JP7407733B2 - フラックスシート及びフラックスシートを用いたはんだ接合方法 - Google Patents

フラックスシート及びフラックスシートを用いたはんだ接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品、配線板、基板、半導体チップ、ウエハ、パネル等のはんだ接合等に使用されるフラックスシート、及び、当該フラックスシートを用いたはんだ接合方法に関する。更に詳しくは、基板との接着性に優れるフラックスシートに関するものである。
電子部品を基板などへ実装する手法として、例えば、基板の表面にはんだ付けを行う表面実装手法と、基板の穴に電極リード端子を挿入してはんだ付けを行うスルーホール実装手法等が知られている。表面実装手法としては、例えば、基板の電極上に予めはんだバンプを形成し、このはんだを介して電子部品と基板を電気的に接合する等の手法がある。はんだバンプを形成する方法としては、はんだボール等を基板等の回路電極上に搭載する方法等が知られている。
一方、はんだボール等に使用されるはんだの表面は酸化されやすく、正常なはんだ接合を形成させるためには、はんだ表面を覆っている金属酸化物を除去する必要がある。金属酸化物を除去する方法としては、例えば、液状やペースト状のフラックス(融剤)を予めはんだに塗布する方法が知られている。
液状やペースト状のフラックスは、塗布量の調整が難しく、作業性に劣ると共に、フラックスの塗布量が少ないバンプでは、酸化物除去作用が弱いため、はんだ接合の不良を起こすことが問題であった。そこで、例えば、特許文献1では、前記問題を解決するために、ポリビニルアルコールに由来する構造を有する樹脂(A1)、もしくはポリビニルピロリドンに由来する構造を有する樹脂(A2)とフラックス剤(B)とを含む、フラックスフィルムを用いたフリップチップ接合方法が開示されている。
特開2014-168791号公報
しかしながら、上記先行技術文献に開示されたフラックスフィルムは基板との接着性が弱いため、作業時、又は、はんだリフロー中にフィルムと基板とがズレ、その結果はんだボールと基板上の電極とのズレが生じており、そのため、ポリイミドテープ等で別途固定するといった作業が必要になるといった問題が生じている。
そこで、本発明の課題は、基板との接着性が強く、リフロー中にはんだボールのズレが生じないフラックスシートを提供することである。
発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、ガラス転移点が40℃以下で、150℃の溶融粘度が500Pa・s(せん断速度10mm/分で測定)以下である樹脂(a1)を含有することで、基板との接着が良好であり、リフロー中にはんだボールのズレが生じないフラックスシートが得られることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のフラックスシート及びはんだ接合方法である。
上記課題を解決するための本発明のフラックスシートは、樹脂(A)を含むことを特徴とするフラックスシートであって、前記樹脂(A)が、ガラス転移点が40℃以下で、150℃の溶融粘度が500Pa・s(せん断速度10mm/分で測定)以下である樹脂(a1)を含有することを特徴とする。
この特徴によれば、基板との接着性及びはんだボールの保持力が強く、シートの平坦性が良好であるため、シート軟化後にはんだボールが真下に沈むことができ、はんだボールのズレが生じないという効果を発揮することができる。さらに、本発明のフラックスシートは、低温でもラミネートすることができ、またラミネートしなくても基板との接着性が良好であるという効果を生じる。
また、本発明のフラックスシートの一実施態様としては、前記樹脂(A)が、ガラス転移点が40℃以下で、150℃の溶融粘度が500Pa・s(せん断速度10mm/分で測定)以下である樹脂(a1)を35~99質量%、ガラス転移点が前記樹脂(a1)より大きい樹脂(a2)を1~65質量%含有することを特徴とする。
この特徴によれば、基板との接着性が良好であり、リフロー中にはんだボールのズレが生じないという効果を発揮できるとともに、フラックスシートの接着性やタック性を制御できるという効果により優れたリワーク性を発揮することができる。
また、本発明のフラックスシートの一実施態様としては、前記フラックスシートが、フラックス剤(B)を含有することを特徴とする。
この特徴によれば、はんだボールの濡れ性を向上させることができ、はんだリフロー時に、はんだボールと電極との位置ズレを補正することができるという効果(セルフアライメント効果)を発揮することができる。
また、本発明のフラックスシートの一実施態様としては、前記フラックスシートは、実質的に(B)以外の低分子化合物を含有しないことを特徴とする。
この特徴によれば、はんだリフロー時における低分子化合物の気化等による基板汚染や、はんだの転がりによるズレを抑制することができるという効果を発揮することができる。
また、本発明のフラックスシートの一実施態様としては、前記樹脂(a1)が水溶性であることを特徴とする。
この特徴によれば、フラックスシートの作製時や実装時やはんだリフロー後、フラックスシートを洗浄する際に、水系の溶媒を用いることができる。これにより揮発性の高い有機溶媒を使用せずにフラックスシートを洗浄することが可能となるため、有機溶媒の揮発による環境負荷を低減することができるという効果を発揮することができる。
また、本発明のフラックスシートの一実施態様としては、前記樹脂(a1)がポリビニルアルコールの一部のヒドロキシ基(-OH)を、アルキレンオキサイド鎖が1つ又は複数連結した部分構造―(CH(R)CH(R)O)―R(nはアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数(平均値)を表し、1.0以上である。R,R及びRは、互いに独立して水素原子又は有機基を示す。R,R及びRが複数ある場合、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。)に置換した変性ポリビニルアルコール、ポリアミド及びポリエステルから選択される1種以上を含むことを特徴とする。
この特徴によれば、基板との接着性が良好であり、リフロー中にはんだボールのズレが生じないという効果をより発揮することができる。
また、本発明のフラックスシートの一実施態様としては、(a2)としてポリビニルアルコールを含有することを特徴とする。
この特徴によれば、接着性やタック性を制御して作業時の取り扱い性をよくし、リワーク性に優れ、また見かけの水溶性を向上させることができる。
また、本発明のフラックスシートの一実施態様としては、前記フラックスシートにおいて、前記樹脂(A)の含有量が50質量%以上であること特徴とする。
この特徴によれば、はんだボール保持力と、良好な取り扱い性を両立させることができる。
また、本発明のフラックスシートの一実施態様としては、前記フラックスシートの面積が30000mm以上であることを特徴とする。
この特徴によれば、はんだボールと電極との位置ズレがより大きく発生する大面積のウエハや基板に対して、位置ズレをより抑制することができるという効果を発揮することができる。
上記課題を解決するための本発明のはんだ接合方法は、前記フラックスシートを用いたはんだ接合方法であって、下記(1)~(4)のステップを有することを特徴とする。
(1)電極を有する基板の電極を有する面に前記フラックスシートを配置するステップ
(2)前記フラックスシートの上に、はんだボールを配置するステップ
(3)前記フラックスシートが溶融或いは軟化する温度に加熱するステップ
(4)(3)と同時或いはその後、はんだの融点以上の温度に加熱するステップ
この特徴によれば、基板との接着性が強く、リフロー中にはんだボールのズレが生じないフラックスシートを用いることから、はんだ接合の不良等が生じないという効果を発揮することができる。
本発明によれば、基板との接着性が強く、リフロー中にはんだボールのズレが生じないフラックスシートを提供することができる。
本発明のはんだ接合方法を説明するための概略図であり、電極を備える基板の概略平面図である。 本発明のはんだ接合方法を説明するための概略図であり、電極を備える基板の概略断面図である。 本発明のはんだ接合方法を説明するための概略図であり、工程(1)における、電極を備える基板の電極面側に、本発明のフラックスシートを配置する方法の一例を示した概略断面図である。 本発明のはんだ接合方法を説明するための概略図であり、工程(2)における、はんだボールを本発明のフラックスシートを介して、基板の電極上に位置するように配置する方法の一例を示した概略断面図である。 本発明のはんだ接合方法を説明するための概略図であり、工程(3)における、はんだボールを、基板の電極と接合させた、はんだ接合基板の一例を示した概略断面図である。 本発明のはんだ接合方法を説明するための概略図であり、工程(4)終了後に、フラックスシートを除去した、はんだ接合基板の一例を示した概略断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
[フラックスシート]
本発明のフラックスシートは、樹脂(A)を含むフラックスシートであって、前記樹脂(A)が、ガラス転移点が40℃以下で、150℃の溶融粘度が500Pa・s(せん断速度10mm/分で測定)以下である樹脂(a1)を含有することを特徴とする。本発明において、「フラックスシート」とは、はんだ接合の形成のために用いられるシートであって、はんだ表面の酸化皮膜を除去するために用いるものである。具体的には、樹脂(A)としてフラックス作用を有する樹脂を含有する、もしくはフラックスシートがフラックス剤(B)を含有する、のうち少なくとも一方を満たすことで、フラックス効果を有するシート(フラックスシート)とすることができる。
<樹脂(A)>
本発明の樹脂(A)は、ガラス転移点が40℃以下で、150℃の溶融粘度が500Pa・s以下である樹脂(a1)を含有することを特徴とする。
ガラス転移点は、物質のガラス転移が起こる温度(ミクロブラウン運動が起こる温度)であり、一般的にガラス転移点未満の温度領域では、硬くガラス状の性質を示し、ガラス転移点より高い温度領域では、軟らかくゴム状や液体状の性質を示す。
上記樹脂(a1)のガラス転移点と接着性の関係について説明すると、アモルファス構造をもつ高分子シートでは、ガラス転移温度より低温で硬いガラス状態、高温で軟らかいゴム状態となる。そのため、ガラス転移温度が低い(室温付近、更には室温以下)樹脂を含むシートは、取り扱う温度領域で軟らかく、基板にシートを配置する際に、基板と界面での密着性が向上するため、シートの接着力が強くなるといえる。またガラス転移温度が低い樹脂を含むシートは、基板の反り発生や熱分解などの悪影響を及ぼす可能性の低い、比較的低温(60~80℃程度)の領域でも、ボイドをかむことなくラミネートできるといえる。結果、ガラス転移点を40℃以下とすることで粘着付与剤等を添加することなく基板・はんだボールと接着性が良好なフラックスシートが得られる。
本発明において、樹脂(a1)のガラス転移点は40℃以下であり、上限値としては、好ましくは30℃以下であり、より好ましくは20℃以下であり、更に好ましくは10℃以下であり、特に好ましくは0℃以下であり、最も好ましくは-20℃以下である。樹脂(a1)のガラス転移点を40℃以下とすることで、樹脂(a1)を含有する樹脂(A)が軟らかくなり、基板とフラックスシートとの接着性が向上する。また、はんだボールが自重で沈み込むことができ、はんだボールの位置ずれを抑制することができる。
本発明において、ガラス転移点は、示差走査熱量測定装置(X-DSC7000 セイコーインスツル株式会社製)を用いて測定することができる。
更に、本発明において、樹脂(a1)は150℃の溶融粘度が500Pa・s以下であることを特徴とする。上限値としては、好ましくは、400Pa・s以下であり、より好ましくは350Pa・s以下であり、更に好ましくは200Pa・s以下である。樹脂(a1)の150℃の溶融粘度を500Pa・s以下とすることで、はんだリフロー時に、はんだボールが自重で沈み、基板の電極上に接する(シートを貫通すること)ことができ、はんだの融点以上に昇温されると、ボールと電極は濡れてはんだ接合を形成でき、はんだボールの位置ずれを抑制することができる。
本発明において、150℃の溶融粘度はせん断速度10mm/minの条件で、キャピラリーレオメーター(キャピログラフID 株式会社東洋精機製作所製)により測定することができる。
ガラス転移点が40℃以下で、150℃の溶融粘度が500Pa・s以下である樹脂(a1)としては特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン-環状オレフィン共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリルアミド系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレンマレイン酸樹脂、カルボキシル基末端ブタジエンニトリル共重合体(CTBN)等の付加系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン等の縮合系樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル系樹脂、ポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン系樹脂、ポリシクロオレフィン等の開環重合系樹脂が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いることもできる。これらのなかでも、変性ポリビニルアルコール、ポリアミド及びポリエステルから選択される1種以上を含むことが好ましい。
またポリビニルアルコールは、水溶性の観点から、ケン化度が75~90mol%であることが好ましく、85~90mol%であることがより好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度を上記範囲内とすることで、結晶化して水に溶けにくくなることや親水性基が少なくなり水に溶けにくくなることを抑制することができる。一方、親水性基変性したポリビニルアルコールの場合は、より低いケン化度でも水に溶ける。後述の変性ポリビニルアルコールの場合は、ヒドロキシ基以外の親水性基をグラフト化あるいは主鎖中にブロック化などすることで溶解性を改善できるので、ケン化度は30~60mol%であることが好ましく、40~50mol%であることが更に好ましい。親水性基変性に用いる親水性基としては、例えば、エチレングリコール等のアルキレンオキサイド化合物等が好ましい。
これらの樹脂において、ヒドロキシ基またはカルボキシル基、アミノ基を含む樹脂は、樹脂自体がフラックス作用を有するため、フラックス剤を配合しなくても、フラックスシートとして用いることができる。具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、カルボキシル基末端ブタジエンニトリル共重合体(CTBN)、ポリウレタンなどの樹脂が、溶融状態でフラックス活性を示すことができる。
本発明において、樹脂(a1)の重量平均分子量は、好ましくは1×10~2.0×10である。下限値としては、好ましくは3.0×10以上であり、より好ましくは8.0×10以上である。上限値としては、好ましくは1.5×10以下であり、より好ましく1.0×10以下である。更に好ましくは5.0×10以下である。樹脂(a1)の重量平均分子量を前記範囲内とすることで、シートの成形性が良好となり、はんだ接合後のシートの溶解除去やボールのシート貫通性が良好となる。
樹脂(a1)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1~30である。下限値としては、好ましくは1.5以上であり、より好ましくは1.8以上である。上限値としては、好ましくは15以下であり、より好ましくは8以下である。樹脂(a1)の上記分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液に用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定し、樹脂(a1)の分子量はポリスチレン換算値である。
本発明の樹脂(a1)は、好ましくは水溶性である。水溶性とは、25℃、1気圧の条件下において、水100質量部に対して、樹脂(a1)が5質量部以上溶解することを意味する。下限値としては、好ましくは、10質量部以上溶解し、より好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは30質量部以上である。
樹脂(a1)が、水溶性であることで、フラックスシートを製造する際に、水系の溶媒を用いて製造することができる。また、フラックスシートを洗浄する際に、水系の溶媒を用いることができ、有機溶媒の揮発による環境負荷を低減することができるという効果を発揮することができる。
上記樹脂(a1)としては、例えば、ポリビニルアルコールの一部のヒドロキシ基(-OH)を、アルキレンオキサイド鎖が1つ又は複数連結した部分構造-(CH(R)CH(R)O)-R)に置換した変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
nはアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数(平均値)を表し、好ましくは1.0以上である。nの下限値としては、好ましくは1.0以上であり、より好ましくは2.0以上であり、更に好ましくは5.0以上であり、特に好ましくは6.0以上である。上限値としては、好ましくは300.0以下であり、より好ましくは200.0以下であり、更に好ましくは65.0以下である。
nを上記範囲内とすることで、接着性に優れたフラックスシートを得ることができる。
、Rとしては、それぞれ水素原子又は有機基が好ましく、有機基としては炭素原子数1~10のアルキル基が好ましい。炭素原子数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
としては水素原子又は有機基が好ましく、有機基としては炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10アシル基、炭素原子数1~10のアルキルエステル基、炭素原子数1~10のアルキルアミド基、スルホン酸塩基が好ましい。
炭素原子数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
炭素原子数1~10アシル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、i-プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、ヘキシル基カルボニル等が挙げられる。
炭素原子数1~10のアルキルエステル基としては、メチルオキシカルボニルメチレン基、メチルカルボニルオキシメチレン基、エチルオキシカルボニルエチレン基、エチルカルボニルオキシエチレン基等が挙げられる。
炭素原子数1~10のアルキルアミド基としては、N,N’-ジメチルアミドアルキレン基、N,N’-ジエチルアミドアルキレン基等が挙げられる。
前記変性ポリビニルアルコールとして、具体的には、商品名「ゴーセネックス(登録商標)LW-100(日本合成化学工業社製;ガラス転移点-0.5℃、150℃の溶融粘度:63Pa・s(せん断速度10mm/分)、ケン化度43.1mol%」)が挙げられる。
前記ポリエステルとして、具体的には、商品名「ペスレジンA-680(高松油脂株式会社製;ガラス転移点30℃、150℃の溶融粘度:29Pa・s(せん断速度10mm/分))、前記ポリアミドとして、具体的には、商品名「AQナイロン T-70(東レ株式会社製;ガラス転移点-46℃、150℃の溶融粘度:17Pa・s(せん断速度10mm/分))が挙げられる。
本発明の樹脂(A)は、上記樹脂(a1)を35質量%以上含有することが好ましい。また、本発明の樹脂(A)は、上記樹脂(a1)に加えて、その他の樹脂を含有することも可能である。その他の樹脂としては、ガラス転移点が前記樹脂(a1)より高い樹脂(a2)を含有することが好ましい。
樹脂(a2)としては、ガラス転移点が前記樹脂(a1)より高い樹脂であれば、限定されないが、例えば、上記樹脂(a1)において例示した熱可塑性樹脂を用いることができる。更に、上記熱可塑性樹脂に加えて、熱硬化性樹脂等も含有することができるが、洗浄性の観点からは熱硬化性樹脂は45質量%以下であることが好ましい。熱硬化性樹脂の含有量を60質量%以下とすることで、熱硬化性樹脂が組成物中において島相を形成することができ、良好な洗浄性を得ることができるため好ましい。
樹脂(a2)のガラス転移点としては、40℃より高いことが好ましい。また、下限値としては、より好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60℃以上である。
ガラス転移点が前記樹脂(a1)より高い樹脂(a2)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン-環状オレフィン共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリルアミド系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレンスチレンマレイン酸樹脂等の付加系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン等の縮合系樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル系樹脂、ポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン系樹脂、ポリシクロオレフィン等の開環重合系樹脂が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いることもできる。
本発明の樹脂(A)は、樹脂(a2)を含有する場合は、好ましくは樹脂(a1)を35~99質量%、樹脂(a2)を1~65質量%含有する。
樹脂(a1)の含有量は、下限値としては、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは65質量%以上であり、更に好ましくは、70質量%以上である。上限値としては、95質量%以下であり、より好ましくは、90質量%以下である。
樹脂(a2)の含有量は、下限値としては、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。上限値としては、40質量%以下であり、より好ましくは、35質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。
発明の樹脂(A)は、樹脂(a1)に加えて、樹脂(a2)を加えることで、基板等に対する粘着力を制御することができる。また配置されたはんだボールの位置を簡単に補正することができ、リワーク性が向上する。更に、シート自体の柔軟性や取扱い性に優れる。また、樹脂(a2)の含有量を上記範囲内とすることで、水系の溶媒で洗浄することが可能となる。
樹脂(a1)と樹脂(a2)との相容性が悪いときには、相容化剤・改質剤・分散剤を用いて相容性を向上させることができる。相容化剤・改質剤・分散剤としては、樹脂(a1)及び樹脂(a2)と親和性の高いセグメントが、それぞれ1ヶ所又は複数個所で化学結合したブロック(共)重合体やグラフト(共)重合体などを用いればよい。
前記変性ポリビニルアルコールは、分子中にポリビニルアルコール鎖及び(ポリ)アルキレンオキサイド鎖をもつことから、それぞれポリビニルアルコール及びポリアルキレンオキサイドなどとの、相容化剤・改質剤・分散剤としての機能を発現する。また、前記変性ポリビニルアルコールとポリビニルアルコールとの混合には、相容化剤・改質剤・分散剤として、好ましくはポリアルキレンオキサイド、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースのナトリウム塩、カルボキシルメチルセルロースのカリウム塩などを用いることができる。
相容化剤・改質剤・分散剤の配合量は特に制限はないが、相容化の効果や低分子量成分の低減化を考慮して、樹脂(a1)と樹脂(a2)との合計100質量部に対して、下限値としては、好ましくは0.1質量部以上であり、より好ましくは0.2質量部以上であり、更に好ましくは0.5質量部以上である。上限値としては、好ましくは15質量部以下であり、より好ましくは10質量部以下であり、更に好ましくは5質量部以下である。
<フラックス剤(B)>
本発明のフラックスシートは、樹脂(A)に加えて、例えば、フラックス剤(B)を含有させてもよい。フラックス剤を含有させることで、より強いフラックス作用を発現或いは向上させ、はんだ接合の形成性を良好にすると共に、電気伝導性を向上させることができる。また、はんだの濡れ性を向上させることができ、はんだリフロー時に、はんだボールと電極との位置ズレを補正することができるという効果(セルフアライメント効果)をより発揮することができる。
フラックス剤(B)は、はんだ表面にある高融点の金属酸化物を取り除くことができる成分であれば特に限定されず、酸性物質、塩基性物質又はアルコール等が好ましく用いられる。また常温で活性を有するもの、加熱により活性するもの、いずれも用いることができる。
フラックス剤(B)として、具体的には、例えば、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、ペンタン酸、サリチル酸、安息香酸、m-ジヒドロキシ安息香酸、セバシン酸等のカルボン酸類、ドデシルアミン等のアミン類、アミンのハロゲン化水素酸塩、ロジン樹脂等が挙げられる。またフラックス剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。本発明のフラックスシート中に含まれるフラックス剤(B)としては、はんだ粒子の酸化皮膜の除去性、シートの流動性、はんだ接合後の樹脂の溶解除去性、はんだとの濡れ性向上の観点から、アジピン酸、サリチル酸、ドデシルアミン、安息香酸、m-ジヒドロキシ安息香酸、セバシン酸が好ましく、アジピン酸、サリチル酸、ドデシルアミンがより好ましい。
フラックス剤(B)の含有量は、はんだボールの数、大きさ(表面積)、表面の酸化皮膜の厚さ、及びフラックスシートの厚さ等により適宜設定することができるが、樹脂(A)100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましい。また、上限値としては、より好ましくは8質量部以下であり、更に好ましくは7質量部以下であり、特に好ましくは6質量部以下である。一方、下限値としては、好ましくは1質量部以上であり、より好ましくは3質量部以上である。
フラックス剤(B)の含有量を上記範囲内とすることで、フラックス剤と基板との接着性を抑制せずに、はんだ表面の酸化皮膜を充分に除去することができる。更に基板中にフラックス剤が残留することを抑制することで高温高湿での絶縁抵抗の低下抑制や、金属の腐食やマイグレーションを防ぐことができる。
<その他添加剤>
本発明のフラックスシートは、上記樹脂(A)及びフラックス剤(B)に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、一般的なフラックスに含まれる添加剤を含有してもよい。添加剤としては、チクソトロピー性付与剤やフラックス活性補助剤、消泡剤などが挙げられる。
チクソトロピー性付与剤としては、m-キシリレンビスステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、カスターワックス(硬化ひまし油)などのポリオレフィン系ワックス、N-ブチル-N'-ステアリル尿素などの置換尿素ワックス、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの高分子化合物、シリカ粒子、カオリン粒子などの無機粒子、などが挙げられる。
チクソトロピー性付与剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のフラックスにおいてチクソトロピー性付与剤を使用する場合、その含有量は、重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1~20質量部である。下限値としては、好ましくは0.2質量部以上であり、より好ましくは0.5質量部以上である。上限値としては、好ましくは15質量部以下であり、より好ましくは10質量部以下である。チクソトロピー性付与剤の含有量を前記範囲とすることにより、はんだボールや基板との接着力を調整することができる。
フラックス活性補助剤としては、例えば、ジエチルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩等のアミンのハロゲン化水素酸塩、ステアリン酸等の有機酸類、トリブチルアミン等の有機アミン類、トランス-2,3-ジブロモ-2-ブテン-1,4-ジオール等の有機ハロゲン化物等の活性剤等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ドコサノール等のアルコール、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、白油などの炭化水素系化合物、カルボン酸(例えば、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸など)とアルコール(例えば、メタノール、エタノール、オクタノールなど)と縮合により得られる脂肪酸エステル類、牛脂、大豆油、アマニ油、などの天然物油脂、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなどのシロキサン類などが挙げられる。また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の親油性の高い界面活性剤も用いることができる。
更に、本発明のフラックスシートは、実質的に(B)以外の低分子化合物を含有しないことが好ましい。(B)以外の低分子化合物としては、例えば分子量が1000以下のものであり、代表的なものとしてはグリセリン、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル等の可塑剤を挙げることができる。
実質的に(B)以外の低分子化合物を含有しないことで、はんだリフロー時における低分子化合物の気化等による基板汚染や、突発的な気化によるはんだの転がりによるズレを抑制することができるという効果を発揮することができる。
実質的に含有しないとは、フラックスシートの構成成分として、意図的に(B)以外の低分子化合物を添加しないことを意味する。フラックスシートにおいて、シート作成工程上必要となる溶媒や(A)樹脂の原料モノマー由来の低分子化合物などが残存することがあるが、その場合、例えば、含有量として10質量%未満であり、上限値としては、好ましくは5質量%未満であり、より好ましくは3質量%未満であり、更に好ましくは2質量%未満であり、特に好ましくは1質量%未満である。
<フラックスシートの特徴>
本発明のフラックスシートは、樹脂(A)が、ガラス転移点が40℃以下で、150℃の溶融粘度が500Pa・s(せん断速度10mm/分で測定)以下である樹脂(a1)を含有することを特徴としているため、基板との接着性が強く、リフロー中にはんだボールのズレが生じないという効果を有する。更に、150℃の溶融粘度が500Pa・s以下である樹脂(a1)を含有することから、はんだリフロー時に、はんだボールが自重で沈み込むことができ、はんだボールの位置ずれを抑制することができる。そのため、はんだ接合性に優れた効果を発揮することができる。
本発明のフラックスシートは、液状及びペースト状フラックスのような常温での流動性を有していないため、フラックス剤を含有させたとしてもフラックスの凝集、分離、沈降などが発生しにくく、保存安定性に優れている。
また、液状及びペースト状フラックスを印刷等で塗布する場合、塗布量のばらつきが大きいので、適宜、塗布量の調整等が必要であり、作業性が劣るが、本発明のフラックスシートは、所定量のシートを基板上に載置、ラミネートするのみでよく、作業性に優れている。
溶媒が残存すると接合時に蒸発してボイドとなることがあるため、本発明のフラックスシートは、残存溶媒の含有率を10質量%未満とすることが好ましい。この含有率は、例えば、カールフィッシャ―法や加熱による重量減少により測定することができる。
本発明のフラックスシートは、水溶性である樹脂(a1)を含有している場合、フラックスシートの作製時や実装時、または、フラックスシートを洗浄する際には水を使用することできる。そのため、揮発して大気中に放出される有機溶媒を用いる必要がないため、環境負荷を低減させることができる。
本発明のフラックスシートの厚さとして、フラックス活性、洗浄性等を考慮して適宜設定することができるが、好ましくは1~500μmである。下限値としては、好ましくは3μm以上であり、より好ましくは5μm以上である。上限値としては、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。
また、フラックスシートの大きさ(面積)としては、使用する基板、チップ、ウエハ等の大きさを考慮して、適宜設定することができる。具体的には、基板上の電極(群)が位置する領域よりも若干広い面積に設定することが好ましい。あるいは、予め使用する予定の大きさよりも大きく形成し、使用時に所望の大きさに切り取って使用してもよい。なおシートは切り取らずに直接目的の基板をシートに押し付けることで転写、ラミネートすることも可能である。
本発明において、フラックスシートの面積は、好ましくは30000mm以上である。
フラックスシートの面積を30000mm以上とすることで、大面積のパネルやウエハ等の電子部材基板に対しても前記基板の全面に一度で貼付することができる。
大面積電子部材基板とは、直径が200mm(8インチ)以上のウエハや、300mm角以上パネルを含むものである。
前記ウエハとは、シリコンウエハ、サファイアウエハ、化合物半導体ウエハ、ガラス基板、樹脂基板(ガラスエポキシ基板(FR-4)、ビスマレイミドトリアジン基板、ポリイミド樹脂基板、フッ素樹脂など)、プリント配線基板等が含まれる。
ウエハのサイズとしては、直径が200mm(8インチ)のウエハ、直径が300mm(12インチ)のウエハ等が含まれる。
前記パネルとは、ガラス基板、シリコン基板、樹脂基板(ガラスエポキシ基板(FR-4)、ビスマレイミドトリアジン基板、ポリイミド樹脂基板、フッ素樹脂など)、化合物半導体基板、プリント配線基板等が含まれ、そのサイズは、例えば、250mm角以上のもので、250mm×350mm、300mm角以上のもので、320mm×320mm、370×470mm等のパネルがある。更に、400mm角以上のパネル、410mm×515mm、508mm×610mm、500mm×510mmのパネル、610mm×457mmのパネル等が含まれる。
[フラックスシートの作製方法]
フラックスシートの作製方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂成分(A)を溶媒に溶解させ、樹脂溶液を調製し、表面に離型処理された支持体等に、ロールコーター、コンマコーター、グラビアコーター等の公知の方法により塗布して塗布膜を形成し、該塗膜を乾燥させて溶媒を除去して得る方法が挙げられる。また、必要に応じてフラックス剤(B)等を添加してもよい。なお、溶媒を用いて溶液化せず、(A)(B)等を無溶剤で混練溶融してシート化してもよい。
樹脂成分(A)を溶解させる溶媒としては、例えば、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶媒等が挙げられるが、環境負荷の低減の観点から、水が好ましい。有機溶媒としては、アルコール、ケトン等をあげることができるが、好ましくはアルコールである。水は蒸留水、イオン交換水、水道水等を使うことができ、不純物の少ない蒸留水やイオン交換水、超純水が好ましい。アルコールの例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール等が挙げられ、ケトンとしてはアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。有機溶媒を使用する場合、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂成分(A)を水に溶解させる場合、溶解速度を上げる観点から、40~95℃に加熱した温水を用いることが好ましい。樹脂成分(A)の固形分濃度としては、好ましくは0.1~60質量%である。また、フラックス剤(B)を添加する場合、上記樹脂成分(A)を溶解させる溶媒と同様のものに溶解させて添加することが好ましく、フラックス剤(B)が液体の場合は直接添加してもよい。なお、添加混合により分離しやすい場合は、界面活性剤などにより乳化させて加えることが好ましい。前記溶媒を用いて、適切な溶融粘度を有する樹脂溶液とすることで、塗布膜表面の平滑性が悪くなる現象や、ピンホールの発生を抑制することができる。
塗布膜の乾燥温度及び乾燥時間は、樹脂溶液用溶媒、膜厚等により、適宜設定することができるが、例えば、シート原料の熱安定性(耐熱分解性)や溶媒の揮発などを考慮し、リフロー時にシートの流動性が低下する等の得られるフラックスシートの物性の変化を抑制する観点から、乾燥温度が25~180℃、より好ましくは40~100℃で乾燥することが好ましい。更に、複数の乾燥炉を設けて、段階的に乾燥を行うことが好ましい。乾燥時間は例えば1~90分間が好ましく、10~70分間がより好ましい。
[はんだ接合方法]
本発明のはんだ接合方法は、本発明のフラックスシートを用いた、下記ステップを含む方法であることを特徴とする。
(1)電極を有する基板の電極を有する面に前記フラックスシートを配置するステップ
(2)前記フラックスシート上に、はんだボールを配置するステップ
(3)前記フラックスシートをはんだの融点以上の温度であって、かつ前記樹脂シートが液状化する温度に加熱するステップ
(4)(3)と同時或いはその後、はんだの融点以上の温度に加熱するステップ
この特徴によれば、基板との接着性が良好であり、リフロー中にはんだボールのズレが生じないフラックスシートを用いることから、はんだ接合の不良等が生じないという効果を発揮することができる。
本発明に係るはんだ接合方法では、煩雑な印刷等の塗布工程が不要で、はんだボールと基板の電極との間にフラックスシートを配置するのみでよく作業性に優れている。
以下、上記接合方法に用いる基板及びはんだボールについて説明した上で、各工程の詳細について、図面を参照しながら、説明する。
以下、本発明のはんだ接合方法の各工程について、図1~5を適宜参照しながら説明する。なお、図1~5は、本発明のはんだ接合方法を説明するための概略図であって、本発明のはんだ接合方法はこれに限定されるものではない。
<ステップ(1)電極を有する基板の電極を有する面に前記フラックスシートを配置するステップ>
本ステップは、基板の電極を有する面に前記フラックスシートを配置するステップである。図1は、電極を備える基板の概略平面図である。また、図2は、電極を有する基板を側面からみた概略図である。次に図3(A)に示すように、基板の電極を備える電極面側に、本発明のフラックスシートを配置する。また、図3(B)に示すように、基板電極がフラックスシートに埋め込まれるようにラミネートしてもよい。フラックスシートを配置する前に、基板を予め脱脂しておくことが好ましい。基板上にフラックスシートを配置する方法は、特に限定されず、そのまま置くのみでもよいが、フラックスシートを置いた後、大気圧下または真空条件でラミネート装置を用いて仮固定することが好ましい。ラミネート装置としては真空ラミネートやロールラミネータ装置を用いることができる。ラミネートする際の温度は、好ましくはガラス転移温度以上、より好ましくはガラス転移温度より20℃以上高い温度もしくは軟化点以上である(軟化点がない場合は、ガラス転移温度以上のゴム状態である)ことが好ましい。樹脂成分(A)の種類などにより異なるが、例えば、30~100℃である。
(基板)
本発明のはんだ接合方法で用いる基板は、電極を備える基板であって、一つ以上の電極を備えていればよく、例えば、図1に示された複数の電極が備えられた基板、チップ、ウエハ等が挙げられる。また、一部の基板上面の電極以外の領域には、ソルダーレジストが形成されている(なお、図2~5では簡略化のためソルダーレジストを図示しない)。このような電極を備える基板としては、例えば、上記で示したプリント配線基板等が挙げられる。電極表面には、はんだボールとの濡れ性を向上させるために、例えば、Cu電極表面には、Cu/Ni/Pd/Au、Cu/Ni/Au、Cu/Ni-P/Au等からなるUBM(Under Bump Metallization)層又は、Surface
Finish処理層を形成していることが好ましい。
また、基板の電極表面に油脂等の汚れが付着していると、はんだボールとのぬれ性が低下し接合性に悪影響を及ぼすので、あらかじめ有機溶媒、酸性水溶液、塩基性水溶液等で脱脂するのが好ましい。脱脂の際には、超音波をかけると洗浄効果が更に高くなるのでより好ましい。電極表面にUBM層又は、Surface Finish処理層がない場合には、電極表面に酸化皮膜が形成されやすいため、酸性水溶液や塩基性水溶液等によりあらかじめ基板を洗浄してもよい。
<ステップ(2)前記フラックスシート上に、はんだボールを配置するステップ>
本ステップは、図4のように、はんだボールを、フラックスシートを介して基板の電極上に位置するように配置して固定する工程である。配置に関しては、各種のボールマウンター装置を用いてもよいし、電極上に開口したメタルマスクなどを用いて刷毛などでボールを落としこみ配置する方法や、先端に接着剤を塗布した細いワイヤーやピンを用いてボールを電極に運んだ後フラックスシートに粘着させ配置する方法などを用いてもよい。フラックスシートを介してはんだボールと基板に仮固定するために、はんだを配置する際、フラックスシートをラミネートする際の温度と同程度、即ち、好ましくはガラス転移点以上、より好ましくはガラス転移点より20℃以上高い温度もしくは軟化点以上(軟化点がない場合は、ガラス転移点以上のゴム状態)の温度で加熱することが好ましい。樹脂成分(A)の種類などにより異なるが、例えば、30~100℃である。また、はんだボールを、フラックスシートを介して基板の電極上に配置する際、押圧してもよいが、本発明のシートはガラス転移点が40℃以下である樹脂(a1)を含有し、柔軟な構造であることから、積極的に押圧する必要はない。本発明のフラックスシートを用いることで、はんだボールが自重でフラックスシート中に埋まるため、はんだボールとフラックスシート及び基板との接着が向上する。
(はんだボール)
本発明のはんだ接合方法で使用するはんだボールの組成としては、例えば、Sn-Pb系、Pb-Sn-Sb系、Sn-Sb系、Sn-Pb-Bi系、鉛フリーのSn-Ag系、Sn-Ag-Cu系、Bi-Sn系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Bi-In系、Sn-Zn-Bi系等が挙げられる。また、鉛フリーで、且つ低融点はんだであるSn-Bi系(Sn58Bi:融解温度:138℃)やIn-Sn系(In48Sn:融解温度:118℃)のはんだも使用することができる。本発明では、鉛を含有しない鉛フリーはんだを用いることが好ましい。鉛フリーはんだの中では、機械特性等の観点から、Sn-Ag-Cu系のはんだが好ましく、例えば、Sn3Ag0.5Cu(融解温度:約217℃)がより好ましい。また、200℃を超える高温プロセスにおいて、液晶のような材料自体が劣化してしまう材料に対しては、鉛フリーで低融点のはんだを用いることが好ましい。
本発明のはんだ接合方法で使用するはんだボールの大きさとしては、例えば10μm以上であり1000μm以下である。下限値としては、好ましくは30μm以上であり、より好ましくは40μm以上であり、更に好ましくは50μm以上である。上限値としては、好ましくは760μm以下であり、より好ましくは610μm以下であり、更に好ましくは450μm以下であり、特に好ましくは300μm以下である。
<ステップ(3)前記フラックスシートが溶融或いは軟化する温度に加熱するステップ>
本ステップは、前記フラックスシートが溶融或いは軟化する温度以上で加熱処理する工程である。上記温度で加熱処理をすることで、熱により活性化するフラックス成分を含む場合は、シートのフラックス作用により、はんだボールの表面に形成される金属酸化物を除去することができる。また、はんだの表面だけでなく、電極の表面に存在する酸化物も併せて除去できる。なお、本発明においては、樹脂(A)に樹脂(a1)を含むフラックスシートを用いているため、本ステップ(3)において、図5のように電極とはんだとのズレが生じず、更にはんだが基板へ自重で簡単に貫通することができ、はんだ接合性が良好となる。
<ステップ(4):(3)と同時或いはその後、はんだの融点以上の温度に加熱するステップ>
本ステップは、はんだの融点以上で温度処理する工程である。上記温度で加熱処理をすることで、はんだボールを融解して、はんだ付けすることができる。(4)のステップは、(3)と同時であってもよく、(3)の後に実施してもよい。
ステップ(3)(4)での、加熱温度(最高到達温度)及び、当該温度での加熱時間(保持時間)は、はんだボールの融解温度、樹脂成分(A)が軟化する温度、樹脂成分(A)の溶融粘度、フラックス剤の沸点、基板の電極の大きさ、電極間ピッチ等の条件により、適宜設定することができる。
(3)加熱温度としては、樹脂シートの溶融温度或いは軟化温度以上であり、例えば溶融温度(軟化温度)+20℃以上+100℃以下であることが好ましい。加熱時間としては、例えば、5秒~10分間が好ましい。(4)加熱温度(最高到達温度)としては、はんだボールの融解温度をT(℃)としたとき、例えば、T+10℃以上T+80℃以下である。下限値としては、好ましくはT+20℃以上であり、より好ましくはT+30℃以上である。上限値としては、好ましくはT+70℃以下であり、より好ましくはT+45℃以下である。加熱時間としては、加熱温度(最高到達温度)によって適宜設定できるが、加熱温度(最高到達温度)が上記範囲の温度である場合、加熱時間(保持時間)としては、例えば、5秒~10分間である。下限値としては、好ましくは10秒以上であり、より好ましくは20秒以上である。上限値としては5分間以下であり、より好ましくは3分間以下である。また、本工程は、大気圧条件下や窒素等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよいが、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことがより好ましい。
(3)の後に(4)を実施する場合の温度プロファイルは、例えば、Sn37Pbの場合、(3)100~150℃、60~120秒、(4)183℃以上60~150秒、ピーク温度225~240℃(昇温速度3℃/秒以下)であってよい。またSn3Ag0.5Cuの場合は、(3)150~200℃、60~180秒、(4)217℃以上60~150秒、ピーク温度245~260℃(昇温速度3℃/秒以下)であってよい。必要に応じてこれらステップは複数回実施してもよい。温度プロファイルとしては、半導体技術協会(JEDEC)の推奨条件であることが好ましい(IPC/JEDEC J-STD-020Cに準拠)。
また、本発明のフラックスシートは、ガラス転移点が40℃以下であり、150℃の溶融粘度が500Pa・s以下の樹脂(a1)を含有するから、はんだボールから基板へ向けて、押圧した状態で加熱処理を行う必要が無い。本ステップ終了後、図5に示すように、はんだ接合した状態となる。
更に、上記のはんだ接合方法の終了後に、本発明のフラックスシートを溶媒により溶解除去してもよい。フラックスシートを溶媒により溶解除去することによって、はんだ接合した以外の領域に存在しているフラックスシートを溶媒により溶解除去され、図6に示されるように、はんだ接合部位が露出した状態となる。フラックスシートを溶解除去する洗浄用の溶媒としては、特に制限はなく、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合溶媒等が挙げられるが、環境負荷が低く、入手しやすいとの観点から、水が好ましい。有機溶媒としては、アルコール、ケトンなどをあげることができるが、好ましくはアルコールである。有機溶媒を使用する場合、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、樹脂成分(A)が水に溶けにくい場合は、有機溶媒、又は水と有機溶媒との混合溶媒を用いることが好ましい。水と有機溶媒との混合溶媒において、混合比は、特に制限はないが、環境負荷の低減の観点から、有機溶媒の比率が低いほうが好ましい。水は蒸留水、イオン交換水、水道水等を使うことができ、不純物の少ない蒸留水やイオン交換水、超純水が好ましい。アルコールの例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール等を挙げられ、ケトン系溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。使用する溶媒の温度としては、フラックスシート中に含まれる樹脂成分(A)により適宜設定することができるが、作業性の観点から、室温で行うのが好ましい。
なお、フラックスシートを溶解しにくいときや、溶解するのに時間がかかるときには、加熱した溶媒を用いることや、界面活性剤を含有する溶媒を用いてもよい。この加熱した溶媒の温度としては、高いほどフラックスシートを溶解しやすくなるが、その溶媒の沸点未満の温度であることが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができる。
また、フラックスシートの溶解除去の効率を向上させる観点から、超音波を照射つつ溶解除去させることが好ましい。フラックス剤(B)を用いた場合、フラックス剤が残存すると、はんだ接合部位を腐食する可能性があり、長期使用の信頼性低下を招く原因となるため、フラックス剤の除去効率を向上させるために、超音波を照射しつつ洗浄処理を行うことが好ましい。なお、超音波の強さとしては、形成したはんだ接合が破断しない程度に調整することが好ましい。また、液中ジェット、ダイレクトパスなどの水流発生装置により洗浄することが、フラックス剤の除去効果を向上させるために好ましい。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例で使用した各成分の物性値については、下記の方法に基づいて測定した値を使用した。
(樹脂溶液の作製)
[製造例1]
変性ポリビニルアルコール(ポリエチレングリコールが付加されたポリビニルアルコール:日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセネックス(登録商標)LW-100;ガラス転移点-0.5℃、150℃の溶融粘度:63Pa・s(せん断速度10mm/分)(水を揮発させて樹脂単独で測定)、ケン化度39.0~46.0)を樹脂溶液とした(固形分40質量%水溶液)。
(フラックスシートの作製)
支持体である、表面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック株式会社製6502)(以下、離型フィルムとする。)上に、上記調製した樹脂溶液を塗布し、塗膜を形成した。そして、この塗膜を、80℃、60分間加熱乾燥して、支持体上に膜厚が30μmのフラックスシートを作製した。
[製造例2]
フラックス剤として、アジピン酸5質量部(LW-100の樹脂固形分100質量部に対して)を用いたこと以外は、製造例1と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[製造例3]
フラックス剤として、サリチル酸5質量部(LW-100の樹脂固形分100質量部に対して)を用いたこと以外は、製造例1と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[製造例4]
ポリアミド(PA)(東レ株式会社製、商品名「AQナイロン T-70;ガラス転移点-46℃、150℃の溶融粘度:17Pa・s(せん断速度10mm/分)(水を揮発させて樹脂単独で測定))100質量部(固形分51質量%)に、フラックス剤として、ドデシルアミン5質量部(T-70の樹脂固形分100質量部に対して)を加えて攪拌し、樹脂溶液を作製した。そして、この調整した樹脂溶液を用いて、製造例1と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[製造例5]
フラックス剤として、アジピン酸5質量部(T-70の樹脂固形分100質量部に対してを用いたこと以外は、製造例4と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[製造例6]
ポリエステル(PEs)(高松油脂株式会社製、商品名「ペスレジンA-680;ガラス転移点30℃、150℃の溶融粘度:29Pa・s(せん断速度10mm/分)(水を揮発させて樹脂単独で測定))100質量部(固形分20質量%)に、フラックス剤として、アジピン酸5質量部(ペスレジンA-680の樹脂固形分100質量部に対して)を蒸留水に溶解した水溶液を加えて攪拌し、樹脂溶液を作製した。そして、この調整した樹脂溶液を用いて、実施例1と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[製造例7]
フラックス剤として、サリチル酸43質量部(LW-100の樹脂固形分100質量部に対して)を用いたこと以外は、製造例1と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[製造例8]
LW-100の固形分を70質量部とし、ポリビニルアルコール(PVA)(日本酢ビポバール株式会社製、商品名「ポバールJP-03」;ガラス転移点63℃)30質量部を用い、アジピン酸5質量部(前記LW-100とJP-03の合計100質量部に対して)を用いたこと以外は、製造例1と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[製造例9]
LW-100の固形分の配合量を60質量部とし、JP-03の配合量を40質量部、相容化剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)(ダイセルファインケム株式会社製、商品名「CMC1220」)5重量部を用いたこと以外は、製造例8と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[製造例10]
LW-100の固形分の配合量を50質量部とし、JP-03の配合量を50質量部とした以外は、製造例9と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[製造例11]
LW-100の固形分の配合量を40質量部とし、JP-03の配合量を60質量部とした以外は、製造例10と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[比較製造例1]
ポリビニルブチラール(PVB)(積水化学工業株式会社製、商品名「エスレック KW-1;ガラス転移点65℃、150℃の溶融粘度:1444Pa・s(せん断速度10mm/分)(水を揮発させて樹脂単独で測定))の固形分100質量部(固形分20質量%)に、フラックス剤として、アジピン酸5質量部(KW-1の樹脂固形分100質量部に対して)を蒸留水に溶解した水溶液を加えて攪拌し、樹脂溶液を作製した。そして、この調整した樹脂溶液を用いて、製造例1と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[比較製造例2]
ポリビニルアルコール(PVA)(日本酢ビポバール株式会社製、商品名「ポバール JP-03;ガラス転移点63℃、150℃では溶融しない)の固形分100質量部に、フラックス剤として、アジピン酸5質量部(JP-03の樹脂固形分100質量部に対して)を加えて攪拌し、樹脂溶液を作製した。そして、この調整した樹脂溶液を用いて、製造例1と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[比較製造例3]
エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)(デンカ株式会社製、商品名「デンカEVAラテックス55N」;ガラス転移点-10℃、150℃では溶融しない)の固形分100質量部に、フラックス剤として、アジピン酸5質量部(デンカEVAラテックス55Nの樹脂固形分100質量部に対して)を蒸留水に溶解した水溶液を加えて攪拌し、樹脂溶液を作製した。そして、この調整した樹脂溶液を用いて、製造例1と同様の方法により、膜厚30μmのフラックスシートを作製した。
[フラックスシートを用いたはんだ接合試験]
はんだ接合試験にあたり、使用した、基板及びはんだボールは以下の通りである。
基板:FR-4(ガラスエポキシ基板で、電極は銅からなり、電極表面のUBM層はCu/Ni/Au(Ni層の厚さは3μm、Au層の厚さは0.03μm)からなるものである。)
はんだボール:はんだ組成(直径760μm、Sn-Ag-Cu;Sn:96.5質量%、Ag:3.0質量%、Cu:0.5質量%(融解温度217~219℃)))
[実施例1~11、比較例1~3]
上記製造例1~11、比較製造例1~3で作製したフラックスシートに用いて下記(1)~(6)の項目について、以下の方法に基づいて評価を行った。評価結果を表1に示す。
(1)フラックスシートと基板との接着性
上記で作製した離型フィルム付フラックスシートを80℃に加熱し、基板に真空で押し当て、基板にラミネートした。室温に戻して、離型フィルムを引き剥がしたときの基板の様子を観察した。
A:フラックスシートが離型フィルムから離れ基板に転写された。
C:フラックスシート/基板界面での剥離、又は/且つ、フラックスシート内での破壊が起こった。
(2)フラックスシートのタック性
上記で作製したフラックスシートについて指触し、室温でのタック性を官能評価した。A:適度なタックを有する(べたつきがある)
C:タックがない(べたつきがなく他材への貼着が不可のもの)
(3)フラックスシートのリワーク性・取り扱い性
上記で作製したフラックスシートについて、シートに指触後、シートに押し当てた指を他の指に押し当てたときの粘着の有無でのり残りを確認し、室温(体温)でのリワーク性・取り扱い性を官能評価した。
A:指へののり残りない
C:指へののり残りあり
(4)はんだボールの保持力
メタルマスクを用いて、フラックスシートでラミネートされた基板上にはんだボール36個を配置させ、一旦80℃に昇温し、室温に戻した。
はんだボールが配置後の基板を特定角度で傾け、フラックスシートによるはんだボールの保持力を測定した。
A:はんだボール配置後90度傾けたとき、はんだボールが落ちない。
C:はんだボール配置後90度傾けたとき、はんだボールが落ちた。
(5)溶解除去性(目視及びルーペによる観察)
はんだボールを搭載した基板を、250℃、大気下で加熱処理を行い、はんだと基板を接合させた。
はんだ接合を形成した基板を、超音波洗浄機「プランソニック」(製品名5510、BRANSON社製)を用いて、42kHzで揺動した25℃の蒸留水に浸漬し、5分間の洗浄処理を行った。なお、実施例6においては、蒸留水の代わりに、メタノール/蒸留水=1/1(質量比)の混合溶媒を用いた。以上の工程を経て、フラックスシートを用いた場合のはんだ接合体を得た。
洗浄後の基板を目視及びルーペを用いて、はんだ/基板間の隙間に残存するフラックスシートの有無を観察し、以下の基準により評価した。
A:フラックスシートが全く残存していない。
B:フラックスシートがはんだ端部に少し観察される。
C:フラックスシートが全体にわたって残存している。
(6)はんだ接合力
ダイシェアテスターにより、接合したはんだボール5個についてシェアテストを行い、はんだ接合力を確認した。
A:全て凝集破壊である。
C:一部または全て界面破壊である。
Figure 0007407733000001
実施例1~11は、ガラス転移点が40℃以下、150℃の溶融粘度が500Pa・s以下の樹脂を含むフラックスシートを用いていることから、接着性、タック性、リワーク性、はんだ保持力、溶解除去性、はんだ接合力のいずれの評価においても、良好な結果が得られた。なお、実施例1~5、7~11と実施例6を比較すると、水との水素結合がより弱い実施例1~5、7~11のシートは、実施例6のシートに比べて、水に対する溶解性がより優れる結果となった。実施例8~11では、ガラス転移点が40℃以下、150℃の溶融粘度が500Pa・s以下の樹脂を含み、かつガラス転移点が前記樹脂より高い樹脂を含有していることからリワーク性・取り扱い性が向上することがわかった。
比較例1~2は、ガラス転移点が40℃以下である樹脂を用いていないことから、基板との接着力が弱く、はんだボール保持力が弱いため、はんだ接合力が劣る結果となった。また、比較例3は、150℃の溶融粘度が500Pa・s以下である樹脂を用いていないため、基板との接着力が弱く、はんだボールの沈み込み不足のため、はんだ接合力等が劣る結果となった。
本発明によれば、基板との接着性が強く、リフロー中にはんだボールのズレが生じないフラックスシートを提供することができる。
更に、本発明によれば、多数のはんだバンプを均一性良く形成でき、かつ生産性が高く、環境負荷が小さいはんだ接合方法を提供することができる。
1・・・電極、2・・・ソルダーレジスト、3・・・フラックスシート、4・・・はんだボール、100・・・基板

Claims (10)

  1. 樹脂(A)を含むフラックスシートであって、前記樹脂(A)が、ガラス転移点が40℃以下で、150℃の溶融粘度が500Pa・s(せん断速度10mm/分で測定)以下である樹脂(a1)を含有することを特徴とする、フラックスシート。
  2. 前記樹脂(A)が、ガラス転移点が40℃以下で、150℃の粘度が500Pa・s(せん断速度10mm/分で測定)以下である樹脂(a1)を35~99質量%、ガラス転移点が前記樹脂(a1)より高い樹脂(a2)を1~65質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載のフラックスシート。
  3. 前記フラックスシートが、フラックス剤(B)を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のフラックスシート。
  4. 前記フラックスシートは、実質的に(B)以外の低分子化合物を含有しないことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のフラックスシート。
  5. 前記樹脂(a1)が水溶性であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のフラックスシート。
  6. 前記樹脂(a1)がポリビニルアルコールの一部のヒドロキシ基(-OH)を、アルキレンオキサイド鎖が1つ又は複数連結した部分構造-(CH(R)CH(R)O)―R(nはアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数(平均値)を表し、1.0以上である。R,R及びRは、互いに独立して水素原子又は有機基を示す。R,R及びRが複数ある場合、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。)に置換した変性ポリビニルアルコール、ポリアミド及びポリエステルから選択される1種以上を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のフラックスシート。
  7. 前記樹脂(a2)としてポリビニルアルコールを含有することを特徴とする、請求項2~6の何れか一項に記載のフラックスシート。
  8. 前記フラックスシートにおいて、前記樹脂(A)の含有量が50質量%以上であること特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のフラックスシート。
  9. 前記フラックスシートの面積が30000mm以上であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のフラックスシート。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載のフラックスシートを用いたはんだ接合方法であって、下記(1)~(4)のステップを有することを特徴とする、はんだ接合方法。
    (1)電極を有する基板の電極を有する面に前記フラックスシートを配置するステップ
    (2)前記フラックスシートの上に、はんだボールを配置するステップ
    (3)前記フラックスシートが溶融或いは軟化する温度に加熱するステップ
    (4)(3)と同時或いはその後、はんだの融点以上の温度に加熱するステップ

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