JP2507142Y2 - 樹脂成形用型の注入口構造 - Google Patents
樹脂成形用型の注入口構造Info
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- JP2507142Y2 JP2507142Y2 JP1991107164U JP10716491U JP2507142Y2 JP 2507142 Y2 JP2507142 Y2 JP 2507142Y2 JP 1991107164 U JP1991107164 U JP 1991107164U JP 10716491 U JP10716491 U JP 10716491U JP 2507142 Y2 JP2507142 Y2 JP 2507142Y2
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- molding
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、樹脂注入口の形状を特
定することにより、樹脂原料を低圧で注入することがで
きるようにし、これにより型の肉厚を薄くして伝熱効率
を高め、樹脂原料の硬化時間を短縮して生産能率を向上
させるようにした樹脂成形用型の注入口構造に関するも
のである。
定することにより、樹脂原料を低圧で注入することがで
きるようにし、これにより型の肉厚を薄くして伝熱効率
を高め、樹脂原料の硬化時間を短縮して生産能率を向上
させるようにした樹脂成形用型の注入口構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば、浴槽等の断面肉厚が極めて厚い
樹脂成形品を製造する場合は、雌雄嵌合する上下型を用
いるのが通常である。これは、樹脂原料が充分に硬化す
るまでの間、樹脂原料を上型と下型とで保持して保形す
ることにより、製品の形状精度を向上させんとするもの
である。
樹脂成形品を製造する場合は、雌雄嵌合する上下型を用
いるのが通常である。これは、樹脂原料が充分に硬化す
るまでの間、樹脂原料を上型と下型とで保持して保形す
ることにより、製品の形状精度を向上させんとするもの
である。
【0003】而して、従来の浴槽等の製造方法は、図8
に示す通りである。すなわち、先ず上型1の成形面に離
型材2を塗布し、これを50℃の温度で予備加熱し、続
いて上型1の表面にゲルコート材3を塗布している。そ
して、上型1を硬化炉の中へ入れて50〜60℃で加熱
し、その後、硬化炉から上型1を取り出し、ガラスマッ
ト4をゲルコート層3上に配設し、これをまた硬化炉の
中へ入れて70℃程度の温度で加熱硬化させている。一
方、下型5にあっては、その成形面に離型材2を塗布
し、続いてバックアップ材としてのガラスマット6を配
設し、更にレジンコンクリート7を凹部8内へ充填して
いる。然る後に、前記上型1と下型5とを合わせて加圧
し、レジンコンクリート7を展延させ、全体を硬化炉の
中へ入れて100℃程度の温度で加熱し、硬化養生させ
て脱型し、製品としての浴槽9を得ている。
に示す通りである。すなわち、先ず上型1の成形面に離
型材2を塗布し、これを50℃の温度で予備加熱し、続
いて上型1の表面にゲルコート材3を塗布している。そ
して、上型1を硬化炉の中へ入れて50〜60℃で加熱
し、その後、硬化炉から上型1を取り出し、ガラスマッ
ト4をゲルコート層3上に配設し、これをまた硬化炉の
中へ入れて70℃程度の温度で加熱硬化させている。一
方、下型5にあっては、その成形面に離型材2を塗布
し、続いてバックアップ材としてのガラスマット6を配
設し、更にレジンコンクリート7を凹部8内へ充填して
いる。然る後に、前記上型1と下型5とを合わせて加圧
し、レジンコンクリート7を展延させ、全体を硬化炉の
中へ入れて100℃程度の温度で加熱し、硬化養生させ
て脱型し、製品としての浴槽9を得ている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】このように従来の樹脂
成形用型にあっては、レジンコンクリート7を加圧する
ことで浴槽9を成形している。そのため、型自体の強度
が加圧成形に耐え得るだけの充分なものでなければなら
ず、その肉厚は極めて大きいものであった。しかも、従
来の樹脂成形用型は、型の成形面側から裏面側へ至る全
厚みの領域において樹脂が介在している。そのため、加
熱炉等へ入れてレジンコンクリート7等の樹脂原料を加
熱硬化させる場合に、先ず加熱炉の輻射熱により樹脂成
形用型を加熱し、続いて該型の熱伝導を利用してレジン
コンクリート7を加熱している。輻射熱自体は熱伝達と
しては極めて効率の悪いものであり、また樹脂型の熱伝
導も極めて効率の悪いものである。それ故、従来の樹脂
成形用型にあっては、前記肉厚が厚いことも起因して非
常にレジンコンクリート7等の樹脂原料の加熱効率が悪
く、硬化に要する時間が極めて長いという欠点があっ
た。参考までに説明すると、浴槽9を成形する場合は、
5時間が必要であった。
成形用型にあっては、レジンコンクリート7を加圧する
ことで浴槽9を成形している。そのため、型自体の強度
が加圧成形に耐え得るだけの充分なものでなければなら
ず、その肉厚は極めて大きいものであった。しかも、従
来の樹脂成形用型は、型の成形面側から裏面側へ至る全
厚みの領域において樹脂が介在している。そのため、加
熱炉等へ入れてレジンコンクリート7等の樹脂原料を加
熱硬化させる場合に、先ず加熱炉の輻射熱により樹脂成
形用型を加熱し、続いて該型の熱伝導を利用してレジン
コンクリート7を加熱している。輻射熱自体は熱伝達と
しては極めて効率の悪いものであり、また樹脂型の熱伝
導も極めて効率の悪いものである。それ故、従来の樹脂
成形用型にあっては、前記肉厚が厚いことも起因して非
常にレジンコンクリート7等の樹脂原料の加熱効率が悪
く、硬化に要する時間が極めて長いという欠点があっ
た。参考までに説明すると、浴槽9を成形する場合は、
5時間が必要であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案は従来の前記課題
に鑑みてこれを改良除去したものであって、樹脂原料を
低圧で注入することができるようにすることで、型自体
の厚みを薄くすることができ、しかも型自体にそれ程強
度を必要としない樹脂成形用型の注入口構造を提供せん
とするものである。
に鑑みてこれを改良除去したものであって、樹脂原料を
低圧で注入することができるようにすることで、型自体
の厚みを薄くすることができ、しかも型自体にそれ程強
度を必要としない樹脂成形用型の注入口構造を提供せん
とするものである。
【0006】而して、前記課題を解決するために本考案
が採用した手段は、樹脂成形品を成形するための型にお
いて、樹脂原料の注入口と成形用空間とを結ぶ通路を下
流側へ向けて末広り状に拡開形成し、前記通路の各部の
断面積を注入口の開口面積よりも大きく設定したことを
特徴とする樹脂成形用型の注入口構造である。
が採用した手段は、樹脂成形品を成形するための型にお
いて、樹脂原料の注入口と成形用空間とを結ぶ通路を下
流側へ向けて末広り状に拡開形成し、前記通路の各部の
断面積を注入口の開口面積よりも大きく設定したことを
特徴とする樹脂成形用型の注入口構造である。
【0007】
【作用】本考案の樹脂成形用型にあっては、樹脂原料の
注入口と成形用空間とを結ぶ通路の形状が末広り状であ
り、しかも通路の各部の断面積は注入口の開口面積より
も大きくなるように設定されている。そのため、樹脂原
料を注入した場合に、樹脂原料は成形用空間内へスムー
ズに侵入することが可能であり、空気を巻き込むことな
く、低圧で注入することができる。低圧での注入である
ため、型自体に加圧成形のような充分な強度を必要とす
るものではなく、型自体を薄くでき、また型自体の内部
に温水等の熱媒体の流路を形成することが可能である。
それ故、伝熱効率を向上させることがき、樹脂原料の加
熱硬化に要する時間を短縮して生産能率を上げることが
可能である。
注入口と成形用空間とを結ぶ通路の形状が末広り状であ
り、しかも通路の各部の断面積は注入口の開口面積より
も大きくなるように設定されている。そのため、樹脂原
料を注入した場合に、樹脂原料は成形用空間内へスムー
ズに侵入することが可能であり、空気を巻き込むことな
く、低圧で注入することができる。低圧での注入である
ため、型自体に加圧成形のような充分な強度を必要とす
るものではなく、型自体を薄くでき、また型自体の内部
に温水等の熱媒体の流路を形成することが可能である。
それ故、伝熱効率を向上させることがき、樹脂原料の加
熱硬化に要する時間を短縮して生産能率を上げることが
可能である。
【0008】
【実施例】以下に、本考案の構成を、浴槽を成形する場
合の成形型へ適用した実施例に基づいて図面を参照して
説明すると次の通りである。
合の成形型へ適用した実施例に基づいて図面を参照して
説明すると次の通りである。
【0009】図1乃至図3は、本考案の一実施例に係る
樹脂原料の注入口10を示すものであり、図1は成形型
11の注入口部を示す縦断面図、図2は注入口10の平
面図、図3は成形型11の斜視図である。同図に示すよ
うに、この成形型11にあっては、上型12に樹脂原料
の注入口10を設けている。この注入口10は、上型1
2と下型13とで形成される成形用空間14に通路15
を介して連通している。なお、図1において、符合10
aは、注入口10を形成するための金属製の筒体であ
る。
樹脂原料の注入口10を示すものであり、図1は成形型
11の注入口部を示す縦断面図、図2は注入口10の平
面図、図3は成形型11の斜視図である。同図に示すよ
うに、この成形型11にあっては、上型12に樹脂原料
の注入口10を設けている。この注入口10は、上型1
2と下型13とで形成される成形用空間14に通路15
を介して連通している。なお、図1において、符合10
aは、注入口10を形成するための金属製の筒体であ
る。
【0010】而して、通路15は、図1及び図2で明ら
かな如く、末広り状になっており、しかも前記通路15
の各部での断面積は、注入口10の開口面積よりも大き
くなるように設定されている。つまり、通路15の各部
での幅wと、高さhとから求められる断面積Sが、注入
口10の開口面積よりも大きくなるように設定されてい
る。これは、注入される樹脂原料が受ける抵抗よりも成
形空間14へ流れる樹脂原料が受ける抵抗の方を少なく
することにより、樹脂原料が通路15へスムーズに流れ
込むようにし、空気を巻き込むことがないようにするた
めのものである。これにより、本実施例の成形型11に
あっては、注入口10より例えばレジンコンクリート1
6を低圧で注入することが可能であり、加圧成形する必
要はない。それ故、成形型11の強度を従来の加圧成形
型よりも低くすることが可能であり、肉厚を薄くするこ
とができる。またこのように、低圧注入を可能にするこ
とにより、その内部を温水等の熱媒体の流路として利用
することができ、型内部からのレジンコンクリート16
の加熱硬化が可能である。本実施例の成形型11にあっ
ては、例えば、上型12の型内を図4で示すように、複
数の室A乃至C…のように8個等に分割して設け、各室
に整流作用と補強作用とを兼備するリブ17を設けてい
る。そして、このリブ17により各分割された室におい
て、熱媒体が各室を万遍なく流れる流路18を形成して
いる。
かな如く、末広り状になっており、しかも前記通路15
の各部での断面積は、注入口10の開口面積よりも大き
くなるように設定されている。つまり、通路15の各部
での幅wと、高さhとから求められる断面積Sが、注入
口10の開口面積よりも大きくなるように設定されてい
る。これは、注入される樹脂原料が受ける抵抗よりも成
形空間14へ流れる樹脂原料が受ける抵抗の方を少なく
することにより、樹脂原料が通路15へスムーズに流れ
込むようにし、空気を巻き込むことがないようにするた
めのものである。これにより、本実施例の成形型11に
あっては、注入口10より例えばレジンコンクリート1
6を低圧で注入することが可能であり、加圧成形する必
要はない。それ故、成形型11の強度を従来の加圧成形
型よりも低くすることが可能であり、肉厚を薄くするこ
とができる。またこのように、低圧注入を可能にするこ
とにより、その内部を温水等の熱媒体の流路として利用
することができ、型内部からのレジンコンクリート16
の加熱硬化が可能である。本実施例の成形型11にあっ
ては、例えば、上型12の型内を図4で示すように、複
数の室A乃至C…のように8個等に分割して設け、各室
に整流作用と補強作用とを兼備するリブ17を設けてい
る。そして、このリブ17により各分割された室におい
て、熱媒体が各室を万遍なく流れる流路18を形成して
いる。
【0011】この上型12の製作は、例えば図5に示す
ように、FRP樹脂材料等の樹脂板19にリブ17を一
体的に突設し、このリブ17上にFRP板20を配設し
て流路18を形成し、最後にFRP樹脂材料21をオー
バーレイして行っている。また上型12の別な製作方法
としては、図6に示すように、FRP樹脂材料等の樹脂
板19に断面H型のアルミフレーム等を載置してリブ1
7を形成し、次に図5に示す場合と同様に、該リブ17
上にFRP板20を配設して流路18を形成し、最後に
FRP樹脂材料21をオーバーレイして行っている。
ように、FRP樹脂材料等の樹脂板19にリブ17を一
体的に突設し、このリブ17上にFRP板20を配設し
て流路18を形成し、最後にFRP樹脂材料21をオー
バーレイして行っている。また上型12の別な製作方法
としては、図6に示すように、FRP樹脂材料等の樹脂
板19に断面H型のアルミフレーム等を載置してリブ1
7を形成し、次に図5に示す場合と同様に、該リブ17
上にFRP板20を配設して流路18を形成し、最後に
FRP樹脂材料21をオーバーレイして行っている。
【0012】一方、下型13は、図1に示すように、成
形面側をアルミ合金等の金属板22で形成し、他面側を
樹脂板23で形成している。なお、型内を複数の室に分
割し、各分割された室内において、それぞれ整流作用と
補強作用とを兼備するリブを設け、このリブにより温水
が各室を万遍なく流れるように流路を形成することは、
前記上型12の場合と同じである。成形面側を金属板2
2で成形した理由は、樹脂板で成形する場合よりも熱伝
導が良く、成形品を製造するための樹脂材料の硬化時間
を短縮することが可能であること。また表面が非常に緻
密で鏡面に近い平滑面であるため、成形品の表面性状が
良くなること。更には、樹脂板で成形した型よりも寿命
が長いこと等の多くの利点があるからである。なお、図
1において、符合24は上型12の型枠であり、符号2
5は下型13の型枠である。
形面側をアルミ合金等の金属板22で形成し、他面側を
樹脂板23で形成している。なお、型内を複数の室に分
割し、各分割された室内において、それぞれ整流作用と
補強作用とを兼備するリブを設け、このリブにより温水
が各室を万遍なく流れるように流路を形成することは、
前記上型12の場合と同じである。成形面側を金属板2
2で成形した理由は、樹脂板で成形する場合よりも熱伝
導が良く、成形品を製造するための樹脂材料の硬化時間
を短縮することが可能であること。また表面が非常に緻
密で鏡面に近い平滑面であるため、成形品の表面性状が
良くなること。更には、樹脂板で成形した型よりも寿命
が長いこと等の多くの利点があるからである。なお、図
1において、符合24は上型12の型枠であり、符号2
5は下型13の型枠である。
【0013】次に、上述の如く構成された上型12と下
型13とによる浴槽の製造方法を、図7を参照して説明
する。先ず、下型13の成形面に離型材26を塗布し、
下型13の全体を65℃の温度で予備加熱している。続
いて、ゲルコート材27を塗布している。一方、上型1
2にあっては、その成形面に離型材26を塗布してい
る。そして、本実施例にあっては、これらの上下型12
及び13を型合わせして図1に示す要領でクランプし、
注入口10から上下型間に形成される成形用空間14へ
レジンコンクリート16を注入している。
型13とによる浴槽の製造方法を、図7を参照して説明
する。先ず、下型13の成形面に離型材26を塗布し、
下型13の全体を65℃の温度で予備加熱している。続
いて、ゲルコート材27を塗布している。一方、上型1
2にあっては、その成形面に離型材26を塗布してい
る。そして、本実施例にあっては、これらの上下型12
及び13を型合わせして図1に示す要領でクランプし、
注入口10から上下型間に形成される成形用空間14へ
レジンコンクリート16を注入している。
【0014】ここにおいて、本実施例の成形型11にあ
っては、注入口10と成形用空間14とを結ぶ通路15
の各部における断面積が、注入口10の開口面積よりも
大きくなるように設定されている。そのため、注入され
るレジンコンクリート16の受ける抵抗よりも成形空間
14へ流れるレジンコンクリート16の受ける抵抗の方
が少なくなるようになり、樹脂原料の注入作業は、極め
て低圧で行うことが可能である。それ故、上下型12及
び13の型自体の強度を、従来の加圧成形型の場合に比
較して小さくすることができ、上下型12及び13の肉
厚を薄くすることが可能である。而して、前記レジンコ
ンクリート16の注入は、図3に示す上型12の湯上り
口28からレジンコンクリート16が流出するまで行
う。この湯上り口28は、浴槽の排水口を形成するため
のものである。このように前記注入口10から低圧で注
入し、湯上り口28から流出するまで行うことにより、
成形用空間14内に介在していた空気が注入されたレジ
ンコンクリート16によって押しだされて自然に排出さ
れ、成形用空間14に空気をかみこむことはない。つま
り、製品に巣ができたりすることがない。
っては、注入口10と成形用空間14とを結ぶ通路15
の各部における断面積が、注入口10の開口面積よりも
大きくなるように設定されている。そのため、注入され
るレジンコンクリート16の受ける抵抗よりも成形空間
14へ流れるレジンコンクリート16の受ける抵抗の方
が少なくなるようになり、樹脂原料の注入作業は、極め
て低圧で行うことが可能である。それ故、上下型12及
び13の型自体の強度を、従来の加圧成形型の場合に比
較して小さくすることができ、上下型12及び13の肉
厚を薄くすることが可能である。而して、前記レジンコ
ンクリート16の注入は、図3に示す上型12の湯上り
口28からレジンコンクリート16が流出するまで行
う。この湯上り口28は、浴槽の排水口を形成するため
のものである。このように前記注入口10から低圧で注
入し、湯上り口28から流出するまで行うことにより、
成形用空間14内に介在していた空気が注入されたレジ
ンコンクリート16によって押しだされて自然に排出さ
れ、成形用空間14に空気をかみこむことはない。つま
り、製品に巣ができたりすることがない。
【0015】レジンコンクリート16の注入の後は、上
型12及び下型13の各分割された室へ85℃の温水
(熱媒体)を注入し、各室において循環流通させてい
る。各室へ注入された85℃の温水は、補強作用をも兼
備するリブ17によって各室を万遍なく流れるように整
流される。このとき、各室においては、温水の流入側と
流出側との間の温度差が、±5℃の範囲内になるよう
に、各室の分割と流路の形成とがなされている。つま
り、各室の流出側の温水の温度が80℃以下にならない
ように配慮している。各室に供給された85℃の温水
は、リブ17によって各室を万遍なく回りながら、その
成形面との間で熱交換が行われる。しかも、この場合の
熱交換は、上下型12及び13の各室内における温水を
利用して行われるものであるため、各室の全面におい
て、すなわち上下型12及び13の成形面側の全面にお
いて均一な熱交換が行われるようになる。この加熱によ
り、成形空間内に注入されたレジンコンクリート16が
加熱され、硬化する。
型12及び下型13の各分割された室へ85℃の温水
(熱媒体)を注入し、各室において循環流通させてい
る。各室へ注入された85℃の温水は、補強作用をも兼
備するリブ17によって各室を万遍なく流れるように整
流される。このとき、各室においては、温水の流入側と
流出側との間の温度差が、±5℃の範囲内になるよう
に、各室の分割と流路の形成とがなされている。つま
り、各室の流出側の温水の温度が80℃以下にならない
ように配慮している。各室に供給された85℃の温水
は、リブ17によって各室を万遍なく回りながら、その
成形面との間で熱交換が行われる。しかも、この場合の
熱交換は、上下型12及び13の各室内における温水を
利用して行われるものであるため、各室の全面におい
て、すなわち上下型12及び13の成形面側の全面にお
いて均一な熱交換が行われるようになる。この加熱によ
り、成形空間内に注入されたレジンコンクリート16が
加熱され、硬化する。
【0016】而して、この温水との熱交換によるレジン
コンクリート16の加熱は、上型12にあっては図5及
び図6に示す一枚の極めて肉厚の薄い樹脂板19を介し
て熱伝導により行われ、また下型13にあってはアルミ
合金等の一枚の薄板である金属板22を介して熱伝導に
より行われる。そのため、従来の加圧成形型の場合に比
較して著しい伝熱効率の向上が得られ、レジンコンクリ
ート16の硬化時間を大幅に短縮することが可能であ
る。
コンクリート16の加熱は、上型12にあっては図5及
び図6に示す一枚の極めて肉厚の薄い樹脂板19を介し
て熱伝導により行われ、また下型13にあってはアルミ
合金等の一枚の薄板である金属板22を介して熱伝導に
より行われる。そのため、従来の加圧成形型の場合に比
較して著しい伝熱効率の向上が得られ、レジンコンクリ
ート16の硬化時間を大幅に短縮することが可能であ
る。
【0017】ところで、レジンコンクリート16は、前
記加熱による硬化が始まると、自らも発熱作用を呈する
ようになる。この場合に、例えば100℃を越える等の
高温になると、その熱膨脹収縮が大きくなり、クラック
を発生する製造上の問題がある。然しながら、前記85
℃の温水による加熱を行う本実施例の上下型12及び1
3にあっては、逆にレジンコンクリート16が高温にな
り過ぎるとこれを冷却する作用がある。そのため、本実
施例の上下型12び13にあっては、レジンコンクリー
ト16の自らの発熱によるクラックの発生をも防止する
ことが可能である。
記加熱による硬化が始まると、自らも発熱作用を呈する
ようになる。この場合に、例えば100℃を越える等の
高温になると、その熱膨脹収縮が大きくなり、クラック
を発生する製造上の問題がある。然しながら、前記85
℃の温水による加熱を行う本実施例の上下型12及び1
3にあっては、逆にレジンコンクリート16が高温にな
り過ぎるとこれを冷却する作用がある。そのため、本実
施例の上下型12び13にあっては、レジンコンクリー
ト16の自らの発熱によるクラックの発生をも防止する
ことが可能である。
【0018】温水による熱交換によりレジンコンクリー
ト16が硬化した後は、上下型12及び13を脱型し、
成形品を取り出す。そして、その裏面側にFRP等のバ
ックアップ材29をスプレー塗布等により設ける。次
に、これを硬化炉へ入れ、例えば40℃の加熱を行って
バックアップ材29を硬化させればよい。
ト16が硬化した後は、上下型12及び13を脱型し、
成形品を取り出す。そして、その裏面側にFRP等のバ
ックアップ材29をスプレー塗布等により設ける。次
に、これを硬化炉へ入れ、例えば40℃の加熱を行って
バックアップ材29を硬化させればよい。
【0019】このように上下型12及び13を用いて低
圧注入により樹脂原料を成形用空間へ注入し、該注入さ
れた樹脂原料を、型内を流通する温水により加熱硬化さ
せることにより、従来では一つの浴槽を成形するのに5
時間を要していたのに対し、本実施例にあっては1時間
30分で浴槽30を成形することが可能となった。
圧注入により樹脂原料を成形用空間へ注入し、該注入さ
れた樹脂原料を、型内を流通する温水により加熱硬化さ
せることにより、従来では一つの浴槽を成形するのに5
時間を要していたのに対し、本実施例にあっては1時間
30分で浴槽30を成形することが可能となった。
【0020】ところで、本考案は上述した実施例に限定
されるものではなく、適宜の変更が可能である。例え
ば、FRP等のバックアップ材29の形成は、上下型1
2及び13から脱型して取り出した成形体の裏面側にス
プレー塗布等で、レイアップする場合を説明したが、予
め上型12に形成するようにすることも可能である。一
方、下型13にあっては、ゲルコート材27の上にガラ
スマットを配設し、ゲルコート材27とレジンコンクリ
ート16との間に透明なFRP層を形成しておくように
することも可能である。また本考案は、浴槽以外の洗面
カウンターやキッチンカウンター等のその他の樹脂成形
品へ適用することも可能である。
されるものではなく、適宜の変更が可能である。例え
ば、FRP等のバックアップ材29の形成は、上下型1
2及び13から脱型して取り出した成形体の裏面側にス
プレー塗布等で、レイアップする場合を説明したが、予
め上型12に形成するようにすることも可能である。一
方、下型13にあっては、ゲルコート材27の上にガラ
スマットを配設し、ゲルコート材27とレジンコンクリ
ート16との間に透明なFRP層を形成しておくように
することも可能である。また本考案は、浴槽以外の洗面
カウンターやキッチンカウンター等のその他の樹脂成形
品へ適用することも可能である。
【0021】
【考案の効果】以上説明したように本考案にあっては、
樹脂原料の注入口と成形用空間とを結ぶ通路を末広り状
とし、しかも通路の各部の断面積を注入口の開口面積よ
りも大きくなるようにしている。これにより、樹脂原料
の成形用空間へのスムーズな流動を得ることができ、空
気を巻き込むことなく、低圧で注入することができる。
そのため、型自体に加圧成形のような充分な強度を必要
とするものではなく、型自体を薄くでき、また型自体の
内部に温水等の熱媒体の流路を形成することが可能であ
る。それ故、伝熱効率を飛躍的に向上させることがき、
樹脂原料の加熱硬化に要する時間を短縮して生産能率を
上げることが可能である。
樹脂原料の注入口と成形用空間とを結ぶ通路を末広り状
とし、しかも通路の各部の断面積を注入口の開口面積よ
りも大きくなるようにしている。これにより、樹脂原料
の成形用空間へのスムーズな流動を得ることができ、空
気を巻き込むことなく、低圧で注入することができる。
そのため、型自体に加圧成形のような充分な強度を必要
とするものではなく、型自体を薄くでき、また型自体の
内部に温水等の熱媒体の流路を形成することが可能であ
る。それ故、伝熱効率を飛躍的に向上させることがき、
樹脂原料の加熱硬化に要する時間を短縮して生産能率を
上げることが可能である。
【図1】本考案に係る成形用型の一部縦断面図である。
【図2】本考案に係る成形用型の注入口を示す平面図で
ある。
ある。
【図3】本考案に係る成形用型の斜視図である。
【図4】本考案に係る上型の縦断面側面図である。
【図5】本考案に係る上型のリブを示す縦断面図であ
る。
る。
【図6】本考案に係る上型のリブの他の例を示す縦断面
図である。
図である。
【図7】本考案に係る浴槽の製造工程を示す図面であ
る。
る。
【図8】従来の浴槽の製造工程を示す図面である。
10…注入口 11…成形用型 12…上型 13…下型 14…成形用空間 15…通路 16…レジンコンクリート
Claims (1)
- 【請求項1】 樹脂成形品を成形するための型におい
て、樹脂原料の注入口と成形用空間とを結ぶ通路を下流
側へ向けて末広り状に拡開形成し、前記通路の各部の断
面積を注入口の開口面積よりも大きく設定したことを特
徴とする樹脂成形用型の注入口構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991107164U JP2507142Y2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 樹脂成形用型の注入口構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991107164U JP2507142Y2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 樹脂成形用型の注入口構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0539920U JPH0539920U (ja) | 1993-05-28 |
JP2507142Y2 true JP2507142Y2 (ja) | 1996-08-14 |
Family
ID=14452113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991107164U Expired - Lifetime JP2507142Y2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 樹脂成形用型の注入口構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2507142Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3098021U (ja) * | 2003-05-23 | 2004-02-19 | 清野 國夫 | ギフト用岩塩セット |
-
1991
- 1991-10-25 JP JP1991107164U patent/JP2507142Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0539920U (ja) | 1993-05-28 |
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