JP2501407Y2 - デイ−ゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

デイ−ゼルエンジンの燃料噴射制御装置

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JP2501407Y2
JP2501407Y2 JP1987060461U JP6046187U JP2501407Y2 JP 2501407 Y2 JP2501407 Y2 JP 2501407Y2 JP 1987060461 U JP1987060461 U JP 1987060461U JP 6046187 U JP6046187 U JP 6046187U JP 2501407 Y2 JP2501407 Y2 JP 2501407Y2
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engine
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案はディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置に関
するものである。
(従来技術) 一般にディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置におい
ては、エンジン回転速度の増加に応じて基本燃料噴射時
期を進角させる進角手段と、エンジン負荷が低い時には
上記進角手段により設定される基本燃料噴射時期を遅角
方向に補正する負荷対応進角補正手段とを設けている。
そして、エンジンの高負荷域においては、第3図におい
て実曲線l1(点a−点b−点c)で示す進角特性に沿い
エンジン回転速度の増加に応じて進角量を最大進角量λ
maxまでリニアに変化させるが、エンジンの低負荷時に
は負荷補正手段が作用し、第3図において破曲線l2(点
d−点e−点c)で示すように各エンジン回転速度にお
ける進角量が高負荷時よりもΔλだけ遅角方向に補正さ
れる。
このように低負荷時に進角量を遅角側に補正するの
は、エンジン一般についても言えることであるが低負荷
時に進角量が過多となるとエミッション特性が悪化しま
た燃焼騒音が増大するという問題が現出することになる
ためこれを防止するという理由によるものであるが、そ
の他に特に圧力波過給機を備えたディーゼルエンジンに
あっては第3図に示す如くエンジンの低負荷時において
は異常燃焼ゾーンが低進角量側のしかも比較的高速域ま
で張り出してくるためこの異常燃焼ゾーンを回避すると
いう意味から低負荷時には積極的に進角量を遅角側に補
正する必要が生じるものである。尚、このような圧力波
過給機を備えたディーゼルエンジンにおける特有の現象
については後に詳述する。
ところが、上記の如き要請から単に低負荷時に進角量
を一律に遅角側に補正した場合には、第3図に示すよう
に、圧力波過給機を備えたディーゼルエンジンにおいて
はその低負荷時には低進角位置において半失火ゾーンが
生じ、しかもそのピークはエンジンの比較的低速側にお
いて表われることから、その進角特性(破曲線l2)が半
失火ゾーンを通過することとなり、半失火が発生し易く
なるという問題もある。尚、このような圧力波過給機を
備えたディーゼルエンジンにおける低負荷・高速域での
特有の現象についても後に詳述する。
ここで、圧力波過給機の基本的構造及びその作用等に
ついては公知であるが、上述の如き圧力波過給機を備え
たディーゼルエンジンに特有の低負荷・高速域及び低負
荷・低速域における現象を説明する必要上、これを概説
することとする。
先ず、圧力波過給機の構造とその作用については、例
えば実開昭60-124534号公報(以下、第1公知文献とい
う)、特開昭62-55419号公報(以下、第2公知文献とい
う)、特開昭62-60929号公報(以下、第3公知文献とい
う)及び実開昭61-27926号公報(以下、第4公知文献と
いう)等において詳細に説明されているところである。
上記第1公知文献には、圧力波過給機の基本的構造と
その作用が詳細に記載されている。即ち、圧力波過給機
の構造は、当該文献の第3頁左欄第8行〜同頁22行及び
添付図面の第1図及び第2図a、第2図bにそれぞれ示
されるように、ケース14と該ケース14内に回転可能に嵌
装配置されたロータ15からなり、該ロータ15は軸方向に
貫通する互いに分離された多数の気体通路16を有してい
る。また、ロータ15の両端の隔壁14a,14bのうち、一方
の隔壁14aには排気導入口17と排気吐出口18とが、方の
隔壁14bには吸気導入口19と吸気吐出口20とが、それぞ
れ形成されている。さらに、上記排気導入口17には排気
通路10が、吸気吐出口20には過給通路9が、排気吐出口
18には排出通路21が、吸気導入口19には吸気通路22が、
それぞれ接続されている。
かかる構造をもつ圧力波過給機の作動は、当該文献の
第3頁右欄第21行〜第4頁右欄第17行、及び添付図面の
第3図、第4図にそれぞれ示されている。即ち、エンジ
ンが始動されロータ15が回転せしめられると、吸気は吸
気通路22から吸気導入口22を経てロータ15の気体通路16
に入り、該気体通路16が吸気吐出口20に開口した時に過
給通路9に吐出されて吸気口5から燃焼室12に導入され
る。一方、排気口6から排出される排気は、排気通路10
を通って排気導入口17からロータ15内の気体通路16に入
り、該気体通路16が排気吐出口18に開口したとき排出通
路21に吐出される。この場合、ケース14では排気導入口
17と吸気吐出口20が軸方向に相対向する位置に配置され
ているので、気体通路16の一端が排気導入口17に開口し
たとき、該気体通路16内に発生する圧力波は気体通路16
内を伝播し、該気体通路16内の吸気を圧縮しながら吸気
吐出口20に達し、過給状態で吸気を過給通路9に吐出す
る。
かかる作動がロータ15の回転に伴って連続的に行われ
ることで吸気の過給作用が達成されるものであり、この
連続的な過給作用を模式的に表したのが、第3図及び第
4図である。この第3図及び第4図によれば、排気によ
り発生した圧力波によって吸気が圧縮される状態が良く
分かるが、この各図のうち、第3図は最高圧力が要求さ
れるエンジンの中速域での作動状態であり、第4図は低
速域での作動状態を表している。
ここで、圧力波過給機は、上述のように、排気導入口
17と排気通路10、吸気吐出口20と過給通路9、排気吐出
口18と排出通路21、吸気導入口19と吸気通路22、の連通
・遮断により過給が行われるものであるが、上記ロータ
15はエンジンにより直接回転駆動されるものであること
から、上記各通路の連通・遮断はエンジンの回転速度に
対応し、エンジン回転速度の変化により上記各通路の連
通・遮断状態も変化することになる。そして、第3図に
示す回転状態では上記各通路の連通・遮断状態が最も適
切であって排気は過給通路9側には流れ込まない状態
(即ち、内部EGRが生じない状態)となっており、最高
出力が得られる。これに対して、第3図の場合よりも低
速の第4図に示す場合においては、ロータ15の回転速度
が低いことから、上記各通路の連通・遮断タイミングが
遅れ、排気の一部が過給通路9側には流れ込み、内部EG
Rガスが生じている。従って、エンジン出力は第3図の
場合よりも低下することなる。さらに、この文献には直
接開示されていないが、第3図の場合よりも高速側にお
いては、上記各通路の連通・遮断タイミングが第3図の
場合よりも早まることから、過給作用を行った後の排気
がその全量が排出通路21側に排出されずにその一部が気
体通路16内に残留することになる。この結果、次回の回
転においてはこの残留排気に加えて新たな排気が気体通
路16に導入されることから、該気体通路16内の吸気の量
が相対的に減少し、排気の一部が過給通路9側に流れ込
んで内部EGRガスが生じ、エンジン出力が低下すること
になる。このようなエンジンの低速域と高速域とにおけ
る内部EGRガスの増加現象については、上記第2公知文
献及び第4公知文献に開示されているところである(例
えば、第2公知文献の第4図、第3公知文献の第8図参
照) このようにエンジンの回転速度に応じて内部EGRガス
が変化しこれに伴ってエンジン出力も変化することか
ら、圧力波過給機を備えたディーゼルエンジンにおいて
は、高出力が要求される中速域において内部EGRガスが
最も少なくなるように圧力波過給機のセッティングを行
うのが通例であり、従って低速域と高速域においては内
部EGRガスが多くなる。
尚、上述の如く内部EGRガスはエンジン回転速度に応
じて変化するものであることから、回転領域が広くなれ
ばなるほど不利であり、従って比較的回転領域の狭いデ
ィーゼルエンジンには圧力波過給機が備えられるが、回
転領域の広いガソリンエンジンには圧力波過給機は適用
しにくい。
ところで、このように圧力波過給機を備えたディーゼ
ルエンジンにおいては、上述の如く低速域と高速域にお
いては中速域に比して内部EGRガスが増加するわけであ
るが、このような低速域と高速域とにおいて内部EGRガ
スが増加するという圧力波過給機を備えたディーゼルエ
ンジンの特有の現象から、上述の如き低負荷・低速域に
おける半失火、低負荷・高速域における異常燃焼という
問題が生じるものである。
即ち、低負荷・低速域では、上述のように不活性ガス
としての内部EGRガスが多いことに加えて燃料噴射量そ
のものも少ないことからエンジンの燃焼性が悪く、この
ため本願第3図に図示するように、低負荷時における遅
角量を従来のように一律に大きくとると、低速域におい
ては破曲線l2で示すように進角特性が半失火ゾーンを横
切ることとなり、半失火が生じ易くなるものである。
一方、低負荷・高速域においては、エンジン回転数が
高いことから噴射された燃料が自己着火する上死点付近
のクランク角位置に達するまでの時間が低速域に比べて
短いので低速域に比して噴射タイミングを早めている
(即ち、進角している)が、元々低負荷であるがために
燃料噴射量は少ない。このため、低負荷・高速域におい
ては、噴射された燃料と空気の混合期間が高負荷・高速
域に比して長く、着火し易い状態となっているが、この
状態のところへ多量の内部EGRガスが導入されるとこの
内部EGRガスの熱によって燃料の気化・霧化がさらに促
進され、燃料が一気に着火する異常燃焼状態が発生する
ことになる。そして、その異常燃焼ゾーンは、内部EGR
ガスが最も増加する高速側において低進角量側へ大きく
張り出すことになるものである。
(考案の目的) 本考案は上記従来技術の項で指摘した問題点を解決し
ようとするもので、圧力波過給機を備えたディーゼルエ
ンジンにおいて、高負荷域における出力性能を維持しつ
つ低負荷時の低速域における半失火と高速域における異
常燃焼とをともに回避可能とした燃料噴射制御装置を提
供することを目的としてなされたものである。
(目的を達成するための手段) 本考案は上記の目的を達成するための手段として、ケ
ース内に回転可能に支持され多数のセルを形成する多数
の隔壁が形成されたロータを有し、該ロータのセルを介
してエンジンの排気通路と吸気通路とを接続して排気通
路内の圧力を吸気に与えることによって過給を行う圧力
波過給機を備えたディーゼルエンジンに付設される燃料
噴射制御装置において、エンジン回転速度の増加に応じ
て基本燃料噴射時期を進角させる基本進角手段と、エン
ジン負荷が低い時に燃料噴射時期を上記基本燃料噴射時
期より遅角させるとともにその遅角量をエンジンの低速
時には高速時よりも少なくする負荷対応進角補正手段を
備えたものである。
(作用) 本考案では上記の手段により、低負荷・低速域におい
ては負荷対応進角補正手段による燃料噴射時期の遅角補
正量が少なく設定され可及的に基本進角手段による基本
燃料噴射時期に近づけられるため進角特性が半失火ゾー
ンを通過するのが回避され、また低負荷・高速域におい
ては負荷対応進角補正手段による燃料噴射時期の遅角補
正量が大きくなり進角特性が異常燃焼ゾーンを通過する
のが回避されることになる。
(実施例) 以下、第1図ないし第3図を参照して本考案の好適な
実施例を説明する。
本考案の実施例に係る燃料噴射制御装置の説明に先立
って、この燃料噴射制御装置を備えたディーゼルエンジ
ン装置の全体的なシステムを第1図を参照して略述す
る。
第1図において符号70はディーゼルエンジン71の吸気
通路72と排気通路73の間に跨って配設された圧力波過給
機である。この圧力波過給機70は、従来公知の構造をも
つものであって、吸気通路72側に接続されるエアケーシ
ング74と、排気通路73側に接続されるガスケーシング75
と、該ガスケーシング75とエアケーシング74の間に配置
されたロータケーシング76とを有している。このロータ
ケーシング76内には、その内部を隔壁77,77・・により
区画して多数のセル78,78・・としたロータ79が嵌装さ
れている。この圧力波過給機70は、ロータ79を回転させ
てその各セル78,78・・内でガスケーシング73側の排気
とエアケーシング74側の吸気とを相互に接触して排気の
もつ圧力波を吸気に伝達することにより該吸気を加圧す
るようになっている。
又、エンジン71の吸気マニホールド80には、各気筒毎
にそれぞれ燃料噴射弁81,81・・が取付けられている。
この各燃料噴射弁81,81・・には、燃料噴射ポンプZ
(後に詳述する)から加圧燃料が供給される。この燃料
噴射ポンプZの噴射量は、エンジン負荷とエンジン回転
速度とに基いて噴射量設定装置82により設定される。
これに対して、燃料の噴射時期の制御は、本発明の要
旨とするところであって、基本進角手段91と負荷対応進
角補正手段92とを備えた燃料噴射制御装置90の該各手段
91,92から出力される信号に基いて作動するタイマー装
置83によって行なわれる。具体的には、基本進角手段91
は、エンジン回転速度の増加に応じて基本燃料噴射時期
を進角させる如く作用し、また負荷対応進角補正手段92
は、エンジン負荷が低い時に燃料噴射時期を上記基本燃
料噴射時期よりも遅角させるとともにその遅角量をエン
ジンの低速時には高速時よりも小さくする如く作用する
ように構成される。
以下、上記燃料噴射ポンプとこれに付設される燃料噴
射制御装置の構成並びにその作用を第2図及び第3図に
基いて詳述する。
第2図には本考案の実施例に係る燃料噴射制御装置を
備えた分配型燃料噴射ポンプZが示されており、同図に
おいて符号1はポンプケーシングである。このポンプケ
ーシング1内には、エンジンにより駆動されるポンプ軸
3上に取付けられたフィードポンプ2(この第2図にお
いてはその正規の装着状態における縦断面図とこれを90
°展開させた状態における縦断面図とを重複して図示し
ている)が嵌装されている。このフィードポンプ2は、
複数のベーンを備えたベーンポンプで構成されており、
燃料入口22から燃料供給通路23を通って吸入ポート20側
に供給された燃料Fを加圧し、これをその吐出ポート21
から燃料吐出通路24を介してポンプケーシング1の内部
に形成される油室4内に吐出するようになっている。こ
のフィードポンプ2から吐出される燃料の圧力は燃料吐
出通路24に付設したレギュレータバルブ25により常時所
定圧以下に制限保持される。
また、第2図において符号5は、燃料加圧及び分配圧
送用のプランジャであって、該プランジャ5はバレル6
内に摺動且つ相対回動自在に嵌挿されている。このプラ
ンジャ5の一端5a側にはカムディスク7が取付けられ、
さらにこのカムディスク7はカップリング8を介して上
記ポンプ軸3に連結されている。従って、プランジャ5
は、ポンプ軸3の回転に伴ってバレル6内でその軸方向
に往復動し且つ相対回動する。このフィードポンプ2の
往復動によって油室4内の燃料Fが燃料導入通路26から
バレル6の加圧室27内に吸入され且つ加圧される。この
加圧室27内において加圧された燃料Fは、フィードポン
プ2の回転動によりバレル6の周壁に放射状に設けた各
分配孔28,28・・からデリベリバルブ9,9・・を介してエ
ンジンの各気筒へ分配圧送される。
このプランジャ5による燃料圧送量、即ち、燃料噴射
量は、該プランジャ5に形成した逃油孔29を開閉し得る
ようにその外側に嵌挿された調量スリーブ10を後述する
ガバナ装置11によりエンジン負荷に対応して適宜に摺動
変位させることにより行なわれ、また燃料噴射時は後述
するようにタイマー装置12により上記ポンプ軸3とカム
ディスク7(即ち、プランジャ5)との回転方向におけ
る位相を変化させることにより行なわれる。
ガバナ装置11は、ガバナウエイト機構41とガバナレバ
ーアセンブリ42とコントロールレバーシャフトアセンブ
リ43とを有している。
ガバナウエイト機構41は、ポンプケーシング1にしか
も油室4内に突出状態で取付けた支軸63と、該支軸63上
に回転自在に支持され且つ上記ポンプ軸3に固定した第
1のギヤ61と噛合する第2のギヤ62と、該第2のギヤ62
の側面に固定されるとともに複数のフライウェイト65を
揺傾動自在に取付けたウエイトホルダー64と、上記支軸
63上にその軸方向に摺動自在に嵌合され且つその基端部
66aが上記フライウェイト65に係合可能とされたスライ
ダー66とを有している。このガバナウエイト機構41は、
エンジン回転速度、即ち第2のギヤ62の回転速度に対応
してフライウェイト65に作用する遠心力と後述するガバ
ナレバーアセンブリ42及びコントロールレバーシャフト
アセンブリ43を介して負荷されるエンジン負荷に対応し
た規制力との釣合い状態に応じてそのスライダー66が矢
印A−B方向に摺動変位するようになっている。
ガバナレバーアセンブリ42は、支点M1に枢支され且つ
その一端がフルロードアジャスタスクリュー46に押圧さ
れたコレクタレバー45と、該コレクタレバー45上に設け
た支点M2にその基端部がそれぞれ枢支されたテンション
レバー47とスタートレバー48とを有している。このスタ
ートレバー48の基端部には上記調量スリーブ10に係合す
るボールヘッドピン49が取付けられている。さらに、テ
ンションレバー47とスタートレバー48の間には板バネで
構成されるスタートスプリング50が設けられている。ま
たスタートレバー48の先端部にはスタートアイドルスプ
リング51が設けられている。
コントロールレバーシャフトアセンブリ43は、アクセ
ルレバー(図示省略)に連動するコントロールレバー14
の回転軸52にヨーク53を取付けるとともに、このヨーク
53の内部にガバナスプリング54とパーシャルロードスプ
リング55とを組み込み、さらにこのガバナスプリング54
及びパーシャルロードスプリング55に組付けられたロッ
ド56をダンパースプリング57を介して上記テンションレ
バー47の先端に連結して構成されている。
このように構成されたガバナ装置11によれば、コント
ロールレバーシャフトアセンブリ43側から与えられる回
動付勢力と上記ガバナウエイト機構41のスライダー66に
よって与えられる回動付勢力との釣り合状態に応じてス
タートレバー48が支点M2を中心として傾動変位する時、
上記ボールヘッドピン49を介して調量スリーブ10がプラ
ンジャ5の軸方向に摺動変位し、プランジャ5の有効ス
トローク(即ち、燃料噴射量)が増減調整される。即
ち、この実施例ではガバナ装置11により第1図記載の噴
射量設定装置82が構成されている。
タイマー装置12(第1図のタイマー装置83に該当す
る)は、シリンダ13内に摺動自在に嵌装されたタイマー
ピストン15を有している。このタイマーピストン15は、
摺動可能なレバー17(尚、この第2図においてはこのレ
バー17及びタイマーピストン15は実際の位置から90°展
開した状態が示されている)を介してロールホルダー16
に連結されている。
このタイマーピストン15の一端15a側には、上記ポン
プケーシング1の油室4に連通する第1油室31が形成さ
れている。また、このタイマーピストン15の他端15b側
には、低圧油路33を介して上記フィードポンプ2の吸入
ポート20に連通する第2油室32が形成されている。この
第2油室32内にはスプリング18が縮装されており、タイ
マーピストン15はこのスプリング18のバネ力により常時
第1油室31側(矢印D方向)押圧付勢されている。この
タイマーピストン15は、第1油室31内に導入される燃料
圧と、第2油室32内に導入される燃料圧と上記スプリン
グ18のバネ力との合力とを受け、その釣り合い状態に応
じて矢印C−D方向に移動せしめられる。具体的には、
第1油室31内には油室4内の高圧燃料が、第2油室32内
にはフィードポンプ2の吸入ポート20側の低圧燃料が導
入されるため、タイマーピストン15はエンジン回転速度
の増大(なわち、油室4内の燃料圧の上昇)に伴って次
第に矢印C方向に移動し、レバー17をしてロールホルダ
ー16を進角方向へ回転させる如く作用する(進角作
用)。
さらにこのタイマーピストン15の他端15b側の周壁の
中段部には、該タイマーピストン15の軸方向に延びしか
も上記第2油室32に連通する溝34が形成されている。さ
らに、シリンダ13の内周面のしかもこのタイマーピスト
ン15の溝34に対向する位置には、高圧油路35の一端35a
が開口されている。尚、この高圧油路35の一端35aの開
口位置は、第2図に示す如くタイマーピストン15がスプ
リング18によって矢印D側に一杯に押圧された状態にお
いては該タイマーピストン15の周壁によって閉塞される
が、該タイマーピストン15が矢印C方向に所定量以上移
動した状態、即ちエンジンの高速域においては上記溝34
と重合連通するような位置に設定されている。
一方、この高圧油路35の他端35bは、上記ガバナウエ
イト機構41の支軸63の軸心部に貫設した導出油路36に接
続されている。また、この導出油路36の一端は支軸63の
先端部においてその外周面上に開口されている。さらに
この導出油路36の開口端は、スライダー66の周壁に貫設
した貫通孔37と重合連通可能とされている。そして、こ
の貫通孔37の形成位置は、スライダー66が矢印B方向に
所定量以上変位した状態、換言すれば、コントロールレ
バーシャフトアセンブリ43による付勢力が少ないエンジ
ンの低負荷域において該貫通孔37が導出油路36と連通す
るように設定されている。即ち、エンジンの高負荷域に
おいては貫通孔37は支軸63の外周面により閉塞状態に保
持される。
このように構成されたタイマー装置12によれば下記す
るように、エンジンの低負荷時には第3図において鎖線
曲線l3(点a→f→g→e→c)で示す如き進角特性が
得られ、これによりエンジンの高負荷域での出力特性を
維持したまま低負荷時での異常燃焼の発生及び半失火の
発生を確実に防止することが可能となる。
高負荷域 エンジンの高負荷域においては、コントロールレバー
シャフトアセンブリ43の付勢力が大きいためガバナウエ
イト機構41のスライダー66は矢印A側に押し込められて
おり、該スライダー66に形成した貫通孔37は閉塞状態に
ある。従って、タイマー装置12の第2油室32内には低圧
油のみが導入されており、タイマーピストン15はエンジ
ン回転速度の上昇、即ち油室4内の燃料圧の上昇に追従
して矢印C方向にリニアに移動する。このため、第3図
において実曲線l1で示す如き進角特性、即ち、基本燃料
噴射時期が得られる。尚、この運転状態においては、異
常燃焼ゾーンは第3図に示した領域よりもより高進角側
にあるため何ら影響はない。
低負荷域 低負荷域においてはガバナウエイト機構41のスライダ
ー66が矢印B方向に移動し、該スライダー66に形成した
貫通孔37が支軸63の導出油路36と重合連通する。従っ
て、油室4内の高圧油の一部は、この貫通孔37及び導出
油路36から高圧油路35内に導入される。
ところが、低負荷域でも低速時にはタイマーピストン
15が矢印C方向にあまり移動しないため、上記高圧油路
35はタイマーピストン15の周壁によって閉塞されてい
る。従って、タイマー装置12の第2油室32内には高圧油
は導入されずフィードポンプ2の吸入ポート20側の低圧
油のみが導入される。このため、この低速域においては
上記高負荷域と同様の進角特性(基本燃料噴射時期)が
得られる(点a→f)。
エンジン回転速度が所定速度(点fに対応する回転速
度N1)まで達すると、タイマーピストン15の矢印C方向
への移動に伴ってその溝34が高圧油路35と重合を開始
し、高圧油路35から高圧油の一部がタイマー装置12の第
2油室32内に導入される。従って、第2油室32側へ流出
する分だけ油室4内の燃料圧、即ち、タイマー装置12の
第1油室31内の燃料圧が次第に低下し、エンジン回転速
度の上昇にかかわらずタイマーピストン15がほぼ停止
し、進角量が一定に支持される。この状態は、タイマー
装置12の第2油室32側への燃料流出による油室4内の燃
料圧の低下分とエンジン回転速度の上昇によるフィード
ポンプ2の吐出圧の上昇分とが平衡するエンジン回転速
度(点gに対応するエンジン回転速度N2)まで維持され
る(点f→g)。
さらにこのエンジン回転速度N2を越えてエンジン回転
速度が上昇すると、再びタイマーピストン15はエンジン
回転速度の上昇につれて矢印C方向にリニアに移動し、
第3図において点g→eで示す進角特性が得られる。即
ち、この低負荷・高速域においては高負荷時よりもΔλ
だけ進角方向に補正された進角特性、即ち、基本燃料噴
射時期よりもΔλだけ遅角された燃料噴射時期が得られ
る。
このように、この実施例のものにおいては、エンジン
の低負荷・低速域では燃料噴射時期を基本燃料噴射時期
に維持し、低負荷・高速域では燃料噴射時期を上記基本
燃料噴射時期よりもΔλだけ遅角方向に補正するように
しているため、低負荷・低速域に発生ピークをもつ半失
火ゾーンと低負荷・高速域に発生ピークをもつ異常燃焼
ゾーンをともに回避することができることになる。
尚、この実施例においては、低負荷・低速域では基本
燃料噴射時期からの遅角量を零に設定しているが、本考
案はこれに限定されるものではなく、低速域における遅
角量は少なくとも高速域における遅角量よりも小さく設
定されていればよい。
また、この実施例においては、タイマー装置12そのも
ので実用新案登録請求の範囲中の基本進角手段が構成さ
れ、またタイマーピストン15に設けた溝34とガバナウエ
イト機構41のスライダー66に設けた貫通孔37で実用新案
登録請求の範囲中の負荷対応進角補正手段が構成されて
いる。
(考案の効果) 本考案は、ケース内に回転可能に支持され多数のセル
を形成する多数の隔壁が形成されたロータを有し、該ロ
ータのセルを介してエンジンの排気通路と吸気通路とを
接続して排気通路内の圧力を吸気に与えることによって
過給を行う圧力波過給機を備えたディーゼルエンジンに
付設される燃料噴射制御装置において、エンジン回転速
度の増加に応じて基本燃料噴射時期を進角させる基本進
角手段と、エンジン負荷が低い時に燃料噴射時期を上記
基本燃料噴射時期より遅角させるとともにその遅角量を
エンジンの低速時には高速時よりも少なくする負荷対応
進角補正手段とを備えたことを特徴とするものである。
従って、本考案のディーゼルエンジンの燃料噴射制御
装置によれば、低負荷・低速域においては負荷対応進角
補正手段による燃料噴射時期の遅角補正量が少なく設定
され可及的に基本進角手段による基本燃料噴射時期に近
づけられるため進角特性が半失火ゾーンを通過するのが
回避され、また低負荷・高速域においては負荷対応進角
補正手段による燃料噴射時期の遅角補正量が大きくなり
進角特性が異常燃焼ゾーンを通過するのが回避される
等、エンジンの低負荷・高速域における異常燃焼の発生
と低負荷・低速域における半失火の発生とが防止され、
より良好な運転特性が得られるという実用的効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の燃料噴射制御装置を備えたエンジンの
全体システム図、第2図は本考案の実施例に係る燃料噴
射制御装置を備えた燃料噴射ポンプの要部縦断面図、第
3図は燃料噴射制御装置の進角特性図である。 2……フィードポンプ 3……ポンプ軸 4……油室 5……プランジャ 7……カムディスク 8……カップリング 11……ガバナ装置 12……タイマー装置 13……シリンダ 15……タイマーピストン 16……ロールホルダー 17……レバー 18……スプリング 20……吸入ポート 21……吐出ポート 23……燃料供給通路 24……燃料吐出通路 25……レギュレータバルブ 26……燃料導入通路 31……第1油室 32……第2油室 33……低圧油路 34……溝 35……高圧油路 36……導出油路 37……貫通孔 41……ガバナウエイト機構 42……ガバナレバーアセンブリ 43……コントロールレバーシャフトアセンブリ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケース内に回転可能に支持され多数のセル
    を形成する多数の隔壁が形成されたロータを有し、該ロ
    ータのセルを介してエンジンの排気通路と吸気通路とを
    接続して排気通路内の圧力を吸気に与えることによって
    過給を行う圧力波過給機を備えたディーゼルエンジンに
    付設される燃料噴射制御装置であって、 エンジン回転速度の増加に応じて基本燃料噴射時期を進
    角させる基本進角手段と、エンジン負荷が低い時に燃料
    噴射時期を上記基本燃料噴射時期より遅角させるととも
    にその遅角量をエンジンの低速時には高速時よりも少な
    くする負荷対応進角補正手段とを備えたことを特徴とす
    るディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
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JPS61101630A (ja) * 1984-10-23 1986-05-20 Isuzu Motors Ltd 過給機付内燃機関の燃料噴射時期制御装置
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