JP2025136331A - リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法

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Abstract

【課題】水熱反応を利用しつつ、簡易な方法でありながらも、用いる原材料の選択の幅を広げることのできる、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
【解決手段】式(A):LiMnFePOで表されるリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であって、次の工程(I)~(IV):
(I)リン酸化合物、硫酸、及び水の混合液に、リチウム化合物、並びに少なくともマンガン源及び/又は鉄源を含む金属源を添加して攪拌し、水溶液iを得る工程
(II)得られた水溶液iにpH調整剤xを添加して攪拌し、pH10以上の混合液iiを得る工程
(III)得られた混合液iiにpH調整剤yを添加して攪拌し、pH6~8の混合液iiiを得る工程
(IV)得られた混合液iiiを水熱反応に付す工程
を備える、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、品質に依ることなく幅広い種類の原材料を用いることのできる、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
オリビン型構造を有するLi(Fe,Mn)PO等の化合物からなる正極活物質は、リチウムイオン二次電池の正極材料としての有用性が高いことで知られている。かかる正極活物質を得るにあたり、粒子の微細化や工程の簡略化を容易に図ることが可能な、水熱反応を利用した製造方法が多々採用されている。
こうしたなか、更なる改善を図るべく、水熱反応を利用した種々の製造方法が開発されている。例えば、特許文献1には、水熱反応に付した後の粒子を用いて粘度とpHを調製したスラリーを作製し、これを造粒する製造方法が開示されている。
特開2013-149602号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の技術であると、別途スラリーを造粒する工程を要するだけでなく、必然的に高品質な原材料を用いることが要求されることからして、未だ充分に改善の余地がある。
したがって、水熱反応を利用しつつ、簡易な方法でありながらも、用いる原材料の選択の幅を広げることのできる、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、水熱反応に付す前の混合液について、予め2段階にわたってpH調整することにより、高品質な原材料を用いることに限られることなく、リチウムイオン二次電池用正極活物質を得ることのできる製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、下記式(A):
LiMnFePO・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Al、Ti、Cu、Zn、Nb、Co、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b、c、及びxは、0<a≦1.2、0≦b≦1.2、0≦c≦1.2、0≦x≦0.3、及びb+c≠0を満たし、かつa+(Mnの価数)×b+(Feの価数)×c+(Mの価数)×x=3を満たす数を示す。)
で表されるリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であって、次の工程(I)~(IV):
(I)リン酸化合物、硫酸、及び水の混合液に、リチウム化合物、並びに少なくともマンガン源及び/又は鉄源を含む金属源を添加して攪拌し、水溶液iを得る工程
(II)得られた水溶液iにpH調整剤xを添加して攪拌し、pH10以上の混合液iiを得る工程
(III)得られた混合液iiにpH調整剤yを添加して攪拌し、pH6~8の混合液iiiを得る工程
(IV)得られた混合液iiiを水熱反応に付す工程
を備える、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法を提供するものである。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法によれば、水熱反応を利用しつつ、2段階にわたる混合液のpH調整を行うことによって、中間物質を得る処理を介することのない簡易な製造方法でありながら、高品質な原材料に限られず安価な原材料を積極的に用いることができ、効果的なコストダウンを図ることが可能である。
XRDパターンの解析結果を示すパターン図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、下記式(A)で表されるリチウムイオン二次電池用正極活物質を得るための製造方法である。
LiMnFePO・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Al、Ti、Cu、Zn、Nb、Co、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b、c、及びxは、0<a≦1.2、0≦b≦1.2、0≦c≦1.2、0≦x≦0.3、及びb+c≠0を満たし、かつa+(Mnの価数)×b+(Feの価数)×c+(Mの価数)×x=3を満たす数を示す。)
上記式(A)中、aについては、0.6≦a≦1.2が好ましく、0.65≦a≦1.15がより好ましく、0.7≦a≦1.1がさらに好ましい。bについては、0.4≦b≦0.8が好ましい。cについては、0.2≦c≦0.6が好ましい。xについては、0≦x≦0.2であってもよく、さらに0≦x≦0.15であってもよく、0≦x≦0.1であってもよい。またMは、放電容量をさらに高め得る観点から、さらにMg、Al、Ti、Zn、Nb、Co、Zr、又はGdであってもよい。
具体的には、例えばLiMnPO、LiFePO、LiMn0.3Fe0.7PO、LiMn0.4Fe0.6PO、LiMn0.45Fe0.55PO、LiMn0.7Fe0.3PO、LiMn0.9Fe0.1PO、LiMn0.8Fe0.2PO、LiMn0.75Fe0.15Mg0.1PO、LiMn0.75Fe0.19Zr0.03PO、LiMn0.6Fe0.4PO、LiMn0.5Fe0.5PO、Li1.2Mn0.63Fe0.27PO、Li0.6Mn0.84Fe0.36PO等が挙げられる。なかでも、LiMn0.8Fe0.2PO、LiMn0.4Fe0.6PO、LiMn0.45Fe0.55PO、LiMn0.7Fe0.3PO、LiMn0.6Fe0.4PO、Li1.2Mn0.63Fe0.27POが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法は、上記式(A)で表されるリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であって、次の工程(I)~(IV):
(I)リン酸化合物、硫酸、及び水の混合液に、リチウム化合物、並びに少なくともマンガン源及び/又は鉄源を含む金属源を添加して攪拌し、水溶液iを得る工程
(II)得られた水溶液iにpH調整剤xを添加して攪拌し、pH10以上の混合液iiを得る工程
(III)得られた混合液iiにpH調整剤yを添加して攪拌し、pH6~8の混合液iiiを得る工程
(IV)得られた混合液iiiを水熱反応に付す工程
を備える製造方法である。
工程(I)は、リン酸化合物、硫酸、及び水の混合液に、リチウム化合物、並びに少なくともマンガン源及び/又は鉄源を含む金属源を添加して攪拌し、水溶液iを得る工程である。
用い得るリン酸化合物としては、オルトリン酸(H3PO4、リン酸)、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等が挙げられる。なかでもリン酸を用いるのが好ましい。
用い得る硫酸としては、リン酸化合物の溶解性を高める観点から、濃硫酸が好ましく、さらに濃度が96%質量以上の濃硫酸が好ましい。
工程(I)では、まずこれらリン酸化合物、硫酸、及び水を混合して混合液を調製する。これらを混合するにあたり、リン酸化合物が良好に溶解していれば特に制限されないが、例えば混合の時間は、好ましくは10分以上であり、より好ましくは10分~2時間である。
ここで得られる混合液における固形分量は、続く工程を効率的かつ効果的に経る観点から、混合液100質量%中に、好ましくは0.1質量%~20質量%であり、より好ましくは1質量%~15質量%であり、さらに好ましくは3質量%~10質量%である。
なお、混合液の固形分量は、原材料として水和物等を用いた場合のように、用いた原材料自体に水分を含む場合は、その量を除いた量であり、用いた原材料の添加量の合計から換算して求めることができる。
次いで工程(I)では、上記混合液に、リチウム化合物、並びに少なくともマンガン源及び/又は鉄源を含む金属源を添加して攪拌し、水溶液iを得る。
用い得るリチウム化合物としては、水酸化物(例えばLiOH・H2O、LiOH)、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩が挙げられる。なかでも、水酸化物が好ましい。
用い得るマンガン源としては、シュウ酸金属塩、硫酸金属塩、金属塩化物、及びこれらの水和物から選ばれる1種又は2種以上のマンガン化合物、或いは金属マンガンが挙げられる。また、かかる金属マンガンとして、マンガンを含む鉱石を用いることもでき、精鉱に限られず、低品位の粗鉱であってもよい。かかる鉱石におけるマンガン含有率としては、40%~100%であれば、本発明において好適に用いることができる。かかるマンガン含有率は、より具体的には、例えば80%~100%であってもよく、60%~80%であってもよく、40%~60%であってもよい。なお、マンガン含有率とは、鉱石中におけるマンガン化合物の含有率を示す値を意味する。
かかるマンガンを含む鉱石としては、例えば、酸化マンガン鉱、金属マンガン鉱、菱マンガン鉱、ハウスマン鉱、ペンウィス石、ブラウンマンガン鉱、軟マンガン鉱、バラ輝石、テフロ石、及びベメント石等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
用い得る鉄源としては、シュウ酸金属塩、硫酸金属塩、金属塩化物、及びこれらの水和物から選ばれる1種又は2種以上の鉄化合物、或いは金属鉄が挙げられる。また、かかる金属鉄として、鉄を含む鉱石を用いることもでき、精鉱に限られず、低品位の粗鉱であってもよい。かかる鉱石における鉄含有率としては、40%~100%であれば、本発明において好適に用いることができる。かかる鉄含有率は、より具体的には、例えば80%~100%であってもよく、60%~80%であってもよく、40%~60%であってもよい。なお、鉄含有率とは、鉱石中における鉄化合物の含有率を示す値を意味する。
かかる鉄を含む鉱石としては、例えば、酸化鉄鉱、含水酸化鉄鉱、炭酸鉄鉱、及び硫化鉄鉱等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
また、マンガン及び鉄の双方を含む鉱物として、含マンガン鉄鉱を用いることもできる。
さらに、これらマンガン源及び鉄源以外の金属(M:Mは式(A)中のMと同義)源を適宜用いてもよく、マンガン源及び鉄源と同様、金属(M)を含む鉱石を用いることもできる。
リチウム化合物、並びに少なくともマンガン源及び/又は鉄源を含む金属源を添加して攪拌するにあたり、かかる攪拌時間は、これら添加した原材料を良好に溶解させる観点から、好ましくは1分~24時間であり、より好ましくは5分~10時間であり、さらに好ましくは10分~1時間である。
また、リチウム化合物、並びに少なくともマンガン源及び/又は鉄源を含む金属源を添加するにあたり、一括して添加してもよいが、続く工程を効率的かつ効果的に経る観点から、望ましくはこれら各原材料の溶解性を一層高めてすべて完全溶解してなる水溶液iを得る観点から、順次原材料を添加し、かつ一原材料を添加するごとに攪拌した後、次なる原材料を添加するのが望ましい。
例えば、リチウム化合物、マンガン源、鉄源の順に添加する場合、リチウム化合物を添加した後の攪拌時間を0.5時間~24時間とするのが好ましく、1時間~2時間とするのがより好ましい。次いで、これにマンガン源を添加した後の攪拌時間を0.16時間~24時間とするのが好ましく、1時間~2時間とするのがより好ましい。そして、これに鉄源を添加した後の攪拌時間を0.16時間~24時間とするのが好ましく、1時間~2時間とするのがより好ましい。
水溶液iは、リン酸1モルに対し、リチウムを2.0モル~4.0モル含有するのが好ましく、2.0モル~3.1モル含有するのがより好ましく、このような量となるよう、適宜各原材料を添加すればよい。
また、水溶液iにおける固形分量は、続く工程を効率的かつ効果的に経る観点から、水溶液i100質量%中に、好ましくは10質量%~30質量%であり、より好ましくは15質量%~25質量%である。
なお、工程(I)において、従来多くの製造方法では、得られた上記水溶液iに適宜窒素をパージする処理等を施し、中間物質としてのリン酸三リチウム(Li3PO4)を形成させ、これを回収した後に水熱反応に付す工程に移行するが、本発明では、特段リン酸三リチウム(Li3PO4)等の中間物質を回収することなく、続く工程(II)~(III)を経た後に水熱反応(工程(IV))に付せばよい。
ただし、マンガン源や鉄源として、上記のような鉱石等の不要な不純物等をも含む原材料を用いる場合、工程(II)へ移行する前に、予め水溶液iからこれら不純物等を除去する処理、例えば、水溶液iにろ過処理等を施すのがよい。
工程(II)は、工程(I)で得られた水溶液iにpH調整剤xを添加して攪拌し、pH10以上の混合液iiを得る工程である。すなわち、かかる工程(II)が、水熱反応に付す(工程(IV))前の混合液を2段階にわたってpH調整する工程のうちの、最初の1段階目の工程である。
用いるpH調整剤xとしては、水酸化ナトリウムが好ましい。pH調整剤xの添加量は、上記所定のpHを有する混合液iiが得られればよく、特に制限されないが、例えば水溶液iの固形分量1質量部に対し、好ましくは1.05質量部~2.25質量部であり、より好ましくは1.5質量部~2.25質量部であり、さらに好ましくは1.5質量部~1.8質量部である。
得られる混合液iiのpHは、10以上であって、好ましくは10~14であり、より好ましくは10.5~11.5である。
pH調整剤xを添加した後の攪拌時間は、好ましくは10分~4時間であり、より好ましくは10分~1時間である。
工程(III)は、工程(II)で得られた混合液iiにpH調整剤yを添加して攪拌し、pH6~8の混合液iiiを得る工程である。すなわち、かかる工程(III)が、水熱反応に付す(工程(IV))前の混合液を2段階にわたってpH調整する工程のうちの、2段階目の工程である。
用いるpH調整剤yとしては、硫酸が好ましく、望ましくは各原材料が完全溶解したままの状態を確保する観点から、濃硫酸がより好ましく、さらに濃度が96%質量以上の濃硫酸がさらに好ましい。pH調整剤yの添加量は、上記所定のpHを有する混合液iiiが得られればよく、特に制限されないが、例えば混合液iiの固形分量1質量部に対し、好ましくは1.25質量部~2.7質量部であり、より好ましくは1.8質量部~2.7質量部であり、さらに好ましくは1.8質量部~2.2質量部である。
混合液iiにpH調整剤yを添加するにあたり、望ましくは各原材料が完全溶解したままの状態を確保する観点から、pH調整剤yを滴下するのが好ましい。pH調整剤yを滴下するにあたり、その滴下速度は、好ましくは0.1mL/分~50mL/分であり、より好ましくは0.1mL/分~20mL/分であり、さらに好ましくは0.1mL/分~5mL/分である。
また、pH調整剤yを滴下しながら攪拌するのが好ましい。pH調整剤yを滴下及び/又は攪拌を開始してから、これら滴下及び/又は攪拌を終了させるまでにかける時間は、好ましくは5分~3時間であり、より好ましくは10分~2時間であり、さらに好ましくは1時間~2時間である。
得られる混合液iiiのpHは、6~8であって、好ましくは6.2~7.8であり、より好ましくは6.6~7.2である。
また、上記工程(II)で得られた混合液iiのpHと、上記工程(III)で得られた混合液iiiのpHとの差(混合液iiのpH-混合液iiiのpH)は、続く工程(IV)における水熱反応を良好に促進させる観点から、好ましくは4.2~5.8であり、より好ましくは4.8~5.4である。
工程(IV)は、工程(III)で得られた混合液iiiを水熱反応に付す工程である。
水熱反応は、100℃以上であればよく、130℃~180℃が好ましい。水熱反応は耐圧容器中で行うのが好ましく、130℃~180℃で反応を行う場合、この時の圧力は0.3MPa~0.9MPaであるのが好ましく、140℃~160℃で反応を行う場合の圧力は0.3MPa~0.6MPaであるのが好ましい。水熱反応時間は0.1時間~48時間が好ましく、さらに0.2時間~24時間が好ましい。
水熱反応に付した後、ろ過した後に水で洗浄し、乾燥して生成物を単離するのがよい。乾燥手段は、凍結乾燥、真空乾燥が用いられる。
生成物を単離した後、焼成してリチウムイオン二次電池用正極活物質を得るのがよい。
焼成条件は、還元雰囲気又は不活性雰囲気中であるのが好ましく、焼成温度は、好ましくは500℃~1000℃であり、より好ましくは550℃~900℃であり、焼成時間は、好ましくは0.5時間~12時間であり、より好ましくは1時間~6時間である。
得られたリチウムイオン二次電池用正極活物質は、そのまま正極材料として用い、常法にしたがって、リチウムイオン二次電池を構築することができる。具体的には、例えばリチウムイオン二次電池用正極活物質と、アセチレンブラックやケッチェンブラック、ポリフッ化ビニリデン、N-メチル-2-ピロリドン等とを混練して正極スラリーを調製した後、集電体に塗工し、次いでプレス成形して正極を作製する。
かかる正極を適用できるリチウムイオン二次電池としては、正極と負極と電解液とセパレータ、若しくは正極と負極と固体電解質を必須構成とするものであれば特に限定されない。
ここで、負極については、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。例えば、リチウム金属、グラファイト、シリコン系(Si、SiOx)、チタン酸リチウム又は非晶質炭素等の炭素材料等を用いることができる。そしてリチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出し得るインターカレート材料で形成された電極、特に炭素材料を用いることが好ましい。さらに、2種以上の上記の負極材料を併用してもよく、例えばグラファイトとシリコン系の組み合わせを用いることができる。
電解液は、有機溶媒に支持塩を溶解させたものである。有機溶媒は、通常リチウムイオン二次電池の電解液に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。
支持塩は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF、LiBF、LiClO及びLiAsFから選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSOCF、LiC(SOCF及びLiN(SOCF、LiN(SO及びLiN(SOCF)(SO)から選ばれる有機塩、並びに該有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
セパレータは、正極及び負極を電気的に絶縁し、電解液を保持する役割を果たすものである。例えば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いればよい。
固体電解質は、正極及び負極を電気的に絶縁し、高いリチウムイオン電導性を示すものである。例えば、La0.51Li0.34TiO2.94、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO、LiLaZr12、50LiSiO・50LiBO、Li2.9PO3.30.46、Li3.6Si0.60.4、Li1.07Al0.69Ti1.46(PO、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO、Li10GeP12、Li3.25Ge0.250.75、30LiS・26B・44LiI、63LiS・36SiS・1LiPO、57LiS・38SiS・5LiSiO、70LiS・30P、50LiS・50GeS、Li11、Li3.250.95を用いればよい。
上記の構成を有するリチウムイオン二次電池の形状としては、特に制限を受けるものではなく、コイン型、円筒型、角型等種々の形状や、ラミネート外装体に封入した不定形状であってもよい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
水342.5mLにリン酸26.17mLを添加した後、これに96%濃硫酸を50mL添加し、0.5時間混合して混合液aを調製した。次いで得られた混合液aに水酸化リチウムを14.52g添加した後、水酸化リチウムが完全溶解するまで10分間撹拌を行って混合液a’を得た。
次に、得られた混合液a’に硫酸鉄10.74gを添加し、硫酸鉄が完全溶解するまで20分間撹拌を行った後、さらに硫酸マンガン23.66gを添加し、硫酸マンガンが完全溶解するまで20分間撹拌を行い、水溶液i-1(固形分量:25質量%)を調製した。
得られた水溶液i-1に水酸化ナトリウム(水溶液i-1の固形分量1質量部に対して1.6質量部)を添加して1時間撹拌を行い、pH12の混合液ii-1(固形分量:22質量%)を得た。次いで、得られた混合液ii-1に96%硫酸(混合液ii-1の固形分量1質量部に対して1.9質量部)を0.3mL/分の滴下速度にて滴下しながら1時間かけて攪拌し、pH7.2の混合液iii-1を得た。
得られた混合液iii-1を水熱反応(設定温度:180℃、設定圧力:1.0MPa、反応時間:1時間)に付した後、ろ過及び凍結乾燥に付して正極活物質A-1(Li0.96Mn0.53Fe0.47PO)を得た。
[実施例2]
実施例1で得られた混合液a’に金属鉄3.35gを添加し、金属鉄が完全溶解するまで1時間撹拌を行った後、さらに硫酸マンガン7.69gを添加し、硫酸マンガンが完全溶解するまで1時間撹拌を行い、ろ過して不純物を除去し、水溶液i-2(固形分量:25質量%)を調製した。
得られた水溶液i-2に水酸化ナトリウム(水溶液i-2の固形分量1質量部に対して1.6質量部)を添加して1時間撹拌を行い、pH12の混合液ii-2(固形分量:22質量%)を得た。次いで、得られた混合液ii-2に96%硫酸(混合液ii-2の固形分量1質量部に対して1.9質量部)を0.3mL/分の滴下速度にて滴下しながら1時間かけて攪拌し、pH7.2の混合液iii-2を得た。
得られた混合液iii-2を実施例1と同様の水熱反応に付した後、ろ過及び凍結乾燥に付して正極活物質A-2(Li0.96Mn0.65Fe0.35PO)を得た。
[比較例1]
実施例1で得られた混合液a’に硫酸鉄10.74gを添加し、硫酸鉄が完全溶解するまで1時間撹拌を行った後、さらに硫酸マンガン23.66gを添加し、硫酸マンガンが完全溶解するまで1時間撹拌を行い、水溶液e-1(固形分量:25質量%)を調製した。
得られた水溶液e-1に水酸化ナトリウム(水溶液e-1の固形分量1質量部に対して0.8質量部)を添加して1時間撹拌を行い、pH7.2の混合液e-2(固形分量:23質量%)を得た。
得られた混合液e-2を実施例1と同様の水熱反応に付した後、ろ過及び凍結乾燥に付して正極活物質E-2(LiPO)を得た。
《XRDパターンの解析》
上記で得られた実施例1における正極活物質について、X線回折装置(D8 ADVANCE A-25、BrukerAXS社製)を用い、ターゲットCuKα、管電圧40kV、管電流40mA、走査範囲10~70°(2θ)、ステップ幅0.023°、及びスキャンスピード0.13°/stepとして、XRDパターンを得た。
得られたXRDパターン図を図1に示す。
図1の結果より、実施例1において、不純物のない上記(A)で表されるリチウムイオン二次電池用正極活物質が得られたことがわかる。

Claims (7)

  1. 下記式(A):
    LiMnFePO・・・(A)
    (式(A)中、MはMg、Al、Ti、Cu、Zn、Nb、Co、Ni、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b、c、及びxは、0<a≦1.2、0≦b≦1.2、0≦c≦1.2、0≦x≦0.3、及びb+c≠0を満たし、かつa+(Mnの価数)×b+(Feの価数)×c+(Mの価数)×x=3を満たす数を示す。)
    で表されるリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であって、次の工程(I)~(IV):
    (I)リン酸化合物、硫酸、及び水の混合液に、リチウム化合物、並びに少なくともマンガン源及び/又は鉄源を含む金属源を添加して攪拌し、水溶液iを得る工程
    (II)得られた水溶液iにpH調整剤xを添加して攪拌し、pH10以上の混合液iiを得る工程
    (III)得られた混合液iiにpH調整剤yを添加して攪拌し、pH6~8の混合液iiiを得る工程
    (IV)得られた混合液iiiを水熱反応に付す工程
    を備える、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 工程(III)において、混合液iiにpH調整剤yを添加するにあたり、0.1mL/分~50mL/分の滴下速度で添加する請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. pH調整剤xが水酸化ナトリウムであり、かつpH調整剤yが硫酸である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 工程(I)において、用いるマンガン源のマンガン含有率が、40%~100%であり、用いる鉄源の鉄含有率が、40%~100%である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 工程(I)において、リン酸化合物、硫酸、及び水の混合液に、リチウム化合物、並びに少なくともマンガン源及び/又は鉄源を含む金属源を添加して攪拌するにあたり、その攪拌時間が、1分~24時間である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 工程(II)におけるpH調整剤xの添加量が、水溶液iの固形分量1質量部に対し、1.05質量部~2.25質量部である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 工程(III)におけるpH調整剤yの添加量が、混合液iiの固形分量1質量部に対し、1.25質量部~2.7質量部である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
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