JP2504454B2 - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents
内燃機関の点火時期制御装置Info
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- JP2504454B2 JP2504454B2 JP6330887A JP6330887A JP2504454B2 JP 2504454 B2 JP2504454 B2 JP 2504454B2 JP 6330887 A JP6330887 A JP 6330887A JP 6330887 A JP6330887 A JP 6330887A JP 2504454 B2 JP2504454 B2 JP 2504454B2
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- ignition timing
- correction amount
- knock
- engine
- mbt
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車等内燃機関の点火時期制御装置、詳
しくはノッキングを抑制しつつMBT制御を行って運転性
を高める装置に関する。
しくはノッキングを抑制しつつMBT制御を行って運転性
を高める装置に関する。
(従来の技術) 内燃機関の点火時期は機関が最適に運転されるように
機関の状態に応じて決定する必要がある。そして、一般
に機関の効率燃費を考えると最大トルク時の最小進角、
いわゆるMBT(Minimum advance for Best Torque)付近
で点火するのが最良と知られており、機関の状態により
MBTに点火時期を変えるといういわゆるMBT制御が行われ
る。
機関の状態に応じて決定する必要がある。そして、一般
に機関の効率燃費を考えると最大トルク時の最小進角、
いわゆるMBT(Minimum advance for Best Torque)付近
で点火するのが最良と知られており、機関の状態により
MBTに点火時期を変えるといういわゆるMBT制御が行われ
る。
ところが、ある機関状態においては点火時期を進めて
いくとノッキングが生じ、安定な機関運転を行うことが
できない場合がある。そこで、ノッキングの有無に応じ
て点火時期を制御するといういわゆるノッキング制御を
上記MBT制御に併用するという方式のものが開発されて
おり、例えばそのようなものとしては特開昭58−82074
号公報に記載の装置がある。
いくとノッキングが生じ、安定な機関運転を行うことが
できない場合がある。そこで、ノッキングの有無に応じ
て点火時期を制御するといういわゆるノッキング制御を
上記MBT制御に併用するという方式のものが開発されて
おり、例えばそのようなものとしては特開昭58−82074
号公報に記載の装置がある。
この装置では、燃焼室内の圧力(以下、筒内圧とい
う)を検出して、その圧力が最大となるクランク角度
(以下、筒内圧最大時期という)θpmaxが機関の発生ト
ルクを最大にする所定位置にくるように点火時期をMBT
制御する。また、同時に筒内圧の検出信号を信号処理回
路を通すことでノッキングを検出し、そのノッキングレ
ベルが所定値を超えたときにはMBT制御よりも優先して
ノッキングを回避すべく点火時期を遅角側に制御する。
ノッキングを抑制すると再び点火時期をMBT制御し、機
関の発生トルクが最大となるようにする。これにより、
ノッキングを抑制しつつ機関の発生トルクを出来るだけ
大きくして、運転性能の向上を意図している。
う)を検出して、その圧力が最大となるクランク角度
(以下、筒内圧最大時期という)θpmaxが機関の発生ト
ルクを最大にする所定位置にくるように点火時期をMBT
制御する。また、同時に筒内圧の検出信号を信号処理回
路を通すことでノッキングを検出し、そのノッキングレ
ベルが所定値を超えたときにはMBT制御よりも優先して
ノッキングを回避すべく点火時期を遅角側に制御する。
ノッキングを抑制すると再び点火時期をMBT制御し、機
関の発生トルクが最大となるようにする。これにより、
ノッキングを抑制しつつ機関の発生トルクを出来るだけ
大きくして、運転性能の向上を意図している。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来の内燃機関の点火時期
制御装置にあっては、ノック制御とMBT制御との切換が
ノック発生の有無のみによって決定され、ノックが発生
するといかなるときでも一律にMBT制御よりもノック制
御の方を優先させる構成となっていたため、MBT制御に
よる点火時期補正量がノック制御のための遅角補正量よ
りも小さいとき(すなわち、MBT制御による点火時期が
ノック制御による点火時期より遅角側にあるとき)、MB
T制御を行えばノック制御に移行しなくてもノック抑制
を達成できる場合であっても、ノックが発生すると無条
件にノック制御の方に移行してしまうため、この間の燃
費や動力性能の向上が図れなかった。すなわち、MBT制
御による点火時期がノック制御による点火時期よりもよ
り遅角側にある場合、MBT制御を選択すればノックの発
生を抑制しつつ燃費や出力を向上させることが可能であ
っても従来の装置ではノックが発生すると常にノック制
御を優先する態様であったため、燃費、出力の点で改善
の余地ありと考えられる。
制御装置にあっては、ノック制御とMBT制御との切換が
ノック発生の有無のみによって決定され、ノックが発生
するといかなるときでも一律にMBT制御よりもノック制
御の方を優先させる構成となっていたため、MBT制御に
よる点火時期補正量がノック制御のための遅角補正量よ
りも小さいとき(すなわち、MBT制御による点火時期が
ノック制御による点火時期より遅角側にあるとき)、MB
T制御を行えばノック制御に移行しなくてもノック抑制
を達成できる場合であっても、ノックが発生すると無条
件にノック制御の方に移行してしまうため、この間の燃
費や動力性能の向上が図れなかった。すなわち、MBT制
御による点火時期がノック制御による点火時期よりもよ
り遅角側にある場合、MBT制御を選択すればノックの発
生を抑制しつつ燃費や出力を向上させることが可能であ
っても従来の装置ではノックが発生すると常にノック制
御を優先する態様であったため、燃費、出力の点で改善
の余地ありと考えられる。
(発明の目的) そこで本発明は、ノック発生時にはノック補正量およ
びMBT補正量のうちより遅角側の補正量に基づいて点火
時期を補正することにより、MBT制御による点火時期が
ノック制御による点火時期より遅角側にあるような場合
でも一律にノック制御に移行する事態を回避して、MBT
制御の実効を図りエンジンの燃費や運転性能を向上させ
ることを目的としている。
びMBT補正量のうちより遅角側の補正量に基づいて点火
時期を補正することにより、MBT制御による点火時期が
ノック制御による点火時期より遅角側にあるような場合
でも一律にノック制御に移行する事態を回避して、MBT
制御の実効を図りエンジンの燃費や運転性能を向上させ
ることを目的としている。
(問題点を解決するための手段) 本発明による内燃機関の点火時期制御装置は上記目的
達成のため、エンジンに発生するノッキングを検出する
ノック検出手段aと、エンジンの筒内圧力を検出する圧
力検出手段bと、エンジンの運転状態を検出する運転状
態検出手段cと、ノック検出手段の出力に基づいてノッ
キングを所定レベルに抑制するように点火時期を補正す
るノック補正量を演算する第1演算手段dと、圧力検出
手段の出力に基づいて筒内圧力が最大となるクランク角
を筒内圧最大時期として検出する最大時期検出手段e
と、筒内圧最大時期がエンジンの発生トルクを最大とす
る目標位置と一致するように点火時期を補正するMBT補
正量を演算する第2演算手段fと、エンジンの運転状態
に基づいて基本点火時期を設定し、これを前記MBT補正
量に応じて補正するとともに、ノッキングが所定レベル
以上のとき前記ノック補正量およびMBT補正量のうちよ
り遅角側の補正量に基づいて点火時期を補正する点火時
期設定手段gと、点火時期設定手段の出力に基づいて混
合気に点火する点火手段hと、を備えている。
達成のため、エンジンに発生するノッキングを検出する
ノック検出手段aと、エンジンの筒内圧力を検出する圧
力検出手段bと、エンジンの運転状態を検出する運転状
態検出手段cと、ノック検出手段の出力に基づいてノッ
キングを所定レベルに抑制するように点火時期を補正す
るノック補正量を演算する第1演算手段dと、圧力検出
手段の出力に基づいて筒内圧力が最大となるクランク角
を筒内圧最大時期として検出する最大時期検出手段e
と、筒内圧最大時期がエンジンの発生トルクを最大とす
る目標位置と一致するように点火時期を補正するMBT補
正量を演算する第2演算手段fと、エンジンの運転状態
に基づいて基本点火時期を設定し、これを前記MBT補正
量に応じて補正するとともに、ノッキングが所定レベル
以上のとき前記ノック補正量およびMBT補正量のうちよ
り遅角側の補正量に基づいて点火時期を補正する点火時
期設定手段gと、点火時期設定手段の出力に基づいて混
合気に点火する点火手段hと、を備えている。
(作用) 本発明では、ノック補正量およびMBT補正量が演算さ
れ、ノック発生時にはノック補正量およびMBT補正量の
うちより遅角側の補正量に基づいて点火時期が補正され
る。したがって、MBT制御による点火時期がノック制御
による点火時期より遅角側にあるような場合でも一律に
ノック制御に移行する事態が回避され、MBT制御の実効
を図ってエンジンの燃費や運転性能が向上する。
れ、ノック発生時にはノック補正量およびMBT補正量の
うちより遅角側の補正量に基づいて点火時期が補正され
る。したがって、MBT制御による点火時期がノック制御
による点火時期より遅角側にあるような場合でも一律に
ノック制御に移行する事態が回避され、MBT制御の実効
を図ってエンジンの燃費や運転性能が向上する。
(実施例) 以下、本発明を図面に基づいて説明する。
第2〜7図は本発明の一実施例を示す図である。ま
ず、構成を説明する。第2図において、1a〜1fは筒内圧
センサ(圧力検出手段)であり、筒内圧センサ1a〜1fは
各気筒内(本実施例では6気筒)の筒内圧を圧電素子に
よって電荷に変換し、電荷信号S1〜S6を出力する。筒内
圧センサ1a〜1fの出力S1〜S6はノック検出手段2に入力
されており、ノック検出手段2はマルチプレクサ(MP
X)3、入力アンプ4、バンドパスフィルタ(BPF)5お
よびピークホールド回路6により構成される。信号S1〜
S6はマルチプレクサ3に入力されており、マルチプレク
サ3にはさらに所定のタイミングで後述するマイクロコ
ンピュータ7からの切換信号Scが入力される。マルチプ
レクサ3はこの切換信号Scが入力される毎に筒内圧セン
サ1a〜1fの出力をS1→S5→S3→S6→S2→S4の順に切換え
て入力アンプ4に入力する。入力アンプ4はこれらの信
号を増幅し、信号S7としてバンドパスフィルタ5に出力
し、バンドパスフィルタ5は信号S7のうちノック振動に
対応する周波数帯の信号S8のみを通過させてピークホー
ルド回路6に出力する。ピークホールド回路6は信号S8
の最大振幅値(ピーク値)をホールドし、ノックエネル
ギに対応する値としてマイクロコンピュータ7に出力す
る。このピークホールド処理はマイクロコンピュータ7
からのピークホールドセット/リセット信号に基づいて
行われ、例えばその区間としてはノッキングの発生が予
想される区間(TDC〜ATDC50゜程度)に設定される。ピ
ークホールド値はノッキングのレベルを検出するデータ
として用いられる。なお、ピーク値のホールドはピーク
ホールド回路6に限らず、例えば整流積分器を用いて行
うようにしてもよい。また、吸入空気の流量Qaはエアフ
ローメータ8により検出され、エンジンのクランク角は
クランク角センサ9により検出される。クランク角セン
サ9は爆発間隔(6気筒エンジンでは120゜、4気筒エ
ンジンでは180゜)毎に各気筒の圧縮上死点(TDC)前の
所定位置、例えばBTD70゜で〔H〕レベルのパルスとな
る基準信号Caを出力するとともに、クランク角の単位角
度(例えば、1゜)毎に〔H〕レベルのパルスとなる単
位信号C1を出力する。なお、信号Caのパルスを計数する
ことにより、エンジン回転数Nを知ることができる。
ず、構成を説明する。第2図において、1a〜1fは筒内圧
センサ(圧力検出手段)であり、筒内圧センサ1a〜1fは
各気筒内(本実施例では6気筒)の筒内圧を圧電素子に
よって電荷に変換し、電荷信号S1〜S6を出力する。筒内
圧センサ1a〜1fの出力S1〜S6はノック検出手段2に入力
されており、ノック検出手段2はマルチプレクサ(MP
X)3、入力アンプ4、バンドパスフィルタ(BPF)5お
よびピークホールド回路6により構成される。信号S1〜
S6はマルチプレクサ3に入力されており、マルチプレク
サ3にはさらに所定のタイミングで後述するマイクロコ
ンピュータ7からの切換信号Scが入力される。マルチプ
レクサ3はこの切換信号Scが入力される毎に筒内圧セン
サ1a〜1fの出力をS1→S5→S3→S6→S2→S4の順に切換え
て入力アンプ4に入力する。入力アンプ4はこれらの信
号を増幅し、信号S7としてバンドパスフィルタ5に出力
し、バンドパスフィルタ5は信号S7のうちノック振動に
対応する周波数帯の信号S8のみを通過させてピークホー
ルド回路6に出力する。ピークホールド回路6は信号S8
の最大振幅値(ピーク値)をホールドし、ノックエネル
ギに対応する値としてマイクロコンピュータ7に出力す
る。このピークホールド処理はマイクロコンピュータ7
からのピークホールドセット/リセット信号に基づいて
行われ、例えばその区間としてはノッキングの発生が予
想される区間(TDC〜ATDC50゜程度)に設定される。ピ
ークホールド値はノッキングのレベルを検出するデータ
として用いられる。なお、ピーク値のホールドはピーク
ホールド回路6に限らず、例えば整流積分器を用いて行
うようにしてもよい。また、吸入空気の流量Qaはエアフ
ローメータ8により検出され、エンジンのクランク角は
クランク角センサ9により検出される。クランク角セン
サ9は爆発間隔(6気筒エンジンでは120゜、4気筒エ
ンジンでは180゜)毎に各気筒の圧縮上死点(TDC)前の
所定位置、例えばBTD70゜で〔H〕レベルのパルスとな
る基準信号Caを出力するとともに、クランク角の単位角
度(例えば、1゜)毎に〔H〕レベルのパルスとなる単
位信号C1を出力する。なお、信号Caのパルスを計数する
ことにより、エンジン回転数Nを知ることができる。
上記エアフローメータ8およびクランク角センサ9は
運転状態検出手段10を構成しており、運転状態検出手段
10、入力アンプ4およびピークホールド回路6の出力は
マイクロコンピュータ7に入力される。マイクロコンピ
ュータ7はこれらの情報に基づいて点火時期制御を行
う。マイクロコンピュータ7は第1演算手段、最大時期
検出手段、第2演算手段および点火時期設定手段として
の機能を有し、CPU11、ROM12、RAM13、A/D変換器14およ
びI/Oインターフェース15により構成され、これらはコ
モンバス16により互いに接続される。A/D変換器14はア
ナログ信号として入力されるQa等をディジタル信号に変
換し、CPU11の指示に従って所定の時期にROM12あるいは
RAM13に出力する。CPU11はROM12に書き込まれているプ
ログラムに従って必要とする外部データを取り込んだ
り、またRAM13との間でデータの授受を行ったりしなが
らノック抑制制御やMBT制御に必要な処理値を演算処理
し、必要に応じて処理したデータをI/Oインターフェー
ス15へ出力する。I/Oインターフェース15には各種セン
サからの信号が入力されるとともに、I/Oインターフェ
ース15からはマルチプレクサ3への切換信号Sc、ピーク
ホールド回路6へのピークホールドセット/リセット信
号が出力されるとともに、点火信号Spが点火手段16へ出
力される。ROM12はCPU11における演算プログラムを格納
しており、RAM13は演算に使用するデータをマップ等の
形で記憶している。点火信号Spは点火手段17に入力され
ており、点火信号17は点火プラグ、点火コイル、ディス
トリビュータ等により構成され、点火信号Spに基づいて
高圧パルスを発生し混合気に点火する。
運転状態検出手段10を構成しており、運転状態検出手段
10、入力アンプ4およびピークホールド回路6の出力は
マイクロコンピュータ7に入力される。マイクロコンピ
ュータ7はこれらの情報に基づいて点火時期制御を行
う。マイクロコンピュータ7は第1演算手段、最大時期
検出手段、第2演算手段および点火時期設定手段として
の機能を有し、CPU11、ROM12、RAM13、A/D変換器14およ
びI/Oインターフェース15により構成され、これらはコ
モンバス16により互いに接続される。A/D変換器14はア
ナログ信号として入力されるQa等をディジタル信号に変
換し、CPU11の指示に従って所定の時期にROM12あるいは
RAM13に出力する。CPU11はROM12に書き込まれているプ
ログラムに従って必要とする外部データを取り込んだ
り、またRAM13との間でデータの授受を行ったりしなが
らノック抑制制御やMBT制御に必要な処理値を演算処理
し、必要に応じて処理したデータをI/Oインターフェー
ス15へ出力する。I/Oインターフェース15には各種セン
サからの信号が入力されるとともに、I/Oインターフェ
ース15からはマルチプレクサ3への切換信号Sc、ピーク
ホールド回路6へのピークホールドセット/リセット信
号が出力されるとともに、点火信号Spが点火手段16へ出
力される。ROM12はCPU11における演算プログラムを格納
しており、RAM13は演算に使用するデータをマップ等の
形で記憶している。点火信号Spは点火手段17に入力され
ており、点火信号17は点火プラグ、点火コイル、ディス
トリビュータ等により構成され、点火信号Spに基づいて
高圧パルスを発生し混合気に点火する。
次に、作用を説明する。
第3図は点火時期制御のプログラムを示すフローチャ
ートであり、本プログラムは所定期間毎に一度実行され
る。まず、P1でエンジン回転数Nおよびエンジン負荷
(吸入空気量Qaをデータとする他、例えば絞弁開度や吸
気管内圧等の負荷センサ出力に基づくデータでもよい)
をパラメータとするテーブルマップから基本点火時期AD
Vφをルックアップし、P2でMBT制御を行うためのMBT補
正量γを演算する。MBT制御量γは筒内圧最大時期θpma
xの値に応じて第4図に示すような値をとる。ここで、
KはMBT制御の目標位置であり、エンジンの発生トルク
を最大とするクランク角、例えばATDC10゜〜20゜の範囲
で所定値に設定される(本実施例ではK=15゜に設
定)。なお、MBT補正量γの算出については後述する第
6図で詳述する。次いで、P3でRAM13にストアしたノッ
キングレベルのピークホールド値Xを予め定めた基準値
Xo、例えばトレースノック時に検出されるノッキングレ
ベルが10%程度の頻度で越える値と比較してノッキング
発生の有無を判別し、この判別結果に応じ後述する演算
式によってノック補正量βを後述する第7図に記述する
方法により演算する。また、ノック補正量βはピークホ
ールド回路6の出力の大きさに応じて第5図に示すよう
な値をとる方法もある。P4では次式に従って点火時期
を補正するフィードバック補正量FBを演算する。
ートであり、本プログラムは所定期間毎に一度実行され
る。まず、P1でエンジン回転数Nおよびエンジン負荷
(吸入空気量Qaをデータとする他、例えば絞弁開度や吸
気管内圧等の負荷センサ出力に基づくデータでもよい)
をパラメータとするテーブルマップから基本点火時期AD
Vφをルックアップし、P2でMBT制御を行うためのMBT補
正量γを演算する。MBT制御量γは筒内圧最大時期θpma
xの値に応じて第4図に示すような値をとる。ここで、
KはMBT制御の目標位置であり、エンジンの発生トルク
を最大とするクランク角、例えばATDC10゜〜20゜の範囲
で所定値に設定される(本実施例ではK=15゜に設
定)。なお、MBT補正量γの算出については後述する第
6図で詳述する。次いで、P3でRAM13にストアしたノッ
キングレベルのピークホールド値Xを予め定めた基準値
Xo、例えばトレースノック時に検出されるノッキングレ
ベルが10%程度の頻度で越える値と比較してノッキング
発生の有無を判別し、この判別結果に応じ後述する演算
式によってノック補正量βを後述する第7図に記述する
方法により演算する。また、ノック補正量βはピークホ
ールド回路6の出力の大きさに応じて第5図に示すよう
な値をとる方法もある。P4では次式に従って点火時期
を補正するフィードバック補正量FBを演算する。
FB=FB′+min(γ、β) …… 但し、FB′:前回の値 min(γ、β):MBT補正量γあるいはノック補正量βの
うち点火時期をより遅角側に補正する方の補正量 したがって、上記ステップP2およびP3でそれぞれ独立
に演算したMBT補正量γあるいはノック補正量βのうち
より遅角側の補正量となるものが採用されることにな
り、従来の装置のようにノックが発生するとMBT制御か
ら一律にノック制御に切換わる状態が回避され、MBT補
正量γの方がノック補正量βよりも小さい(すなわち、
MBT制御による点火時期がノック制御による点火時期よ
り遅角側ある)場合でもMBT制御を維持することができ
る。
うち点火時期をより遅角側に補正する方の補正量 したがって、上記ステップP2およびP3でそれぞれ独立
に演算したMBT補正量γあるいはノック補正量βのうち
より遅角側の補正量となるものが採用されることにな
り、従来の装置のようにノックが発生するとMBT制御か
ら一律にノック制御に切換わる状態が回避され、MBT補
正量γの方がノック補正量βよりも小さい(すなわち、
MBT制御による点火時期がノック制御による点火時期よ
り遅角側ある)場合でもMBT制御を維持することができ
る。
次いで、P5で次式に従って最終点火時期ADVを求め
る。
る。
ADV=ADVφ+FB …… そして、P6でこのADVに基づき(70゜−ADV)をI/Oイ
ンターフェース15のレジスタにセットし、所定の点火タ
イミングで点火信号Spを出力して今回の処理を終了す
る。
ンターフェース15のレジスタにセットし、所定の点火タ
イミングで点火信号Spを出力して今回の処理を終了す
る。
第6図はMBT制御のサブルーチンを示すフローチャー
トであり、前記第3図で述べたステップのP2に相当す
る。まず、P11で式に従って今回のMBT補正γnewを求
める。
トであり、前記第3図で述べたステップのP2に相当す
る。まず、P11で式に従って今回のMBT補正γnewを求
める。
但し、γoLd:前回の値 M:1以上の定数 K:目標位置 次いで、P12でMBT補正量γが進角限界値(例えば、+
10゜)と遅角限界値(例えば−10゜)とによって規制さ
れる範囲にあるか否かをチェックし、この範囲になけれ
ば今回のγを各限界値の何れかに制限し、こ範囲にあれ
ばその値をγとして採用する。このように、MBT補正量
γは第4図に示すように目標位置Kを中心として前後10
゜の範囲内で演算され、いわゆる目標に追随するフィー
ドバック制御が行われる。なお、θpmaxの検出について
は従来周知であるためここでは詳述な説明を省く。
10゜)と遅角限界値(例えば−10゜)とによって規制さ
れる範囲にあるか否かをチェックし、この範囲になけれ
ば今回のγを各限界値の何れかに制限し、こ範囲にあれ
ばその値をγとして採用する。このように、MBT補正量
γは第4図に示すように目標位置Kを中心として前後10
゜の範囲内で演算され、いわゆる目標に追随するフィー
ドバック制御が行われる。なお、θpmaxの検出について
は従来周知であるためここでは詳述な説明を省く。
第7図はノック制御のサブルーチンを示すフローチャ
ートであり、前記第3図で述べたステップのP3に相当す
る。まず、P21でノッキングレベルデータXを基準値Xo
と比較する。X>Xoのときは、ノッキング発生と判断し
て点火時期を遅角補正するためP22で次式に従って今
回のノック補正量βnewを求める。
ートであり、前記第3図で述べたステップのP3に相当す
る。まず、P21でノッキングレベルデータXを基準値Xo
と比較する。X>Xoのときは、ノッキング発生と判断し
て点火時期を遅角補正するためP22で次式に従って今
回のノック補正量βnewを求める。
βnew=βoLd−δ1 …… 但し、βoLd:前回の値 δ1:遅角補正量 一方、X≦Xoのときは、ノッキングが抑制されたと判
断して点火時期を進角させるためP23で次式に従って
βnewを求める。
断して点火時期を進角させるためP23で次式に従って
βnewを求める。
βnew=βoLd+δ2 …… 但し、δ2:進角補正量 このように、ノッキング発生の有無に応じて点火時期
が補正される。このとき、遅角補正はδ1(例えば、1
゜CA単位)で行われ、進角補正はそれよりも緩やかにδ
2(例えば、0.1゜CA単位)で行われる。次いで、P24で
ノック補正量βが進角限界値〔0゜〕と遅角限界値(例
えば、−10゜)とによって規制される範囲にあるか否か
をチェックし、この範囲になければ今回のβを各限界値
の何れかに制限し、この範囲にあればその値をβとして
採用する。
が補正される。このとき、遅角補正はδ1(例えば、1
゜CA単位)で行われ、進角補正はそれよりも緩やかにδ
2(例えば、0.1゜CA単位)で行われる。次いで、P24で
ノック補正量βが進角限界値〔0゜〕と遅角限界値(例
えば、−10゜)とによって規制される範囲にあるか否か
をチェックし、この範囲になければ今回のβを各限界値
の何れかに制限し、この範囲にあればその値をβとして
採用する。
このように、MBT補正量γおよびノック補正量βが演
算され、ノック発生時にはMBT補正量γおよびノック補
正量βのうちより遅角側の補正量に基づいて点火時期が
補正される。したがって、ノックが発生しても、MBT制
御からノック制御に一律に移行してしまう事態が避けら
れ、出来るだけMBT制御を行って燃費や出力を向上させ
ることができる。
算され、ノック発生時にはMBT補正量γおよびノック補
正量βのうちより遅角側の補正量に基づいて点火時期が
補正される。したがって、ノックが発生しても、MBT制
御からノック制御に一律に移行してしまう事態が避けら
れ、出来るだけMBT制御を行って燃費や出力を向上させ
ることができる。
(効果) 本発明によれば、ノック発生時にはノック補正量およ
びMBT補正量のうちより遅角側の補正量に基づいて点火
時期を補正しているので、MBT制御による点火時期がノ
ック制御による点火時期より遅角側にあるような場合で
も一律にノック制御に移行する事態を回避してMBT制御
の実効を図ることができ、エンジンの燃費や運転性能を
向上させることができる。
びMBT補正量のうちより遅角側の補正量に基づいて点火
時期を補正しているので、MBT制御による点火時期がノ
ック制御による点火時期より遅角側にあるような場合で
も一律にノック制御に移行する事態を回避してMBT制御
の実効を図ることができ、エンジンの燃費や運転性能を
向上させることができる。
第1図は本発明の基本概念図、第2〜7図は本発明に係
る内燃機関の点火時期制御装置の一実施例を示す図であ
り、第2図はその全体構成図、第3図はその点火時期制
御のプログラムを示すフローチャート、第4図はそのMB
T補正量の特性図、第5図はそのノック補正量の特性
図、第6図はそのMBT補正量を算出するサブルーチンを
示す図、第7図はそのノック補正量を算出するサブルー
チンを示す図である。 1a〜1f……筒内圧センサ(圧力検出手段)、 2……ノック検出手段、 7……マイクロコンピュータ(第1演算手段、最大時期
検出手段、第2演算手段、点火時期設定手段)、 10……運転状態検出手段、 17……点火手段。
る内燃機関の点火時期制御装置の一実施例を示す図であ
り、第2図はその全体構成図、第3図はその点火時期制
御のプログラムを示すフローチャート、第4図はそのMB
T補正量の特性図、第5図はそのノック補正量の特性
図、第6図はそのMBT補正量を算出するサブルーチンを
示す図、第7図はそのノック補正量を算出するサブルー
チンを示す図である。 1a〜1f……筒内圧センサ(圧力検出手段)、 2……ノック検出手段、 7……マイクロコンピュータ(第1演算手段、最大時期
検出手段、第2演算手段、点火時期設定手段)、 10……運転状態検出手段、 17……点火手段。
Claims (1)
- 【請求項1】a)エンジンに発生するノッキングを検出
するノック検出手段と、 b)エンジンの筒内圧力を検出する圧力検出手段と、 c)エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段
と、 d)ノック検出手段の出力に基づいてノッキングを所定
レベルに抑制するように点火時期を補正するノック補正
量を演算する第1演算手段と、 e)圧力検出手段の出力に基づいて筒内圧力が最大とな
るクランク角を筒内圧最大時期として検出する最大時期
検出手段と、 f)筒内圧最大時期がエンジンの発生トルクを最大とす
る目標位置と一致するように点火時期を補正するMBT補
正量を演算する第2演算手段と、 g)エンジンの運転状態に基づいて基本点火時期を設定
し、これを前記MBT補正量に応じて補正するとともに、
ノッキングが所定レベル以上のとき前記ノック補正量お
よびMBT補正量のうちより遅角側の補正量に基づいて点
火時期を補正する点火時期設定手段と、 h)点火時期設定手段の出力に基づいて混合気に点火す
る点火手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6330887A JP2504454B2 (ja) | 1987-03-17 | 1987-03-17 | 内燃機関の点火時期制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6330887A JP2504454B2 (ja) | 1987-03-17 | 1987-03-17 | 内燃機関の点火時期制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63227959A JPS63227959A (ja) | 1988-09-22 |
JP2504454B2 true JP2504454B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=13225527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6330887A Expired - Lifetime JP2504454B2 (ja) | 1987-03-17 | 1987-03-17 | 内燃機関の点火時期制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2504454B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4684066B2 (ja) * | 2005-09-28 | 2011-05-18 | 株式会社デンソー | 内燃機関の点火時期制御装置 |
-
1987
- 1987-03-17 JP JP6330887A patent/JP2504454B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63227959A (ja) | 1988-09-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |