JP2501491Y2 - ユニットバス用の浴槽支持部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、メガネ枠部を有する浴
槽支持部材を用いて浴槽を設置するユニットバスに係
り、特に浴槽支持部材の立ち下がり壁部を改良したもの
に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３および図４に従来のユニットバスを
示している。図中、２は浴槽、４は浴槽支持部材、６は
エプロン、８は洗い場防水パンである。浴槽支持部材
４、エプロン６および洗い場防水パン８は、例えばＦＲ
Ｐなどからなる樹脂注入成形品である。

【０００３】浴槽支持部材４は、浴槽２がはめ込まれる
ロ字形状のメガネ枠部４Ａの一辺に垂直な立ち下がり壁
部４Ｂが一体に設けられており、立ち下がり壁部４Ｂの
下端が連結金具１０を介して洗い場防水パン８に連結さ
れるようになっている。なお、浴槽支持部材４と洗い場
防水パン８とを一体に成形したものもある。

【０００４】エプロン６は、横方向に長尺に形成された
平板の上下にほぼ直角方向に延びるフランジが一体に設
けられており、浴槽支持部材４の立ち下がり壁部４Ｂの
前方にそれを覆うように着脱自在に取り付けられる。な
お、エプロン６の装着は、エプロン６を斜め姿勢にし
て、その上側の水平フランジの長手方向複数箇所に取り
付けてある引っ掛け金具１２を、浴槽２の水平フランジ
の下向き片に内側から引っ掛けてから、浴槽支持部材４
の立ち下がり壁部４Ｂの下側前面の長手方向複数箇所に
取り付けてある受け金具１４に、エプロン６の下側の水
平フランジに取り付けてある止め金具１６を係合させる
ことにより、行うようになっている。

【０００５】ところで、浴槽支持部材４の立ち下がり壁
部４Ｂは、薄肉の単純な平板であるため、水平方向から
押されたときなど簡単に大きく撓みやすくなっており、
この撓みによって立ち下がり壁部４Ｂの受け金具１４と
エプロン６の止め金具１６との係合が外れやすくなる。
これを考慮して、立ち下がり壁部４Ｂの裏面にそれとは
別体の補強板１８を貼り付けることにより撓み剛性をア
ップして撓みにくくさせている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】上記の従来例では、浴
槽支持部材４の立ち下がり壁部４Ｂの撓み対策として補
強板１８を貼着しているが、この補強板１８の取り付け
のために浴槽支持部材４の製作工程が余分に増えること
になるため、コストが必要以上に嵩む結果となってい
る。

【０００７】本考案は、このような事情に鑑み、立ち下
がり壁部の撓み対策のために浴槽支持部材全体の製作工
程が増えるのを防ぎ、無駄なコストアップを回避するこ
とを課題としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案は、浴槽はめ込み
用のメガネ枠部の洗い場側に立ち下がり壁部が一体形成
され、かつ、立ち下がり壁部の前方にそれを覆うエプロ
ンが別途着脱自在に装着される浴槽支持部材において、
前記立ち下がり壁部の断面形状が凹凸とされている構成
である。

【０００９】

【作用】浴槽支持部材の立ち下がり壁部の断面形状が凹
凸であるので、撓み剛性がアップする。

【００１０】この凹凸は、浴槽支持部材を樹脂注入成形
で製作するときの成形金型から転写形成されるものであ
るから、従来の別部材を取り付ける撓み対策のような手
間が不要になる。

【００１１】

【実施例】図１および図２に本考案の一実施例を示して
いる。本実施例でのユニットバスの基本的な構成は従来
例で説明した図３および図４に示すタイプのユニットバ
スと同じであり、本実施例の図において従来例の図と同
一部品または同一部分に同じ符号を付してある。図中、
２は浴槽、４は浴槽支持部材、６はエプロン、８はカウ
ンタ、１０は連結金具、１２は引っ掛け金具、１４は受
け金具、１６は止め金具である。

【００１２】本実施例の特徴構成は、浴槽支持部材４の
立ち下がり壁部４Ｂの長手方向の数箇所（三箇所）に、
その裏面側へ凹む段差部４Ｃが形成されていることであ
る。

【００１３】具体的に、段差部４Ｃは、浴槽支持部材４
を樹脂注入成形で製作するときの成形金型から転写形成
されるものであって、段差部４Ｃの前面側は裏面側への
膨出分だけ逆に凹んでいる。そして、この段差部４Ｃ
は、正面から見て逆さ台形となるように形成されてい
る。つまり、段差部４Ｃの台形の底辺部分が立ち下がり
壁部４Ｂの上端側に、また、台形の短辺部分が立ち下が
り壁部４Ｂの下端側に、それぞれ位置されている。

【００１４】そして、段差部４Ｃが存在する部分で、各
段差部４Ｃの下端と立ち下がり壁部４Ｂの下端との間の
平坦部分に、それぞれ受け金具１４が取り付けられてい
る。そして、この受け金具１４の取り付け位置に対応し
てエプロン６の下側の水平フランジに止め金具１６が取
り付けられている。

【００１５】このように、立ち下がり壁部４Ｂの長手方
向数箇所に段差部４Ｃを設けることにより、立ち下がり
壁部４Ｂの水平方向および垂直方向での断面形状を単純
に真っすぐな形ではなく、波打つような凹凸形状にして
いれば、立ち下がり壁部４Ｂの撓み剛性がアップするこ
とになる。したがって、ユニットバスを設置した状況に
おいて、浴槽支持部材４の立ち下がり壁部４Ｂを例えば
水平方向から押すなどしたときに、この立ち下がり壁部
４Ｂが撓みにくくなって、その撓み量が従来に比べて大
幅に小さくなるので、立ち下がり壁部４Ｂに取り付けら
れる受け金具１４と、エプロン６の下側の水平フランジ
に取り付けられる止め金具１６との係合状態が外れにく
くなる。

【００１６】しかも、前述したように、立ち下がり壁部
４Ｂの段差部４Ｃは、浴槽支持部材４を樹脂注入成形で
製作するときに成形金型から転写されて形成されるもの
であるから、浴槽支持部材４の製作工程を余分に増やす
必要がない。

【００１７】なお、本考案は上記実施例のみに限定され
ない。例えば、立ち下がり壁部４Ｂに形成する段差部４
Ｃの形状および個数は、立ち下がり壁部４Ｂの外形寸法
に応じて任意に変更できることは言うまでもない。

【００１８】

【考案の効果】以上説明したように、本考案では、浴槽
支持部材の立ち下がり壁部の撓み対策を施すにあたっ
て、従来のように別体の補強板を貼着するといった手間
のかかることをせずに、立ち下がり壁部そのものの断面
形状を工夫するだけで済ませているから、浴槽支持部材
の製作工程を従来よりも削減できるようになって、コス
ト低減を達成できるようになる。

【００１９】このように、本考案によれば、撓みなどの
ない低廉な浴槽支持部材を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のユニットバスの分解斜視
図。

【図２】図１のユニットバスの組立状態での浴槽支持部
材周辺の縦断面図。

【図３】従来のユニットバスの分解斜視図。

【図４】図３のユニットバスの組立状態での浴槽支持部
材周辺の縦断面図。

【符号の説明】

２ 浴槽 ４ 浴槽支持部材 ４Ａ 浴槽支持部材のメガネ枠部 ４Ｂ 浴槽支持部材の立ち下がり壁部 ４Ｃ 立ち下がり壁部の段差部 ６ エプロン

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽はめ込み用のメガネ枠部の洗い場側
   に立ち下がり壁部が一体形成され、かつ、立ち下がり壁
   部の前方にそれを覆うエプロンが別途着脱自在に装着さ
   れる浴槽支持部材であって、 前記立ち下がり壁部の断面形状が凹凸とされている、こ
   とを特徴とするユニットバス用の浴槽支持部材。