JP2500956Y2 - バイメタル - Google Patents

バイメタル

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JP2500956Y2
JP2500956Y2 JP1989043355U JP4335589U JP2500956Y2 JP 2500956 Y2 JP2500956 Y2 JP 2500956Y2 JP 1989043355 U JP1989043355 U JP 1989043355U JP 4335589 U JP4335589 U JP 4335589U JP 2500956 Y2 JP2500956 Y2 JP 2500956Y2
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利夫 小泉
健二 井上
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和泉電気株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、例えば過電流保護を目的とした熱動引外し
方式のサーキットプロテクタにおける熱動機構に利用さ
れるバイメタルに関するものである。
〈従来の技術〉 斯かるサーキットプロテクタの熱動機構に用いられて
いる従来のバイメタルは、平面を示した第6図および正
面を示した第7図のような形状になっている。即ち、熱
膨張率の異なる二種の金属薄板を互いに接合した1枚の
バイメタル薄板によって、平面円形となった熱動部1の
対向する両周端部からそれぞれ矩形状の固定部2および
接点部3が一体に突出した形状に形成されている。
そして、熱動部1は、低膨張側を外側に且つ高膨張側
を内側にして球面に湾曲された形状になっており、固定
部2および接点部3にはそれぞれ取付孔4,5が穿設され
ていて、接点部3の取付孔5には、可動接点6が高膨張
側に固設され、固定部2の取付孔4は、可動接点6を固
定端子(図示せず)の固定接点(図示せず)に接触させ
た状態でバイメタル端子(図示せず)にかしめ加工等に
より固着される。
このバイメタルによる熱動機構は、可動接点6の固定
接点への接触により閉成されているバイメタルを含む電
気回路に過電流が流れた場合に、熱動部1に発生するジ
ュール熱に対する両側の各金属薄板のそれぞれの熱膨張
の差により、熱動部1が図示の反対側に反転し、可動接
点6が固定接点から離脱して電気回路を開成するよう動
作する。
〈考案が解決しようとする課題〉 然し乍ら、前述のバイメタルは、過電流が流れ始めた
時点で、球面状の熱動部1と固定部2との境目および熱
動部1と接点部3との境目が、熱動部1よりも先に熱動
作を開始するため、第3図に1点鎖線で示す動作ストロ
ークと接点接触圧との特性曲線のように、可動接点6の
固定接点に対する接点接触圧が徐々に減少し、動作が不
安定となって誤動作する恐れがあり、信頼性が低い。
また、可動接点6つまり熱動部1の動作ストローク
は、熱動部1の反転動作のみに頼っているので比較的小
さく、電気回路の遮断性能の低いものとなっている。こ
のように信頼性および遮断性能が共に低いことから、特
に大電流用のサーキットプロテクタには用いることがで
きない。
本考案は、このような従来の問題点に鑑みてなされた
ものであり、反転動作時まで安定状態を維持できるとと
もに、反転による動作ストロークを大きく設定できるよ
うなバイメタルを提供することを技術的課題とするもの
である。
〈課題を解決するための手段〉 本考案は、上記した課題を達成するための技術的手段
として、バイメタルを以下のように構成した。即ち、両
側の各面がそれぞれ互いに膨張係数の異なる低膨張金属
素材および高膨張金属素材で形成された1枚の薄状板
に、平面円形で且つ前記低膨張金属素材を外方に位置さ
せて球面状に湾曲された熱動部と、この熱動部の対向す
る両周端部からそれぞれ一体に突出形成された取付用の
固定部および作動用の可動部とが形成されてなるバイメ
タルにおいて、前記固定部および可動部を、それぞれ前
記熱動部の半周若しくは半周近い周端部から一体に突出
するとともに、前記熱動部に対応して湾曲されてなる形
状とし、且つ、これら固定部および可動部にそれぞれ底
面が平らな凹部を設け、その各凹部の底面にそれぞれ取
付孔を設けたことを特徴として構成されている。
〈作用〉 可動部に可動接点を固設し、且つこの可動接点を固定
接点に接触させた状態で固定部をバイメタル端子に固着
してサーキットプロテクタの熱動機構を構成した場合、
過電流が流れ始めてジュール熱が発生すると、膨張係数
の異なる二種の金属素材の熱膨張の差によって熱動部,
固定部および可動部がそれぞれ変形しようとするが、所
定の変形力に達するまでは反転動作しない。この時、固
定部および可動部と熱動部との各境目が、平面円形の熱
動部の半周または半周近い周端部に渡っていて従来に比
し幅が大きいことと、固定部および可動部が熱動部に対
応して湾曲されていることにより折曲部が殆んど存在し
ないこととにより、強度が従来に比し格段に増大してい
るので、熱動部よりも先に熱動作することがなく、可動
接点の固定接点への接点接触圧が一定に保持される。
そして、所定の変形力に達した場合、前述の各境目に
折曲部が無く且つその幅が大きいことにより、熱動部に
対応して湾曲されている固定部および可動部のそれぞれ
の反転力が熱動部に有効に伝達されて熱動部の反転の動
作ストロークが大きくなり、可動接点の固定接点に対す
る遮断性能が格段に向上する。
ここで、本考案では、固定部および可動部の取付孔
が、それぞれ凹部の底部平面に設けられているので、固
定部および可動部が熱動部に対応して湾曲しているのに
もかかわらず、可動接点を固定接点に対し平行に取り付
けられ、また、固定部を無理な力を加えることなく固着
できる。
〈実施例〉 以下、本考案の好ましい実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。
第1図は本考案の一実施例の平面図で、第2図はその
正面図を示す。このバイメタルは、両側の各面がそれぞ
れ互いに膨張係数の異なる低膨張金属素材および高膨張
金属素材で形成された1枚の薄状板を絞り加工して形成
されており、中央部の熱動部11は、既存のものと同様
に、平面円形で且つ低膨張金属素材を外方に位置させて
球面状に湾曲された状態になっている。この熱動部11の
対向する両側に一体形成された固定部12および可動部13
は、何れも熱動部11の半周の周端部から突出されてほぼ
台形状に形成されているとともに、第2図に示すよう
に、熱動部11に対応してこの熱動部11とほぼ同じ曲率で
湾曲されている。
この固定部12および可動部13の湾曲形状に伴って、固
定部12および可動部13に、前記湾曲形状による傾斜に対
し平面となった凹部16,17が形成されており、この各凹
部16,17内にそれぞれ取付孔14,15が穿設されている。
第4図は前記実施例のバイメタルを用いたサーキット
プロテクタの縦断面図を示し、次に、このサーキットプ
ロテクタの作用を、第3図を参照しながら説明する。バ
イメタルは、可動部13の取付孔15に可動接点18がかしめ
加工により固着され、この可動接点18を固定端子19の固
定接点20に対向させた状態で固定部12の取付孔14にバイ
メタル取付用端子21のバウリング部22を挿入した後にか
しめ加工して固定されている。ここで、取付孔14,15が
それぞれ平面となった凹部16,17に穿設されているの
で、固定部12および可動部13が熱動部11に対応して湾曲
されているにも拘わらず可動接点18を固定接点20に対し
平行に取り付けられ、且つ固定部12を無理な力を加える
ことなく固着でき、更に、前記凹部16,17は熱動部11に
跨がっていないので、熱動部11は本来の機能を保持す
る。
通常時には、バイメタルの湾曲形状による自体の弾性
により可動接点18が固定接点20に接触され、固定接点19
からバイメタルを介してバイメタル取付用端子21に至る
電気回路が閉成されている。また、復帰ばね23により上
方に付勢されている作動杆24が、固定接点20に接触状態
の可動接点18に当接して上動を阻止されている。
そして、バイメタルを含む熱動機構の電気回路部に過
電流が流れ始めてジュール熱が発生すると、膨張係数の
異なる二種の金属素材の熱膨張の差によって熱動部11,
固定部12および可動部13がそれぞれ変形しようとする
が、バイメタルは、所定の変形力に達するまでは反転動
作しない。この時、固定部12および可動部13と熱動部11
との各境目が、平面円形の熱動部11の半周の周端部に渡
っていて従来に比し幅が大きいことと、固定部12および
可動部13が熱動部11に対応して湾曲されていて折曲部が
殆んど存在しないこととにより、強度が従来に比し格段
に増大しているので、熱動部11よりも先に熱動作するこ
とがない。従って、第3図に実線で示す動作ストローク
と接点接触圧の特性曲線のように、可動接点18の固定接
点20への接点接触圧が一定に保持される。
そして、所定の変形力に達した場合、前述の各境目に
折曲部が無く且つその幅が大きいことにより、熱動部11
の反転動作の他に、熱動部11に対応して湾曲されている
固定部12および可動部13のそれぞれの反転力が熱動部11
に有効に伝達されて熱動部11の反転の動作ストローク
が、第3図に示すように従来に比し相当に大きくなり、
可動接点18の固定接点20に対する遮断性能が格段に向上
する。また、バイメタルが反転動作して可動接点18が固
定接点20から離脱した時、この両接点18,20の間隙に作
動杆24が復帰ばね23の復元力により介入し、トリップ状
態に保持される。
第5図は、本考案の他の実施例を示し、同図において
第1図および第2図のものと機能的に同等のものには同
一の符号を付してある。そして、前記実施例と相違する
点は、固定部12′および可動部13′を、それぞれ熱動部
11の半周近い周端部つまり熱動部11の接線近傍位置から
一体に突出させた形状としたことだけであり、前記実施
例と同様の効果を得ることができる。
尚、本考案は前記説明並びに図面の内容にのみ限定さ
れるものではなく、請求の範囲を逸脱しない限り種々の
変形例をも包含し得る。例えば、サーキットプロテクタ
以外の種々の熱動機構にも適用できる。
〈考案の効果〉 本考案は、以上のように構成し且つ作用するので、以
下のような効果を奏する。即ち、本考案のバイメタルに
よれば、発熱等による温度変化に際し、所定の変形力が
発生するまでは可動部を安定状態に維持でき、例えばサ
ーキットプロテクタに用いた場合に接点接触圧を一定に
維持でき、高い信頼性を得られる効果がある。
また、固定部および可動部の反転力を熱動部に有効に
伝達できることにより動作ストロークが大きくなり、サ
ーキットプロテクタに用いた場合に接点の遮断性能が格
段に向上するので、大電流用のサーキットプロテクタに
も適用できる。
さらに、本考案によれば、固定部および可動部にそれ
ぞれ底面が平らな凹部を設け、その各凹部の底面にそれ
ぞれ取付孔を設けているので、可動部が熱動部に対応し
て湾曲されているのにもかかわらず、可動接点を固定接
点に対し平行に取り付けることができ、これにより、両
接点間の接触が接触面積の大きい面接触となる結果、接
点接触の信頼性が高くなる点、および、可動接点が平面
に固着されていることから、反転動作時および復帰時の
いずれの状態の場合でも、可動接点の固着部に応力が作
用することがなく、これによって、可動接点の位置ずれ
や剥離が生じる虞れがないといった点の効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例の平面図、 第2図はその正面図、 第3図はその動作特性図、 第4図はそれを適用したサーキットプロテクタの縦断面
図、 第5図は本考案の他の実施例の平面図、 第6図は従来のバイメタルの平面図、 第7図はその正面図である。 11……熱動部 12,12′……固定部 13,13′……可動部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】両側の各面がそれぞれ互いに膨張係数の異
    なる低膨張金属素材および高膨張金属素材で形成された
    1枚の薄状板に、平面円形で且つ前記低膨張金属素材を
    外方に位置させて球面状に湾曲された熱動部と、この熱
    動部の対向する両周端部からそれぞれ一体に突出形成さ
    れた取付用の固定部および作動用の可動部とが形成され
    てなるバイメタルにおいて、前記固定部および可動部
    を、それぞれ前記熱動部の半周若しくは半周近い周端部
    から一体に突出するとともに、前記熱動部に対応して湾
    曲されてなる形状とし、且つ、これら固定部および可動
    部にそれぞれ底面が平らな凹部を設け、その各凹部の底
    面にそれぞれ取付孔を設けたことを特徴とするバイメタ
    ル。
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