JP2503099C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2503099C
JP2503099C JP2503099C JP 2503099 C JP2503099 C JP 2503099C JP 2503099 C JP2503099 C JP 2503099C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
weight
flux
soldering
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Harima Chemical Inc
Denso Corp
Original Assignee
Harima Chemical Inc
Denso Corp
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明ははんだ付け用フラックスに関するものである。 〔従来の技術〕 一般に、はんだを金属地金に拡散させるには、金属表面の酸化物等の汚れを取
り去るとともに、はんだ付け時の金属表面の再酸化を防止してはんだの表面張力
を低下させ、金属表面に溶融はんだが濡れ易いようにするためにはんだ付け用フ
ラックスが使用されている。 従来、かかるはんだ付け用フラックスとしては、ロジン等の低軟化点を有する
熱可塑性樹脂に酸化膜を除去する活性剤などを加えてなる樹脂系フラックスが汎
用されている。 しかしながら、はんだ付け部分が自動車のエンジンルーム等のように80℃以上
という高温雰囲気にされされる場合、約70℃以下の低軟化点を有するロジン等の
熱可塑性樹脂系フラックスが残存していると、この熱可塑性樹脂の溶融により、
この熱可塑性樹脂によって保持されていた活性剤中の活性イオンもまた遊離して
しまい、やはり電気絶縁性の阻害,金属表面の腐食の一因になるという問題も生
じていた。 そのため、従来でははんだ付け後残留フラックスを洗浄除去することにより、
上記問題を解決しているか、洗浄溶剤にフロン等を用いるために環境破壊の問題
が生起しているとともに、洗浄溶剤及び洗浄工程によるコスト高の欠点があった
。 〔発明が解決しようとする課題〕 そこで、本発明は、残留フラックスを洗浄することなく、即ち無洗浄で、高温
雰囲気で使用される場合にも電気絶縁性を保持しうるはんだ付け用フラックスを
提供することを目的とする。 〔課題を解決するための手段〕 第1の発明としては、酸価20以上であり、かつ重合性不飽和基を有するモノマ
ーである、アクリル酸,メタアクリル酸,アクリル酸の各種エステル,メタアク
リル酸の各種エステル,クロトン酸,イタコン酸,マレイン酸,無水マレイン酸
,マレイン酸のエステル,無水マレイン酸のエステル,アクリロニトリル,メタ
アクリロニトリル,アクリルアミド,メタアクリルアミド,塩化ビニル,酢酸ビ
ニルの少なくとも一種を重合又は共重合することによって得られるアクリル樹脂
よりなる熱可塑性樹脂を0.5〜80重量%と、活性剤を0.1〜20重量%とを少なくと
も有するはんだ付け用フラックスからなる。 なお、好ましくは、軟化点は230℃以下がよいが、これは、軟化点が230℃以上
になると、フローソルダリング時のフラックスの流動性を阻害するので好ましく
ないからである。特に、アクリル樹脂が好ましく、活性作用を助長する点で酸価
20以上のものを用いるのが好ましい。そのため、重合性不飽和基を有するモノマ
ー、例えば(メタ)アクリル酸、その各種エステル,クロトン酸,イタコン酸,
(無水)マレイン酸及びそのエステル,スチレン,ビニルトリエン,(メタ)ア
クリロニトリル,(メタ)アクリルアミド,塩化ビニル,酢酸ビニル等を使用し
て過酸化物等触媒を用い、塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法,乳化重合法等
ラジカル重合により重合されるものを使用するのがよい。 活性剤としては、エチルアミン,プロピルアミン,ジエチルアミン,トリエチ
ルアミン,エチレンジアミン,アニリン等のハロゲン化水素酸塩,乳酸,クエン
酸,ステアリン酸,アジピン酸,ジフェニル酢酸等の有機カルボン酸の使用が好
ましい。 さらに、第1の発明では、上記熱可塑性樹脂の一部を、従来用いられていたロ
ジン及び/又はその誘導体としてもよい。このロジン及び/又はその誘導体とし
ては通常のガム,トール,ウッドロジンが用いられ、その誘導体として熱処理し
た樹脂,重合ロジン,水素添加ロジン,ホルミル化ロジン,ロジンエステル,ロ
ジン変性マレイン酸樹脂,ロジン変性フェノール樹脂,ロジン変性アルキド樹脂
があり、金属の活性剤を均一に塗布するためのバイン ダーとして使用される。 また、第1の発明のフラックスを液状にて使用する場合には、さらに溶剤を加
えてもよい。この溶剤としては熱可塑性樹脂,活性剤さらにはロジン等の成分を
溶解して溶液とする極性溶剤が好ましく、通常アルコール系が使用されてよい。
特にイソプロピルアルコールは揮発性,活性剤の溶解性の点で好ましい。 第1の発明に使用するはんだ付け用フラックスにおける軟化点80℃以上の熱可
塑性樹脂は、フラックス全体の0.5〜80重量%が好ましい。0.5重量%以下である
とはんだ付け後の皮膜性が低下し、高温耐久性が低下してしまう。また、80重量
%以上であるとフラックス自体の粘度が高くなってしまい、フラックスの厚膜化
によるはんだ付け性の低下という問題が生じてしまう。本発明に使用される活性
剤は、フラックス全体の0.1〜20重量%が好ましい。0.1重量%以下であると活性
力が不足し、はんだ付け性が低下してしまう。また20重量%以上であると、フラ
ックスの皮膜性が低下し、親水性が強くなるので腐食性および絶縁性低下が生じ
てしまう。本発明のフラックスを液状として使用するために溶剤を添加する際に
は、溶剤はフラックス全体の20〜90重量%が好ましい。溶剤が20重量%以下であ
る時には、フラックスの粘度が高くなり、フラックスの塗布性が悪化してしまう
。また99重量%以上である時には、フラックスとしての有効成分(熱可塑性樹脂
等)が少なくなってしまう。 第2の発明は、酸価20以上であり、かつ重合性不飽和基を有するモノマーであ
る、アクリル酸,メタアクリル酸,アクリル酸の各種エステル,メタアクリル酸
の各種エステル,クロトン酸,イタコン酸,マレイン酸,無水マレイン酸,マレ
イン酸のエステル,無水マレイン酸のエステル,アクリロニトリル,メタアクリ
ロニトリル,アクリルアミド,メタアクリルアミド,塩化ビニル,酢酸ビニルの
少なくとも一種を重合又は共重合することによって得られるアクリル樹脂よりな
る熱可塑性樹脂を0.5〜80重量%と、エポキシ基含有化合物,ラジカル重合性不
飽和二重結合基化合物およびブロックイソシアネート基含有化合物の少なくとも
1種よりなる化合物を1重量%以上と、 活性剤を0.1〜30重量%とを少なくとも有するはんだ付け用フラックスからなる
。 第2の発明において用いる(a)熱可塑性樹脂としては、高温における耐久性
を保持するために軟化点80℃以上、好ましくははんだ付け時には軟化していなく
てはならない必要があることから80〜230℃のものが必要であり、特にアクリル
樹脂が好ましく、活性作用を助長する点で酸価20以上のものを用いるのが好まし
い。該樹脂は、ラジカル重合性不飽和基を有するモノマー、例えば(メタ)アク
リル酸,その各種エステル,クロトン酸,イタコン酸、(無水)マレイン酸及び
そのエステル,スチレン,ビニルトルエン,(メタ)アクリロニトリル,(メタ
)アクリルアミド,塩化ビニル,酢酸ビニル等を使用して過酸化物等触媒を用い
、塊状重合,溶液重合,懸濁重合,乳化重合等のラジカル重合法により重合され
るものを使用するのがよい。 第2の発明において用いるエポキシ基含有化合物としては、ビスフェノール系
,ノボラック系,アルキルフェノール系,レゾルシン系等のフェノール系グリシ
ジル型のもの、多価アルコール系グリシジル型のもの、エステル系グリシジル型
のもの、環状脂肪族エポキサイド,エポキシ化ポリブタジエン,エポキシ化グリ
セリド,エポキシ化脂肪酸等が挙げられ、更にこれらを用いて変性されたエポキ
シ化合物も挙げられる。これらは、1分子中に2ヶ以上のエポキシ基を有し、仮
にロジン等が含まれる場合においては、ロジン等のカルボン酸とも反応してフラ
ックス残渣の融点を上げるようなものを用いるのが好ましい。 第2の発明において用いるラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては
、はんだ付け後の残渣膜中に残留し過ぎると、熱軟化又は熱流動して耐久性を阻
害するために、はんだ付け時の加熱により80重量%以上揮発消失するものが必要
である。例えば(メタ)アクリル酸,その各種エスタル,クロトン酸,イタコン
酸,(無水)マレイン酸及びそのエステル,スチレン,ビニルトルエン,(メタ
)アクリルニトリル,(メタ)アクリルアミド,塩化ビニル,酢酸ビニル等が挙
げられ、特に(メタ)アクリル酸の各種エステルが、はんだ付け時の加熱におい
てハロゲン系活性剤との適度な反応性の点で 好ましい。 第2の発明において用いるブロックイソシアネート基含有化合物としては、ト
リレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシアネート,キシリレンジイ
ソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート
等のイソシアネート単量体、これら単量体から誘導される重合体及び多価アルコ
ール付加体等のイソシアネートプリポリマーとフェノール,クレゾール,アミン
類,アルコール類,ラクタム,オキシム等の活性水素化合物との反応物が挙げら
れ、低揮発性低毒性の点でイソシアネートプレポリマーのブロック化合物を用い
るのが好ましい。 第2の発明において用いる活性剤としては、エチルアミン,プロピルアミン,
ジエチルアミン,トリエチルアミン,エチレンジアミン,アニリン等のハロゲン
化水素酸塩,乳酸,クエン酸,ステアリン酸,アジピン酸,ジフェニル酢酸等の
有機カルボン酸が挙げられ、金属の清浄化のために必要であり、活性作用の点で
ハロゲン化水素酸塩の使用が好ましい。 さらに、本発明は上記熱可塑性樹脂の一部として、従来より使用されているロ
ジン及び/又はその誘導体を用いてもよい。 このロジン及び/又はその誘導体としては、ガムロジン,トールロジン,ウッ
ドロジン,熱処理ロジン,水素添加ロジン,不均化ロジン,重合ロジン,ホルミ
ル化ロジン,ロジンエステル,ロジン変性マレイン酸樹脂,ロジン変性フェノー
ル樹脂,ロジン変性アルキド樹等が挙げられ、金属の及び活性剤を均一に塗布す
るためのバインダーとして有用である。 また、本発明のフラックスを液状で使用する際には、さらに有機溶剤を混合し
てもよい。この有機溶剤としては、エチルアルコール,イソプロピルアルコール
,エチルセロソルブ,ブチルカルビトール等のアルコール系溶剤,酢酸エチル,
酢酸ブチル等のエステル系溶剤,トルエン,テレピン油等の炭化水素系溶剤、ア
セトン,メチルエチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられ、揮発性,活性剤の
溶解性の点でイソプロピルアルコールが好ましい。 第2の発明に使用するはんだ付け用フラックスにおける軟化点80℃以上の熱可
塑性樹脂は、フラックス全体の0.5〜80重量%が好ましい。0.5重量% 以下であるとはんだ付け後の皮膜性が低下し、高温耐久性が低下してしまう。ま
た80重量%以上であるとフラックス自体の粘度が高くなってしまい、フラックス
の厚膜化によるはんだ付け性の低下という問題が生じてしまう。第3の発明に使
用されるモノマーは、フラックス全体の1重量%以上が好ましい。1重量%以下
であると、活性剤の失活性作用が十分にできず、耐腐食性および耐絶縁性を十分
保持できなくなる。第3の発明に使用される活性剤は、フラックス全体の0.1〜3
0重量%が好ましい。0.1重量以下であると活性力が不足し、はんだ付け性が低下
してしまう。また30重量%以上であると、フラックスの皮膜性が低下し、親水性
が強くなってしまい、腐食性および絶縁性低下が生じてしまう。第3の発明のフ
ラックスを液状として使用するために溶剤を添加する際には、溶剤はフラックス
全体の20〜99重量%が好ましい。溶剤が20重量%以下である時、フラックスの粘
度が高くなり、フラックスの塗布性が悪化してしまう。また99重量%以上である
時には、フラックスとしての有効成分(熱可塑性樹脂等)が少なくなってしまい
、はんだ付け性が悪化してしまう。 〔作用〕 第1の発明のフラックスを採用すると、酸価20以上であり、かつ重合性不飽和
基を有するモノマーである、アクリル酸,メタアクリル酸,アクリル酸の各種エ
ステル,メタアクリル酸の各種エステル,クロトン酸,イタコン酸,マレイン酸
,無水マレイン酸,マレイン酸のエステル,無水マレイン酸のエステル,アクリ
ロニトリル,メタアクリロニトリル,アクリルアミド,メタアクリルアミド,塩
化ビニル,酢酸ビニルの少なくとも一種を重合又は共重合することによって得ら
れるアクリル樹脂よりなる0.5〜80重量%の熱可塑性樹脂を採用しているので、
活性作用を大幅に助長することができ、はんだ付け用フラックスとしての酸化膜
除去性能をより向上させることができるばかりでなく、容易にこのフラックスを
得ることができる。 第2の発明に係るフラックスを採用することによって、酸価20以上であり、か
つ重合性不飽和基を有するモノマーである、アクリル酸,メタアクリル酸,アク
リル酸の各種エステル,メタアクリル酸の各種エステル,クロトン酸, イタコン酸,マレイン酸,無水マレイン酸,マレイン酸のエステル,無水マレイ
ン酸のエステル,アクリロニトリル,メタアクリロニトリル,アクリルアミド,
メタアクリルアミド,塩化ビニル,酢酸ビニルの少なくとも一種を重合又は共重
合することによって得られるアクリル樹脂よりなる0.5〜80重量%の熱可塑性樹
脂を採用しているので、活性作用を大幅に助長することができ、はんだ付け用フ
ラックスとしての酸化膜除去性能をより向上させることができる。さらに、エポ
キシ基含有化合物,ラジカル重合性不飽和二重結合基化合物およびブロックイソ
シアネート基含有化合物の少なくとも1種よりなる化合物を1重量%以上含有さ
せているので、例えフラックス残査を洗浄除去しなくても、エポキシ基含有化合
物,ラジカル重合性不飽和二重結合基化合物およびブロックイソシアネート基含
有化合物が、はんだ付けの時の加熱によりフラックス残査中の活性剤中の活性イ
オンであるハロゲン化水素酸と付加反応を起こして、活性剤を失活させる結果、
フラックス残査中の活性イオンをなくすことができ、絶縁性抵抗性,耐腐食性を
低下させることがないので、信頼性を向上させることができる。さらには、この
ようなフラックスを容易に得ることができる。 〔実施例〕 第1実施例においては、80℃以上の軟化点を有する熱可塑性樹脂としてアクリ
ル樹脂を用い、詳細には、酸価160,軟化点130℃のスチレンアクリル樹脂をフラ
ックス全体の11.1重量%使用した。また不均化ロジンを74重量%使用した。活性
剤としては、アジピン酸を1.2重量%,アニリン臭化水素酸塩を0.3重量%を使用
した。また溶剤としては、イソプロピルアルコールを80重量%使用した。上記成
分を十分均一に溶解拡散し、第1実施例のフラックスを得た後、各試験を行った
。試験方法としては、不粘着性,広がり率,絶縁抵抗,腐食性,はんだ付け性、
およびコーティング剤との付着性を行った。不粘着試験,広がり率試験,絶縁性
試験および腐食性試験はJIS.Z3197に従った。はんだ付け性は、紙フェノール基
板(90×135mm)を噴流はんだ付け装置ではんだ付した後、不良を目視観察した
。コーティング剤との付着性は、アクリル性コーティング剤を上に塗った後、冷
熱サイクル試験(−30℃×30 分→25℃×30分を10サイクル)を行い、剥離や亀裂を目視観察した。第1実施例
の結果を第1表に示す。 第2実施例においては、熱可塑性樹脂として酸価130,軟化点約120℃のメチル
メタクリレートを主成分とするアクリル樹脂を11.1重量%使用した。他の成分は
第1実施例と同一とし、これらを十分均一に溶解拡散させ、第2実施例のフラッ
クスを得た。そして第1実施例と同様の試験を行い、その結果を第1表に合わせ
示した。 第3実施例としては、熱可塑性樹脂を、酸価が160,軟化点110を有するイソブ
チルメタクリレート主成分とするアクリル樹脂11.1重量%とした以外は、第1実
施例と同一成分とし、均一に混合溶解させた後、第1実施例と同様の試験を行い
、その結果を第1表に合わせ示した。 〔第1比較例〕 第1比較例として、不均化ロジンを18.5重量%,活性剤としてアジピン酸を1.
2重量%,アニリン臭化水素酸塩0.3重量%さらに溶剤として、イソプロピルアル
コール80.0重量%を均一に混合溶解しフラックスを得た後、第1実施例と同様の
試験を行い、その結果を第1表に合わせ示した。 第1表よりあきらかなように第1の発明のフラックスは、従来のフラックスに
比べ、耐絶縁性,耐腐食性に優れていることがわかる。 また、第4実施例においてはロジン系フラックス成分と80℃以上という高い軟
化点を有する熱可塑性樹脂とが相溶し、均一塗布が可能となりはんだ付け不良が
起こりにくく、上のコーティング剤との付着性も良好で低温時の膜の亀裂も起こ
りにくいフラックスを得ることができた。 従って、はんだ付け用フラックスとして極めて有用であり、無洗浄の結果、溶
接コストの低減に役立つ。 〔第5〜8実施例〕 第2の発明であるはんだ付け用フラックスにおいては、第5実施例として80℃
以上の軟化点を有する熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂を用い、詳細には、酸価
130,軟化点130℃のスチレンアクリル樹脂を18.5重量%使用した。活性剤として
は、アジピン酸を1.2重量%,プロピルアミン塩酸塩を0.32重 量%を使用した。ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、メタアク
リル酸のエステルの1種である2エチルヘキシルメタクリレートを4.8重量%を
使用した。また溶剤としては、イソプロピルアルコール75.2重量%使用した。上
記成分を十分均一に溶解拡散し、フラックスを得た後、各試験を行った。試験方
法としては、不粘着性,広がり率,絶縁抵抗,腐食性、はんだ付け性,皮膜中の
塩素含有率を行った。不粘着試験,広がり率試験,絶縁性試験および腐食性試験
はJIS.Z3197に従った。また、塩素含有量は、メタノールで可溶分を抽出後、JIS
.Z3197に従って。はんだ付け性は、紙フェノール基板(90×135mm)を噴流はん
だ付け装置ではんだ付した後、不良を目視観察した。 第5実施例の結果を第2表に示す。 第6実施例においては、熱可塑性樹脂としてスチレンアクリル樹脂を11.1重量
%,不均化ロジンを7.4重量%使用した。また、活性剤としてはアジピン酸を1.3
重量%およびプロピルアミン塩酸塩を0.3重量%を使用した。モノマーとしては
2エチルヘキシルメタクリレートを4.8重量%使用した。さらに溶剤としては、
イソプロビルアルコールを75.2重量%使用した。これらを十分均一に溶融拡散さ
せ、第5実施例と同様の試験を行い、その結果を第2表に合わせ示した。 第7実施例としては、第6実施例のモノマーをメタアクリル酸のエステルの1
種であるベンジルメタクリレートを4.8重量%とした他は第6実施例と同一成分
とし、第5実施例と同様の試験を行い、その結果を第2表に合わせ示した。 第8実施例としては、第6実施例のモノマーをメタアクリル酸のエステルの1
種であるエチレングリコールジメタクリレートを4.8重量%とした他は第6実施
例と同一成分とし、第5実施例と同様の試験を行い、その結果を第2表に合わせ
示した。 〔第2比較例〕 第2比較例として、熱可塑性樹脂として不均可ロジンを18.5重量%、溶剤とし
てイソプロピルアルコールを80重量%とし、他は、第6実施例と同一成 分とし、第5実施例と同様の試験を行い、その結果を第2表に合わせ示した。 第2表より明らかに、第2の発明を採用することにより、従来のフラックスと
比べて各種特性に優れたフラックスを得ることができた。 また第2表において、皮膜中のハロゲンの一種である塩素含有率が本発明のフ
ラックスを使用したはんだ付け後では、0.1%以下を示していることからフラッ
クス中の活性剤中に含まれる活性イオン(ハロゲン)の不活性化が十分作用して
いることが理解される。 さらに、上記実施例において軟化点が80℃以上の熱可塑性樹脂として、アクリ
ル樹脂を用いたので、高温雰囲気における電気絶縁性及び耐腐食性が保持できた
ばかりでなく、低温時におけるはんだのフラックス残渣および亀裂を防止するこ
とができた。 〔発明の効果〕 本発明を採用することにより、はんだ付け後フラックスを洗浄することなく、
高温雰囲気で使用される場合にも優れた電気絶縁性を保持でき、はんだ付け部の
信頼性を向上させたはんだ付け用フラックスを提供できる。 また、本発明を採用することによってはんだ付け後のフラックス残渣を洗浄除
去する必要がないので、洗浄工程の省略によりコスト低下につながるばかりでな
く、フロン等による環境汚染も防止することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 酸価20以上であり、かつ重合性不飽和基を有するモノマーである、アクリル酸
    ,メタアクリル酸,アクリル酸の各種エステル,メタアクリル酸の各種エステル
    ,クロトン酸,イタコン酸,マレイン酸、無水マレイン酸,マレイン酸のエステ
    ル,無水マレイン酸のエステル,アクリロニトリル,メタアクリロニトリル,ア
    クリルアミド,メタアクリルアミド,塩化ビニル,酢酸ビニルの少なくとも一種
    を重合又は共重合することによって得られるアクリル樹脂よりなる熱可塑性樹脂
    を0.5〜80重量%と、 活性剤を0.1〜20重量%と、 を少なくとも有することを特徴とするはんだ付け用フラックス。 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂は、軟化点が80℃以上であることを特徴とする請求項1記載
    のはんだ付け用フラックス。 【請求項3】 酸価20以上であり、かつ重合性不飽和基を有するモノマーである、アクリル酸
    ,メタアクリル酸,アクリル酸の各種エステル,メタアクリル酸の各種エステル
    ,クロトン酸,イタコン酸,マレイン酸,無水マレイン酸,マレイン酸のエステ
    ル,無水マレイン酸のエステル,アクリロニトリル,メタアクリロニトリル,ア
    クリルアミド,メタアクリルアミド,塩化ビニル,酢酸ビニルの少なくとも一種
    を重合又は共重合することによって得られるアクリル樹脂よりなる熱可塑性樹脂
    を0.5〜80重量%と、 エポキシ基含有化合物,ラジカル重合性不飽和二重結合基化合物およびブロック
    イソシアネート基含有化合物の少なくとも1種よりなる化合物を1重量%以上と
    、 活性剤を0.1〜30重量%と を少なくとも有することを特徴とするはんだ付け用フラックス。【請求項4】 前記熱可塑性樹脂は、軟化点が80℃以上であることを特徴とする請求項3記載
    のはんだ付け用フラックス。

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2503099B2 (ja) はんだ付け用フラックス
JP5181136B2 (ja) はんだ接合構造およびはんだ付け用フラックス
US10099321B2 (en) Flux and solder paste
JP2008062252A (ja) はんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物
KR100260018B1 (ko) 납땜용 플럭스
EP2692479B1 (en) Flux for soldering and solder paste composition
JP2000515571A (ja) 金属表面処理
JP6136851B2 (ja) はんだ用フラックスおよびはんだペースト
JPH084953B2 (ja) フラックス又ははんだペースト用腐食防止剤
JP2503099C (ja)
JP2008120970A (ja) アクリル系粘着剤及びこれを用いた粘着テープ
JP4516632B2 (ja) アクリル系感圧性接着剤組成物とその接着シ―ト類
JP5209825B2 (ja) はんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物
JPH05202347A (ja) アルカリ水溶性粘着剤及びマスキングテープ
JP4819624B2 (ja) はんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物
JP7407733B2 (ja) フラックスシート及びフラックスシートを用いたはんだ接合方法
JP2561452B2 (ja) ソルダペースト
JPH11123588A (ja) アルミニウムろう付け用バインダ
JPH06145624A (ja) アルカリ性水溶性粘着剤の製造方法
JPH0822473B2 (ja) 金属表面を保護しはんだ付けを容易にする方法ならびにそれに使用するフィルムおよび溶液
JPH1161079A (ja) 精密加工用仮着接着剤
JP5604374B2 (ja) はんだ付け用フラックスおよびはんだペースト組成物
JPH0825082A (ja) 仮固定性フラックス
JPH05331441A (ja) アルカリ水溶性粘着剤組成物及び粘着テープ