JP2502435Y2 - 音声切換回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、モノラル，ステレオ，二重音声（２ヵ国
語）放送に応じた各音声信号出力が得られる音声切換回
路に関するもので、例えばケーブルを用いて伝送される
テレビジョン信号をベースバンド復調し映像と音声信号
とに分離して出力（AV出力）するベースバンド方式のCA
TVコンバータ（有線テレビジョン放送用コンバータ）等
に用いて好適なものである。

従来の技術 従来、斯るCATVコンバータは第２図に示す如く構成さ
れており、（１）はケーブルを用いて伝送されるテレビ
ジョン信号が入力される入力端子、（２）は入力端子
（１）に入力されたテレビジョン信号から希望チャンネ
ルを選択して中間周波信号に周波数変換するアップ・ダ
ウンチューナ、（３）はアップ・ダウンチューナ（２）
からの中間周波信号を増幅して映像と音声中間周波信号
とに分離した後、夫々復調（映像検波,FM検波）して取
り出した映像信号（即ち、複合映像信号）と音声信号
（即ち、モノラル放送の場合には元の音声信号，ステレ
オ及び二重音声放送の場合には音声多重信号）とを映
像，音声出力端（3a）（3b）より夫々出力する復調器、
（４）は映像出力端（3a）からの映像信号が導出される
映像用のジャック、（５）は音声切換回路で、（６）は
モノラル，ステレオ，二重音声放送に応じてモノラルモ
ード，ステレオモード，二重音声モードに夫々切り換え
られるマルチプレクサデコーダ（MPXデコーダ）で、該M
PXデコーダ（６）はモノラルモード時に音声出力端（3
b）から導出される音声信号をそのまま第１出力端（6
a）に出力し、ステレオモード時には音声出力端（3b）
から導出される音声信号をステレオ復調して第１出力端
（6a）にＬチャンネル音声信号を出力し、第２出力端
（6b）にＲチャンネル音声信号を出力するとともに、二
重音声モード時には音声出力端（3b）から導出される音
声信号を二重音声復調して第１出力端（6a）に主音声信
号を出力し、第２出力端（6b）に副音声信号を出力する
ようになっている。更に、MPXデコーダ（６）はステレ
オモード時にその第１制御端（6c）よりＨレベルの制御
信号を出力し、二重音声モード及びモノラルモード時に
は第２制御端（6d）よりＨレベルの制御信号を出力する
ようになっており、この各制御信号はモード切り換え或
いは表示用としてマイクロコンピュータ（CPU）に送出
されるようになっている。そして、（７）は第１出力端
（6a）からモノラルモード時にモノラル音声信号が、ス
テレオモード時にＬチャンネル音声信号が、二重音声モ
ード時に主音声信号が夫々導出される音声用の第１ジャ
ック、（８）は第２出力端（6b）からステレオモード時
にＲチャンネル音声信号が、二重音声モード時に副音声
信号が夫々導出される音声用の第２ジャックである。

従って、このような構成のCATVコンバータをCATV加入
者の所有する例えばステレオタイプのテレビジョン受像
機に接続した際には、即ち各ジャック（４）（７）
（８）にテレビジョン受像機側から接続コードのプラグ
を差し込んだ際には、各ジャック（４）（７）（８）か
らの映像，音声信号がテレビジョン受像機側に導出され
て、映像信号に基づいた画像の再現と、音声放送に応じ
たモノラル，ステレオ，二重音声の再生が行なえること
になる。

考案が解決しようとする課題 ところが、このような構成の音声切換回路を有するCA
TVコンバータをモノラルタイプのテレビジョン受像機に
接続した際には、即ち映像用のジャックと音声用の第１
ジャックのみにテレビジョン受像機側から接続コードの
プラグを差し込んだ際には、そのステレオモード時に第
１ジャックよりＬチャンネル音声信号が出力され、モノ
ラルタイプのテレビジョン受像機に適合しないと云った
不都合を生じていた。

本考案はこのような点に鑑み成されたものであって、
CATVコンバータをモノラルタイプのテレビジョン受像機
に接続した際にCATV加入者の手をわずらわせることな
く、ステレオモード時においてもモノラルモード時と同
様に第１ジャックよりモノラル音声信号が導出されるよ
うにした音声切換回路を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 上記した目的を達成するため本考案では、第1,第２出
力端を有し、ステレオモード時には前記第１出力端にＬ
チャンネル音声信号を出力し、第２出力端にＲチャンネ
ル音声信号を出力するとともに、二重音声モード時には
前記第１出力端に主音声信号を出力し、第２出力端に副
音声信号を出力する音声出力回路と、前記第１出力端に
接続された第１ジャックと、前記第２出力端に接続され
た第２ジャックと、前記第２ジャックに一端が接続され
るとともに通常時はONであるが、第２ジャックにプラグ
が挿入された時はOFFとなるスイッチと、前記スイッチ
の他端と第１ジャックに接続された接続回路と、ステレ
オモード時は前記接続回路を信号導通状態とし、二重音
声モード時は信号カットオフ状態とする制御手段とから
成る音声切換回路をベースバンド方式のCATVコンバータ
に設けるようにしたものである。具体的に、前記接続回
路は増幅トランジスタを含み、該トランジスタのエミッ
タが前記スイッチに接続されるとともにベースが制御手
段に接続され、且つコレクタが第１ジャックに接続され
ているものであり、また前記音声出力回路として前記制
御手段の機能を有するMPXデコーダを用いるようにした
ものである。

作用 このような構成に依れば、ステレオモード時に第1,第
２ジャックに夫々プラグを差し込むと、スイッチがOFF
となるので、第1,第２出力端に与えられたＬチャンネル
音声信号及びＲチャンネル音声信号はそのまま第1,第２
ジャックへ導出される。そして、第1,第２ジャックにプ
ラグを差し込んだ状態で二重音声モードの場合にも、同
様にスイッチがOFFとなるので、第1,第２出力端に与え
られた主音声信号及び副音声信号はそのまま第1,第２ジ
ャックへ導出される。

次に、第１ジャックのみにプラグが挿入され、第２ジ
ャックにはプラグが挿入されない状態の場合は、スイッ
チがON状態となるので、接続回路はステレオモード時に
信号導通状態となって、第２出力端からのＲチャンネル
音声信号を第１ジャック側へ導出する。その結果、Ｌと
Ｒチャンネル音声信号が加算されたモノラル音声信号が
第１ジャックへ導出される。一方、二重音声モード時は
接続回路は信号カットオフ状態となるので、第２出力端
からの副音声信号は第１ジャック側へ導出されない。そ
の結果、主音声信号のみが第１ジャックへ導出される。

実施例 以下、本考案の一実施例について図面と共に説明す
る。尚、従来と同一部分については同一符号を付すと共
にその説明を省略する。

本実施例ではCATVコンバータに設けられた音声出力回
路（５）に、第１図に示す如く前記第２ジャック（８）
に一端が接続されるとともに通常時はONであるが、第２
ジャック（８）にプラグが挿入された時はOFFとなるス
イッチ（所謂、ジャックスイッチ）（９）と、前記スイ
ッチ（９）の他端と第１ジャック（７）に接続された接
続回路（10）とを設けたもので、更に前記MPXデコーダ
（６）にステレオモード時は前記接続回路（10）を信号
導通状態とし、二重音声モード時は信号カットオフ状態
とする制御手段としての機能を持たせたものである。具
体的に、前記接続回路（10）はＡ級増幅用の増幅トラン
ジスタ（11）を含み、この増幅トランジスタ（11）のエ
ミッタが前記スイッチ（９）に接続されると共にそのベ
ースがMPXデコーダ（６）の第２制御端（6d）に接続さ
れ、且つコレクタが第１ジャック（７）に接続されてい
る。ここで、（12）はバイアス抵抗、（13）はコレクタ
抵抗であり、増幅トランジスタ（11）のコレクタ・エミ
ッタ間電圧と増幅度を決定する。また、（15）（16）は
結合用コンデンサである。

従って、このような構成のCATVコンバータにモノラル
タイプのテレビジョン受像機を接続した際には、映像用
のジャック（４）と音声用の第１ジャック（７）のみに
プラグが差し込まれ、スイッチ（９）がON状態となって
いるので、この状態でのステレオモード時には接続回路
（10）が信号導通状態、即ち第２制御端（6d）よりＬレ
ベルの制御信号が出力され増幅トランジスタ（11）が能
動状態となっている。そのため、第２出力端（6b）から
のＲチャンネル音声信号がスイッチ（９）及び増幅トラ
ンジスタ（11）を通じて第１ジャック（７）側へ導出さ
れ、第１ジャック（７）からは第1,第２出力端（6a）
（6b）からのＬとＲチャンネル音声信号が加算されたモ
ノラル音声信号が導出されることになる。一方、このよ
うなプラグ差し込み状態での二重音声モード時には第２
制御端（6d）よりＨレベルの制御信号が出力されて、接
続回路（10）が信号カットオフ状態、即ち増幅トランジ
スタ（11）がオフ状態となっている。そのため、第２出
力端（6b）からの副音声信号がスイッチ（９）がON状態
にあっても第１ジャック（７）側へ導出されず、第１ジ
ャック（７）からは第１出力端（6a）からの主音声信号
のみが導出されることになる。尚、モノラルモード時に
おいても同様に、第２制御端（6d）よりＨレベルの制御
信号が出力されて接続回路（10）が信号カットオフ状態
にあるため、第１出力端（6a）からのモノラル信号がそ
のまま第１ジャック（７）へ導出されることになる。

尚、このような構成のCATVコンバータにステレオタイ
プのテレビジョン受像機を接続した際には、第1,第２ジ
ャック（７）（８）に夫々プラグを差し込むことによっ
てスイッチ（９）がOFFとなり、接続回路（10）が第２
ジャック（８）側と切り離されることになるので、ステ
レオモード時には第1,第２出力端（6a）（6b）からのL,
Rチャンネル音声信号がそのまま第1,第２ジャック
（７）（８）へ導出され、二重音声モード時には第1,第
２出力端（6a）（6b）からの主，副音声信号がそのまま
第1,第２ジャック（７）（８）へ導出されることにな
る。

尚、本実施例ではCATVコンバータにモノラル，ステレ
オタイプのテレビジョン受像機を接続する場合について
述べたが、ビデオテープレコーダ等AV入力タイプの外部
機器であれば良い。また、音声切換回路をCATVコンバー
タに適用した場合について述べたが、これに限定される
ものではない。

考案の効果 上述した如く本考案の音声切換回路に依れば、その第
1,第２ジャックに導出する音声信号を、モノラル，ステ
レオ，二重音声放送に応じて夫々モノラル音声信号,L,R
チャンネル音声信号，主副音声信号と自動的に切り換え
ることが出来ると共に、その第1,第２ジャックに接続さ
れる外部機器のモノラル，ステレオのタイプ別に応じて
も音声信号を自動的に切り換えることが出来、例えばモ
ノラルタイプの外部機器に接続される場合にはステレオ
放送の音声信号をプラグの差し込まれた第１ジャック側
にモノラル音声信号として導出させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の音声切換回路を用いたCATVコンバータ
の回路構成例を示す図、第２図は従来のCATVコンバータ
の回路構成例を示す図である。 （５）……音声切換回路，（６）……MPXデコーダ，（6
a）（6b）……第1,第２出力端，（6c）（6d）……第1,
第２制御端，（７）（８）……第1,第２ジャック，
（９）……スイッチ，（10）……接続回路，（11）……
増幅トランジスタ。

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】第1,第２出力端を有し、ステレオモード時
   には前記第１出力端にＬチャンネル音声信号を出力し、
   第２出力端にＲチャンネル音声信号を出力するととも
   に、二重音声モード時には前記第１出力端に主音声信号
   を出力し、第２出力端に副音声信号を出力する音声出力
   回路と、 前記第１出力端に接続された第１ジャックと、 前記第２出力端に接続された第２ジャックと、 前記第２ジャックに一端が接続されるとともに通常時は
   ONであるが、第２ジャックにプラグが挿入された時はOF
   Fとなるスイッチと、 前記スイッチの他端と第１ジャックに接続された接続回
   路と、 ステレオモード時は前記接続回路を信号導通状態とし、
   二重音声モード時は信号カットオフ状態とする制御手段
   と から成ることを特徴とする音声切換回路。
2. 【請求項２】前記接続回路は増幅トランジスタを含み、
   該トランジスタのエミッタが前記スイッチに接続される
   とともにベースが制御手段に接続され、且つコレクタが
   第１ジャックに接続されていることを特徴とする第１請
   求項に記載の音声切換回路。
3. 【請求項３】前記音声出力回路は、音声中間周波信号を
   FM検波した後の音声信号が入力されるマルチプレクサ・
   デコーダであり、このマルチプレクサ・デコーダは更に
   前記制御手段の機能を有していることを特徴とする第１
   請求項に記載の音声切換回路。
4. 【請求項４】ベースバンド復調された映像，音声信号を
   分離出力するベースバンド方式のCATVコンバータに設け
   られたことを特徴とする第１請求項に記載の音声切換回
   路。