JP2502086B2 - 磁気ディスクドライブのディスク着脱機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は磁気ディスクドライブのディスク着脱機構、
特に磁気ディスクを着脱自在に収納するキャリアが非ロ
ーディング位置とローディング位置との間で上下動する
型式のディスク着脱機構の改良に関するものである。

［従来の技術］ コンピュータの外部記憶素子として、フロッピィディ
スクが広範囲に用いられており、特に近年、3.5インチ
の直径を有する小型フロッピイディスクメディアをカー
トリッジ内に収納したマイクロフロッピィディスクが持
運びに簡便でかつ損傷を受け難いフロッピィディスクと
して利用されている。

このマイクロフロッピィディスクは他の８インチある
いは５インチ型フロッピィディスクと同様に専用のフロ
ッピィディスクドライブにてリード／ライト作用に供さ
れるが、マイクロフロッピィデイスクの場合、ディスク
ドライブ自体も小型かつ軽量であることが望まれ、特に
近年における可搬そして電池駆動を可能にする要望に対
しては装置をできるだけ簡略にして小型軽量化を図る必
要がある。

従来において、磁気ディスク、特に前述したマイクロ
フロッピィディスクの着脱機構は、内部に磁気ディスク
を着脱自在に収納してそれ自体が非ローディング位置と
ローディング位置との間で上下動するキャリアを備え、
上側に移動したキャリアに磁気ディスクを挿入し、所定
位置でキャリアが磁気ディスクごと下方に落ち込み、所
定のローディング位置を定め、またこれと逆の作用によ
って磁気ディスクの排出が行われている。

第５図にはこのような従来のディスク着脱機構が示さ
れている（特開昭61−110366号）。

図示例において、ディスク着脱機構10は、磁気ディス
クを着脱自在に受け入れるキャリア12と、該キャリア12
を非ローディング位置とローディング位置との間に上下
動させるキャリア移動体14と、前記キャリア12をローデ
ィング位置から非ローディング位置へ復帰し磁気ディス
クを排出するディスク排出ボタン16と、を含む。

そして、図示例においては、キャリア移動体14は、キ
ャリア12の前後に対応して設けられた略Ｌ字状のアーム
18,20と、該アーム18,20を連結する連結板22と、を含
む。前記Ｌ字状アーム18,20の一端24,26はキャリア12に
回動自在に固定され、他端28,30はそれぞれ連結板22に
回動自在に軸支される。

また、各アーム18,20の略中央部32,34は磁気ディスク
ドライブの本体に回動自在に軸支されている。

そして、図示する状態では、キャリア12内に磁気ディ
スク38が挿入され、下降・ローディング位置にある。

この状態でディスク排出ボタン16を押入すると、アー
ム18は本体軸支受32を中心として反時計回り方向Ｉに回
動し、キャリア12はアーム18のキャリア軸支部24を介し
て持ち上げられる。

また、このアーム18の回動運動は、アーム18の連結板
軸支部28を介して連結板22を前方IIに移動させ、この結
果キャリア12の後部に位置するアーム20もアーム18と同
方向に回動し、キャリア軸支部26はキャリア12の後部を
押し上げることとなる。

そして、キャリア12の前方開口部12aが本体36の開口3
6a対応位置まで上昇すると、図示を省略したディスク排
出機構により磁気ディスク38はキャリア12より排出され
る。

［発明が解決しようとする問題点］ 従来技術の問題点 ところが、前記第５図に示したディスク着脱機構で
は、回動するアーム18にディスク排出ボタン16が直接固
定されているため、磁気ディスク38排出時にはディスク
排出ボタン16が傾いてしまい、意匠性が害されるという
問題点があった。

さらに、ディスク排出ボタン16の押入操作時には、ま
ずアーム18が回動し、キャリア12の前部を押し上げた
後、連結板22を介してアーム20がキャリア12の後部を押
し上げることとなり、装置のガタツキが生じ易くキャリ
ア12のスムーズな移動が行われ難いという問題点があっ
た。

発明の目的 本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので
あり、その目的はディスク排出ボタン操作時にも磁気デ
ィスクドライブの意匠性を害することがなく、しかもキ
ャリアのスムーズな動作を行うことのできる磁気ディス
クドライブのディスク着脱機構を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 前記目的を達成するために、本発明に係る磁気ディス
クドライブのディスク着脱機構は、磁気ディスクを着脱
自在に受け入れるキャリアと、前記キャリアを非ローデ
ィング位置とローディング位置との間に移動させるキャ
リア移動体と、前記キャリアをローディング位置から非
ローディング位置へ復帰し磁気ディスクを排出するディ
スク排出ボタンと、を含む。

そして、キャリア移動体は、キャリアと並列配置され
た連結板と、少なくともキャリアの前後に設けられ一端
が連結板に他端がキャリアに中間部が磁気ディスクドラ
イブ本体にそれぞれ軸支されたアームとを備える。さら
に、前記ディスク排出ボタンは連結板の一端に固定され
たことを特徴とする。

さらに、前記アームは、前記磁気ディスクドライブ本
体と前記連結板とを結ぶ連結板リンク部と、前記磁気デ
ィスクドライブ本体と前記キャリアとを結ぶキャリアリ
ンク部と、を有し、この連結板リンク部の長さは、この
キャリアリンク部の長さと比較して短く形成されてい
る。

そして、前記連結板リンク部と前記キャリアリンク部
とは、前記磁気ディスクドライブ本体に軸支されている
部分を中心として略直角をなしており、前記連結板リン
ク部は前記アームが回動しても、ディスク挿入方向に対
して略直角方向に伸展する角度位置を保持し、前記キャ
リアリンク部は前記アームが回動しても、ディスク挿入
方向に対して略平行方向に伸展する角度位置を保持して
いるように構成されている。

［作用］ 本発明に係る磁気ディスクドライブのディスク着脱機
構は、前述した構成を有するので、ローディング位置に
あるキャリアを非ローディング位置へ復帰させる際に
は、操作者はディスク排出ボタンを操作する。

該ディスク排出ボタンはキャリア移動体の連結板を直
接駆動するよう構成されているので、連結板がまずスラ
イド移動し、これに伴い少なくともキャリアの前後に設
けられたアームは同時にドライブ本体軸支部を中心とし
て回動し、キャリアを非ローディング位置へ復帰させ
る。

従って、本発明によれば、連結板はスライド移動する
ので、ディスク排出ボタンは同一角度で偏移し、ボタン
操作に伴う意匠性の悪化を確実に防止することができ
る。

また、連結板がまずスライド移動され、これに伴って
各アームが回動するため、各アームが同時にかつ均一な
回動運動を行い、キャリア全体の移動が同時に極めてス
ムーズに行われる。

また、キャリアリンク部は、連結板リンク部の長さよ
り長く設定されているので、連結板のわずかなストロー
クで、キャリアを大きく動かすことが可能である。

また、キャリアリンク部はディスクの挿入方向に対し
てほぼ並行状態を維持しているため、その先端及び先端
と軸支されているキャリアはほぼ垂直方向にのみ移動す
ることができる。また、キャリアリンク部と略直角に設
けられている連結板リンク部はディスクの挿入方向に対
してほぼ直角方向の位置を維持しているため、その先端
及び先端と軸支されている連結板はほぼ水平方向にのみ
移動することができる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例を説明す
る。

第１図は本発明の一実施例に係るディスク着脱機構の
説明図であり、同図（Ａ）はキャリア上面より見た状態
を、また同図（Ｂ）は側面より見た状態をそれぞれ示
す。なお、同図中前記第５図と対応する部分には符号10
0を加えて示し説明を省略する。

本実施例において、ディスク着脱機構110は、キャリ
ア112の下部に連結板122を配置している。

本発明において特徴的なことは、ディスク排出ボタン
の操作により直接連結板をスライド移動させるようにし
たことであり、このために本実施例においては、連結板
122の前端部を下方に折り曲げ、該折曲げ部122aの前面
にディスク排出ボタン116を設けている。

また、本実施例に係るディスク着脱機構110において
は、キャリア112上には周知のディスク排出レバー150が
設けられ、さらに本実施例において特徴的なロック体15
2が設置されている。

該ロック体152は、ロックレバー154と、ロックレバー
バネ156と、を有し、前記ロックレバーバネ156はロック
レバー154を常時前方に付勢する。

ロックレバー154は、キャリア112上面に突出形成され
たロックレバー軸158,160により前後方向にスライド可
能に支持され、さらにロックレバー154の後端部には下
方、すなわちキャリア112内部方向に向けてディスク係
止部162が折り曲げ形成されている。

また、ロックレバー154の後端側部にはアーム係止部1
64が形成され、該ロックレバー154の前進位置で、アー
ム120のキャリア軸支部近傍に突出形成された係止突起1
66と係合可能となっている。

本実施例に係るディスク着脱機構は、以上のように構
成され、次にその動作について第２図から第４図を参照
しつつ説明する。

まず、第２図に示すようにキャリア112の上昇・非ロ
ーディング位置では、該キャリア112の前端開口部112a
は図示を省略した本体のディスク挿入用開口に対向して
いる。

従って、磁気ディスク138を該キャリア112内に挿入す
ることができる。

そして、第３図に示すように磁気ディスク138をキャ
リア112の終端位置まで押し込むと、該磁気ディスク138
の先端は、前記ロックレバー154のディスク係止部162に
係止して押し、該ロックレバー154を後方へ押圧移動さ
せる。

この結果、アーム120先端の係止突起166とアーム係止
部164の係合状態は解除され、アーム118,120は反時計方
向IVに回動可能となる。

ここで、キャリア112は、該キャリア112内の磁気ディ
スク138をローディング位置に位置決めするため図中上
方より常時板バネによる付勢力が印加されており、アー
ム118,120は矢印IV方向に回動しキャリア112を下降させ
る。

次に、所定のローディングが終了した後、磁気ディス
ク138を排出する場合には、第４図に示すように操作者
は磁気ディスクドライブの前面に表出したディスク排出
ボタン116を押入操作する。

該ディスク排出ボタン116の押入操作と連動して、連
結板122は後方（矢印Ｖ）にスライドする。

この結果、アーム118,120は時計方向（矢印VI）に回
動し、アーム120後端部の係止突起166は上昇し、ロック
レバー154のアーム係止部164と係止可能な位置となる。

該状態で、前記ディスク排出レバー150は磁気ディス
ク138を前方へ排出する。

従って、ロックレバー154は、ロックレバーバネ156の
前方への付勢力により矢印VII方向へ移動し、前記第２
図に示した状態となる。

ここで、ディスク排出ボタン116の押入操作方向と、
連結板122の移動方向とは同一であり、ボタン116の操作
によっても該ボタンの角度は変化せず、磁気ディスクド
ライブの表面の美観を損うことはない。

さらに、ディスク排出ボタン116は直接連結板122を移
動させ、このためアーム118,120は全く同一タイミング
で回動するため、キャリア112の上昇駆動は極めてスム
ーズに、かつ均一に行われることとなる。

一方、本実施例に係るディスク着脱機構によれば、ロ
ック体152はキャリア112にロックレバー154などを形成
するのみで足り、磁気ディスクドライブ本体側には何ら
の特別な機構を要求しないため、キャリア112の上昇位
置でのロック機構を容易に組立てにより可能とする。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明に係る磁気ディスクドラ
イブのディスク着脱機構によれば、ディスク排出ボタン
をアームの連結板に直接固定することとしたので、ディ
スク排出ボタン操作時にも磁気ディスクドライブの意匠
性を害することがなく、しかもキャリアのスムーズな移
動を行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る磁気ディスクドライブ
のディスク着脱機構の構成説明図、 第２図〜第４図は前記第１図に示したディスク着脱機構
の動作の説明図、 第５図は従来の磁気ディスクドライブのディスク着脱機
構の説明図である。 10,110……ディスク着脱機構 12,112……キャリア 14,114……キャリア移動体 16,116……ディスク排出ボタン 18,20,118,120……アーム 22,122……連結板 38,138……磁気ディスク

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ディスクを着脱自在に受け入れるキャ
   リアと、 前記キャリアを非ローディング位置とローディング位置
   との間に移動させるキャリア移動体と、 前記キャリアをローディング位置から非ローディング位
   置へ復帰し、磁気ディスクを排出するディスク排出ボタ
   ンと、 を含み、前記キャリア移動体は、キャリアと並列配置さ
   せた連結板と、少なくともキャリアの前後に設けられ、
   一端が連結板に他端がキャリアに中間位置が磁気ディス
   クドライブ本体にそれぞれ軸支されたアームと、を有
   し、該連結板のスライド移動によりアームを回動させ、
   キャリアをローディング位置から非ローデイング位置へ
   復帰させるよう構成され、 前記アームは、 前記磁気ディスクドライブ本体と前記連結板とを結ぶ連
   結板リンク部と、 前記磁気ディスクドライブ本体と前記キャリアとを結ぶ
   キャリアリンク部と、 を有し、 前記連結板リンク部の長さは、前記キャリアリンク部の
   長さと比較して短く、 前記連結板リンク部と前記キャリアリンク部とは、前記
   磁気ディスクドライブ本体に軸支されている部分を中心
   として略直角をなしており、 前記連結板リンク部は前記アームが回動しても、ディス
   ク挿入方向に対して略直角方向の角度位置を保持し、 前記キャリアリンク部は前記アームが回動しても、ディ
   スク挿入方向に対して略並行方向の角度位置を保持し、 前記ディスク排出ボタンは前記連結板の一端に固定され
   たことを特徴とする磁気ディスクドライブのディスク着
   脱機構。
2. 【請求項２】特許請求の範囲（１）記載のディスク着脱
   機構において、 キャリアには、該キャリアの非ローディング位置でアー
   ムを回動不能に係止するロック体が設けられたことを特
   徴とする磁気ディスクドライブのディスク着脱機構。
3. 【請求項３】特許請求の範囲（２）記載のディスク着脱
   機構において、 ロック体は、キャリア上を磁気デイスク挿入・排出方向
   に移動可能なロックレバーと、該ロックレバーバネを磁
   気ディスク排出方向に付勢するロックレバーバネと、を
   含み、前記ロックレバーは磁気ディスク挿入時に該磁気
   ディスク先端と係合し後退するディスク係止部と、ロッ
   クレバー前進状態で少なくとも一のアームに形成された
   係止突起と係合するアーム係止部と、を備えたことを特
   徴とする磁気ディスクドライブのディスク着脱機構。