JP4711072B2 - 防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物、そのコーティング方法、及び構造物 - Google Patents

防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物、そのコーティング方法、及び構造物 Download PDF

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本発明は、防藻性を有すると共にその防藻性が長期に渡り持続する防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物及びそのコーティング方法、並びに該組成物の硬化物でコーティングされた構造物に関する。
従来、防藻性組成物としては、含浸性防水剤組成物であるオルガノアルコキシシラン又はその加水分解物、あるいは該シランと加水分解性シリル基を含有する他の有機ケイ素化合物との共加水分解物を主剤とし、これに防藻剤を添加する材料が知られている。
この種の組成物は、セメントコンクリート、モルタル、ブロック、スレート、レンガ、タイル、瓦、石材、石コウなどの無機系材料の細孔に含浸され、その細孔中で基体との結合を持ちながら三次元化するために耐久性のある防水層を形成し、従来公知のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などを用いた有機高分子系防水材料やメチルシリコネート水溶液系撥水材料に比べて特に耐久性、信頼性の優れたものになるため、上記の無機系材料の防水処理剤として広く利用されてきた。
オルガノアルコキシシラン又はそれらの誘導体をベースとする含浸性防水剤組成物の欠点である、藻類、カビ類の生成に関しては、防藻剤を添加することで対応している。耐久性のある防藻性能を与える組成物としては、分子中に加水分解性シリル基を有する防藻剤を有する組成物(特許第2748758号、第3602563号公報:特許文献1,2)が提供されているが、前者はシランと加水分解性シリル基を含有する他の有機ケイ素化合物との共加水分解物を主剤としており、後者はアクリル−シリコーン系グラフト重合体を主剤としているため、何れも、浸水浸漬後に塗膜が弱くなったり、膨潤が見られる場合が多く、耐水性に乏しいものであり、目的とされる防藻性能が十分に得られなかった。
また、シーリング材組成物としては、本質的にビニル系重合体及び/又はポリエーテル系重合体である有機重合体に生物忌避剤、防藻剤及び防カビ剤を添加する組成物(特開2004−292615号公報:特許文献3)が提供されている。このものは、耐水性は良好であるものの、作業性が悪く実用的ではなかった。
特許第2748758号公報 特許第3602563号公報 特開2004−292615号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、耐久性のある防藻性能を与えると共に、優れた作業性、耐水性を与える防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物及びそのコーティング方法並びに該組成物によりコーティングされた構造物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ベースポリマーとして、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基及び/又は加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン、特に下記一般式(1)からなる加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサン及び/又は下記式(2)、(3)、(4)からなるオルガノポリシロキサンブロック共重合体と、防藻剤、特に分子中に加水分解性シリル基を有する防藻剤、即ち下記式(6)で示される化合物を主剤とする防藻剤、或いは下記式(7)で示される化合物を主剤とする防藻剤とを併用した縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物が、セメントコンクリート、モルタル、レンガ、タイル、瓦、石材などに浸水した場合、更に基材表面がアルカリ性となる各種無機系材料の表面にコーティングした場合でも、オルガノポリシロキサンの持つ本来の耐久性能の他に、持続性のある防藻性能が得られることを知見した。特に、ベースポリマーとして式(1)で表されるジオルガノポリシロキサンを用いた組成物にて表面を処理し、次いで、この処理表面上に更にベースポリマーとしてオルガノポリシロキサンブロック共重合体を用いた組成物にて処理することがより効果的であることを見出し、本発明をなすに至った。
Figure 0004711072
(式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基、Aは独立に酸素原子又は炭素原子数1〜8の2価炭化水素基、Yは独立に水酸基又は加水分解性基であり、mは0〜2の整数、nは25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sとなる数である。)
下記式(2):
(R1 2SiO2/2x (2)
(式中、R1は脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、xは3〜150の整数である。)
で表されるシロキサンブロックを有すると共に、下記式(3):
2SiO3/2 (3)
(式中、R2は炭素原子数6〜12の置換又は非置換のアリール基もしくはアルカリール基を示す。)
の平均単位式で表され且つケイ素原子数が3〜150のシロキサンブロックを30〜80質量%有し、下記式(4):
34 2SiO1/2 (4)
(式中、R3は水酸基又は加水分解性基であり、R4は脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基を示す。)
で表される単位により分子末端の少なくとも一部が封鎖されたオルガノポリシロキサンブロック共重合体。
下記式(6)
Figure 0004711072
下記式(7)
Figure 0004711072
(但し、式中R6,R7はそれぞれ炭素数1〜4の1価炭化水素基、pは0,1又は2である。)
従って、本発明は、下記に示す防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物、そのコーティング方法、及び該組成物の硬化物でコーティングされた構造物を提供する。
〔1〕 (A)ベースポリマーとして、(a1)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基及び/又は加水分解性基を有し、下記式(2):
(R 1 2 SiO 2/2 x (2)
(式中、R 1 は脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、xは3〜150の整数である。)
で表されるシロキサンブロックを有すると共に、次式(3):
2 SiO 3/2 (3)
(式中、R 2 は炭素原子数6〜12の置換又は非置換のアリール基もしくはアルカリール基を示す。)
の平均単位式で表され且つケイ素原子数が3〜150のシロキサンブロックを30〜80質量%有し、下記式(4):
3 4 2 SiO 1/2 (4)
(式中、R 3 は水酸基又は加水分解性基であり、R 4 は脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基を示す。)
で表される単位により分子末端の少なくとも一部が封鎖されたオルガノポリシロキサンブロック共重合体
(B)加水分解性基を1分子中に2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、及び
(C)下記式(6)及び(7)で示される化合物から選ばれる防藻剤
Figure 0004711072
(但し、式中R 6 ,R 7 はそれぞれ炭素数1〜4の1価炭化水素基、pは0,1又は2である。)
を配合してなる防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物
〔2(A)ベースポリマーとして、(a2)下記一般式(1)で表される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基及び/又は加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン、
Figure 0004711072
(式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基、Aは独立に酸素原子又は炭素原子数1〜8の2価炭化水素基、Yは独立に水酸基又は加水分解性基であり、mは0〜2の整数、nは25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sとなる数である。)
(B)加水分解性基を1分子中に2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、及び
(C)下記式(6)及び(7)で示される化合物から選ばれる防藻剤
Figure 0004711072
(但し、式中R 6 ,R 7 はそれぞれ炭素数1〜4の1価炭化水素基、pは0,1又は2である。)
を配合してなる防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物を構造物表面に塗布し、次いでこの被膜上に〔〕の組成物を塗布し、硬化させることを特徴とする防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物のコーティング方法。
〕 〔1〕の防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化物でコーティングされた構造物。
(A)ベースポリマーとして、(a2)下記一般式(1)で表される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基及び/又は加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン、
Figure 0004711072
(式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基、Aは独立に酸素原子又は炭素原子数1〜8の2価炭化水素基、Yは独立に水酸基又は加水分解性基であり、mは0〜2の整数、nは25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sとなる数である。)
(B)加水分解性基を1分子中に2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、及び
(C)下記式(6)及び(7)で示される化合物から選ばれる防藻剤
Figure 0004711072
(但し、式中R 6 ,R 7 はそれぞれ炭素数1〜4の1価炭化水素基、pは0,1又は2である。)
を配合してなる防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化物が構造物表面に被覆され、この被膜上に〔〕の防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化物が積層されてなる構造物。
〕 構造物が、海中構造物である〔〕又は〔〕の構造物。
本発明の防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、セメントコンクリート、モルタル、レンガ、タイル、瓦、石材などの各種無機系材料に対して優れた耐水性を与えると共に、耐久性のある防藻性能を与える。
本発明の(A)成分であるオルガノポリシロキサンは、本発明の縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基及び/又は加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンが用いられるが、第一に、下記一般式(1)で表わされる、分子鎖末端が水酸基及び/又は加水分解性基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。
Figure 0004711072
(式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基、Aは独立に酸素原子又は炭素原子数1〜8の2価炭化水素基、Yは独立に水酸基又は加水分解性基であり、mは0〜2の整数、nは25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sとなる数である。)
上記Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、α−,β−ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、F、Cl、Br等のハロゲン原子やシアノ基などで置換された基、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基等を例示することができる。これらの中で、メチル基、ビニル基、フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、上記Aは酸素原子又は炭素原子数1〜8の二価炭化水素基であり、Aの二価炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基、シクロへキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基等のアリーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基などが挙げられ、酸素原子、エチレン基が好ましい。
上記オルガノポリシロキサンの分子鎖末端Yにおける水酸基以外の加水分解性基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基;アセトキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基;ビニロキシ基、イソプロペニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等のケトオキシム基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基;ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基;N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基が好ましい。
mは0〜2の整数であるが、Yが水酸基の場合は、mは2が好ましく、Yが加水分解性基の場合は、mは0又は1が好ましい。
この(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・s、好ましくは100〜500,000mPa・s、より好ましくは1,000〜50,000mPa・sであるような重合度のものがよい。前記粘度が20mPa・s(25℃)未満であると、物理的・機械的強度に優れたコーティング塗膜を得ることが困難となる場合があり、逆に1,000,000mPa・s(25℃)を超えると組成物の粘度が高くなりすぎて使用時における作業性が悪くなる場合がある。
なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定した25℃における値である。
上記オルガノポリシロキサンの具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 0004711072
(上記各式中、R,Y及びnは上記と同様であり、m’は0又は1である。)
これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
また、本発明の(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、オルガノポリシロキサンブロック共重合体であることが更に好ましい。オルガノポリシロキサンブロック共重合体は、セメントコンクリート、モルタル、ブロック、スレート、レンガ、タイル、瓦、石材、石コウなどに浸水した場合、更に基材表面がアルカリ性となる各種無機系材料の表面にコーティングした場合でも、オルガノポリシロキサンの持つ本来の耐久性能を維持でき、本発明の組成物が更に耐久性、耐水性に優れるという有利性が得られる。
このようなオルガノポリシロキサンブロック共重合体としては、下記式(2):
(R1 2SiO2/2x (2)
(式中、R1は脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、xは3〜150の整数である。)
で表されるシロキサンブロック(a)を有すると共に、下記式(3):
2SiO3/2 (3)
(式中、R2は炭素原子数6〜12の置換又は非置換のアリール基もしくはアルカリール基を示す。)
の平均単位式で表され、且つケイ素原子数が3〜150のシロキサンブロック(b)を30〜80質量%有し、下記式(4):
34 2SiO1/2 (4)
(式中、R3は水酸基又は加水分解性基であり、R4は脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基を示す。)
で表される単位(c)により分子末端の少なくとも一部が封鎖されたオルガノポリシロキサンブロック共重合体が好適に用いられる。
上記シロキサンブロック(a)である式(2)において、脂肪族不飽和基を有しない置換又は非置換の一価の炭化水素基R1は、炭素原子数が1〜10のものであり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等のアルキル基、シクロヘプチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、フェニル、ナフチル、トリル、キシリル等のアリール基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えばクロロメチル、トリフルオロプロピル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル等のハロゲン化炭化水素基やβ−シアノエチル、γ−シアノプロピル、β−シアノプロピル等のシアノアルキル基などを例示することができる。本発明においては、合成が容易であることから、メチル基であることが好適である。また、式(2)において、重合度を表す整数xは、3〜150の範囲にあり、特に10〜50の範囲にあることが好適である。
かかるシロキサンブロック(a)は、オルガノポリシロキサンブロック共重合体(A)中に少なくとも1個存在していればよいが、一般的には、オルガノポリシロキサンブロック共重合体(A)中に20〜60質量%、特に30〜50質量%の割合で存在していることが好適である。このシロキサンブロック(a)の含有量が少なすぎると、得られる硬化物は弾性が極めて低いものとなるおそれがあり、またあまり多く含まれていると、得られる硬化物は可とう性で不満足なものとなるおそれがある。
上記三官能性アリールシロキサンブロック(b)は、硬化物に高度な耐水性を付与するものである。この三官能性アリールシロキサンブロック(b)は、前記(3)式の平均単位式で表され且つケイ素原子数が3〜150、特に5〜50のブロックである。この平均単位式(3)において、置換又は非置換のアリール基もしくはアルカリール基R2は、炭素原子数6〜12のものであり、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基等を例示することができる。本発明において最も好適なR1は、フェニル基である。
かかる三官能性アリールシロキサンブロック(b)は、一般的には、オルガノポリシロキサンブロック共重合体(A)中に30〜70質量%、特に40〜60質量%の割合で存在している。このシロキサンブロック(b)の含有量があまり少ないと、得られる硬化物は耐水性の点で不満足なものとなるおそれがあり、またあまり多く含まれていると、得られる硬化物は弾性の点で不満足なものとなるおそれがある。
また、上述したシロキサンブロック(a)及び(b)を有するオルガノポリシロキサンブロック共重合体(A)は、分子鎖末端の少なくとも一部が上記(4)式で表される単位(c)で封鎖されているが、この末端単位(c)は、このブロック共重合体(A)に架橋点を与えるものであり、硬化物の架橋密度を調整するものである。この末端単位(c)を表す(4)式において、R3としては、例えば、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基、オキシム基等を例示することができる。また置換又は非置換の一価の炭化水素基R4としては、前記(2)式のR1について例示した基と同様のものを挙げることができる。一般に、かかる末端単位(c)は、ブロック共重合体(A)中に1〜10質量%、特に2〜8質量%の割合で存在していることが好適である。
なお、本発明のオルガノポリシロキサンブロック共重合体は、上記(a)〜(c)以外の単位を配合することができ、例えば、R12SiO2/2単位、R3 24SiO1/2単位、R3 3SiO1/2単位、R24 2SiO1/2単位、R2 24SiO1/2単位(但し、R1,R2,R3,R4は上記と同じ)等が挙げられ、これらはブロック共重合体(A)中に0〜40質量%の割合で存在させることができる。
本発明において、上述したオルガノポリシロキサンブロック共重合体(A)は、それ自体公知の種々の方法で製造することができる。例えば、トルエン等の有機溶媒中に、3〜150の重合度を有するクロロ末端ジオルガノポリシロキサン、フェニルトリクロロシラン及び必要に応じてメチルフェニルジクロロシラン等の2官能シランを、目的とする共重合体(A)に相当するモル比で溶解させる。この溶液を、水を十分に分散させたトルエン中に加えて共加水分解を行い、オルガノポリシロキサンブロック共重合体(A)を製造することができる。
[(B)成分]
本発明の(B)成分であるシラン及び/又はその部分加水分解縮合物は、本発明の組成物を硬化させるために必須の成分であって、1分子中にケイ素原子に結合する加水分解可能な基を少なくとも2個有することが必要とされ、下記一般式(5)で表わされるシラン及び/又はその部分加水分解縮合物であることが好ましい。
5 aSiX4-a (5)
(式中、R5は独立に非置換又は置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基、Xは独立に加水分解性基であり、aは0〜2の整数である。)
上記加水分解可能な基(X)としては、上記(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子鎖末端における水酸基以外の加水分解性基として挙げたものが同様に例示されるが、アルコキシ基、ケトキシム基、イソプロペノキシ基が好ましい。
この(B)成分であるシラン及び/又はその部分加水分解縮合物は、その分子中に前記したような加水分解可能な基を少なくとも2個有することが必須である他には特に制限はないが、好適には加水分解可能な基を3個以上有することが好ましく、また、ケイ素原子には加水分解可能な基以外の基が結合していてもよく、更に、その分子構造はシラン又はシロキサン構造の何れであってもよい。特に、シロキサン構造のものにあっては直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れであってもよい。
上記の加水分解可能な基以外の基(R5)は、非置換又は置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基が好ましい。
本発明の(B)成分であるシラン及び/又はその部分加水分解縮合物の具体例としては、例えば、エチルシリケート、プロピルシリケート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、プロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、テトラ(メチルエチルケトキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、3−クロロプロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジメチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(メチルイソプロピルケトキシム)シラン、トリ(シクロへキサノキシム)シラン等及びこれらの部分加水分解縮合物が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
(B)成分の配合量は、上記(A)成分100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。前記配合量が0.5質量部未満であると架橋が不十分となる場合があり、また、逆に20質量部を超えると硬化物が硬くなりすぎたり、経済的に不利となるという問題が発生する場合がある。
次に、(C)成分の防藻剤は、第一に、下記式(6)で示されるものであることが好ましい。
Figure 0004711072
この場合、本発明の(C)成分の防藻剤としては、その分子中に加水分解性シリル基を含有する化合物であることが更に好ましい。加水分解性シリル基は、セメントコンクリート、モルタル、ブロック、スレート、レンガ、タイル、瓦、石材、石コウなどの無機系材料との親和性に優れ、更にはこれら無機系材料の金属元素と≡Si−O−M−(Mは金属元素)結合を通じて接合することもできるため、防藻剤が無機系材料に固定化されることになり、効果の持続性が飛躍的に向上する。また、この加水分解性シリル基は、(A)成分のオルガノポリシロキサンに含まれるアルコキシシリル基又はシラノール基と縮重合して共重合シロキサンポリマーを形成することができるため、防藻機能が不溶性のポリシロキサン中に保持された形になるので、本発明の組成物が更に耐久性、耐水性に優れるという有利性が得られる。
このような分子中に加水分解性シリル基を含有する化合物としては、下記式(7)で示されるものが好適に用いられる。
Figure 0004711072
(但し、式中R6,R7はそれぞれ炭素数1〜4の1価炭化水素基、pは0,1又は2である。)
上記式中、R6,R7は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基などが挙げられる。
このような加水分解性シリル基を含有する化合物は、例えばシランカップリング剤として知られている、分子中に加水分解性シリル基とアミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、メタクリル基、ビニル基、メルカプト基に代表される有機反応基を有する有機ケイ素化合物と、該有機反応基と化学的に反応する官能基を有する防藻薬剤とを反応させることにより合成することができる。このような反応の具体例としては、下記一般式で表わされるイソシアネート基含有アルコキシシランと水酸基、1級又は2級アミノ基、メルカプト基、アミド基、尿素基等の活性水素を含有する防藻薬剤との反応が示される。
Figure 0004711072
(式中、R6,R7及びpは上記と同様の意味を示し、Zは防藻薬剤残渣である。)
これらの加水分解性シリル基含有化合物は、単独でも防藻剤として薬効を示すが、効果の持続性から、本発明のベースポリマーであるジオルガノポリシロキサン、オルガノポリシロキサンブロック共重合体と組み合わせて使用することが好ましい。
(C)成分の添加量は、少なすぎると目的とする防藻性能が得られ難くなるおそれがあり、多すぎても、もはやそれ以上の防藻性能の向上は得られず、むしろ本発明の組成物によって形成される被膜の耐久性が低下する場合があるので、(A)オルガノポリシロキサン/(C)防藻剤の割合が質量比で99.9/0.1〜90/10であることが好ましく、特に99.5/0.5〜95/5であることが好ましい。
[その他の配合成分]
本発明の組成物中には、硬化をより促進させるための触媒を添加してもよい。このような硬化用触媒としては、縮合硬化型の室温硬化性組成物に使用されている種々のものを使用することができ、具体例として、鉛−2−エチルオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジラウレート、ブチル錫−2−エチルヘキソエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、亜鉛−2−エチルヘキソエート、カプリル酸第1錫、ナフテン酸錫、オレイン酸錫、ブタン酸錫、ナフテン酸チタン、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛等の有機カルボン酸の金属塩;テトラブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、テトラ(イソプロペニルオキシ)チタネート等の有機チタン酸エステル;オルガノシロキシチタン、β−カルボニルチタン、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラ(アセチルアセトナート)等の有機チタン化合物、有機チタンキレート;アルコキシアルミニウム化合物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン;ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合物及びその塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、臭酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩;ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン;下記式:
Figure 0004711072
等のグアニジン化合物及びグアニジル基含有シラン若しくはシロキサン等を挙げることができる。これらは単独でも2種以上を組合わせても使用することができる。
上記硬化用触媒を用いる場合、その使用量は特に制限されず、触媒としての有効量でよいが、通常、(A)成分100質量部に対して0.01〜20質量部であることが好ましく、特に0.1〜10質量部であることが好ましい。この触媒を用いる場合、この触媒の含有量が上記範囲の下限未満の量であると、架橋剤の種類によっては得られる組成物の硬化性が不十分となるおそれがあり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られる組成物の貯蔵安定性が低下するおそれがある。
また、本発明の組成物には、補強又は増量の目的で充填剤を用いてもよい。このような充填剤としては、例えば、煙霧質シリカ、沈殿シリカ等の親水性シリカ、これらのシリカ表面をヘキサメチルジシラザン又は環状ジメチルシロキサン、ジメチルジクロロシラン等で疎水化処理したシリカ、石英、けいそう土、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉛、酸化鉄、カーボンブラック、ベントナイト、グラファイト、炭酸カルシウム、マイカ、クレイ、ガラスビーズ、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、ガラス繊維、ポリ塩化ビニルビーズ、ポリスチレンビーズ、アクリルビーズ等を挙げることができる。これらの中でも、BET比表面積が10m2/g以上、特に50〜500m2/gである親水性シリカ及び/又は疎水性シリカを用いることが好ましい。
上記充填剤を用いる場合、その使用量は特に制限されるものではないが、通常、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、特に5〜30質量部であることが好ましい。これらの充填剤を用いる場合、この充填剤の含有量が上記範囲の下限未満の量であると、硬化後のゴム物性が低下するおそれがあり、一方、上記範囲の上限を超えると、組成物の粘度が高くなりすぎて混合及び施工時の作業性が悪くなるおそれがある。
なお、本発明で使用される組成物には、必要に応じて可塑剤、顔料等の着色剤、難燃性付与剤、チキソトロピー剤、防菌・防バイ剤、アミノ基、エポキシ基、チオール基等を有する、いわゆるカーボンファンクショナルシラン(例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやアミノプロピルトリエトキシシランなど)等の接着向上剤等の所定量を、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜添加配合することは何ら差し支えない。
本発明の組成物は、上記成分を常法に準じて混合することにより調製することができる。また、このようにして得られた組成物の硬化条件としては、常温で硬化するものであり、特に限定されるものではない。
本発明の組成物は、上述した(A)成分、(B)成分及び(C)成分の所定量を均一に混合することによって得ることができるが、これには溶媒を添加することもでき、この溶媒としては、メタノール,エタノール,イソプロパノール,n−ブタノール,s−ブタノールなどのアルコール類、n−ヘキサン,シクロヘキサン,n−オクタンなどの脂肪族炭化水素、トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル,酢酸プロピル,酢酸ブチルなどのエステル類、ケロシン,石油エーテル,リグロイン,ソルベントナフサ,灯油などの多成分混合溶媒などからなる有機溶媒、更には水などが例示される。なお、溶媒は1種のみを使用しても2種以上の混合系でもよい。
本発明の防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、セメントコンクリート、モルタル、ブロック、スレート、レンガ、タイル、瓦、石材、石コウなどの無機系材料の防水処理用に有用である。これらの材料に本発明組成物を施工する場合は、この組成物を被処理物の表面に刷毛塗り、ローラー塗り、流し塗り、浸漬塗りしたり、スプレー塗布することによって行うことができる。この場合、その塗布量は被処理物1m2当りこの組成物を1〜1,000g、より好ましくは10〜200g含浸処理すればよく、防水性、耐久性の優れたオルガノシロキサン塗膜となり、(C)成分の防藻剤成分により防藻性が付与されるので、防藻性の優れた防水性をもつ無機系材料を容易に得ることができるという有利性が与えられる。
更に、本発明の組成物を用いて被処理物の表面を処理する場合、(A)成分のベースポリマーとして、式(1)で表されるジオルガノポリシロキサンを用いた組成物にて処理し、次いで、この処理表面上に更に(A)成分のベースポリマーとして、オルガノポリシロキサンブロック共重合体を用いた組成物にて処理すると、基材との密着性を損なわず、塗膜の耐水性が向上するため、耐久性が優れた塗膜となるためにより好ましい。
以下、参考例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部及び%はそれぞれ質量部と質量%を示したものであり、粘度は回転粘度計により測定した25℃での測定値を示したものであり、比表面積はBET法により測定したものである。
[ブロック共重合体の合成例1]
平均重合度35のクロロ末端ジメチルポリシロキサン100g、フェニルトリクロロシラン148g、フェニルメチルジクロロシラン14.7g、及びトルエン200gを混合して溶液を調製した。このクロロシラン溶液を攪拌しながら、トルエン43gを水850gに分散させた液中に滴下した。この間に反応温度が20℃から50℃に上昇した。滴下終了後、更に1時間攪拌を続けた。次いで、攪拌を停止し、反応系を酸性の水層とシロキサン層とに分離させ、該水層を取り除いた。シロキサン層を水で中性になるまで洗浄し、更に硫酸ナトリウム30gを加え、2時間攪拌して脱水を行った。硫酸ナトリウムをろ別後、分子末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサンブロック共重合体(A−1)を得た。この共重合体(A−1)における各ブロック(a),(b)及び末端単位(c)、並びにそれらの含有量を表1に示す。但し、表中のPhはフェニル基を示す。
[ブロック共重合体の合成例2]
平均重合度が20のクロロ末端ジメチルポリシロキサンを使用し、且つフェニルメチルジクロロシランの使用量を5.4g及びフェニルトリクロロシランの使用量を114gとした以外は、合成例1と全く同様にして分子末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサンブロック共重合体(A−2)を得た。この共重合体(A−2)における各ブロック(a),(b)及び末端単位(c)、並びにそれらの含有量を表1に示す。
Figure 0004711072
参考例1]
25℃において粘度が1,500mPa・sのα,ω−ジヒドロキシ−ジメチルポリシロキサン90部、比表面積が200m2/gの煙霧状シリカ10部を均一に混合し、150℃で2時間加熱減圧混合した。これにビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン12部と、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1部を減圧下で均一になるまで混合した。更に、キシレン30部、下記防藻剤5部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
Figure 0004711072
参考例2]
参考例1の防藻剤を下記防藻剤に変更したこと以外は、参考例1と同様にして組成物を調製した。
Figure 0004711072
参考例3]
25℃において粘度が20,000mPa・sのα,ω−ジヒドロキシ−ジメチルポリシロキサン50部、結晶性シリカ25部、炭酸カルシウム(商品名 ホワイトンSSB)を均一に混合した。これにメチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン6部と、ジブチル錫ジラウレート0.1部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1部を減圧下で均一になるまで混合した。更に、キシレン30部、参考例1と同じ防藻剤5部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
[実施例
合成例1で合成したオルガノポリシロキサンブロック共重合体(A−1)にビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン10部と、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1部を減圧下で均一になるまで混合した。更に、参考例1と同じ防藻剤5部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
[実施例
合成例2で合成したオルガノポリシロキサンブロック共重合体(A−2)にビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン15部と、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1部を減圧下で均一になるまで混合した。更に、参考例1と同じ防藻剤5部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
[実施例
参考例3で調製した組成物と、実施例で調製した組成物を使用した。
[比較例1]
参考例1の防藻剤を使用しないこと以外は、参考例1と同様にして組成物を調製した。
[比較例2]
参考例1の防藻剤を20%イソプロピルアルコール溶液に調整した。
[比較例3]
参考例2の防藻剤を20%イソプロピルアルコール溶液に調整した。
上記の参考例、実施例及び比較例で得た組成物を、モルタルに硬化膜厚が100μmになるように塗装して試験塗板とした。なお、実施例においては、参考例3で調製した組成物を100μmとなるようにコーティングした上に、更に実施例で調製した組成物を100μmとなるようにコーティングし、硬化膜厚の合計が200μmになる試験塗板を得た。このように作製した試験塗板を、23℃,50%RHの条件で7日間かけて硬化させた。
<性能試験>
以上のように調製された試験体の藻類に対する効果試験を以下の通り行った。これらのサンプルについての防藻性能の結果を表2に示す。また、比較として無処理のモルタルについてのデーターも掲載した。
試験方法:
殺菌シャーレに無機塩寒天培地を流し込み、培地固化後、試験体を中央部に置く。
藻類懸濁液を試験体が浸漬するまで試験体上及び培地上に撒き掛ける。
25±1℃の小型温室中で4週間培養し、藻類の汚染程度を調査する。
前処理:
40℃温水浸漬1週間+80℃乾燥2時間
供試藻類:
緑藻類 クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、
ホルミディウムs.p.(Hormidium s.p.)
藍藻類 アナベナ(Anabaena)
判定基準:
− :試験片上に藻の汚染が認められない。
± :試験片上に藻の汚染が僅かに認められる。
+ :試験片上に藻の汚染が全体の1/3以下。
++ :試験片上に藻の汚染が全体の1/3を超え2/3以下。
+++ :試験片上に藻の汚染が全体の2/3を超える。
耐久性:
試験片をサンシャインウェザーメーター(スガ試験機製)中に500時間、1,000時間及び2,000時間曝露させ、続いて水道水中に28日間全面浸漬させた後、防藻試験を行った。
Figure 0004711072
表2の結果より、本発明組成物が優れた吸水防止性能、防藻性能を有していることが認められた。

Claims (5)

  1. (A)ベースポリマーとして、(a1)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基及び/又は加水分解性基を有し、下記式(2):
    (R 1 2 SiO 2/2 x (2)
    (式中、R 1 は脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、xは3〜150の整数である。)
    で表されるシロキサンブロックを有すると共に、次式(3):
    2 SiO 3/2 (3)
    (式中、R 2 は炭素原子数6〜12の置換又は非置換のアリール基もしくはアルカリール基を示す。)
    の平均単位式で表され且つケイ素原子数が3〜150のシロキサンブロックを30〜80質量%有し、下記式(4):
    3 4 2 SiO 1/2 (4)
    (式中、R 3 は水酸基又は加水分解性基であり、R 4 は脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基を示す。)
    で表される単位により分子末端の少なくとも一部が封鎖されたオルガノポリシロキサンブロック共重合体
    (B)加水分解性基を1分子中に2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、及び
    (C)下記式(6)及び(7)で示される化合物から選ばれる防藻剤
    Figure 0004711072
    (但し、式中R 6 ,R 7 はそれぞれ炭素数1〜4の1価炭化水素基、pは0,1又は2である。)
    を配合してなる防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物。
  2. (A)ベースポリマーとして、(a2)下記一般式(1)で表される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基及び/又は加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン、
    Figure 0004711072
    (式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基、Aは独立に酸素原子又は炭素原子数1〜8の2価炭化水素基、Yは独立に水酸基又は加水分解性基であり、mは0〜2の整数、nは25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sとなる数である。)
    (B)加水分解性基を1分子中に2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、及び
    (C)下記式(6)及び(7)で示される化合物から選ばれる防藻剤
    Figure 0004711072
    (但し、式中R 6 ,R 7 はそれぞれ炭素数1〜4の1価炭化水素基、pは0,1又は2である。)
    を配合してなる防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物を構造物表面に塗布し、次いでこの被膜上に請求項記載の組成物を塗布し、硬化させることを特徴とする防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物のコーティング方法。
  3. 請求項記載の防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化物でコーティングされた構造物。
  4. (A)ベースポリマーとして、(a2)下記一般式(1)で表される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基及び/又は加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン、
    Figure 0004711072
    (式中、Rは独立に非置換又は置換の1価炭化水素基、Aは独立に酸素原子又は炭素原子数1〜8の2価炭化水素基、Yは独立に水酸基又は加水分解性基であり、mは0〜2の整数、nは25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sとなる数である。)
    (B)加水分解性基を1分子中に2個以上有するシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、及び
    (C)下記式(6)及び(7)で示される化合物から選ばれる防藻剤
    Figure 0004711072
    (但し、式中R 6 ,R 7 はそれぞれ炭素数1〜4の1価炭化水素基、pは0,1又は2である。)
    を配合してなる防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化物が構造物表面に被覆され、この被膜上に請求項記載の防藻性縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物の硬化物が積層されてなる構造物。
  5. 構造物が、海中構造物である請求項又は記載の構造物。
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