JP2504817B2 - 光学素子の成形方法 - Google Patents

光学素子の成形方法

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JP2504817B2 JP63287849A JP28784988A JP2504817B2 JP 2504817 B2 JP2504817 B2 JP 2504817B2 JP 63287849 A JP63287849 A JP 63287849A JP 28784988 A JP28784988 A JP 28784988A JP 2504817 B2 JP2504817 B2 JP 2504817B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、光学機器に使用されるガラスレンズ等の光
学素子を精密ガラス成形により形成する光学素子の成形
方法に関する。
(従来の技術) 近年、光学ガラス等の光学素子を研磨工程を経ずに一
発成形で成形する試みがなされている。その方法として
は、ガラス素材を溶融状態から型に流し込み加圧成形す
る方法が最も能率的とされているが、冷却時のガラスの
収縮を制御することが難しく、精密なガラス成形には適
しない。従って、ガラス素材を予め一定の形状に予備加
工しておいてこれを型の間に供給し、加熱して押圧成形
するのが一般的な方法である。(例えば、特開昭58-841
34号公報) その際、高精度ガラス成形品を得るためには、金型の
成形面形状が確実にガラスに転写されることが必要であ
るが、このためには変形終了後の冷却過程において、金
型の成形面がガラス成形品に密着していることが特に重
要である。これを、達成する手段として特開昭60-14591
9号公報には、ガラスより熱膨張の大きい間隔規制部材
を上下型の間に用いる方法が開示されている。
以下、この従来の成形方法について図面を参照しなが
ら説明する。
第6図は上記従来法によりガラス素材を成形して、レ
ンズが形成された状態を示す概略断面図である。
44は成形されたレンズ、41と42は一対の成形型(上型
41、下型42)、43は間隔規制部材、45は支持部材であ
る。このような部材を用いて、ガラス素材を支持部材45
で保持して適当な方法でガラスの軟化点近傍の温度まで
加熱ました後、これを上型41と下型42の間に供給し、不
図示の加圧機構により上型41と下型42に圧力を加えて加
圧成形する。成形後の冷却過程においては、型、レンズ
等すべての部材が収縮する。しかるに、第6図のような
構成で、間隔規制部材43として一般的な材料を用いる
と、ガラスの収縮は他の要素に比べて大きいので、上型
41、下型42の圧力が有効にレンズ44に伝わらない。そこ
で、間隔規制部材43をレンズ44の熱膨張係数より大きい
材料で構成し、この間隔規制部材43の冷却を精密に制御
すれば、上記欠点は克服される。即ち、成形終了後、加
圧状態をガラスの歪点以下まで維持して間隔規制部材の
温度を正確に測定し、この間隔規制部材が予め設定した
温度に達した時に加圧を停止して冷却すれば、間隔規制
部材はガラスよりも大きく収縮するから、ガラスは上型
41及び下型42の成形面からの圧力を十分に与えられて該
成形面の転写を正確に行なうことができる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のような方法では、精密な光学面
の転写を実現するため、間隔規制部材の温度を精密に制
御しなければならず、そのため長い成形時間を必要とす
る。これは、ガラスの熱膨張が下記のように特殊の変化
をするためである。
ここで、ガラスの熱膨張の状態を第7図を用いて説明
する。第7図においてaはガラスの熱膨張を表わし、b
はガラスの熱膨張と比較するために金属の熱膨張を示
す。
第7図に示すように、ガラスはガラス転移点までは金
属材料などと同じように、温度上昇に対して略直線的に
膨張する。そして、転移点を越えると急激に膨張が大き
くなり、転移点以下に比べて数倍になる。更に温度が上
り屈伏点を越えると膨張はより大きくなるが、ガラスが
変形を開始して見かけ上の膨張はしなくなる。
しかるに、このような熱膨張を示すガラスの加圧成形
は、屈伏点又は転移点以上の温度で行なわれ、金属とガ
ラスとは上記のように冷却時の収縮状況が異なるため、
成形終了の冷却時において、ガラスの収縮を精密に制御
し、金型とガラス成形品を長時間加圧状態にして徐々に
冷却しなればならない。
本発明は上記のような事情に鑑み、型の温度制御を容
易にし、且つ短時間に高精度の光学素子を成形する方法
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記従来の課題を解決するために、本発明の光学素子
の成形方法は、一対の上型と下型とにより構成される成
形型及び胴型、または、それら型及び前記成形型を保持
する型保持部材から形成されるキャビティ内に、ガラス
素材を配置して、加圧することにより光学素子を成形す
る方法において、光学素子の光軸方向の肉厚が胴型と上
型、もしくは、胴型と型保持部材との突き当てにより決
定されるまで、成形型への加圧成形動作を行い、その後
の、前記ガラス素材の粘度が109ないし1013ポアズとな
る温度までの冷却過程で、成形型に対して光学素子の光
軸方向の加圧動作なしに、冷却時のガラスの収縮に伴う
肉厚の減少に連れて、前記ガラスと前記成形型との密着
力で、下型または上型のいずれか一方、または、その両
方が、光学素子の光軸方向に移動することを特徴とす
る。
(作用) 上述したように、ガラスの加圧成形はガラスの屈伏点
又は転移点以上の温度に加熱された状態で行なわれ、そ
の後の冷却過程において、ガラスは金型の収縮より大き
く収縮する。従って、ガラスの被成形面は金型の成形面
から分離した状態で冷却せしめられるので、充分な転写
が成されず、不均一な機能面を形成しつつ硬化する。こ
のような、ガラスの収縮は、特にガラスの屈伏点から転
移点に至る冷却過程において発生する。従って、少なく
とも加圧成形後の冷却開始時から転移点間、即ちガラス
の粘度が109〜1013ポアズにおいて金型の成形面がガラ
スの被成形面に密着した状態で冷却せしめられれば、ガ
ラスの被成形面に上記のような不均一な収縮が生じるこ
とはない。
ところで、本発明者等は加熱したガラスを金型で押圧
した後冷却すると、この金型の成形面がガラスに密着し
たままガラスの収縮に追従するという事実を確認してい
る。このガラスの金型に対する密着力は、金型を密着し
たまま持ち上げる程の力を有する。
しかして本発明は、加圧成形後の冷却時において、一
対の成形型のいずれか一方又はその両方がが胴型内でガ
ラスの光軸方向に移動可能とされている。このような構
成において、例えば上型が胴型内で移動可能とすると、
加圧成形後の冷却時において該上型はガラスの上方被成
形面に密着したままこのガラスの収縮に追従して下方に
移動する。この時、下型はガラスの下方被成形面に密着
した状態にあり、ガラスの両被成形面は金型の成形面か
ら充分に転写されて不均一な収縮を生じることなく冷却
硬化する。又、下型が胴型内で移動可能とすると、下型
はガラスの下方被成形面に密着したままこのガラスの収
縮に追従して上方に移動する。この時、上型はガラスの
上方被成形面に密着した状態にあり、ガラスの両被成形
面は、上記同様に不均一な収縮を生じることなく冷却硬
化する。
このように、本発明は、粘度が109〜1013ポアズにお
けるガラスと金型の密着力を利用して、上記のように成
形品の被成形面を形成する一対の成形型のいずれか一方
又は両方を加圧成形後の冷却に伴うガラスの収縮に追従
して胴型内で光軸方向に移動することにより、上型及び
下型の成形面を成形品の被成形面に常に接触させてこれ
ら成形面の転写を充分に行なうことを可能としている。
又、上記のような方法では、金型はガラスの収縮に追
従して該ガラスに密着したまま自由に移動するから、冷
却時の収縮を精密に制御する必要がなく、又成形終了後
の冷却時間を長くする必要がない。
(実施例) 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら参
照する。
第1図は、本発明の光学素子の成形方法を適用した成
形用型の一実施例の概略断面図である。
第2図は、第1図に示す成形用型の加圧前の状態を示
す概略断面図である。
第3図は、第1図に示す成形用型の加圧後の冷却時に
おける状態を示す概略断面図である。
第4図は及び第5図は、本発明の他の実施例を示す成
形用型の概略断面図である。
本実施例の成形用型は、プレート4上に固設された胴
型3内にて上型1と下型2とが摺動可能に設けられて成
るものである。上型1及び下型2の夫々には、胴型3の
上端部3bに当接するつば部1a及び胴型3の内周に設けら
れた溝部3c内でクリアランス3dを有して係合するつば部
2aが設けられている。このような構成により、下型2
は、上型1に対する加圧動作に拘らず、上記クリアラン
ス3dの範囲内でガラス成形品5の光軸方向に移動するこ
とができる。成形品の肉厚は、プレス時に、つば部1aが
3bに突き当たることにより決定される。プレス時の温度
を一定としておけば、冷却による収縮量も一定となるた
め、成形品の肉厚は安定する。又、プレス温度の多少の
バラツキはプレスから冷却までの温度差に比較して充分
に小さなものであるため許容される。
上記のような構成において、成形前(第2図)には下
型2はプレート4上に載置された状態にあり、下型2上
にガラス素材6が載置せしめられる。押圧成形時にはシ
リンダーにより昇降する不図示のロッドを作動させて上
型1を下降する。このとき上型1は、つば部1aが胴型3
の上端部3bに当接するまで胴型3の内径を摺動し、ガラ
ス素材6が押圧され、上型1と下型2がガラス成形品6
の被成形面に密着し、面形状の転写と成形品の肉厚が決
定される。かくして成形されたガラス成形品5は、冷却
時において、成形用型内で冷却され、この降温に伴い収
縮する。ガラスの熱膨張は、成形温度からガラス転移点
と呼ばれるガラスが変形する温度までの間で、おおよそ
20×10-6/℃〜100×10-6/℃にもなり型の材料に比べ
て10倍も大きい膨張率を有し、冷却収縮の過程でガラス
の収縮量が型の収縮量より大きく型から離れようとす
る。ところが、高温においてガラスと型の間には適当な
密着力を有し、ガラスの収縮に伴い下型2が持ち上げら
れる。この時、下型2と胴型3の間のクラアランス3dの
範囲内で下型2が上方に移動し、成形品5と下型2及び
上型1が接触したまま冷却される。かくして、上型1及
び下型2の成形面は正確に成形品5に転写され、かつ上
型と下型間の距離で規制される一定厚さの成形品5が得
られる。
以下、本発明のより具体的な実施例について、素材と
してSF−8を使用した光学レンズの成形について説明す
る。
ここで、第1図に示す成形型の胴型3の内径を、同軸
度2μm程度に過程して上型1と下型2の軸心のずれを
最小にし、又胴型3の上面3bと胴型3の内径3aは直角度
10秒以内、上型1のつば部1a下面は上型1の軸に対して
直角度10秒以内に加工し、光学偏心の小さいレンズが得
られるように構成しておく。
SF−8の熱膨張率は100〜300℃においては8,2×10-6
/℃、560℃付近では60×10-6/℃であり、屈伏点は470
℃であり、軟化点は567℃である。レンズ外形は、20m
m、厚さは2、5mmである。成形型1及び2は熱膨張率が
5×10-6/℃の超硬合金、胴型3及びプレート4は熱膨
張率が0℃〜550℃で5,6×10-6/℃のモリブデンであ
る。
このような構成の成形を用いて上記ガラス素材を530
℃まで加熱し、100kgの圧力で5分間プレスする。次い
で、プレス圧を除去したまま冷却し、型の中から成形品
を取出した。成形されたレンズは面精度0,1μmの高精
度を得ることができた。
第4図に、本発明の他の実施例の概略断面図が示して
ある。
この実施例の成形用型は、上記の実施例と略同様に構
成されたプレート14と、胴型13と、上型11と、胴型13の
内径を摺動する下型12とから成る。上型11は、上記実施
例のように胴型13の内径を摺動する形式のものではな
く、該上型成形面の外周部がそのまま胴型13上端部の突
き当て面13aに当接するように構成されている。
本実施例においても、上記実施例と同様に、加圧成形
後の冷却時に下型12がガラス16に密着して、該ガラスの
収縮に伴い胴型13内を移動する。
さらに、本発明の他の実施例について、第5図を参照
しながら説明する。
この実施例は下型22が胴型23に対して固定され、上型
21の外周保持部材28が胴型23に当接するように構成さ
れ、さらにこの外周保持部材28内に沿って上型21が成形
品26の光軸方向に摺動可能にされて成るものである。
又、外周保持部材28の胴型23に当接する部分は上型21が
プレート25に突き当たった状態において、上型21の成形
面と同Rとなるように構成されており、実施例2と同様
に上型21は同型23に当接することで上型21と同型23は調
芯され、成形品26の光軸の精度が保障される。又、上型
21と外周保持部材28の合せ精度は実施例1と同様であ
る。
加圧成形時においては、外周保持部材28内で摺動する
上型21はこの上型上面のプレート25に当接したまま下方
向に加圧されてガラス素材26の加圧成形を行なう。そし
て、冷却時のガラスの収縮に伴い、上型21の成形面がガ
ラスに密着したままガラスの収縮方向に移動する。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明は、冷却時の成形品の収
縮に伴いガラスと型の密着力により上型及び/又は下型
が胴型内で成形品に常に接触した状態で移動することが
できるから、成形面の転写を完全に行なうことができ、
高精度の光学素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光学素子の成形方法を適用した成形
用型の一実施例の概略断面図である。 第2図は、第1図に示す成形用型の加圧前の状態を示す
概略断面図である。 第3図は、第1図に示す成形用型の加圧後の冷却時にお
ける状態を示す概略断面図である。 第4図及び第5図は、本発明の他の実施例を示す成形用
型の概略断面図である。 第6図は上記従来法によりガラス素材を成形して、レン
ズが形成された状態を示す概略断面図である。 第7図は、ガラスと金属の熱膨張を示すグラフである。 1、11、21……上型 2、12、22……下型 3、13、23……胴型 3b……クリアランス

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の上型と下型とにより構成される成形
    型及び胴型、または、それら型及び前記成形型を保持す
    る型保持部材から形成されるキャビティ内に、ガラス素
    材を配置して、加圧することにより光学素子を成形する
    方法において、光学素子の光軸方向の肉厚が胴型と上
    型、もしくは、胴型と型保持部材との突き当てにより決
    定されるまで、成形型への加圧成形動作を行い、その後
    の、前記ガラス素材の粘度が109ないし1013ポアズとな
    る温度までの冷却過程で、成形型に対して光学素子の光
    軸方向の加圧動作なしに、冷却時のガラスの収縮に伴う
    肉厚の減少に連れて、前記ガラスと前記成形型との密着
    力で、下型または上型のいずれか一方、または、その両
    方が、光学素子の光軸方向に移動することを特徴とする
    光学素子の成形方法。
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