JP2506819Y2 - 水中音サイレンサ― - Google Patents

水中音サイレンサ―

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JP2506819Y2
JP2506819Y2 JP1990085604U JP8560490U JP2506819Y2 JP 2506819 Y2 JP2506819 Y2 JP 2506819Y2 JP 1990085604 U JP1990085604 U JP 1990085604U JP 8560490 U JP8560490 U JP 8560490U JP 2506819 Y2 JP2506819 Y2 JP 2506819Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、建造物内に設置されたポンプの騒音防止の
ために使用される水中音サイレンサーに関するものであ
る。
「従来の技術」 水の導管系にあっては、例えば羽根車式ポンプの羽根
の回転によって引き起こされる水の脈動音が配管に伝わ
り、これが配管の支持金具に伝わって建造物内の壁及び
スラブを振動させる結果として騒音が発生する。そのた
め建造物には、水の導管系に水中音サイレンサーの装備
が必要とされている。
水中音サイレンサーには、種々のものが開発提供され
ているが(例えば、特公昭55-44280号、特公昭56-27760
号等)、近年、水導管からその外方に膨出するように設
けた空気室に、空気が封入されたボールを入れた空気室
型サイレンサーが有効であることが明らかにされ使用さ
れている。
「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、従来技術においては以下に掲げる問題
点があった。
ボール内の空気が長時間の間に外部に流出するた
め、メンテナンスが多数回にわたるという問題点。
水圧が高い場所ではボール内の空気が圧縮され空気
量が少なくなり、消音効果が小さくなるという問題点。
ボールのコストが大きいという問題点。
本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、従来
技術に比べてメンテナンス回数を減少し、サイレンサー
効果を大きくし、かつボールのコストを低減することが
できる水中音サイレンサーを提供する点にある。
「課題を解決するための手段」 本考案は、水導管内から外方へ膨出してなる膨出空間
と、該膨出空間内に保持されかつ内部に気体を封入した
弾性材からなる気体封入体とを備えた、前記水導管の管
内を通る水の脈動音を消す水中音サイレンサーであっ
て、前記気体封入体の外面を該空気封入体の膨張を拘束
する抗膨張材で覆設し、かつ、該気体封入体内に気体を
加圧状態で封入してなることを特徴とする。
「作用」 本考案においては、弾性材からなる気体封入体に空気
等の気体を多量に加圧封入するが、気体封入体の外面を
抗膨張材により覆設してその膨張を拘束し、以て、気体
封入体が過度に膨張してその寸法が過大となることなく
多量の気体を加圧封入することが可能となる。そして、
気体封入体に従来技術に比べ多量の空気の封入を可能と
するので、流出するまでの時間を長くする。したがっ
て、メンテナンスの間隔を従来技術に比べて長くするこ
とができる。また、多量の気体の気体封入体への封入を
可能とするので、サイレンサー効果を大きくすることが
できる(その理由については実施例において詳述す
る)。また、空気封入体1個当りの空気封入量を従来技
術に比べて多くすることができるので、空気封入体の数
を少なくすることができ、その結果コストダウンを図る
ことができる。
「実施例」 以下、本考案の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部
品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定
的な記載がない限りは、この考案の範囲をそれらのみに
限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎな
い。
まず、本実施例に係る水中音サイレンサーの構成につ
いて第1図(イ)ないし第2図を用いて説明する。
当該水中音サイレンサーSは、第1図(イ)に示すよ
うに水導管Pに2つの膨出空間1を設けた2連空気室型
のものである。前記両膨出空間1は、同型のものであ
り、第1図(イ)及び第1図(ロ)に示すように水導管
Pの両端に接続した2つの分岐管2内に設けたものであ
る。当該両分岐管2は、分岐部3の上端をパッキン4を
介装して蓋体5をボルト絞めすることにより閉塞してお
り、内部にボール収納籠6を設けている。当該ボール収
納籠6は、ステンレス製の網状袋体であり、内部に空気
ボール(気体封入体)7を3個を収納している。当該各
空気ボール7は、内方に向かって突出する突部7aを一部
に内設しているブチルゴム製のものであり、第2図に示
すようにネット8(抗膨張材)が外周を覆設している。
前記突部7aは空気圧入機の針を刺しても、外部に空気が
漏れないように肉厚となっている。前記ネット8はナイ
ロン繊維製の外輪郭球状体である。前記空気ボール7へ
の空気の封入は、まず空気を封入する前に前記ネット8
に入れ、その後軟式ボールに空気を圧入する際に用いる
空気圧入機の針を前記突部7aから前記空気ボール7の内
部に貫入して多量の空気を加圧注入し、最後にウレタン
樹脂系、シリコーン樹脂系等の硬化した際伸縮自在な接
着剤により前記針を貫入した孔を閉塞することにより行
う。これにより、空気ボール7に多量の空気が加圧状態
で封入される。ところで、弾性材であるブチルゴム製の
空気ボール7に多量の空気を加圧封入すれば当然に空気
ボール7は大きく膨張しようとするが、本実施例のサイ
レンサーSにおいては空気ボール7をネット8により覆
設しているので、空気ボール7の膨張はそのネット8に
より拘束されてしまい、空気ボール7の寸法はネット8
の寸法により規制されてそれ以上に大きく膨張すること
はない。つまり、本実施例のサイレンサーSでは、空気
ボール7が過度に膨張することをネット8により防止し
つつ多量の空気を加圧封入することが可能である。な
お、過度の膨張を防止するために空気ボール7自体を膨
張し難い素材で形成したり、あるいはその肉厚を厚くし
て膨張し難くすることも考えられようが、そのようにし
た場合は消音効果自体に影響が及んでしまうので好まし
くない。
さらに本実施例においては、前記2つの膨出空間1の
距離を、3λ/32〜13λ/32としている{λ=c(音速)
/f(周波数)}。
次に、以上のように構成した水中音サイレンサーSの
作用効果について説明する。
前記ネット8は、空気ボール7に従来技術に比べ多量
の空気の封入を可能とするので、流出するまでの時間を
長くする。したがって、メンテナンスの間隔を従来技術
に比べて長くすることができる。また、多量の空気の空
気ボール7への封入を可能とするので、サイレンサーS
効果を大きくすることができる。その理由について第3
図(イ)ないし第3図(ロ)を用いて説明する。
空気室A(ポンプ等の音源に近いほうの膨出空間1を
空気室Aとし他の膨出空間2を空気室Bとする。)にお
ける水中音の通過率SAは SA=2/QA・(1+RL2−|RL′|cos2kL10.5 (この式の詳細については「騒音制御Vol.12,No.3.19
88」を参照されたい)で表される。
QA:空気室の空気量に関する無次元量 RL′:管端の反射係数 k :波数 L1:空気室A,B間の距離 上記した式から導かれるSAの値をグラフに表すと第3
図(イ)ないし第3図(ハ)に示すものとなる。第3図
(イ)はQ=50の各反射係数における通過率、第3図
(ロ)はQ=20の各反射係数における通過率、第3図
(ハ)はQ=10の各反射係数における通過率を示すもの
である。
第3図(イ)ないし第3図(ハ)からわかるように空
気室Aにおける空気量が大きいものほど通過率SAが小さ
くなることが分かる。しかるに空気量が大きいものほど
サイレンサー効果が大きいと言うことができる。
また、前記空気ボール7の1個当りの空気封入量を従
来技術に比べて多くすることができるので、空気封入体
の数を少なくすることができ、その結果コストダウンを
図ることができる。
さらに、前記2つの膨出空間1の距離は、3λ/32〜1
3λ/32としているので、消音効果を20dB以上とすること
ができる。これについて第3図(イ)ないし第4図を用
いて説明する。2つ膨出空間1の総合的な水中音の通過
率は、膨出空間1のそれぞれの位置における音の通過率
の積(SA×SB)で表される。空気室A通過率SAは、両方
の膨出空間1の無次元空気量を20以上とすれば,第3図
(イ)ないし第3図(ロ)に示すように他の条件と拘わ
らず0.1以下となる。また空気室Bにおける音の通過率S
Bは、管端の反射係数RLが0.95以下ならば1以下とな
る。これについて補足すると、空気室Bにおける最大通
過率SBmaxは SBmax=2/|(4+QB 20.5-QBRL| (この式の詳細については「騒音制御Vol.12,No.3.19
88」を参照されたい)で表される。
このSBmaxの値とQB,RLの関係は第4図に示す。第4
図からQBが小さくなるほど、また|RL|がが1に近づく
ほどSBmaxの値が大きくなることが分かる。|RL|が0.9
5以下,QBが20以上であればSBmaxの値は1以下となる。
なお、管端の反射係数は通常は0.95以下となることが予
想される(この点については定格系論文報告集407号,19
90年1月「建築設備の水配管内水中音の反射率に関する
検討(P69〜P74)」を参照されたい)。上述のごとく空
気室Aと空気室Bの総合的な通過率は、空気室Aにおけ
る通過率SAと空気室Bにおける通過率SBとの積により表
されるから、上記した条件の下では0.1以下となる。し
かるに上記効果を得ることができる。
なお、本実施例においては抗膨張材として、ナイロン
製のネット8を用いたが、本考案の範囲をそれに限定す
る趣旨ではなく、本考案においては他のもの、例えば金
網等、本考案を実施するうえで好適なものを用いること
ができる。
また、2連空気型の水中音サイレンサーSに適用して
いるが、本考案においては他の膨出空間1型サイレンサ
ーSに用いることができる。
また、前記空気ボール7は、ブチルゴム製のものであ
るが、本考案においては他の材質のもの、例えば、ブチ
ルゴム以外のエラストマー等、本考案を実施するうえで
好適な材質のものを用いることができる。
また、空気ボール7の数を3個としているが、本考案
の範囲を限定するものではなく、本考案においては、本
考案を実施するうえで好適な数とすることができる。
「考案の効果」 本考案は、以上のように構成されているので、以下に
記載するような効果を奏する。
気体封入体を抗膨張材により覆設しているので、気体
封入体の過度の膨張を拘束しつつ多量の気体を加圧封入
することが可能である。
したがって、従来技術に比べてメンテナンス回数を減
少し、サイレンサー効果を大きくし、かつボールのコス
トを低減することができる。
その結果、本考案によればメンテナンスに要する費用
を低減し係る労力を軽減し、水導管を通る水の脈動音を
小さくし、水中音サイレンサーにコストを低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)乃至第3図は本考案の一実施例を示すもの
であり、第1図(イ)は水中音サイレンサーの縦断面
図、第1図(ロ)は第1図(イ)のA−A断面図、第2
図は空気ボールの断面図、第3図(イ)ないし第3図
(ハ)は空気室Aの通過率QAを示す図、第4図は空気室
Dの最大通過率QBMAXと反射素数RLとの関係を示す図で
ある。 S……水中音サイレンサー、P……水導管、1……膨出
空間、2……分岐管、5……蓋体、7……空気ボール
(気体封入体)、8……ネット(抗膨張材)。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】水導管内から外方へ膨出してなる膨出空間
    と、該膨出空間内に保持されかつ内部に気体を封入した
    弾性材からなる気体封入体とを備えた、前記水導管の管
    内を通る水を脈動音を消す水中音サイレンサーであっ
    て、前記気体封入体の外面を該空気封入体の膨張を拘束
    する抗膨張材で覆設し、かつ、該気体封入体内に気体を
    加圧状態で封入してなることを特徴とした水中音サイレ
    ンサー。
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JPS6249516A (ja) * 1985-08-29 1987-03-04 Mitsubishi Electric Corp 数値制御装置

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