JP2502443B2 - エリプソメ―タ及びこれを用いた塗布厚制御方法 - Google Patents

エリプソメ―タ及びこれを用いた塗布厚制御方法

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JP2502443B2 JP4503302A JP50330292A JP2502443B2 JP 2502443 B2 JP2502443 B2 JP 2502443B2 JP 4503302 A JP4503302 A JP 4503302A JP 50330292 A JP50330292 A JP 50330292A JP 2502443 B2 JP2502443 B2 JP 2502443B2
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彰 風間
貴彦 大重
善郎 山田
健夫 山田
剛 山崎
貴光 高山
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、薄い膜厚を正確に測定するエリプソメータ
に係わり、特に、光検出部の光学部品数を減らし、かつ
これ等を固定化することによって、小型で、かつ高い測
定精度を得ることができるエリプソメータ及びこれを用
いた塗布厚制御方法に関する。
[従来の技術] 例えば数100m以下の薄膜の膜厚を測定する手法として
エリプソメトリ手法が用いられる。この手法において
は、薄膜等の試料面で光が反射する際の偏光状態の変
化、すなわち電場ベクトルの入射面に平行な成分(P成
分)の反射率Rpと、直角な成分(S成分)の反射率Rsと
の(1)式で示される比σが測定される。そして、すで
に確立されている偏光反射率比ρと膜厚dとの一定の関
係に従って、前記薄膜の膜厚dが算出される。
p=Rp/Rs=tanψexp[jΔ] …(1) ここで、偏光反射率σは、(1)式に示すように、2
つのエリプソパラメータ、つまり振幅比ψ及び位相差Δ
によって表される。これら2つのエリプソパラメータは
測定によって求められる物理量である。
従来、このエリプソパラメータψ,Δを高速に求める
ために、図18に示すように、可動部分を除去した3チャ
ンネルのエリプソメータが開発されている(特開昭平1
−28509号公報)。
レーザ光源からなる光源1から出力された単一波長を
有する光は偏光子2にて直線偏光に変換されて測定対象
としての試料面3に所定角度φで入射する。なお、試料
面3において、入射面は紙面と平行である。そして、図
示するように、紙面と平行する方向をP方向,紙面と直
交する方向をS方向とする。試料面3からの反射光は3
個の無偏光のビームスプリッタ4a,4b,4cによって3本の
光に分岐される。
二つのビームスプリッタ4a,4bを透過した第1の光は
第1の検光子5aおよび集光レンズ6aを介して第1の受光
器7aへ入射される。第1の受光器7aは、入射した第1の
光の光強度I1を電気信号に変換する。同様に、ビームス
プリッタ4aを透過して次のビームスプリッタ4bで反射さ
れた第2の光は第2の検光子5bおよび集光レンズ6bを介
して第2の受光器7bへ入射される。第2の受光器7bは、
入射した第2の光の光強度I2を電気信号に変換する。さ
らに、ビームスプリッタ4aで反射され次のビームスプリ
ッタ4cを透過した第3の光は第3の検光子5cおよび集光
レンズ6cを介して第3の受光器7cへ入射される。第3の
受光器7cは、入射した第3の光の強度I3を電気信号に変
換する。
また、各検光子5a〜5cは設定された方向に振動する光
成分のみを通過させる。そして、第1の検光子5aの偏光
方向が基準方向(方位0゜)に設定され、第2の検光子
5bの偏光方向が基準方向に対して+45゜傾斜した方向に
設定され、第3の検光子5cの偏光方向が基準方向に対し
て−45゜傾斜した方向に設定されている。なお、前記基
準方向は、受光器7a側から見て図中矢印a方向で示すよ
うに、資料面3への光の入射面に平行な方向(P方向)
を方位0゜とする方向である。
したがって、試料面3にて反射された光が図19に示す
ように楕円偏光されていた場合においては、第1の受光
器7aにて得られる第1の光強度I1は図19に示す楕円偏光
における横軸(0゜方向)への正投影の振幅を示す。ま
た、第2の受光器7bにて得られる第2の光強度I2は楕円
偏光における+45゜傾斜した線への正投影の振幅を示
す。さらに、第3の受光器7cにて得られる第3の光強度
I3は楕円偏光における−45゜傾斜した線への正投影の振
幅を示す。
そして、前述したエリプソパラメータψ,Δは、図19
に示すように楕円偏光された試料面3からの反射光のP
成分とS成分との間における振幅比ψと位相差Δであ
る。よって、このエリプソパラータψ,Δは、簡単な幾
何学的考察により、(2)(3)式にて求められる。
COS(Δ−φ) =(I2−I3)/(2I1){I1 /(I2+I3−I1)}1/2 …(2) tanψ=σ2tan p{I1/(I2 +I3−I1)}1/2 …(3) 但し、位相差φおよび振幅比pは入射光のエリプソ
パラメータであり、例えば、+45゜の直線偏光であれ
ば、φ=0゜.tan p=1である。−45゜の直線偏光で
あれば、φ=0゜.tan p=−1である。また、各ビー
ムスプリッタ4a〜4cの各方向への反射率で定まるσは固
有の値である。そして、予め既知の楕円偏光を有する試
験光を各ビームスプリッタ4a〜4cに入射させて上記σを
予め求めておく。
各エリプソパラメータψ,Δが求まると、別途計算式
を用いて膜厚dが算出される。
このように可動部を用いないエリプソメータにおいて
は、1秒間に1000点以上の高速測定が可能である。
しかし、光学系の部品点数は図18に示すように非常に
多い。すなわち、試料面3からの反射光を第1,第2,第3
の3つの光に分岐させるために3個のビームスプリッタ
4a〜4cが必要である。また、この各ビームスプリッタ4a
〜4cの後方にそれぞれ検光個5a〜5cを配設する必要があ
る。これらの光学部材においては、立体角を含めて相互
の角度を精密にセットする必要がある。そのために、各
ビームスプリッタ4a〜4cは最小でも1個の厚さが1cm,高
さおよび長さがそれぞれ5cm程度の大きさが必要であ
る。したがって、ビームスプリッタ4a〜4c部分でも15cm
2程度の占有面積が必要であった。
また、実際にこのエリプソメータを用いて酸化膜等の
膜厚dを測定するに先だって、各検光子5a,5b,5cの回転
角度位置を厳密に設定する必要がある。よって、各検光
子5a,5b,5cの回転駆動機構が複雑化する。具体的には初
期定時に検光子を45゜回転させる機構が必要があった。
そのため、1個の検光子の大きさがやはり5cm2程度必要
である。さらに、各検光子を互いに接触しないようにセ
ットする必要があるので、横方向に15cm程度の据付場所
が必要であった。
さらに、試料面3から各受光器7a〜7cまでの距離が長
いので、試料面3からの反射光が各受光器7a〜7cに達す
るまでに広がってしまう。そのために原理上は不要であ
る集光レンズ6a〜6cを用いて各受光器7a〜7c上に光を集
光させる必要がある。その結果、エリプソメータ全体の
光学部品数がさらに増加する。
また、各ビームスプリッタ4a〜4cにおいても光の減衰
は生じるので、複数個のビームスプリッタ4a〜4cを通過
した光が減衰して、受光器7a〜7cで得られる光強度I1〜
I2の値が小さくなり、S/Nが低下する。このような不都
合を解消するためには、光源1として例えば大出力のレ
ーザ装置を用いる必要がる。
このように、図18に示す従来のエリプソメータにおい
ては、光学系の精密性を確保するために、装置全体を堅
牢かつ大型化する必要がある。最も小型の各光学部材を
組合わせたとしても、光源1と偏光子2からなる光源部
と各ビームスプリッタ4a〜4c以降各受光器7a〜7cからな
る検出部とを合わせた装置においては、50cm2の面積と5
0cm程度の高さが必要である。また、重量は30〜50kgと
なる。
したがって、このような大型でかつ大重量のエリプソ
メータであれば、例えば研究室等の室内に据付けて、測
定すべき試料をこのエリプソメータの据付場所へ運んで
測定しなければならない。
他方、近年、例えば工場内の各種製造ラインにおい
て、製造ラインに沿って搬送される各種帯状製品の表面
に塗布された各種塗料や油をオンライン状態で測定し
て、その塗布厚みを監視する必要が生じている。
しかしながら、上述したような、駆動機構を備えた多
数の光学部材が組込まれたエリプソメータをこの製造ラ
インに設置することは現実問題として、不可能であっ
た。
[発明の開示] 本発明の第1の目的は、ビームスプリッタおよび検光
込等の光学部品の数を大幅に減少でき、さらに測定時に
角度調節が不必要となり、装置全体を携帯可能まで小型
かつ軽量に構成できるエリプソメータを提供することで
ある。
本発明の第2の目的は、上述した目的に加え、少ない
光学部品を用いた条件においても、高い測定精度を維持
したままで、測定速度を大幅に上昇でき、かつ測定範囲
を大幅に拡大できるエリプソメータを提供することであ
る。
本発明の第3の目的は、上述したエリプソメータを用
いてオンライン状態で塗布装置によって塗布された塗布
厚みを一定値に精度よく制御できる塗布厚制御方法を提
供することである。
本発明の第1の目的を達成するために、本発明のエリ
プソメータにおいては、測定対象にて反射された反射光
を、偏光方向が基準方向(0゜)に設定された第1の偏
光成分と偏光方向が前記基準方向に対してそれぞれ+45
゜及び−45゜方向に設定された第2および第3の偏光成
分とに分離する複合偏光ビームスプリッタで各方向の偏
光成分に分離し、分離された各方向の偏光成分を第1,第
2,第3の各受光器で受光する。そして、第1,第2,第3の
各受光器から得られる第1,第2,第3の各光強度I1,I2,I3
から図19の楕円偏光のエリプソパラメータψ,Δを算出
する。
本発明のエリプソメータによると、最低限必要とする
光学部材は、光源部,複合偏光ビームスプリッタ及び3
個の受光器の合計5個である。よって、本発明における
光学部材の個数は図18にした従来エリプソメータの必要
とする光学部材の個数の比較して大幅に減少する。
また、第2の目的を達成するために、本発明のエリプ
ソメータにおいては、上述した発明における基準方向が
測定対象にて反射された反射光のうちの測定対象への入
射光の入射面に平行な方向に設定され、かつ偏光ビーム
スプリッタの各偏光方向が前記基準方位に対して+45゜
および−45゜方向に設定された条件において、各エリプ
ソパラメータΔ,ψが(4)(5)式で算出される。
cos(Δ−φ)=[(1+σ)(I2 −I3)/4σI1] ×[2I1/{(1+σ)(I2+I3) −2I1}]1/2 …(4) tanψ=tan p[2σ2I1 /{(1+σ)(I2+I3) −2I1}]1/2 …(5) 但し、位相差φおよび振幅比pは入射光のエリプソ
パラメータであり、σは測定系で定まる定数である。
次に、図18に示す無偏光の3個のビームスプリッタ4a
〜4cと3個の検光子55a〜5cとが組込まれた従来エリプ
ソメータの構成が、1個の無偏光ビームスプリッタと1
個の偏光ビームスプリッタと1個の検光子とが組込まれ
た本発明エリプソメータの構成に変更されることに伴っ
て、エリプソパラメータの算出式が(2)(3)式から
(4)(5)に改められる理由を説明する。
すなわち、従来エリプソメータにおける位相差Δのエ
リプソパラメータを算出する(2)式は、一般的に表現
すると(6)式に示すように係数Cが乗算された形式に
なる。また、本発明屁の適用を考える場合には、 (a)従来エリプソメータにおける試料面からの反射光
が各受光器に入射する経路における反射履歴および透過
履歴が本発明エリプソメータにおけるそれらと異なるの
で、そのまま従来方式を本発明に適用することは困難で
あること、 (b)しかも、試料の特性(例えば膜の材質や膜厚)の
変化がある場合にも柔軟に適用できるようにすべきであ
ることから、Δの値域に応じた係数Cの値を乗じて本発
明にも適用できるようにして装置自体の汎用性、実用性
を高めることもできる。
COS(Δ−φ) =C(I2−I3)/(2I1) {I1/(I2+I3−I1)}1/2 …(6) しかしながら、(6)式の計算を実行する前にこの係
数Cの値を特定する必要がある。そして、この係数Cを
得るために、予め既知の偏光を有する試験光をビームス
プリッタ4aへ入射して前記係数Cを実験的に求める必要
がある。実際には一定以上の精度で測定を行うために
は、3〜20種類のそれぞれ偏光方向が互い異なる複数の
試験光を入射し、各偏光方向における各係数Cを求める
必要がある。さらに、実際の測定時に、試料面3からの
反射光の楕円偏光の方向毎に前記求められた異なる係数
Cを用いる必要がある。したがって、エリプソパラメー
タ及び膜厚を精度よく測定するには多大の手間と時間が
必要である。
また、振幅比ψのエリプソパラメータを算出する
(3)式においても、同様な手法によって予め定数σの
値を求めておく必要がある。特に、未知試料を正確に測
定しようとする場合には、定数σの事前決定は必須であ
る。しかし、従来装置における反射履歴および透過履歴
の相違から、本発明にも適した正確な定数σの値を精度
く求めることがでない。
また、従来エリプソメータにおいて、(2)(3)を
用いてエリプソパラメータを演算する場合であっても、
演算値の精度は低く、実際の値から大きくずれている場
合である。特に、振幅比ψのずれは顕著である。これ
は、実際の試料の膜質や膜厚が一定でなく、測定される
べきエリプソパラメータの広い範囲に亘って、また、試
料の多様性(膜質や膜厚のバリエーション)に対して、
同じ演算式を常に用いることができないことに起因す
る。
さらには、試料の膜厚を正確に決定するに当たり、コ
ンピュータにより、Δとψとを交互に計算して両方の値
を収束させる演算を行う場合には、基本的にコンピュー
タのプログラムが繁雑になり、演算時間も長時間化す
る。このような場合に、演算式が不正確であったり複雑
であると、演算時間の長時間化が助長され、測定精度も
低下する。
結局、図18に示す光学系を有するエリプソメータにお
いては、前述した(2)(3)式を用いてエリプソパラ
メータを算出している限り、測定対象が、振幅比ψの変
化が少ない材質を有し、膜厚が大きく変化してない特定
の膜厚範囲であると言う条件を満足する膜のみに測定が
限定される問題があった。
次に、本発明エリプソメータにおける(4)(5)式
の導出手順を説明する。なお、本発明エリプソメータは
基本的に図1に示す構造を有している。
まず、最初に図18に示した光学系のエリプソメータと
図1に示した光学系を有するエリプソメータにおける試
料面3,16からの反射光の各受光器7a〜7c,21a〜21cまで
に至る光の履歴に注目する。
光源から試料面3,16への各入射光は等しい。そして、
この入射光のベクトルをEiとし、試料面3,16におけるベ
クトル変化をSとする。また、図18,図1の各無偏光ビ
ームスプリタ4a〜4c,18において光が反射した場合にお
けるベクトル変化をBrとし、光が透過した場合における
ベクトル変化をBtとする。
また、図18,図1の基準方向に対して0゜方向の各検
光子5a,19を光が透過した場合のベクトル変化をR0
し、図18,図1の基準方向に対して+45゜および−45゜
方向の各検光子5b,5cおよび偏光ビームスプリッタ20を
光が通過した場合の各ベクトル変化をR+45,R-45とす
る。
なお、本発明における基準方向とは角度決定上、便宜
的に定めた任意の方向である点は既に述べた通りであ
る。通常はp方向を基準方向とするが、本発明はこれに
限定されるものではない。
すると、図18における各検光子5a,5b,5cを通過する各
光のベクトルE1,E2,E3は(7)(8)(9)式となる。
E1=R0Bt2SEi …(7) E2=R+45BtBrSEi …(8) E3=R-45BtBrSEi …(9) そして、(7)(8)(9)の方程式を解けば、前述
した(2)(3)式が得られる。
COS(Δ−φi) =(I2−I3)/(2I1) {I1/(I2+I3−I1)}1/2 …(2) tanψ=σ2tan p{I1/(I2 +I3−I1)}1/2 …(3) なお、(7)式における(Bt2)の項は反射項が2回
ビームスプリッタを透過することを示す。また、(8)
(9)式における(BtBr)の項は反射光がビームスプリ
ッタを1回透過し、かつ1回反射することを示す。
同様な手法によって、図1における検光子19および偏
光ビームスプリッタ20から出力される基準方向に対する
0゜,+45゜,−45゜方向の各偏光成分のベクトルE1,E
2,E3は(10)(11)(12)式となる。
E1=R0BrSEi …(10) E2=R+45BtSEi …(11) E3=R-45BtSEi …(12) 図1の光学系に対応する(10)(11)(12)式と、図
18の光学系に対応する(7)(8)(9)式とを比較す
れば明らかなように、たとえ最終的に同じ0゜,+45
゜,−45゜方向の各偏光成分であっても、各偏光成分の
ベクトル値は試料面からの反射光が各受光器に入射され
るまでの光経路における反射および透過の履歴の差に応
じて大きく異なる。したがって、これらを用いた各エリ
プソパラメータΔ,ψの算出式にも当然差が生じる。無
偏光ビームスプリッタ18はΔを保存してもψは保存しな
いから、特にエリプソパラメータψへの影響が大きい。
試料面で受ける光の変化のベクトルSは当然各エリプ
ソパラメータΔ,ψに依存するので、ベクトルSは(1
3)式のように示される。
但し、Rsは試料面における入射面に直交する成分(S
偏光成分)のフレネル反射係数である。
また、前述した定数σは、(14)式に示すように、ビ
ームスプリッタ表面でのS成分とP成分との各フレネル
反射係数rs,rpで示される。
σ=(1−rs 2)/(1−rp 2) …(14) そして、(10)〜(14)式をΔ,ψについて解くと前
述した(4)(5)式が得られる。
cos(Δ−φ)=[(1+σ) (I2−I3)/4I1] ×[2I1/{(1+σ) (I2−I3)/2I1]1/2 …(4) tanψ=tan p[2σ2I1 /{(1+σ)(I2+I3)/2I1]1/2 …(5) 位相差φおよび振幅比pは入射光のエリプソパラメ
ータである。そして、一般的には、試料面に入射する光
は、例えば1/4波長板を用いて、 条件A(1/4波長板なし):位相差φ=0゜,振幅比t
an p=1(p=45゜)に設定するか、又は、 条件B(1/4波長板有り):位相差φ=90゜,振幅比t
an p=1(p=45゜)に設定する。
そして、条件Aの場合、(4)(5)式はそれぞれ
(15)(16)式となる。
cosΔ=[(1+σ) (I2−I3)/4I1] ×[2I1/{(1+σ) (I2−I3)−2I1]1/2 …(15) tanψ[2σ2I1/{(1+σ) (I2+I3)−2I1]1/2 …(16) また、条件Bの場合、(4)(5)式はそれぞれ(1
7)(18)式となる。
sinΔ=[(1+σ) (I2−I3)/4I1] ×[2I1/{(1+σ) (I2+I3)−2I1}]1/2 …(17) tanψ[2σ2I1/{(1+σ) (I2+I3)−2I1]1/2 …(18) 以上説明したように、図1の光学系に対応する(4)
(5)式は図18の光学系に対応する(2)(3)式に比
較して、σの位置が異なる。したがって、図1の光学系
でもって正しい乃至は高精度のエリプソパラメータΔ,
ψを求めるためには、(4)(5)式を用いる必要があ
る。
なお、定数σが1の条件においては、(4)(5)式
は(2)(3)式に一致するが、図18の光学系において
は、定数σは1.2〜1.5の値であり、図1の光学系におい
ては、定数σは0.5〜0.8の値である。よって、実際問題
として各反射率から得られる定数σが1である条件はほ
とんど存在しない。
したがって、本発明エリプソメータにおいては、試料
面からの反射光が1回の反射履歴を経て0゜方向の偏光
成分を取出すため、および試料面からの反射光がそれぞ
れ1回の透過履歴を経て+45゜および−45゜方向の各偏
光成分を取出すために、無偏光ビームスプリッタと、検
光子と、偏光ビームスプリッタと、3個の受光器と、
(4)(5)式の計算を行うための例えばソフトウエア
で構成された演算部とが備えられている。
さらに、第3の目的を達成するために、本発明の塗布
厚制御方法においては、帯状の被塗布板の搬送路に沿っ
て配設された塗布装置の前方および後方に第1,第2のエ
リプソメータが配設されている。また、第1のエリプソ
メータでもって、塗布前の被塗布板表面に対する第1の
エリプソパラメータが求められ、第2のエプリソメータ
でもって、塗布後の被塗布板表面に対する第2のエリプ
ソパラメータを求められる。そして、第1および第2の
エリプソパラメータの差でもって塗布装置による塗布厚
が制御される。
なぜならば、エリプソパラメータの差は塗布膜厚に相
関する(特に塗布膜厚が小さい場合はエリプソパラメー
タの差は塗布膜厚に比例する)からである。エリプソパ
ラメータの差を1台のエリプソメータで計測して塗布膜
厚を測定しようとする場合には、被塗布基板の表面の屈
折率が一定であることが必要条件となる。しかし、この
ように2台を用いてエリプソパラメータの差で塗布膜厚
を求めれば、たとえ塗布膜基板の屈折率が変化しても、
常に正確な塗布膜厚を求めることが可能になる。実際の
プロセスにおいては被塗布基板表面の屈折率は少しずつ
経時的に変化していることが多いので、本発明の方法は
有効である。
[図面の簡単な説明] 図1は本発明の一実施例に係わるエリプソメータの概
略構成を示す模式図である。
図2は同実施例装置の測定ヘッドを示す斜視図であ
る。
図3は同測定ヘッドを手動で操作する場合の模式図で
ある。
図4は同実施例装置の信号処理部における信号処理を
示すタイムチャートである。
図5は同実施例装置におけるエリプソパラメータの算
出処理を示す流れ図である。
図6は同実施例装置にて測定されたエリプソパラメー
タΔの特性図である。
図7は同実施例装置にて測定されたエリプソパラメー
タψの特性図である。
図8は従来計算式を用いた場合の信号処理を示すタイ
ムチャートである。
図9は本発明の他の実施例に係わるエリプソメータに
おける測定ヘッドの概略構成図である。
図10は本発明のさらに別の実施例に係わるエリプソメ
ータにおける測定ヘッドの概略構成図である。
図11は実施例装置を用いた塗布厚測定装置の概略構成
図である。
図12は同塗布厚測定装置における測定ヘッドの概略構
成図である。
図13は同塗布厚測定装置における他の測定ヘッドの概
略構成図である。
図14は同塗布厚測定装置の電気的構成を示すブロック
図である。
図15は本発明の一実施例に係わる塗布厚制御方法を採
用した塗布厚制御装置の概略構成図である。
図16は実施例装置を用いた膜厚分布測定装置の概略構
成図である。
図17は同膜厚分布測定装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
図18は従来エリプソメータの概略構成を示す模式図で
ある。
図19は一般的な反射光の楕円偏光を示す図である。
図20は本発明の一実施例に係わる複合偏光ビームスプ
リッタが組込まれた光路分岐結合器の断面図である。
[発明を実施するための最良の形態] 以下本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
図1は実施例のエリプソメータ全体を示すブロック図
である。内部に多数の光学部品が収納された測定ヘッド
22から出力されたアナログの各光強度I1,I2,I3は信号処
理部23でもってでデジタル値に変換された後、演算部と
してのパーソナルコンピュータ24へ入力される。
このパーソナルコンピュータ24は、入力された各光強
度I1,I2,I3を用いて前述した(4)(5)式の演算を実
行して各エリプソパラメータψ,Δを算出する。さら
に、算出された各エリプソパラメータψ,Δを用いて測
定対象としての試料面16の膜厚dを所定の演算式を用い
て算出する。パーソナルコンピュータ24は、一つの測定
点における膜厚dの算出処理が終了すると、測定対象が
搭載されたXY移動テーブル26を移動させて試料面16上の
次の測定点に対する膜厚dの測定を開始する。
測定ヘッド22内において、半導体レーザ光源11から出
力された単一波長を有するレーザ光線は偏光子12で直線
偏光に変換される。半導体レーザ光源11および偏光子12
は光源部13を構成する。直線偏光に変換された入射光15
は光源部13から試料面16へ角度φで入射される。試料面
16で反射された反射光17は試料面16の膜の存在によっ
て、直線偏光から楕円偏光になり、無偏光ビームスプリ
ッタ18へ入射される。
無偏光ビームスプリッタ18は例えば無偏光ガラス板で
形成されている。そして、入射された反射光17はP波と
S波との間の位相差Δを保持したまま二つの光18a,18b
に分岐される。反射された反射光18aは検光子19へ入射
される。そして、この検光子19は通過光の偏光方向が前
述した基準方向に対して0゜方向になるように位置決め
されている。この検光子19から出力された前記反射光18
a(反射光17)の0゜方向の偏光成分は受光器21aでもっ
てその光強度I1が検出される。
また、無偏光ビームスプリッタ18の透過光18bは偏光
ビームスプリッタ20へ入射される。この偏光ビームプリ
ッタ20は、入射した楕円偏光を有する透過光18bを互い
直交する2方向の偏光成分に分離して出力する。そし
て、一方の偏光成分の偏光方向が前述した基準方向に対
して受光器21b側から見て反時計方向に+45゜になるよ
うに位置決めされている。したがって、受光器21bの入
射光は前記透過光18b(反射光17)の+45゜方向の偏光
成分の光強度I2となる。偏光ビームスプリッタ20から出
力される他方の光は当然前記基準方向に対して−45゜方
向の偏光成分となる。よって、受光器21cから反射光17
の−45゜方向の偏光成分の光強度I3が得られる。
そして、前述した光源部13,各ビームスプリッタ18,2
0,検光子19および各受光器21a〜21c等の各光学部品は1
枚の軽金属材料で形成された基板22aに取付けられてい
る。そして、図2に示すように、各光学部品は共通に1
つの直方体形状を有したケース22bにて覆われている。
したがって、測定ヘッド22は、図3に示すように、操
作者が片手で試料面16に押付けて測定できる程度の大き
さと重量を有している。例えば、実施例の測定ヘッド22
においては、基板22aとケース22bとを含む大きさが、図
2に示すように、長さL:100mm,高さH:50mm,幅W:25mmで
あり、重量が300gである。
ちなみに、従来の一般的なエリプソメータに比較する
と、実施例の測定ヘッド22は、体積で1/700〜1/1000、
重量で1/80〜1/120程度まで小型軽量化を図ることがで
きた。
図1において、信号処理部23は、光源部13へ図4に示
す一定周期を有する矩形波信号gを送出して、入射光15
の光強度を矩形波状に変化する。その結果、各受光器21
a〜21cから入力される光強度信号の信号レベルも図4に
示すように、矩形波形信号gの周期でもって変化する。
そして、信号処理部23は、各光強度信号の高いレベルと
低いレベルとの差レベルを新たな光強度として検出し
て、検出された各光強度をA/D変換して、デジタル光強
度I1,I2,I3としての次のパーソナルコンピュータ24へ送
出する。
I1=I1H−I1L I2=I2H−I2L I3=I3H−I3L パーソナルコンピータ24は、信号処理部23における矩
形信号gの発振や各光強度I1,I2,I3の抽出を制御する。
そして、このパーソナルコンピュータ24は図5の流れ図
に従って、試料面16の膜厚dを算出する。
流れ図が開始されると、パーソナルコンピータ24は、
信号処理部23から入力された各光強度I1,I2,I3を読取
り、前述した条件A(1/4波長板なし)の(15)(16)
式を用いて各エリプソパラメータΔ,ψを算出する。こ
の場合、定数σは前述したよえに予め試験光を用いて測
定されている。そして、算出された位相差Δが0゜近傍
値か又は180゜近傍値の場合は、膜厚dは0であるか、
または入射光15の波長等によって定まる特定値である。
算出された位相差Δが0゜近傍値または180゜近傍値
でなければ、パーソナルコンピータ24は、得られたエリ
プソパラメータΔ,ψに対して所定の計算を行って試料
面16における膜厚dを算出する。算出結果は例えばCRT
表示装置に表示され、かつプリンタにて印字出力され
る。
次に、このように構成されたエリプソメータの効果を
図6に示す測定結果を用いて説明する。図6は、偏光方
向が+45゜で位相差Δが0゜の直線偏光とした場合にお
ける種々の膜厚dを有した材料に対してエリプソパラメ
ータΔを測定した結果を示す図である。図6の横軸は、
図18の光学系を有するエリプソメータを用いて測定した
正しい位相差Δ値を示す。縦軸は図1の実施例エリプソ
メータを用いて測定された位相差Δ値を示す。そして、
図中A特性は、(4)式を用いて算出した位相差Δを示
す。
エリプソメータにおいては、測定された位相差Δの再
現性は1゜以内であり、また、測定誤差は0゜〜180゜
の全範囲で0.5%未満であることが要求されている。
したがって、実施例の(4)式を用いると、測定され
た位相差Δは横軸の正しい位相差Δにほぼ1対1で対応
する。すなわち、0゜近傍および180゜近傍を除いて、
全領域で誤差0.5%未満で測定できる。一般に、位相差
0゜および位相差180゜は膜が存在しない状態に対応す
る特異な位相差Δであることを考慮すると、実施例エリ
プソメータにおいて、90゜の1点のみで校正を実施して
定数σを決定すればよい。
これに対して、図中B特性は、実施例エリプソメータ
において、従来の(2)式を用いて算出された位相差Δ
を示す特性である。このB特性においては、σを求める
校正点である90゜近傍では正しい値を示しているが、位
相差Δが90゜から離れるに従って、正しい値と大きく離
れることが理解できる。例えば、従来の(2)式を用い
て全位相差領域で正しい値との間の誤差量を1%未満に
制御しようとすると、位相差Δが0゜〜180゜までの間
で10点以上の校正点を設定して、各位相差Δにおける定
数C(σ)を予め測定しておく必要がある。
図7は、図6と同一の入射光を用いて、種々の材料に
対してエリプソパラメータψを測定した結果を示す図で
ある。図7の横軸は、図18の光学系を有するエリプソメ
ータを用いて測定した正しいψ値を示す。縦軸は図1の
実施例エリプソメータを用いて測定されたψ値を示す。
そして、図中C特性は、(5)式を用いて算出したψを
示す。また、図中D,E,Fの各特性は、実施例エリプソメ
ータで従来の(3)式を用いて各ψ値を求めた特性であ
る。そして、D,E,Fの各特性はψ値の算出過程でσをそ
れぞれ1.2,0.67,0.55に設定した場合における特性であ
る。
このように、(3)式を用いた従来手法を採用した場
合、σをある一定値に設定すると、測定対象によって正
しい値との間のずれ量が異なり、主に上下に平行移動す
る。この現象の原因としては、ψ値が測定対象の材料の
光の吸収率に主に起因しているからであると推定でき
る。回転検光子法などの他の手法で材料毎に予めこのず
れ量を調べておけば、限定的な使用は可能であるが、新
たに未知材料を測定することはでなきない。また、実際
問題として、同一材料であっても、屈折率,吸収率等の
光学的定数は、不純物の存在や表面粗さ,悲等方性的材
料の場合には測定方位、すなわち試料の取付方位によっ
て変化する。したがって、従来の(3)式を用いて算出
されたエリプソバラメータψの値は信頼性に乏しいと言
える。
これに対して、(5)式を用いて算出したC特性にお
いては、一つのσを設定すれば、測定対象の材質に依存
せずに、全領域に亘ってほぼ正しいエリプソパラメータ
ψが得られることが理解できる。
次に、パーソナルコンピュータ24において、実際に各
エリプソパラメータΔ,ψを算出する場合のプログラム
について考える。
図5が先に説明した実施例エリプメータにおける
(4)(5)式を用いて各エリプソパラメータΔ,ψお
よび膜厚dを算出するプログラムを示す流れ図である。
また、図8は実施例エリプソメータを用いて従来の
(2)(3)式を用いてΔ,ψおよびdを算出するプロ
グラムを示す流れ図である。
図8の流れ図において、従来式を用いて0゜〜180゜
の全位相差範囲でもって例えば0.5%の精度で位相差Δ
が算出されるためには、予め0゜〜180゜の全位相差範
囲を18等分して、各位相差領域で該当位相差領域に対応
する定数C(=σ)が求められる必要がある。そして、
予備測定された位相差Δがどの位相差領域に所属するが
判断される。そして、判断された位相差領域に指定され
ている定数C(=σ)を用いて、再度エリプソパラメー
タΔ,ψの算出処理を実行する。そして、この再演算に
よって得られたエリプソパラメータΔ,ψを用いて試料
面における膜厚dが算出される。
したがって、プログラムが複雑化するのみならず、位
相差Δが180゜に近い場合は十数回の判断処理を実行す
る必要があるので、一つの測定点に対する膜厚d測定に
多大の時間が必要である。
これに対して、図5に示す実施例プログラムにおいて
は、判断を要する処理は2回のみである。また、定数
(=σ)は予め求められた固定値であるので、エリプソ
パラメータΔ,ψに対する予備計算を行う必要がなく、
1回の計算のみでよい。よって、図8に示す従来プログ
ラムに比較して、プログラムが簡素化されると共に、計
算処理速度が大幅に向上する。例えば図8の18回判断を
行う場合に比較して、約20倍の処理速度が得られた。
例えば、実際に製鉄工場における連続して移動する薄
鋼等の化成処理工程における膜厚の測定に、1台のパー
ソナルコンピュータ24で図1に示す測定ヘッド22を薄鋼
帯の幅方向に10台配設して、従来の(2)(3)式を用
いた処理速度と、実施例の(4)(5)式を用いた処理
速度とを測定した。その結果、従来の(2)(3)式を
用いた処理速度においては、1台のパーソナルコンピュ
ータ24で1台の測定ヘッド22のみしか管理することがで
きなかったが、実施例の(4)(5)式を用いてた場合
には、1台のパーソナルコンピュータ24で10台の測定ヘ
ッド22を余裕をもって制御できた。したがって、パーソ
ナルコンピュータ24の設置台数を減少でき、システム全
体の設備費を大幅に節減できる。
図9は本発明の他の実施例に係わるエリプソメータに
おける測定ヘッドの概略構成図である。図1の実施例と
同一部分には同一符号が付してある。
この実施例においては、試料面16に対する入射光15ま
たは反射光17の光路に1/4波長板27が挿脱自在に設けら
れている。そして、測定された3つの各光強度I1,I2,I3
の各値の相互間の差が極端に大きい場合は、この1/4波
長板27を挿入したり、取り除いたりして、各光強度I1,I
2,I3の値相互間の差が極端に大きくなるのを防止して測
定精度を向上させることが可能である。
図10は本発明のさらに別の実施例に係わるエリプソメ
ータにおける測定ヘッドの概略構成図である。図1の実
施例と同一部分には同一符号が付してある。
厚さ10mmのアルミ合金等の軽金属の基板22a上に、レ
ーザ光源11と偏光子12からなる光源部13,無偏光ガラス2
9と偏光ビームスプリッタ30とから一体的に構成されて
いる複合偏光ビームスプリッタ28,第1の受光器21a,第
2の受光器21b,第3の受光器21cか平面的に固定されて
いる。
光源部13から出力される直線偏光された入射光15は試
料面16で反射される。試料面16からの反射光17は、直線
偏光から図19に示した楕円偏光に変換されたのち、複合
偏光ビームスプリッタ28の無偏光ガラス29の入射面に入
射される。
無偏光ガラス29は例えば三角形断面を有するプリズム
で形成されている。無偏光ガラス29の入射面と反対側の
出射面に偏光ビームスプリッタ30の入射面が接合されて
いる。試料面16からの反射光17が入射面に対してブリー
スター角度θでもって入射するように、偏光ビームスプ
リッタ30の前記基板22aに対する取付け姿勢角が設定さ
れている。
周知のように、ブリースター角度θで入射された光は
入射面で反射される反射光と内部へ入る透過光に分離さ
れる。そして、反射光は入射面(反射面)に平行方向に
偏光する偏光成分のみとなる。
したがって、この入射面(反射面)で反射された反射
光は入射面に平行する偏光方向(基準方向)のみを有し
た第1の偏光成分29aとなる。一方、入射面から無偏光
ガラス29内へ入射した透過光は、この無偏光ガラス29の
物理特性で定まる屈折率によって屈折されて反対側の出
射面から偏光ビームスプリッタ30へ入射される。この場
合、透過光の出射面に対する角度が垂直になるように、
無偏光ガラス29の断面形状が設定されている。よって、
透過光は偏光ビームスプリッタ30の入射面に対して垂直
に入射される。
偏光ビームスプリッタ30は例えば例えばウォーラスト
ンプリズム等で形成されている。そして、無偏光ガラス
29からの入射光を互いに偏光方向が90゜異なる第2,第3
の偏光成分30a,30bに分離する。そして、第2の偏光成
分30aの偏光方向が前記第1の偏光成分29aの偏光方向で
ある基準方向に対して+45゜になり、かつ第3の偏光成
分30bの偏光方向が基準方向に対して−45゜になるよう
に、この偏光ビームスプリッタ30の無偏光ガラス29に対
する取付角度が設定されていいる。
無偏光ガラス29と偏光ビームスプリッタ30とは、物理
的に一つの部材となるように光学的に接合されている。
すなわち、この両者の平滑の接合面を密着させるか、ガ
ラスの屈折率に近い性質を有する市販の光学オイルを介
在させて密着させる。この密着状態は図示しない把持機
構(例えば、硬樹脂の容器やネジ機構)により維持さ
れ、物理的に一つの部材として一体化されている。
他の光学的接合状態としては、両者の平滑な接合面を
平行に維持したまま離間するか、または、離間した間を
市販の光学オイルで充填するものが考えられる。この隙
間状態も図示しない適当な把持機構により実現される。
接合面が密着していない場合には物理的に一つの部材で
あると言いがたいが、本発明は当然このような態様のも
のも含む。なお、接合面冠間を充填する物資は、上記光
学コイルに限定されない。
光は無偏光ガラス29を出射面に垂直に出射し、偏光ビ
ームスプリンタ30の入射面に垂直に入射するので、光の
偏光状態が維持される。それゆえ、その光を透過させる
光学的に等方的な物質で有る限り、これを充填物質とし
て採用可能である。したがって、無偏向ガラス29と偏向
ビームスプリッタ30とを物理的に接合するいわゆる接着
剤であっても採用可能な場合がある。
このように、偏向方向がそれぞれ基準方向および+45
゜,−45゜方向に設定された第1,第2,第3の各偏向成分
29a,30aはそれぞれ第1,第2,第3の各受光器21a,21b,21c
へ入射される。したがって、各受光器21a,21b,21cから
図19に示す反射光17の楕円偏向における各方向から見た
各光強度11,12,13が得られる。
図10に示すような構造のエリプソメータに対して、図
18の光学系の場合と同様な手法を適用して、エリプソパ
ラメータが如何なる形で表現されるかを検討してみる。
複合偏向ビームスプリッタ28から出力される基準方向に
対する0゜,+45゜,−45゜方向の各偏向成分のベクト
ルE1,E2,E3は(10a)(11a)(12a)式となる。
E1=BrSEi …(10a) E2=R+45BtSEi …(11a) E3=R-45BtSEi …(12a) 但し、Sは前述した(13)式で表現されるベクトルで
ある。また、この光学系では、定数σは(14a)式で示
される。
σ=(1−rs)/(1−rp) …(14a) そして、この光学系では、無偏向ガラス29に対する入
射角度がブリュースター角度に調整されているので、フ
レネル反射係数r01P=0となる点に注意しながら、(10
a)−(12a),(13)および(14a)式をΔ,ψについ
て解くと、(4a)(5a)式が得られる。
cos(Δ−φ)=[(1+σ) (I2−I3)/4σI1] ×[2I1/(1+σ) (I2+I3)/2σ2I1}]1/2 …(4a) tanψ=tan p[{(1+σ) (I2+I3)−2σ2I1}/2I1]1/2 …(5a) 試料に入射する光を、1/4波長板を用いて調整する
と、入射光のエリプソパラメータφi,pに関して前述の
条件A,Bを設定することができる。そして、条件Aの場
合、(4a)(5a)式はそれぞれ(15a)(16a)式とな
る。
cosΔ=[(1+σ) (I2−I3)/4σI1] ×[2I1/(1+σ) (I2+I3)/2σ2I1}]1/2 …(15a) tanψ=[{(1+σ)(I2+I3) −2σ2I1}/2I1]1/2 …(16a) また、条件Bの場合、(4a)(5a)式はそれぞれ(17
a)(18a)式となる。
sinΔ=[(1+σ)(I2−I3) /4σI1]×[2I1/{(1+σ) (I2+I3)−2σ2I1}]1/2 …(17a) tanψ=[{(1+σ)(I2+I3) −2σ2I1}/2I1]1/2 …(18a) よって、パーソナルコンピュータ24によって、前述し
た(4a)(5a)式を用いて、エリプソパラメータΔ,ψ
が算出される。そして、最終的に試料面16の膜厚dが算
出される。
このように構成されたエリプソメータであれば、図10
に示すように、測定ヘッド22内の基板22a上に取付ける
光学部品はフォトダイオードからなる3個の受光器21a,
21b,21cを別にすれば、1個の複合偏向ビームスプリッ
タ28および光源部13のレーザ光源11と偏向子12のみであ
る。したがって、図18に示した従来のエリプソメータに
比較して、構成光学部品数が格段に少なくなる。
また、入射光を基準方向およびこの基準方向に対して
互いに+45゜および−45゜だけ異なる3つの偏光成分28
a,30a,30bに分離する複合偏光ビームスプリッタ28は1
個の光学部品で構成されているので、従来装置のように
二つの検光個相互間の偏光方向を調整する必要がない。
したがって、この複合偏光ビームスプリッタ28を基板22
a上に固定すれば、別途回転調整機構を設ける必要がな
い。
また、無偏光ガラス29と偏光ビームスプリッタ30が予
め所定の相対関係を有して接合された複合偏光ビームス
プリッタ28は、高々5〜30mm2の程度の大きさを有した
一体的部品である。よって、複合偏光ビームスプリッタ
28と各受光器21〜21c等の周辺部品を含めた検出部全体
の大きさは高々5cm2で、高さも2cm程度である。また、
重量においても、200g以下である。
よって、図1に示す実施例に比較して測定ヘッド22を
さらに小型軽量に構成することが可能である。複合偏光
ビームスプリッタ28は作成技術如何で、さらに小さくす
もことができるので、小型軽量化により大きく寄与す
る。
さらに、図10の実施例においても、図9と同様に、試
料面16に対する入射光15または反射光17の光路に対して
挿脱自在な1/4波長板27を設けることも可能である。図
9の場合においては、波長板27の挿脱に伴う調整如何
で、(4)(5)式は(15)(16)又は(17)(18)式
になるので、いずれかに基づいてバーソナルコンソュー
タ24でエリプソパラメータΔ,ψが演算される。図10の
場合は、波長板27の挿脱に伴う調整如何で、(4a)(5
a)式は(15a)(16a)又は(17a)(18a)式になるの
で、いずれかに基づきΔ,ψが演算される。
図10に示すエリプソメータは、図9(または図1)に
示すエリプソメータに比べて、より小型軽量であるが、
ブリュースター角度で光を分離する光学要素29を採用し
て固定している関係上、測定対象と光学系との間の距離
変動の影響を受けやすい。このため、図9(または図
1)のエリプソメータの方が、高精度測定に適してい
る。
なお、図10に示すように構成された複合偏光ビームス
プリッタ28は、本発明に係わるエリプソメータの一構成
要素であることは言うまでもない。しかし、この複合偏
光ビームスプリッタ128は、入力される光学情報を小さ
な一か所で分割し、光強度情報および偏光情報を伴う3
つの光学情報に分解する機能を有する。したがって、こ
の複合偏光ビームスプリッタ28の用途は、単に前述した
エリプソメータに限らず、光路分岐結合器、光導波路等
の光学情報機器への採用が可能あでる。
図20は、上述した複合偏光ビームスプリッタが組込ま
れた光路分岐結合器の概略構成を示す断面模式図であ
る。
図20において、4つの光ファイバケーブル111〜114の
先端部は一か所に集められて固定されている。そして、
その中央部に複合偏光ビームスプリッタ115が配設され
ている。各光ファイバケーブル111〜114の先端部分にお
いては、露出した各光ファイバはケース118内において
それぞれフェルール121〜124に接続されている。各フェ
ルール121〜124はケース118内の凹凸部129a〜129gうち
のそれぞれ129a〜129b,129b〜129c,129d〜129e〜129f,1
29g〜129e〜129fで構成される軌道内にばね125〜128に
よって装着されている。そして、前記複合偏光ビースス
プリッタ115は前記各凹凸部129a〜129gによって所定位
置に支持されている。この複合偏光ビーススプリッタ11
5は、取付位置がずれないように、支持部材116を介して
ねじ117により固定されている。
このような構成の光路分岐結合器においては、光ファ
イバケーブル111から入力さた光情報は、複合偏光ビー
ムスプリッタ115により、偏光情報および光強度情報を
有した3つの光情報に分離され、各光ファイバーケーブ
ル112,113,114を介して外部へ出力される。なお、光情
報を逆方向から入射させることによって、複数の光情報
を1つの光情報に合成することも可能である。
図11は、製鉄工場における鋼板の連続焼鈍ラインの最
終段階にこの実施例のエリプソメータを取付けて鋼板上
の酸化膜厚みを測定するシステムの模式図である。
一定速度で連続焼鈍ライン32から繰出される鋼板31は
ローラ33a,33bを経由した後、巻取軸34に巻取られてコ
イルとなる。そしてローラ33a,33b相互間に鋼板31の幅
方向に複数の測定ヘッド35(35a,35b)がこの鉄鋼31の
表面および裏面にそれぞれ対向するように配設されてい
る。
すなわち、各測定ヘッド35からそれぞれの光強度I1,I
2,I3が得られ、これらは、図示しない信号処理部23に送
信され、さらに図示しないコンピュータにより処理され
る。この処理の一例は前述した図5に示す通りである。
かくして、このコンピュータでもって鋼板31の表面およ
び裏面の酸化膜の各膜厚dが算出される。
なお、0.5〜5nmの膜厚dの範囲においては、楕円偏光
を特定するエリプソパラメータのうち位相差Δを特定す
るcosΔと膜厚dとがほぼ比例関係になる。一方、φは
ほぼ一定である。よって、予めオフライン計測によって
cosΔと膜厚dとの関係を測定しておき、コンピュータ
に比例係数を入力しておけば、膜厚dの算出速度をさら
に高速化できる。
このような連続焼鈍ラインにおいて、酸化膜厚dは鍍
金や化成処理等の後工程に影響を及ぼすと考えられてお
り、測定することの必要性が確認されていた。しかし、
酸化膜の厚み0.5〜5nmであり、エリプソメータでもって
この厚みを正確に測定するには、測定ヘッドと測定対象
としての鋼板31との間の距離Lを厳密に一定値に保持す
る必要がある。しかし、鋼板31は例えば高速で移動して
おり、移動に伴って振動も発生する。したがって、振動
の少ないローラ33a,33b近傍で膜厚dを測定する必要が
ある。しかし、従来装置においては、エリプソメータの
装置自体が大型であり、ローラ33a,33b近傍に配設する
ことができなかった。特に鋼板31の裏面の膜厚dも測定
する場合は、図示するように鋼板31のローラ33a,33b側
には図示するように巻取軸34に巻取られたコイルが存在
するために、従来のエリプソメータを配設する空間を確
保することは非常に困難であった。
そこで、図2で示したような例えば100×50×25mm程
度の大きさを有した実施例の測定ヘッド35を用いること
によって、この測定ヘッド35をローラ33aに近接して配
設することが可能となる。その結果、鋼板31の振動がほ
とんど発生しない部位で酸化膜厚dを測定することがで
きる。よって、十分な測定精度を確保できる。
実施例においては、100cm幅を有した鋼板31の幅方向
に25mm幅を有する測定ヘッド35を表面および裏面にそれ
ぞれ5個づつ配設している。このように幅が狭い測定ヘ
ッド35を用いることによって、鋼板31の幅方向の酸化膜
厚分布をオンライン状態で測定できる。
ちなみに、従来においては、オンライン計測ができな
かったために、作業員が鋼板31の一部を切り取って、実
験室に持ち帰り酸化膜厚dを測定していた。したがっ
て、実施例装置にいては従来装置に比較して製品の検査
作業能率を大幅に向上できる。
図15は鉄鋼プロセスの化成処理工場における鋼板上に
油を塗布する塗布ラインの概略構成図である。そして、
この塗布ラインに実施例の塗布厚制御方法を採用した塗
布厚制御装置が組込まれている。
一定速度で搬入される鋼板31は、塗布装置36で油が塗
布された後、ローラ33a,33bによって搬出される。そし
て塗布装置36の前方位置およびローラ33a,33b相互間位
置において、鉄鋼31の幅方向に複数の第1,第2の測定ヘ
ッド35a,35bがこの鉄鋼31の表面に対向するように配設
されている。
なお、図11および図15の何れの場合においても、個々
の測定ヘッド35内にガス供給管を連通して、例えば乾燥
窒素のような測定に影響を与えないガスを測定ヘッド35
a,35b内に供給して、このガスを入射光15および反射光1
7が入出力する穴から外部に向けて500〜5000cc/min流出
させて、ガス圧により油,塵等の光学系への導入を防止
する。
具体的には、図12および図13に示すように、測定ヘッ
ド35の光学系の外部を覆うケース35cにはガス供給装置
からのガス供給管100が貫通して、ケース内部に開口し
ている。ケース35cには光源部13からの入射光15とその
反射光17が出入りする穴35dが穿設されている。そし
て、この穴35cはガス供給管100からのガスの排気口を兼
ねる。図示するように、ガス供給管100のノズル100aは
穴35dに向かってガスを吹付けるように配置されるのが
好ましいが、これに限定されるものではない。結果とし
て、穴35dから加圧されたガスが外部に吹き出し、内部
の光学系への外来物の侵入を回避できれば、単にケース
35c内をガスパージするだけでも良い。図12,図13に示し
たもう一つのノズル100bは、特ケース35c内のガスパー
ジを意図して設けられている。
各測定ヘッド35a,35bからそれぞれの高強度I1,I2,I3
が得られる。そして、図示しないコンピュータでもって
鋼板31の各幅方向位置における塗布装置36で油を塗布す
る前の状態のエリプソパラメータΔ1,ψ1を第1の測定
ヘッド35aの各光強度から求める。同様に、コンピュー
タでもって油を塗布した後のエリプソパラメータΔ2,ψ
2を第2の測定ヘッド35aの各光強度から求める。
各位相差Δ1,Δ2相互間の差Δ12が塗布された油の膜
厚dに比例することが実証されている。
cosΔ12=cos(Δ2−Δ1) …(19) 第1の測定ヘッド35aで測定された鋼板31上の特定位
置が第2の測定ヘッド35bの位置に到達する時刻は鋼板3
1の移動速度Vが特定できれば、同一点における楕円偏
光のエリプソパラメータの変化量を測定できる。そし
て、この変化量を塗布装置36に帰還量として送出するこ
とによって、塗布される油の膜厚dを一定値に自動制御
できる。この実施例においては、膜厚dの変動を±3nm
に抑制することができた。なお、塗布装置36自体の塗布
厚みの制御可能範囲が2nmであることを考慮すると、き
わめて良好に膜厚dを制御できることが理解できる。
ちなみに、本実施例手法を用いない場合においては、
鋼板31の種類によっては、鋼板の表面屈折率と塗布され
た油の屈折率が近似していると、油の膜厚dのみを抽出
して正確に測定することは困難であった。また、鋼板31
の表面状態が連続的に変化する場合においても、正確に
測定することが困難であった。
このように、実施例の塗布厚制御方法を採用した塗布
厚制御装置は、測定ヘッドが測定処理における高速性を
保ったまま小型化されたことによって初めて実用化され
た。
なお、この実施例においては、塗布油膜厚dは2〜30
nmである。この塗布油膜厚dの範囲においては、楕円偏
光を特定するエリプソパラメータのうち移送差Δのcos
Δと膜厚dとがほぼ比例関係にある。そのために、予め
オフライン計測によってcosΔと膜厚dとの関係を測定
しておき、コンピュータに比例係数を入力しておくこと
によって、膜厚dの算出速度をさらに高速化することが
できる。
実施例のコンピュータは市販の32ビットのマイクロコ
ンピュータである。この場合、1ライン分の分布(5
点)は1msec毎に得られるが、1000回分を平均して出力
する。鋼板31の移動速度Vは5m/secであるので、計測結
果は5m毎の平均値である。計測結果は、前述したよう
に、塗布装置36に帰還され、膜厚dが設定値に維持され
るように制御される。
なお、従来においては、オンライン計測ができなかっ
たために、例えば膜厚dの設定値が20nmに対して、鋼板
100m内において最大±13mmの変動が生じていたが、実施
例装置を採用することによって、その変動を±8nmに抑
制することができた。よって、製品の検査作業能率を大
幅に向上できる。
図11,15のようなオンライン計測システムの制御ブロ
ック図の一例を図14に示す。
この図において、測定ヘッドは、図1の測定ヘッド22
と同様に、信号処理部とパーソナルコンピュータに接続
されている。多数の測定ヘッド35は鋼板31の両側に分割
されてグループ化されている。各グループの測定ヘッド
35a,35bはそれぞれ信号処理部23a,23bを介してそれぞれ
1台のパーソナルコンピュータ24a,24bに接続される。
各グループ内において、各測定ヘッド35a,35bのそれぞ
れの測定値は時分割多重通信によってそれぞれのパーソ
ナルコンピュータ24a,24bへ伝送される。測定結果はそ
れぞれのパーソナルコンピュータ24a,24bメメモリに一
時蓄積してもよいし、外部記憶部に記憶してもよい。
さらに、各パーソナルコンピュータ24a,24bは共通バ
スライン101に接続されている。この共通バスライン101
には、出力表示装置102,記憶装置103,例えば鋼板31の移
動速度や測定対象の製造条件等の製造プロセス情報を記
憶する手段104,上位コンピュータ105,操作者が操作する
マンマシンインタフェース装置106,製造プロセスコント
ローラ107等が接続されている。
例えば、図15に示した鋼板31上への塗布ラインにおい
ては、2か所の測定ヘッド35a,35bによる測定結果によ
り各パーソナルコンピュータ24a,24bがエリプソパラメ
ータΔ1,Δ2を演算する。この結果はハーソナルコンピ
ュータ24a,24bに一旦記憶される。引続き、上位コンピ
ュータ105の支持により、エリプソパラメータΔ1,Δ2
や製造プロセスに関する情報等の必要なデータが読出さ
れる。そして、上位コンピュータ105はこれらを用いて
膜圧をdを演算する。
上位コンピュータ105は、当然、膜厚計測に関するシ
ステムを制御する。さらに、この上位コンピュータ105
は、測定結果に基づいて測定対象の製造プロせすを最適
または目標通りになるように自動制御する機能をも有す
る。また、マンマシンインタフェース装置106は、上位
コンピュータ105と下位コンピュータ24a,24bとの間のイ
ンタフェースの機能を有する。すなわち、操作者の希望
または予め構築されたプログラムに従って、必要な計測
データは適宜表示され、記録される。
図16は本発明の他の実施例に係わるエリプソメータを
シリコンウェーハーの酸化膜厚の分布測定装置に組込ん
だ状態を示す図である。
ベース41上に移動テーブル42が設けられ、この移動テ
ーブル42上に回転支持台43が取付けられている。そし
て、この回転支持台43上に測定対象としてのシリコンウ
ェーハー45が例えば吸着機構によって取付けられる。し
たがって、シリコンウェーハー45は回転しながら矢印方
向に直線移動する。ベース41上にはシリコンウェーハー
45全体の厚みを測定する既存の厚み測定装置46が配設さ
れ、また、この厚み測定装置46の対向位置にエリプソメ
ータの測定ヘッド47が支持部材48にて固定されている。
なお、測定ヘッド47のレーザ光源11から出力されるレー
ザ光における波長は830nmであり、出力は1mWであり、ビ
ーム径は0.8mmである。
そして、厚み測定装置46および測定ヘッド47は移動テ
ーブル42および回転支持台43にて制御されて移動してい
るシリコンウェーハー45の各測定位置(R,θ)における
全体の厚みと酸化膜の厚みdを測定する。
図17は、図16に示す酸化膜厚の分布測定装置に組込ま
れているパーソナルコンピュータ24の電気的構成を示す
ブロック図である。但し、図柱移動機構59,移動テーブ
ル42,回転支持台43およびこれらの制御を除く電気的構
成は、本発明に係わるエリプソメータのための電気的構
成として採用できる。従って、その残の電気的構成は、
図1,図9,図10における各光強I1,I2,I3や図11および図15
における測定ヘッド35(35a,35b)からの各光強I1,I2,I
3を処理できることは明らかである。
さて、図17において、測定ヘッド47に組込まれた各受
光器21a,21b,21cから出力されるアナログの各光強度I1,
I2,I3はそれぞれ増幅器50a,50b,50cで一定の増幅率で増
幅された後、それぞれサンプルホールド(S/H)回路51
a,51b,51cで一定期間サンプルホールドされる。そし
て、サンプルホールドされた各光強度はマルチプレクサ
回路52へ入力される。マルチプレクサ回路52は、入力さ
れた3つの各光強度I1〜I3を時分割して一つの時分割多
重信号に変換して、A/D変換器53へ送出する。A/D変換器
53は入力されたアナログの時分割多重化信号をデジタル
のデータ信号に変換してバスライン54へ送出する。
バスライン54には各種演算および制御を行うCPU(中
央処理装置)55が接続されている。そして、このCPU55
は前記バスライン54を介して、種々の制御プログラムが
記憶されているROM56,入力されたデジタルの各光強度I1
〜I3等の各種可変データを記憶するRAMで構成されたデ
ータメモリ57,演算結果を例えば表示器やプリンタに出
力する出力装置58等を制御する。
データメモリ57は、必要な情報を蓄積する時期テープ
手段を備えていてもよい。必要な演算プログラム(例え
ば、(4)(5)式、(4a)(5a)式,(15)(16)
式、(15a)(16a)式を実行するプログラム)は、ROM5
6に初めから蓄積しておいてもかまわないし、RAMの中に
書き替え自在に蓄積しておいてもよい。
バスライン54には図示しないキーボード手段も接続さ
れ、マンマシンインタフェースが確保される。測定者
は、キーボード手段を介して、ROM56やRAMから必要な情
報やプログラムを読出すことができるし、RAM内のデー
タやプログラムを書き替えることも可能である。また、
測定者は、測定器や周辺機器の指令をキーボード手段を
介して入力することができる。特に、1/4波長板を入射
光15の光路に対して挿脱して入射光の設定を行う場合に
は、より適当な演算プログラムを選択する必要がある
が、このような場合にも測定者はキーボード手段を介し
て演算プログラムの選択や必要なデータ,プログラムの
修正を行うことができる。
さらに、CPU55は、各サンプルホールド回路51a〜51d
におけるサンプルホールドタイミングを制御し、マルチ
プレクサ回路52の動作を制御する。また、CPU55は、前
記移動テーブル42および回動支持台43を駆動する移動機
構59に対して制御信号を送出して、移動テーブル42およ
び回転支持台43の移動位置を制御する。
そして、前記CPU65は外部から測定指令が入力する
と、移動機構59へ制御信号を送り出してシリコンウェー
ハー45上の測定位置(R,θ)を初期化する。次に、該当
測定位置における各光強度I1〜I3をA/D変換器53を介し
て読取り、一旦データメモリ57へ書込む。そして、読取
った各光強度I1〜I3を(4)(5)式に代入してエリプ
ソパラメータφ,Δを算出する。エリプソパラメータ
φ,Δ,が求まると、別途計算式を用いてシリコンウェ
ーハー45上の該当測定位置(R,θ)における膜厚dおよ
び屈折率を算出する。一つの測定位置における膜厚dお
よび屈折率の測定が終了すると、移動機構59へ制御信号
を送出して測定位置(R,θ)を移動して再度測定を実行
する。そして、すべての測定位置における測定処理が終
了すると、1枚のシリコンウェーハー45に対する測定が
終了する。
なお、測定結果の中間値や最終値はCPU55で制御され
る出力装置58を介してプリンタやCRT側面のような周知
の表示手段にて表示される。
そして、既存の厚み測定装置46が1枚のシリコンウェ
ーハー45の厚みを測定するのに要する時間は約20秒であ
り、この間にエリプソメータは別途設置された図17のマ
イクロコンピュータによる計算を含めてシリコンウェー
ハー面を約1000点測定可能である。
したがって、この測定ヘッド47を取付けることによっ
て、移動テーブル42が停止したり、搬送速度が低下する
ことはない。また、このエリプソメータを取付けること
によって、膜厚dが許容範囲を外れた規格外のシリコン
ウェーハー45を排除できる。よって、規格外のシリコン
ウェーハー45が次の工程へ搬送されることはないので、
全体の生産性を向上できる。
なお、実施例においては、20台のウエーハー搬送機に
それぞれ前述した測定ヘッド47を取付けて、1台のパー
ソナルコンピュータ24でもって測定を行った。1個の測
定ヘッド47における1回の酸化膜厚dの測定に要する時
間は、パーソナルコンピュータ24における計算時間をも
含めて約1msである。一方、測定ヘッド47の下方位置を
シリコンウェーハー45が通り過ぎる時間は1台当り1/20
秒である。したがって、ウエーハー搬送機が20台同時に
稼働したとしても測定および計算処理は十分に追従でき
る。
なお、一般的なウエーハー搬送機の周辺は空間的余裕
が少なく、従来のエリプソメータを設置することは非常
に困難であった。なおシリコンウェーハー45の酸化膜厚
dのみを専門に測定する測定工程を別途設ければ、従来
装置においても測定可能である。しかしそうすると、シ
リコンウェーハー45の製造工程が増加するのみならず、
増加することによって、埃や塵が表面に付着する確立が
高くなり、製品の歩留まりを低下させる懸念が新たに生
じる。
このように、実施例エリプソメータにおいては、測定
ヘッド47が大幅に小型軽量化されているので、上述した
各適用例に限らず、既存の設備に簡単に付加することに
よって、窒化膜,ポリシリコン膜,透明電極材料,油膜
等のオンライン計測への応用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 特許法第30条第1項適用申請有り 1991年10月9日 岡 山大学及び岡山理科大学において開催された第52回応用 物理学会学術講演会において発表 前置審査 (72)発明者 山崎 剛 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 高山 貴光 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 野村 修一郎 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−293104(JP,A) 特開 昭64−28509(JP,A) 特開 平2−168205(JP,A) 特開 昭63−168541(JP,A) 実開 昭62−156839(JP,U) 実開 昭62−106101(JP,U) 実開 昭63−47217(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏光した光を測定対象に所定角度で入射さ
    せる光源部と、前記測定対象にて反射された反射光を偏
    光方向が基準方向に設定された第1の偏光成分と偏光方
    向が前記基準方向に対してそれぞれ異なる方向に設定さ
    れた第2および第3の偏光成分とに分離する複合偏光ビ
    ームスプリッタと、この複合偏光ビームスプリッタにて
    分離された第1,第2および第3の偏光成分の各光強度を
    検出する第1,第2および第3の受光器と、この第1,第2
    および第3の受光器の各光強度から前記反射光における
    楕円偏光のエリプソパラメータを算出する演算部とを備
    えたエリプソメータであって、 前記複合偏光ビームスプリッタは、前記測定対象からの
    入射光に対する入射角度がブリュースター角度に設定さ
    れ、前記入射光を、入射面で前記第1の受光器へ反射さ
    れる反射光と内部へ入る透過光とに分岐する無偏光ガラ
    スと、この無偏光ガラスにおける前記透過光の出射面に
    接合され、前記無偏光ガラスを透過した光を、偏光方向
    が前記基準方向に対してそれぞれ異なる方向に向く前記
    第2および第3の偏光成分に分離する偏光ビームスプリ
    ッタとで構成されたことを特徴とするエリプソメータ。
  2. 【請求項2】前記光源部,複合偏光ビームスプリッタお
    よび各受光器等の各光学部材を収納するケースと、この
    ケースの前記測定対象に対向する位置に穿設され、前記
    測定対象に対する入射光及び反射光が入出力する穴と、
    前記ケースに接続され、このケース内に連通するガス供
    給管と、このガス供給管を介して前記ケース内に加圧ガ
    スを供給して、この加圧ガスを前記穴からケース外へ排
    気する加圧ガス供給手段とを備えた請求の範囲第1項記
    載のエリプソメータ。
  3. 【請求項3】偏光した光を測定対象に所定角度で入射さ
    せる光源部と、前記測定対象からの反射光が入射面に対
    してブリュースター角度で入射され、この入射を入射面
    で反射光と内部へ入る透過光とに分離する無偏光ガラス
    と、この無偏光ガラスにおける前記透過光の出射面に光
    学的に接合され、前記透過光を前記測定対象への入射光
    の入射面に平行な方向な基準方向とした場合における+
    45゜方向及び−45゜方向の各偏光成分に分離する偏光ビ
    ームスプリッタと、前記基準方向に対して90゜方向の偏
    光成分となる前記無偏光ガラスの反射光および前記偏光
    ビームスプリッタからの+45゜及び−45゜方向の各偏光
    成分の各光強度I1,I2,I3を検出する複数の受光器と、こ
    の各受光器にて検出された各光強度から下式を用いて前
    記測定対象からの反射光における楕円偏光の位相差Δお
    よび振幅比ψからなるエリプソパラメータを算出する演
    算部とを備えたエリプソメータ。 cos(Δ−φ)=[(1+σ)(I2 −I3)/4σI1] ×[2I1/{(1+σ)(I2+I3) −2σ2I1}]1/2 tanψ=tan p[{(1+σ)(I2+I3) −2σ2I1/2I1}]1/2 但し、位相差φおよび振幅比pは入射光のエリプソパ
    ラメータであり、σは測定系で定まる定数である。
  4. 【請求項4】帯状の被塗布板の搬送路に沿って第1のエ
    リプソメータ,塗布装置および第2のエリプソメータを
    配設して、第1のエリプソメータでもって、塗布前の被
    塗布板表面に対する第1のエリプソパラメータを求め、
    第2のエリプソメータでもって、塗布後の被塗布板表面
    に対する第2のエリプソパラメータを求め、この第1お
    よび第2のエリプソパラメータの差でもって前記塗布装
    置による塗布厚を制御する塗布厚制御方法であって、 前記第1および第2のエリプソメータは、偏光した光を
    測定対象に所定角度で入射させる光源部と、前記測定対
    象にて反射された反射光を偏光方向が基準方向に設定さ
    れた第1の偏光成分と偏光方向が前記基準方向に対して
    それぞれ異なる方向に設定された第2および第3の偏光
    成分とに分離する複合偏光ビームスプリッタと、この複
    合偏光ビームスプリッタにて分離された第1,第2および
    第3の偏光成分の各光強度を検出する第1,第2および第
    3の受光器と、この第1,第2および第3の受光器の各光
    強度から前記反射光における楕円偏光のエリプソパラメ
    ータを算出する演算部とを備え、 かつ、前記複合偏光ビームスプリッタは、前記測定対象
    からの入射光に対する入射角度がブリュースター角度に
    設定され、前記入射光を、入射面で前記第1の受光器へ
    反射される反射光と内部へ入る透過光とに分岐する無偏
    光ガラスと、この無偏光ガラスにおける前記透過光の出
    射面に接合され、前記無偏光ガラスを透過した光を、偏
    光方向が前記基準方向に対してそれぞれ異なる方向に向
    く前記第2および第3の偏光成分に分離する偏光ビーム
    スプリッタとで構成されたことを特徴とする塗布厚制御
    方法。
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