JP2501767Y2 - 負荷付き秒針の電力供給装置 - Google Patents

負荷付き秒針の電力供給装置

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JP2501767Y2
JP2501767Y2 JP1990069125U JP6912590U JP2501767Y2 JP 2501767 Y2 JP2501767 Y2 JP 2501767Y2 JP 1990069125 U JP1990069125 U JP 1990069125U JP 6912590 U JP6912590 U JP 6912590U JP 2501767 Y2 JP2501767 Y2 JP 2501767Y2
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秀嗣 池田
功人 渡辺
悟 山内
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株式会社精工舎
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は時計の負荷付き秒針の電力供給装置に関する
ものである。
[従来の技術] 本出願人は特開平2-80995号により「負荷付き指針の
電力供給装置」を提案している。その構成は以下のとお
りである。
指針の下方には、指針の回転中心と同心的に2つのリ
ング状導体が設置されており、指針の下面には、このリ
ング状導体を摺動可能な接点をそれぞれ有する1対のリ
ードフレーム(接片)が設けてある。リング状導体は外
部回路に導通されており、リードフレームは指針に設け
られた負荷に導通されているという構成である。
また、特開昭54-111377号には、文字板の裏側に取付
けられたヨーク内に給電コイルを装填し、時針および分
針の裏面基部にそれぞれ受電コイルを取付けて、電磁誘
導作用を利用して時針および分針に電力を供給し、時針
および分針にそれぞれ設けてある発光ダイオードを発光
可能にした構成が開示されている。
本出願人が先に出願した特願昭63-331196号(特開平2
-179493号)においても、指針の下面に設けられた第1
のコイルと、指針の下方に設けられた第2のコイルとが
近接対向しており、第2のコイルに電力が供給されると
第1のコイルに誘起電力が生じ、第1のコイルから指針
に設けられた負荷へと電力が供給されるロータリートラ
ンス方式が提案されている。
[解決しようとする課題] 上記第1の従来例では、外部回路から2つのリング状
導体に電力が供給されると、このリング状導体上を摺動
している接点によって1対のリードフレームへと導通
し、さらに負荷へと電力が供給される。しかし、このよ
うな摺動接点方式では、接点がリング状導体上を摺動す
る際に、指針の回転の摩擦負荷となる。時分針のように
回転速度が比較的遅く十分な回転トルクが確保できる場
合には、この摩擦負荷も特に問題にならないが、秒針の
ように高速回転し回転トルクが小さい場合には、摩擦負
荷により安定した正確な回転が困難になるおそれがあ
る。それを防ぐために、摩擦負荷を減らすように導体に
対する接点の接触圧を低くすると、導通の信頼性を損う
恐れがある。また、一般的に秒針は時分針よりも細く形
成されることが多く、このように極めて細い秒針に接点
が正確な位置になるようにリードフレームを指針に取り
付け、接点部分を加工するには注意を払う必要があり手
間がかかり面倒である。
第2の従来例では、文字板の裏側に位置する給電コイ
ルから各指針の受電コイルへの電力供給は指針が文字板
から離れる程効率が低下する。従って、時分針に加えて
秒針まで取付ける場合、秒針へ十分な電力供給が行ない
得ないおそれがある。このように、高速回転し許容負荷
トルクの小さい時計秒針に十分な電力を確実かつ安定的
に供給することは困難である。
そして第2,3の従来例はいずれも、電磁誘導の作用を
利用しているため、ロータリートランスの発する電磁波
ノイズが、周囲のラジオなどの作動の障害となるおそれ
がある。
そこで本考案の目的は、容易に製作できて、回転トル
クに影響を及ぼすことがなく導通の信頼性が高く、さら
に周囲に電磁波ノイズが漏れることのない負荷付き秒針
の電力供給装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本考案に係る負荷付き秒針の電力供給装置は、文字板
の上方に配設されて同一の回転中心をもってそれぞれ回
転可能な時針および分針および秒針と、文字板の上方に
設けてあり、回転中心と同心的に配置され外部から電力
が供給される1対のリング状固定導体を上面に有する固
定接点台と、時針の下面に設けてある金属の薄板からな
る1対の時針用リードフレームと、時針の上面に設けて
あり、回転中心と同心的に配置され上記1対の時針用リ
ードフレームとそれぞれ導通されている1対のリング状
導体を上面に有する接点台と、分針の下面に設けてある
金属の薄板からなる1対の分針用リードフレームと、回
転中心と同心的に秒針の下面に設けられている第1のコ
イルと、第1のコイルと近接対向して分針の上面に回転
中心と同心的に設けてあり、分針用リードフレームと導
通されている第2のコイルと、秒針に設けられており第
1のコイルに導通されている負荷と、秒針の下面に設け
られており、下端開口の円筒状のシールドリングとを有
している。
時針用リードフレームは、先端に接点を有するばね片
が一体的に形成され、一方の時針用リードフレームのば
ね片の接点は一方のリング状固定導体に対応する円形の
移動軌跡を有し、他方の時針用リードフレームのばね片
の接点は他方のリング状固定導体に対応する円形の移動
軌跡を有している。同様に、分針用リードフレームは、
先端に接点を有するばね片が一体的に形成され、一方の
分針用リードフレームのばね片の接点は一方のリング状
導体に対応する円形の移動軌跡を有し、他方の分針用リ
ードフレームのばね片の接点は他方のリング状導体に対
応する円形の移動軌跡を有している。
そして、シールドリングは、第1のコイルおよび第2
のコイルの外周部を覆うように設けられている。
[作用] 本考案において、外部回路から時針および分針へは上
記第1の従来例と同様な摺動接点方式を採用して電力を
伝達しているため、この間の損失な少ない。分針上面
(秒針下方)の第2のコイルには、分針用リードフレー
ムから電流が供給され、この周囲に磁束が生じる。第2
のコイルには交流電流が流れているため、磁束は絶えず
変化する。この磁束の変化の影響を受けて、第2のコイ
ルに近接して設けてある第1のコイルに電圧が生じ電流
が流れる。このような電磁誘導の作用によって、第2の
コイルから秒針下面の第1のコイルへ電力が供給され、
さらに第1のコイルに接続されている負荷に伝達され
る。
この時に生じる電磁波ノイズはシールドリングによっ
て遮断され外部に漏れることがないため、外部のラジオ
などの作動の障害となることはなく、その作動を妨げる
おそれはない。
[実施例] 本考案の一実施例を図面を参照して説明する。
本考案は、時針および分針には従来と同様の摺動接点
構成で電力を供給し、秒針には電磁誘導作用を利用して
電力を供給するものである。
第1図において、時計機械体1に固着された軸受2
に、時針軸3,分針軸4,秒針軸5が貫通している。軸受2
の上端部には、固定接点台6が圧入されている。この固
定接点台6の上面には、指針の回転中心と同心的にリン
グ条の突条6aが設けてあり、この突条6aの外側と内側
に、2つのリング状固定導体7,8が配置されている。各
リング条固定導体7,8の一部にはL字状の接続片7a,8aが
屈成してあり、この接続片7a,8aは固定接点台6の下面
に突出して、リード線9a,9bに接続され、図示しない駆
動回路に導かれている。
固定接点台6の上方には、時針軸3にハカマ10aを介
して固着された時針10が配設されている。この時針10の
下面には、絶縁板11を介して1対の時針用リードフレー
ム12,13が固着されている。時針用リードフレーム12,13
は、時針10に設けられたエレクトロルミネセンス素子19
に電力を供給するもので、先端に接点を有するばね片12
a,13aをそれぞれ有している。一方のばね片12aの接点は
リング状固定導体8に対応する同心円状の移動軌跡を有
し、他方のばね片13aの接点はリング状固定導体7に対
応する同心円状の移動軌跡を有しており、これらの接点
がリング状固定導体7,8上をそれぞれ摺動するように形
成されている。
時針10の上面には、固定接点台6と同様な構成の接点
台16が固着してある。接点台16の上面には、突条16aの
外側と内側にリング状導体17,18が設けてある。接続片1
7a,18aは接点台16を貫通して時針10の下面に突出し、時
針用リードフレーム12,13にそれぞれはんだ14で固着さ
れ接続されている。
さらに時針10の上方には、分針軸4にハカマ20aを介
して固着された分針20が配設されている。この分針20の
下面には、時針用リードフレーム12,13と同一構成の1
対の分針用リードフレーム22,23が、絶縁板21を介して
固着してある。分針用リードフレーム22,23は、分針20
に設けられたエレクトロルミネセンス素子29に電力を供
給するもので、先端に接点を有するばね片22a,23aを有
しており、ばね片22aの接点はリング状導体18に対応す
る同心円状の移動軌跡を有し、ばね片23aの接点はリン
グ状導体17に対応する同心円状の移動軌跡を有してい
る。
分針20の上面には、磁性材により形成されている第2
のコイルボビン24が、分針20の回転中心と同心的に固着
されている。この第2のコイルボビン24に導線が巻回さ
れて、第2のコイル25が構成されている。第2のコイル
25は、分針用リードフレーム22,23に導通されている。
分針20の上方には、秒針軸5に固着された秒針30が配
設されている。秒針30の下面には、絶縁板31を介して秒
針用リードフレーム32,33が固着してあるとともに、磁
性材により形成されている第1のコイルボビン34が秒針
30の回転中心と同心的に固着され、第2のコイルボビン
24と近接対向している。この第1のコイルボビン34に導
線が巻回されて、第1のコイル35が構成されている。第
1のコイル35は、秒針用リードフレーム32,33を介し
て、秒針30に設けられた負荷である発光ダイオード39に
導通されている。
また、秒針30の下面には、円筒状のシールドリング26
が取り付けられている。第2,3図に示すように、このシ
ールドリング26は、アルミニウムなどの導電材からな
り、側面にスリット26aが設けられ、上端部内周に係止
突起26bが設けられている。係止突起26bがパイプ30aの
凹部30bに嵌合されることにより、シールドリング26が
秒針30に固定され第1のコイル35の外周を覆っている。
そして、この秒針30が分針20の上方に配設された状態に
おいて、シールドリング26は第2のコイル25の外周も覆
う。
時針10,分針20,秒針30は、それぞれハカマ10a,20a,パ
イプ30aを介して、時針軸3,分針軸4,秒針軸5に固着さ
れており、文字板受31に固定されている文字板32の上方
で回転自在である。
このような構成であるため、時計機械体1に駆動され
て時針10,分針20,秒針30が回転して時刻を表示するとと
もに、駆動回路(図示せず。)から電力が供給される
と、リード線9a,9bからリング状固定導体7,8へ、さらに
このリング状固定導体7,8上を摺動している接点を有す
るばね片12a,13aによって時針用リードフレーム12,13
へ、そして時針10の負荷であるエレクトロルミネセンス
素子19へ電力が供給される。
次に、同様にして、時針用リードフレーム12,13から
リング状導体17,18,ばね片22a,23a,分針用リードフレー
ム22,23を介して、分針20の負荷であるエレクトロルミ
ネセンス素子29に電力が供給される。
このとき分針用リードフレーム22,23から第2のコイ
ル25へ導通される。第2のコイル25に交流電流が流れる
と、その周囲に磁束が生じ、絶えず変化する。この磁束
の変化の影響を受けて、第2のコイル25と近接対向する
第1のコイル35に誘起電力が生じる。そして図示しない
接続手段によって、秒針用リードフレーム32,33に導通
され、さらに秒針30の負荷である発光ダイオード39へ電
力が供給される。第1のコイル25および第2のコイル35
により生じた電磁波ノイズは、シールドリング26に遮断
されて外部に漏れることはない。従って、外部のラジオ
などの作動の障害を起こすおそれがない。なお、シール
ドリング26が導電性を有しかつ高透磁率を有する材料
(パーマロイなど)で形成されている場合には、電磁波
の漏れがないと同時に、外部磁界の磁束により電磁誘導
作用に影響を及ぼすおそれもない。
[効果] 以上のように本考案によると、負荷付き秒針への電力
の供給が非接触の状態で行なえるため、秒針の回転トル
クに影響を及ぼすことがなく、低トルクで高速回転する
時計の秒針に対し、駆動に支障をきたすことなく電力を
供給できる。また、近接対向する1対のコイルにより電
磁誘導作用を生じさせるため、電送効率がよく導通の信
頼性が高い。そして電磁波ノイズが外部に漏れることが
ないため、外部のラジオなどの作動に影響を及ぼすおそ
れがない。
比較的回転トルクの大きい時分針に対しては摺動接点
方式で電力を供給するため、電力の損失は殆どない状態
で第2のコイルへ電力が供給できる。従って、秒針まで
極めて効率よく電力の供給ができる。さらに、リードフ
レームを用いることにより、各指針に対する加工や部品
の取り付けといった作業も簡単で、精密さを必要とせ
ず、組立が容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る負荷付き秒針の電力供給装置を備
えた時計の要部の断面図、第2図はシールドリングの平
面図、第3図は第2図A−A線断面図である。 6……固定接点台 7,8……リング状固定導体 10……時針 12,13……時針用リードフレーム 12a,13a……ばね片 16……接点台 17,18……リング状導体 20……分針 22,23……分針用リードフレーム 22a,23a……ばね片 25……第2のコイル 30……秒針 32……文字板 35……第1のコイル 39……負荷(発光ダイオード)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−111377(JP,A) 実開 昭61−6786(JP,U) 実開 昭56−97715(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】文字板の上方に配設されて同一の回転中心
    をもってそれぞれ回転可能な時針および分針および秒針
    と、 上記文字板の上方に設けてあり、上記回転中心と同心的
    に配置され外部から電力が供給される1対のリング状固
    定導体を上面に有する固定接点台と、 上記時針の下面に設けてある金属の薄板からなる1対の
    時針用リードフレームと、 上記時針の上面に設けてあり、上記回転中心と同心的に
    配置され上記1対の時針用リードフレームとそれぞれ導
    通されている1対のリング状導体を上面に有する接点台
    と、 上記分針の下面に設けてある金属の薄板からなる1対の
    分針用リードフレームと、 上記回転中心と同心的に上記秒針の下面に設けられてい
    る第1のコイルと、 上記第1のコイルと近接対向して上記分針の上面に上記
    回転中心と同心的に設けてあり、上記分針用リードフレ
    ームと導通されている第2のコイルと、 上記秒針に設けられており上記第1のコイルに導通され
    ている負荷と、 上記秒針の下面に設けられており、下端開口の円筒状の
    シールドリングとを含み、 上記時針用リードフレームは、先端に接点を有するばね
    片が一体的に形成され、一方の上記時針用リードフレー
    ムの上記ばね片の接点は一方の上記リング状固定導体に
    対応する円形の移動軌跡を有し、他方の上記時針用リー
    ドフレームの上記ばね片の接点は他方の上記リング状固
    定導体に対応する円形の移動軌跡を有し、 上記分針用リードフレームは、先端に接点を有するばね
    片が一体的に形成され、一方の上記分針用リードフレー
    ムの上記ばね片の接点は一方の上記リング状導体に対応
    する円形の移動軌跡を有し、他方の上記分針用リードフ
    レームの上記ばね片の接点は他方の上記リング状導体に
    対応する円形の移動軌跡を有し、 上記シールドリングは、上記第1のコイルおよび上記第
    2のコイルの外周部を覆うように設けられている ことを特徴とする負荷付き秒針の電力供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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