JP2500672Y2 - 缶キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、市販用等の飲料用缶の
上蓋に被せて使用する缶キャップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】主として市販されているジュース、コー
ヒー、お茶、或いは、ビール等の飲料用缶には、上蓋に
設けられたタブを引き起こす事により、予め上記上蓋に
刻み付けた飲み口用の切り込みを破り飲口を開ける方式
のものが使用され、一旦飲み口を開けてしまうと、再び
蓋をすることができないものが殆んどである。

【０００３】又、上記飲料用缶は、飲料を一気に飲みき
れず、残してしまうことが往々にしてあり、特に幼児等
の場合にはその傾向は著しいものである。この場合、放
置すると、飲み口から中にゴミが入ったり、或いは車内
のように振動や揺れの多い場所では、飲み口から飲料が
跳ねたり、飲料用缶が倒れて飲料を零してしまうことも
多い。

【０００４】そこで、飲み残した飲料を保存する時に
は、飲料用缶の飲み口部分に取り付けて使用する蓋が有
り、一般に利用されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかし、飲料用缶の、
飲み口の形式には、上蓋に取り付けられたタブを引っ張
って、飲み口片を引き裂いて開孔するものと、タブを起
こして、飲み口片を飲料用缶内に折り曲げて開孔するも
のとの２通りの形式があるが、特に後者の場合には、飲
み口部分に、タブと飲み口片が取り付いたまま残るの
で、上記の蓋を飲み口部分に装着するには、一般に不要
なタブや飲み口片を取り除く必要があるが、飲料用缶内
部に折れ曲がった飲み口片等は取りずらく、大変面倒な
作業となる。

【０００６】本考案は上記欠点を改善し、飲料用缶の飲
み口の形式に関係無く、その上蓋にワンタッチで装着で
きる缶キャップを提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】缶キャップは、ある程度
弾力性のある合成樹脂製で、その周縁に、外鍔と、その
内側に多少の間隔をおいて設けた内鍔とにより嵌合部を
形成し、上記外鍔の内周壁には内方に向け斜めに形成し
た係止用突起を、又、上記内鍔の外周壁には突部を各々
周設し、更に上記内鍔の下縁部が上記飲料用缶の上蓋の
内縁溝に当接するようにした。

【０００８】

【作 用】缶キャップを飲料用缶の上蓋の端縁に押し付
けると、外鍔と内鍔とが上蓋の端縁を挟み込み、且つ、
上記外鍔に周設された係止用突起が上記飲料用缶の上蓋
の凸部と嵌合するため、缶キャップは確実に飲料用缶の
上蓋に装着される。更に、内鍔の下縁部が上蓋の内縁溝
に当接するため、内鍔に周設された突部が上蓋の内縁壁
に強く圧接されて、缶キャップは上蓋に密着する。

【０００９】

【実施例】図１は、本考案による缶キャップ１と、それ
を装着する飲料用缶Ｋを示したものである。

【００１０】缶キャップ１は、ある程度弾力性を有する
円形の合成樹脂製のキャップで、周縁には、外鍔２と内
鍔３とにより嵌合部７を形成し、更に上記外鍔２の外周
壁には、２個の半円形の撮み４を相対して突設し、図２
に示すように、その中央付近に開けた孔６には掛け紐１
１が取り付けられている。又、Ｋは缶キャップ１が装着
可能な市販等の飲料用缶で、タブ１２によって飲み口５
が開けられた状態を示している。

【００１１】図３は、上記飲料用缶Ｋに缶キャップ１を
装着した状態を示す縦断面図である。

【００１２】外鍔２の内周壁には、上記缶キャップ１を
上記飲料用缶Ｋの上蓋９に装着するための内方に向けた
係止用突起２ａが周設され、上記係止用突起２ａを斜め
に形成して上蓋９の凸部８ａの幅ｗが飲料用缶の種類に
よってバラ付いても係止用突起２ａと凸部８ａとが確実
に嵌合するようにしている。又、内鍔３の外周壁には突
部３ａが周設され、更に内鍔３は、その下縁部３ｂが飲
料用缶Ｋの上蓋９の内縁溝１０に当接するような寸法で
形設されている。

【００１３】本考案による缶キャップ１は、以上のよう
な構成を有するので、缶キャップ１を飲料用缶Ｋの上蓋
９の端縁８に押し付けると、外鍔２と内鍔３とが飲料用
缶Ｋの上蓋９の端縁８を挟み込み、更に上記缶キャップ
１の外鍔２に周設された係止用突起２ａが上記飲料用缶
Ｋの上蓋９の凸部８ａに嵌合する。もし、飲料用缶の種
類によって凸部８ａの幅ｗに少々バラ付つきが有って
も、外鍔２の係止用突起２ａが傾斜して形成されている
ので、凸部８ａの底縁が係止用突起２ａと当接できる範
囲は広くなり、上記幅ｗのバラ付きを十分吸収して確実
に嵌合し、缶キャップ１はしっかりと上蓋９に装着され
る。更に内鍔３の突部３ａが上蓋９の内縁壁８ｂに圧接
し、下縁部３ｂが上蓋９の内縁溝１０に当接するので、
缶キャップ１は上蓋９に密着し、飲み口５より溢れ出た
飲料が缶キャップ１から外に漏れることはない。

【００１４】又、逆に、装着されている缶キャップ１を
取り外す時には、外鍔２の外周壁に突設した撮み４を押
し上げれば簡単に外すことができる。

【００１５】市販用等の飲料用缶の上蓋の口径は、略２
種類に統一されているが、これらのキャップ径に対応し
た缶キャップを提供することにより、あらゆる飲料用缶
が缶キャップ１の取り付け対象となる。

【００１６】

【考案の効果】本考案による缶キャップは、飲料用缶の
上蓋全体を覆うものなので、その取り付けは、缶キャッ
プを上蓋の端縁に押し付けるだけの極めて簡単なもので
ある。又、外鍔と内鍔とが上蓋の端縁を挟み込み、且
つ、上記外鍔に周設された、内方に向け斜に形成された
係止用突起が上記飲料用缶の上蓋の凸部と嵌合するた
め、缶キャップはしっかりと上蓋に装着されて外れるこ
とはなく、更に下縁部が上蓋の内縁溝に当接するため、
内鍔に周設された突部が上蓋の内縁壁に強く圧接され、
したがって、缶キャップが上蓋に確実に密着し、振動
や、転倒等があっても缶キャップから飲料が漏れ出るこ
とはない。

【００１７】又、缶キャップを外す時は、外鍔の外周壁
に設けた２個の撮みを指で押し上げれば簡単に外せる
し、撮みに設けられた孔に紐を取り付けて肩に掛けれ
ば、持ち運びの際、非常に便利である。

【００１８】更に、使用済みの飲料缶の飲み口をそのま
ま残し、或いはその上蓋を缶切りで切り取り大きく開孔
し、中に調味料等、種々の液体、固体、粉末等を入れ、
缶キャップで蓋をすれば、飲料用缶を傾けたり、逆さに
しても中身のものは漏れないので、多目的の保存用容器
として活用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による缶キャップと市販用等の飲料用缶
を示す斜視図である。

【図２】缶キャップの撮みに掛紐を取り付けた状態を示
す断面図である。

【図３】飲料用缶に缶キャップを装着した状態を示す縦
断面図である。

【符号の説明】

１ 缶キャップ ２ 外鍔 ２ａ 係止用突起 ３ 内鍔 ３ａ 突部 ３ｂ 下縁部 ４ 撮み ６ 孔 ７ 嵌合部 ８ 端縁 ８ａ 凸部 ８ｂ 内縁壁 ９ 上蓋 １０ 内縁溝 １１ 掛け紐 Ｋ 飲料用缶

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 市販用等の飲料用缶（Ｋ）の上蓋
   （９）全体を覆う缶キャップ（１）であって、ある程度
   弾力性のある合成樹脂よりなり、その周縁に、外鍔
   （２）と、その内側に多少の間隔をおいて設けた内鍔
   （３）とで嵌合部（７）を形成し、上記外鍔（２）の内
   周壁には、内方に向け、斜めに形成した係止用突起（２
   ａ）を、又上記内鍔（３）の外周壁には突部（３ａ）を
   それぞれ周設し、更に上記内鍔（３）の下縁部（３ｂ）
   が上記飲料用缶（Ｋ）の上蓋（９）の内縁溝（１０）に
   当接するようにしたことを特徴とする缶キャップ。
2. 【請求項２】 外鍔（２）の外周壁に撮み（４）を突
   設し、上記撮み（４）に設けた孔（６）には、掛け紐
   （１１）を取り付けたことを特徴とする請求項１記載の
   缶キャップ。