JP2506875B2 - ヒ―トパイプ - Google Patents

ヒ―トパイプ

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JP2506875B2
JP2506875B2 JP62333526A JP33352687A JP2506875B2 JP 2506875 B2 JP2506875 B2 JP 2506875B2 JP 62333526 A JP62333526 A JP 62333526A JP 33352687 A JP33352687 A JP 33352687A JP 2506875 B2 JP2506875 B2 JP 2506875B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はヒートパイプに係り、さらに詳細には、例え
ば原子炉の崩壊熱除去装置に組み込んで使用されるヒー
トパイプの改良に関する。
〔従来の技術〕
原子炉停止後の崩壊熱を除去する崩壊熱除去装置は、
一般に、特開昭60−95390号公報に記載のように、冷媒
強制循環方式を採用している。
また、特開昭58−118988号公報に記載のように、循環
ポンプ等の動的機器を用いることなく、ヒートパイプに
よって原子炉停止後の崩壊熱を除去する方法も提案され
ている。
ここで、従来一般型崩壊熱除去装置を備えた原子炉の
炉内構造を第13図に示す。
第13図において、原子炉容器1の中には、熱交換器2
が装着されており、熱交換器2の中に、ナトリウム(N
a)等の冷却媒体(以下、冷媒と称する)3が通る伝熱
管4が組み込まれている。冷媒3は、炉容器1の外側に
配置されている空気冷却器5との間を、電磁ポンプ6に
よつて強制循環される。空気冷却器5には、ブロワー7
によつて冷却用空気が供給されるものであるが、原子炉
正常運転時には、炉容器1から外部への放熱を避けるた
めに、ダンパ8は閉じた状態にある。
いま、何等かの原因により、炉容器1内におけるNa9
の温度が異常に上昇した場合、ダンパ8が開き、空気冷
却器5の中に冷却空気が流入し、このようにして冷媒3
が冷やされ、炉容器1内のNa9と空気冷却器5との間で
熱交換が始まり、この熱交換運転により、炉容器1内に
おけるNa9の温度が次第に低くなつてゆく。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかるに、前記した従来技術において、冷媒3の循環
には、能動素子である電磁ポンプ6が使用され、また原
子炉異常時における除熱運転への移行は、可動部材であ
るダンパ8を開閉することによつて切り替えるようにし
ているが、このように、能動素子である電磁ポンプ6や
可動部材であるダンパ8等のいわゆる動的機器の動作が
常に高い信頼性の下で確実に遂行されることは断言でき
ず、したがつてこの点で改善の余地がある。
また、特開昭58−118988号公報に記載のごとく、循環
ポンプ等の動的機器を用いることなく、ヒートパイプに
よつて原子炉停止後の崩壊熱を除去する場合であつて
も、従来においては、ヒートパイプと可動部材であるバ
ルブとの組合せによつて崩壊熱除去系を構成しているた
め、これまた前記したバルブの操作が常に高い信頼性の
下で確実に遂行されるとは断言できず、したがつて、こ
の点で改善の余地がある。
本発明の目的は、原子炉々心のごとき加熱媒体が正常
に運転されている場合の外部に対する熱損失防止を常に
実効あるものとし、かつ前記加熱媒体が異常運転された
場合の外部に対する伝熱効果をも常に実効あるものとす
ることのできるヒートパイプを提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
前記目的を達成するため、本発明に係るヒートパイプ
は、水または液体金属等の冷却媒体を封入した伝熱管閉
回路の外側をヒートパイプ素管で覆って、前記伝熱管閉
回路と加熱媒体とを隔離するとともに、前記ヒートパイ
プ素管の内側に設けた多孔質ウイツクを、周囲の温度変
化によって当該ヒートパイプ素管の半径方向に変形する
部材によって構成したことを特徴とするものである。
〔作用〕
以上の構成によれば、水または液体金属等の冷媒を封
入した伝熱管閉回路の外側をヒートパイプ素管で覆つ
て、前記伝熱管閉回路と加熱媒体とを隔離したことによ
り、これを原子炉々心のごとき加熱媒体に装着した場
合、ヒートパイプ内に封入されている作動媒体、たとえ
ば後述する水銀(Hg)あるいはカリウム(K)は、加熱
媒体の温度が500℃以上の異常温度となつて急激に熱輸
送能が向上するので、ヒートパイプ自体は、一種の熱流
切替スイツチのように作用する。
すなわち、原子炉の正常運転時(Na温度=500℃)、
ヒートパイプは真空断熱層のように働き、原子炉々心の
Naからヒートパイプ内に組み込まれている伝熱管閉回路
への伝熱量は少なく、補助系を設けたことによる熱損失
はわずかで済む。
これに対し、原子炉運転に異常が生じて、原子炉々心
のNa温度が異常に高くなつた場合、ヒートパイプは熱の
良導体として作用し、原子炉々心のNaからヒートパイプ
内に組み込まれている伝熱管閉回路に熱が移動するよう
になり、前記ヒートパイプの伝熱管閉回路内における冷
媒は自然循環によつて冷媒循環系を形成する。
これを換言すると、前記構成によれば、原子炉々心の
ごとき加熱媒体が正常に運転されている場合は、外部へ
の熱損失を最小限に止どめて、その加熱媒体の熱を高効
率的に利用し、他方、前記加熱媒体が異常運転された場
合には、能動素子である電磁ポンプや可動部材であるダ
ンパやバルブ等のいわゆる動的機器を一切必要とするこ
となく、完全パツシブ化をはかつて、故障のない、信頼
性にすぐれたヒートパイプを得ることができることに加
えて、本発明によれば、ヒートパイプ素管の内側に設け
た多孔質ウイツクを、周囲の温度変化によつて当該ヒー
トパイプ素管の半径方向に変形する部材によつて構成し
たことにより、そのヒートパイプ素管内に封入される作
動媒体の濡れ面積を、周囲の温度変化に応じて調節する
ことができる。
すなわち、たとえばヒートパイプの加熱媒体が原子炉
々心であり、しかも原子炉の運転が正常である場合、ヒ
ートパイプの温度は低く(=500℃)、前記した多孔質
ウイツクは縮まつており、ヒートパイプ素管と多孔質ウ
イツクとの間の隙間は大きく、前記した隙間に働く毛細
管力は小さく、ヒートパイプ作動媒体は、前記隙間の中
を殆んど濡らさず、したがつてヒートパイプ作動媒体の
蒸発面積は小さく、ヒートパイプは、その内部に組み込
まれている伝熱管閉回路に対し、殆んど熱を伝えない。
これに対し、原子炉の運転に異常が生じ、ヒートパイ
プの温度が高くなつた場合は、前記した多孔質ウイツク
が広がり、ヒートパイプ素管と多孔質ウイツクとの間の
隙間が縮まり、前記した隙間に働く毛細管力は大きくな
つて、ヒートパイプ素管の内面は、ヒートパイプ作動媒
体によつて十分濡れることにより、したがつてヒートパ
イプ作動媒体の蒸発面積は大きく、ヒートパイプは、そ
の内部に組み込まれている伝熱管閉回路に対し、高効率
的に熱を伝えることができる。
これを換言すると、前記構成よりなる本発明によれ
ば、原子炉々心のごとき加熱媒体が正常に運転されてい
る場合の外部に対する熱損失防止をより一層実効あるも
のとし、かつ前記加熱媒体が異常運転された場合の外部
に対する伝熱効果をも、より一層実効あるものとするこ
とができる。
〔実施例〕
以下、本発明を、本発明の前提をなすヒートパイプ共
々、図面にもとづいて説明すると、第1図は本発明の前
提をなすヒートパイプの一部正面図、第2図は第1図の
A−A′断面図、第3図は第1図および第2図に示すヒ
ートパイプを崩壊熱除去装置に実装した原子炉の炉内構
造説明図、第4図はヒートパイプの作動媒体温度−熱輸
送能特性線図である。
崩壊熱除去装置を実装した原子炉の炉内構造を示す第
3図において、伝熱管閉回路(以下、伝熱管と略称す
る)4は、炉容器1の中に設けられている。伝熱管4の
外側は、ヒートパイプ素管25aで囲まれており、伝熱管
4は、炉容器1内のNa9から隔離されている。なお、ヒ
ートパイプ25の詳細については後述する。そして、第3
図においては、ヒートパイプ素管25aの取付を容易にす
るため、炉容器1の内側に壁11を設け、ヒートパイプ素
管25aを壁11に沿つて水平に取り付けてある。壁11の上
部と下部には、穴12が設けられており、矢印で示すごと
きNa9の循環流が生じ易い工夫がほどこされている。
原子炉の運転が正常な場合、炉容器1内のNa9は、ポ
ンプ13によつて駆動され、下部プレナム14→炉心15→上
部プレナム16→中間熱交換器17→下部プレナム14という
矢印の経路で強制循環される。このNa9は、中間熱交換
器17内において、2次Na18と熱交換され、定格温度を維
持する。炉心15を出た上部プレナム16内におけるNa9の
一部は、壁11に設けた上部の穴12を通つて、伝熱管4が
配置されている環状流路19に入り、下降した後、下部の
穴12から出てゆく。環状流路19を出たNa9は、上部プレ
ナム16内のNa9と合流した後、中間熱交換器17に入る。
また、原子炉が異常運転された場合、上部プレナム16
内におけるNa9の一部は、環状流路19を通過する際、ヒ
ートパイプ25を介して伝熱管4と高効率的に熱交換さ
れ、温度が下がる。この熱交換によつて高温になつた伝
熱管4内の冷媒3は、伝熱管4内を自然循環によつて駆
動され、空気冷却器5に至つて冷却される。なお、空気
冷却器5は、フイン付伝熱管10と冷却ジヤケツト20との
みによつて構成されており、ブロワーやダンパーは付設
されていない。
ところで、原子炉が正常に運転している時、外部への
熱損失は、炉心15で発生した熱を高効率的に利用するた
め、最少限に止どめる必要がある。すなわち、伝熱管4
を通じて外部に放散される熱量は、これを可能な限り少
なくする必要がある。
ヒートパイプ25の内部構造を示す第1図および第2図
において、ヒートパイプ素管25aの中には、第3図で説
明したように、伝熱管4が組み込まれている。冷媒3
は、伝熱管4の一方の端から入り、他端から出てゆく。
ヒートパイプ25はスティック状に形成されており、その
水平部は第3図の壁11に沿つて円周方向に延びている。
ヒートパイプ素管25aの中には、その内部を真空にした
後、作動媒体21が封入されている。作動媒体21として
は、後述するように、HgまたはKが特に適している。
しかして、第3図において、ヒートパイプ25は水平に
配置されるので、作動媒体21の溜りは、ヒートパイプの
中の到る所にでき、ヒートパイプ25の内面が乾き、蒸発
面積が少なくなること(ドライアウト)はない。また、
第2図に示すように、ヒートパイプ素管25aの内面を多
孔物質22(たとえば、焼結金属状にする、溝を切る等)
で作つておくと、ドライアウトを完全に回避することが
できる。伝熱管4には、水または液体金属を冷媒3とし
て封入する。炉容器1の中で温度が高くなつた冷媒3
は、空気冷却器5で冷却され、その結果、冷媒3は、伝
熱管4の中を自然循環する。なお、冷媒3として水を用
いると、高温部で沸騰して低温部との密度差が大きくな
るため、自然循環は容易になる。また、空気冷却器5に
おいても、伝熱管4と周辺空気23との間に温度差が生じ
る結果、空気も自然循環によつて冷却ジヤケツト20内に
供給される。
第4図はヒートパイプの熱輸送能を作動媒体をパラメ
ータにして示したものである。直径10cmの円筒状ヒート
パイプを例にとり、円筒断面を輸送できる熱量Qと媒体
温度との関係を下記すると、その輸送熱量Qは、次式で
評価することができる。
ここで、A:定数 hfg:作動媒体の蒸発潜熱(J/kg) T:作動媒体の温度(K) ρs(T):温度Tにおける作動媒体の飽和蒸気濃度
(kg/m3) 第4図に示すように、ヒートパイプの輸送熱量Qは、
作動媒体の温度が上昇すると指数関数的に増加する。そ
して、ヒートパイプに用いられる作動媒体に関しては、
定格運転温度よりも高い温度範囲で前記輸送熱量Qの増
加の割合が大きければ大きい程よく、また輸送熱量Qの
値も大きい程好ましい。たとえば、定格運転温度として
500℃の原子炉システムを例にとると、第4図から明ら
かなように、HgまたはKが最も適しており、この場合、
定格温度(500℃)と異常温度、たとえば600℃との間に
1:4の開きがある。また、この開きは媒体温度が上昇す
るにつれ大きくなる。したがつて、第3図において、炉
容器1内におけるNa9の温度が高ければ高い程、外部に
放散される熱量は増加するものであり、このことは、崩
壊熱除去装置にとつて好ましいことである。
なお、定格運転温度として500℃と異なる原子炉シス
テムに対しては、HgまたはK以外の作動媒体が使える。
たとえば、400℃近傍の低温システムに対しては、ダウ
サム(商品名)等の有機材が、また700℃近傍の高温シ
ステムに対しては、セシウム(Cs)が最も適している。
第3図において、伝熱管4は、炉容器1の内側に設け
られた環状流路19内に配置され、環状流路19内のNaは、
常時、伝熱管4によつて冷却されているから、これに隣
接する炉容器1の壁も低い温度に保持される。すなわ
ち、第3図に示す炉内構造によれば、伝熱管4によつて
炉壁冷却をも兼ねることができる。これに対し、従来、
たとえば仏国スーパフェニツクス炉等においては、炉壁
の冷却を目的として、炉容器の内側に内筒を組み込み、
炉容器と内筒間の間隙に低温Naを強制循環させるように
しているが、第3図の炉内構造によれば、前記したよう
な複雑な炉壁冷却装置が一切不要となる。また、第3図
においては、炉容器1の中に伝熱管4を装着する方法を
とつているので、熱交換器が不必要となり、炉容器1内
の構造を簡素化することができる。
ここで、崩壊熱除熱に必要な伝熱管4の伝熱面積につ
き、定量的な説明を加える。一例として、電気出力が10
00MWの原子炉を考えると、必要除熱量(原子炉停止後に
放出される最大崩壊熱量)は、48MWであるが、伝熱管4
の形状として、第3図に示したものを例にとると、その
必要伝熱面積は次式で表わされる。
なお、Q:崩壊熱(W) A:伝熱面積(m2) λ:伝熱管の熱伝熱率(W/m℃) ΔT:伝熱管内外の温度差(℃) δ:伝熱管の厚み(m) 前記の値に関し、λ=32W/m℃,ΔT=50℃,δ=2
×10-3mの値を例にとると、その伝熱面積Aは、 したがつて、前記した伝熱管4の全長は、伝熱管直径
を0.03mとすると、 L=60/(π×0.03)=637(m) となる。
そして、第3図において、1本のヒートパイプ25に
は、伝熱管4が2本組み込まれているから、ヒートパイ
プ25の全長Lhは、 Lh=L/2=637/2≒320(m) となる。
いま、第3図に示す炉容器1の直径を17mとし、第1
図に示すヒートパイプ25の水平部分を、炉容器1の内側
周方向に延長させるとすると、必要なヒートパイプ25の
本数Nhとして、 Nh=Lh/(π×17)=320/(π×17)≒6(本) でよいことになる。
第5図は第1図および第2図に示すヒートパイプを崩
壊熱除去装置に実装する場合の変形例を示す原子炉々内
構造説明図である。
第5図においては、炉容器1内に壁(第3図の符号1
1)を設けることなく、伝熱管4を直接Na9の中に浸した
構造例を示し、この場合、伝熱管4の炉容器1内に対す
る組込が容易となる。
また、第5図の場合、原子炉が異常運転された場合に
は、以下に述べるようにして、炉容器1内における自然
循環が生じ易くなる。すなわち、原子炉が正常に運転さ
れている時、炉容器1内のNa9は、ポンプ(第5図では
ポンプの図示を省略。第3図の符号13を参照)によって
強制駆動され、第3図に示す矢印と同様の経路にしたが
って循環している。しかるに、何等かの原因で原子炉が
スクラムされ、同時にポンプ13が停止した場合、Na9の
駆動力がなくなり、その後は、炉容器1内の自然循環に
たよらなければならない。この場合、第5図に矢印で示
すような自然循環が発生するが、伝熱管4の近傍を通過
するNa9の流量を増すには、その伝熱管4の付近の流体
抵抗を少なくした方がよい。しかして、第5図において
は、前記流体抵抗となり得る壁(第3図の符号11)を取
り外したものである。
第6図は第1図および第2図に示すヒートパイプを崩
壊熱除去装置に実装する場合のさらに他の変形例を示す
原子炉々内構造説明図である。
第6図においては、炉容器1の外側にさらに容器24を
設け、炉容器1と外側容器24との間の空間26にNa9を封
入し、空間26内におけるNa9の中に、ヒートパイプ25で
隔離された伝熱管4を取り付けた場合を示し、炉容器1
内におけるNa9の熱は、炉容器1→外側容器24内のNa9→
ヒートパイプ25→伝熱管4といつた経路で伝熱管4内の
冷媒3に伝わり、外部に放散される。
しかして、原子炉が正常運転している時、炉容器1内
のNa9、さらには外側容器24内におけるNa9の温度は低い
ため、ヒートパイプ25は、伝熱管4にあまり熱を伝えな
い(伝えたとしても僅かであり、その際の放熱分は、炉
壁冷却に使われているので、正味の熱損失はない)。
これに対し、炉容器1内におけるNa9の温度が異常に
高くなつた場合、外側容器24内におけるNa9の温度も高
くなり、ヒートパイプ25の輸送熱量が増加する。すなわ
ち、Na9から伝熱管4に熱を伝え易くなり、その結果、
炉容器1内のNa9が冷却され始める。
そして、第6図において、伝熱管4は、炉容器1の外
側に配置されているので、炉容器1内の構造をより簡素
化できる利点がある。また、第6図において、冷媒3と
して水を使用した場合、万一伝熱管4が破れ、さらにヒ
ートパイプ25が破れて、Na9中に水が洩出した場合であ
つても、Naと水との反応を炉容器1内に伝播させない利
点がある。
第7図は本発明の前提をなすヒートパイプの第2の具
体例を線図的に表わす内部構造説明図である。
第7図において、伝熱管4はバイヨネツト(bayone
t)型をしている。冷媒3は、内側のパイプ27から入
り、その先端で向きを変えた後、外側パイプ28内を通つ
て出てゆく。伝熱管4の垂直部は、冷媒3の入口ヘツダ
29と出口ヘツダ30とを兼ねている。冷媒は、入口ヘツダ
29から伝熱管4の水平部に供給される。また、冷媒の戻
り流も、一旦出口ヘツダ30に集められた後、外部に流出
する。外側パイプ28の外周には、ヒートパイプ素管25a
が取り付けられており、ヒートパイプ素管25aは、伝熱
管4と炉内Na9とを隔離している。ヒートパイプ25の構
造,作動媒体の種類,作用については、第1図および第
2図の場合と同様である。なお、本例では、ヒートパイ
プ素管25aの内面に仕切板31を取り付け、作動媒体の濡
れをよくしており、また本例によれば、伝熱管4はバイ
ヨネツト型なるが故に、その取付が容易になる他、伝熱
管4の大きさを小さくすることができる。
第8図は本発明の前提をなすヒートパイプの第3の具
体例を示す斜視図、第9図は第8図の一部縦断側面図で
ある。
そして、第8図および第9図は、1本の伝熱管4を螺
旋状に取り付け、その外側をヒートパイプ素管25aで囲
んだ構成例である。また、ヒートパイプ素管25aの内面
には、第7図の場合と同様、仕切板31を取り付け、作動
媒体21の濡れをよくする工夫がほどこされている。
ここで、ヒートパイプ25の伝熱管4に関し、その巻き
数について説明する。
既に述べたごとく、必要除熱量が48MWの時、伝熱管4
の必要伝熱面積は60m2となるので、ちなみに炉容器1の
直径=17m,伝熱管4の直径=0.03mとすると、伝熱管の
巻き数Nは、 N=60/(π×0.03)/(π×17)=12(ターン) となる。したがつて、崩壊熱除去装置を2系統に分けた
場合、1系統の巻き数は6ターンになる。たとえば、第
6図の場合は、6ターン巻いた伝熱管4を、炉容器1と
外側容器24との間の環状空間26の中に入れておくだけで
よく、外側容器24の大きさをそれ程大きくする必要はな
い。すなわち、環状空間26の巾は、伝熱管4の直径程度
(0.03m)でよい。
ここで、第10図は本発明ヒートパイプの一実施例を示
す要部の縦断正面図、第11図は第10図のB−B′断面図
である。
しかして、第10図および第11図に示す実施例の構造
は、基本的には、第8図の場合と同じであるが、本発明
においては、ウイツクの構造に特徴がある。
すなわち、第10図および第11図において、ウイツク
は、多数の孔のあいたリング32からなり、リング32は、
サポート33により、ヒートパイプ素管25aの内側に位置
する伝熱管4に支持されている。リング32およびサポー
ト33は形状記憶合金によつて成形されており、ヒートパ
イプ25の温度によつてその形状が変化する。すなわち、
第10図および第11図の実施例によれば、ヒートパイプ素
管25a内に封入される作動媒体21の濡れ面積を、周囲の
温度変化に応じて調節することができる。
第12図(a)および(b)はそれぞれ第10図および第
11図に示すヒートパイプの低温時・高温時挙動説明図で
ある。
原子炉の運転が正常である場合、ヒートパイプ25の温
度は低く(=500℃)、第12図(a)に示すごとく、リ
ング32およびサポート33は縮まつており、ヒートパイプ
素管25aとリング32との間の隙間34は大きくなつてお
り、前記した隙間34に働く毛細管力は小さく、作動媒体
21は、隙間34の中を殆んど濡らさず、したがつて作動媒
体21の蒸発面積は小さく、ヒートパイプ素管25aは、伝
熱管4に対し、殆んど熱を伝えない。
これに対し、原子炉の運転に異常が生じ、ヒートパイ
プ25の温度が高くなつた場合は、第12図(b)に示すご
とく、リング32とサポート33とが広がり、これによつて
リング32とヒートパイプ素管25aとの隙間34が縮まり、
前記した隙間34に働く毛細管力は大きくなり、ヒートパ
イプ素管25aの内面は、作動媒体21によつて十分濡れる
ことになり、したがつて作動媒体21の蒸発面積は大き
く、ヒートパイプ素管25aは、その内部に組み込まれて
いる伝熱管4に対し、高効率的に熱を伝えることができ
る。
なお、第10図〜第12図に示す本発明の実施例において
も、第7図および第8図の場合と同様、ヒートパイプ素
管25aの内面に仕切板を取り付け、作動媒体21の濡れを
よくすることができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、原子炉々心のごとき加熱媒体が正常
に運転されている場合の外部に対する熱損失防止を常に
実効あるものとし、かつ前記加熱媒体が異常運転された
場合の外部に対する伝熱効果をも常に実効あるものとす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の前提をなすヒートパイプの一部正面
図、第2図は第1図のA−A′断面図、第3図は第1図
および第2図に示すヒートパイプを崩壊熱除去装置に実
装した原子炉の炉内構造説明図、第4図はヒートパイプ
の作動媒体温度−熱輸送能特性線図、第5図および第6
図はそれぞれ第1図および第2図に示すヒートパイプを
崩壊熱除去装置に実装する場合の変形例を示す原子炉々
内構造説明図、第7図は本発明の前提をなすヒートパイ
プの第2の具体例を線図的に表わす内部構造説明図、第
8図は本発明の前提をなすヒートパイプの第3の具体例
を示す斜視図、第9図は第8図の一部縦断側面図、第10
図は本発明ヒートパイプの一実施例を示す要部の縦断正
面図、第11図は第10図のB−B′断面図、第12図(a)
および(b)はそれぞれ第10図および第11図に示すヒー
トパイプの低温時・高温時挙動説明図、第13図は従来型
崩壊熱除去装置を備えた原子炉の炉内構造説明図であ
る。 3……冷却媒体、4……伝熱管閉回路、21……ヒートパ
イプ作動媒体、25……ヒートパイプ、25a……ヒートパ
イプ素管、32……リング(形状記憶合金)、33……サポ
ート(形状記憶合金)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21C 15/18 GDF G21C 15/18 GDFR 15/28 GDF 15/28 GDF (72)発明者 後藤 忠 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 山川 正剛 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 宇多村 元昭 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 中尾 昇 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 柴田 洋二 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭53−113357(JP,A) 実開 昭60−50368(JP,U) 特公 昭59−18631(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水または液体金属等の冷却媒体を封入した
    伝熱管閉回路の外側をヒートパイプ素管で覆って、前記
    伝熱管閉回路と加熱媒体とを隔離するとともに、前記ヒ
    ートパイプ素管の内側に設けた多孔質ウイツクを、周囲
    の温度変化によって当該ヒートパイプ素管の半径方向に
    変形する部材によって構成したことを特徴とするヒート
    パイプ。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、ヒートパ
    イプ素管内に封入される作動媒体が水銀,カリウム,有
    機材,セシウムのうちのいずれか1つであるヒートパイ
    プ。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項または第2項におい
    て、ヒートパイプ素管の内面に仕切板を取り付けたヒー
    トパイプ。
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