JP2500803B2 - 渦巻形ガスケツトを生産する方法と装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は渦巻形ガスケットに関する。この種のガスケ
ットは周知である。渦巻形ガスケットは複数の重ね合わ
された層を形成するために巻付け前に、断面で視て、浅
いＶ字またはＷ字形に輪郭を作られた細幅金属ストリッ
プと、それら細幅金属ストリップの間に充填されたガス
ケットトペーパーのごときシール材料のストリップとか
ら成る。最終製品は通常、補強及び支持領域として作用
する少なくとも二つの金属層を渦巻の内側と外側とに有
する。

渦巻形ガスケットは、他の形状も使用されるが、一般
的には円形であり、金属ストリップの断面によるが、渦
巻の中心軸線方向に圧縮可能である。この金属ストリッ
プと、挿入されたシール材料のストリップとは、対向す
る管フランジのような係合部分間に締め付けられた際
に、有効的なシールを形成するように共働する。

渦巻形ガスケットはこれまで、二つの方法によって作
られている。最も普通の方法は、被動円形マンドレルと
マンドレルの縁を受入れる深い溝を備えた協働する圧力
ローラとを用いて、マンドレルの縁にストリップを巻き
付ける方法である。渦巻が漸次巻き付けられる際、圧力
ローラの溝の壁は、渦巻がマンドレルの縁からずれない
ようにするため、側方の支えとなる。この方法は、例え
ば米国特許第2475856号に示してあるので、これ以上説
明しない。

別の方法においては、上記のようなマンドレルがな
く、渦巻は通常、支持ローラまたはホイールを備えた水
平なテーブル上で心無し状態で巻き付けられる。実際に
は、深く溝を付けられた圧力ローラと、これと協働する
ホイールとが未だにこの方法に用いられているが、重ね
合わされた層は上記ホイールのリムの周りに巻き付けら
れない。それらは、前記ローラとホイールとにより円形
の経路上を支えられおよび／または案内されている。こ
の方法は米国特許第1269894号に示されているので、こ
れ以上説明しない。

圧力ローラの溝内にマンドレルまたはホイールを押し
入れる（逆もまた同じ）ための空気圧または協力なばね
式押圧装置の使用は両方法に共通している。スポット溶
接により固定される最初の充てんシール材の無い巻きか
ら所望の幅のガスケットの積重ねに至り、その後、これ
らを固定し且つ機械からの取出しに際して安定させるた
めにスポット溶接された最後の充てんシール材の無い巻
きが続く全作動を、単にこの圧力と作業員の熟練とに頼
って制御するのが普通である。しかし、空気圧やばねに
よって得られる制御は確実ではなく、従って個々の作業
者の熟練が重要となる。

この確実な制御の欠如の結果として、また充てんシー
ル材料は厚さがロット間で、しかも実際にはロットの中
でも変動する絶対的なものでないため、均一な直径の製
品を生産する際には明白な問題点がある。

従って、全ての巻きまたは一部の巻きを切り取って目
標直径に達し得るように、内側および外側の充てんシー
ル材の無い巻きを「サイジング」に用いるのが普通であ
る。これは浪費的であり高価につくが、普通そうである
ように、外側ガイド・リング内にガスケットを旨くはめ
るべき場合には、しばしば重要である。ここでもまた、
「サイジング」作業は作業者の熟練に依存する。

充てんシール材は厚さが絶対的でないという事実と、
固定、サイジング、支持目的のため充てんシール材の無
い若干の巻きを備えることが技術的に必要であることと
から、更に別の問題が生起される。巻付け中、充てんシ
ール材の挿入点においては突然の直径変化があり、そこ
で金属の巻きが急激に分離して充てんシール材のストリ
ップのための空間を作る。充てんシール材巻付けの終末
部においては反対の影響がみられる。その結果は、円形
であるべき製品のリムにこぶ（bump）が発生することで
ある。充てんシール材の直径と厚さとによるが、前述し
たサイジングの問題に加えて、外側ガイド・リングへの
取付けに問題を生起させる。

さらに別の問題が、現行の生産管理の方法から生起さ
れる。これは、巻付けの後および間におけるガスケット
の皿形変形（dishing）またはくずれという重大な危険
なしに巻き重ねられ得る渦巻の幅に極めて絶対的な限界
が存在するということである。細幅のストリップは、こ
の点でとくに難しい。

上述の諸問題は多年にわたり周知されているものであ
り、本発明の目的は、それらの影響を少なくとも最小限
にすることにある。

本発明によれば、協働するローラ間で細幅金属ストリ
ップと細幅シール材料ストリップとを重ね合わせて累進
的に巻くことによる渦巻型ガスケットの生産方法が、細
幅金属ストリップと細幅シール材料ストリップの一巻き
毎にローラを所定の割合で互いに離隔してローラ間に形
成されるガスケット断面に所定の生成割合を付与する段
階を有している。

本発明は、さらに、上記方法を実施する装置を含んで
おり、本発明によれば、協働するローラ間で細幅金属ス
トリップと細幅シール材料ストリップとを重ね合わせて
累進的に巻くことによる渦巻型ガスケットを生産する装
置が、細幅金属ストリップと細幅シール材料ストリップ
とが間に積み重ねられて累進的に巻かれる協働するロー
ラ装置と、細幅金属ストリップと細幅シール材料ストリ
ップの一巻き毎に所定の割合でローラ装置のローラを互
いに離隔する装置とを備える巻付けステーションを有し
ている。

本発明の方法において、空気圧、液圧、ばね荷重また
はその他比較的制御されない押圧がストリップの巻付け
段階に全く加えられないことは理解されよう。それどこ
ろか、ローラは、各巻付け作業を通じて漸進的且つ確実
に互いに離隔される。上記離隔の割合はガスケット断面
の生成割合が充てんシール材の厚さを反映して選択され
得るように、調整可能であることが望ましい。離隔の割
合を著しく広い範囲内で調整可能とすることにより、完
成製品に対する正確に制御された外径に達すると共に充
てんシール材の圧縮の程度を正確に制御することも可能
であり、それにより、付随的なサイジング作業の必要性
が最小限となる。これはまた、巻付けの緊度を従来可能
であったよりも正確に制御できるため、ガスケットの硬
さを要求に達するように変化させ得ることを意味する。

本発明の方法及び装置を用いることによる驚くべき結
果は、前述のこぶ現象が、極めて厚い充てんシール材料
に対してさえ、極めて大幅に低減されたということであ
る。これについての理由は明らかでないが、それは、制
御された、漸進的な離隔と、それに加えて、言うまでも
なく、従来用いられていた可成り無計画な圧力制御方法
の特徴であるところの急激な機械的衝撃も無いこととに
よるものと考えられる。本発明による巻き付けられたガ
スケットは、目視で検査された場合、すぐれた外観の均
一性を示す。このことは性能に持ちこされる。特定の圧
力試験規格に適合すべく企図された従来の渦巻ガスケッ
トと比較して試験すると、本発明に従って作られた渦巻
ガスケットが、予想の概ね２倍のすぐれたシール性能を
示している。

本方法を用いることによる更に別の驚くべき結果は、
従来ガスケットの幅を制約していた安定性の問題に遭遇
することなく、より大きな幅のガスケットを製作するこ
とができるということである。ここでも、従来達成可能
であった値の２倍程度のガスケットの幅を作ることがで
きる。これに対する理由は同様に不明確であるが、それ
は積み重ねの割合の高度な制御によるものであろう。

所与の割合でローラを互いに離隔することを達成する
多くの方法があることは理解されよう。歯車駆動機構を
用いても良い。とくに、最初及び最後の巻きのスポット
溶接や生産速度及びサイズの記録のような、他の態様の
巻付け過程を自動化することも要望されている場合に
は、電子制御電動機を使用しても良い。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】協働するローラ間で細幅金属ストリップと
   細幅シール材料ストリップとを重ね合わせて累進的に巻
   くことによる渦巻型ガスケットの生産方法において、該
   生産方法が、前記細幅金属ストリップと細幅シール材料
   ストリップの一巻き毎に前記ローラを所定の割合で互い
   に離隔して前記ローラ間に形成されるガスケット断面に
   所定の生成割合を付与する段階を有することを特徴とす
   る渦巻型ガスケットの生産方法。
2. 【請求項２】協働するローラ間で細幅金属ストリップと
   細幅シール材料ストリップとを重ね合わせて累進的に巻
   くことによる渦巻型ガスケットを生産する装置におい
   て、該装置が、前記細幅金属ストリップと細幅シール材
   料ストリップとが間に積み重ねられて累進的に巻かれる
   協働するローラ装置と、前記細幅金属ストリップと細幅
   シール材料ストリップの一巻き毎に所定の割合で前記ロ
   ーラ装置のローラを互いに離隔する装置とを備える巻付
   けステーションを有することを特徴とする渦巻型ガスケ
   ット生産装置。