JP2501849Y2 - 印字装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、印字ヘッドにより貼付用印字テープに文
字、記号等を印字するための印字装置に関するものであ
る。

［従来技術］ このような印字テープとしては、カセットテープやビ
デオテープ、または各種ファイルのタイトル等を作成す
るための貼付用印字テープが知られている。かかるテー
プ作成のための従来の印字装置は、貼付用印字テープと
インクリボンとを別個に準備し、両者を重ね合わせて印
字ヘッドにより転写していた。この種の印字装置の従来
例は第３図及び第４図に示す通りである。第４図に示し
た貼付用印字テープ20は、ベースフィルム２一と、その
ベースフィルム21と接合する面に接着剤層23を形成した
剥離フィルム22とから形成されている。そして、その貼
付用印字テープ20を第３図に示すような印字装置30にセ
ットし、インクリボンカセット35のインクリボン34を介
して印字ヘッド36により貼付用印字テープ20のベースフ
ィルム21側に印字を行っていた。

［考案が解決しようとする問題点］ このような従来の印字装置で印字された貼付用印字テ
ープ20は、使用者により裏面の剥離フィルム22が剥がさ
れたのち、印字されたインク層24を表にして所望の場所
に貼付けられるものである。しかしながらこの印字テー
プ20はベースフィルム21上にインク層24が露出した状態
で転写印字されているので、外部からの接触等によりイ
ンク層24が剥離されたり汚損されたりしやすく、耐久性
が低いという問題点を有していた。

［考案の目的］ 本考案は、上述した問題点を解決するためになされた
ものであり、その目的は、耐久性の高い貼付用印字テー
プを作成するための印字装置を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ この目的を達成するために本考案の印字装置は、ベー
スフィルムと、そのベースフィルムの一表面に形成され
た感熱染料層と、その感熱染料層と接合する面に接着剤
層を形成した剥離フィルムとからなり、剥離フィルムを
剥すことにより接着剤層を介して貼付場所に貼付可能な
貼付用印字テープと、その貼付用印字テープの感熱染料
層を加熱して発色させることで該貼付用印字テープに印
字すべき文字パターンを印字する印字ヘッドとを備えた
ことを特徴としている。

［作用］ 上記の構成を有する考案によれば、印字ヘッドが印字
すべき文字パターンを印字するために熱エネルギーを発
すると、その熱エネルギーは、熱導伝性の良好な剥離フ
ィルムを介して感熱染料層に伝達されるので、その感熱
染料は、印字すべき文字を形成するように感熱発色す
る。

［実施例］ 以下、本考案を具体化した一実施例を図面を参照して
説明する。

第１図は、本考案にかかる印字装置の主要部の構成を
示す説明図で、印字装置１の内部には、印字ヘッドであ
るサーマルヘッド２が印字すべき文字パターンの虚像を
印字するように構成され、印字可能状態においてプラテ
ン３に接する位置に配設されている。このプラテン３
は、歯付きベルト４を介しモータ５によって駆動され
る。後述する貼付用印字テープ14はサーマルヘッド２と
プラテン３との間を通過する際に印字される。

印字状態においてサーマルヘッド２は、ばね８によっ
てプラテン３側に付勢されている。このサーマルヘッド
２は、ヘッドリリースつまみ７を第１図の矢印Ａ方向に
操作することにより、支点０を中心として揺動してプラ
テン３からリリースされ、貼付用印字テープの挿入、交
換を容易にする。

第２図は、第１図に示した印字装置において使用され
る貼付用印字テープの構成を示す説明図である。その貼
付用印字テープ14は、耐摩耗性に優れた透明なベースフ
ィルム11と、そのベースフィルム11の一表面に形成され
た感熱染料層12と、その感熱染料層12と接合する面に接
着剤層13を形成した熱導伝性の良好な剥離フィルム15と
から構成されている。ここで、ベースフィルム11は厚さ
70μｍ程度のポリエステルにて形成されており、また剥
離フィルム15は厚さ３μｍ程度の熱導伝性の良好な材質
にて形成されている。

次に、以上のような構成よりなる印字装置の動作につ
いて説明する。

まず、使用者により貼付用印字テープ14が、その貼付
用印字テープ14の剥離フィルム15側がサーマルヘッド２
と対向するように印字装置１にセットされ、使用者によ
ってあらかじめ入力された印字されるべき文字データの
印字命令が為されると、印字装置１の中央処理部（図示
しない）は、その文字データに対応するキャラクタ・デ
ータをキャラクタ・ジェネレータ（図示しない）から読
出し、虚像印字用のデータに変換し、縦方向における１
ドット列単位にてサーマルヘッド２に出力する。そし
て、サーマルヘッド２は、その虚像印字用のデータに基
づいて印字するために、貼付用印字テープ14の剥離フィ
ルム15側に熱エネルギーを発生し、剥離フィルム15及び
接着剤層13を介して感熱染料層12を加熱する。その熱エ
ネルギーは、熱導伝性の良好な剥離フィルム15及び接着
剤層13を介し感熱染料層12に伝達される。その感熱染料
層12は、伝達された熱熱エネルギーにより加熱され、剥
離フィルム15側から見て印字すべき文字パターンの虚
像、即ちベースフィルム11側から見て実像となる様な文
字パターンの１ドット列分が感熱発色される。

サーマルヘッド２により１ドット列分の印字が終了す
ると、次のドット列を印字するための印字位置まで貼付
用印字テープ14を送るために、中央処理部はモータ５を
駆動させる。そのモータ５の駆動力は歯付ベルト４を介
しプラテン３に伝達され、プラテン３は第１図の矢印Ｂ
方向に回転される。そのプラテン３の回転に伴って、貼
付用印字テープ14は次の印字位置まで送られる。

上記の動作を繰返すことにより、貼付用印字テープ14
に所望の文字列が作成される。使用者はその貼付用印字
テープ14を所望の貼付場所に貼付けるために、剥離フィ
ルム15を剥がし、接着剤層13を貼付場所に圧接されるこ
とにより貼付動作を完了する。その際、感熱染料層12
は、外部からの接触等に対しベースフィルム11によって
保護されるので、発色した感熱染料の剥離・汚損等が防
止でき、貼付用印字テープの耐久性を向上させることが
できる。

また、本実施例の印字装置においては、インク層であ
る感熱染料層を貼付用印字テープ内に備えたことによ
り、インクリボンカセットやその他のインクリボンを送
る装置が不要となるため、印字装置の小型化及び低価格
化が可能であり、インクリボンの交換時期が問題となる
こともないから操作性の優れた印字装置を得ることがで
きる。

尚、本実施例の印字装置に使用された印字テープのベ
ースフィルムは、透明なものが用いられていたが、半透
明若しくはインク色と異なる色のベースフィルムを用い
てもよい。

また、本実施例の印字装置に印字テープを挿入する際
に、予め表裏逆に挿入させておけば、ベースフィルム側
から見て虚像を印字することが可能となり、その印字テ
ープを透明ケース等の内側に貼付た際に透明ケース等の
外側から見て実像となるような印字テープを作成するこ
とができる。

［考案の効果］ 以上詳述したことから明らかなように、本考案の印字
装置を用いて作成された貼付用印字テープにおいては、
ベースフィルムが感熱染料層を保護するため、印字され
た感熱染料の剥離・汚損等が防止でき、貼付用印字テー
プの耐久性を向上させることができること、また貼付用
印字テープ内にインク層である感熱染料層を備えたこと
より、印字装置にインクリボンカセットやその他のイン
クリボンを送る装置を備える必要がなくなるため、印字
装置の小形化及び低価格化が可能であること、さらに、
インクリボンの交換時期が問題となることがないため操
作性の優れた印字装置を得ることができること等の効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示し、第１図は
印字装置の主要部の構成を示す説明図、第２図は貼付用
印字テープの構成を示す説明図である。また第３図は従
来の印字装置の構成を示す説明図、第４図は従来の印字
装置に用いられる貼付用印字テープの構成を示す説明図
である。 図中、２はサーマルヘッド、３はプラテン、11はベース
フィルム、12は感熱染料層、13は接着剤層、14は貼付用
印字テープ、15は剥離フィルムである。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベースフィルムと、そのベースフィルムの
   一表面に形成された感熱染料層と、その感熱染料層と接
   合する面に接着剤層を形成した剥離フィルムとからな
   り、剥離フィルムを剥すことにより接着剤層を介して貼
   付場所に貼付可能な貼付用印字テープと、 その貼付用印字テープの感熱染料層を加熱して発色させ
   ることで該貼付用印字テープに印字すべき文字パターン
   を印字する印字ヘッドとを備えたことを特徴とする印字
   装置。