JP2024525011A - 金属から成る反射体層に塗布された放射層を有する赤外線放射器及び放射層の使用 - Google Patents

金属から成る反射体層に塗布された放射層を有する赤外線放射器及び放射層の使用 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 公知の赤外線放射器は、金属から成る反射体層が塗布された放射器成形体を有している。このことから出発して、簡単かつ安価に、更に可能な限り長い期間にわたって高い電力密度で運転することができる赤外線放射器を特定するために、0.78μm~5μmの波長範囲にわたって、同じ波長及び温度における反射体層の放射率よりも少なくとも10倍大きい放射率を有する放射層が反射体層に塗布されることが提案される。【選択図】図1

Description

本発明は、金属から成る反射体層が塗布された放射器成形体を有する赤外線放射器に関する。
更に、本発明は、0.78μm~5μmの波長範囲において0.81~0.99の範囲にある放射率を有する放射層の使用に関する。
本発明の意味における赤外線放射器は、赤外線スペクトル領域の放射線を放射するように設計される。これらの赤外線放射器は、放射器成形体を有しており、主放射波長に応じて、短波赤外線放射器、中波赤外線放射器及び長波赤外線放射器に分けることができる。短波赤外線放射器の主な放射波長は、0.78μm~1.4μmの範囲内にあり(=IR-A、定格温度1,800℃~3,450℃、IEC 62798:2014、セクション4、スペクトル放射による赤外線放射器の分類、表1)、中波赤外線放射器の主な放射波長は、1.4μm超~3μmの範囲内にあり(=IR-B、690℃~1,800℃)、長波赤外線放射器の主な放射波長は、3μm超~1mmの範囲内にある(=IR-C、<690℃)。
公知の赤外線放射器の典型的な放射器成形体は、円筒形状、例えば管、プレート又はタイル形状を有する。管状赤外線放射器は、例えば、U字形状又はリング形状に伸張又は湾曲されていてもよい。板状又はタイル形状の放射器成形体は、平坦であっても湾曲していてもよい2つの対向する側面を有する。
更に、公知の赤外線放射器は、放射エミッタ、例えば、放射器管内に配置された加熱テープ、又は加熱コイル、又は抵抗素子を備えており、これらは、例えば、板状の放射器成形体に塗布されるか、又はその中に組み込まれる。放射器成形体は、石英ガラス又はセラミックから製造されることが多い。放射器成形体は、放射エミッタを例えば機械的応力又は化学的応力から保護する役割を果たし、赤外線の放射及び放射の分配に寄与することができる。放射器管の形態の放射器成形体は、開いていても閉じていてもよい。後者の場合、放射エミッタを酸化から保護するために不活性ガスが充填されることが多い。
金属、例えば金、銀又はアルミニウムから成る反射体層が放射器成形体に塗布され、放射器成形体の表面を部分的に覆っている。また、放射器成形体は、赤外線を放射する放射面を有する。放射面と反射体層は互いに重なり合わず、これらは、放射器成形体の両側に規則的に配置されている。
赤外線放射器は、様々な工業製造プロセスにおいて加熱材料を加熱するために使用される。可能な限り大きい電力密度を有する赤外線放射器の動作が望ましいことが多い。
多くの場合、赤外線放射器は全ての空間方向に均一に放射線を放射すべきではないため、反射体は、既知の赤外線放射器と関連付けられることが多い。これにより、放射線放出は、特定の空間方向において減少し、他の空間方向において増加する。これは、外部の別個の反射体を用いて行うことができる。しかしながら、放射器成形体に塗布された反射体層を有する赤外線放射器は、特にコンパクトな設計を有する。例えば独国特許発明第10 2013 104 577 (B3)号から、放射器管に取り付けられた金反射体を備えた短波赤外線放射器が公知である。
金属、特に金から成る鏡面反射体層は、赤外線の反射に関して優れた特性を示す。更に、良好な機械的及び化学的安定性によっても特徴付けられる。しかしながら、金属層の制限された熱安定性は不利であることが判明している。これは、特に、赤外線放射器が大きな電力密度で作動されるべき場合に当てはまり、更に、反射体層は、既に高温で装填されている放射器成形体に塗布される。したがって、金から成る反射体層の損傷を回避するために、独国特許発明第40 22 100(C1)号に記載されているように、800℃を超える動作温度では反射体層を冷却することが通常必要である。しかしながら、そのような冷却は、大きな空間要件を伴う。更に、空冷又は水冷は、加熱材料の加熱を損なう可能性がある乱流が生じる可能性があるという欠点を有する。
したがって、従来技術では、金属から成る反射体層の代わりに、他の材料から成る層、例えば、独国特許出願公開第10 2006 062 166(A1)号で提案されているような不透明石英ガラスから成る反射体層が使用される。しかしながら、金属から成る指向性反射体層とは対照的に、不透明石英ガラスから成る層は拡散反射体として作用する。拡散反射体では、多重反射によって放射損失が生じる可能性があり、これは赤外線放射器の放射効率を損なう可能性がある。更に、金属から成る鏡面反射体層は、より薄い層厚を特徴とする。
技術的課題
金属製の反射体層が放射器成形体に塗布されている公知の赤外線放射器では、反射体層は制限された熱安定性を有している。赤外線放射器を十分に冷却しなければならない反射体層温度は、反射体層が製造される金属に依存する。金から成る反射体層の場合には800℃を超える反射体層温度から、銀から成る反射体層の場合には700℃を超える反射体層温度から、アルミニウムから成る反射体層の場合には400℃の反射体層温度から、冷却が必要である。したがって、高い電力密度、例えば、23mm×11mmの直径を有するツイン管に対して2×40=80W/cmを超える電力密度、又は10mmの直径を有する円形管に対して40W/cmの電力密度を有する既知の赤外線放射器の動作は、管フォーマットに応じて、大規模な冷却によってのみ可能である。
しかしながら、多くの産業用途に関して、可能な限り低いコストで可能な限り高い電力密度で赤外線放射器を動作させることができることが望ましい。したがって本発明の課題は、簡単かつ安価に、しかも可能な限り長い期間にわたって大きな電力密度で運転可能な赤外線放射器を提供することである。
更に、本発明は、0.78μm~5μmの波長範囲において放射率が0.81~0.99の範囲にある放射層の新規な使用を特定するという目的に基づく。
赤外線放射器に関して、この目的は、最初に述べたタイプの赤外線放射器から始まる本発明に従って、0.78μm~5μmの波長範囲にわたって、同じ波長及び温度での反射体層の放射率よりも少なくとも10倍大きい放射率を有する放射層が反射体層に塗布されることによって達成される。
金属から成る鏡面反射性の反射体層を備えた公知の赤外線放射器では、赤外線放射器を(付加的な冷却の有無にかかわらず)合理的な時間にわたって最大限に作動させることができる電力密度は、制限されている。この理由は、金属から成る反射体層の熱安定性が限られているためであり、この層は、それぞれの金属に応じた温度から金属粒子を蒸発させることによって分解現象を示す可能性がある。本発明は、反射体層のエネルギー放射を増加させることによって、すなわち反射体層を放射層で覆うことによって、金属粒子の蒸発を妨げるという考えに基づいている。これは、以下の考察に基づく:
放射線が物体に当たると、放射線は通過するか、反射されるか、又は吸収される。以下が適用される:
0.78μm~5μmの赤外線波長範囲において、金属から成る反射体層は、通常、高い反射率並びに低い吸収率及び透過率を有する。例えば、上述の波長範囲において、金から成る反射体層は、通常、0.95を超える反射率と、全体として0.05未満の吸収率及び透過率と、を示す。温度平衡では、吸収率αは放射率εに対応する。したがって、反射体層は、比較的低い放射率εを有する。しかしながら、放射率εは、放射器成形体及び赤外線放射器全体の温度に大きな影響を与える。これは、物体の放射率εが大きいほど、単位時間当たりにその周囲に再び放出することができるエネルギーが多くなり、その(動作)温度に影響を及ぼすからである。反射体層が、本発明により提案されるように、放射率εが反射体層の放射率よりも大きい放射層でコーティングされる場合、赤外線放射器の放射は全体的に増加し、その結果、赤外線放射器の表面は受動的に冷却される。反射体層及び放射層は共に、良好な放射を有する層複合体を形成し、この層複合体は全体として、反射体層単独よりも高い全体放射率を有する。反射体層は、放射器成形体に面する層複合体の下側の内側層である。放射層は、上側の外側層を形成する。放射層は、反射体層に対して放射増加効果を有する。結果として、
-赤外線放射器は、同じ温度に達するまで、より大きな電力を供給される、又は
-必要な冷却を減らすことができるように、赤外線放射器の温度は下げられる。これは特に、空冷又は水冷の場合に、照射プロセスに不利な影響を及ぼし得る対流が低減されるという利点を有する。
反射体層は、放射器成形体と放射層との間に配置されている。放射層は閉じられ、反射体層を覆うので、放射層は、反射体層からの粒子の蒸発を防止又は低減し、したがって放射器の耐用年数の延長に寄与する。
受動冷却に関しては、放射層の放射率εが、0.78μm~5μmの波長範囲にわたって、同じ波長及び温度における反射体層の放射率εよりも少なくとも10倍、好ましくは少なくとも25倍、特に好ましくは少なくとも40倍大きい場合に、良好な結果が達成される。
0.78μm~5μmの波長範囲は、短波、中波及び長波赤外線放射器の主放射波長を含む。したがって、0.78μm未満及び5μm超の波長範囲における倍率ずれは、赤外線放射器の反射体層上に放射層を使用する場合には、最大でもあまり重要ではない。黒色放射層は広い波長範囲にわたって良好な放射率εを規則的に示すので、反射体層は黒色放射層でコーティングされることが好ましい。
原則として、以下が適用される:放射層の放射率εが大きいほど、それでコーティングされた反射体層の放射が大きくなり、放射層の受動冷却効果が良くなる。
放射層の放射率εが、0.78μm~5μmの波長範囲において0.81~0.99の範囲にある場合、特に有利であることが証明されている。このような放射層は、高い放射率εを有する。放射率εが0.02である金から成る従来の反射体層に基づくと、これは40倍超に相当する。放射率εが0.05であるアルミニウムから成る従来の反射体層に基づくと、これは16倍に相当する。放射率εが0.03である銀から成る従来の反射体層に基づくと、これは27倍に相当する。このような放射層は、放射器成形体に塗布された反射体層の受動冷却に極めて適している。しかしながら、放射層の放射率εは有利には少なくとも0.85である。
放射層は有利には無機着色顔料を含有する。
放射層は、着色顔料又はその前駆物質を含有するコーティング材料から製造されることが好ましい。コーティング材料は、例えば、ペースト又はラッカーである。着色顔料は、熱的に安定であり、例えば堆積表面上に焼き付けることによって、固定される。着色顔料は、焼成中又は焼成前に、前駆物質の熱分解又は化学反応によって形成することもできる。
着色顔料は、広い波長範囲、例えば2,000nm~8,000nm、特に2,000nm~4,700nmにおいて放射率εが0.81以上であるか、又は狭い波長範囲、例えば約2,750nmにおいて放射率εが0.81以上、好ましくは少なくとも0.9である赤外線を放射する。
これに関連して、着色顔料が黒色鉱物粒子を含有し、アルカリを含まない場合に有利であることが証明されている。
好ましくは、放射層は、セラミックベース上の黒色ラッカー層である。可視波長範囲において黒色に見える着色顔料は、一般に、関連する赤外波長範囲の光も吸収(及び放射)する。着色顔料が、例えば銅クロマイト黒色スピネル又はマンガンフェライト黒色顔料などの黒色鉱物粒子を含有し、かつアルカリを含まない場合に有効であることが判明した。コーティング材料中にアルカリ性が存在しないことは、ガラス、特に石英ガラスから成る表面が、結果としてコーティング材料と接触して加熱されたときに失透しない、すなわち結晶化せず、その光学的品質を失わないという利点を有する。
放射層が不透明石英ガラスを含む場合に成功することが証明されている。
このような少なくとも部分的に不透明な石英ガラスは、独国特許出願公開第102004051846(A1)号に記載されており、「QRC」(石英反射コーティング)という名称で知られるようになった。これまでは、主として拡散反射性反射体層を製造するための材料として使用されてきた。QRC反射体層は、スリップ法によって製造され、スリップ法では、非晶質SiO粒子を含有する、高充填の、注入可能な、水性SiOスラリーが製造される。これは、スラリー層として基板上に塗布され、次いでスラリー層は乾燥され、およそ不透明な石英ガラス層を形成することによってガラス質にされる。
着色顔料含有コーティング材料に加えて不透明石英ガラスを含む放射層の場合、着色顔料含有コーティング材料及び不透明石英ガラスは、それらの放射率において互いに補い合い、不透明石英ガラスは、特に石英ガラス製の基体の場合、コーティング材料への接着促進剤として作用することができる。好ましくは、不透明石英ガラスが放射層の下層を形成し、着色顔料含有コーティング材料が放射層の上層を形成する。
不透明な石英ガラスから成る下層は、一方では、それ自体が反射体として機能し得、他方では、コーティング材料から成る上層の接着性の改善に寄与する。更に、下層はまた、赤外線の一部を吸収し、それを再び放射する。
一方で、コーティング材料から成る追加の上層は、関連する波長範囲における放射率εの増大を引き起こす。更に、それはまた、短波又は中波の一次放射線のより高い吸収を引き起こし、それによって赤外線放射器のより速い加熱(したがってより早い動作準備)を可能にする。
不透明な石英ガラスから成る下層は、一方では、短波又は中波の一次放射線に対して一定の透過性を示し、他方では、一次放射線に対して拡散反射体として作用することもできる。
放射層が、1μm~200μmの範囲、好ましくは30μm~100μmの範囲の層厚を有する場合に成功することが証明されている。
1μm未満の層厚では、放射層の受動冷却効果が失われる。200μmを超える層厚は、層状に繰り返し塗布することによってのみ製造することができる。同時に、放射層の厚さが増加するにつれて、動作中に温度差にさらされたときに放射層が剥離するリスクが増加する。したがって、これは、厚さが好ましくは0.1mm未満であり、好ましくは1μm~50μmの範囲であるコーティング材料から成る上層に適用される。
有利には、放射層は、少なくとも1,000℃、好ましくは少なくとも1,200℃の耐熱性を有する。放射層の良好な耐熱性は、反射体層の、したがって赤外線放射器のより長い耐用年数を伴うことが見出された。
管フォーマットに応じて、赤外線放射器は、有利には、標準条件下の非冷却状態において、最大80W/cmの電力密度を生成するように設計され、例えば、23mm×11mmの直径を有するツイン管の場合、最大80W/cmの電力密度を生成し、10mmの直径を有する円形管の場合、最大40W/cmの電力密度を生成するように設計される。
本発明の好ましい実施形態では、放射器成形体は、石英ガラス製の放射器管である。
放射器管は、好ましくは、加熱コイル又は加熱テープの形態の、電力接続を備えた放射エミッタを取り囲む。放射器管は、例えば円形、楕円形又は多角形の断面を有している、又はいわゆるツイン管放射器として設計されて、横向きの8の字形の断面を有している。放射器管の外壁は、例えば平滑である、又は粗面化されている。特に、短波赤外線放射器は、両側が閉じられたピストン形状の放射器管を有し、電源は、一端又は両端において引き出されている。
放射器管材料は、例えば石英ガラスであり、赤外線、特に約2,200~3,100nmの波長範囲の赤外線に対して比較的低い固有放射率を有する。放射器管は、一般に放射器管の側面に配置された放射面を有する。反射体層は、放射面の反対側にある。反射体層を放射層で完全にコーティングすることによって、反射体層は、より高い放射率に関して修正される。
例えば、放射面、反射体層及び放射層は各々、放射器管側面の部分領域を覆い、放射面は、反射体層の領域又は放射層の領域と重ならない。放射面、反射体層の領域、及び反射体領域に重なる放射層の領域が、側面全体を覆うように互いに補完する場合、有利である。
本発明の好ましい実施形態では、放射層は反射体層の少なくとも80%を覆う。しかしながら、放射層は反射体層を完全に覆うことが好ましい。これに関連して、放射層が全ての側で反射体層を越えて突出するように寸法決めされる場合、成功することが証明されている。これは、反射体層に対する放射層の意図しない、例えば製造関連の最小限の変位の場合であっても、反射体層が放射層によって完全に保護されることを確実にする。これにより、反射体層の熱安定性が向上する。
放射器管を使用する場合、放射面及び反射体層領域の両方並びに放射層の領域が各々、放射器管長手方向軸に平行に延在する直線側と、放射器管断面平面内に延在する湾曲側とを有し、直線側がそれぞれ放射器管の全長又はその一部にわたって延在する場合、有利であることが証明されている。湾曲側は、放射器管の長手方向軸の位置を、断面平面における中心角と、放射器管の外側半径と、を通る中心点として表すことができる。好ましくは、反射体領域は0°~270°の範囲の中心角にわたって延在しており、特に好ましくは0°~180°の範囲の中心角にわたって延在している。放射層の湾曲側が反射体層の湾曲側よりも5%大きい場合に有利であることが証明されており、放射層は、反射体層の両側に重なるように反射体層に対して配置される。
しかしながら、放射層によって覆われる領域は、好ましくは0°~275°、特に好ましくは0°~195°の中心角にわたって延在する。
石英ガラスから成る放射器管の形状の放射器成形体を有する赤外線放射器の実施形態の特に好ましい第2の変形例では、放射器管側面の少なくとも一部は、算術平均粗さRとして定義される表面粗さを有し、Rは0.5μm~5μmの範囲、好ましくは0.8μm~3.2μmの範囲であり、その第1の円周部分は反射体層によって覆われている。
0.8μmのR値を有する粗さは、粗さクラス6に対応し、典型的には粗削り中に生じ、3.2μmのR値は、粗面を規定する粗さクラス8に対応する。被覆管の側面は、好ましくは、反射体層又は放射層が塗布されるべき場所のみ粗面化される。粗面化は、特にラッカー又はペーストなどの着色顔料含有コーティング材料の形態の放射層の場合、反射体層及び放射層の接着性を改善する。表面の粗面化は、例えば、機械的又は化学的に、特に研削、サンドブラスト、又はエッチングによって行われる。5μmを超える高い表面粗さRの場合、放射面の光学的品質は、接着促進効果が著しく増大することなく、損なわれる。0.5μm未満の低い表面粗さRの場合、接着促進効果結果に大きく寄与しない。
赤外線放射器の別の特に好ましい変形形態では、タイルの形態の放射器成形体は、加熱されると赤外線を放射する材料から形成され、タイルは、対向する平坦面を有し、その一方の第1の平坦面は、反射体層及び放射層によって覆われ、他方の第2の平坦面は、放射面を画定する。第2の平坦面には、好ましくは、それに接続され、抵抗材料から成る加熱導体トラックに加熱電流を供給するための電気的接触が設けられる。
タイル形状の赤外線放射器は、一般的に大部分が二次元放射特性を有する面放射器である。タイル材料は、好ましくはセラミック、特にAl又はZrOである、又は元素状シリコン又は炭素が埋め込まれた複合材料、特に石英ガラスから成るマトリックスを含む。
タイル表面の可能なサイズは、材料の特性及び必要とされる寸法安定性に依存する。
いくつかのタイル材料は、温度が上昇するとその色を変化させる。これは、それらの放射率、したがって一次放射線のピーク放射波長がより短くなることを意味する。特に、顔料含有コーティング材料及び不透明石英ガラスは、例えば最大1,100℃の高温においてさえも、それらの放射率を失わない、又はほんのわずかしか失わない。
最後に、冒頭に述べたタイプの放射層の使用が、赤外線放射器の放射器成形体に塗布される金属製の反射体層の受動冷却のために提案される。
定義
放射率ε
その温度により、各物体は熱線を放出する。放射率εは、黒体と比較して物体がどれだけ多くの放射線を放出するかを示す。キルヒホッフの放射の法則によれば、任意の物体から生じる放射パワーは、同じ温度の黒体の放射パワーに任意の物体の放射率を乗じたものに等しい。以下が適用される:
P=ε・P、ただし、0≦ε≦1である。
ここで、Pは任意の物体の放射パワーであり、
は、同じ温度の黒体の放射パワーであり、
εは、任意の物体の放射率である。
放射率εは以下のように決定される:
室温における放射率は、積分球を用いて測定される。積分球は、指向性半球スペクトル反射率Rgh及び指向性半球スペクトル透過率Tghの測定を可能にし、そこから垂直スペクトル放射率が計算される。0.78μm~2.5μmの波長範囲における反射率及び透過率の測定は、例えば、Perkin Elmer Lambda 950格子分光計を使用して行うことができる。1.4μm~18μmの波長範囲では、例えば、Bruker IFS 66vフーリエ変換赤外(FTIR)分光計を使用することができる。
より高い温度での放射率の測定は、FTIR分光計によって、例えば、Bruker IFS 66vフーリエ変換赤外分光計(FTIR)を使用して0.7~5μmの波長範囲で行われ、これに、黒体境界条件(BBC)試料チャンバが追加の光学ユニットを介して結合される。試料ホルダの前後のハーフチャンバにおいて、試料チャンバは、温度制御可能な黒体環境と、検出器を有するビーム出力開口部とを有する。試料は、別個のオーブン内で所定の温度に加熱され、測定のために、所定の温度に設定された黒体環境を有する試料チャンバのビーム経路に導入される。検出器によって検出される強度は、放射成分、反射成分、及び透過成分から構成され、すなわち、試料自体によって放射される強度、前方ハーフチャンバから試料上に落ちて試料によって反射される強度、及び後方ハーフチャンバから試料上に落ちて試料によって透過される強度から構成される。放射率、反射率及び透過率の個々の変数を決定するために、3つの測定が実行されなければならない。
電力密度
電力密度は、「加熱長さ当たりの電力」(W/cm)の単位で測定され、光パワー(W/m)にほぼ100%変換される。
標準条件
298.15K(25℃、77°F)の温度及び100kPa(14.504psi、0.986atm)の絶対圧力が標準条件(SATP条件)として適用される。
全放射照度E
「全放射照度」光パワーともいうという用語は、垂直に入射する放射パワーの入射面に対する比を示す。それは単位W/mで測定される。
平均粗さR
算術平均粗さRは、EN ISO 25178に従って決定される。これがラインラフネスパラメータである。測定値Rを決定するために、規定された測定距離の表面領域が(細い針で)走査され、表面領域の高さ及び深さの全ての差が記録される。測定距離に対するこの粗さプロファイルの特定の積分を計算した後、結果を測定距離の長さで割る。
以下の例示的な実施形態及び図面を参照して本発明をより詳細に説明する。以下のものを詳細に示す。
図1は、金から成る反射体層及びそれに塗布された放射層を有する赤外線放射器の実施形態の断面図及び概略図である。 図2aは、金から成る反射体層及び放射層が塗布されたツイン管を有する赤外線放射器の実施形態の写真である。 図2bは、図2aの赤外線放射器の概略斜視図である。 図3は、異なる温度(25℃、200℃、600℃、800℃、900℃及び1,000℃)での放射層の放射率εを波長λの関数として示す図である。 図4は、黒色ラッカーでコーティングされた本発明による赤外線放射器の反射体側の温度プロファイルと、従来の赤外線放射器の反射体側の温度プロファイルとがプロットされた温度-時間図である。 図5は、黒色ラッカーでコーティングされた本発明による赤外線放射器の放射出口側の温度プロファイルと、従来の赤外線放射器の放射出口側の温度プロファイルとがプロットされた温度-時間図である。 図6は、黒色ラッカーでコーティングされた本発明による赤外線放射器の放射照度プロファイルと、従来の赤外線放射器の放射照度プロファイルと、がプロットされた放射照度-時間図である。 図7は、平坦な板状の放射器成形体を有する赤外線放射器の第2の実施形態である。 図8は、平坦な板状の放射器成形体を有する赤外線放射器の第2の実施形態である。
図1は、本発明による赤外線放射器を断面で概略的に示しており、この放射器には全体として参照符号1が割り当てられている。図は縮尺通りではなく、特に、構成要素の厚さは、認識性を改善するためにより厚く示され得る。
赤外線放射器1は、石英ガラスから成る放射器管2を有する。放射器管2は円筒形であり、長さ80mm、幅23mm、高さ11mmである。放射器管2は両端が閉じられている。放射器管2は、両側が閉じられており、タングステン加熱ワイヤ(図示せず)を取り囲んでおり、タングステン加熱ワイヤは、電気接続部を備えており、最大2,300℃の温度に加熱することができる。
放射器管2の側面には、金から成る反射体層3が半管状(180°)にコーティングされている。代替的な構成では、反射体層3はアルミニウム又は銀から成る。反射体層3の層厚は0.2μmであり、放射率は0.02である。これは、金でコーティングされた領域における放射率を減少させ、衝突する放射線の非常に良好な反射を引き起こし、その結果、加熱ワイヤによって放出される放射線は、実質的に、反射体層3が塗布されていない側面の方向に放射される。
更に、反射体層3は、セラミックベース上の黒色高温ラッカーから成る放射層4でコーティングされているので、反射体は視覚的に金色ではなく黒色に見える。
金から成るが、銀又はアルミニウムからも成る反射体層3を有する平滑な放射器管側面上では、放射層4は、特定の状況下では、高温で数百時間にわたって剥離する可能性がある。反射体層3へのラッカー層3の接着を改善するために、反射体層が塗布される前に放射器管表面が粗面化される。粗面化の領域6は破線で示されている。
粗面化は、サンドブラスト又は研削によって機械的に、又はエッチング溶液による処理によって化学的に行われる。石英ガラス表面を粗面化するための適切なエッチング溶液(NH+HF+酢酸)及びその適用は、独国特許第197 13 014(C2)号に記載されている。平均粗さ深さRは、好ましくは5μm~50μmの範囲であり、例示的な実施形態では、25μmである。
放射層4は、800℃以上に加熱されるとき、その黒色を保持し、したがって、その放射スペクトルも維持し、最大1,200℃の温度耐性がある。放射層4の放射率は0.9である。放射層4の厚さは40μm程度である。放射器管2のコーティングされていない側面は、赤外線放射器1の実際の放射面5を形成する。
600℃を超える反射体層温度では、反射体層3からの金の蒸発が既に起こり得る。赤外線放射器1において、反射体層3に塗布された放射層4は、2×40W/cmの電力密度での動作中に最大780℃まで加熱される。「吸収=放射」は、放射層4が吸収された放射線を再び同じ速さで高強度で放出するように適用される。その結果、赤外線放射器1の動作中、放射層4は、放射によって反射体層3を受動的に冷却し、したがって、反射体層3からの金粒子の蒸発に対抗し、蒸発バリア及び保護ラッカーとして機能する。放射層4は、赤外線放射器1の耐用年数を増加させるだけでなく、より高い電力密度を有する赤外線放射器1の動作中に放射パワーが安定したままであり、その結果、赤外線放射器1は、特に温度に敏感なプロセスにおいて有利に使用することができる。
金からの反射体層3の作製
反射体層3は、金含有エマルジョン(金レジネート)を、ブラシを用いて放射器管2の表面に塗布することによって製造される。続いて、エマルジョンが加熱により焼成される。焼成中に、金レジネートは金属金及び樹脂酸に分解し、樹脂酸はペーストの他の成分と同様に、高い焼成温度によって揮発させられる。残っているのは、反射体として作用する閉じた鏡面金層4であり、その厚さは、反射率要件に応じて、好ましくは50nm~300nmの範囲である。層が厚いほど、反射率は高くなる。
放射層4の作製
放射層4は、耐熱塗料を噴霧又はブラッシングすることによって形成される。耐熱塗料はアルカリを含まない。耐熱塗料は、アルミノケイ酸塩溶液(10~20wt%)、鉱物着色顔料としての銅クロマイト黒色スピネル(25~35wt%)、及び水(40~60wt%)を含有する。適切な耐熱塗料は、例えば、ULFALUX Lackfabrikation GmbH社及びAremco Products,Inc.社によってオーブン塗料として市販されており(例えば、Ulfalux(登録商標)-Thermobeschichtung 1590ST)、更なる有機成分として、キシレン、エチルアセテート、ブチルアセテート、エチルベンゼンが示される。
繰り返し塗装は、完全に閉じた層を確実にする。噴霧後、耐熱塗料は250℃で乾燥させられ、その時点で耐タッチ性である。最終状態は、ラッカー層3を1,200℃に加熱することによって達成される。このような加熱は、赤外線放射器を作動させるときに行うことができる。セラミック成分はランプ管の表面上に焼結され、固体物質間結合が生成され、その結果、放射層4は十分に耐スクラッチ性である。
図2aの写真は、本発明による赤外線放射器の更なる実施形態を示しており、全体として参照符号21が割り当てられている。赤外線放射器21は、互いに隣接して配置された2つの石英管から成るツイン管の形態の放射器管22を有する。石英管は各々、幅23mm、高さ11mm、長さ200mmである。それらは、それらの長手方向軸の方向に一緒に融着され、共に構成要素を形成する。ツイン管構造は、高い放射密度及び良好な機械的安定性を可能にする。ツイン管の2つの石英管は各々タングステン加熱ワイヤ(図示せず)を取り囲む。放射器管22は、その2つの管端部25a、25bで閉じられている。加熱テープは、加熱テープの電気的接触のための電気接続部26a、26bが放射器管端部25bの1つにおける圧着を介して放射器管22から引き出されるように、直列に接続される(図示せず)。反対側の放射器管端部25aは融着されている。
金層(見えない)が放射器管22に塗布され、放射層24でコーティングされる。金層の放射率は、780nm~5μmの波長範囲において0.02である。放射層24の放射率は0.85である。
図2bは、図2aの赤外線放射器21の構造を簡略化した斜視図で概略的に示す。図2aのように、図2bの実施形態において同じ参照符号が使用される限り、それらは、図2aの説明を参照して上記でより詳細に説明している、構造的に同一又は同等の構成要素及び部品を表す。
より良好な説明のために、放射器管端部25aの融着及び放射器管端部25bの圧着は、図2bでは省略され、代わりに、図2aでは見ることができない金層23、並びに炭素加熱テープ28a、28b及びそれらの電気的接触が示されている。
炭素加熱テープ28a、28bは直列に接続されている。それらの電気的接触は、炭素加熱テープ28a、28bのうちの1つに各々導電的に接続された電気接続部26a、26bを介して行われる。電気接続部26a、26bの領域における放射器管23の圧着を可能にするために、電気接続部26a、26bには各々、好ましくはモリブデンから成る薄い金属板が設けられる。炭素加熱テープ28a、28bは、接続要素27を介して互いに導電接続されている。
金層23の層厚は、0.1μm~0.2μmである。それは、放射器管22の側面の約50%を覆う。放射層24は金層に塗布される。放射層24は金層を完全に覆い、放射器管22の側面の約55%を覆う。放射層は、以下の組成を有する黒色熱分散塗料の塗料層である:
アルミノシリケート溶液 15wt%
銅クロマイト黒色スピネル 30wt%
水 40wt%
揮発性有機成分 15wt%。
塗布及び乾燥の後、塗料層は焼き付けられ、約1,200℃の温度で焼結されて、40μmの層厚を有する黒色放射ラッカー層を形成する(ラッカー層及び耐熱塗料の製造及び特性は、図1を参照して説明される)。図3は、この放射層の放射率εが、波長λの関数として、異なる温度(25℃、200℃、600℃、800℃、900℃及び1,000℃)で示される図を示す。2つの曲線が温度25℃について示されており、曲線(a)は、ラッカー層の加熱前の発光プロファイルを反映しており、曲線(b)は、ラッカー層の1000℃への加熱及びその後の冷却後の放射プロファイルを反映している。
0.7μm~5μm、更には最大14μmの波長λを有する波長範囲にわたって、放射層は、前述の温度で0.85~0.98の範囲の放射率εを一貫して示す。したがって、前述の範囲の温度変化は、放射率のわずかな変化を伴う。放射率の変化が小さいと同時に良好な温度安定性と、特に金、銀又はアルミニウム製の金属層に対する良好な接着性とに起因して、前述の黒色放射層は、赤外線放射器の放射器管上での使用に適している。
図4の温度-時間図は、一方では金反射体を有する従来の赤外線放射器において、他方ではコーティングされた金反射体を有する本発明による赤外線放射器において、反射体側で検出された温度プロファイルを示す。
基本的に同じ構造を有する2つの赤外線放射器が、温度プロファイルを検出するために使用された。図2A及び図2Bに記載された赤外線放射器21が、本発明による赤外線放射器として使用された。金から成る反射体層23を有するが、放射層24を有さない構造的に同一の赤外線放射器は、従来の赤外線放射器として機能した。
温度は、高温計を使用して非接触方式で検出され、室温でt=0分の時点で関連する赤外線放射器のスイッチを入れて開始した。5分未満の後、両方の赤外線放射器は一定の動作温度に達する。
曲線プロファイル401は、放射層のない従来の赤外線放射器を用いて記録された。温度平衡では、動作温度Tss≒857℃である。
曲線プロファイル402は、本発明による赤外線放射器21を用いて記録されたものである。温度平衡では、動作温度Tss≒752℃である。したがって、本発明による赤外線放射器21の動作温度は、従来の赤外線放射器の動作温度の90%の値T90、sdT=771℃よりも低いままであり、これは、図において補助線403として示されている。本発明により提供される放射層24は、良好な放射線放出を示し、反射体のための受動冷却として作用する。比較のために、補助線404は、本発明による赤外線放射器21の動作温度の90%値(T90、Inv=677℃)を示す。また、曲線プロファイル402と補助線404との交点には、曲線プロファイル401と補助線403との交点よりも早く到達する。このことは、本発明による赤外線放射器21も従来の赤外線放射器よりも迅速に温度平衡に達することを示している。
図5は、更なる温度-時間図において、金の反射体を有する従来の赤外線放射器の場合と、コーティングされた金の反射体を有する本発明による赤外線放射器の場合との両方における、反射体側の反対側の放射出口側の温度プロファイルを示す。測定は、図4に関して既に説明したものと同じ測定構成で行われる。
曲線プロファイル501は、従来の赤外線放射器の放射出口側の温度を反映し、曲線プロファイル502は、本発明による赤外線放射器21の放射出口側の温度を反映する。反射体側の温度プロファイル(図4参照)と比較して、より低い動作温度が、温度平衡において放射出口側で達成される。これは、放射出口側が高い透過性を示し、結果として吸収される放射線が少ないためである。ここでの最大値は、TSS,SdT≒807℃、TSS,Inv≒736℃である。残りの部分に関しては、反射体層23に対する放射層24の同じ効果、すなわち受動冷却による赤外線放射器温度の低減が、放射出口側でも示される。
金から成る反射体層を有する赤外線放射器の光度は全ての側で同じではなく、放射出口の領域における光度のみが関連していると思われるので、90°~270°のハーフチャンバ、すなわち放射出口側における積分された全放射照度は、図6に示されたグラフにおいて動作時間に対してプロットされている。この目的のために、図2A及び図2Bを参照して上で詳細に説明したような赤外線放射器21と、放射層24を有さない構造的に同一の赤外線放射器とが、100Vの定格電圧UNennで2,250時間動作され、積分された全放射照度が各場合において決定された。曲線プロファイル601は、放射層24を有する赤外線放射器21について得られた。曲線プロファイル602は、従来の赤外線放射器を用いて得られた。ここで、従来の赤外線放射器における積分された全放射照度は、金反射体層が放射層で覆われている赤外線放射器におけるよりも、より迅速かつより強く減少することが分かる。したがって、放射層は、赤外線放射器の耐用年数の延長を伴う。耐久性試験は、ラッカー層又は赤外線放射器が、視覚的又は機能的な障害を起こすことなく、最大10,000時間の耐用年数を達成することができることを示した。
図7は側面図を示し、図8は全体として参照符号71が割り当てられた本発明による赤外線放射器の第2の実施形態の断面図を示す。赤外線放射器71は板状の放射器成形体72を有しており、この放射器成形体72は、石英ガラスから成るマトリックス72aと、マトリックス72aに設けられた導体トラック72cと、カバー層72bとを有している。
板状の放射器成形体72は、板厚2.5mmの矩形状であり、石英ガラスから成るマトリックス72aから成る。マトリックス72aは、視覚的に半透明から透明の効果を有する。顕微鏡で見ると、それは開放細孔を示さず、最大でも、平均して10μm未満の最大寸法を有する閉鎖細孔を示す。
導体トラック72cは、タンタルから製造されている。導体トラック72cは、1mmの幅及び20μmの厚さを有する少なくとも0.02mmの断面積を有する。導体トラックの両端では、タンタル製の接点72dが導体トラック72cに溶接されている。接点72dは、少なくとも0.5mmの断面積を有する。接点は、導体トラックよりも大きな断面積を有するので、導体トラック72cよりも低い電気抵抗を示し、したがって、電流が流れると、それらは導体トラック72cよりも弱く加熱される。したがって、接点は温度の低下を引き起こすので、接点72dを介した導体トラック72cの電気的接触が単純化される。
導体トラック72cは、ガラスから成るカバー層72bが、導体トラック72cが設けられたマトリックス72aの表面に設けられるという点で、マトリックス72aの導体トラックに固定して接続される。カバー層72bは、熱膨張係数がマトリックス72aの熱膨張係数と導体トラック72cの熱膨張係数との間の範囲にあるガラスから製造される。カバー層72bの平均層厚は1.8mmである。カバー層72bは、放射器成形体72の全加熱領域を覆っている。それは、導体トラック72cを完全に覆い、したがって、環境からの化学的又は機械的影響から導体トラック72cを遮蔽する。
60μmの層厚を有する金から成る反射体層73が、カバー層72bに設けられる。反射体層73は、100μmの層厚を有する放射層74でコーティングされている。これは、図1の実施形態の説明で述べたのと同じ耐熱塗料から成る。
赤外線放射器71の放射面は符号75で示されている。

Claims (11)

  1. 金属から成る反射体層(3、23、73)が適用された放射器成形体を有する赤外線放射器(1、21、71)であって、放射率が、同じ波長及び温度で、0.78μm~5μmの波長範囲にわたって、前記反射体層(3、23、73)の放射率よりも少なくとも10倍大きい放射層(4、24、74)が前記反射体層(3、23、73)に適用されることを特徴とする、赤外線放射器。
  2. 前記放射層(4、24、74)が、0.78~5μmの前記波長範囲において0.81~0.99の範囲にある放射率を有することを特徴とする、請求項1に記載の赤外線放射器(1、21、71)。
  3. 前記放射層(4、24、74)が、無機着色顔料を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の赤外線放射器(1、21、71)。
  4. 前記着色顔料が、黒色鉱物粒子を含有し、アルカリを含まないことを特徴とする、請求項3に記載の赤外線放射器(1、21、71)。
  5. 前記放射層(4、24、74)が、1μm~200μmの範囲の層厚を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の赤外線放射器(1、21、71)。
  6. 前記放射層(4、24、74)が、少なくとも1,000℃、好ましくは少なくとも1,200℃の耐熱性を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の赤外線放射器(1、21、71)。
  7. 前記放射層(4、24、74)が、前記反射体層(3、23、73)の少なくとも80%を覆うことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の赤外線放射器(1、21、71)。
  8. 標準条件下で冷却されていない状態において、最大120W/cmの電力密度を生成するように設計されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の赤外線放射器(1、21、71)。
  9. 前記放射器成形体が、石英ガラスから成る放射器管であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の赤外線放射器(1、21、71)。
  10. 金、銀又はアルミニウムから成る反射体層(3、23、73)が、前記放射器成形体に塗布されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の赤外線放射器(1、21、71)。
  11. 金属製であり、赤外線放射器(1、21、71)の放射器成形体に適用された反射体層(3、23、73)の受動冷却のための、0.78μm~5μmの波長範囲において、0.81~0.99の範囲内にある放射率を有する放射層(4、24、74)の使用。
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