JP2505019Y2 - タイプライタ― - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、印字情報の入力信号により記録紙に文字、
記号等を印字するタイプライターに関するものである。

［従来の技術］ 従来のこの種のタイプライターとしては、インパクト
型タイプライターや熱転写型タイプライターがある。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、上記した従来のタイプライターのうち、イン
パクト型タイプライターは、印字の品質は高いが、活字
の種類に制限があるため、各種の記号を印字できず、ま
た、誤字は白色の訂正リボンを使用して重ね消しするた
め、訂正後の印字の見栄えが悪くなるという問題があっ
た。

また、熱転写型タイプライターは、サーマルヘッドに
よるドットごとの記録を行うため、種々の文字や記号を
印字できる点では前者のタイプライターに比べて優れて
いるが、いったん印字した文字や記号は、通常の方法で
は消去しにくい上に、訂正機構も特に備えられていない
という問題があった。

本考案は、従来のタイプライターを改良して、上述の
ような問題点を取り除き、多種多様の文字や記号等を印
字でき、また印字後の訂正が容易でしかも体裁よく再印
字できるタイプライターを提供することを目的としてい
る。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案のタイプライター
は、印字情報の入力信号により記録紙に文字、記号等を
印字するタイプライターにおいて、前記記録紙の搬送方
向と直交方向に複数配置された開口電極を有すると共
に、その複数の開口電極の各中央口から帯電させた着色
粉体状のトナーを記録紙に向かって選択的に飛翔させる
ことにより記録紙上にドット状に付着させる記録ヘッド
部と、前記記録紙上に付着した前記トナーを選択的に除
去するためにトナーと正負逆の電圧を付与する訂正部
と、前記記録紙上に付着した前記トナーを定着させる定
着部とを具備したものである。

［作用］ 上記構成を有する本考案のタイプライターによれば、
印字情報を信号として入力すると、記録ヘッド部は、記
録紙の搬送方向と直交方向に複数配置された開口電極の
各中央口から、帯電した着色粉体状のトナーを入力信号
に応じて記録紙に向かって選択的に飛翔させ、該記録紙
上にトナーをドット状に付着させることにより所望の文
字や記号を印字する。この印字は未定着の状態にあるの
で、所望の個所を消去することができる。すなわち、消
去の信号を入力すると、訂正部は、記録紙上に付着した
当該個所のトナーを、トナーと正負逆の電圧を付与する
ことにより選択的に除去して、印字を消去する。当該個
所には、改めて印字することができ、見栄えが悪くなる
おそれは全くない。最後に、定着部が記録紙上に静電部
に付着したトナーを定着させ、印字を完了する。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を第１図および第２図に基づ
いて説明する。

本実施例のタイプライターは、第１図に示すように、
外装ケースとしてのタイプライター本体１の表面に入力
部２およびディスプレイ部３を設け、本体１の内部に記
録紙４の流れに従って、記録紙４の搬送ローラ５、記録
ヘッド部６、訂正部７および定着部８を配置するととも
に、図示を省略したが、制御部を適宜配置してなるもの
である。

入力部２は、印字および消去の情報を信号として入力
するもので、複数個の入力用キー９を配列したキーボー
ドからなっている。ディスプレイ部３は、記録ヘッド部
６を通過した記録紙４を外部から透視できるガラス窓で
ある。搬送ローラ５は、外部から本体１内に供給される
記録紙４を方向転換させて記録ヘッド部６に供給する。
なお、搬送ローラ５は、逆回転して記録紙４を逆戻しす
ることもできる。

記録ヘッド部６は、帯電したトナーを選択的に飛翔さ
せて記録紙４上にドット状に付着させるもので、その構
造は、第２図に示すように、トナーケース10の内部に着
色粉体状のトナー11（通常は黒色であるが、赤色や青色
でもよい）を貯溜するとともに、底部に接地した金属製
担持ローラ12を回転可能にトナーケース10に支持し、ト
ナーケース10の直下に複数個の開口電極13及び導電部14
を備えた電極アレイ15を設け、電極アレイ15の下面に記
録紙４を挟んで相対向する対向電極16を設けたものであ
る。開口電極13は、中央口17を有するリンク状電極で、
電極アレイ15上に記録紙４の搬送方向（流れ方向）と直
交方向に配列されている。導電部14は、各開口電極13に
接続されており、各開口電極13を別々に接地またはトナ
ー11と正負が同じ電圧を印加するものである。尚、前記
対向電極16は、トナー11と正負逆の電圧が印加される電
極である。

訂正部７は、記録紙４上に付着したトナー11を選択的
に除去するもので、消字電極18の下方に記録紙４を挟ん
で接地電極19を設けたものである。なお、前記消字電極
18は、トナー11と正負逆の電圧が印加される電極であ
る。

定着部８は、記録紙４上に付着したトナー11を熱加圧
により定着させるもので、記録紙４を挟むように一対の
定着ローラ20を設けたものである。

次に、本実施例の動作を第１図および第２図に基づい
て説明する。記録紙４を第１図のようにタイプライター
本体１内に入れた後、キー９により印字情報を入力する
と、担持ローラ12が回転するとともに、第２図に示すト
ナーケース10内のトナー11が、摩擦および接触により一
様に正帯電されて担持ローラ12の外周に吸着される。一
方、印字の入力信号を受けた制御装置（図示せず）は、
導電部14を介して、非印字個所に対応する開口電極13の
みに選択的に数百ボルトの正電圧を印加すると同時に、
印字個所に対応する開口電極13を接地状態に保持し、さ
らに、対向電極16に負電圧を印加する。これにより、正
帯電したトナー11は、接地状態の開口電極13の中央口17
を通過して負電圧の対向電極16の方向に飛翔し、その途
中で記録紙４上の印字個所にドット状に付着する。一方
これとは逆に、正電圧の開口電極13は、正帯電したトナ
ー11に反発力を及ぼし、トナー11の飛翔を阻止する。

そのため、記録紙４上の非印字個所は、トナー11が付
着せず、空白状態のままで残る。この結果、記録紙４上
の印字個所には、記録紙４の移動に伴って、トナー11が
ドット状に複数列付着して行き、そこに、複数個のドッ
トで構成された所望の文字や記号が未定着の状態で１行
分づつ同時に印字されて行く。この印字は、ディスプレ
イ部３で直接目視により確認することができる。そし
て、訂正個所を見つけた場合には、キー９により消去情
報を入力する。これにより、消字電極18は、負電圧が印
加され、訂正個所に付着しているトナー11のみを選択的
に吸電除去して、印字を消去する。したがって、消去の
跡には、何等の痕跡も残らないので、搬送ローラ５によ
り記録紙４の訂正個所を記録ヘッド部６まで戻し再度印
字を行えば、高品質の印字が行われることになる。

こうして、印字の確認を終えた記録紙４は、未定着の
トナー11が定着ローラ20により本体１の外部へ搬送され
ながら加圧熱定着され、印字が完了する。

ところで、上記実施例では、キー９により印字情報を
入力するのと同時に、記録紙４に印字するようにした
が、印字情報を入力した際、その印字情報を記憶するメ
モリーを設けておけば、メモリーに記憶させた印字情報
を必要に応じて記録紙４に何回も印字できるので便利で
ある。

［考案の効果］ 以上説明したことから明らかなように、本考案のタイ
プライターは、記録ヘッド部が、印字情報の入力信号に
応じて、記録紙の搬送方向と直交方向に複数配置された
開口電極の各中央口から帯電させた着色粉体状のトナー
を記録紙に向かって選択的に飛翔させることにより、文
字や記号を記録紙上に印字するので、きわめて多種多様
の文字や記号を印字することができる。また、印字に訂
正個所を発見した場合には、訂正部により、訂正個所の
トナーのみを、トナーと正負逆の電圧を付与して選択的
に除去して、印字を消去することができる。しかも、消
去跡には何等の痕跡も残らないので、消去跡に再度印字
しても、印字の品質が低下するおそれはなく、最初の印
字と変わらない美しい印字ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すタイプライターの断面
図、第２図は上記実施例の記録ヘッド部の一部を切欠い
た拡大斜視図である。 １……タイプライター本体、２……入力部、３……ディ
スプレイ部、４……記録紙、５……搬送ローラ、６……
記録ヘッド部、７……訂正部、８……定着部、11……ト
ナー、13……開口電極、17……中央口。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】印字情報の入力信号により記録紙に文字、
   記号等を印字するタイプライターにおいて、 前記記録紙の搬送方向と直交方向に複数配置された開口
   電極を有するとともに、その複数の開口電極の各中央口
   から帯電させた着色粉体状のトナーを記録紙に向かって
   選択的に飛翔させることにより記録紙上にドット状に付
   着させる記録ヘッド部と、 前記記録紙上に付着した前記トナーを選択的に除去する
   ためにトナーと正負逆の電圧を付与する訂正部と、 前記記録紙上に付着した前記トナーを定着させる定着部
   とを具備したことを特徴とするタイプライター。