JP2500559B2 - 有機けい素化合物 - Google Patents

有機けい素化合物

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JP2500559B2
JP2500559B2 JP3356415A JP35641591A JP2500559B2 JP 2500559 B2 JP2500559 B2 JP 2500559B2 JP 3356415 A JP3356415 A JP 3356415A JP 35641591 A JP35641591 A JP 35641591A JP 2500559 B2 JP2500559 B2 JP 2500559B2
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JP
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algae
organic silicon
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silicon compounds
formula
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猪智郎 小野
博 吉岡
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防藻効果を有し、防藻
剤として有用な新規有機けい素化合物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
建築物の美観に対する意識が急激に高まっている傾向が
あり、外壁に発生し美観を損ねる藻類に対しても種々の
防藻剤が開発され、使用されている。
【0003】しかし、従来の防藻剤は、水あるいは溶剤
に希釈して直接散布した場合、既に発生している藻を除
去することは可能であるが、建築物等の基体への固定化
機能を持たないため、防藻効果が長続きしないという欠
点があり、このため種々の基体に対し固定化し得ると共
に、防藻効果を有効に発揮する防藻剤が要望されてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記要望に応えるため鋭意検討を行った結果、下記一般式
(2)で表わされる3−(3,4−ジクロロフェニル)
−1,1−ジメチル尿素と下記一般式(3)で表わされ
るイソシアネート含有けい素化合物とを反応させること
により、下記一般式(1)で示される新規有機けい素化
合物が得られると共に、この式(1)の有機けい素化合
物は藻類の発生を防止する防藻性を有し、かつSiOR
基、特にアルコキシシリル基の働きによりコンクリー
ト、モルタル、スレート、木、紙等に固定化されること
が可能で防藻効果を長期に亘って持続することができる
ものであることを知見し、本発明をなすに至ったもので
ある。
【0005】
【化2】 (但し、式中Rは炭素数1〜4の1価炭化水素基、nは
0,1又は2を示す。)
【0006】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の新規有機けい素化合物は上記一般式(1)
で表わされる。この場合、Rとしてはアルキル基が好適
で、下記式の化合物が例示される。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】上記式(1)の有機けい素化合物は下記一
般式(2)で表わされる3−(3,4−ジクロロフェニ
ル)−1,1−ジメチル尿素と下記一般式(3)で表わ
されるイソシアネート含有けい素化合物を反応させるこ
とにより合成できる。
【0010】
【化5】 (但し、式中R、nは前記と同様の意味を示す。)
【0011】ここで、イソシアネート含有けい素化合物
としては以下のものが例示される。
【0012】
【化6】
【0013】上記式(2)の3−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−1,1−ジメチル尿素と式(3)のイソシア
ネート含有けい素化合物との反応は、等モルで反応を行
うことができる。また、反応は3−(3,4−ジクロロ
フェニル)−1,1−ジメチル尿素が粉体であるため溶
媒に溶解して行なう方が好ましく、この溶媒としてはア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジメチルブチルケトン、シクロヘキサノン等のケト
ン類が好ましいものとして挙げられる。
【0014】なお、反応は触媒がなくても進行するが、
短時間に反応を完結させるにはジブチル錫ジオクテー
ト、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物を原料に
対して0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜0.
5重量%使用すればよい。
【0015】反応温度、時間は特に制限されないが、上
記錫触媒を使用した場合、50〜150℃で5〜50時
間でよい。
【0016】また、原料のイソシアネート含有シラン化
合物及び本発明の有機けい素化合物は水分と反応するた
め、反応は乾燥窒素雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0017】本発明の有機けい素化合物は、上記の反応
を行なった後、溶媒を蒸留により除くことにより得るこ
とができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の有機けい素化合物は防藻効果を
示すと共に、SiOR基、特にアルコキシシリル基が導
入された構造を有するため、コンクリート、モルタル、
スレート、木、紙等の表面に固定化することが可能で、
長期に亘って防藻効果を発揮できる新規な防藻剤として
有用なものである。
【0019】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0020】〔実施例1〕還流冷却器、温度計、撹拌装
置付きの1リットルガラス反応器に3−(3,4−ジク
ロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素15.00g、
γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン13.
20g、メチルエチルケトン530g、ジブチル錫ジラ
ウレート0.03gを仕込み、乾燥窒素を通じながら8
5℃で20時間反応を行なった。反応液の赤外吸収スペ
クトル分析を行なったところ、2200cm-1付近のN
COに起因する吸収は無かった。
【0021】次に、反応液より溶媒のメチルエチルケト
ンを減圧蒸留し除去したところ、淡黄色の粉体が25.
9g得られた。
【0022】このものは1H−NMR分析、IR分析及
び元素分析の結果より下記に示す構造であることがわか
った。
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【表1】
【0026】〔実施例2〕実施例1のγ−イソシアネー
トプロピルトリメトキシシラン13.20gをγ−イソ
シアネートプロピルジメチルモノメトキシシラン11.
14gに代えた以外は、実施例1と同様にして淡黄色の
粉体24.3gを得た。このものは1H−NMR分析、
IR分析及び元素分析の結果より下記に示す構造である
ことがわかった。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【表2】
【0030】〔実施例3〕実施例1のγ−イソシアネー
トプロピルトリメトキシシラン13.20gをγ−イソ
シアネートプロピルトリエトキシシラン15.90gに
代えた以外は、実施例1と同様にして淡黄色の粉体2
8.0gを得た。このものは1H−NMR分析、IR分
析及び元素分析の結果より下記に示す構造であることが
わかった。
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【表3】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される有機けい素
    化合物。 【化1】 (但し、式中Rは炭素数1〜4の1価炭化水素基、nは
    0,1又は2を示す。)
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DE102004036721A1 (de) * 2004-07-29 2006-03-23 Wacker Chemie Ag Organosiliciumverbindungen mit einer maskierten Isocyanatgruppe
JP4711072B2 (ja) * 2006-02-09 2011-06-29 信越化学工業株式会社 防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物、そのコーティング方法、及び構造物

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