JP2506331Y2 - フイラ―ネツクパイプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、燃料タンクから上方へ突設されて、その
上端開口部へ燃料注入ガンを挿入させるフイラーネツク
パイプの改良に関する。

〈従来の技術〉 第２図に、従来のフイラーネツクパイプ１の例を示し
た。

このフイラーネツクパイプ１は、車両用燃料タンク３
から上方へ突設されており、その上端開口部５は拡径さ
れ、車体７へ固定されている。この開口部７の内周には
フユーエルリカバリーバルブ９が取り付けられている
（実開昭50-145922号、特開昭63-2723号公報等参照）。
図中の符号11は、開口部５を閉塞するためのフユーエル
キヤツプの受け金具である。

そして、このフイラーネツクパイプ１へ燃料注入ガン
13を挿入し、燃料15をタンク３へ供給する。

なお、本考案に関連する技術として実開昭61-70568号
公報を参照されたい。

〈考案が解決しようとする課題〉 一般的に、燃料注入ガン13には、燃料の過剰供給を防
止するために、オートストツプ装置が備え付けられてい
る。しかし実際には、このオートストツプ装置が正常に
作動しない場合ある。一方、給油者にとつて給油量（あ
とどれくらいで満タンになるかということ）を知ること
は困難である。フユーエルリカバリーバルブ９がフイラ
ーネツクパイプ１の口元に取り付けられた場合には、タ
ンク３及びフイラーネツクパイプ１の中の様子をのぞき
見ることができないので、特に給油量の確認が困難にな
る。従つて、給油者は、フイラーネツクパイプから燃料
がオーバーフローして初めてオートストツプ装置の故障
に気付くこととなる。

このように燃料がオーバーフローすることは非経済的
であるし、又、燃料が車体に垂れるおそれがあるので好
ましくない。

そこでこの考案は、燃料タンクが満タンになつたこと
を給油者に知らせる装置が備えられたフイラーネツクパ
イプを提供することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 この考案は、上記目的を達成するためになされたもの
であり、その構成は、燃料タンクから上方へ突設され
て、その上端開口部へ燃料注入ガンを挿入させるフイラ
ーネツクパイプであつて、挿入された燃料注入ガンの先
端より下方の位置の内側に、燃料注入ガンから噴出され
た燃料を受けてフイラーネツクパイプの軸方向へ回転可
能な水車が配設され、該水車の羽根と交差する弾き板が
前記フイラーネツクパイプの内面から突出されているこ
とを特徴とする。

〈実施例〉 以下、この考案を一実施例により更に詳細に説明す
る。

なお、従来例で説明した部材と同一の部材には同一の
図符号を付して、その説明を部分的に省略する。

この実施例のフイラーネツクパイプ21は、従来例のも
の内側に水車23及び弾き板31を配設したことを特徴とし
ている。

水車23は紙面垂直方向の軸27に回転自在に嵌め合わさ
れており、この軸27はフイラーネツクパイプ21の周壁に
固定されている。この水車23には、燃料注入ガン13から
噴出される燃料15を受ける羽根25が４枚備えられてい
る。これにより、水車23はフイラーネツクパイプ21の軸
方向へ回転することとなる。なお、羽根の枚数、形状等
は特に限定されない。

上記のように燃料を受けて回転する必要から、この水
車23は、挿入された燃料注入ガン13の先端より下方に配
設されている。そして、回転を妨げないように、水車23
を取り付けるフイラーネツクパイプ21の部分は膨出して
いる。

この膨出部22とこれより下側のストレート部とをつな
ぐ部分から、弾き板31が突出されている。この弾き板31
は、弾性変形可能な薄板であり、その先端は、水車23の
羽根25の先端が描く仮想円の中に入つている。即ち、こ
の弾き板31は羽根25と交差している。

かかる構成のフイラーネツクパイプ21によれば、燃料
注入ガン13が開口部５へ挿入されて給油が行われると、
燃料注入ガン13から噴出された燃料15が羽根25にあたつ
て水車23を回転させる。すると、水車23の羽根25が弾き
板31をたたいてこれを振動させる。当該弾き板31の振動
により音が出て、給油者に燃料が供給されている状態を
知らせる。なお、弾き板31はフイラーネツクパイプ21へ
連結されているので、フイラーネツクパイプ21も振動
し、これからも音が出されることとなる。図例のよう
に、フユーエルリカバリーバルブ９を備えるタイプで
は、弾き板31自体は密閉された空間にあるので、そこか
ら発せられた音は外部へ伝わり難い。従つて、フイラー
ネツクパイプ21自体からも音を出すことは有効である。

そして、燃料15がフイラーネツクパイプ21の膨出部22
まで達し、水車23が燃料液中に漬かつた状態（満タン状
態）になると、燃料の噴流が羽根25に当たらなくなる。
従つて、水車23は静止し、その羽根25が弾き板31をたた
かなくなる。よつて、音が出なくなる。これにより、給
油者は満タン状態を知ることができる。

なお、上記実施例では、弾き板31を弾性変形可能とし
てこれから音を出させたが、水車23の羽根25を弾性変形
可能に形成して、これから音を出させることができる。
勿論、両者25・31を弾性変形可能に形成することもでき
る。

〈考案の作用・効果〉 以上説明したように、この考案のフイラーネツクパイ
プには、水車とその羽根に交差する弾き板が内蔵されて
いる。従つて、フイラーネツクパイプの開口部へ燃料注
入ガンを挿入して、これから噴出された燃料が水車に当
たつているうちは、水車の羽根が弾き板をたたくので、
音が発せられる。

一方、燃料がフイラーネツクパイプにまで達し満タン
状態になつて、水車が燃料液面化に沈むと、燃料注入ガ
ンから噴出した燃料が羽根に当たらなくなる。この状態
になると水車は回転せず、弾き板は羽根にたたかれなく
なる。よつて、これから音が出なくなる。

つまり、この考案のフイラーネツクパイプでは、給油
状態において音が発せられ、一方、満タン状態になると
その音が止まる。これにより、給油者は満タン状態を知
り、給油作業を中止することができる。よつて、燃料注
入ガンのオートストツプ装置が故障していても、フイラ
ーネツクパイプから燃料がオーバーフローすることを未
然に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のフイラーネツクパイプ21の断面図、 第２図は従来例のフイラーネツクパイプ１の断面図。 1,21……フイラーネツクパイプ、３……燃料タンク、５
……開口部、13……燃料注入ガン、23……水車、25……
羽根、31……弾き板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 保苅 宰 神奈川県藤沢市土棚８番地 いすゞ自動 車株式会社藤沢工場内 (72)考案者 藤田 次夫 神奈川県藤沢市土棚８番地 いすゞ自動 車株式会社藤沢工場内

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料タンクから上方へ突設されて、その上
   端開口部へ燃料注入ガンを挿入させるフイラーネツクパ
   イプであつて、 挿入された前記燃料注入ガンの先端より下方の位置の内
   側に、前記燃料注入ガンから噴出された燃料を受けて前
   記フイラーネツクパイプの軸方向へ回転可能な水車が配
   設され、 該水車の羽根と交差する弾き板が前記フイラーネツクパ
   イプの内面から突出されている ことを特徴とするフイラーネツクパイプ。