JP2503267B2 - タ―ボ分子ポンプおよびその運転方法 - Google Patents

タ―ボ分子ポンプおよびその運転方法

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JP2503267B2 JP1048489A JP4848989A JP2503267B2 JP 2503267 B2 JP2503267 B2 JP 2503267B2 JP 1048489 A JP1048489 A JP 1048489A JP 4848989 A JP4848989 A JP 4848989A JP 2503267 B2 JP2503267 B2 JP 2503267B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、気体分子同士の衝突が無視できるような低
い圧力の条件下で、複数の動翼および静翼を組合せて相
対的に回転させることにより排気作用を得る真空ポン
プ、すなわちターボ分子ポンプと、その運転方法に関す
る。
[従来の技術] 従来のターボ分子ポンプを第7図を参照して説明す
る。
全体を符号1で示す従来のターボ分子ポンプは、モー
タ2、その回転力を伝達するモータ軸3、モータ軸3に
取付けられたロータ4、そのロータ4に取付けられた複
数の動翼5、その動翼5間に配置されている複数の静翼
6、静翼6を取付けたステータ7、吸気口8および排気
口9を形成したケーシング10、動翼5および静翼6を保
護するための保護網11を含んでいる。そして運転に際し
ては、モータ2を駆動して動翼5を分子流程度の稀薄な
雰囲気の中で高速回転させることにより、吸気口8から
気体分子を吸い込み、高い圧縮比にて圧縮し、排気口9
へ気体を移動せしめ、高真空を作り出す。
[発明が解決しようとする課題] このようなターボ分子ポンプは、取り扱う気体分子の
分子量により排気性能が異なる。そして分子量の小さい
気体分子を取り扱う場合には排気性能が著しく低下す
る。排気性能は圧縮比が小さいほど低下するが、ここで
圧縮を示すパラメータとしての翼速度Cは、 C=V/Vm(Vは動翼の周速、Vmは気体分子の最大確率速
度) なる式で示され、気体分子の最大確率速度Vmは (Mは気体分子の分子量、Kはボルツマン定数、Tは気
体の絶対温度) なる式で表される。これ等の式より明らかなように、気
体分子の分子量Mが小さければその最大確率速度Vmが大
きくなり、翼速度比Cが小さくなる。従って分子量の小
さい気体分子を取り扱う場合には排気性能が低下するの
である。そして排気性能が低い場合、ターボ分子ポンプ
の実際の運転に際して問題となることが多い。
この分子量の小さい気体による問題としては、特に水
蒸気の存在が悪影響をおよぼす。ターボ分子ポンプを備
えた系の一部が大気開放となり大気がその系に流入する
場合、ターボ分子ポンプによって作られる10-4Torrない
し10-10Torr(10-4mmHgないし10-10mmHg)程度の真空に
おける残留ガスはその大部分が水蒸気である。そしてこ
の残留水蒸気は真空度および真空環境に悪影響をおよぼ
すのである。
ヘリウム冷凍機を使用し15゜Kから20゜K程度の超低
温の熱交換器を備えた所謂クライオ真空ポンプを用いた
場合には、水蒸気についての排気特性が良好となるの
で、上述の不都合にある程度対処することができる。し
かしクライオ真空ポンプの場合は、 (1) 冷凍機駆動に係わる起動・停止時間が長い、 (2) いわゆる溜め込み式なので、一定の負荷運転が
終了する毎に再生運転を長時間に亘って行う必要があ
る、 (3) 気体分子の種類により昇華温度が異なるため、
再生運転時には熱交換器の温度上昇に従って各種気体分
子は高濃度にて順次ポンプから分離排出されるが、この
分離排出に対応してその後の処理を行うことが困難であ
る。特に半導体製造プロセスにおいては、モノシラン
(SiH4)、フッ化水素(HF)のような有毒、高腐蝕性、
爆発性、可燃性の気体を窒素(N2)、ヘリウム(He)等
の不活性ガスで希釈して使用するので、これら各種気体
が分離排出されることに対応するのが非常にむずかし
い、 というような問題点がある。
ここで、従来のターボ分子ポンプとクライオ真空ポン
プとを組合わせることも考えられる。しかしこのような
組合せでは水素、ヘリウム以外の殆どの気体分子がクラ
イオ真空ポンプで氷結捕集されてしまうので、ターボ分
子ポンプを設ける意味がなくなってしまう。
本発明は上記した従来技術の欠点に鑑みて提案された
ものであり、分子量が小さい気体、特に水蒸気の排気特
性が良好であり、起動・停止操作が容易で連続運転が可
能なターボ分子ポンプを提供することを目的としてい
る。
[課題を解決するための手段] 本発明のターボ分子ポンプは、複数の動翼を備えたロ
ータと、複数の静翼を備えたステータとを有し、吸気口
から気体分子を取り込み圧縮して排気口から排出するタ
ーボ分子ポンプにおいて、吸気口内に熱交換器を設け、
この熱交換器は冷媒配管を介して冷凍機に接続してお
り、吸気口の上流側には締切弁が設けられている。
ここで、前記冷凍機は−100℃ないし−190℃程度の冷
媒を供給する能力を有しているのが好ましく、そしてこ
の冷凍機はデフロスト運転が可能な冷凍機であるかある
いは吸気口においてヒータを設けているのが好ましい。
そして、前記熱交換器は伝熱コイルおよび複数の伝熱
プレートを含み、吸気口から吸引された気体分子が伝熱
プレート間を通過するように該伝熱プレートは伝熱コイ
ルの上側および下側へ間隔を空けて配置されているのが
好ましい。
あるいは、前記熱交換器は、シリンダ状の伝熱コイル
と、該伝熱コイルを同心的に包囲するシリンダ状の伝熱
部材と、伝熱コイルと伝熱部材の間に設けられた複数の
半径方向伝熱プレートとを含み、伝熱コイル、伝熱部材
および伝熱プレートは吸気口から吸引された気体分子の
流れに対して平行に配置されているのが好ましい。ここ
で、前記熱交換器は、前記シリンダ状の伝熱部材を同心
的に包囲し且つ該伝熱部材の外側に取付けられたシリン
ダ状の熱シールド部材を更に含んでいるのが好ましい。
また、本発明のターボ分子ポンプの運転する方法にお
いては、吸気口の上流側に設けた締切弁を開放して吸気
口内に設けた熱交換器により水蒸気分子を氷結捕集する
排気運転工程と、前記締切弁を閉鎖し氷結捕集した水蒸
気分子を解氷放出する再生運転工程とを含んでいる。
ここで前記再生運転工程は、冷凍機を冷凍運転からデ
フロスト運転に切換える工程を含んでいるか、あるいは
冷凍機の冷凍能力を維持または低減した上で吸気口に設
けたヒータにより冷凍能力を上回る加熱を行う工程を含
んでいるのが好ましい。
しかしながら、再生運転工程は、単に締切弁を閉鎖し
且つターボ分子ポンプの排気作用を継続することによっ
て行い得る。
[作用] 本発明のターボ分子ポンプおよびその運転方法によれ
ば、排気運転を行う際には、吸気口の上流側に設けた締
切弁を開放し、冷凍機を冷凍運転して熱交換器に冷媒を
送出して冷却する。そして動翼を回転することによって
気体をポンプ内に吸い込むが、この際、その気体中に含
まれる水蒸気は熱交換器により選択的に氷結捕集され
る。その結果、ターボ分子ポンプの排気性能が向上し真
空度の高い良質な真空をつくることができる。また氷結
捕集されない分子量の小さな気体、例えば水素、ヘリウ
ム等も、熱交換器によって冷却されることによりその温
度が低下し気体分子性能が遅くなる。これにより、翼速
度比Cが大きくなり、ターボ分子ポンプの排気性能が向
上する。そして、従来のターボ分子ポンプにおける問題
点、すなわち分子量の小さい気体、特に水蒸気の排気性
能が悪いことが解消される。
一方、所定時間だけ排気運転行った後は、熱交換器に
氷結捕集された水蒸気を解氷し放出する再生運転を行う
必要がある。そのような再生運転を行う工程の場合は、
前記締切弁を閉鎖し、熱交換器に氷結捕集されている水
蒸気を加熱すれば良い。この加熱を行う方式としては、
冷凍機を冷凍運転からデフロスト運転に切換えて熱交換
器を介して加熱を行う方式や、あるいは冷凍機の冷凍能
力を維持または低下し、そして吸気口に設けたヒータに
よって冷凍能力以上の加熱を行う方式等がある。そして
氷結捕集された水蒸気は、熱交換器あるいはヒータから
熱を得て気化し、動翼および静翼の相互作用により排出
口から排気され、再生工程が行われるのである。これに
より、再生運転工程への切換えおよび再生運転に要する
時間が大巾に短縮される。
さらに、再生運転工程は、締切弁を閉鎖してターボ分
子ポンプの排気作用を継続せしめることのみによって行
い得る。この場合、上記したような水蒸気の加熱は不必
要である。
この再生運転工程は、例えば半導体製造プロセスにお
いてターボ分子ポンプの通常の作動における締切弁遮断
(閉鎖)時間を利用することによって、行うことができ
る。そして、これにより、再生運転のための特別な時間
を必要とすることなく、ターボ分子ポンプを連続して運
転することが可能となるのである。
このように本発明によれば、起動・停止操作が容易で
かつ連続運転が可能であるという従来のターボ分子ポン
プの利点を有しつつ、分子量の小さい気体、特に水蒸気
の排出も効率的に行うことができるターボ分子ポンプが
提供されるのである。なお、本発明によれば、排気すべ
き気体の成分および排気運転時間に基づいて、熱交換器
の形状および伝熱面積を選択することができる。
[実施例] 以下第1図ないし第6図を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。
第1図は本発明の第1実施例を示す。全体を符号20で
示すターボ分子ポンプは、複数の動翼22を備えたロータ
24と、該動翼22間に配置された複数の静翼26を取付けた
ステータ28とを有している。そしてロータ24はモータ30
のモータ軸32に取付けられており、ステータ28はケーシ
ング34内に設けられている。このケーシング34には吸気
口36と排気口38が形成されており、吸気口36の下流側
(流路中排気口に近い側)で複数の動翼22および静翼26
の上流側には、これを保護するための保護網40が設けら
れている。そして吸気口36の上流側には図示しない締切
弁が配置されている。
以上の構成に加えて第1図のターボ分子ポンプ20に
は、その吸気口36において熱交換器42が設けられてい
る。この熱交換器42は冷媒配管44を介して冷凍機46に接
続されている。ここで、冷凍機46は、例えば米国特許第
4176526号で開示されているように、その内部の切換弁
(第1図では図示せず)により低温の冷媒流体が常温の
冷媒流体(またはホットガス)かのいずれかを選択的に
冷媒配管内に流すことができて、短時間で冷凍運転とデ
フロスト運転との切換を行い得るタイプの冷凍機であ
る。
第1図における熱交換器42は、第2A図ないし第4B図で
示すような構成を有している。第2A図および第2B図に示
す熱交換器42Aは、平面的な伝熱コイル72および複数の
伝熱プレート74を含んでおり、該伝熱プレート74は伝熱
コイルの上側および下側へ間隔を空けて設けられてお
り、その結果、前記吸気口から吸引された気体分子は該
伝熱プレート間を通過する。熱交換器42Aは、冷凍機46
(第1図)から冷媒配管44(第1図)を介して、冷却さ
れた冷媒が供給される。冷媒は冷媒入口70を介して供給
され、伝熱コイル72および伝熱プレート74を冷却し、冷
媒出口76より冷凍機46にもどされる。そして、水蒸気分
子が冷却された伝熱コイル72および伝熱プレート74に衝
突したとき、一定の確立をもって氷結捕集される。な
お、第2B図の矢印Aはターボ分子ポンプ20に吸引される
気体の流れを示す。
第3A図および第3B図において示された熱交換器42B
は、シリンダ状の伝熱コイル72′、該伝熱コイル72′を
同心的に包囲するシリンダ状の伝熱部材74′、および伝
熱コイル72′と伝熱部材74′の間に設けられた複数の半
径方向伝熱プレート74″を含んでいる。伝熱コイル7
2′、伝熱部材74′および伝熱プレート74″は、吸気口
から吸引された気体分子の流れに対して平行に配置さ
れ、該流れに対する抵抗(排気抵抗)を小さくしてい
る。
第4A図および第4B図に示す熱交換器42Cにおいては、
シリンダ状の熱シールド部材78がプレート79によって熱
交換器42Cの外側へ同心的に取付けられている。ここ
で、該熱交換器42Cは第3A図および第3B図で示す熱交換
器と同一の構造である。そして、熱シールド部材78は、
輻射伝熱による熱損失(熱吸収)を小さくするように作
用する。
第1図に示す実施例において、先ず排気運転工程の際
には、吸気口36の上流側にある図示しない締切弁を開放
し、冷凍機46を冷凍運転にして熱交換器42へ低温冷媒供
給する。そしてモータ30を回転して、吸気口36を介して
気体を吸込めば、吸込まれた気体中の水蒸気は熱交換器
42によって氷結捕集される。その結果、第1図のターボ
分子ポンプ20の排気効率が向上して、真空度の高い良質
な真空が得られる。また、水蒸気以外の分子量の小さい
気体分子(水素、ヘリウムその他)は、氷結捕集はされ
ないが熱交換器42と衝突することによってその気体温度
が低下し、それにより翼速度比が大きくなり、当該ポン
プ20の排気性能が向上する。
第5図で示す水蒸気の飽和蒸気圧のグラフを参照する
と、−85℃で水蒸気の飽和蒸気圧は10-4Torr(10-4mmH
g)であり、−140℃で10-10Torr(10-10mmHg)である。
このことから、水蒸気を冷却して氷結捕集して排気運転
をすれば、得られた真空の真空度が向上することが分
る。
ここで、第5図における飽和蒸気圧のグラフは平衡状
態を表していることを考慮すると、水蒸気を効率よく氷
結捕集を行うためには−85℃ないし−140℃よりもさら
に低い温度が必要となる。そのため、第1図の実施例に
おいては冷熱源として−100℃ないし−190℃の冷媒を用
いている。
第1図のターボ分子ポンプ20を用いて所定時間の排気
運転を行った後、氷結捕集した分子を解氷・放出する再
生運転を行う際には、吸気口36の上流側にある第1図で
は図示しない締切弁(第6図の符号90で示す部材と同
一)を閉鎖し、冷凍機46をデフロスト運転に切換えて、
常温の冷媒流体あるいはホットガスを熱交換器42に供給
して加熱する。その結果、熱交換器42に氷結捕集された
水蒸気が熱交換器42から熱を得て気化(昇華)して、動
翼22と静翼26との相互作用によって排出されるのであ
る。
次に第6図を参照して本発明の第2実施例について説
明する。第6図において、第1図と同一の部材は同一の
符号にて示されている。
第6図の実施例では、吸気口36においては熱交換器42
の他にヒータ52が設けられている。そして冷凍機46Aは
デフロスト運転可能なタイプのものでなくても良い。こ
の実施例において、排気運転工程については第1図の実
施例と同一であるが、再生運転工程においては、冷凍機
46Aの冷凍能力を維持あるいは低下しつつ、ヒータ52に
よって冷凍能力以上の加熱をするという操作を行う。そ
の結果、熱交換器42に氷結捕集された水蒸気はヒータ52
によって加熱され気化して、動翼22および静翼26の相互
作用により排出されるのである。尚、第6図において符
号90は締切弁、92は真空容器、あるいはそれに接続する
配管を示す。
この実施例においては、冷凍機を冷凍運転とデフロス
ト運転とに切換える必要がなく、運転切換の際の立ち上
り時間が不必要である。これにより、排気運転工程と再
生運転工程とからなる運転サイクルの効率をさらに向上
させることができる。
さらに、再生運転工程は、単に締切弁を閉鎖し且つタ
ーボ分子ポンプの排気作用を継続することによって行う
ことができる。すなわち、第6図で示すターボ分子ポン
プ50において、締切弁90が閉鎖され且つ該ターボ分子ポ
ンプ50の排気作用が継続する場合には、吸気口36の下流
側にある空間、すなわちトラップ室、内の蒸気圧が減少
し、それにより、熱交換器42上で氷結捕集された水蒸気
の昇華が発生しあるいは昇華量が増大する。例えば、ト
ラップ室内の温度が−120℃であり且つ締切弁90を閉鎖
する以前のトラップ室内の圧力が6×10-6Torrであると
仮定する(第5図におけるポイントA)。この状態で、
締切弁90を閉鎖し且つ排気作用を継続すれば、トラップ
室内の水蒸気圧は約1×10-8Torr(第5図におけるポイ
ントB)に減少する。従って、熱交換器42上で氷結捕集
された水蒸気は昇華し、ロータ24の動翼22とステータ28
の静翼26との相互作用によって排気されて、再生運転工
程が行われるのである。
このような再生運転工程は、第1実施例において必要
とされたような冷凍機46の冷凍運転とデフロスタ運転と
の切換えを要しない。また、第2実施例において必要と
されたような熱交換器42の加熱を要しない。従って、再
生運転工程にのみ用いられる特別な時間が必要では無く
なる。再生運転工程は、例えば半導体製造プロセスにお
けるターボ分子ポンプの通常の運転プロセス中の締切弁
遮断(閉鎖)時間を用いることよって、行われるのであ
る。そして、ターボ分子ポンプを連続して運転すること
が可能となり、さらに、第1および第2実施例に比較し
てターボ分子ポンプの効率を向上させることが可能とな
る。
[発明の効果] 以上説明したように本発明のターボ分子ポンプによれ
ば、排出すべき気体に含有される分子量の小さい気体分
子、特に水蒸気の存在による不都合を解消することがで
き、しかも起動・停止が容易に行われる。そのため真空
度の高い良質な真空を短時間で得ることができる。
また、この発明によるターボ分子ポンプは、気体分子
を氷結捕集するために、ターボ分子ポンプ構成部品の一
部、例えばケーシングや静翼を冷却するためではなく、
独立の熱交換器を設けることにより、排気系の成分およ
び排気継続時間に基づいて熱交換器の形状および伝熱面
積を選択できるという特徴をもつ。
さらに、本発明によれば、再生運転工程にのみ費やさ
れる時間を設定する必要がなく、ターボ分子ポンプを長
時間に亘り連続運転することができる。そのため、ター
ボ分子ポンプの運転効率が非常に高くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のターボ分子ポンプの第1実施例の正面
断面図、第2A図は第1図の熱交換器の一例を示す平面
図、第2B図はその正面図、第3A図は熱交換器の他の例を
示す平面図、第3B図はそのB−B線断面図、第4A図はさ
らにその他の熱交換器を示す平面図、第4B図はそのB−
B線断面図、第5図は水蒸気の飽和蒸気圧のグラフを示
す図、第6図は本発明の第2実施例の正面断面図、第7
図は従来のターボ分子ポンプの正面断面図である。 1、20、50……ターボ分子ポンプ、2、30……モータ、
3、32……モータ軸、4、24……ロータ、5、22……動
翼、6、26……静翼、7、28……ステータ、8、36……
吸気口、9、38……排気口、10、34……ケーシング、1
1、40……保護網、42……熱交換器、44……冷媒配管、4
6、46A……冷凍機、52……ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 文夫 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会 社荏原製作所内 (72)発明者 村井 幸夫 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会 社荏原製作所内 (72)発明者 辻村 学 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会 社荏原製作所内 (72)発明者 曽布川 拓司 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会 社荏原製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−90784(JP,A) 日本機械学会編「機械工学便覧(B8 編)」(新版)(昭62−4−15)P.B 8−10〜B8−11

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の動翼を備えたロータと、複数の静翼
    を備えたステータとを有し、吸気口から気体分子を取り
    込み圧縮して排気口から排出するターボ分子ポンプにお
    いて、吸気口内に熱交換器を設け、この熱交換器は冷媒
    配管を介して冷凍機に接続しており、吸気口の上流側に
    は締切弁が設けられていることを特徴とするターボ分子
    ポンプ。
  2. 【請求項2】前記冷凍機は、−100℃ないし−190℃程度
    の冷媒を供給する能力を有している請求項1記載のター
    ボ分子ポンプ。
  3. 【請求項3】前記冷凍機はデフロスト運転が可能である
    請求項1記載のターボ分子ポンプ。
  4. 【請求項4】吸気口内部にヒータを設けた請求項1記載
    のターボ分子ポンプ。
  5. 【請求項5】前記熱交換器は伝熱コイルおよび複数の伝
    熱プレートを含み、吸気口から吸引された気体分子が伝
    熱プレート間を通過するように該伝熱プレートは伝熱コ
    イルの上側および下側へ間隔を空けて配置されている請
    求項1記載のターボ分子ポンプ。
  6. 【請求項6】前記熱交換器は、シリンダ状の伝熱コイル
    と、該伝熱コイルを同心的に包囲するシリンダ状の伝熱
    部材と、伝熱コイルと伝熱部材の間に設けられた複数の
    半径方向伝熱プレートとを含み、伝熱コイル、伝熱部材
    および伝熱プレートは吸気口から吸引された気体分子の
    流れに対して平行に配置されている請求項1記載のター
    ボ分子ポンプ。
  7. 【請求項7】前記熱交換器は、前記シリンダ状の伝熱部
    材を同心的に包囲し且つ該伝熱部材の外側に取付けられ
    たシリンダ状の熱シールド部材を更に含んでいる請求項
    6のターボ分子ポンプ。
  8. 【請求項8】ターボ分子ポンプを運転する方法におい
    て、吸気口の上流側に設けた締切弁を開放して吸気口内
    に設けた熱交換器により水蒸気分子を氷結捕集する排気
    運転工程と、前記締切弁を閉鎖し氷結捕集した水蒸気分
    子を解氷放出する再生運転工程とを含むことを特徴とす
    るターボ分子ポンプの運転方法。
  9. 【請求項9】前記熱交換器は冷媒配管を介して冷凍機に
    接続されており、そして前記再生運転工程は、冷凍機を
    冷凍運転からデフロスタ運転に切換える工程を含んでい
    る請求項8記載のターボ分子ポンプの運転方法。
  10. 【請求項10】前記熱交換器は冷媒配管を介して冷凍機
    に接続されており、前記ターボ分子ポンプは吸気口内部
    にヒータを備えており、そして前記再生運転工程は前記
    冷凍機の冷凍能力を維持または低減して前記ヒータを冷
    凍機の冷凍能力を上回る程度に加熱する工程を備えてい
    る請求項8記載のターボ分子ポンプの運転方法。
  11. 【請求項11】前記再生運転工程は、前記締切弁を閉鎖
    して前記ターボ分子ポンプの排気作用を継続することに
    より行われる請求項8記載のターボ分子ポンプの運転方
    法。
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