JP3269107B2 - エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータ - Google Patents
エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータInfo
- Publication number
- JP3269107B2 JP3269107B2 JP06194192A JP6194192A JP3269107B2 JP 3269107 B2 JP3269107 B2 JP 3269107B2 JP 06194192 A JP06194192 A JP 06194192A JP 6194192 A JP6194192 A JP 6194192A JP 3269107 B2 JP3269107 B2 JP 3269107B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- intensities
- reflected
- polarization
- ellipsometer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄い膜厚を正確に測定す
る場合に用いるエリプソパラメータを測定するエリプソ
パラメータ測定方法及びこの方法を用いたエリプソメー
タに係わり、特に、検出された複数の光強度における任
意組合わせに対してエリプソパラメータを自動的に計算
するエリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータに
関する。
る場合に用いるエリプソパラメータを測定するエリプソ
パラメータ測定方法及びこの方法を用いたエリプソメー
タに係わり、特に、検出された複数の光強度における任
意組合わせに対してエリプソパラメータを自動的に計算
するエリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータに
関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜の膜厚を測定する手法としてエリプ
ソメトリ手法が用いられる。この手法は、薄膜等の試料
面で光が反射する際の偏光状態の変化、すなわち電場ベ
クトルの入射面に平行な成分(P成分)の反射率Rp
と、垂直な成分(S成分)の反射率Rsとの比ρを(5)
式で測定して、すでに確立されている偏光反射率比ρと
膜厚dとの一定の関係に従って、この膜厚dを求める。 ρ=Rp/Rs= tanψ exp[jΔ] …(5)
ソメトリ手法が用いられる。この手法は、薄膜等の試料
面で光が反射する際の偏光状態の変化、すなわち電場ベ
クトルの入射面に平行な成分(P成分)の反射率Rp
と、垂直な成分(S成分)の反射率Rsとの比ρを(5)
式で測定して、すでに確立されている偏光反射率比ρと
膜厚dとの一定の関係に従って、この膜厚dを求める。 ρ=Rp/Rs= tanψ exp[jΔ] …(5)
【0003】ここで、偏光反射率比ρは、(5) 式に示す
ように、一般に複素数であるので、2つのエリプソパラ
メータ、つまり振幅比 tanψ、および位相差Δを求める
必要がある。
ように、一般に複素数であるので、2つのエリプソパラ
メータ、つまり振幅比 tanψ、および位相差Δを求める
必要がある。
【0004】従来このエリプソパラメータψ,Δを求め
る手法として、回転検光子法と言われる方式がある。こ
の方法においては、例えば、光源から測定対象に対して
所定角度で偏光した光を入射させ、その測定対象からの
楕円偏光された反射光を回転する検光子を透過させて受
光器に導く。そして、その時受光器で得られる光強度信
号波形から前記エリプソパラメータを算出する。
る手法として、回転検光子法と言われる方式がある。こ
の方法においては、例えば、光源から測定対象に対して
所定角度で偏光した光を入射させ、その測定対象からの
楕円偏光された反射光を回転する検光子を透過させて受
光器に導く。そして、その時受光器で得られる光強度信
号波形から前記エリプソパラメータを算出する。
【0005】しかし、一つの測定を実行する場合に必ず
検光子を1回転させて光強度信号を観測する必要がある
ので、必ず、回転させるために一定以上の時間が必要で
ある。したがって、高速で移動している測定対象の膜厚
を測定することは不可能である、また、機械的な可動部
分が存在するので装置自体が大型化し、工場の製造ライ
ン等に据付け、オンラインで例えば連続して供給される
測定対象を測定することはできなかった。
検光子を1回転させて光強度信号を観測する必要がある
ので、必ず、回転させるために一定以上の時間が必要で
ある。したがって、高速で移動している測定対象の膜厚
を測定することは不可能である、また、機械的な可動部
分が存在するので装置自体が大型化し、工場の製造ライ
ン等に据付け、オンラインで例えば連続して供給される
測定対象を測定することはできなかった。
【0006】このような不都合を解消するために、図1
6に示すように、可動部分を除去した3チャンネルのエ
リプソメータが開発されている(特開昭63−3610
5号公報,特開平1−28509号公報)。
6に示すように、可動部分を除去した3チャンネルのエ
リプソメータが開発されている(特開昭63−3610
5号公報,特開平1−28509号公報)。
【0007】例えばレーザ光源1から出力された単一波
長を有する光は偏光子2にて直線偏光に変換されて測定
対象としての試料面3に所定角度φで入射する。なお、
試料面3において、入射面は紙面と平行であり、図示す
るように入射面と平行する方向をP方向,入射面と直交
する方向をS方向とする。試料面3からの反射光は3個
の無偏光のビームスプリッタ4a,4b,4cによって
3本の光に分岐される。
長を有する光は偏光子2にて直線偏光に変換されて測定
対象としての試料面3に所定角度φで入射する。なお、
試料面3において、入射面は紙面と平行であり、図示す
るように入射面と平行する方向をP方向,入射面と直交
する方向をS方向とする。試料面3からの反射光は3個
の無偏光のビームスプリッタ4a,4b,4cによって
3本の光に分岐される。
【0008】そして、二つのビームスプリッタ4a,4
bを透過した光は検光子5aおよび集光レンズ6aを介
して受光器7aへ入射される。受光器7aはその光強度
I1を検出する。同様に、ビームスプリッタ4aを透過
して次のビームスプリッタ4bで反射された光は検光子
5bおよび集光レンズ6bを介して受光器7bへ入射さ
れる。受光器7bはその光強度I2 を検出する。さら
に、ビームスプリッタ4aで反射され次のビームスプリ
ッタ4cを透過した光は検光子5cおよび集光レンズ6
cを介して受光器7cへ入射される。受光器7cはその
光強度I3 を検出する。
bを透過した光は検光子5aおよび集光レンズ6aを介
して受光器7aへ入射される。受光器7aはその光強度
I1を検出する。同様に、ビームスプリッタ4aを透過
して次のビームスプリッタ4bで反射された光は検光子
5bおよび集光レンズ6bを介して受光器7bへ入射さ
れる。受光器7bはその光強度I2 を検出する。さら
に、ビームスプリッタ4aで反射され次のビームスプリ
ッタ4cを透過した光は検光子5cおよび集光レンズ6
cを介して受光器7cへ入射される。受光器7cはその
光強度I3 を検出する。
【0009】ここで、検光子5aの偏光方向が基準方向
(方位0°)に設定され、検光子5bの偏光方向が前記
基準方向に対して+45°傾斜して設定され、検光子5
cの偏光方向が前記基準方向に対して−45°傾斜して
設定されている。なお、前記基準方向は、受光器7a側
から見て図中矢印a方向で示すように、試料面3への光
の入射面に平行な方向(P方向)を方位0°とする方向
である。また、前記角度は受光器7a側から見て基準方
向から反時計回りにとってある。
(方位0°)に設定され、検光子5bの偏光方向が前記
基準方向に対して+45°傾斜して設定され、検光子5
cの偏光方向が前記基準方向に対して−45°傾斜して
設定されている。なお、前記基準方向は、受光器7a側
から見て図中矢印a方向で示すように、試料面3への光
の入射面に平行な方向(P方向)を方位0°とする方向
である。また、前記角度は受光器7a側から見て基準方
向から反時計回りにとってある。
【0010】したがって、試料面3にて反射された光が
図17に示すように楕円偏光されていた場合において
は、受光器7aにて得られる光強度I1 は図17に示す
楕円偏光における横軸(0°方向)への正投影の振幅を
示す。また、受光器7bにて得られる光強度I2 は楕円
偏光における+45°傾斜した線への正投影の振幅を示
す。さらに、受光器7cにて得られる光強度I3 は楕円
偏光における−45°傾斜した線への正投影の振幅を示
す。
図17に示すように楕円偏光されていた場合において
は、受光器7aにて得られる光強度I1 は図17に示す
楕円偏光における横軸(0°方向)への正投影の振幅を
示す。また、受光器7bにて得られる光強度I2 は楕円
偏光における+45°傾斜した線への正投影の振幅を示
す。さらに、受光器7cにて得られる光強度I3 は楕円
偏光における−45°傾斜した線への正投影の振幅を示
す。
【0011】いま、角度Ai(i=1,2,3) の偏光方向の光を
検出する受光器にて得られる光強度の出力波形は、定数
倍を除けば、ジョーンズ・ベクトルを用いて(6) 式で示
される。
検出する受光器にて得られる光強度の出力波形は、定数
倍を除けば、ジョーンズ・ベクトルを用いて(6) 式で示
される。
【0012】
【数3】
【0013】は、P偏光とS偏光との振幅比χ,位相差
φ0 の入射偏光を示している。jは虚数単位である。
(7) 式の第1成分はP偏光成分を示し、第2成分はS偏
光成分を示している。また、
φ0 の入射偏光を示している。jは虚数単位である。
(7) 式の第1成分はP偏光成分を示し、第2成分はS偏
光成分を示している。また、
【0014】
【数4】 は、角度Aiで置かれた検光子を示す行列である。そし
て、(6) 式において、 A1= 0°,σ1 =σT2 , φ1 =0 A2=+45°,σ2 =σTσR, φ2 =0 A3=−45°,σ3 =σTσR, φ3 =0 …(11) とすると、(6) 式から、各チャンネルで得られる光強度
Ii (i=1,2,3) は受光器のゲインを適当に選べば(12)式
に示すようになる。 I1 =I0 tan2 ψ I2 =[I0 /2]×[ tan2 ψ+(σT・σR・χ)2 +2σT・σR・χ・ tanψ・cos(Δ−φ0 ) ] I3 =[I0 /2]×[ tan2 ψ+(σT・σR・χ)2 −2σT・σR・χ・ tanψ・cos(Δ−φ0 ) ] …(12) 但し、I0 は入射光の強度や測定対象の反射率に依存す
る定数である。
て、(6) 式において、 A1= 0°,σ1 =σT2 , φ1 =0 A2=+45°,σ2 =σTσR, φ2 =0 A3=−45°,σ3 =σTσR, φ3 =0 …(11) とすると、(6) 式から、各チャンネルで得られる光強度
Ii (i=1,2,3) は受光器のゲインを適当に選べば(12)式
に示すようになる。 I1 =I0 tan2 ψ I2 =[I0 /2]×[ tan2 ψ+(σT・σR・χ)2 +2σT・σR・χ・ tanψ・cos(Δ−φ0 ) ] I3 =[I0 /2]×[ tan2 ψ+(σT・σR・χ)2 −2σT・σR・χ・ tanψ・cos(Δ−φ0 ) ] …(12) 但し、I0 は入射光の強度や測定対象の反射率に依存す
る定数である。
【0015】したがって、これら式(12)に示す3つの式
からなる連立方程式を解くことによって、エリプソパラ
メータの位相差Δおよび振幅比 tanψを各光強度I1 ,
I2,I3 ,から下式(13a)(13b)にて求めることが可能
である。 cos(Δ−φ0 )=[(I2 −I3 )/2I1 ] ×[I1 /(I2 +I3 −I1 )]1/2 …(13a) tanψ=|σT・σR・χ|[I1 /(I2 +I3 −I1 )]1/2 …(13b)
からなる連立方程式を解くことによって、エリプソパラ
メータの位相差Δおよび振幅比 tanψを各光強度I1 ,
I2,I3 ,から下式(13a)(13b)にて求めることが可能
である。 cos(Δ−φ0 )=[(I2 −I3 )/2I1 ] ×[I1 /(I2 +I3 −I1 )]1/2 …(13a) tanψ=|σT・σR・χ|[I1 /(I2 +I3 −I1 )]1/2 …(13b)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図16
に示した従来のエリプソメータにおいてもまだ改良すべ
き次のような課題があった。
に示した従来のエリプソメータにおいてもまだ改良すべ
き次のような課題があった。
【0017】すなわち、各受光器7a〜7cにて検出さ
れた光強度I1 〜I3 は図17に示すように、試料面3
の反射光が有する楕円偏光の形状によって大きく変化す
る。例えば、図17に示す楕円形状がもっと偏平形状に
なると、3つの光強度I1 ,I2 ,I3 のうちの3番目
の光強度I3 のみが他の光強度I1 ,I2 に比較して極
端に小さい値となる。
れた光強度I1 〜I3 は図17に示すように、試料面3
の反射光が有する楕円偏光の形状によって大きく変化す
る。例えば、図17に示す楕円形状がもっと偏平形状に
なると、3つの光強度I1 ,I2 ,I3 のうちの3番目
の光強度I3 のみが他の光強度I1 ,I2 に比較して極
端に小さい値となる。
【0018】一方、前述した各エリプソパラメータψ,
Δを例えばコンピュータで算出するためにアナログの各
光強度I1 〜I3 をA/D変換器でデジタル値に変換す
る必要がある。したがって、一つの光強度のみが値が小
さいと、A/D変換された値の有効桁数が少なくなり、
各光強度は大きな誤差を含むことになる。その結果、算
出されたエリプソパラメータψ,Δの精度が低下し、最
終的に得られる膜厚dの測定精度が低下する問題が生じ
る。
Δを例えばコンピュータで算出するためにアナログの各
光強度I1 〜I3 をA/D変換器でデジタル値に変換す
る必要がある。したがって、一つの光強度のみが値が小
さいと、A/D変換された値の有効桁数が少なくなり、
各光強度は大きな誤差を含むことになる。その結果、算
出されたエリプソパラメータψ,Δの精度が低下し、最
終的に得られる膜厚dの測定精度が低下する問題が生じ
る。
【0019】このように、図16に示す3チャンネルの
エリプソメータは、可動部分が存在しないため、高速に
測定対象の膜厚を測定できる極めて有用な装置であるに
もかかわらず、上述したように測定対象によっては測定
精度が、先に説明した回転検光子を用いたエリプソメー
タに比較して劣る懸念がある。
エリプソメータは、可動部分が存在しないため、高速に
測定対象の膜厚を測定できる極めて有用な装置であるに
もかかわらず、上述したように測定対象によっては測定
精度が、先に説明した回転検光子を用いたエリプソメー
タに比較して劣る懸念がある。
【0020】なお、同一測定点における測定回数を増や
して測定結果の平均値をとれば、誤差はある程度圧縮さ
れるが、同一測定点を繰り返し測定すると全体の測定時
間がが長くなるのみならず、例えば工場の製造ラインに
おける膜厚検査等の高速で移動している測定対象には適
用できない。
して測定結果の平均値をとれば、誤差はある程度圧縮さ
れるが、同一測定点を繰り返し測定すると全体の測定時
間がが長くなるのみならず、例えば工場の製造ラインに
おける膜厚検査等の高速で移動している測定対象には適
用できない。
【0021】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、測定対象にて反射された楕円偏光を有する
反射光を互いに偏光方向が異なる4つ以上の偏光成分に
分離して各偏光成分の光強度を検出することにより、そ
のなかから例えばA/D変換誤差が少ない最適な3つの
光強度を選択し、これを用いてエリプソパラメータの算
出演算を実施でき、高い測定速度を維持したままで、膜
厚測定精度を大幅に向上できるエリプソパラメータ測定
方法及びエリプソメータを提供することを目的とする。
ものであり、測定対象にて反射された楕円偏光を有する
反射光を互いに偏光方向が異なる4つ以上の偏光成分に
分離して各偏光成分の光強度を検出することにより、そ
のなかから例えばA/D変換誤差が少ない最適な3つの
光強度を選択し、これを用いてエリプソパラメータの算
出演算を実施でき、高い測定速度を維持したままで、膜
厚測定精度を大幅に向上できるエリプソパラメータ測定
方法及びエリプソメータを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明のエリプソパラメータ測定方法においては、測
定対象に対して偏光した光を所定角度で入射させ、この
測定対象の反射光をそれぞれ互いに異なる4つ以上の複
数の偏光成分に分離し、この分離された複数の偏光成分
の光強度のうち値の大きい3つの光強度を選択してこの
3つの光強度から反射光における位相差および振幅比で
定まるエリプソパラメータを求める。
に本発明のエリプソパラメータ測定方法においては、測
定対象に対して偏光した光を所定角度で入射させ、この
測定対象の反射光をそれぞれ互いに異なる4つ以上の複
数の偏光成分に分離し、この分離された複数の偏光成分
の光強度のうち値の大きい3つの光強度を選択してこの
3つの光強度から反射光における位相差および振幅比で
定まるエリプソパラメータを求める。
【0023】また、別の発明のエリプソパラメータ測定
方法においては、下記(1)(2)(3)(4)式を用いて、前記反
射光における位相差Δおよび振幅比 tanψで定まるエリ
プソパラメータΔ,ψを求める。 tanψ=(A/C)1/2 …(1) cos(Δ−φ0 −φB )=(B/C)(C/A)1/2 …(2) ここで、A,B,Cは、
方法においては、下記(1)(2)(3)(4)式を用いて、前記反
射光における位相差Δおよび振幅比 tanψで定まるエリ
プソパラメータΔ,ψを求める。 tanψ=(A/C)1/2 …(1) cos(Δ−φ0 −φB )=(B/C)(C/A)1/2 …(2) ここで、A,B,Cは、
【0024】
【数5】 但し、 ai = cos2 Ai bi =2σi ・χ・ cosAi・ sinAi ci =−(σi ・χ)2 sin2 Ai ( i= k,l,m ) …(4)
【0025】である。また、Aiは測定対象へ入射光の入
射面に平行な方向を基準方向とする偏光の方位角度であ
り、σi、φBは反射光を複数の偏光成分に分離する光学
系によって定まる定数であり、χ,φ0 は入射光の状態
で定まる定数であり、Ii は受光器にて検出される光強
度である。また、別の発明のエリプソパラメータ測定方
法においては、上述した複数の偏光成分の光強度のうち
値の大きい3つの光強度は、値が基準値より大きい任意
の3つの光強度としている。
射面に平行な方向を基準方向とする偏光の方位角度であ
り、σi、φBは反射光を複数の偏光成分に分離する光学
系によって定まる定数であり、χ,φ0 は入射光の状態
で定まる定数であり、Ii は受光器にて検出される光強
度である。また、別の発明のエリプソパラメータ測定方
法においては、上述した複数の偏光成分の光強度のうち
値の大きい3つの光強度は、値が基準値より大きい任意
の3つの光強度としている。
【0026】また、別の発明のエリプソメータは、偏光
した光を測定対象に所定角度で入射させる光源部と、測
定対象にて反射された反射光を互いに異なる4偏光方向
以上の偏光成分に分離する光学系と、この光学系にて分
離された各偏光成分の光強度を検出する複数の受光器
と、この複数の受光器にて検出された複数の光強度のう
ち値の大きい3つの光強度を選択してこの3つの光強度
から反射光における位相差および振幅比で定まるエリプ
ソパラメータを求める演算部とを備えている。さらに別
の発明のエリプソメータにおいては、上述した複数の光
強度のうち値の大きい3つの光強度は、値が基準値より
大きい任意の3つの光強度としている。
した光を測定対象に所定角度で入射させる光源部と、測
定対象にて反射された反射光を互いに異なる4偏光方向
以上の偏光成分に分離する光学系と、この光学系にて分
離された各偏光成分の光強度を検出する複数の受光器
と、この複数の受光器にて検出された複数の光強度のう
ち値の大きい3つの光強度を選択してこの3つの光強度
から反射光における位相差および振幅比で定まるエリプ
ソパラメータを求める演算部とを備えている。さらに別
の発明のエリプソメータにおいては、上述した複数の光
強度のうち値の大きい3つの光強度は、値が基準値より
大きい任意の3つの光強度としている。
【0027】また、別の発明のエリプソメータにおいて
は、演算部でもって、前述した(1)(2)(3)(4)式を用い
て、反射光における位相差Δおよび振幅比 tanψで定ま
るエリプソパラメータΔ,ψを求めている。
は、演算部でもって、前述した(1)(2)(3)(4)式を用い
て、反射光における位相差Δおよび振幅比 tanψで定ま
るエリプソパラメータΔ,ψを求めている。
【0028】また、別の発明のエリプソメータにおい
て、反射光を互いに異なる4偏光方向以上の偏光成分に
分離する光学系は、測定対象にて反射された反射光を互
いに異なる複数方向の光に分岐する無偏光ビームスプリ
ッタと、この無偏光ビームスプリッタにて分岐された各
光をそれぞれ互いに異なる方向の偏光成分に分解する複
数の偏光ビームスプリッタとで構成されている。
て、反射光を互いに異なる4偏光方向以上の偏光成分に
分離する光学系は、測定対象にて反射された反射光を互
いに異なる複数方向の光に分岐する無偏光ビームスプリ
ッタと、この無偏光ビームスプリッタにて分岐された各
光をそれぞれ互いに異なる方向の偏光成分に分解する複
数の偏光ビームスプリッタとで構成されている。
【0029】さらに、別の発明のエリプソメータにおい
て、前記光学系は、測定対象にて反射された反射光を互
いに異なる4方向以上の光に分岐する複数の無偏光ビー
ムスプリッタと、この各無偏光ビームスプリッタにて分
岐された各光をそれぞれ互いに異なる方向の偏光成分に
分解する複数の偏光ビームスプリッタとで構成さてい
る。
て、前記光学系は、測定対象にて反射された反射光を互
いに異なる4方向以上の光に分岐する複数の無偏光ビー
ムスプリッタと、この各無偏光ビームスプリッタにて分
岐された各光をそれぞれ互いに異なる方向の偏光成分に
分解する複数の偏光ビームスプリッタとで構成さてい
る。
【0030】
【作用】まず、このように構成されたエリプソパラメー
タ測定方法の動作原理を説明する。
タ測定方法の動作原理を説明する。
【0031】前述したように、光源部から偏光した光が
所定角度φで測定対象に入射すると、この測定対象にて
反射される反射光は測定対象の膜厚等で定まる一定形状
の楕円偏光となる。そして、エリプソパラメータψ,Δ
は測定対象からの反射波のP成分とS成分との振幅比 t
anψと位相差Δで決定される。楕円形状および楕円の基
準線からの傾き度合いから求まる。したがって、図17
に示すように、楕円を各方向に投影した最低3つの光強
度が得られれば、その楕円は一義的に定まる。
所定角度φで測定対象に入射すると、この測定対象にて
反射される反射光は測定対象の膜厚等で定まる一定形状
の楕円偏光となる。そして、エリプソパラメータψ,Δ
は測定対象からの反射波のP成分とS成分との振幅比 t
anψと位相差Δで決定される。楕円形状および楕円の基
準線からの傾き度合いから求まる。したがって、図17
に示すように、楕円を各方向に投影した最低3つの光強
度が得られれば、その楕円は一義的に定まる。
【0032】よって、例えば図2に示すように、基準方
向に対して4つ以上の方向からの投影を求めて、そのな
かから3つの方向を選択して、この3つの方向からの投
影を得ても、楕円は一義的に定まる。この場合、例えば
得られたアナログの光強度をデジタルの光強度に変換す
るA/D変換器における変換誤差が少ないといった、最
適な3つの光強度を用いてエリプソパラメータを算出し
ているので、算出されたエリプソパラメータψ,Δの精
度が向上する。以下上記各式を求める手順を説明する。
例えば、入射光Einを
向に対して4つ以上の方向からの投影を求めて、そのな
かから3つの方向を選択して、この3つの方向からの投
影を得ても、楕円は一義的に定まる。この場合、例えば
得られたアナログの光強度をデジタルの光強度に変換す
るA/D変換器における変換誤差が少ないといった、最
適な3つの光強度を用いてエリプソパラメータを算出し
ているので、算出されたエリプソパラメータψ,Δの精
度が向上する。以下上記各式を求める手順を説明する。
例えば、入射光Einを
【0033】
【数6】 として、偏光方向が方位角Ai(i=1,2,3,4, …,n) の偏光
方向の光を検出する検光子または偏光ビームスプリッタ
を通過した後の電場は Ki R(Ai)PR(-Ai) BSEin (i=1,2, …,n) で表すことができる。但し、Ki は各光学経路の透過係
数である。
方向の光を検出する検光子または偏光ビームスプリッタ
を通過した後の電場は Ki R(Ai)PR(-Ai) BSEin (i=1,2, …,n) で表すことができる。但し、Ki は各光学経路の透過係
数である。
【0034】また、R(Ai)は回転行列、Pは検光子また
は偏光ビームスプリッタを表す行列、Bは反射光を複数
に分割する素子の影響を示す行列、Sは測定対象の影響
を示す行列である。そして、これらの各行列はそれぞれ
下式のように定義される。
は偏光ビームスプリッタを表す行列、Bは反射光を複数
に分割する素子の影響を示す行列、Sは測定対象の影響
を示す行列である。そして、これらの各行列はそれぞれ
下式のように定義される。
【0035】
【数7】 したがって、受光器にて得られる光強度Ii は
【0036】
【数8】 =Gi |Kia・Ep |2 [ tan2 ψ・ COS2 Ai+(σi χ)2 sin2
Ai +2σi ・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φi )・ cosAi・sinAi ] (i=1,2, …,n) …(14) となる。但し、Gi は電気系のゲインであり、Kiaは Kia=Ki Kp KbiRs である。ここで、適当な手法によって上記ゲインGi を
決めると、(14)式に示す光強度Ii は次式になる。 Ii =I0 [ tan2 ψ・ COS2 Ai+(σi χ)2 sin2 Ai +2σi ・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φi )・ cosAi・sinAi ]
Ai +2σi ・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φi )・ cosAi・sinAi ] (i=1,2, …,n) …(14) となる。但し、Gi は電気系のゲインであり、Kiaは Kia=Ki Kp KbiRs である。ここで、適当な手法によって上記ゲインGi を
決めると、(14)式に示す光強度Ii は次式になる。 Ii =I0 [ tan2 ψ・ COS2 Ai+(σi χ)2 sin2 Ai +2σi ・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φi )・ cosAi・sinAi ]
【0037】但し、I0 は入射光強度や測定対象の反射
率等に依存する定数である。さらに、φi がi に依存し
ない一定値φB であると仮定すると、上記光強度I0 は
(15)式のように示すことが可能である。 Ii =I0 [ tan2 ψ・ COS2 Ai+(σi χ)2 sin2 Ai +2σi ・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φB )・ cosAi・sinAi ] (i=1,2, …,n) …(15)
率等に依存する定数である。さらに、φi がi に依存し
ない一定値φB であると仮定すると、上記光強度I0 は
(15)式のように示すことが可能である。 Ii =I0 [ tan2 ψ・ COS2 Ai+(σi χ)2 sin2 Ai +2σi ・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φB )・ cosAi・sinAi ] (i=1,2, …,n) …(15)
【0038】したがって、n個の光強度I1 ,I2 ,
…,Ii ,…,In からi=k,l,m の3つの光強度Ik ,
Il ,Im を選択したとすると、(15)式にi=k,l,m を代
入すると、3個の式が得られる。そして、各式を簡素化
するために、ai ,bi ,ciを(4) 式のように定義す
ると、 ai = cos2 Ai bi =2σi ・χ・ cosAi・ sinAi ci =−(σi ・χ)2 sin2 Ai (i=k,l,m ) …(4) この3つの式は(16)式に示すように配列できる。
…,Ii ,…,In からi=k,l,m の3つの光強度Ik ,
Il ,Im を選択したとすると、(15)式にi=k,l,m を代
入すると、3個の式が得られる。そして、各式を簡素化
するために、ai ,bi ,ciを(4) 式のように定義す
ると、 ai = cos2 Ai bi =2σi ・χ・ cosAi・ sinAi ci =−(σi ・χ)2 sin2 Ai (i=k,l,m ) …(4) この3つの式は(16)式に示すように配列できる。
【0039】
【数9】 したがって、エリプソパラメータψ,Δを求めるために
は、(16)式の連立方程式を tanψおよび cos(Δ−φ0
−φB )について解けばよい。この場合、 tan2 ψ=(A/C) tanψ・ cos(Δ−φ0 −φB )=B/C すなわち、 tanψ=(A/C)1/2 …(1) cos(Δ−φ0 −φB )=(B/C)(C/A)1/2 …(2) として求めることが可能である。但し、A,B,Cは(1
6)式を演算することによってそれぞれ(3) 式で示す行列
式で表される。
は、(16)式の連立方程式を tanψおよび cos(Δ−φ0
−φB )について解けばよい。この場合、 tan2 ψ=(A/C) tanψ・ cos(Δ−φ0 −φB )=B/C すなわち、 tanψ=(A/C)1/2 …(1) cos(Δ−φ0 −φB )=(B/C)(C/A)1/2 …(2) として求めることが可能である。但し、A,B,Cは(1
6)式を演算することによってそれぞれ(3) 式で示す行列
式で表される。
【0040】
【数10】 例えば上記行列式を演算すると、Aは次式となる。 A=[ck bl Im +cl bm Ik +cm bk Il ] −[ck bm Il +cl bk Im +cm bl Ik ] 次に、ゲインの調整方法の一例を説明する。まず、既知
の偏光
の偏光
【0041】
【数11】
【0042】を反射光が入射される光学系に直接入射し
た場合に受光器から出力される光強度を計算する。この
場合、この光強度Ixiは(14)式と同様に表すことが可能
である。
た場合に受光器から出力される光強度を計算する。この
場合、この光強度Ixiは(14)式と同様に表すことが可能
である。
【0043】
【数12】 但し、 Li =ξ2 ・ COS2 Ai+(σi η)2 sin2 Ai +2(ξ・η・σi ) cos(φi +Φ)・ cosAi・sinAi (i=1,2, …,n) …(19) (19)式において、σi ,φi ,Ai,ξ,η,Φは全て既
知である。よって、Liも既知である。
知である。よって、Liも既知である。
【0044】次に、全ての光強度Ix1,Ix2,…,Ix
i,…,Ixnがある一定値をI0aとして、それぞれ、I
0aL1 ,I0aL2 ,…、I0aLi ,…,I0aLn に等し
くなるようにゲインG1 ,G2 ,…,Gi ,…,Gn を
決める。すなわち、 Gi =I0a/|Kia|2 (i=1,2, …,n) …(20) とすると、前述した(14)式は(21)式のように表現でき
る。 Ii =I0 [ tan2 ψ・ COS2 Ai+(σi χ)2 sin2 Ai +2σi ・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φB )・ cosAi・sinAi ] (i=1,2, …,n) …(21) 但し、I0 =I0a|Ep |2 と定義した。したがって、
前述した(15)式が得られる。
i,…,Ixnがある一定値をI0aとして、それぞれ、I
0aL1 ,I0aL2 ,…、I0aLi ,…,I0aLn に等し
くなるようにゲインG1 ,G2 ,…,Gi ,…,Gn を
決める。すなわち、 Gi =I0a/|Kia|2 (i=1,2, …,n) …(20) とすると、前述した(14)式は(21)式のように表現でき
る。 Ii =I0 [ tan2 ψ・ COS2 Ai+(σi χ)2 sin2 Ai +2σi ・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φB )・ cosAi・sinAi ] (i=1,2, …,n) …(21) 但し、I0 =I0a|Ep |2 と定義した。したがって、
前述した(15)式が得られる。
【0045】したがって、上述した手法でもって電気系
のゲインGi (i=1,2, …,n) を決定すれば、光学系全体
の透過率に依存せずに受光器のゲインを決定し、各受光
器の特性を揃えることがてきる。
のゲインGi (i=1,2, …,n) を決定すれば、光学系全体
の透過率に依存せずに受光器のゲインを決定し、各受光
器の特性を揃えることがてきる。
【0046】なお、このゲイン調整処理は、一般に、各
受光器の出力信号を増幅する増幅器の実際のゲインを調
整することによって実施される。しかし、例えば、各受
光器から演算部に取込んだ光強度のデータ値をデータ処
理過程において、前記ゲイン調整処理をプログラム処理
手段によって実施してもよい。また、ゲイン調整に用い
る既知の偏光光線は、各受光器の出力が零とならない限
り、原理的にはどのような偏光光線であってもよい。
受光器の出力信号を増幅する増幅器の実際のゲインを調
整することによって実施される。しかし、例えば、各受
光器から演算部に取込んだ光強度のデータ値をデータ処
理過程において、前記ゲイン調整処理をプログラム処理
手段によって実施してもよい。また、ゲイン調整に用い
る既知の偏光光線は、各受光器の出力が零とならない限
り、原理的にはどのような偏光光線であってもよい。
【0047】このように、同時刻で測定された4個以上
の各光強度I1 ,I2 ,…,In を用いて、そのなかか
ら最適な3つの光強度Ik ,Il ,Im を選択し、その
3つの光強度を用いてエリプソパラメータΔ,ψを算出
している。よって、本発明は、移動体における膜厚測定
や膜厚の面内測定等を実行できる図13の従来装置の長
所に加えて、測定精度を大幅に向上できる特徴を有す
る。
の各光強度I1 ,I2 ,…,In を用いて、そのなかか
ら最適な3つの光強度Ik ,Il ,Im を選択し、その
3つの光強度を用いてエリプソパラメータΔ,ψを算出
している。よって、本発明は、移動体における膜厚測定
や膜厚の面内測定等を実行できる図13の従来装置の長
所に加えて、測定精度を大幅に向上できる特徴を有す
る。
【0048】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。
る。
【0049】図3は実施例のエリプソパラメータ測定方
法を採用したエリプソメータ全体を示すブロック図であ
る。なお、この実施例エリプソメータにおいては、資料
面からの反射光は4つの偏光成分に分離される(n=
4)。
法を採用したエリプソメータ全体を示すブロック図であ
る。なお、この実施例エリプソメータにおいては、資料
面からの反射光は4つの偏光成分に分離される(n=
4)。
【0050】図中10は軽金属材料で形成されたケース
に収納されたエリプソメータ本体である。このエリプソ
メータ本体10から出力された各光強度I1 ,I2 ,I
3 ,I4 はA/Dコンバータ11でデジタル値に変換さ
れた後、演算部としてのパーソナルコンピュータ12へ
入力される。このパーソナルコンピュータ12は、入力
された各光強度I1 ,I2 ,I3 ,I4 のうちの最低値
の光強度を破棄した残りの3つの光強度を用いてエリプ
ソパラメータψ,Δを算出する。さらに、この算出され
たエリプソパラメータψ,Δを用いて測定対象としての
試料面13の膜厚dを所定の演算式を用いて算出する。
に収納されたエリプソメータ本体である。このエリプソ
メータ本体10から出力された各光強度I1 ,I2 ,I
3 ,I4 はA/Dコンバータ11でデジタル値に変換さ
れた後、演算部としてのパーソナルコンピュータ12へ
入力される。このパーソナルコンピュータ12は、入力
された各光強度I1 ,I2 ,I3 ,I4 のうちの最低値
の光強度を破棄した残りの3つの光強度を用いてエリプ
ソパラメータψ,Δを算出する。さらに、この算出され
たエリプソパラメータψ,Δを用いて測定対象としての
試料面13の膜厚dを所定の演算式を用いて算出する。
【0051】ここで、A/Dコンバータ11は各光強度
I1 ,I2 ,I3 ,I4 を時分割して順番にA/D変換
していく。なお、1個の光強度の変換時間は約10μse
c である。したがって、パーソナルコンピュータ12に
おける計算時間も含めて、試料面13上のサンプリング
された1測定点のエリプソパラメータψ,Δおよび膜厚
dの測定時間は約100μsec である。なお、各光強度
I1 ,I2 ,I3 ,I4 は同時に測定して電圧保持回路
で保持するので、たとえ試料面13が高速で移動したと
しても充分対処できる。図1は前記エリプソメータ本体
10の内部構成図である。
I1 ,I2 ,I3 ,I4 を時分割して順番にA/D変換
していく。なお、1個の光強度の変換時間は約10μse
c である。したがって、パーソナルコンピュータ12に
おける計算時間も含めて、試料面13上のサンプリング
された1測定点のエリプソパラメータψ,Δおよび膜厚
dの測定時間は約100μsec である。なお、各光強度
I1 ,I2 ,I3 ,I4 は同時に測定して電圧保持回路
で保持するので、たとえ試料面13が高速で移動したと
しても充分対処できる。図1は前記エリプソメータ本体
10の内部構成図である。
【0052】例えば半導体レーザ光源14から出力され
た単一波長を有するレーザ光線は偏光子15で直線偏光
に変換される。したがって、半導体レーザ光源14およ
び偏光子15は光源部16を構成する。直線偏光に変換
された入射光17は光源部16から試料面13へ角度φ
で入射される。そして、試料面13で反射された反射光
18は試料面13の膜の存在によって、直線偏光から図
2に示した楕円偏光になり、無偏光ビームスプリッタ1
9へ入射される。
た単一波長を有するレーザ光線は偏光子15で直線偏光
に変換される。したがって、半導体レーザ光源14およ
び偏光子15は光源部16を構成する。直線偏光に変換
された入射光17は光源部16から試料面13へ角度φ
で入射される。そして、試料面13で反射された反射光
18は試料面13の膜の存在によって、直線偏光から図
2に示した楕円偏光になり、無偏光ビームスプリッタ1
9へ入射される。
【0053】無偏光ビームスプリッタ19は例えば無偏
光ガラス板で構成されている。そして、入射された反射
光18は全く偏光されずに楕円偏光状態を保持したまま
二つの光20a,20bに分岐される。反射された反射
光20aは一方の偏光ビームスプリッタ21へ入射す
る。また、透過した透過光20bは他方の偏光ビームス
プリッタ22へ入射する。
光ガラス板で構成されている。そして、入射された反射
光18は全く偏光されずに楕円偏光状態を保持したまま
二つの光20a,20bに分岐される。反射された反射
光20aは一方の偏光ビームスプリッタ21へ入射す
る。また、透過した透過光20bは他方の偏光ビームス
プリッタ22へ入射する。
【0054】各偏光ビームスプリッタ21,22は同一
構成を有しており、例えばグラントムソンプリズム,グ
ランテーラープリズム等で構成され、入射した楕円偏光
状態の光を互い直交する2方向の偏光成分に分離してそ
れぞれ透過光と反射光として出力する。なお、透過光が
ある角度で2成分に分かれるウォラストンプリズム等で
あってもよい。
構成を有しており、例えばグラントムソンプリズム,グ
ランテーラープリズム等で構成され、入射した楕円偏光
状態の光を互い直交する2方向の偏光成分に分離してそ
れぞれ透過光と反射光として出力する。なお、透過光が
ある角度で2成分に分かれるウォラストンプリズム等で
あってもよい。
【0055】そして、偏光ビームスプリッタ21は、こ
の偏光ビームスプリッタ21の透過光21aの偏光方向
が試料面13への光の入射面に平行な方向を方位0°と
した前述した基準方向に対して受光器23a側から見て
反時計回りに+90°になるように位置決めされてい
る。そして、偏光ビームスプリッタ21から出力された
偏光方向が+90°の透過光21aは受光器23aへ入
射される。また、偏光ビームスプリッタ21から出力さ
れた偏光方向が0°となる反射光21bは受光器23b
へ入射される。
の偏光ビームスプリッタ21の透過光21aの偏光方向
が試料面13への光の入射面に平行な方向を方位0°と
した前述した基準方向に対して受光器23a側から見て
反時計回りに+90°になるように位置決めされてい
る。そして、偏光ビームスプリッタ21から出力された
偏光方向が+90°の透過光21aは受光器23aへ入
射される。また、偏光ビームスプリッタ21から出力さ
れた偏光方向が0°となる反射光21bは受光器23b
へ入射される。
【0056】さらに、他方の偏光ビームスプリッタ22
は、この偏光ビームスプリッタ22の透過光22aの偏
光方向が前記基準方向に対して+45°になるように位
置決めされている。そして、偏光ビームスプリッタ22
から出力された偏光方向が+45°の透過光22aは受
光器23cへ入射される。また、偏光ビームスプリッタ
22から出力される偏光方向が−45°となる反射光2
2bは受光器23dへ入射される。
は、この偏光ビームスプリッタ22の透過光22aの偏
光方向が前記基準方向に対して+45°になるように位
置決めされている。そして、偏光ビームスプリッタ22
から出力された偏光方向が+45°の透過光22aは受
光器23cへ入射される。また、偏光ビームスプリッタ
22から出力される偏光方向が−45°となる反射光2
2bは受光器23dへ入射される。
【0057】したがって、受光器23aに入射される透
過光21aによって反射光18の図2に示す楕円偏光の
縦軸に投影した光強度I1 (1チャンネル)が得られ
る。また、受光器23bに入射される反射光21bによ
って楕円偏光の横軸に投影した光強度I2 (2チャンネ
ル)が得られる。さらに、受光器23cに入射される透
過光22aによって楕円偏光の横軸に対して+45°傾
斜した線に対して投影した光強度I3 (3チャンネル)
が得られる。そして、受光器23dに入射される反射光
22bによって楕円偏光の横軸に対して−45°傾斜し
た線に対して投影した光強度I4 (4チャンネル)が得
られる。
過光21aによって反射光18の図2に示す楕円偏光の
縦軸に投影した光強度I1 (1チャンネル)が得られ
る。また、受光器23bに入射される反射光21bによ
って楕円偏光の横軸に投影した光強度I2 (2チャンネ
ル)が得られる。さらに、受光器23cに入射される透
過光22aによって楕円偏光の横軸に対して+45°傾
斜した線に対して投影した光強度I3 (3チャンネル)
が得られる。そして、受光器23dに入射される反射光
22bによって楕円偏光の横軸に対して−45°傾斜し
た線に対して投影した光強度I4 (4チャンネル)が得
られる。
【0058】すなわち、試料面13からの反射光18は
それぞれ各光強度I1 ,I2 ,I3,I4 を有した90
°,0°,+45°,−45°の4つの方向の各偏光成
分に分離される。そして、前述したように、これら4つ
の光強度I1 〜I4 のうちの3つの光強度を用いてこの
楕円偏光を特定するエリプソパラメータψ,Δが算出さ
れる。
それぞれ各光強度I1 ,I2 ,I3,I4 を有した90
°,0°,+45°,−45°の4つの方向の各偏光成
分に分離される。そして、前述したように、これら4つ
の光強度I1 〜I4 のうちの3つの光強度を用いてこの
楕円偏光を特定するエリプソパラメータψ,Δが算出さ
れる。
【0059】なお、この実施例エリプソメータにおいて
は、4つの光強度I1 〜I4 から3つの光強度Ik ,I
l ,Im を選択する基準とし光強度の大きさを採用して
いる。このように、値の大きい3つの光強度を採用する
ことによって、図3に示すA/Dコンバータ11におけ
るA/D変換時の誤差が大きいと見なすことができる光
強度を使用することなくエリプソパラメータψ,Δが算
出される。したがって、エリプソパラメータψ,Δの算
出精度が向上する。
は、4つの光強度I1 〜I4 から3つの光強度Ik ,I
l ,Im を選択する基準とし光強度の大きさを採用して
いる。このように、値の大きい3つの光強度を採用する
ことによって、図3に示すA/Dコンバータ11におけ
るA/D変換時の誤差が大きいと見なすことができる光
強度を使用することなくエリプソパラメータψ,Δが算
出される。したがって、エリプソパラメータψ,Δの算
出精度が向上する。
【0060】また、この実施例エリプソメータにおいて
は、円偏光の試験光を無偏光ビームスプリッタ19へ入
射して、電気系のゲイン調整を実行している。すなわ
ち、前述した(19)式において、|ξ|=|η|=1,Φ
=90°とすると、この実施例エリプソメータにおいて
は、φi =0,σ1 =σ2 =σR,σ3 =σ4 =σTと
なるので、L1 ,L2 ,L3 ,L4 は、 L1 =σR2 L2 =1 L3 =(1+σT2 )/2 L4 =(1+σT2 )/2 となる。したがって、各受光器23a,23b,23
c,23dにて検出される各光強度I1 ,I2 ,I3 ,
I4 はそれぞれ次式で示される。 I1 =I0 ・σR2 χ2 I2 =I0 ・ tan2 ψ I3 =(I0 /2)[ tan2 ψ+(σTχ)2 +2σT・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φT )] I4 =(I0 /2)[ tan2 ψ+(σTχ)2 −2σT・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φT )] …(22)
は、円偏光の試験光を無偏光ビームスプリッタ19へ入
射して、電気系のゲイン調整を実行している。すなわ
ち、前述した(19)式において、|ξ|=|η|=1,Φ
=90°とすると、この実施例エリプソメータにおいて
は、φi =0,σ1 =σ2 =σR,σ3 =σ4 =σTと
なるので、L1 ,L2 ,L3 ,L4 は、 L1 =σR2 L2 =1 L3 =(1+σT2 )/2 L4 =(1+σT2 )/2 となる。したがって、各受光器23a,23b,23
c,23dにて検出される各光強度I1 ,I2 ,I3 ,
I4 はそれぞれ次式で示される。 I1 =I0 ・σR2 χ2 I2 =I0 ・ tan2 ψ I3 =(I0 /2)[ tan2 ψ+(σTχ)2 +2σT・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φT )] I4 =(I0 /2)[ tan2 ψ+(σTχ)2 −2σT・χ・ tanψ・ cos(Δ−φ0 −φT )] …(22)
【0061】但し、I0 は入射光の強度や測定対象の反
射率に依存する定数である。また、位相差φ0 および振
幅比χは前記測定対象に対する入射光の偏光状態で定ま
るパラメータである。そして、一般的には、計算を容易
にするために、 位相差φ0 =0° 振幅比χ=1
射率に依存する定数である。また、位相差φ0 および振
幅比χは前記測定対象に対する入射光の偏光状態で定ま
るパラメータである。そして、一般的には、計算を容易
にするために、 位相差φ0 =0° 振幅比χ=1
【0062】に設定している。また、σRは無偏光ビー
ムスプリッタ19の振幅反射率比であり、σTは振幅透
過率比である。さらに、φT =0である。そして、この
振幅反射率比σRおよび振幅透過率比σTは(23)式で示
される。 振幅反射率比σR=rs /rP 振幅透過率比σT=(1−rs 2 )/(1−rP 2 ) …(23)
ムスプリッタ19の振幅反射率比であり、σTは振幅透
過率比である。さらに、φT =0である。そして、この
振幅反射率比σRおよび振幅透過率比σTは(23)式で示
される。 振幅反射率比σR=rs /rP 振幅透過率比σT=(1−rs 2 )/(1−rP 2 ) …(23)
【0063】但し、rP ,rs は、それぞれP偏光,S
偏光に対するフレネル反射係数であり、これらは前記無
偏光ビームスプリッタ19の屈折率と入射角によって定
まる。すなわち、空気の屈折率をN0 、無偏光ビームス
プリッタ19の屈折率をn1 ,さらに無偏光ビームスプ
リッタ10への入射角および屈折角をそれぞれθ0 ,θ
1 とすれば、rP ,rs は(24)(25)式で与えられる。 rP =(n1 cosθ0 −N0 cosθ1 )/(n1 cosθ0 +N0 cosθ1 ) …(24) rs =(N0 cosθ0 −n1 cosθ1 )/(N0 cosθ0 +n1 cosθ1 ) …(2
5)
偏光に対するフレネル反射係数であり、これらは前記無
偏光ビームスプリッタ19の屈折率と入射角によって定
まる。すなわち、空気の屈折率をN0 、無偏光ビームス
プリッタ19の屈折率をn1 ,さらに無偏光ビームスプ
リッタ10への入射角および屈折角をそれぞれθ0 ,θ
1 とすれば、rP ,rs は(24)(25)式で与えられる。 rP =(n1 cosθ0 −N0 cosθ1 )/(n1 cosθ0 +N0 cosθ1 ) …(24) rs =(N0 cosθ0 −n1 cosθ1 )/(N0 cosθ0 +n1 cosθ1 ) …(2
5)
【0064】そして、これらの各定数は既知の直線偏光
または楕円偏光を有する試験光をこの無偏光ビームスプ
リッタ19へ入射して、真のエリプソパラメータψ,Δ
からのずれ量から逆算して予め求めておく。また、無偏
光ビームスプリッタ19の屈折率n1 が実数ならば、
φT =0であることに注意する必要がある。
または楕円偏光を有する試験光をこの無偏光ビームスプ
リッタ19へ入射して、真のエリプソパラメータψ,Δ
からのずれ量から逆算して予め求めておく。また、無偏
光ビームスプリッタ19の屈折率n1 が実数ならば、
φT =0であることに注意する必要がある。
【0065】演算部としてのパーソナルコンピュータ1
2は図4の流れ図に従って、エリプソメータ本体10か
らA/Dコンバータ11を介して入力されデジタルの4
個の各光強度I1 〜I4 から試料面13における膜厚d
を算出する。
2は図4の流れ図に従って、エリプソメータ本体10か
らA/Dコンバータ11を介して入力されデジタルの4
個の各光強度I1 〜I4 から試料面13における膜厚d
を算出する。
【0066】すなわち、流れ図が開始されると、4つの
各光強度I1 〜I4 を読取る。次に、4つの光強度のう
ち最小の光強度を破棄する。そして、残り3つの光強度
を(1)(2)式に代入してエリプソパラメータψ,Δを算出
する。但し、(3) 式の行列式は予め展開しておく。エリ
プソパラメータψ,Δが求まると、別途計算式を用いて
試料面13における膜厚dを算出する。
各光強度I1 〜I4 を読取る。次に、4つの光強度のう
ち最小の光強度を破棄する。そして、残り3つの光強度
を(1)(2)式に代入してエリプソパラメータψ,Δを算出
する。但し、(3) 式の行列式は予め展開しておく。エリ
プソパラメータψ,Δが求まると、別途計算式を用いて
試料面13における膜厚dを算出する。
【0067】このように構成されたエリプソメータであ
れば、測定された4つの光強度I1〜I4 のうち誤差を
含む程度が最も大きいと見なされる、最も値の小さい光
強度が破棄される。そして、誤差の程度が小さいと見な
される値が大きい残りの3つの光強度を用いてエリプソ
パラメータψ,Δが算出される。したがって、算出され
たエリプソパラメータψ,Δの精度が向上する。
れば、測定された4つの光強度I1〜I4 のうち誤差を
含む程度が最も大きいと見なされる、最も値の小さい光
強度が破棄される。そして、誤差の程度が小さいと見な
される値が大きい残りの3つの光強度を用いてエリプソ
パラメータψ,Δが算出される。したがって、算出され
たエリプソパラメータψ,Δの精度が向上する。
【0068】このように、常時最良の条件の光強度を選
択して計算に使用するので、エリプソパラメータψ,Δ
の計算に予め固定された3個の光強度I1 〜I3 を用い
ていた従来の3チャンネルのエリプソメータに比較し
て、その測定精度を常に一定レベル以上の高い値に維持
できる。すなわち、測定対象や測定条件に起因する測定
精度の変動が少なく、常に安定した測定精度を維持でき
る。
択して計算に使用するので、エリプソパラメータψ,Δ
の計算に予め固定された3個の光強度I1 〜I3 を用い
ていた従来の3チャンネルのエリプソメータに比較し
て、その測定精度を常に一定レベル以上の高い値に維持
できる。すなわち、測定対象や測定条件に起因する測定
精度の変動が少なく、常に安定した測定精度を維持でき
る。
【0069】また、図1に示す各光学部品は例えば基板
に固定されており、可動部分は存在しない。したがっ
て、一つの測定点に対する測定所要時間はA/Dコンバ
ータ11の変換時間とパーソナルコンピュータ12内の
演算処理時間のみと見なせるので、前述したように約1
00μsec となり、ほぼ実時間で測定可能である。した
がって、たとえ測定対象が高速で移動していたとしても
正しく膜厚dを測定できる。図5は本願発明のエリプソ
メータをシリコンウェーハーの酸化膜厚の分布測定装置
に組込んだ状態を示す図である。
に固定されており、可動部分は存在しない。したがっ
て、一つの測定点に対する測定所要時間はA/Dコンバ
ータ11の変換時間とパーソナルコンピュータ12内の
演算処理時間のみと見なせるので、前述したように約1
00μsec となり、ほぼ実時間で測定可能である。した
がって、たとえ測定対象が高速で移動していたとしても
正しく膜厚dを測定できる。図5は本願発明のエリプソ
メータをシリコンウェーハーの酸化膜厚の分布測定装置
に組込んだ状態を示す図である。
【0070】ベース31上に移動テーブル32が設けら
れ、この移動テーブル32上に回転支持台33が取付け
られている。そして、この回転支持台33上に測定対象
としてのシリコンウェーハー35が例えば吸着機構によ
って取付けられる。したがって、シリコンウェーハー3
5は回転しながら矢印方向に直線移動する。ベース31
上にはシリコンウェーハー35全体の厚みを測定する既
存の厚み測定装置36が配設され、また、この厚み測定
装置36の対向位置にエリプソメータ本体37が支持部
材38にて固定されている。
れ、この移動テーブル32上に回転支持台33が取付け
られている。そして、この回転支持台33上に測定対象
としてのシリコンウェーハー35が例えば吸着機構によ
って取付けられる。したがって、シリコンウェーハー3
5は回転しながら矢印方向に直線移動する。ベース31
上にはシリコンウェーハー35全体の厚みを測定する既
存の厚み測定装置36が配設され、また、この厚み測定
装置36の対向位置にエリプソメータ本体37が支持部
材38にて固定されている。
【0071】そして、厚み測定装置36およびエリプソ
メータ本体37は移動テーブル32および回転支持台3
3にて螺旋状に移動しているシリコンウェーハー35の
各測定位置(R,θ)における全体の厚みと酸化膜の厚
みdを測定する。
メータ本体37は移動テーブル32および回転支持台3
3にて螺旋状に移動しているシリコンウェーハー35の
各測定位置(R,θ)における全体の厚みと酸化膜の厚
みdを測定する。
【0072】図6はこのエリプソメータに組込まれたパ
ーソナルコンピュータ12が行う測定処理を示す流れ図
である。流れ図が開始されると、シリコンウェーハー3
5上の測定位置(R,θ)を初期化する。次に、該当測
定位置における各光強度I1〜I4 を読取る。読取った
4つの光強度のうち最小の光強度を破棄する。そして、
残り3つの光強度を前述した(1)(2)式に代入してエリプ
ソパラメータψ,Δを算出する。
ーソナルコンピュータ12が行う測定処理を示す流れ図
である。流れ図が開始されると、シリコンウェーハー3
5上の測定位置(R,θ)を初期化する。次に、該当測
定位置における各光強度I1〜I4 を読取る。読取った
4つの光強度のうち最小の光強度を破棄する。そして、
残り3つの光強度を前述した(1)(2)式に代入してエリプ
ソパラメータψ,Δを算出する。
【0073】エリプソパラメータψ,Δ,が求まると、
別途計算式を用いてシリコンウェーハー35上の測定位
置(R,θ)における膜厚dおよび屈折率を算出する。
一つの測定位置における膜厚dおよび屈折率の測定が終
了すると測定位置(R,θ)を移動して再度測定を実行
する。そして、すべての測定位置における測定処理が終
了すると、1枚のシリコンウェーハー35の測定が終了
する。
別途計算式を用いてシリコンウェーハー35上の測定位
置(R,θ)における膜厚dおよび屈折率を算出する。
一つの測定位置における膜厚dおよび屈折率の測定が終
了すると測定位置(R,θ)を移動して再度測定を実行
する。そして、すべての測定位置における測定処理が終
了すると、1枚のシリコンウェーハー35の測定が終了
する。
【0074】図8は種々の膜厚dを有する多数のシリコ
ンウェーハー35に対して膜厚測定を実施した場合にお
いて算出された位相差Δのエリプソパラメータとある位
相差Δに対する誤差率(%)との関係を示す図である。
そして、図7が従来のエリプソメータを用いた実験結果
を示す図である。
ンウェーハー35に対して膜厚測定を実施した場合にお
いて算出された位相差Δのエリプソパラメータとある位
相差Δに対する誤差率(%)との関係を示す図である。
そして、図7が従来のエリプソメータを用いた実験結果
を示す図である。
【0075】図示するように、図7における従来エリプ
ソメータにおいては、3つの光強度I1 〜I3 のうちの
一つの光強度の値が極端に小さくなる位相差Δが0°お
よび180°近傍において、10〜12%に達する誤差
が生じている。
ソメータにおいては、3つの光強度I1 〜I3 のうちの
一つの光強度の値が極端に小さくなる位相差Δが0°お
よび180°近傍において、10〜12%に達する誤差
が生じている。
【0076】これに対して、図8の実施例エリプソメー
タにおいては、4つの光強度I1 〜I4 のうち値が前述
した極端に小さい一つの光強度が除去されるので、たと
え位相差Δが0°および180°近傍においても、誤差
率を3〜5%に低減できた。
タにおいては、4つの光強度I1 〜I4 のうち値が前述
した極端に小さい一つの光強度が除去されるので、たと
え位相差Δが0°および180°近傍においても、誤差
率を3〜5%に低減できた。
【0077】このように、エリプソメータが高速性を保
持した上で小型化され、かつ測定精度が上昇したので、
既存の厚み測定装置36に付加的に設置可能となった。
半導体プロセスラインでは上記シリコンウェーハーの他
に、窒化膜、ポリシリコン膜、透明電極材等のオンライ
ン計測への応用が可能である。
持した上で小型化され、かつ測定精度が上昇したので、
既存の厚み測定装置36に付加的に設置可能となった。
半導体プロセスラインでは上記シリコンウェーハーの他
に、窒化膜、ポリシリコン膜、透明電極材等のオンライ
ン計測への応用が可能である。
【0078】図11は本発明の他の実施例に係わるエリ
プソメータの概略構成を示す図である。図1と同一部分
には同一符号が付してある。したがって重複する部分の
詳細説明は省略されている。
プソメータの概略構成を示す図である。図1と同一部分
には同一符号が付してある。したがって重複する部分の
詳細説明は省略されている。
【0079】この実施例においては、無偏光ビームスプ
リッタ19の反射光20aを偏光ビームスプリッタ21
でもって前述した基準方向に対して+45°および−4
5°方向の各偏光成分に分離し、無偏光ビームスプリッ
タ19の透過光20bを偏光ビームスプリッタ22でも
って基準方向に対して90°および0°方向の偏光成分
に分離している。そして、この実施例においては、受光
器23c,23dの各光強度がI1 ,I2 となり、受光
器23a,23bの各光強度がI3 ,I4 となる。ま
た、(4) 式における定数σ1 ,σ2 はそれぞれ無偏光ビ
ームスプリッタ19のP偏光,S偏光の振幅透過率比で
あり、定数σ3 ,σ4 は振幅反射率比である。さらに、
φ1 ,φ2 ,φ3 ,φ4 は全て0である。
リッタ19の反射光20aを偏光ビームスプリッタ21
でもって前述した基準方向に対して+45°および−4
5°方向の各偏光成分に分離し、無偏光ビームスプリッ
タ19の透過光20bを偏光ビームスプリッタ22でも
って基準方向に対して90°および0°方向の偏光成分
に分離している。そして、この実施例においては、受光
器23c,23dの各光強度がI1 ,I2 となり、受光
器23a,23bの各光強度がI3 ,I4 となる。ま
た、(4) 式における定数σ1 ,σ2 はそれぞれ無偏光ビ
ームスプリッタ19のP偏光,S偏光の振幅透過率比で
あり、定数σ3 ,σ4 は振幅反射率比である。さらに、
φ1 ,φ2 ,φ3 ,φ4 は全て0である。
【0080】このような構成であっても図1と同様に試
料面13からの反射光18を基準方向に対してそれぞれ
45°ずつずれた各方向の4つ偏光成分の各光強度が得
られるので、前述した実施例とほぼ同様の効果を得るこ
とができる。
料面13からの反射光18を基準方向に対してそれぞれ
45°ずつずれた各方向の4つ偏光成分の各光強度が得
られるので、前述した実施例とほぼ同様の効果を得るこ
とができる。
【0081】また、図12に示す実施例においては、図
1のエリプソメータにおける光源部16から試料面13
に対する入射光17の光路に1/4波長板40が挿入さ
れている。このように1/4波長板40を挿入すること
によって、試料面13に入射する入射光17を直線偏光
から円偏光に変換する事が可能である。したがって、図
1のエリプソメータに比較して膜厚dの測定範囲をずら
す事が可能である。
1のエリプソメータにおける光源部16から試料面13
に対する入射光17の光路に1/4波長板40が挿入さ
れている。このように1/4波長板40を挿入すること
によって、試料面13に入射する入射光17を直線偏光
から円偏光に変換する事が可能である。したがって、図
1のエリプソメータに比較して膜厚dの測定範囲をずら
す事が可能である。
【0082】図13は本発明のさらに別の実施例に係わ
るエリプソメータの概略構成を示す模式図である。図1
の実施例と同一部分には同一符号が付してある。したが
って、重複する部分の詳細説明は省略されている。
るエリプソメータの概略構成を示す模式図である。図1
の実施例と同一部分には同一符号が付してある。したが
って、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0083】この実施例において、試料面13からの反
射光18を互いに異なる4つの偏光成分に分離する光学
系は、3個の無偏光ビームスプリッタ19,41,42
と4個の検光子43a,43b,43c,43dとで構
成されている。
射光18を互いに異なる4つの偏光成分に分離する光学
系は、3個の無偏光ビームスプリッタ19,41,42
と4個の検光子43a,43b,43c,43dとで構
成されている。
【0084】すなわち、試料面13からの反射光18は
無偏光ビームスプリッタ19にて反射光20aと透過光
20bに分岐される。反射光20aは別の無偏光ビーム
スプリッタ41によって反射光と透過光とに分岐され
る。反射光は検光子43aに入射され、透過光は検光子
43bに入射される。さらに、無偏光ビームスプリッタ
19の透過光20bは別の無偏光ビームスプリッタ42
によって反射光と透過光とに分岐される。反射光は検光
子43cに入射され、透過光は検光子43dに入射され
る。
無偏光ビームスプリッタ19にて反射光20aと透過光
20bに分岐される。反射光20aは別の無偏光ビーム
スプリッタ41によって反射光と透過光とに分岐され
る。反射光は検光子43aに入射され、透過光は検光子
43bに入射される。さらに、無偏光ビームスプリッタ
19の透過光20bは別の無偏光ビームスプリッタ42
によって反射光と透過光とに分岐される。反射光は検光
子43cに入射され、透過光は検光子43dに入射され
る。
【0085】4個の検光子43a〜43dはそれぞれ入
射した光のうちの前述した基準方向に対して+90°,
0°,+45°,−45°の各方向の偏光成分を透過さ
せる。その結果、各検光子43a〜43dの後方に配設
された各受光器23a,23b,23c,23dから互
い偏光方向が異なる4つの偏光成分の各光強度I1 ,I
2 ,I3 ,I4 が出力される。したがって、前述した各
実施例とほぼ同様の効果を得ることかできる。
射した光のうちの前述した基準方向に対して+90°,
0°,+45°,−45°の各方向の偏光成分を透過さ
せる。その結果、各検光子43a〜43dの後方に配設
された各受光器23a,23b,23c,23dから互
い偏光方向が異なる4つの偏光成分の各光強度I1 ,I
2 ,I3 ,I4 が出力される。したがって、前述した各
実施例とほぼ同様の効果を得ることかできる。
【0086】図14は本発明のさらに別の実施例に係わ
るエリプソメータの概略構成を示す模式図である。図1
1の実施例と同一部分には同一符号が付してある。した
がって、重複する部分の詳細説明は省略されている。
るエリプソメータの概略構成を示す模式図である。図1
1の実施例と同一部分には同一符号が付してある。した
がって、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0087】この実施例において、試料面13からの反
射光18は互いに偏光方向が異なる5つの偏光成分に分
離される。すなわち、試料面13の反射光18は2個の
無偏光ビームスプリッタ19,19aでもって3つの光
20a,20c,20dに分岐される。無偏光ビームス
プリッタ19の反射光20aは検光子43eへ入射され
る。検光子43eは入射した光20aのうち基準方向に
対して90°方向の偏光成分を透過させて受光器23e
へ入射させる。
射光18は互いに偏光方向が異なる5つの偏光成分に分
離される。すなわち、試料面13の反射光18は2個の
無偏光ビームスプリッタ19,19aでもって3つの光
20a,20c,20dに分岐される。無偏光ビームス
プリッタ19の反射光20aは検光子43eへ入射され
る。検光子43eは入射した光20aのうち基準方向に
対して90°方向の偏光成分を透過させて受光器23e
へ入射させる。
【0088】無偏光ビームスプリッタ19aの反射光2
0cは偏光ビームスプリッタ45へ入射する。偏光ビー
ムスプリッタ45は入射した光20cのうちの基準方向
に対して30°および120°方向の各偏光成分を抽出
してそれぞれ受光器23a,23bへ入射させる。ま
た、無偏光ビームスプリッタ19aの透過光20dは偏
光ビームスプリッタ46へ入射する。偏光ビームスプリ
ッタ46は入射した光20dのうちの基準方向に対して
60°および150°方向の各偏光成分を抽出してそれ
ぞれ受光器23c,23dへ入射させる。
0cは偏光ビームスプリッタ45へ入射する。偏光ビー
ムスプリッタ45は入射した光20cのうちの基準方向
に対して30°および120°方向の各偏光成分を抽出
してそれぞれ受光器23a,23bへ入射させる。ま
た、無偏光ビームスプリッタ19aの透過光20dは偏
光ビームスプリッタ46へ入射する。偏光ビームスプリ
ッタ46は入射した光20dのうちの基準方向に対して
60°および150°方向の各偏光成分を抽出してそれ
ぞれ受光器23c,23dへ入射させる。
【0089】その結果、各受光器23a,23b,23
c,23d,23eから互い偏光方向が異なる5つの偏
光成分の各光強度I1 ,I2 ,I3 ,I4 ,I5 が出力
される。この場合、各光強度I1 ,I2 ,I3 ,I4 ,
I5 は(22)式と同様に(26)式で示される。 I1 =I0 [(σ1R・χ)2 sin2 90] I2 =I0 [ tan2 ψ・ cos2 30+(σ1T・σ2R・χ)2 sin2 30 +2σ1T・σ2R・χ・ tanψ・ cosΔ・ cos30・ cos30] I3 =I0 [ tan2 ψ・ cos2 120 +(σ1T・σ2R・χ)2 sin2 120 +2σ1T・σ2R・χ・ tanψ・ cosΔ・ cos120 ・ cos120 ] I4 =I0 [ tan2 ψ・ cos2 60+(σ1T・σ2T・χ)2 sin2 60 +2σ1T・σ2T・χ・ tanψ・ cosΔ・ cos60・ cos60] I5 =I0 [ tan2 ψ・ cos2 150 +(σ1T・σ2T・χ)2 sin2 150 +2σ1T・σ2T・χ・ tanψ・ cosΔ・ cos150 ・ cos150 ] …(26)
c,23d,23eから互い偏光方向が異なる5つの偏
光成分の各光強度I1 ,I2 ,I3 ,I4 ,I5 が出力
される。この場合、各光強度I1 ,I2 ,I3 ,I4 ,
I5 は(22)式と同様に(26)式で示される。 I1 =I0 [(σ1R・χ)2 sin2 90] I2 =I0 [ tan2 ψ・ cos2 30+(σ1T・σ2R・χ)2 sin2 30 +2σ1T・σ2R・χ・ tanψ・ cosΔ・ cos30・ cos30] I3 =I0 [ tan2 ψ・ cos2 120 +(σ1T・σ2R・χ)2 sin2 120 +2σ1T・σ2R・χ・ tanψ・ cosΔ・ cos120 ・ cos120 ] I4 =I0 [ tan2 ψ・ cos2 60+(σ1T・σ2T・χ)2 sin2 60 +2σ1T・σ2T・χ・ tanψ・ cosΔ・ cos60・ cos60] I5 =I0 [ tan2 ψ・ cos2 150 +(σ1T・σ2T・χ)2 sin2 150 +2σ1T・σ2T・χ・ tanψ・ cosΔ・ cos150 ・ cos150 ] …(26)
【0090】ここで、σ1R,σ1Rは、それぞれビームス
プリッタ19の振幅反射率比,振幅透過率比である。ま
た、σ2R,σ2Tはそれぞれビームスプリッタ19aの振
幅反射率比,振幅透過率比である。
プリッタ19の振幅反射率比,振幅透過率比である。ま
た、σ2R,σ2Tはそれぞれビームスプリッタ19aの振
幅反射率比,振幅透過率比である。
【0091】したがって、この5つの光強度I1 〜I5
から値の大きい3つの光強度Ik ,Il ,Im を選択
し、対応する3本の方程式を解くことによって、精度の
高いエリプソパラメータΔ,ψが算出できる。図9はあ
る位相差Δを基準とした場合のΔの相対誤差を示す図で
ある。この図からも良好な特性が得られることが理解で
きる。よって、前述した各実施例とほぼ同様の効果を得
ることができる。
から値の大きい3つの光強度Ik ,Il ,Im を選択
し、対応する3本の方程式を解くことによって、精度の
高いエリプソパラメータΔ,ψが算出できる。図9はあ
る位相差Δを基準とした場合のΔの相対誤差を示す図で
ある。この図からも良好な特性が得られることが理解で
きる。よって、前述した各実施例とほぼ同様の効果を得
ることができる。
【0092】また、図10は図14に示す5チャンネル
の実施例装置において、5つの光強度I1 〜I5 からあ
る基準値を越える任意の3つの光強度を用いて各エリプ
ソパラメータΔ,ψを求めた場合における相対誤差を示
す図である。この図からも理解できるように、図9に示
す相対誤差とほぼ同程度の性能を確保できることか理解
できる、
の実施例装置において、5つの光強度I1 〜I5 からあ
る基準値を越える任意の3つの光強度を用いて各エリプ
ソパラメータΔ,ψを求めた場合における相対誤差を示
す図である。この図からも理解できるように、図9に示
す相対誤差とほぼ同程度の性能を確保できることか理解
できる、
【0093】図15は本発明のさらに別の実施例に係わ
るエリプソメータの概略構成を示す模式図である。図1
4の実施例と同一部分には同一符号が付してある。した
がって、重複する部分の詳細説明は省略されている。
るエリプソメータの概略構成を示す模式図である。図1
4の実施例と同一部分には同一符号が付してある。した
がって、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0094】この実施例において、試料面13からの反
射光18は互いに偏光方向が異なる6つの偏光成分に分
離される。すなわち、試料面13の反射光18は2個の
無偏光ビームスプリッタ19,19aでもって3つの光
20a,20c,20dに分岐される。そして、各光2
0a,20c,20dはそれぞれ偏光ビームスプリッタ
44,47,48へ入射されて、それぞれ異なる方向の
偏光成分に分離される。
射光18は互いに偏光方向が異なる6つの偏光成分に分
離される。すなわち、試料面13の反射光18は2個の
無偏光ビームスプリッタ19,19aでもって3つの光
20a,20c,20dに分岐される。そして、各光2
0a,20c,20dはそれぞれ偏光ビームスプリッタ
44,47,48へ入射されて、それぞれ異なる方向の
偏光成分に分離される。
【0095】偏光ビームスプリッタ44は入射した光2
0aのうちの基準方向に対して0°および90°方向の
各偏光成分を抽出してそれぞれ受光器23e,23fへ
入射させる。また、偏光ビームスプリッタ47は入射し
た光20cのうちの基準方向に対して30°および12
0°方向の各偏光成分を抽出してそれぞれ受光器23
a,23bへ入射させる。さらに、偏光ビームスプリッ
タ48は入射した光20dのうちの基準方向に対して6
0°および150°方向の各偏光成分を抽出してそれぞ
れ受光器23c,23dへ入射させる。
0aのうちの基準方向に対して0°および90°方向の
各偏光成分を抽出してそれぞれ受光器23e,23fへ
入射させる。また、偏光ビームスプリッタ47は入射し
た光20cのうちの基準方向に対して30°および12
0°方向の各偏光成分を抽出してそれぞれ受光器23
a,23bへ入射させる。さらに、偏光ビームスプリッ
タ48は入射した光20dのうちの基準方向に対して6
0°および150°方向の各偏光成分を抽出してそれぞ
れ受光器23c,23dへ入射させる。
【0096】その結果、各受光器23a,23b,23
c,23d,23e,23fから互い偏光方向が異なる
6つの偏光成分の各光強度I1 ,I2 ,I3 ,I4 ,I
5 ,I6 が出力される。したがって、この6つの光強度
I1 〜I6 から値の大きい3つの光強度Ik ,Il ,I
m を選択することによって、精度の高いエリプソパラメ
ータΔ,ψが算出できる。よって、前述した各実施例と
ほぼ同様の効果を得ることができる。
c,23d,23e,23fから互い偏光方向が異なる
6つの偏光成分の各光強度I1 ,I2 ,I3 ,I4 ,I
5 ,I6 が出力される。したがって、この6つの光強度
I1 〜I6 から値の大きい3つの光強度Ik ,Il ,I
m を選択することによって、精度の高いエリプソパラメ
ータΔ,ψが算出できる。よって、前述した各実施例と
ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0097】このように、本発明においては、試料面1
3からの反射光18を4個以上の複数の偏光成分に分離
する光学系を種々の部品を組合わせることによって実現
することが可能である。
3からの反射光18を4個以上の複数の偏光成分に分離
する光学系を種々の部品を組合わせることによって実現
することが可能である。
【0098】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例においては、検出された4個
以上の複数の光強度から計算に使用する3個の光強度を
選択する手法として、値の大きい3つの光強度を選択し
た。しかし、検出された各光強度が充分に高い測定精度
を有する場合は、前記複数の光強度から無作為に3個の
光強度を選択してもよいことは言うまでもない。
れるものではない。実施例においては、検出された4個
以上の複数の光強度から計算に使用する3個の光強度を
選択する手法として、値の大きい3つの光強度を選択し
た。しかし、検出された各光強度が充分に高い測定精度
を有する場合は、前記複数の光強度から無作為に3個の
光強度を選択してもよいことは言うまでもない。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように本発明のエリプソパ
ラメータ測定方法及びエリプソメータによれば、測定対
象にて反射された楕円偏光を有する反射光を互いに偏光
方向が異なる4つ以上の偏光成分に分離して各偏光成分
の光強度を検出し、検出された複数の光強度のうち値が
大きい3つの光強度の光強度から計算式を用いてエリプ
ソパラメータΔ,ψを算出している。したがって、高い
測定速度を維持したままで、常に高い一定水準以上の膜
厚測定精度を得ることができる。
ラメータ測定方法及びエリプソメータによれば、測定対
象にて反射された楕円偏光を有する反射光を互いに偏光
方向が異なる4つ以上の偏光成分に分離して各偏光成分
の光強度を検出し、検出された複数の光強度のうち値が
大きい3つの光強度の光強度から計算式を用いてエリプ
ソパラメータΔ,ψを算出している。したがって、高い
測定速度を維持したままで、常に高い一定水準以上の膜
厚測定精度を得ることができる。
【図1】 本発明の一実施例に係わるエリプソメータの
本体内部の構造を示す模式図、
本体内部の構造を示す模式図、
【図2】 実施例エリプソメータにおける反射光の楕円
偏光を示す図、
偏光を示す図、
【図3】 実施例エリプソメータ全体の概略構成図、
【図4】 実施例エリプソメータの動作を示す流れ図、
【図5】 実施例エリプソメータを用いたシリコンウェ
ーハーの酸化膜厚測定装置の概略構成図、
ーハーの酸化膜厚測定装置の概略構成図、
【図6】 同酸化膜厚測定装置の動作を示す流れ図、
【図7】 酸化膜厚測定装置に用いた従来エリプソメー
タの誤差率を示す図、
タの誤差率を示す図、
【図8】 酸化膜厚測定装置に用いた実施例エリプソメ
ータの誤差率を示す図、
ータの誤差率を示す図、
【図9】 他の実施例のエリプソメータにおける誤差率
を示す図、
を示す図、
【図10】 同実施例のエリプソメータにおける誤差率
を示す図、
を示す図、
【図11】 本発明の他の実施例に係わるエリプソメー
タの本体内部の構造を示す図、
タの本体内部の構造を示す図、
【図12】 同じく他の実施例エリプソメータの構造を
示す図、
示す図、
【図13】 さらに別の実施例エリプソメータの構造を
示す図、
示す図、
【図14】 さらに別の実施例エリプソメータの構造を
示す図、
示す図、
【図15】 さらに別の実施例エリプソメータの構造を
示す図、
示す図、
【図16】 従来のエリプソメータの概略構成を示す模
式図、
式図、
【図17】 一般的な反射光の楕円偏光を示す図。
【符号の説明】 10…エリプソメータ本体、11…A/Dコンバータ、
12…パーソナルコンピュータ、13…試料面、14…
半導体レーザ光源、15…偏光子、16…光源部、17
…入射光、18…反射光、19,19a…無偏光ビーム
スプリッタ、21,22,44,45,46,47,4
8…偏光ビームスプリッタ、23a〜23f…受光器、
35…シリコンウェーハー、40…1/4波長板、43
a〜43d…検光子。
12…パーソナルコンピュータ、13…試料面、14…
半導体レーザ光源、15…偏光子、16…光源部、17
…入射光、18…反射光、19,19a…無偏光ビーム
スプリッタ、21,22,44,45,46,47,4
8…偏光ビームスプリッタ、23a〜23f…受光器、
35…シリコンウェーハー、40…1/4波長板、43
a〜43d…検光子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 智之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−71923(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/06 G01N 21/21
Claims (8)
- 【請求項1】 測定対象に対して偏光した光を所定角度
で入射させ、この測定対象の反射光をそれぞれ互いに異
なる4つ以上の複数の偏光成分に分離し、この分離され
た複数の偏光成分の光強度のうち値の大きい3つの光強
度を選択してこの3つの光強度から前記反射光における
位相差および振幅比とで定まるエリプソパラメータを求
めることを特徴とするエリプソパラメータ測定方法。 - 【請求項2】 測定対象に対して偏光した光を所定角度
で入射させ、この測定対象の反射光をそれぞれ互いに異
なる4つ以上の複数の偏光成分に分離し、この分離され
た複数の偏光成分の光強度のうち値の大きい3つの光強
度を選択してこの3つの光強度から下記(1)(2)(3)(4)式
を用いて、前記反射光における位相差Δおよび振幅比 t
anψで定まるエリプソパラメータΔ,ψを求めることを
特徴とするエリプソパラメータ測定方法。 tanψ=(A/C)1/2 …(1) cos(Δ−φ0 −φB )=(B/C)(C/A)1/2 …(2) ここで、A,B,Cは、 【数1】 但し、 ai = cos2 Ai bi =2σi ・χ・ cosAi・ sinAi ci =−(σi ・χ)2 sin2 Ai ( i= k,l,m ) …(4) である。また、Aiは測定対象へ入射光の入射面に平行な
方向を基準方向とする偏光の方位角度であり、σi ,φ
B は反射光を複数の偏光成分に分離する光学系によって
定まる定数であり、χ,φ0 は入射光の偏光状態で定ま
る定数であり、Ii は受光器にて検出される光強度であ
る。 - 【請求項3】 前記複数の偏光成分の光強度のうち値の
大きい3つの光強度は、値が基準値より大きい任意の3
つの光強度であることを特徴とする請求項1又は2記載
のエリプソパラメータ測定方法。 - 【請求項4】 偏光した光を測定対象に所定角度で入射
させる光源部と、前記測定対象にて反射された反射光を
互いに異なる4偏光方向以上の偏光成分に分離する光学
系と、この光学系にて分離された各偏光成分の光強度を
検出する複数の受光器と、この複数の受光器にて検出さ
れた複数の光強度のうち値の大きい3つの光強度を選択
してこの3つの光強度から前記反射光における位相差お
よび振幅比で定まるエリプソパラメータを求める演算部
とを備えたエリプソメータ。 - 【請求項5】 偏光した光を測定対象に所定角度で入射
させる光源部と、前記測定対象にて反射された反射光を
互いに異なる4偏光方向以上の偏光成分に分離する光学
系と、この光学系にて分離された各偏光成分の光強度を
検出する複数の受光器と、この複数の受光器にて検出さ
れた複数の光強度のうち値の大きい3つの光強度を選択
してこの3つの光強度から下記(1)(2)(3)(4)式を用い
て、前記反射光における位相差Δおよび振幅比 tanψで
定まるエリプソパラメータΔ,ψを求める演算部とを備
えたエリプソメータ。 tanψ=(A/C)1/2 …(1) cos(Δ−φ0 −φB )=(B/C)(C/A)1/2 …(2) ここで、A,B,Cは、 【数2】 但し、 ai = cos2 Ai bi =2σi ・χ・ cosAi・ sinAi ci =−(σi ・χ)2 sin2 Ai ( i= k,l,m ) …(4) である。また、Aiは測定対象へ入射光の入射面に平行な
方向を基準方向とする偏光の方位角度であり、σi ,φ
B は反射光を複数の偏光成分に分離する光学系によって
定まる定数であり、χ,φ0 は入射光の偏光状態で定ま
る定数であり、Ii は受光器にて検出される光強度であ
る。 - 【請求項6】 前記光学系は、前記測定対象にて反射さ
れた反射光を互いに異なる複数方向の光に分岐する無偏
光ビームスプリッタと、この無偏光ビームスプリッタに
て分岐された各光をそれぞれ互いに異なる方向の偏光成
分に分解する複数の偏光ビームスプリッタとで構成され
た請求項5記載のエリプソメータ。 - 【請求項7】 前記光学系は、前記測定対象にて反射さ
れた反射光を互いに異なる4方向以上の光に分岐する複
数の無偏光ビームスプリッタと、この各無偏光ビームス
プリッタにて分岐された各光における互いに異なる方向
の偏光成分を透過させる複数の検光子とで構成された請
求項5記載のエリプソメータ。 - 【請求項8】 前記複数の光強度のうち値の大きい3つ
の光強度は、値が基準値より大きい任意の3つの光強度
であることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項
記載のエリプソメータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06194192A JP3269107B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06194192A JP3269107B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05264227A JPH05264227A (ja) | 1993-10-12 |
JP3269107B2 true JP3269107B2 (ja) | 2002-03-25 |
Family
ID=13185722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06194192A Expired - Fee Related JP3269107B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3269107B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR3079028A1 (fr) * | 2018-03-15 | 2019-09-20 | Horiba France Sas | Ellipsometre ou scatterometre spectroscopique instantane et procede de mesure associe |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8125641B2 (en) * | 2009-03-27 | 2012-02-28 | N&K Technology, Inc. | Method and apparatus for phase-compensated sensitivity-enhanced spectroscopy (PCSES) |
-
1992
- 1992-03-18 JP JP06194192A patent/JP3269107B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR3079028A1 (fr) * | 2018-03-15 | 2019-09-20 | Horiba France Sas | Ellipsometre ou scatterometre spectroscopique instantane et procede de mesure associe |
WO2019186018A1 (fr) * | 2018-03-15 | 2019-10-03 | Horiba France Sas | Ellipsomètre ou scattéromètre instantané et procédé de mesure associé |
CN112236666A (zh) * | 2018-03-15 | 2021-01-15 | 堀场(法国)有限公司 | 瞬时椭偏仪或散射仪及相关测量方法 |
US11175221B2 (en) | 2018-03-15 | 2021-11-16 | Horiba France Sas | Instantaneous ellipsometer or scatterometer and associated measuring method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05264227A (ja) | 1993-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH05157521A (ja) | エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータ | |
US5311285A (en) | Measuring method for ellipsometric parameter and ellipsometer | |
JP4231902B2 (ja) | 半導体上の多層薄膜積層を解析する装置 | |
JP3697279B2 (ja) | 薄膜厚測定装置 | |
US5042951A (en) | High resolution ellipsometric apparatus | |
US5596411A (en) | Integrated spectroscopic ellipsometer | |
US7286243B2 (en) | Beam profile complex reflectance system and method for thin film and critical dimension measurements | |
AU6381500A (en) | Parallel detecting, spectroscopic ellipsometers/polarimeters | |
US7286226B2 (en) | Method and apparatus for measuring birefringence | |
JPS6134442A (ja) | 試料表面ないしは試料の表面膜層の物理的特性を検査するためのエリプソメトリ測定法とその装置 | |
EP0249235A2 (en) | Film thickness-measuring apparatus using linearly polarized light | |
CN112469987B (zh) | 正交入射椭圆仪以及使用其测量样本的光学性质的方法 | |
JPH03205536A (ja) | 高分解能エリプソメータ装置と方法 | |
WO2023115949A1 (zh) | 一种基于同步参考光校正的椭偏测量系统 | |
EP0075689A1 (en) | Optical instruments for viewing a sample surface | |
JP3141499B2 (ja) | エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータ | |
JP3269107B2 (ja) | エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータ | |
JPH0571923A (ja) | 偏光解析方法および薄膜測定装置 | |
JPH07159131A (ja) | エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータ | |
CN116339078A (zh) | 一种角分辨快照式套刻误差测量装置及方法 | |
US20040233436A1 (en) | Self-calibrating beam profile ellipsometer | |
CN113777048B (zh) | 一种共轴超快光谱椭偏仪及测量方法 | |
US6731386B2 (en) | Measurement technique for ultra-thin oxides | |
JP3141498B2 (ja) | エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータ | |
JPH05133810A (ja) | エリプソパラメータ測定方法及びエリプソメータ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |