JP2506604B2 - 延性を向上した冷間引抜鋼管の製造方法 - Google Patents

延性を向上した冷間引抜鋼管の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷間引抜鋼管の製造方
法に関し、特に本発明は延性を著しく向上した冷間引抜
鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今、冷間引抜きによって製造された外
径2mm程度から25mmくらいまでの精密鋼管は、自
動車、コンピュータをはじめとする電気機器装置、精密
機械その他多くの産業分野において広く使用されてお
り、その需要はますます拡大されている。
【0003】また、従来はプレス・切削加工によって製
造されていた異型精密鋼管も、ローコスト・高精度の要
求から引抜き管に変わりつつあるのが現状である。そし
て、以前は輸入に頼っていた特殊鋼管も、現在ではほと
んど国内で製造することが出来るようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、冷間引抜鋼管
は、素材である継目無し鋼管あるいは電縫管を所定寸法
より1回ないし数回引抜き加工を繰り返す過程で、加工
硬化を除くために熱処理工程を加え、最終的に必要とす
る寸法のダイスプラグを使用して仕上げ加工をするのが
一般的であった。
【0005】その際、次の2次加工(エキスパンド、ビ
ーディング、曲げその他)の種類及び方法に適した機械
的性質(引張強度、伸び、耐力)にする為に、材質(含
有成分)を選定したのち、熱処理を最終的に行なうか、
仕上げ加工の直前に行なうかの何れかの手段を取ってい
るが、強加工の場合は、延性が高く、尚且つ未加工部が
加工に耐え得るだけの高い耐力が材料に望まれるため、
材質面での検討が必要となる。しかしその場合材料コス
トは高くなり、又、追加、増量した化学成分が製品或い
は他の工程に及ぼす影響も考慮しなければならなくな
る。
【0006】本発明は、前記従来の問題点を解消し、材
質を変えることなく十分な引張強度及び耐力をを保持し
ながら2次加工に支障のない延性を有する冷間引抜鋼管
の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するた
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、冷間引抜鋼管
に対して摩擦熱の発生する矯正加工を施すことが極めて
効果的であることを知見し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】 すなわち、本発明は、最終寸法に仕上げ
られた冷間引抜鋼管にたいし、矯正機内の鋼管送り速度
と回転数に応じた摩擦と曲げが同時に作用する矯正加工
を施すにあたり、送り速度と回転数の調整により発生摩
擦熱を制御すると共に鋼管に捻りを与えることにより、
仕上時の引張強度をほぼ保持しながら延性を向上させ、
直線性を安定化させる事を特徴とする冷間引抜鋼管の製
造方法を要旨としている。特に、最終寸法に仕上げられ
た冷間引抜鋼管は長尺のコイル状であることが好適であ
る。
【0009】
【作用】本発明の構成と作用を説明する。本発明方法が
適用される鋼管は、電縫管あるいはそれよりも溶接部分
の強度が高いSR管(径の大きな管から熱間ロール圧延
により径を小さく絞ると共に肉厚もコントロールする方
法)であり、特にコイル状に巻かれた長尺管に有効であ
る。これらを素材として冷間引抜き加工を施す際、ダイ
スを通過した後にコイル状に巻き取る。
【0010】コイル状に巻き取ることにより、冷間引抜
鋼管は長さの制約を受けることがなく、長さ当りの価格
が低下するとともに必要な長さだけずつ切断して使用す
ることが出来るので損失が少なくなる。
【0011】ところが、素材をコイル状に巻き取ってい
るため、鋼管には必然的に湾曲が与えられる事になる。
そこでコイルから必要な長さを切り取り真直な鋼管を得
るには矯正(直)加工が施される。矯正にはたとえば周
知のスピンナー矯正機が好適に使用される。
【0012】本発明方法で、冷間引抜鋼管に対して延性
の向上が発揮されるのは以下に説明する原理によると考
えられる。冷間引抜き加工を施された鋼管は、軸方向
(加工方向)に組織が引延ばされ、転移密度が上がると
同時にもつれが生ずるため硬化される。
【0013】鋼管に対して2次加工を行なうためには、
引抜き加工率を低く押さえて延性を維持するか、焼鈍な
どの熱処理を施すか、あるいは硬化しても延性が維持で
きる材料を選定するかのいずれかの手段を取る必要があ
る。
【0014】しかし、引抜き加工率の調整による方法
は、降伏荷重から破断荷重の間で引抜き荷重を調節でき
る程度であって、図2および図3に示すように限度があ
る。また、熱処理による方法は、再結晶温度以下(30
0℃〜600℃)では鋼管の材料組織が不安定であり、
それ以上の温度で熱処理すれば、再結晶により延性は回
復されるが耐力は維持できない。
【0015】そのため、延性と耐力の両方が必要な難加
工、強加工を行なう必要がある場合は、それらを満足す
る材料(化学成分)を選定するがコストの上昇は避ける
ことが出来ない。
【0016】材料が炭素鋼の場合、材料選定を行なう際
は、2次加工に必要な耐力、引張強度、伸びなどの機械
的性質を算出してそれを満足するものを使用する。たと
えばJISの機械構造用炭素鋼鋼管STKM−11〜S
TKM−20の中から選定する。
【0017】加工性だけの問題で、特に成分にはこだわ
らない場合にはコストの点から当然炭素量の低いものを
選択する。そして耐力及び引張強度については加工を加
えれば自由に調節することが出来るし、一度加工硬化し
た鋼管の耐力をある程度維持したままで延性をコントロ
ールすることが出来ることが望ましい。
【0018】 本発明では、図1のように矯正機本体中
多数の円筒型のコマ内に、引抜き加工されたコイル状
長尺鋼管を挿入して、各コマを本体の中で互い違いにジ
グザグにセットした後に、鋼管を送りながら本体ごと回
転させる事によって、鋼管表面とコマ内表面間に摩擦熱
が発生するとともにその摩擦抵抗に負け、鋼管全体が捻
られる現象が発生する。
【0019】鋼管はこの摩擦熱により、組織内部の歪み
が緩和されると同時に捻り加工(塑性加工)が加えられ
て、コイル状の鋼管を真直に伸ばすこと(矯直加工)が
できると共に、機械的性質の改善が行なわれる。
【0020】 前記の摩擦熱と捻り加工により、高官の
内部組織内に転移の移動(ポリゴニゼイション)が開始
され、えん性の回復が行なわれる温度の300℃近くに
鋼管表面温度を上げるため、前記本体を高速で回転さ
、所定の送り速度で鋼管を通過させる。
【0021】比捻れ角度は、コマの材質(硬度、熱伝導
率)、表面粗度、冷却及び潤滑によって摩擦抵抗を変化
させるか、本体の回転数、鋼管送り速度を変化させるこ
とにより調節することが出来る。
【0022】本発明方法で製造した鋼管と、従来の引抜
き加工のままの鋼管との引張試験をすると、耐力限界ま
での弾性域での挙動は両者とも変わらないが、そのあと
後者には局部的な括れを生ずるのに対して、本発明方法
で製造した鋼管は弾性限界をこえても広範囲で一様な伸
びを示す。
【0023】上記の結果、本発明方法で製造した鋼管に
対して曲げ加工などの2次加工を行なった場合、応力集
中が生ずることなく分散されるため、「ヘアークラッ
ク」、「割れ」、「座屈」、「局部変形」等の欠陥が改
善され、さらに”難加工”、”強加工”を容易に行なう
ことが出来るようになる。
【0024】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
これによって本発明が限定されることはない。 実施例 合金成分組成が表1の通りの低炭素鋼SR管(JIS機
械構造用炭素鋼鋼管STKM11相当材)を用いて、抽
伸機(宮崎鉄工株式会社製UDU−1200−C)によ
り、外径8.0mm〜15mm、肉厚0.8〜1.5m
mの寸法範囲内で機械的強度が様々になるように数回加
工を繰り返しながら合計30種類の引抜き鋼管を製造
し、最終的に直径1200mmの枠に巻き取りした。
【0025】
【表1】
【0026】ついでこの冷間引抜き鋼管をスピンナー矯
正機(互榮機械株式会社製DS−20S)により矯正加
工(加工条件:鋳物コマ使用、各コマは1mにつき1m
mの真直度となるようにセッティングする。)を行な
い、その後2〜3mの長さに切断してテストピースを作
成した。
【0027】比較のため、上記同様の寸法範囲内で引抜
き鋼管を製造し、一般的なロール矯正機を用いて矯正加
工を行なった後切断してテストピースを作成した。これ
らのテストピースを用いて、引張り試験機(東京衡器
製)により負荷荷重と伸びの測定試験を行なった。その
結果を4つの肉厚範囲(0.8〜0.9mm、0.9〜
1.1mm、1.1〜1.3mm、1.3〜1.5m
m)に分け、同じ引張強度となる鋼管の伸びの違いを表
した例が表2であり、次に4つの範囲のうち2つについ
て引張強度と伸びの関係をグラフにしたのが図2、図3
である。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるから、次のような効果が期待できる。すなわち、焼
き入れ成分に限定のある材料を除き、STKM11相当
材(KEH8P)によって、STKM12B、12C、
13B、13C、14B、14C相当の「引張強度」及
び「伸び」のコントロールが可能となり、コストダウン
につながると共に試作調整時の要求にも短期間で対応可
能である。そして、被切削性の維持及び脱炭による影響
を無視できないなどの理由により、炭素量を出来るだけ
少量に抑えたい場合の機械的性質維持が容易である。
【0030】また、電縫部の強度が高いため2次加工性
に優位であるが、本発明方法により鋼管内部の応力集中
が緩和されるため、特性の安定した冷間引抜き鋼管を提
供することが出来ると共に、従来、熱処理を施さなけれ
ば困難であった強加工や、熱処理上がりであると腰が弱
くて、手段が限定されてしまう難加工にも対応可能な材
料の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用する矯正機の斜視図である。
【図2】本発明方法で製造した肉厚0.9〜1.1mmの鋼管及
び比較例鋼管の引張強さと伸びの関係を示すグラフであ
る。
【図3】本発明方法で製造した肉厚1.3〜1.5mmの鋼管及
び比較例鋼管の引張強さと伸びの関係を示すグラフであ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終寸法に仕上げられた冷間引抜鋼管に
    たいし、矯正機内の鋼管送り速度と回転数に応じた摩擦
    と曲げが同時に作用する矯正加工を施すにあたり、送り
    速度と回転数の調整により発生摩擦熱を制御すると共に
    鋼管に捻りを与えることにより、仕上時の引張強度をほ
    ぼ保持しながら延性を向上させ、直線性を安定化させる
    事を特徴とする冷間引抜鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 最終寸法に仕上げられた冷間引抜鋼管が
    コイル状である請求項1記載の冷間引抜鋼管の製造方
    法。
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