JP2505469B2 - 新規プロピレン重合方法 - Google Patents

新規プロピレン重合方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なプロピレン重合法に関する。
発明の背景 プロピレンの単独重合体及び共重合体の製造において
は、非担持触媒を用いる従来の重合方法は、高い結晶化
度とアイソタクチシティーの所望生成物に加えて、実質
的な量のアタクチック重合体の同時的な生成をもたら
す。これらの両重合体の精製と分離のために種々の方法
が用いられている。副生物、すなわち低結晶化度のアタ
クチック重合体は、種々の接着剤組成物、屋根葺き材
料、コーキング配合物など中の成分として、工業的に用
いられる。
最近、上記の従来の触媒よりも高度に活性で且つより
立体特異性の新しい触媒の開発が行なわれている。これ
らの触媒を用いて製造した重合体中のアタクチック重合
体の割合は実質的に低く、それ故、その重合体生成物は
一般にアタクチック又は低結晶性重合体の除去のための
精製を何ら必要としない。これらの新規触媒の使用への
現存重合体製造装置への迅速な適応のために、低結晶性
アタクチック重合体の重大な不足が生じている。
それ故、本発明の目的は、プロピレン及びエチレンの
実質的に非晶質の重合体の製造のための新規方法を提供
することにある。
本発明の別の目的は、向上した物理的性質を有するプ
ロピレン及びエチレン並びに場合によっては第三のアル
ファ−オレフィン共単量体から成る新規非晶質重合体の
製造のための方法を提供することにある。
本発明 本発明に従って、70乃至90重量%のプロピレン及び10
乃至30重量%のエチレンを、54.4乃至79.4℃(130゜F乃
至175゜F)において且つプロピレンを液相に保つために
十分な反応器圧力において、プロセスヘの仕込みのモノ
マーに基づいて0.7乃至3.0モル%の水素の存在において
且つ触媒として (a)(i)8:0.5乃至8:3のモル比のハロゲン化マグネ
シウム担体基剤及び三ハロゲン化アルミニウムを、電子
供与体の不在において、共細分化し且つ(ii)次いで段
階(i)の生成物を、電子供与体の不在において、ハロ
ゲン化マグネシウム対四ハロゲン化チタンのモル比が8:
0.4乃至8:1になるために十分な量の四ハロゲン化チタン
と共に共細分化する方法によって製造した固体触媒成
分;及び (b)15乃至90モル%の、各アルキル基中に1〜9炭素
原子を有する、トリアルキルアルミニウム及び85乃至10
モル%の、1分子当り少なくとも1ハロゲン基を有す
る、ハロゲン化アルキルアルミニウムの混合物を含んで
成る、50:1乃至600:1の範囲のAl/Ti比を与えるために十
分な量の共触媒成分 を含んで成る組成物を使用して、重合させ、且つ13C NM
Rスペクトルによって測定するときに3乃至4の範囲の
立体規則性指数m/rを有する、実質的に非晶質の、ラン
ダム共重合体を回収することを特徴とする、実質的に非
晶質の共重合体の製造方法を提供する。ハロゲンは塩素
であり、アルキルはエチル基であり且つハロゲン化アル
キルアルミニウムは1ハロゲン基を含有していることが
好ましい。本発明を触媒系の好適具体例と関連して以下
に説明する。
重合はバッチ反応器中で行なうことができるけれど
も、共単量体(類)のもっとも不規則な導入を達成する
ためには、連続的なプロセスを使用することが好まし
い。通常は、28.1乃至38.7kg/cm2(400psig乃至550psi
g)の範囲の圧力がプロピレンを液相に保つために適当
であり、好適温度は65.5乃至71.1℃(150゜F乃至160゜F)
である。
水素は、一般に重合体分子量及びその他の性質の制御
のためにアイソタクチック重合体の製造において一般的
に用いられる量の約7乃至10倍の濃度で重合反応器に加
える。その上、共重合体のエチレン含量の増大につれ
て、一定の溶融粘度を保つために反応器中の水素濃度を
増大させる必要がある。一例として、エチレン含量の10
0%の増大に対しては水素の50〜150%の増大が必要であ
る。反応区域への全仕込み中の水素の濃度は約1.2乃至
約2.5モル%の範囲が好適である。
固体の担持触媒成分は、約8:0.5〜3.0、好ましくは約
8:1.0〜1.5の塩化マグネシウムの塩化アルミニウムに対
するモル比を有していなければならない。
塩化マグネシウムの四塩チタンに対するモル比は約8:
0.1〜1.0、好ましくは約8:0.4〜0.6である。固体担持触
媒成分の必須の要点は、触媒調製の何れの段階において
も電子供与体を使用してはならないということである。
また、触媒を使用する重合プロセスもまた、電子供与体
の不在において行なわれなければならない。
米国特許第4,347,158及び4,555,496号(本明細書中に
参考として包含させる)中に記載の一般的方法の何れを
も、電子供与体化合物の使用を排除するようにこれらの
方法を変更しなければならないということを除けば、固
体担持触媒成分の製造において使用することができる。
略述すると、変更した方法は、塩化マグネシウムと三塩
化アルミニウムを電子供与体の不在において、共細分化
し、次いでそれによって生成した触媒担体を、同じく電
子供与体の不在において、四塩化チタンと共に共細分化
することを包含する。
固体触媒成分は有機アルミニウム共触媒と組合わせて
使用するが、これは、前記のように、トリエチルアルミ
ニウムと塩化ジエチルアルミニウムの混合物であって、
トリエチルアルミニウム含量は全有機アルミニウム成分
中で約15乃至約90モル%の範囲にある。15%よりも低い
トリエチルアルミニウム濃度においては、重合体の生産
性が劇的に低下し、塩化ジエチルアルミニウム単独では
重合助触媒としての能力を全く失なう。90モル%よりも
高いトリエチルアルミニウム濃度においては、この重合
体の一部の物理的性質が望ましくないような具合に影響
を受ける。塩化ジエチルアルミニウムの使用は、重合を
促進させるためばかりでなく、きわめて重要なこととし
て、望ましい性質を有する重合体を製造すべき能力を触
媒系に付与するためでもある。好適な共触媒は40〜60モ
ル%のトリエチルアルミニウムを含有する混合物であ
る。全有機アルミニウム共触媒のチタン含有触媒成分に
対するモル比、すなわち、Al/Ti比は、約50:1乃至約60
0:1、好ましくは約90:1乃至約300:1の範囲でなければな
らない。
重合は攪拌反応器中で約1時間乃至約3時間の平均滞
留時間において行なう。約30重量%乃至約60重量%の反
応器スラリー中の重合体含量を与えるために十分な触媒
量を反応器に供給する。反応器から反応器流出物を取り
出して、未反応の単量体と水素を生成物重合体から蒸発
させる。
本発明の方法において用いる特定の触媒は、ほとんど
又は全く立体化学の制御なしに重合体中のプロピレン単
位を与えると共に最大の重合体連鎖の無秩序性を与える
ように、できる限りランダムにエチレンを結合させると
いう能力を有している。
本発明の方法の生成物は約3乃至4の立体規則性指数
m/rを有している。これは13C核磁気共鳴(NMR)によっ
て直接に測定される。“m"及び“r"は一つ以上のエチレ
ン基に結合した連続するプロピレン基の対の立体化学を
表わすものであって、“m"はメソを意味し、“r"はラセ
ミを意味する。1.0のm/r比はシンジオタクチック重合体
を表わし、2.0m/r比は真にアタクチックの物質を表わ
す。アイソタクチックの材料は理論的には無限大に近い
比を有し且つ多くの副生アタクチック重合体は50以上の
比を与えるために十分なアイソタクチック含量を有して
いる。m/r比は実質的に、仕込み中のエチレンの不在を
除けば、ランダム共重合体と同一の条件下に製造したプ
ロピレン単独重合体の場合における結合基すなわちメソ
及びラセミ基の平均シーケンス長さと一致することが認
められている。かくして、立体規則性は重合体中の共単
量体含量とは無関係である。また、エチレンのような共
単量体は重合体分子中でもっともランダムな様式で分布
している。単独重合体に対するの計算に用いる方法
は、J.C.ランダル、ジャーナル オブ ポリマー サイ
エンス、ポリマー フィジックス エディション、14
2083(1976)中に記されている。立体規則性指数m/r
は、H.N.チェン、マクロモレキュルス、17、1950(198
4)に記された方法によって計算したr′/m′比の逆数
をとることによって取得することができる。
本発明の共重合体は、熱載物台顕微鏡によって観察す
るときに複屈折性粒状球晶構造を示すにもかかわらず、
実質的に非晶質であるという点で独特である。通常は、
真に非晶質の物質は、この方法によって構造を示さな
い。冷却によるこのような粒子の生成は、連鎖の短かい
部分に対して十分な立体規則性が存在すること、すなわ
ち、長い範囲の配列ではない単量体の配列が存在するこ
とを意味し、それが微結晶を生成する傾向を示すものと
思われる。粒子の平均長さは約15乃至約50ミクロンであ
るけれども、場合によっては、それよりも大きな粒度が
得られることもある。熱載物台顕微鏡法は、“合成重合
体の光学顕微鏡法”、D.A.ヘルムスリー、オックスフォ
ード大学出版、英国、オックスフォード、1984中に記さ
れている。測定は、熱載物台中のスライドガラス上で試
料を170℃に加熱し、次いでヒーターを切ることによっ
てそれを徐々に冷却しながら、交差させた偏光子を通し
て試料を観察することによって、行なわれる。試料につ
いて顕微鏡写真(400×)をとり、粒子の最大寸法(=
長さ)の測定を行なう。第1A図は本発明の典型的な共重
合体(第1表中の実施例3)の熱載物台顕微鏡写真を示
し、第1B図は精製したアタクチック副生物重合体である
と思われる市販の製品(第2表の市販試料C)の写真で
ある。
これらの共重合体は広角X線回折(“重合体科学にお
けるX線回折方法”、L.E.アレクサンダー、クリーガー
出版社、ハンチントン、ニューヨーク、1979)下に明確
な結晶性を示さない。これらの試験においては、試料を
2枚の薄いマイラーフィルムの間に挟んでX線管の出口
コリメーターに置く。ビームストップを用いて一次ビー
ムを遮断し、平らなフィルムで、30mmの試料とフィルム
の間隔を用いて、散乱した放射線を記録する。露出した
フィルム上の拡散ハロ上に重なった二つ以下の分離した
同心的なリングの存在は、顕著な重合体結晶性が存在し
ないことを示す。
第2A図は第1A図におけるものと同一の共重合体を用い
て露出したフィルムを示しているのに対して、第2B図は
第1B図のものと同一の試料の露出フィルムである。第2A
図に見るように、リングは存在しておらず、この重合体
試料の非晶質の本質を示しているのに対して、第2B図に
おいては四つの明確なリングが存在しており、これは試
料の高度の結晶性配列を示している。
新規重合体は、典型的には、示差走査熱量測定(DS
C)によって測定するときに、約0.6cal/g未満のきわめ
て低い融解熱を有しており、これはこの重合体の非晶質
の性質と重合体構造中の顕著な結晶性の欠如をさらに示
している。
重合体中には、たとえば酸化防止剤、紫外線安定剤、
顔料、などのような、種々の添加剤を混入することがで
きる。
本発明の方法の重合体製品は、たとえば接着剤、コー
キング及びシーリング配合物、屋根葺き組成物その他の
ような、種々の用途において、それを有用ならしめるす
ぐれた性質を有している。重合体中の共単量体の含量及
び反応器への水素の添加を変化することによって、所望
の用途に対して性質を仕立てることが可能である。重要
な製品の性質は溶融粘度、環球式軟化点、針入度及び開
放時間を包含する。
190.5℃(375゜F)における溶融粘度は、ASTM試験方法
D-3236により、ブルックフィールドRVT粘度計と#27ス
ピンドルを用いて測定する。分子量、従って溶融粘度を
調節するためには、水素を用いる。エチレン含量の増大
につれて水素を増大させることが一定の粘度水準の保持
のために必要であることが認められている。オットメル
ト接着剤に対しては、望ましい粘度範囲は190.5℃(375
゜F)において約1000乃至約5000cpsであるのに対して、
たとえばビチューメン変性製品のような他の用途に対し
ては、重合体成分は約5000cps以上、好ましくは約10,00
0乃至約25,000cpsの範囲の粘度を有していなければなら
ない。
環球式軟化点の測定は、ASTM E28試験方法を用いて行
なう。軟化点に影響する変数は、重合体のエチレン含量
と重合プロセス中で使用する有機アルミニウム共触媒中
のトリエチルアルミニウム濃度である。エチレン含量と
共触媒中の塩化ジエチルアルミニウム濃度の低下は、共
に環球式軟化点の上昇を生じさせる。この性質に対する
好適範囲は、ホットメルト接着剤用としては112.8乃至1
32.2℃(235゜F乃至270゜F)である。
針入度は材料の軟かさを測定するもう一つの試験であ
り、この場合はASTM試験方法D-1321に従がって、針入に
対する抵抗性によって測定される、一般には、本発明の
共重合体の針入値は25乃至約75dmm(1dmm=0.1mm)の範
囲である。環球式軟化点の場合におけると同様なプロセ
ス変数が、この性質に影響を及ぼす。
ホットメルト接着剤のもっとも重要な試験は、恐らく
は開放時間であると思われる。この試験はクラフト紙へ
の接着剤の適用とクラフト紙積層物の結合の間の経過時
間を指示するものである。使用者は接着剤を紙に塗った
のちにどの位の時間で2枚目の紙を付加しなければなら
ないかを知る必要があるから、これは使用者にとってき
わめて重要な性質である。この試験においては、21.6cm
×27.9cm(8 1/2″×11″)のクラフト紙のシートを粗
い面を上にしてドローダウン板にテープで留める。重合
体試料を、バードドローダウン塗布器と共に190.5℃(3
75゜F)に加熱する。その温度で、塗布器をクラフト紙の
上に置き、溶融した重合体の小さなたまりを縁の近くに
注下する。重合体を滑らかなフィルム状に引き、紙の底
に達するやいなや、ストップウォッチを始動する。10秒
の間隔で、予め切っておいたクラフト紙の断片(粗い面
を下側に横機械方向)をフィルムを横切って置き且つゴ
ムローラーによって押し付ける。最後の断片を貼付し且
つその後5分の待ち時間を置いたのち、滑らかな、すば
やい動作で断片を引きはがす。開放時間は繊維の90%以
上が残っているときの最長時間として定義する。開放時
間は10〜60秒の範囲であることが好ましい。
本発明の重合体のもう一の利点は、重合において使用
する特定触媒のきわめて大きな生産性のために、きわめ
て僅かな量の触媒残留物を含有するにすぎないことであ
る。重合体からこのような僅かな量の触媒残留物を除去
する必要はない。
以下の実施例は本発明を例証するものである。
実施例1〜8 単量体、水素及び触媒成分を別々に且つ連続的に攪拌
反応器に仕込み且つ全単量体仕込みを反応器中の約2時
間の滞留時間に相当するようにした大規模の中間試験操
作において、重合体を調製した。触媒系の有機アルミニ
ウム化合物は、トリエチルアルミニウム(TEA)と塩化
ジエチルアルミニウム(DEAC)の等モル混合物のヘプタ
ン溶液であった。固体担持四塩化チタン触媒成分は、2.
5重量%のチタン含量を有しており、米国特許第4,347,1
58号中に開示した好適方法の修飾方法、すなわち、すべ
てのプロセス段階を何らの電子供与体化合物をも存在さ
せずに行なうという点でのみ変更させた方法によって調
製した。固体触媒成分は50/50重量比の石油と鉱油のブ
レンド中の10重量%混合物として反応器中に送入した。
両触媒成分を、重合体生産速度に正比例する速度で且つ
反応器スラリー中の重合体固体濃度を通常は約40%乃至
約60%の範囲の値に保つために十分な量で加えた。触媒
生産性(重合体ポンド/Ti−触媒成分ポンド)を、それ
ぞれの場合に、重合体スラリー取出し速度、スラリー中
の固体濃度及びチタン触媒添加速度から計算した。生成
重合体を未反応単量体から分離し、アイソノックス 12
9で安定化したのち、試験した。第1表は当該操作条件
と物理試験の結果を要約する。実施例1〜6の製品の特
性は、すべて本発明の特許請求の範囲内でプロセスを操
作した結果であるのに対して、比較実施例7及び8の結
果は、プロセス中のエチレンの不十分な量、すなわち、
高い軟化点、低い針入度、高い融解熱を反映している。
第2表は実施例1〜8及び米国、ヨーロッパ及びアジ
アにおける多くの製造者から得た15種のアタクチック重
合体(市販品例A−O)の物理的性質を示している。市
販試料Aはエチレン、プロピレン及び主要成分としての
ブテン−1の三元重合体であるのに対して、残りの試料
はプロピレン単独重合体又はエチレン−プロピレン共重
合体である。試料B、C、G及びHは、全重合体生成物
中に比較的高濃度のアタクチック重合体を与えるように
考慮して選んだ条件下のプロセスにおいて製造されたも
のと思われる。アタクチック部分を次いで溶剤処理によ
ってアイソタクチック副生物から分離したものと思われ
る。試料D−F及びI−Oはアタクチックポリプロピレ
ン副生物であるものと思われる。これらの市販製品のす
べてが、本発明の重合体製品に必要な物理的性質を有し
ていない。
実施例9及び10 磁気攪拌機を備えた1の外とう付きオートクレーブ
中で両実験を行なった。オートクレーブの温度は、外と
う中を流れる伝熱媒体としてグリコールと水の等重量混
合物を使用することによって、制御した。この流体の温
度は、オートクレーブの内部の温度センサーとして鉄/
コンスタンタン熱電対を有しているマイクロプロセッサ
ーによって、制御した。この系を用いて、設定温度を±
0.2℃の精度で保つことができた。全単量体が純度99.9
%の重合品級であって、分子ふるい層及び酸素除去のた
めの銅触媒層を通過させたのちに使用した。水素は99.9
9%の超高純度のものをそのまま使用した。アルミニウ
ムアルキル溶液は、ノルマルヘプタン中の25%重量/重
量として購入して、そのまま用いた。実施例1〜8のも
のと同種の触媒を用いて脱気鉱油中で1重量%触媒スラ
リーを調製した。それぞれの使用に先立って、オートク
レーブを緩徐な窒素パージと共に30分加熱した。30℃ま
で冷却したのち、窒素雰囲気をプロピレンパージによっ
て置換した。アルミニウムアルキル溶液及び触媒スラリ
ーは、取出しに際して窒素パージし且つ汚染を避けるた
めに僅かに加圧してあるドライボックス中の隔膜びん中
で調製した。アルミニウムアルキル溶液と触媒スラリー
は、予め脱イオン水で洗浄し、120℃で乾燥し、且つ使
用前に窒素でパージした皮下注射器を用いて、反応器中
に導入した。実施例9においては、0.34mlのTEA、0.34m
lのDEAC(Al−1.77×10-3モル/l)、及び0.58mlの1%
重量/重量触媒スラリー(2.5%重量/重量含量)をオ
ートクレーブに加えた。水素は4.92kg/cm3(70psig)の
分圧に等しい量で加えた。サイトゲージと窒素圧を用い
て0.6lのプロピレンを導入した。反応器内容物を60℃に
加熱し500rpmで攪拌しながら、その温度に保った。温度
が60℃に安定したのち(5〜10分)直ちに反応器中にエ
チレンを加えて反応器圧力よりも3.51kg/cm3(50psig)
高い一定超過圧力に保った。1時間後に、温度を低下さ
せて過剰のプロピレンを排気した。エチレン−プロピレ
ン共重合体を40℃において真空下に終夜保った。実施例
10は、実施例9の0.6lのプロピレンの代りに0.1のブ
テン−1と0.5lのプロピレンをオートクレーブに仕込ん
だ以外は、実施例9の条件下に行なった。生成した三元
重合体を前記と同様にして乾燥した。
第3表は実施例9及び10の製品の物理的性質を示す。
比較実施例11及び12 これらの実施例は、アルキル共触媒についての相違を
除けば、実施例9について記した手順を用いて行なっ
た。実施例11においては、もっぱら0.68mlのTEAを用い
たのに対して、実施例12においては、同量のDEACのみを
加えた。第4表はこれらの比較実施例についての物理的
性質を示す。
上記のデータから明らかなように、TEAとDEACの混合
物(実施例9におけるように)の代りの100%TEAの使用
は、高いm/r比の重合体製品を与えた。軟化点と針入度
値もまた悪影響を受けた。共触媒としての100%DEACの
使用は重合体を生成させなかった。
本発明の方法に対して多くの変更と修飾を行なうこと
ができるということを了解すべきである。かかる変更は
すべて本明細書及び特許請求の範囲によって規定する如
き本発明の範囲内とみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
第1A及び1B図は2種の異なる重合体の結晶の構造を示す
熱載物台顕微鏡写真である。 第2A及び2B図は同一試料のフイルムの広角X線回折写真
である。 第3図は、本発明の方法で用いる触媒の調製工程を示す
フローチヤート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−123488(JP,A) 特開 昭47−9342(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】70乃至90重量%のプロピレン及び10乃至30
    重量%のエチレンを、54.4乃至79.4℃(130゜F乃至175゜
    F)において且つプロピレンを液相に保つために十分な
    反応器圧力において、プロセスへの仕込みのモノマーに
    基づいて0.7乃至3.0モル%の水素の存在において且つ触
    媒として (a)(i)8:0.5乃至8:3のモル比のハロゲン化マグネ
    シウム担体基剤及び三ハロゲン化アルミニウムを、電子
    供与体の不在において、共細分化し且つ(ii)次いで段
    階(i)の生成物を、電子供与体の不在において、ハロ
    ゲン化マグネシウム対四ハロゲン化チタンのモル比が8:
    0.4乃至8:1になるために十分な量の四ハロゲン化チタン
    と共に共細分化する方法によって製造した固体触媒成
    分;及び (b)15乃至90モル%の、各アルキル基中に1〜9炭素
    原子を有する、トリアルキルアルミニウム及び85乃至10
    モル%の、1分子当り少なくとも1ハロゲン基を有す
    る、ハロゲン化アルキルアルミニウムの混合物を含んで
    成る、50:1乃至600:1の範囲のAl/Ti比を与えるために十
    分な量の共触媒成分 を含んで成る組成物を使用して、重合させ、且つ13C NM
    Rスペクトルによって測定するときに3乃至4の範囲の
    立体規則性指数m/rを有する、実質的に非晶質の、ラン
    ダム共重合体を回収することを特徴とする、実質的に非
    晶質の共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】各ハロゲンは塩素であり、各アルキルはエ
    チル基であり且つハロゲン化アルキルアルミニウムは塩
    化ジエチルアルミニウムである、特許請求の範囲第1項
    記載の方法。
  3. 【請求項3】該圧力は28.1乃至38.7kg/cm2(400psig乃
    至550psig)であり且つ温度は65.5乃至71.1℃(150乃至
    160゜F)である、特許請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】該ハロゲン化マグネシウム対三ハロゲン化
    アルミニウムのモル比が8:1乃至8:1.5である、特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】該ハロゲン化マグネシウム対四ハロゲン化
    チタンのモル比は8:0.4乃至8:0.6の範囲である、特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】共触媒混合物のトリエチルアルミニウム含
    量は40乃至60モル%の範囲である、特許請求の範囲第2
    項記載の方法。
  7. 【請求項7】Al/Ti比を90:1乃至300:1に保つ、特許請求
    の範囲第2項記載の方法。
  8. 【請求項8】水素をプロセスへの全モノマー仕込みに基
    づいて1.2乃至2.5モル%に保つ、特許請求の範囲第2項
    記載の方法。
  9. 【請求項9】1時間乃至3時間の平均滞留時間で連続的
    条件下に行なう、特許請求の範囲第2項記載の方法。
  10. 【請求項10】反応器スラリーの固体含量を30重量%乃
    至60重量%に保つ、特許請求の範囲第2項記載の方法。
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