JP2505492B2 - イリジウムの溶解方法 - Google Patents
イリジウムの溶解方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、金属イリジウムを溶解して効率良く可溶性
塩に変換する方法に関する。
塩に変換する方法に関する。
(従来技術とその問題点) 従来から金属イリジウムを溶解して塩化イリジウム酸
又はその金属塩に変換するための技術が知られている。
該技術のうち、主要な方法は次の二法である。
又はその金属塩に変換するための技術が知られている。
該技術のうち、主要な方法は次の二法である。
第1に、イリジウム粉末と塩化ナトリウムを混合して
塩素気流中で500〜800℃に加熱して焼成し、可溶性の塩
である塩化イリジウム酸ナトリウム(Na2IrCl6)を生成
する。
塩素気流中で500〜800℃に加熱して焼成し、可溶性の塩
である塩化イリジウム酸ナトリウム(Na2IrCl6)を生成
する。
第2に、イリジウム粉末をアルカリ溶融物(塩化カリ
ウムと硝酸カリウムの混合物)で処理し、これを塩酸で
加熱溶解する。
ウムと硝酸カリウムの混合物)で処理し、これを塩酸で
加熱溶解する。
しかしながらこれらの両法とも、次のような欠点を有
している。即ち、前記第1法は、イリジウム粉末の表面
が僅かに酸化されているため塩化イリジウム酸への変換
効率が悪く、600℃における焼成で約40%の歩留りしか
出ず、第2法は、アルカリ溶融したイリジウム酸化物は
非常に塩酸に溶け難く、多量の塩酸を必要とするという
欠点をそれぞれ有している。
している。即ち、前記第1法は、イリジウム粉末の表面
が僅かに酸化されているため塩化イリジウム酸への変換
効率が悪く、600℃における焼成で約40%の歩留りしか
出ず、第2法は、アルカリ溶融したイリジウム酸化物は
非常に塩酸に溶け難く、多量の塩酸を必要とするという
欠点をそれぞれ有している。
(発明の目的) 本発明は、前記従来技術の第1法を改良し、イリジウ
ム粉末の表面の酸化を防止することにより、イリジウム
の反応性を向上させ、効率良くイリジウムを溶解させる
ようにした方法を提供することを目的とする。
ム粉末の表面の酸化を防止することにより、イリジウム
の反応性を向上させ、効率良くイリジウムを溶解させる
ようにした方法を提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明は、イリジウム単体と金属塩化物との混合物を
塩素気流中で加熱して塩化イリジウム酸の金属塩に転換
することから成るイリジウムの溶解方法において、前記
混合物にカーボンを添加して前記変換を行うようにした
ことを特徴とするイリジウムの溶解方法である。
塩素気流中で加熱して塩化イリジウム酸の金属塩に転換
することから成るイリジウムの溶解方法において、前記
混合物にカーボンを添加して前記変換を行うようにした
ことを特徴とするイリジウムの溶解方法である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するイリジウムは反応効率を高めるため
粉末状としておくことが好ましい。又該イリジウムの溶
解により得られる塩化イリジウム酸の金属塩の純度を向
上させるために、前記イリジウムを予め精製しておくこ
とが望ましい。
粉末状としておくことが好ましい。又該イリジウムの溶
解により得られる塩化イリジウム酸の金属塩の純度を向
上させるために、前記イリジウムを予め精製しておくこ
とが望ましい。
又金属塩化物は、イリジウムと反応して塩化イリジウ
ム酸の金属塩を生成するためのもので、必要な金属塩の
種類例えばカリウム塩又はバリウム塩等に応じて適宜選
択されるが、原料が安価で生成する金属塩の用途が広い
塩化ナトリウムを使用することが好ましい。
ム酸の金属塩を生成するためのもので、必要な金属塩の
種類例えばカリウム塩又はバリウム塩等に応じて適宜選
択されるが、原料が安価で生成する金属塩の用途が広い
塩化ナトリウムを使用することが好ましい。
塩素気流中におけるイリジウムの溶解による塩化イリ
ジウム酸の金属塩例えばナトリウム塩の生成は次式によ
り表され、イリジウム1モルに対し Ir+2NaCl+2Cl2→Na2IrCl6 て2モルの塩化ナトリウムを必要とし、イリジウムの溶
解効率を高めるためには2モル以上の塩化ナトリウムを
使用する必要がある。従って前記イリジウムと金属塩化
物の混合比率は前者1モルに対して後者2〜6モルとす
ることが好ましい。
ジウム酸の金属塩例えばナトリウム塩の生成は次式によ
り表され、イリジウム1モルに対し Ir+2NaCl+2Cl2→Na2IrCl6 て2モルの塩化ナトリウムを必要とし、イリジウムの溶
解効率を高めるためには2モル以上の塩化ナトリウムを
使用する必要がある。従って前記イリジウムと金属塩化
物の混合比率は前者1モルに対して後者2〜6モルとす
ることが好ましい。
本発明で使用するカーボンは、イリジウム表面の酸化
層を還元してイリジウムの反応を促進しかつ昇温途中で
の酸化層形成を抑制するためのものであり、ヤシ殻活性
炭、高純度活性炭、グラファイト及び無定形炭素等から
適宜選択される。該カーボンの純度はイリジウムの溶解
にさほど影響を与えない。
層を還元してイリジウムの反応を促進しかつ昇温途中で
の酸化層形成を抑制するためのものであり、ヤシ殻活性
炭、高純度活性炭、グラファイト及び無定形炭素等から
適宜選択される。該カーボンの純度はイリジウムの溶解
にさほど影響を与えない。
該カーボンは、前記イリジウムと金属塩化物の混合物
に対して容量で0.5〜5倍添加することが望ましい。0.5
倍未満で酸化抑制効果が不十分であり、又5倍を越える
とより以上添加しても効果に殆ど変化がなくなるからで
ある。
に対して容量で0.5〜5倍添加することが望ましい。0.5
倍未満で酸化抑制効果が不十分であり、又5倍を越える
とより以上添加しても効果に殆ど変化がなくなるからで
ある。
(実施例) 以下に本発明の実施例を記載するが、該実施例は本発
明を限定するものではない。
明を限定するものではない。
実施例 ガラス容器中でイリジウム粉末10gに塩化ナトリウム1
5gを混合し、更に該混合物と同容積量の活性炭を添加
し、攪拌しながら塩素気流中600℃で1時間加熱した。
5gを混合し、更に該混合物と同容積量の活性炭を添加
し、攪拌しながら塩素気流中600℃で1時間加熱した。
その後容器から取り出し、純水で抽出し、濾過し洗浄
した。濾液中には塩化イリジウム酸ナトリウムが生成
し、該濾液中のイリジウム量を分析したところ、7.2g
(変換率72%)であった。
した。濾液中には塩化イリジウム酸ナトリウムが生成
し、該濾液中のイリジウム量を分析したところ、7.2g
(変換率72%)であった。
比較例 イリジウム粉末と塩化ナトリウムの混合物に活性炭を
添加しなかったこと以外は実施例と同様にしてイリジウ
ム粉末の塩化イリジウム酸ナトリウムへの変換を行っ
た。
添加しなかったこと以外は実施例と同様にしてイリジウ
ム粉末の塩化イリジウム酸ナトリウムへの変換を行っ
た。
濾液中のイリジウム量は4.0g(変換率40%)であっ
た。
た。
(発明の効果) 本発明は、イリジウム単体を金属塩化物とともに加熱
溶解させるに際し、カーボンを添加するようにしてい
る。添加されたカーボンは既にイリジウム表面に存在す
る酸化層を還元し、かつ加熱の際の酸化層形成を抑制し
て、イリジウムの溶解効率を最大限度に維持することを
可能にする。
溶解させるに際し、カーボンを添加するようにしてい
る。添加されたカーボンは既にイリジウム表面に存在す
る酸化層を還元し、かつ加熱の際の酸化層形成を抑制し
て、イリジウムの溶解効率を最大限度に維持することを
可能にする。
従って本発明方法は、カーボンを使用しない従来のイ
リジウム溶解方法と比較して、その溶解効率が大きく向
上している。しかも安価なカーボンの添加のみで該効果
が得られるためその経済性は非常に大きなものである。
リジウム溶解方法と比較して、その溶解効率が大きく向
上している。しかも安価なカーボンの添加のみで該効果
が得られるためその経済性は非常に大きなものである。
Claims (6)
- 【請求項1】イリジウム単体と金属塩化物との混合物を
塩素気流中で加熱して塩化イリジウム酸の金属塩に転換
することから成るイリジウムの溶解方法において、前記
混合物にカーボンを添加して前記変換を行うようにした
ことを特徴とするイリジウムの溶解方法。 - 【請求項2】イリジウム単体と金属塩化物の混合物の容
量に対して0.5〜5倍量のカーボンを添加するようにし
た特許請求の範囲第1項に記載の溶解方法。 - 【請求項3】混合物中の金属塩化物の量がイリジウム単
体1モルに対して1〜3モルである特許請求の範囲第1
項又は第2項に記載の溶解方法。 - 【請求項4】加熱温度が500〜800℃である特許請求の範
囲第1項から第3項までのいずれかに記載の溶解方法。 - 【請求項5】金属塩化物が塩化ナトリウムである特許請
求の範囲第1項から第4項までのいずれかに記載の溶解
方法。 - 【請求項6】カーボンが、ヤシ殻活性炭、高純度活性
炭、グラファイト及び無定形炭素から成る群から選択さ
れるものである特許請求の範囲第1項から第5項までの
いずれかに記載の溶解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24175487A JP2505492B2 (ja) | 1987-09-26 | 1987-09-26 | イリジウムの溶解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24175487A JP2505492B2 (ja) | 1987-09-26 | 1987-09-26 | イリジウムの溶解方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6483527A JPS6483527A (en) | 1989-03-29 |
JP2505492B2 true JP2505492B2 (ja) | 1996-06-12 |
Family
ID=17079031
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24175487A Expired - Fee Related JP2505492B2 (ja) | 1987-09-26 | 1987-09-26 | イリジウムの溶解方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2505492B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015010667A1 (en) | 2013-07-26 | 2015-01-29 | Safina, A.S. | Method of bulk iridium dissolution in hydrochloric acid media |
-
1987
- 1987-09-26 JP JP24175487A patent/JP2505492B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6483527A (en) | 1989-03-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |