JP2501143Y2 - 方形屋根の隅木受け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は木造建築物の方形屋根の隅木受け構造に関す
る。

〈従来の技術〉 木造建築物の方形屋根の隅木の結合は真づかに対して
特殊な形態のほぞを形成して短冊金物等を併用して行っ
ている。

〈考案が解決しようとする課題〉 方形屋根が用いられる事はそれほどに多くはないが、
それだけに熟練した技能者が少なく前記ほぞの形成、組
立に時間がかかる難点をもつ。これを金具で行うにも、
従来適切な構造の物が無かった。

本考案は簡単な構成で確実容易に方形屋根の隅木と真
づかとの結合ができる方形屋根の隅木受け構造を提供す
ることを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 本考案に係る方形屋根の隅木受け構造は、方形屋根を
形成するためにその方形屋根の頂部から所定の屋根勾配
で互いに直交するように四方に配設された４本の隅木
と、前記隅木の上面に載る固定片を有し、前記４本の隅
木の上面を連結する裁頭角錐状のキャップ部材と、前記
キャップ部材の固定片に対応して前記隅木の下面を載せ
る固定片を有し、前記４本の隅木の下面を連結する裁頭
角錐状の受け部材と、前記キャップ部材の固定片と前記
受け部材の固定片とが前記隅木を挟持するように前記キ
ャップ部材と前記受け部材の各中心部を連結する貫通ボ
ルトと、前記受け部材の下方に固着された角柱状の角筒
部材と、前記４本の隅木を下方から支持するために前記
角筒部材に頂部を挿入して固定する真づかとで構成す
る。

〈作用〉 方形屋根の４本の隅木の真づか上部に集中する個所の
上面に裁頭角錐状のキャップ部材の固定片が載り、４本
の隅木の上面が連結される。又、これら隅木の前記箇所
の下面が裁頭角錐状の受け部材の固定片に載って、４本
の隅木の下面が連結される。この受け部材の下方には、
真づかの頂部周辺を包囲して固定する角筒部材が一体的
に連結している。そし前記キャップ部材と受け部材とは
貫通ボルトで連結していて、これらの３部材は隅木と真
づかに固定されると同時に相互に結合している。従って
４方向から集まる４本の隅木は、それぞれキャップ部材
の固定片と受け部材の固定片とに挟持された状態で真づ
かに対して連結される。

〈実施例〉 図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図及び第２図に示すように、本実施例の方形屋根
の隅木受け構造は、隅木受け金具１と、４本の隅木７
と、真づか12とからなる。

隅木７は、方形屋根６を形成するためにその方形屋根
６の頂部から所定の屋根勾配で互いに直交するように四
方に配設されたものである。真づか12は、４本の隅木７
を下方から支持するために、方形屋根６の頂部、すなわ
ちこれら４本の隅木７が集中する箇所の下方に設けられ
たものである。

隅木受け金具１は、上部のキャップ部材２、中間部の
受け部材３、下部の角筒部材４、及び貫通ボルト５から
なる。キャップ部材２は方形屋根６の４本の隅木７の上
面８に載って、これらの隅木７を釘打ち固定する釘穴９
を持った固定片2aを有し、浅い角度の裁頭角錐状に形成
されている。受け部材３は前記４本の隅木７の下面10に
載せて、これらの隅木７を釘打ち固定する釘穴11を持っ
た固定片3aを有するもので、前記キャップ部材２と同角
度の裁頭角錐状の部材である。

角筒部材４はこの方形屋根６の中心の真づか12の頂部
13周辺を鉢巻き状に包囲してこれを釘打ち固定する釘穴
14を持った角柱状の部材であり、前記受け部材３の下面
に対して溶接により連結一体化している。これらの各部
材はいずれも薄鋼板で製作した。そしてキャップ部材２
と受け部材３とは各中心部に穴15a,15bを明け、前記貫
通ボルト５で連結する。

本実施例の方形屋根の隅木受け構造は以上のように構
成していて、真づか12に対する隅木７の結合がきわめて
容易、確実に実施できる。すなわちこれらの間に前記従
来のような複雑なほぞ加工は全く必要としない。具体的
には真づか12に対して角筒部材４を挿入して釘止めし、
角筒部材４の上の受け部材３の固定片3aに隅木７を載
せ、更にキャップ部材２の固定片2aを隅木７の上に載せ
る。次いで貫通ボルト５でキャップ部材２と受け部材３
とを連結し、締め付け、これら各部材2,3の釘穴9,11に
対して釘打ちを行う。これで真づか12と隅木７との結合
は完了する。

本考案に係る方形屋根の隅木受け構造は前記実施例の
他種々の変形が可能である。例えばキャップ部材と受け
部材とにギャングネイルを形成しておいてこれらを隅木
に打ち込んで固定して結合すると釘止め強度が安定して
好ましい場合もある。あるいは又、受け部材の隅木への
接触面を平面とせず、両側縁に立ち上がり面を設けて溝
状に形成し、隅木を安定して載せることができる。

〈考案の効果〉 本考案の方形屋根の隅木受け構造によれば、方形屋根
の真づかに対する隅木の結合がきわめて容易、確実、か
つ、短時間で実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、一実施例による方形屋根の隅木受け構造の使
用状況を示す平面図、 第２図は、第１図のＡ−Ａ線矢印方向から見た縦断面図
である。 １……隅木受け金具,2……キャップ部材,2a……固定片,
3……受け部材,3a……固定片,4……角筒部材,5……貫通
ボルト,6……方形屋根,7……隅木,8……上面,10……下
面,12……真づか,13……頂部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】方形屋根を形成するために該方形屋根の頂
   部から所定の屋根勾配で互いに直交するように四方に配
   設された４本の隅木と、 前記隅木の上面に載る固定片を有し、前記４本の隅木の
   上面を連結する裁頭角錐状のキャップ部材と、 前記キャップ部材の固定片に対応して前記隅木の下面を
   載せる固定片を有し、前記４本の隅木の下面を連結する
   裁頭角錐状の受け部材と、 前記キャップ部材の固定片と前記受け部材の固定片とが
   前記隅木を挟持するように前記キャップ部材と前記受け
   部材の各中心部を連結する貫通ボルトと、 前記受け部材の下方に連結一体化された角柱状の角筒部
   材と、 前記４本の隅木を下方から支持するために前記角筒部材
   に頂部を挿入して固定する真づかと からなることを特徴とする方形屋根の隅木受け構造。