JP2506912Y2 - 圧延用リ―ル装置 - Google Patents

圧延用リ―ル装置

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JP2506912Y2
JP2506912Y2 JP1988130695U JP13069588U JP2506912Y2 JP 2506912 Y2 JP2506912 Y2 JP 2506912Y2 JP 1988130695 U JP1988130695 U JP 1988130695U JP 13069588 U JP13069588 U JP 13069588U JP 2506912 Y2 JP2506912 Y2 JP 2506912Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、圧延機の入側または出側に配置されて板
材のコイルを保持する圧延用リール装置に関するもので
ある。
[従来の技術] 圧延によって長さ方向に連続した比較的薄い板材を得
る場合には、圧延機の入・出側にリール装置が配置され
る。圧延機の入側のリール装置は、コイル状に巻かれた
板材をリール本体が保持し、これを巻き解いて圧延機に
供給するもので、圧延機の出側のリール装置は、圧延後
の板材をリール本体がコイル状に巻き取るものである。
そして圧延は、こうしたリール装置間で板材に張力を作
用させて行われる。
上記のリール装置は、通常は位置を変えずにコイルを
回転させればよいが、板材の幅方向の端部が不揃いに巻
かれたコイルを巻き解く際、または同端部を揃えて板材
を巻き取る際には、リール本体がコイルとともにコイル
の(つまり板材の)幅方向に移動する必要がある。
たとえば、板材を往復させ複数のパスをかけて圧延す
る逆転式の圧延機(リバースミル)の入側(供給側)お
よび出側(巻取側)にリール装置を配置し、これらによ
り板材を冷間圧延しようとする場合、1パス目の圧延に
限っては、供給側のリール本体がコイルの幅方向に移動
しなければならない。つまり、コイルの幅端部が巻きず
れなどにより揃っていないため、コイルを幅方向に逐次
に移動させないと、圧延機(圧延ロール)の所定位置に
板材を供給できないからである。これを実現するリール
装置においてリール本体は、上記の方向に移動自在に固
定盤上に配備されるとともにシリンダやモータを備えた
駆動手段に接続されており、圧延機に供給される板材の
幅端部の変位が検出手段によって検出されると、この変
位量に応じて上記の駆動手段により、たとえば数百ミリ
のストロークで移動するようになっている。固定盤上に
は案内溝やガイドレールなどが形成され、リール本体は
これらと嵌合することにより移動方向が規制され、その
嵌合部で摺動しながらコイルの幅方向にのみ移動するよ
う配備されている。
そして2パス目以降は、上記駆動手段のシリンダやモ
ータを停止させ、リール本体の移動を止めて圧延を行
う。最初の1パスの圧延を上記のようにして行えば、巻
取側リール装置において前記端部がほぼ揃ったコイルと
して板材が巻き取られるため、2パス目以降については
供給側・巻取側ともリール装置が移動する必要はないか
らである。
このような、いわば移動式のリール装置の構成および
使用態様は、上記リバースミルの例に限らず、コイル
(リール本体)を移動させる場合と固定する場合との両
方があるリール装置において従来、共通するものであっ
た。
[考案が解決しようとする課題] 上記のような従来のリール装置で、リール本体が前記
の嵌合部で摺動しながら固定盤上をコイルの幅方向に移
動するためには、その嵌合部にわずかでも(たとえば10
分の何ミリかの)摺動すき間を設けることが不可欠であ
る。ところが、このすき間はつぎのような点で不都合を
もたらすことが多い。すなわち、 1)リール本体のコイル幅方向の移動を止めたときに
も、これと直角の方向には上記の摺動すき間のためにリ
ール本体はわずかながら移動するため、リール装置と圧
延機との間の板材に作用している張力が圧延中に変動し
てしまう。この張力は圧延における板厚および形状制御
のための大きな要素であるため、張力の変動によって板
厚精度および形状制御性は極端に低下してしまう。
2)リール本体のうちコイルを保持する回転軸は、上記
の張力によって多少はたわむものであるが、その回転軸
の基端に相当する部分でリール本体が上記のすき間の分
だけ自由に変形できるので、回転軸のたわみも大きくな
り、したがって圧延機に対して板材を真っすぐに供給で
きなかったり、圧延後の板材の巻きずれが生じたりす
る。
3)上記1)、2)のようなリール本体と固定盤との機
械ガタに基づいて振動や摩耗が激しくなり、したがって
リール装置の寿命が短くなる。
このような点を考慮して、もともとリール本体が動く
ことのないように構成された固定式のリール装置を以上
のような移動式のリール装置と併設しておき、リール本
体を移動させる必要のないときにはその固定式のリール
装置を使用するようにした例もあるが、この場合には、
2種類のリール装置を配置するスペースと設備費用の面
で問題がある。
[考案の目的] この考案は、上記の課題を解消するためになされたも
ので、イ)幅方向の端部が不揃いに巻かれた板材コイル
を巻き解いたり同端部を揃えて巻き取ったりする際に
は、リール本体がコイルとともにその幅方向に移動する
ことができ、ロ)リール本体が移動する必要のないとき
には、上記した種々の不都合の原因となる摺動すき間が
ないようにリール本体を固定盤に対して緊締することが
でき、ハ)したがって、上記のような2種類のリール装
置を配置する必要がなく、ニ)圧延による板厚精度およ
び良好な形状制御性を保つとともに、板材供給の乱れや
巻きずれを生じることがなく、機械寿命が長い―という
圧延用リール装置を、とくに低いコストで提供しようと
するものである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するためにこの考案の圧延用リール
装置は、板材のコイルを保持し圧延機に対して板材を供
給または巻取するリール本体が固定盤上にその固定盤と
嵌合した状態でコイルの幅方向に移動可能に配備された
圧延用リール装置において、動作手段と連結したウェッ
ジ部材を、リール本体と固定盤との嵌合部に介装し、こ
のウェッジ部材を動作させることによりリール本体と固
定盤とを緊締できるようにしたものである。しかも、そ
のウェッジ部材のウェッジ面(勾配を有する面。テーパ
面)は、板材の供給または巻取の方向と交差する向きの
平面(供給・巻取の方向すなわち圧延機に向かう方向と
直角に近い平面)とし、かつ、リール本体フレームのう
ちコイルの幅方向にいう両端の部分を含む複数箇所に緊
締力を及ぼす複数の不連続面としている。
このリール装置ではさらに、請求項2に記載したよう
に、動作手段と連結した上記のウェッジ部材と、上記の
とおりウェッジ面を設けたうえ動作手段とは連結せずに
位置調整可能に固定する他のウェッジ部材とを、板材の
供給または巻取の方向に向き合わせて配置してもよい。
また、請求項3のように、コイルの幅方向に向けた直
線動ベアリングを介して固定盤上にリール本体を載置す
るのも好ましい。
[作用] この考案のリール装置によれば、上記のウェッジ部材
を楔着する方向に動作させることにより、リール本体と
固定盤とは上記嵌合部において摺動すき間のない状態に
きつく締め込まれるので、リール本体は完全に固定され
る。一方、ウェッジ部材を上記と逆の緩める方向に動作
させることにより、上記嵌合部にリール本体が摺動する
だけのすき間ができるので、リール本体はコイルととも
にその幅方向に移動可能な状態に戻る。
ウェッジ部材を動作させる上記の動作手段としは、往
復動シリンダなどを用いればよい。ウェッジ部材を使用
することは本考案の作用をより顕著にするもので、ウェ
ッジ部材を楔着(圧入)する入力としての動作手段の力
が、ウェッジ部材の勾配により、リール本体と固定盤と
を緊締する向きに入力の数倍の大きさをもつ力に変換さ
れて出力されることになる。具体的にいえば、たとえば
ウェッジ部材の勾配が1/100のときに、上記動作手段の
力は数倍(ウェッジ部材周辺の摩擦にもよる)に増大さ
れてリール本体と固定盤とを緊締する(詳しくは[実施
例]参照)。この作用は、本考案によらないつぎのよう
な例と比較して考えれば、いっそう明らかとなる。
たとえば、固定盤側に上記すき間の摺動面と直角の向
きにシリンダを取り付け、これによって直接(ウェッジ
部材を用いず)リール本体を緊締したり、あるいは他の
シリンダによりリール本体をコイルの幅方向(リール本
体の移動方向)から挟み込んだりしても、移動可能なリ
ール本体を固定盤に固定することは可能である。しかし
そのような場合、本考案のようには推力が増大されない
ので、シリンダはリール本体を緊締する十分な推力を有
している必要がある。リール本体には、これを摺動すき
間のあいだで動かそうとする大きな力(板材に作用する
張力や振動に基づく力など)がはたらくので、これを上
回るかなりの力がシリンダに求められるのである。
本考案のリール装置では、ウェッジ部材のウェッジ面
が、板材の供給または巻取の方向と交差する向きの平面
であることにも特徴がある。
たとえば第2図の場合、板材(鋼板a)の供給・巻取が
図の左右方向(左方)になされるのに対し、ウェッジ部
材(符号41など)のウェッジ面は上下方向で同図の紙面
とほぼ直角に広がり、上記板材の方向とは概ね直角に交
差する向きにある。このようなウェッジ部材を機能させ
ると、リール本体・固定盤間を緊締できるうえ同図中の
すき間dをゼロにすることができ、リール本体を固定盤
上に最も効果的に固定できる。板材に作用する張力の方
向はその供給・巻取の方向であるため、リール本体を任
意の方向(たとえば上下、または同図の紙面と直角の方
向)に緊締などして固定するよりも、その張力の方向に
すき間をなくしておくのが固定方法として明らかに合理
的で、小さな力で確実な効果が得られるからである。
リール装置では、保持するコイルの幅の中心とリール
本体の中心とは一致しないのが一般で、そのために板材
の張力はモーメントとしてもリール本体に作用するが、
本考案のリール装置は、かかるモーメントに起因する不
都合を回避する意味でも合理的である。なぜなら、ウェ
ッジ部材(第1図・第3図では符号41等)のウェッジ面
を、リール本体フレーム(それら各図では上部フレーム
11)のうちコイルの幅方向(それら各図では左右)にい
う両端の部分を含む箇所に緊締力を及ぼすよう、形成し
ているからである。両端の部分を含めて形成するという
ことは、ウェッジ面、すなわち力の作用点を広く設ける
ことにほかならない。そのようにすると、周知の力学上
の原理に基づいて、モーメントに抗すべく各ウェッジ面
に作用する力は小さくなり、したがってリール本体の変
形や移動といった不都合が起こりにくいのである。
本考案のリール装置ではさらに、上記のウェッジ面を
複数の不連続な面とした(第3図においてウェッジ面を
不連続な四つに分けている)ので、ウェッジ部材の必要
厚さが小さく、リール本体・固定盤間への配置上有利で
ある。リール本体フレームの両端に及ぶ上記のウェッジ
面を、仮に一つの連続面として形成するなら、そのフレ
ームの長さ分のウェッジ面が必要なため製作が容易でな
く、また勾配が緩いとしてもウェッジ部材の厚みが増し
てしまうが、本考案はそのような場合と対照的である。
請求項2に記載のリール装置は、動作手段に連結した
ウェッジ部材(第2図では符号41)と動作手段に連結し
ないウェッジ部材(同図では符号43)とを対向配置した
もので、前者によってリール本体の固定とその解除とを
行う一方、リール本体の移動にともない摺動面が摩耗し
た時のリール本体の位置調整を、後者によって行うこと
ができる。すなわち、リール本体をコイルの幅方向に移
動させながら本考案を使用すると、長期間のうちには摺
動面が摩耗し、リール本体の位置が板材の供給・巻取の
方向にずれたり、または前記のすき間が広がったりしが
ちであるが、本装置においてはそのことが問題とはなら
ない。後者のウェッジ部材について固定位置を調整する
ことにより、上記の位置やすき間を本来のものに戻すこ
とができるからである。なお、後者のウェッジ部材に動
作手段を連結していないのは、その位置調整の機会が前
者に比べてごく少ないためで、コストを考慮したもので
ある。
請求項3のリール装置では、直線動ベアリング(第2
図では符号31)を介して固定盤上にリール本来を載せて
いるので、コイルの幅方向へのリール本体の移動を滑ら
かに、したがって低出力の駆動源によって行うことがで
きる。ただし、そのようなベアリングを介装したことに
よって、介装しない場合(固定盤の平板や溝などの上に
直接リール本体を載せる場合)よりもリール本体は移動
停止時にわずかの移動を起こしやすくなるため、前記し
たウェッジ部材を含む本考案の構成が不可欠であり、そ
れによる上述の作用がとくに意義を発揮することにもな
る。
[実施例] 第1図はこの考案の実施例に関するリール装置の側面
図であり、第2図はそれをII−II線位置で正面視した断
面図である。
第1図のようにリール装置1は、リール本体10の前部
に回転軸であるリールヘッド12を有し、このリールヘッ
ド12の外周部に鋼板aのコイルAを保持する。図示を省
略したが、リール装置1の、第2図における左方には圧
延機があり、そのさらに左方にはこのリール装置1と同
様(ほぼ対称)のリール装置が配置されている。上記の
圧延機は逆転式のもので、鋼板aを往復させ複数のパス
をかけて冷間圧延する、いわゆるリバースミルである。
したがってこのリール装置1は、1パス目に冷間圧延
前の鋼板のコイルを保持してその鋼板を圧延機へ供給す
ること、2パス目以降に圧延機から出た鋼板をコイル
として巻き取ること、コイルの鋼板を圧延機へ供給す
ること―の3通りの使い方をされる。第1図および第2
図は、このうちの状態を示すもので、コイルAの鋼板
aが巻き解かれて圧延機に(第2図の矢印方向に)供給
されるところである。
リール装置1は概要的には、リール本体10が固定盤と
しての下部フレーム20上に配備されたものである。第1
図のようにリール本体10は、前記リールヘッド12のほか
に、リールヘッド12を軸支するとともにそれへの伝動用
歯車組(図示せず)を収容する上部フレーム11、ギア継
手13aを介して駆動源(図示せず)に連結される入力軸1
3などを備えている。14は、リールヘッド12のチャック
機構(図示せず。リールヘッド12の外周部を拡径してコ
イルAを保持する公知の機構)を動作させるチャック用
シリンダで、やはりリール本体10に取付けられている。
なお、コイルAを保持したリールヘッド12の先端には、
リール本体10とは別に設けられたヘッドサポート2が外
嵌される。
一方、第2図に示すように下部フレーム20は、基礎ボ
ルト25などにより床面上に固定される底部と、その左右
の側部を一体とし、概ねU字状の断面に形成されたもの
で、その右・左の各側部上方には、コの字状断面をもつ
固定ブロック21、22が設けられている。
リール本体10は、コイルAとともにコイルAの(鋼板
aの)幅方向に移動するよう、つぎのようにして下部フ
レーム20上に配備されている。第2図のように、下部フ
レーム20の底部上面にはコイルAの幅方向に直線動ベア
リング31が2列に装着されており、リール本体10はこの
ベアリング31上に載せられ、下部フレーム20の左右のブ
ロック21、22の間に置かれている。ブロック21、22はそ
れぞれ、後述するウェッジ部材41、42および同43、44を
抱持し、各内側のウェッジ部材42、44の内側面に固着さ
れたライナ42a、44aが上部フレーム11の側部に固着され
たライナ11a、11bに摺接しているので、リール本体10は
左右の動きを規制された嵌合状態で下部フレーム20上に
配備されていることになる。そして第1図のように、伸
縮端がリール本体10(上部フレーム11)に連結されたシ
フトシリンダ32が、下部フレーム20上に取付けられてい
る。結局、リール本体10は、左右のウェッジ部材42、44
を介し下部フレーム20に嵌合して方向を規制された状態
で、シリンダ32に駆動され、ベアリング31の作用で滑ら
かに、コイルAの幅方向に往復移動する。なおブロック
21、22上には、リール本体10の押さえ板23、24(第2
図)が取り付けられている。
以上のリール装置1は、前述ので、コイルAを保持
して鋼板aを圧延機に供給する際、供給する鋼板aに圧
延機との間で所定の張力をかけ、かつコイルAの巻きず
れに応じてリール本体10をコイルAとともにその幅方向
に移動させる、という2つの機能をなす。前者の機能
は、入力軸13の駆動を制御してリールヘッド12に所定の
回転速度およびトルクを与えることによってなされるも
ので、結果として圧延機による鋼板aの圧延が円滑化さ
れる。後者の機能を果たすには、たとえば圧延機の入り
口付近に鋼板aの幅端部位置の検出器(図示せず)を設
けておき、これが検出した同位置の変位に対応して前記
のシフトシリンダ32を伸縮させる。コイルAの幅端部が
不揃いな場合には、この機能によって、鋼板aが圧延機
(圧延ロール)の適正箇所へ供給されるようになる。
ところで、リール本体10は上部フレーム11のライナ11
a、11bが下部フレーム20の前記ライナ42a、44aに対して
摺動しながらコイルAの幅方向に移動するが、その移動
をスムーズにするため、第2図のようにライナ11aとラ
イナ42aとの間には摺動すき間dが設けられている(鋼
板aに作用する張力でリール本体10が左方へ引付けられ
るので、ライナ11b・44a間にはすき間がない)。このリ
ール装置1では、最初の1パスによって鋼板aが巻き揃
えられたのち、もはやリール本体10を移動させる必要の
ない2パス目以降(前述のおよびの場合)に、上記
すき間dをゼロにしてリール本体10を下部フレーム20に
完全に固定するために、ウェッジ部材41、42を含むつぎ
のような緊締機構を設けている。
すなわち第3図(第2図のIII−III線断面による平面
視図)に示すように、ウェッジ部材41、42にはそれぞ
れ、片側にのみ同じ勾配のウェッジ面を4箇所に分けて
形成し、両部材41、42はそれらのウェッジ面を当着させ
て前述のように上部フレーム11とブロック21の間に収容
したうえ、一方の部材41のみを動作手段としての油圧シ
リンダ45に連結した。シリンダ45は下部フレーム20上に
固定したもので、その伸縮端に部材41を連結している。
部材42については、ブロック21を貫通して外側にスプリ
ング46aを嵌めた2本のボルト46により部材41の側に付
勢しておき、ブロック21の両端部に固着した止め板21
a、21bにより前後への移動をなくしている。また、上記
のウェッジ面は図のように右方ほどブロック21から遠ざ
かる勾配にしたので、シリンダ45を伸長させて部材41を
左方に押すことにより、部材42はウェッジ面で部材41か
ら押され、上部フレーム11寄りに移動する。ウェッジ面
の勾配を1/100とし、前記摺動すき間dを0.2mmとした場
合、シリンダ45で部材41を左方に20mmだけ押せば、部材
42が移動してすき間dはなくなる。なお、部材41の往復
動にともなうブロック21の摩耗に備えて、両者間にライ
ナ21cを介装している。
ウエッジ部材41、42を含む緊締機構が一方にあるの
で、第2図における左方部分には同様な機構がなくとも
リール本体10と下部フレーム20とを緊締できるが、この
実施例では、リール本体10の左右位置の調整用にウエッ
ジ部材43、44を取付けている。この左方の部材43、44に
ついては平面視図を省略したが、部材44は前記ウェッジ
部材42と同じ(左右対称)にしたものの、部材43ば動作
手段を設けずブロック22に対して位置変更可能にボルト
(図示せず)にて固定している。したがってたとえば、
上部フレーム11のコイルAの幅方向の移動にともないラ
イナ11b、44aの摺動面が摩耗したときには、部材43の固
定位置を変更することによりリール本体10をもとの(摩
耗前の)位置に戻すことができる。
前述した緊締機構においてシリンダ45によりウエッジ
部材41を動作させ、ウエッジ部材42(ライナ42a)を上
部フレーム11(ライナ11a)に押付ければ、上部フレー
ム11はこの部材42と他方のウエッジ部材44(ライナ44
a)との間に緊締され、下部フレーム20に対して完全に
固定される。したがって、リール本体10をコイルAの幅
方向に移動させない前記およびの場合には、リール
本体10のガタつきをなくすとともにリールヘッド12の左
右への変位を抑えて、鋼板aに一定した張力を作用さ
せ、これを安定的に圧延機に供給することができる。
リール本体10には、これを左右・上下に動かそうとす
る、鋼板aの張力やコイルAの回転にともなう振動など
がはたらくが、こうした力に対してリール本体10を確実
に固定するためには、上部フレーム11を左右からはさみ
こむ上記の緊締力が十分に大きくなければならない。上
記の緊締機構では、シリンダ45からの推力がウェッジ部
材41、42の効果により大きな緊締力になることを、以下
で第4図に基づき説明する。第4図は上部フレーム11、
固定ブロック21およびウェッジ部材41、42などを模式的
に示した図である。
同図において、Fはシリンダ45からの推力、Q1、μQ1
はウェッジ部材41が固定ブロック21(ライナ21c)から
受ける力、Rはウェッジ部材41、42が互いにおよぼしあ
う反力(力NおよびμNの合力)、P、μPはウェッジ
部材42が止め板21aから受ける力、Q2は部材42が上部フ
レーム11から押される力で前記緊締力に相当するもの、
αはウェッジ面の勾配角、μは摩擦係数(各摺動部で同
じ値とする)、ρは摩擦角(ρ=tan-1μ)である。部
材41において、Fの方向およびそれと直角方向の力のつ
りあいから F=Rsin(α+ρ)−μQ1=0 ……(1) Q1−Rcos(α+ρ)=0 ……(2) 同様に、部材42については Rsin(α+ρ)−P=0 ……(3) Rcos(α+ρ)−μP−Q2=0 ……(4) が成り立つ。式(2)より R=Q1/cos(α+ρ) ……(5) これと式(1)より Q1=F/[μ+tan(α+ρ)] ……(6) 式(3)および式(5)より P=Q1tan(α+ρ) ……(7) 式(4)および式(5)〜(7)より この実施例でウェッジ面の勾配を1/100とすると α=tan-1(1/100)=0.57° 各摺動部の接触面は滑らかで μ=0.1 ρ=tan-1μ=5.71° これらの値を式(8)に入れると Q2=4.71×F ……(9) 式(9)は、シリンダ45の推力Fが、4.71倍の緊締力
Q2に変換されて上部フレーム11を締め付けることを示
す。
なお本考案のリール装置は、固定盤との嵌合部やウェ
ッジ部材の詳細な構成について上記実施例に限定するも
のではない。すなわち、ウェッジ面の勾配やウェッジ部
材の数(組合わせの形態)は上記に限ることはなく、た
とえばウェッジ面が両面に形成されたテーパ状のウェッ
ジ部材を含む3個のウェッジ部材を使用してもよい。ま
たディスク状のウェッジ部材を用い、シリンダによる往
復動作でなくモータなどによる回転動作を与えて機能さ
せるようにしてもよい。また、リール本体と固定盤と
を、実施例とは異なるたとえばガイドレールによって嵌
合させ、この部分にウェッジ部材を介装してもよい。
さらにこの考案は、上記したリバースミルに適用する
リール装置に限らず、各種設備に併設され、リール本体
をコイルとともにコイル幅方向に移動しまた固定するこ
とにより使用されるリール装置に、広く適用することが
できる。
[考案の効果] 本考案の圧延用リール装置によれば、下記の効果がも
たらされる。
1)ウェッジ部材を緩める方向に動作させると、リール
本体と固定盤との嵌合部に摺動すき間ができるので、リ
ール本体をコイルとともにその幅方向に移動させて、幅
方向の端部が不揃いに巻かれた板材コイルを巻き解いた
り同端部を揃えて巻き取ったりすることができる。
2)ウェッジ部材を楔着する方向に動作させると、リー
ル本体は上記嵌合部において固定盤に緊締されるので、
リール本体が移動する必要のないときにそのガタつきを
なくし、かつコイルを保持する回転軸のたわみを抑え
て、板材を安定的に圧延機に供給することができる。本
考案のリール装置では、ウェッジ部材のウェッジ面を、
上記の摺動すき間を板材の張力の方向にはゼロとし得る
向きに、しかもその張力によってリール本体にかかるモ
ーメントに最も抗しやすい箇所に形成しているので、板
材の張力が大きい場合にも確実にこの2)の効果を発揮
する。
3)上記2)により板材に作用する張力が一定するの
で、圧延による板厚精度および形状制御性が向上する。
また、ガタつきがなくなることから、リール装置自体の
機械寿命が長くなる。
4)移動式および固定式の2種類のリール装置を配置す
る必要がないので、配置スペースと設備費用の面で有利
である。
5)さらに、上記ウェッジ部材を動作させる手段が小さ
な力をもつもので十分であり、コンパクトになるので、
従来のリール装置と比べて設備コストはほとんど上昇し
ない。
6)上記のウェッジ面を複数の不連続な面としたので、
ウェッジ部材の必要厚さが小さく、同部材をリール本体
と固定盤との間へ介装しやすい。
請求項2に記載のリール装置では、また、 7)動作手段に連結したウェッジ部材に向き合わせて、
他のウェッジ部材を位置調整可能に固定しているので、
摩耗にともなうリール本体の位置のずれや上記の摺動す
き間の拡大を容易に修正することができる。
請求項3のリール装置では、さらに、 8)コイルの幅の方向へのリール本体の移動を低出力の
駆動源にて滑らかに行うことと、リール本体を確実に固
定して上記の圧延精度等を向上させることとを両立させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の実施例に関するリール装置の側面
図、第2図はそのII−II線における断面(正面視)図、
第3図は第2図のIII−III線における断面(平面視)図
である。また第4図は、第3図の一部を模式的に示した
もので、ウェッジ部材の作用説明図である。 1……リール装置、10……リール本体、11……上部フレ
ーム、12……リールヘッド(回転軸)、20……下部フレ
ーム(固定盤)、32……シフトシリンダ、41、42……ウ
ェッジ部材、45……シリンダ。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延機の入側または出側に配置されるリー
    ル装置であり、板材のコイルを保持し圧延機に対して板
    材を供給または巻取するリール本体が、固定盤上にその
    固定盤と嵌合した状態でコイルの幅方向に移動可能に配
    備された圧延用リール装置において、 動作手段と連結したウェッジ部材を、リール本体と固定
    盤との嵌合部に介装し、このウェッジ部材を動作させる
    ことにより前記リール本体と前記固定盤とを緊締できる
    ようにし、 そのウェッジ部材のウェッジ面は、板材の供給または巻
    取の方向と交差する向きの平面とし、かつ、リール本体
    フレームのうちコイルの幅方向にいう両端の部分を含む
    複数箇所に緊締力を及ぼす複数の不連続面とした ことを特徴とする圧延用リール装置。
  2. 【請求項2】動作手段と連結した上記のウェッジ部材
    と、上記のとおりウェッジ面を設けたうえ動作手段とは
    連結せずに位置調整可能に固定する他のウェッジ部材と
    を、板材の供給または巻取の方向に向き合わせて配置し
    た請求項1に記載の圧延用リール装置。
  3. 【請求項3】コイルの幅方向に向けた直線動ベアリング
    を介して固定盤上にリール本体を載置した請求項1また
    は2に記載の圧延用リール装置。
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JPS6224804A (ja) * 1985-07-23 1987-02-02 Toshiba Corp 圧延機

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