JP2503381B2 - 空燃比制御装置 - Google Patents

空燃比制御装置

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JP2503381B2
JP2503381B2 JP3106090A JP10609091A JP2503381B2 JP 2503381 B2 JP2503381 B2 JP 2503381B2 JP 3106090 A JP3106090 A JP 3106090A JP 10609091 A JP10609091 A JP 10609091A JP 2503381 B2 JP2503381 B2 JP 2503381B2
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隆嗣 原田
武博 菊池
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの排気ガス中
に含まれる酸素濃度を検出して燃料供給量をフィードバ
ック制御することにより、混合気の空燃比を任意の目標
値に良好に制御する空燃比制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】今日、限界電流検出方式の酸素センサが
開発されており、理論空燃比より希薄(リーン)側の任
意の空燃比が検出可能となっている。この種の酸素セン
サは例えば特開昭57−192852号公報、又は特開
昭57−192854号公報などで公知となっている。
また、この種の酸素センサを空燃比センサとして用い
て、エンジンをより一層リーン側で制御するためのシス
テムも検討されつつあり、一例として特開昭58−20
950号公報がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、種々
の運転領域でエンジンのリーン制御が可能な空燃比制御
装置を提供することであり、特に制御精度や追従性を向
上できるようにすることである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は図20に示すよ
うに、 (イ)エンジンの排気ガス中の酸素濃度に応じた限界電
流を発生する空燃比センサと、 (ロ)エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段
と、 (ハ)エンジンの運転状態に応じて予め設定された最適
目標空燃比またはこの目標空燃比に担当する前記空燃
比センサの目標限界電流が記憶された記憶手段と、 (ニ)エンジンの運転状態に応じてエンジンに供給する
燃料の基本燃料供給量を決定する第1の決定手段と、 (ホ)前記目標空燃比に相当する前記空燃比センサの目
限界電流と前記空燃比センサの発生する実限界電流と
の偏差をなくすべく前記基本燃料供給量の積分補正量
決定する第2の決定手段と、 (ヘ)前記エンジンの運転状態が所定状態にあるときの
前記目標限界電流と前記実限界電流との偏差に応じて、
前記記憶手段に記憶された記憶値の、実際の前記空燃比
センサ出力に対するずれを補償するセンサ特性補正量
決定する第3の手段と、 (ト)前記基本燃料供給量,積分補正量およびセンサ特
性補正量に応じて燃料供給量を調整する第4の手段とを
備えた構成とした。 【0005】 【作用】これにより、運転状態に応じた最適な空燃比セ
ンサの目標限界電流が予じめ記憶されると共に、この目
標限界電流と空燃比センサにより検出された限界電流
との偏差に応じて燃料供給量の積分補正量が決定される
のみならず、記憶された記憶値の、実際の空燃比センサ
出力に対するずれを補償するためのセンサ特性補正量
決定されることとなる。ここで従来、経時変化に伴うセ
ンサ特性変化を補償するために自動車の走行距離などを
センサ劣化の間接的代用信号として検出して、一義的に
この走行距離に応じてリッチ/リーンの判定電位を変更
することが知られている(例えば特公昭56−2190
0号公報)。 これに対し、本発明では、空燃比センサの
実際に発生する限界電流値を特定の運転状態において直
接検出して、この運転状態における目標空燃比に相当す
る予め記憶されている目標限界電流とのずれを修正して
いるので、センサ自体の発生電流の特性変化を一義的で
なく個々のシステムにおいて補償することが可能とな
る。 【0006】 【実施例】以下、本発明を図に示す実施例により説明す
る。図1は、空燃比制御装置の全体構成図を示すもの
で、エンジン1は自動車に積載される公知の4サイクル
火花点式エンジンで、燃焼用空気をエアクリーナ2、吸
気管3、スロットル弁4を経て吸入する。また燃料は図
示しない燃料系から各気筒に対応して設けられた電磁式
燃料噴射弁5を介して供給される。燃焼後の排気ガスは
吸気マニホールド6、排気管7、三元触媒コンバータ8
等を経て大気に放出される。吸気管3にはエンジン1に
吸入される吸気量を検出し、吸気量に応じたアナログ信
号を出力する吸気量センサ11及びエンジン1に吸入さ
れる空気の温度を検出し、吸気温に応じたアナログ電圧
(アナログ検出信号)を出力するサーミスタ式吸気温セ
ンサ12が設置されている。また、エンジン1には冷却
水温を検出し、冷却水温に応じたアナログ電圧(アナロ
グ検出信号)を出力するサーミスタ式水温センサ13が
設置されており、さらに排気マニホールド6には排気ガ
ス中の酸素濃度をリニアに検出し、酸素濃度に応じた限
界電流を出力する空燃比センサ14が設置されている。
回転速度(数)センサ15は、エンジン1のクランク軸
の回転速度を検出し、回転速度に応じた周波数のパルス
信号を出力する。この回転速度(数)センサ15として
は例えば点火装置の点火コイルを用いればよく、点火コ
イルの一次側端子からの点火パルス信号を回転速度信号
とすればよい。制御回路20は、各センサ11〜15の
検出信号に基づいて燃料噴射量を演算する回路で、電磁
式燃料噴射弁5の開弁時間を制御することにより燃料噴
射量を調整する。 【0007】図2により制御回路20について説明す
る。100は燃料噴射量を演算するマイクロプロセッサ
(CPU)である。101は回転数カウンタで回転速度
(数)センサ15からの信号よりエンジン回転数をカウ
ントする回転数カウンタである。またこの回転数カウン
タ101はエンジン回転に同期して割り込み制御部10
2に割り込み指令信号を送る。割り込み制御部102は
この信号を受けると、コモンバス150を通じてマイク
ロプロセッサ100に割り込み信号を出力する。103
はディジタル入力ポートで、スロットル弁4と連動して
開度信号を発生するスロットルスイッチや図示しないス
タータの作動をオンオフするスタータスイッチ16から
のスタータ信号等のディジタ信号をマイクロプロセッサ
100に伝達する。104はアナログマルチプレクサと
A−D変換器から成るアナログ入力ポートで、吸気量セ
ンサ11、吸気温センサ12、冷却水温13、空燃火セ
ンサ14からの信号をA−D変換して順次マイクロプロ
セッサに読み込ませる機能を持つ。 【0008】空燃比センサ14の限界電流を測定する電
流−電圧変換回路を含むインターフェース回路112の
詳細は図7に示される。図7中112Aは限界電流検出
用の微少抵抗値をもつ抵抗、112Bは空燃比センサ1
4に所定の正バイアス(0.7V〜0.8V)を与える
ための電源、SW1はアナログスイッチ又はリレースイ
ッチで、空燃比センサ14をリーンセンサとして用いる
場合、スイッチSW1をオンして所定の正バイアスを与
え、そのときの限界電流の大きさを検出して空燃比(A
/F)を推定するものである。また、理論空燃比センサ
として用いる場合、スイッチSW1をオフしてセンサ1
4の濃淡電池作用により発生するλ特性を有する起電力
を検出するものである。 【0009】これら各ユニット101,102,10
3,104の出力情報はコモンバス150を通してマイ
クロプロセッサ100に伝達される。105は電源回路
で後述するRAM107中のバックアップRAM107
A部分に電源を供給する。17はバッテリ、18はキー
スイッチであるが電源回路105はキースイッチ18を
通さず直接、バッテリ17に接続されている。よって後
述するバックアップRAM部分107Aはキースイッチ
118に関係無く常時電源が印加されている。106も
電源回路であるキースイッチ18を通してバッテリ17
に接続されている。電源回路106は後述するRAM1
07以外の部分に電源を供給する。107はプログラム
動作中一時使用される一時記憶ユニット(RAM)であ
るが、その一部には前述の様にキースイッチ18に関係
なく常時電源が印加されキースイッチ18をOFFにし
て機関の運転を停止しても記憶内容が消失しない構成の
バックアップRAM部分107Aからなる不揮発性メモ
リを有する。後述する補正量KもこのRAM107Aに
記憶されている。108はプログラムや各種の定数等を
記憶しておく読み出し専用メモリ(ROM)である。1
09はレジスタを含む燃料噴射時間制御用カウンタでダ
ウンカウンタより成り、マイクロプロセッサ(CPU)
100で演算された電磁式燃料噴射弁5の開弁時間つま
り燃料噴射量を表すディジタル信号を実際の電磁式燃料
噴射弁5の開弁時間を与えるパルス時間幅のパルス信号
に変換する。110は電磁式燃料噴射弁5を駆動する電
力増幅部である。111はタイマーで経過時間を測定し
CPU100に伝達する。 【0010】回転数カウンタ101は回転数センサ15
の出力によりエンジン1回転に1回エンジン回転数を測
定し、その測定の終了時に割り込み制御部102に割り
込み指令信号を供給する。割り込み制御部102はその
信号から割り込み信号を発生し、この信号は種々の演算
処理や出力処理のタイミング信号として用いられる。 【0011】図3は排気マニホールド6に取り付けられ
た空燃比センサを示す。空燃比センサ14は排気管内に
設置されることにより、排気ガス中の酸素濃度を検出
し、その酸素濃度よりエンジンに供給される混合気の空
燃比を知ることができる。14Aはカバー、14Bは小
孔である。図4は空燃比センサ14の詳細を示す。この
センサはヒータ141を内蔵し、図の様にカップ状のジ
ルコニア142の電極部144に多孔質コーティング膜
143を施すことにより、微少電圧(約0.8V)を加
えると、酸素濃度に依存する定電流特性を示す。この電
流を限界電流と呼び、この電流値の大きさから空燃比を
知ることができる。 【0012】図5は空燃比又はO2 濃度と限界電流との
関係を示すグラフである。この限界電流の大きさは電極
面積及び多孔質コーティング膜143の厚さ等により変
化するが、理論空燃比の近傍では従来の酸素センサの様
にλ特性を示す。図6はλ特性を示すグラフである。こ
の空燃比に対する出力電圧の変化点は、周知のごとく、
センサの物理的な寸法に因らない絶対的な特性である。
後述するがこの絶対的を特性を基準として、空燃比のリ
ーン側の特性を補正計算し、補正量Kを求めることがで
きる。 【0013】図8は、特にマイクロプロセッサ100の
概略フローチャートを示すもので、このフローチャート
に基づきマイクロプロセッサ100の機能を説明すると
共に構成全体の作動をも説明する。キースイッチ18並
びにスタータスイッチ16がONしてエンジンが始動さ
れると第1のステップ1000のスタートにてメインル
ーチンの演算処理が開始されステップ1001にて初期
化の処理が実行され、ステップ1002において回転数
カウンタ101及びアナログ入力ポート104等からの
エンジン回転速度及び、吸気量、限界電流、冷却水温、
吸気温に応じたディジタル値等を読み込む。 【0014】ステップ1003では、燃料供給量の基本
量を主パラメータ(本例では吸気量Qとエンジン回転速
度N)よりK0 ・Q/Nの計算により決定する。勿論計
算に代えてQとNの値に応じた予め定めた基本量マップ
から読出すようにしてもよい。また、主パラメータは、
吸気管圧力Pとエンジン回転速度Nの組合せなどの如く
他のパラメータも使用できる。ステップ1004では、
冷却水温や吸気温、スタータスイッチ等の信号を得て水
温増量、吸気温増量、始動増量を含めた補正量K1 を計
算し、その結果をRAM107に格納する。また、この
補正量K1 の中に加速増量等のエンジン固有の他の補正
項目を含めて考えても良い。 【0015】ステップ1005では、アナログ入力ポー
ト104より空燃比センサ14の信号を入力して実際の
空燃比を検出し、この空燃比が現在の運転状態において
目標とされる空燃比と一致するようにするため、供給燃
料量の補正量K2 を計算する。ステップ1006,10
07では、各ステップ1003,1004,1005等
で求めたデータQ/N,K1 ,K2 等に基づいて現時点
において最適な燃料供給量を計算(例えばDτ=K1
2 ・N/Q)し、その値Dτを出力部にセットする。
そして所定のクランク角度位置において上記計算データ
による燃料量が燃料噴射弁5を介してエンジンに供給さ
れる。 【0016】図9はステップ1005の詳細なフローチ
ャートである。まず、ステップ2001では、空燃比セ
ンサ14が活性状態になっているか否か、または空燃比
のフィードバック制御が可能か否かを判定する。具体的
には空燃比センサ14の温度を検出して所定温度(例え
ば500〜600℃)以上になっているかを判定すると
か、または空燃比センサ14に一定バイアスを与えてセ
ンサ自身の内部抵抗を検出してその内部抵抗の大きさか
ら活性判別を行うとか、または冷却水温や、始動時から
の経過時間や燃焼回数の累積等から間接的に活性状態を
推定するようにすればよい。 【0017】ステップ2002では、制御すべき目標A
/Fが約15より大きいか否かを検出し、リーンフィー
ドバック制御状態にあるか否かを判定する。つまり、加
速増量や高負荷増量時などA/Fが15より小さな値に
リッチ制御される必要がある場合はステップ2008に
進み、積分処理を行わないようにしている。 【0018】なお、図11に示す如く、Δiの大きさが
所定値より小さい範囲では積算量が零にされる。即ち、
ΔiとΔK2 との特性には不感帯を持たせてあり、これ
により目標空燃比近傍での実際の空燃比の安定性は高ま
り、ハンチングを防止することが可能となる。 【0019】そこで、センサが活性状態にありかつリー
ン制御可能な状態にあるときにはステップ2003〜2
007の処理を実行する。まず、現在の運転状態に最適
な目標A/Fに相当する限界電流iR を、図10に示さ
れるようなマップから主パラメータ(この場合NとQ)
に応じて読出す(ステップ2003)。一方、空燃比セ
ンサ14より現在の限界電流iを測定し(ステップ20
04)、両者の偏差Δi=i−iR を求め(ステップ2
005)、この偏差Δiに応じて積分処理時の積算量Δ
2 を決定する(ステップ2006)。この積算量ΔK
2 を、例えば図11に示すように偏差Δiの大きさに応
じて変えてもよいし、常に一定としてもよい。これはフ
ィードバック制御の追従性や制御制度、エンジンとのマ
ッチング等を考慮して選択される。図11のように偏差
Δiが大きくなるほど積算量ΔK2 を大きくすれば、積
分処理K2 =K2 +ΔK2 により決定される補正量K2
が大きく変化するため、燃料供給量を最適制御できて追
従性が一層向上する。 【0020】以上に説明したように、図8,9に示す制
御手法を用いることにより、各運転状態において、目標
とするA/Fに良好にフィードバック制御できるように
なる。 【0021】なお、図10に示すマップは、主パラメー
タN,Qより決定されるエンジンの各運転状態に最適な
A/Fを選定し、そのときの限界電流iR を求めてRO
M108中の一メモリ領域に記憶させたものである。図
中(I),(II),(III),(IV),(V)は
エンジンの各負荷領域を概略的に区分したものであり、
主パラメータN,Qは一例として示したもので、吸気管
圧力やスロットル開度など他のパラメータ利用も考えら
れ、必ずしもこれに限定されない。 【0022】次に、空燃比センサ14は経時変化や、電
極部及び素子部の劣化などにより出力特性が変化する恐
れがあり、その場合、測定した限界電流iRと空燃比
(A/F)との関係が図5に示す関係から外れ、その結
果A/Fを正確に検出できなくなることがある。そこ
で、図5に示す特性関係を、定期的または不定期的に補
正する必要があり、本実施例はその一具体例を示すもの
である。 【0023】特性変化の態様としては、図5において勾
配αが変化する場合、起点の限界電流値(つまりオフセ
ット値)が変化する場合、及びそれら両方が変化する場
合が考えられる。この実施例では、起点の限界電流値に
変化はなく勾配αのみが変化する場合の対策について示
してある。 【0024】図12,13,14及び15はその特性変
化を対策した一実施例である。図12はマイクロプロセ
ッサ100の概略フローチャートを示すもので、図8の
フローチャートと異なる点は、各空燃比に対応する電界
電流iR の修正係数Kの算出ステップ1008を設けた
ことである。このステップ1008は、一例として図1
3に示すような処理が行われる。 【0025】まず、ステップ3001,3002では、
図9中ステップ2001,2002の場合と同様にセン
サが活性状態にあること、及びリーンフィードバック制
御状態にあることを判定し、それらの状態にあることを
判定するとステップ3003に進む。このステップ30
03では、エンジンが軽中負荷状態にあって、しかも車
両が加減速状態になく安定走行状態にあり、エンジン回
転がほぼ一定の状態にあることを判定する。 【0026】上記条件を満たすときステップ3004に
進み、定常運転状態に入ってから一定時間過ぎて安定燃
焼状態にある場合には、以下の学習制御と称する特性変
化を補償するためのステップを行う。この一定時間経過
判定処理を設けたのは、空燃比がほぼ一定の状態とな
り、しかも安定な燃焼状態にあって、外乱に影響される
ことなく、現在のエンジン運転状態に対応した空燃比セ
ンサ14の出力(限界電流)を確実に得るようにするた
めである。そしてステップ3005では、現在の運転状
態に最適な目標A/Fに相当する限界電流iR を、図1
0に示されるようなマップから主パラメータ(N,Q)
に応じて読出す(ステップ3005)。一方、空燃比セ
ンサ14にて現在の限界電流iを測定し(ステップ30
06)、両者の電流比i/iR を算出する(ステップ3
007)。上記ステップ3001〜3004にて判定し
た安定運転状態において得られる限界電流iは、ほぼそ
の運転状態に対応する目標空燃比のときの電流と一致す
ると考えてもよい。従って、予めマップ内に設定した限
界電流iR とのずれ(偏差分)Δi=i−iR はセンサ
自体の劣化や経時変化による影響分と判断し、両者の電
流比i/iR を求めて、この値をそのまま、又はこれま
でに求めた値と平均化処理してそれを新たな修正係数K
として、図15に示すように他のマップに各運転領域
(NX ,Qy)に対応させて記憶しておく(ステップ3
008)。 【0027】そこで、図14に示すように、補正量K2
の算出処理において、ステップ2009では、現在の運
転状態に適当な目標A/Fに相当する限界電流iR を、
上記した如く現在の運転状態に対応する修正係数K、つ
まり(NX ,Qy)を用いて修正(例えばiR x=K・
R )し、この修正した限界電流iR xを目標値として
図9の場合と同様な積分処理を行うようにしている。こ
れにより、センサの劣化や経時変化を補償でき、一層正
確に、かつ最適な空燃比にリーンフィードバック制御で
きるようになる。なお、修正係数Kとして特定運転状態
(NX ,Qy)の値に代えて、種々の運転状態で求めた
修正係数Kとを平均化処理したり、重み付けした値を用
いるようにしてもよい。その場合には各運転状態におけ
る修正係数Kのばらつきを和らげ、空燃比の制御特性を
安定化できる。 【0028】なお、この実施例では、図5に示す限界電
流特性の勾配αが変化する場合について対策しており、
A/F=15近傍のオフセット電流がずれた場合につい
ては、次のようにすればよい。 【0029】まず、図7に示すセンサーインターフェー
ス回路112中のスイッチSW1を開いて正バイアスの
印加を止め、センサ14を理論空燃比検出用センサとし
て動作させ、その起電力を検出するようにしてエンジン
に供給する混合気のA/Fをほぼ15(λ=1)に固定
する。次に、その状態においてスイッチSW1を閉じて
正バイアスを印加すれば、そのときの限界電流がλ=1
におけるほぼオフセット電流i0 となる。従って、リー
ンフィードバック制御において検出される限界電流iよ
りこのオフセット電流i0 を引算してやれば、その値
(i−i0 )が空燃比A/Fに応じた値とみなすことが
できる。また、勾配αの変化分の補償については、図1
3に示す場合と同様に上記電流(i−i0 )と設定され
た限界電流iR との電流比に応じた修正係数Kを求める
ようにすればよい。 【0030】さらに、本発明の他の実施例について図1
6〜19により説明する。本実施例では、特にセンサ出
力特性の補償処理を総合的に行うようにしたものであ
る。図16はマイクロプロセッサ100の概略フローチ
ャートを示すもので、本例ではメインルーチンにて各種
の機関パラメータによる補正を行うようにし、サブルー
チン(例えばクランク角度位置割り込み処理またはタイ
マー処理)にて燃料供給の計算を行うように構成してあ
る。 【0031】まず、メインルーチン中のステップ300
3は、図8中ステップ1004と同様で冷却水温や吸気
温などによる補正量K1 の算出ステップであり、ステッ
プ3004は、図12中ステップ1005,1008と
関連し、空燃比センサ14の信号による積分処理やセン
サの出力特性劣化等に対する補償処理を行うステップで
ある。また、サブルーチンのうちステップ3012にて
主パラメータN,Qより燃料の基本量(Q/N)を計算
し、ステップ3013にて補正量K1 ,K2 、K及び基
本量Q/Nを乗算して総供給量Dτ=K1 ・K2 ・K・
Q/Nを求め、この値Dτを出力部にセットし、所定の
タイミングでもってエンジンに燃料供給を行うものであ
る。 【0032】次に、ステップ3004の詳細について以
下説明する。まず、ステップ4000では空燃比センサ
14が活性状態となっているかどうか、または冷却水温
等から空燃比の帰還制御ができるか否かを判定し、帰還
制御できない時はステップ4100に進み、後述する中
負荷定常のタイマーtを0にクリアする。次にステップ
4110に進みK2 =1とする。 【0033】次に、ステップ4000で帰還制御可能と
なるとステップ4010に進み、図10にマップから求
めた目標空燃比がA/F=15より大きいかどうか判定
する。この空燃比センサ14は理論空燃比(λ=1)よ
り濃い側ではリニアな出力がほとんど得られないので帰
還制御をできないからステップ4100に進む。ステッ
プ4010で図10のマップから求めた目標空燃比がA
/Fより大きい、つまり理論空燃比より薄い場合は、空
燃比センサ14のリニアな出力特性を利用できるの
ステップ4020に進む。以後中負荷定常運転中であれ
ば、センサ14の出力特性を補正するための補正量を算
出する処理を行う。 【0034】中負荷定常運転とは、好ましくはエンジン
回転数の絶対値がある値の範囲(例えば2000〜30
00rpm)で、回転の変動率が小さい(加速、減速中
でない)場合で、かつ、吸入空気量の絶対値がある範囲
(最高回転、全負荷時の量の1/10から1/8程度)
にあり、さらにその変動率が小さい様なエンジンの運転
状態を示す。この様な状態でない場合にはステップ41
20に進みタイマーtを0にクリアし、後述するステッ
プ4080に進む。定常運転中であればステップ403
0に進む。ここでは、中負荷定常運転タイマーの経過時
間tを見て、その値がt1 以下、例えば数秒以下であれ
ば、充分定常になっていない、つまりまだ空燃比が不安
定な状態にあると判断して、リーンフィードバック制御
をするためにステップ4080に進む。ステップ403
0でtがt1 より大きければステップ4040に進む。
ここではさらにtがt2 (例えばt1 より数秒大きい
値)より小さければステップ4130に進む。 【0035】ステップ4130では、理論空燃比(λ=
1)にフィードバック制御を行う。このステップ413
0では図19にその詳細を示すように空燃比センサ14
をλセンサとして使用する用にインターフェース回路1
12を切り換え、そのセンサ出力電圧の大小によりK2
を一定値ΔK2 だけ増減させる。ステップ4050でt
=t2 であればステップ4140に進む。このステップ
4140では、空燃比センサ14をリーンセンサとして
使用する様にインターフェース回路112を切り換え、
理論空燃比(λ=1)におけるセンサ14の限界電流i
を測定する。この電流がオフセット電流であり、これが
センサ特性の劣化や経時変化及び燃料噴射システムのず
れを示すものである。 【0036】また、ステップ4050でtとt2 が等し
くない時、すなわちt>t2 の時はステップ4060に
進む。ここでt3 はt2 より数秒大きい値であるが、t
>t 3 ならばステップ4150に進む。 【0037】このステップ4150では、CPUによる
燃料量の操作により理論空燃比より一定値だけリーン側
にずらしたリーン空燃比(例えば約A/F=18)に固
定操作し、t2 <t<t3 の時間内ではこの空燃比状態
を極力保つようにする。そしてt=t3 になるとステッ
プ4070よりステップ4160に進み、その時点の空
燃比センサ14の限界電流iを測定する。ステップ41
70では、ステップ4140で求めたλ=1のときの限
界電流(オフセット電流)、空燃比のずらし量ΔA/
F、上記リーン空燃比のときの限界電流などのデータに
基づいて、図5に示すようなセンサ出力特性を示す勾配
αの変化を検出でき、センサ出力特性の修正係数Kを算
出するようにしている。この修正係数Kは図15の場合
と同様にしてバックアップRAM107Aに格納され
る。 【0038】次にt>t3 のときステップ4080に進
み、リーンフィードバック制御を行う。このステップ4
080は図18に示すように処理が行われる。まず、ス
テップ4091で前回の処理からΔt時間すぎたかを判
定し、すぎていなければ何もしないで終了する。Δt時
間過ぎていればステップ4092へ進み、図10のマッ
プから現在のエンジン状態に要求される目標空燃比を求
め、先の実施例と同様、予め算出しておいて修正係数K
で修正(iRX=K・iR )して、この修正した限界電流
RXを目標値とする。 【0039】次にステップ4093に進み、まず図7に
示すSW1を閉じて微少抵抗112Aにかかる電圧をア
ナログ入力ポート104に入力してセンサの限界電流i
を測定する。次にステップ4094に進み、ステップ4
093で測定したiRXとiとを比べて、i<iRXであれ
ば目標空燃比よりリッチであると判定してステップ40
95に進み、K2 をΔK2 だけ減少して終わる。ステッ
プ4094でi≧iRXならば目標空燃比よりリーンであ
るのでステップ4096へ進み、K2 をΔK2 だけ増加
して終わる。この様にステップ4090の処理では、目
標空燃比と測定空燃比との大小を測定したK2 を積分処
理する。 【0040】なお、図19は図17中ステップ4130
のλフィードバック処理を示しており、ステップ413
1でΔt時間の判定をし、過ぎていなければ終わる。Δ
t時間過ぎていればステップ4132に進み、図7で示
すSW1を開いて空燃比センサ14の電圧をアナログ入
力ポート104からAD変換して入力する。次にステッ
プ4133でその電圧が比較基準電圧、例えば0.45
Vより大であるか判別し、大であれば測定空燃比が理論
空燃比よりリッチであるからステップ4134に進み、
2 をΔK2 だけ減少して終わる。ステップ4133で
測定電圧が比較電圧より小であればリーンであるのでス
テップ4135に進みK2 をΔK2 だけ増加するように
している。また、両者が等しければK2 はそのままとし
て終わる。 【0041】 【発明の効果】以上の如く、本発明の特徴は、第1とし
て予めエンジンの運転状態に応じて目標空燃比に対応す
る限界電流を設定しておき、空燃比センサより検出され
る限界電流が上記の目標限界電流と一致するように、偏
差分に見合った補正量にてフィードバック制御を行わせ
ることである。そして、第2として、空燃比センサの特
性変化や劣化より制御制度が低下するのを防止するため
に、学習制御による補償機能を付加させたことである。
特に本発明では、空燃比センサの直接的出力である限界
電流値そのものを直接的にモニタして、予じめ記憶して
ある目標空燃比に対応したセンサの目標限界電流特性と
比較して特性ずれを修正できるので、個々のシステムご
とに、制御制度を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明装置の全体構成図。 【図2】本発明装置の全体構成を示すブロック図。 【図3】限界電流式空燃比センサを示す断面図。 【図4】限界電流式空燃比センサを示す断面図。 【図5】空燃比または酸素濃度と限界電流との関係を示
す特性図。 【図6】空燃比センサのλ特性を示す図。 【図7】センサインタフェース回路を示す回路図。 【図8】本発明の実施例の説明に供するフローチャー
ト。 【図9】本発明の実施例の説明に供するフローチャー
ト。 【図10】エンジンの運転状態に応じた限界電流または
空燃比が設定されたマップを示す図。 【図11】偏差Δiと積分量ΔK2 との関係を示す図。 【図12】本発明の実施例の説明に供するフローチャー
ト。 【図13】本発明の実施例の説明に供するフローチャー
ト。 【図14】本発明の実施例の説明に供するフローチャー
ト。 【図15】運転状態に応じた限界電流iR の修正係数を
示す図。 【図16】本発明の他の実施例説明に供するフローチャ
ート。 【図17】本発明の他の実施例説明に供するフローチャ
ート。 【図18】本発明の他の実施例説明に供するフローチャ
ート。 【図19】本発明の他の実施例説明に供するフローチャ
ート。 【図20】本発明の全体構成を示すブロック図である。 【符号の説明】 1 エンジン 5 燃料噴射弁 11 吸気センサ 12 吸気温センサ 13 水温センサ 14 空燃比センサ 15 回転速度センサ 20 制御回路 100 CPU 107 RAM 108 ROM 112 センサインターフェース回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊池 武博 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 本田 雅一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特公 昭56−21900(JP,B2) 特公 平3−43459(JP,B2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 (イ)エンジンの排気ガス中の酸素濃度に応じた限界電
    流を発生する空燃比センサと、 (ロ)エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 (ハ)エンジンの運転状態に応じて予め設定された最適
    目標空燃比またはこの目標空燃比に担当する前記空燃
    センサの目標限界電流が記憶された記憶手段と、 (ニ)エンジンの運転状態に応じてエンジンに供給する
    燃料の基本燃料供給量を決定する第1の決定手段と、 (ホ)前記目標空燃比に相当する前記空燃比センサの目
    限界電流と前記空燃比センサの発生する実限界電流と
    の偏差をなくすべく前記基本燃料供給量の積分補正量
    決定する第2の決定手段と、 (ヘ)前記エンジンの運転状態が所定状態にあるときの
    前記目標限界電流と前記実限界電流との偏差に応じて
    記記憶手段に記憶された記憶値の、実際の前記空燃比セ
    ンサ出力に対するずれを補償するセンサ特性補正量を決
    定する第3の手段と、 (ト)前記基本燃料供給量,積分補正量およびセンサ特
    性補正量に応じて燃料供給量を調整する第4の手段とを
    備えたことを特徴とする空燃比制御装置。
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