JP2506534Y2 - コイルばね製造機の巻線軸作動装置 - Google Patents

コイルばね製造機の巻線軸作動装置

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JP2506534Y2 JP1990076367U JP7636790U JP2506534Y2 JP 2506534 Y2 JP2506534 Y2 JP 2506534Y2 JP 1990076367 U JP1990076367 U JP 1990076367U JP 7636790 U JP7636790 U JP 7636790U JP 2506534 Y2 JP2506534 Y2 JP 2506534Y2
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、両端の腕部に曲げ加工が施される形状のね
じりコイルばねを大量に製造する場合に用いるコイルば
ね製造機の巻線軸作動装置の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、例えば、第5図に示すように、両端に曲げ加
工された腕部(65)(66)をもつねじりコイルばね
(A)を連続的に製造する場合、第6図に示すように、
巻線軸(B)に線(C)を供給して巻線軸(B)の段部
(B′)に設けられた突起(B″)と巻線軸(B)との
間に線(C)を挾持し、この状態で片端の曲げ加工を施
し、腕部(65)の成形をした後、巻線軸(B)を軸方向
に移動させつつ所定回数だけ回転させて所定巻数のコイ
ル状となした上、他端の曲げ加工を施して腕部(66)を
形成すると共に、線(C)を切断し、所定のねじりコイ
ルばね(A)として巻線軸(B)から自重落下させ、続
いて巻線軸(B)が軸方向の原位置へ復帰移動し、次の
分の線(C)が繰り出し供給され、以後前記動作を反復
するものである。
上記線(C)の供給(巻線軸(B)は非回転)→腕部
(65)の曲げ加工(巻線軸(B)は非回転)→線(C)
の巻回(巻線軸(B)は回転)→腕部(66)の曲げ加工
及び線(C)の切断(巻線軸(B)は非回転)という一
連の動作を反復させるために、巻線軸(B)の作動制御
を機械的に行わせる方式と、サーボモータ等によって電
機的に行わせる方式とが公知である。
電気的に行わせる方式は、制御装置が非常に高価であ
るため、ねじりコイルばね(A)を安価に大量生産する
方式として、機械的に行わせる方式が多く採用されてい
る。
機械的に行わせる方式の作動原理は、巻線軸(B)の
駆動源の連続回転運動から、線(C)の巻回転作と、腕
部(65)(66)の曲げ加工等のための停止動作とを周期
的に形成させるために、一旦、クランク機構を介して直
線往復運動に変換し、この直線往復運動を、ラックとピ
ニオンを介して再び回転運動に戻して巻線軸(B)を回
転・停止させるようにしている。即ち、巻線軸(B)の
停止は、クランク機構の上死点又は下死点を利用するよ
うにしたものである。以下、具体的に説明する。第7図
は従来のねじりコイルばねの製造機械の駆動機構の要部
を示す概略図であって、その構成は、原動機により駆動
回転されるクランク腕(41)に連結された連結桿(42)
の適所に当接片(43)(43)を保持片(44)と所定の遊
び(f)を形成して固着し、さらに前記保持片(44)は
連結桿(42)に摺動可能に取着され、且つ支軸(45)を
介してピニオン(47)と噛合したラック(46)と固着さ
れている。クランク腕(41)の回転で連結桿(42)が牽
引されるとき、当接片(43)(43)のいづれか一方が保
持片(44)に当接する迄はラック(46)は一定位置に停
止し、これによって、ピニオン(47)とこれに図示しな
い歯車群、リンク機構等を介して連結された巻線軸も停
止し、上記の如く当接してからクランク腕(41)が死点
に達するまでは前述の機構により巻線軸が回転する。こ
のような巻線軸の断続的な回転と停止により回転時には
巻線を、停止時にはコイルばねの腕部の加工、線の送り
等を行っていた。
しかし、この場合、クランク腕(41)が死点をかなり
通過した時点でラック(46)が急激な加速度を伴って移
動するので、巻線軸の巻初めに於いても急激な加速度が
発生し、このため巻線軸と線との巻掛け部分で滑りが起
こり、よって製品としてのコイルばねの第1腕部(65)
の長さが製造の都度異なり、製品の均一化は到底望み得
ない状態であった。またこれとは別に巻線軸と噛合して
いる駆動歯車と駆動歯車軸との連結部に遊びを設定して
ある装置も存在していたが、上記欠点は解消され得てい
なかった。
その対策として前記ラックを駆動するクランクの代わ
りに回転カムを用いる考案がされおりカムの立上がり曲
線により急激な加速度での巻き上げが回避され、コイル
ばねの円滑な巻線を可能としている。
〔考案が解決しようとする課題〕
回転カムを用いラックを駆動する装置により加速度で
の巻き上げが回避され、従って腕部の長さのバラツキは
かなり改善された。しかしラックを往復させピニオン及
び巻線軸を旋回、停止させる機構は多くの歯車を使用し
ているため複雑であり、歯車のバックラッシュに起因し
た騒音及びばね腕部に曲げ加工を行う際の巻線軸停止時
に生じる誤差が大きく、これらは高速運動を行うに従い
顕著となるためコイルばねの生産能力及び製品精度の向
上は期待出来ない。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は材料を巻線軸に巻きつけてねじりコイルばね
を製造するコイルばね製造機に於いて、1サイクル中に
1個のねじりコイルばねを製造するために巻線軸の回転
・停止動作を制御するカム形状が付与された回転カム機
構と、回転カム機構の回転運動をレバーの往復揺動運動
に変換する揺動レバー機構と、回転可能に支持されたボ
ールねじ、及び、回転しないように係止して前記ボール
ねじに螺合したボールナットからなり、前記揺動レバー
機構のレバー先端部をボールナットに連結して、レバー
の往復揺動運動を、ボールナットの軸方向運動を介して
ボールねじの回転運動に変換するボールねじナット機構
と、ボールねじナット機構の回転運動を巻線軸に伝達す
る回転伝達機構とを具備させ、これによって、従来の装
置の問題点を解消したものである。
〔作用〕
回転カム機構の回転運動を揺動レバー機構を介して往
復揺動運動に変換し、これをさらにボールねじナット機
構により回転運動に変換し、この回転運動を回転伝達機
構を介して巻線軸に伝達し、ねじりコイルばねを製造さ
せる。上記各機構の組合せにより、急激な加速度でのコ
イルばねの巻線が回避されるとともに、多くの歯車やラ
ックとピニオンを廃したことにより、バックラッシュが
回避され、その結果コイルばねの第1腕部の寸法のバラ
ツキがかなり改善され、高速運転が可能となって製品精
度及び生産能力の向上が達成された。
さらに、構造の簡素化及び歯車の減少による騒音の低
下も達成された。
〔実施例〕
以下、本考案の一実施例を第1図乃至第5図を参照し
て説明する。
先ず、第1図において、(D)は回転カム機構、
(E)は揺動レバー機構、(F)はボールねじナット機
構、(G)は回転伝達機構を示している。
回転カム機構(D)は、1サイクル中に1個のねじり
コイルばねを製造するために巻線軸(15)の回転・停止
動作を制御させるためのカム形状が付与さたメインカム
(3)を有し、モータ等によって連続回転駆動されるも
のである。
揺動レバー機構(E)は、回転カム機構(D)の回転
運動を往復揺動運動に変換するためのものであって、第
1図では、一端をフレーム(16)の支軸(1)に回転自
在に軸支され、押えばね(5)によりメインカム(3)
にカムフォロア(4)を介して当接させたカムレバー
(2)と、カムレバー(2)の他端に連結されたターン
バックル構造の長さ調整可能な中間レバー(6)と、中
間レバー(6)に連結された作動レバー(8)とで構成
した場合を例示している。
上記中間レバー(6)は、カムレバー(2)の他端に
ピン等を用いて回転自在に取着され、カムレバー(2)
の揺動運動が中間レバー(6)の軸方向上下運動に変換
される。中間レバー(6)の他端部は、端部に柱状体
(7)を固着した作動レバー(8)とピン(9)により
レバー比の微調整を可能にして連結される。即ち、柱状
体(7)に形成されたピン穴は長穴(10)とし、この長
穴(10)の両端から2組のボルト(12)(12)を対向状
に挿通して前記ピン(9)を両側から締めつけることに
より位置決めする。そして、ボルト(12)(12)を緩
め、中間レバー(6)のピン(9)を長穴(10)内で適
当な位置までずらして再びボルト(12)(12)を締める
ことによって作動レバー(8)のレバー比を微調整す
る。
また、作動レバー(8)は、そのレバー比を粗調整可
能としてある。即ち、第3図に示すように、作動レバー
(8)は、その中央部に長穴(8a)を貫通形成し、前記
長穴(8a)に軸止め(8b)を摺動可能に嵌め込むととも
に、この軸止め(8b)に軸(8c)を回転自在に取着し、
この軸(8c)を軸受(8d)にて軸支するとともに、スト
ッパー(8e)で軸(8c)方向にずれないように係止し、
軸止め押え具(8f)及び押えボルト(8g)によりこの軸
止め(8b)を長穴(8a)内の任意の位置で緊締するもの
である。この場合、作動レバー(8)のレバー比を粗調
整すると、ボールねじナット機構(F)とのずれが生ず
る。そこで、前記軸受(8d)とフレーム(16)との固着
は取付けボルト(8h)により行うが、この取付ボルト
(8h)のボルト穴(8i)を長穴とすることにより、取付
けボルト(8h)を緩めれば軸受(8d)の移動が可能とな
る。よって取付けボルト(8h)を緩め、軸受(8d)をず
らすことによって、前記作動レバー(8)の支点位置が
変わり、その結果ボールねじナット機構(F)に対する
ずれが解消される。
ボールねじナット機構(F)は、第1図及び第2図に
示すように、フレーム(16)に回転可能に支持されたボ
ールねじ(14)と、このボールねじ(14)にボール(1
3)を介して螺合させたボールナット(13)とからな
り、このボールナット(13)は、ボールねじ(14)の軸
方向に移動可能であるが、回転はしないようにフレーム
(16)にガイドロッド(20)を介して係止させてある。
即ち、ガイドロッド(20)は、腕板(18)を介してボー
ルナット(13)に取付けられ、このガイドロッド(20)
は、フレーム(16)に対して、リニアベアリング(22)
を介してボールねじ(14)の軸方向へ摺動可能に係止さ
せてある。上記ボールナット(13)には、中空糸巻き体
状の環状凹部を有する連結部(19)が一体に形成され、
この部分に揺動レバー機構(E)の作動レバー(8)の
先端が連結される。
即ち、前記作動レバー(8)の他端部は第4図のよう
にコの字状に形成され、コの字状の端部間には対向する
2本のピン(17)(17)が設置されている。上記ピン
(17)(17)を、ボールナット(13)の連結部(19)の
凹部に作動レバー(8)の運動を妨げない程度のハメア
イで嵌挿してある。
本考案におけるボールねじナット機構(F)は通常の
ボルト、ナットの使用状況とは異なり、回転できないボ
ールナット(13)を作動レバー(8)で上下させてボー
ルねじ(14)を回転させる機構となしたから、前記ボー
ルねじ(14)のリードは大きくしてある。
回転伝達機構(G)は、ボールねじナット機構(F)
の回転運動を巻線軸(15)に伝達するためのもので、ボ
ールねじ(14)の上端に回転位相の調整を可能にして固
着した歯車(23)と、この歯車(23)に常時噛合させた
歯車(24)とからなり、この歯車(24)は、巻線軸(1
5)に固着してある。これによって、ボールねじ(14)
の回転は歯車(23)(24)により増速伝達され、巻線軸
(15)を回転せしめる。またボールねじ(14)に歯車
(23)を取着する際、パワーロック(商品名)機構を用
いる。これはくさびを打ち込めば歯車と軸は固定され、
くさびを抜くと歯車は軸と連動せずに自由に回転するこ
とができる機構である。この機構を採用する理由は、コ
イルばねの巻始めの際、巻線軸(15)が所定の位置から
ずれていて巻線ができない場合、くさびを抜いてボール
ねじ(14)と歯車(23)との回転位相のずれを補正させ
るものである。
なお図示していないがメインカム(3)と同軸上に歯
車、カム等を配し、適宜の歯車群、回転軸、レバーを介
してコイルばね加工用の機器、例えば線切断器、腕部成
形器、線送り器、巻線軸の軸方向送り器等を駆動せしめ
るように構成されている。
本考案の装置は以上のような構成からなり、次に動作
を説明する。先ず、メインカム(3)の形状によって、
その同心円部ではカムフォロア及びカムレバー(2)に
動きはなく、巻線軸(15)も回転しない。この間に線送
り器により巻線軸(15)に線を送り、続いて、メインカ
ム(3)が回転して直径が変化する部分がカムフォロア
(4)と接触するとき、カムフォロア(4)を介してカ
ムレバー(2)が下方又は上方へ回転し、これに連動し
て中間レバー(6)を介し、作動レバー(8)の先端を
上昇又は下降させる。これによって、ボールナット(1
3)は上方又は下方へ移動し、ボールねじ(14)を回転
させ、歯車(23)(24)を介して巻線軸(15)を回転さ
せて線の巻回を行う。
巻回が終了すると、メインカム(3)の同心円部がカ
ムフォロア(4)に接触するようになり、カムレバー
(2)に動きはなく、従って巻線軸(15)の回転が止ま
りこの間に、腕部の曲げ加工、及び線の切断が行われ
る。これによって完成した製品は次行程へ搬出される。
メインカム(3)が更に回転してカムレバー(2)を含
む揺動レバー機構(E)、ボールねじナット機構(F)
及び回転伝達機構(G)を介して巻線軸(15)を最初の
状態に戻し、1サイクルが終了する。この1サイクル
は、メインカム(3)の1回転により行われる。またコ
イルばねの巻数を変える場合は、前述したように中間レ
バー(6)の長さ、中間レバー(6)と作動レバー
(8)の接続位置、及び作動レバー(8)の支点位置を
変更させて行う。
本実施例に於いてはメインカム(3)の形状を第1図
の如き形状としたが、本考案はこれに限定されるもので
はなく、また揺動レバー機構(E)も第1図の構成に限
定されるものではなく機器の接続や配置上好都合な構成
にすればよい。
〔考案の効果〕
本考案装置により歯車の使用を削減し、その分歯車の
バックラッシュは回避され、結果的に製品精度の向上、
生産能力の向上、騒音の低下、全体構造の簡素化等を達
成することができる。また装置の一部を調整するだけで
巻数の異なる製品等を容易に生産できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を示す概略構成図、第2図
はボールねじナット機構部の要部拡大断面図、第3図は
作動レバーの支点部の一部を断面で示す拡大側面図、第
4図は作動レバーとボールナットとの連結部を示す斜視
図、第5図は完成したコイルばねの具体例の正面図及び
平面図、第6図は巻線軸の要部拡大図、第7図は従来装
置の要部概略図である。 (D)……回転カム機構、(E)揺動レバー機構、
(F)……ボールねじナット機構、(G)……回転伝達
機構、(15)(B)……巻線軸、(A)……ねじりコイ
ルばね、(C)……線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−154726(JP,A) 特公 平1−16581(JP,B2) 実公 昭54−28426(JP,Y2)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】材料を巻線軸に巻きつけてねじりコイルば
    ねを製造するコイルばね製造機に於いて、 1サイクル中に1個のねじりコイルばねを製造するため
    に巻線軸の回転・停止動作を制御するカム形状が付与さ
    れた回転カム機構と、 回転カム機構の回転運動をレバーの往復揺動運動に変換
    する揺動レバー機構と、 回転可能に支持されたボールねじ、及び、回転しないよ
    うに係止して前記ボールねじに螺合したボールナットか
    らなり、前記揺動レバー機構のレバー先端部をボールナ
    ットに連結して、レバーの往復揺動運動を、ボールナッ
    トの軸方向運動を介してボールねじの回転運動に変換す
    るボールねじナット機構と、 ボールねじナット機構の回転運動を巻線軸に伝達する回
    転伝達機構とを具備したことを特徴とするコイルばね製
    造機の巻線軸作動装置。
JP1990076367U 1990-07-17 1990-07-17 コイルばね製造機の巻線軸作動装置 Expired - Lifetime JP2506534Y2 (ja)

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