JP2507051Y2 - ドリル - Google Patents

ドリル

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JP2507051Y2
JP2507051Y2 JP4600591U JP4600591U JP2507051Y2 JP 2507051 Y2 JP2507051 Y2 JP 2507051Y2 JP 4600591 U JP4600591 U JP 4600591U JP 4600591 U JP4600591 U JP 4600591U JP 2507051 Y2 JP2507051 Y2 JP 2507051Y2
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cutting edge
drill
blade
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outer peripheral
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JP4600591U
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安弘 鈴木
次夫 吉川
智 加藤
和裕 柴田
清貴 志賀
隆一 加藤
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Aisan Industry Co Ltd
Fuji Bellows Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Fuji Bellows Co Ltd
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Publication date
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は貫通穴の形成時にバリの
発生が少ないドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、バリの発生の少ないドリルと
して、工業調査会編「新しい穴加工技術」63頁に記載
されているようなラジアルリップドリルが知られてい
る。ラジアルリップドリルは、先端部が半球状に研削さ
れ、主切刃が円弧状をなすようにされる。ドリルの回転
速度および送りが一定であるとすれば、主切刃の形状が
直線である通常のドリルにおいては、切込量,切削力等
が主切刃の先端角の大きさによって一律に決まるが、主
切刃の形状が円弧状である場合には、切込量等が場所に
よって変化し、外周側ほど小さくなる。そのため、上記
ラジアルリップドリルによってあけられた貫通穴の出口
周縁は、通常のドリルに比較してバリの発生が少なくな
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、主切刃の形状
が円弧状となっているラジアルリップドリルは、主切刃
の形状が直線となっている通常のドリルより被加工物と
接触する距離が長く、また、切屑の流れが悪いため、主
切刃に多くの熱が発生し、主切刃の摩耗が促進されると
いう問題がある。また、円弧状の主切刃をドリルの中心
軸に対して対称に精度よく研削するには高度の技術が必
要であるという問題もある。本考案は耐久性に優れ、研
削が容易であって、しかもバリの発生が少ないドリルを
得ることを課題として為されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案の要旨は、切屑排
出用のみぞを有するボデーとそのボデーの基端部から同
軸に延びるシャンクとを有するドリルにおいて、ボデー
の先端部にボデーの他の部分より小径の小径部を形成
し、その小径部と他の部分との段部に、第一切刃より外
周側へ突出した第二切刃を形成し、かつ、その第二切刃
の形状を外周側の部分ほどボデーの外接円筒面となす角
が小さくなり、最外周部はその外接円筒面にほぼ接する
曲線としたことにある。第二切刃の形状は上記条件を満
たす曲線であればどのような形状でもよく、例えば、楕
円の周や円周の一部,多次関数で表される曲線,段部の
角を丸めた形状等とすることができる。
【0005】
【作用】本考案のドリルによって被加工物に貫通穴の加
工を行うと、切削は主として直線状の第一切刃により行
われ、第一切刃によってあけられた穴の内周面が曲線状
の第二切刃によって仕上げられる。第二切刃の形状が曲
線であり、最外周部がボデーの外接円筒面にほぼ接する
状態となっているため、送りを大きくしても最外周部の
被加工物への切込量および切削力はそれほど大きくなら
ない。
【0006】なお、通常のドリルの先端の最外周部に丸
味をつけることにより、第一切刃と第二切刃とが互いに
連なった状態とすることも考えられるが、この場合には
第二切刃で形成された切屑が第一切刃で形成された切屑
とぶつかり合って、切屑の流れが悪くなる。そのため
に、本考案においては、第二切刃は第一切刃からシャン
ク側にやや後退した位置に形成される。第二切刃を第一
切刃から周方向に隔たった位置に形成し、第一切刃と第
二切刃とで形成された切屑が別々のみぞ内を流れるよう
にすれば、第二切刃を第一切刃からシャンク側へ後退さ
せなくても切屑の流れが悪くなることはないのである
が、この場合でも、まず、第一切刃が穴加工を行い、そ
の穴の内周面を第二切刃が仕上げるようにするために、
第二切刃を第一切刃よりシャンク側へ後退させることが
必要である。
【0007】
【考案の効果】本考案のドリルによれば、送りを大きく
しても第二切刃の切込量および切削量が小さくて済むた
め、バリの発生の少ない貫通穴加工を能率よく行うこと
ができ、かつ、穴の内周面を滑らかに仕上げることがで
きる。また、第一切刃の形状を直線とし第二切刃の形状
のみを曲線としているため、前述のラジアルリップドリ
ルより被加工物との接触距離が短くなり、かつ、第一切
刃と第二切刃とが切り離されているため、切屑の流れが
よく、切刃の寿命の短縮を回避し得る。また、穴加工は
主として第一切刃で行われるため、この第一切刃を精度
よく対称に研削すればよく、高度な製作技術が要求され
ないという利点がある。
【0008】
【実施例】以下本考案の一実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1および図2において、10はドリルで、
ボデー12とシャンク14とを備えている。ボデー12
には2本の主みぞ20が全長に渡って形成され、その主
みぞ20に沿って2本のランド22がそれぞれ形成され
ており、両者はねじれ角δでねじれている。ランド22
の外周面には副みぞ23が主みぞ20と平行に形成さ
れ、その結果ランド22には周方向に隔たって2本のマ
ージン24,26が形成されている。これら2本のマー
ジンのうちドリルの回転方向の前方側を前マージン24
とし、後方側を後マージン26とする。
【0009】マージン24,26はそれぞれ段部30,
32を有しており、前マージン24上の段部30は後マ
ージン26の段部32より軸方向においてシャンク14
側に位置している。段部30よりボデー12の先端側に
おける前マージン24は他の部分より低く研削され、段
部32よりボデー12の先端側における後マージン26
は殆ど完全に除去されて副みぞ23の底面34とほぼ同
一面とされている。このようにマージン24,26のボ
デー先端側の部分が低くされることによってボデー12
にボデー12の他の部分より小径の小径部36が形成さ
れる。また、低くされていないマージン24,26が同
一の円筒面上に位置し、この円筒面がドリル10の外接
円筒面であり、これらマージン24,26によってボデ
ー12の他の部分としての大径部38が形成されること
となる。
【0010】小径部36の先端には、逃げ面40が外周
側ほどシャンク14に接近する向きに傾斜するととも
に、矢印Aで示されるドリルの回転方向の後方側ほどシ
ャンク14に接近する向きに傾斜して形成されており、
その逃げ面40の両側は主みぞ20となっている。逃げ
面40のドリルの回転方向の前方側の縁が第一主切刃4
2を構成している。第一主切刃42は外周側ほどシャン
ク14に接近する向きに傾斜した直線となっており、両
主切刃42のなす先端角はαとなっている。両逃げ面4
0の境界にはチゼルエッジ44が形成されており、か
つ、このチゼルエッジ44を小さくするためのシンニン
グ46が形成されている。小径部36における前マージ
ン24の主みぞ20側の縁は第一副切刃50を構成して
おり、これら第一主切刃40および第一副切刃50がド
リル刃を構成している。
【0011】小径部36と大径部38との間には、前述
の段部32が形成されている。図3に示すように、段部
32は外周側ほど前記外接円筒面となす角が小さくな
り、最外周部ではその外接円筒面に接する形状をしてお
り、この段部32の副みぞ23側の縁が第二主切刃52
を構成している。第二切刃52は楕円の1/4周に相当
する形状を有している。すなわち、長軸が副みぞ23に
沿った楕円の長軸と短軸との間の1/4周に相当する形
状を有しており、後マージン26の副みぞ23側の縁が
構成する第二副切刃54に滑らかに連なっている。ただ
し、第二主切刃52上の副みぞ23の底面に近い部分は
第一副切刃50より内周側に位置しているため切刃とし
て作用せず、第一副切刃52より外周側へ突出した部分
のみが切刃として作用し得る有効切刃部となる。したが
って、第二主切刃52の第一副切刃50より外周側へ突
出した部分と第二副切刃54とがリーマ刃を構成するこ
ととなる。
【0012】以上のように構成された本実施例のドリル
および比較例として従来より使用されている超硬バニシ
ングドリル,超硬ツイストドリルによって被加工物に貫
通穴加工を行った。その結果、被加工物に発生したバリ
の高さと送り量との関係を図4のグラフに示す。グラフ
上のバリの高さは、それぞれのドリルによって、それぞ
れの送り量で9回の貫通穴加工試験を行い、それぞれの
試験で貫通穴の出口周縁に発生したバリの高さを測定し
てそれらの測定値を平均して得た値である。
【0013】グラフから明らかなように本実施例のドリ
ル10によって被加工物に貫通穴加工を行う場合には、
比較例としての従来のドリルより、発生するバリの高さ
が低くなる。これは、ドリル刃たる第一主切刃42,第
一副切刃50によってあけられた穴の内周面がリーマ刃
たる第二主切刃52,第二副切刃54によって仕上げら
れるからである。第二主切刃52の形状が楕円の周の一
部となっており、第二主切刃52の最外周面における被
加工物の内周面への切込量が少なく、切削力が小さいた
め、バリの発生が少なくなるのである。
【0014】なお、本実施例のドリル10においてはド
リル刃により切削された切屑が主みぞ20を流れ、リー
マ刃により切削された切屑が副みぞ23を流れるため、
両切屑が干渉せず、良好に排除される。また、ドリルを
再研削する場合に、前述のように段部32の第一副切刃
50より半径方向内方は切刃として作用しない部分とな
っているため、その部分を精度よく再研削する必要がな
く、再研削が容易である。しかし、ドリル刃とリーマ刃
とを同一マージンに形成し、それらにより切削された切
屑が同じみぞ内を流れるようにすることも可能である。
【0015】また、本実施例のドリル10においては、
前述のように、マージン24,26は同一円筒面に接し
ており、かつ、前マージン24の段部30は後マージン
26の段部32よりシャンク14側に位置しているた
め、前マージン24の主みぞ20側の縁は切刃として作
用しない。したがって、前マージン24を全長にわたっ
て後マージン26より半径方向内側に位置するようにし
てもよい。しかし、本実施例のドリルのように前マージ
ン24と後マージン26とを同一円筒面に接しさせるこ
とによって、貫通穴加工時におけるドリルの芯ぶれを防
止することができ、加工穴の精度を向上させることがで
きる。また、マージン24,26を同時に研削できるた
めドリルの製造が容易となる。
【0016】本実施例のドリルはツイスト型としたが、
ねじれ角δが0である直刃型としてもよい。さらに主み
ぞを2本設けたが、3本以上設けてもよい。
【0017】その他、いちいち例示はしないが実用新案
登録請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基
づいて種々の改良,変形を施した態様で本考案を実施す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すドリルの側面図であ
る。
【図2】上記実施例のドリルの正面図である。
【図3】上記実施例のドリルのB矢視図である。
【図4】上記実施例のドリルおよびその比較例としての
ドリルを使用して被加工物に貫通穴加工を行った場合の
バリの高さを示すグラフである。
【符号の説明】
10 ドリル 20 主みぞ 23 副みぞ 24 マージン 26 マージン 30 段部 32 段部 36 小径部 38 大径部 42 第一主切刃 50 第一副切刃 52 第二主切刃 54 第二副切刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 加藤 智 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛三工業株式会社内 (72)考案者 柴田 和裕 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛三工業株式会社内 (72)考案者 志賀 清貴 愛知県豊田市吉原町平子26番地 富士精 工株式会社内 (72)考案者 加藤 隆一 愛知県豊田市吉原町平子26番地 富士精 工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−81789(JP,A) 実開 昭54−45487(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切屑排出用のみぞを有するボデーとその
    ボデーの基端部から同軸に延びるシャンクとを有するド
    リルにおいて、前記ボデーの先端側にボデーの他の部分
    より小径の小径部を形成し、その小径部の先端に、外周
    側ほど前記シャンクに接近する向きに傾斜した直線状の
    第一切刃を形成する一方、前記小径部と他の部分との段
    部に、前記第一切刃より外周側へ突出した第二切刃を形
    成し、かつ、その第二切刃の形状を外周側の部分ほどボ
    デーの外接円筒面となす角が小さくなり、最外周部はそ
    の外接円筒面にほぼ接する曲線としたことを特徴とする
    ドリル。
JP4600591U 1991-05-22 1991-05-22 ドリル Expired - Lifetime JP2507051Y2 (ja)

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