範囲で交互に行うことを含む第1排出工程と、前記第1圧力範囲を下回る低圧領域まで前記クライオポンプ容器を排気することを含む第2排出工程と、を実行し、
    前記第2排出工程は、前記第2排出工程を終了するか否かを前記低圧領域で少なくとも一回判定することと、前記第2排出工程を終了するか否かの初回の判定より前に、前記クライオポンプ容器にパージガスを供給することと、を含むことを特徴とするクライオポンプ。
  2. 前記制御部は、前記第1排出工程を終了することと、前記第1圧力範囲から前記低圧領域へと前記クライオポンプ容器を排気することと、前記クライオポンプ容器にパージガスを供給することと、を逐次実行することを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
  3. 前記第2排出工程は、前記クライオポンプ容器を前記低圧領域まで排気することと、前記クライオポンプ容器にパージガスを供給することと、を交互に行うことを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のクライオポンプ。
  4. クライオポンプ容器の排気とパージガスの供給とを第1圧力範囲で交互に行うことを含む第1排出工程と、
    前記第1圧力範囲を下回る低圧領域まで前記クライオポンプ容器を排気することを含む第2排出工程と、を備え、
    前記第2排出工程は、前記第2排出工程を終了するか否かを前記低圧領域で少なくとも一回判定することと、前記第2排出工程を終了するか否かの初回の判定より前に、前記クライオポンプ容器にパージガスを供給することと、を含むことを特徴とするクライオポンプの再生方法。
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