JP2024523465A - 計測対象、及びx線蛍光デバイスの較正を検証するための方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、計測対象(100)、及びX線蛍光デバイス(9)の較正を検証するための方法に関する。計測対象(100)は、主な本体(110)、及び主な本体(110)に配置された少なくとも1つのマーキング(112)を有する。このマーキングは、主な本体(110)とは異なる材料から形成される。マーキング(112)は、少なくとも一つの別の層(114)に割り当てられ、それは、X線放射(RS)が当たる際に、逸脱した強度(IS、IRf)(図1)を伴う電気放射を発する。【選択図】図1
Description
本発明は、計測対象、及びX線蛍光デバイスの較正を検証するための方法に関する。
中国特許第101551347号明細書は、X線蛍光デバイスにおけるX線放射のスポットの、当初整合のための較正標準器を提供している。この較正標準器は、互いに直角に整合された2つの長手方向の切込み部を伴うプレートとして設計されている。この較正標準器を、X線蛍光デバイスのテーブル上で移動させることによって、プレートの領域及び切込み部の領域で発せされたX線蛍光放射の強度が、X線放射のスポットを整合させるために検出される。
独国特許発明第19836884号明細書は、X線蛍光分析における、計測スポットの強度データを判断する方法、及びサンプル部分も開示している。このサンプル部分は、周囲の物質と、この周囲の物質内に配置された明確な外形を伴うプローブと、から構成される。周囲の物質及びプローブの物質は、発せられたX線蛍光放射について同じ線減衰係数を有する。サンプル部分を計測テーブル上で移動させることによって、強度の中心と、X線蛍光源の計測スポットの外形との両方を判断することができる。
X線蛍光分析器は、特開2008-286554号明細書から知られている。カメラは、サンプルの計測テーブル上における位置を判断するために設けられ、サンプルの計測テーブル上における位置の画像は、X線蛍光分析器の蓋を閉じる前後に捕捉されて分析される。
X線蛍光分析器は、独国特許出願公開第10013012号明細書から知られている。X線蛍光分析を実施するための準備プロセスとして、サンプルが光学サンプル観察システムに位置付けられ、そこでこのサンプルは、X線ビームで照射される。判断プロセスとして、サンプルの画像が捕捉される。サンプル内で互いに隣接し、かつ各々が直線の接続部分を形成する物質A及び別の物質Bの、輝度が検出される。次にそれは、サンプルに照射されたX線ビームが、サンプルを部分的に通過するか否か、を判断される。
本発明の目的は、X線蛍光デバイスの較正を検証するための計測対象を提案することであり、この計測対象は、簡単かつ迅速な検証を可能にする。本発明の別の目的は、X線蛍光デバイスの較正を検証するための方法を提案することであり、この方法は簡単な方法で実施することができる。
この目的は、X線蛍光デバイスの較正を検証するための計測対象によって実現される。この計測対象は、主な本体、及びこの主な本体に配置された少なくとも1つのマーキングを備える。主な本体は、第1の物質から形成され、主な本体上またな中に設けられたマーキングは、第1の物質とは異なる第2の物質から形成される。さらに、主な本体がマーキングと整合された、少なくともいくらかの領域に層を有するよう、計測対象に提供される。この層及びマーキングが、少なくとも部分的にX線放射に露出されたとき、この層は、所定の波長範囲で電磁放射の強度を発するか、または反射し、マーキングは、所定のX線蛍光放射の強度を発する。これは、層及びマーキングにおいて反射、または発せられた放射の、独特の強度が、層によって検出されることを可能にする。この層は、少なくともいくらかの領域に設けられ、X線放射に露出した後に、マーキングと整合される。これらの強度は、X線蛍光デバイスで分析することができる。
X線蛍光デバイスのデータ処理デバイスにおいて、様々な強度の基準データは、マーキングに割り当てられるか、またはマーキングと整合された層について、及び物質選択に基づいたマーキングに対して、の両方のために有利に記憶される。この基準データは、発せられたX線蛍光のマーキングの検出器によって判断されたデータ、及び特に光学検出デバイスである、層の反射または発せられた電磁放射のための、検出器によって判断されたデータ、と比較される。理想的には、層及びマーキングの検出された強度が、記憶された基準データまたは強度と一致した場合、X線源、X線ビームを誘導するための少なくとも1つのコリメータまたはX線光学素子、X線蛍光を検出するための検出器、及び計測対象を検出するための光学デバイスは、目標状態まで較正されたものと想定することができる。これは、光照射野及びX線照射野を、計測対象によって同時にチェックできることを意味する。層及びマーキングから発せられた放射の強度が、層及びマーキングそれぞれの所定の強度から逸脱した場合、X線蛍光デバイス及び/または計測対象もしくはX線蛍光デバイスの、計測テーブル上におけるその位置を、再調整する必要がある。なぜなら、例えば搬送による送達後または温度の影響を受ける動作中に、X線蛍光デバイスの当初の較正と比較すると、変化が生じているからである。
第2の物質は、例えば鉛などの重金属であると好ましい。特に、第1の物質は重金属ではない。
主な本体の第1の物質は、以下の物質の内少なくとも1つで構成され得る:a)PTFE、ポリテトラフルオルエチレン、b)PMA、ポリアクリル酸メチル、c)PMMA、ポリメタクリル酸メチル、d)PC、ポリカーボネート、e)PE、ポリエチレン。
有利には、主な本体の第1の材料は、例えば添加物を含まず、特に着色添加物及び/または金属添加物を含まない、比較的高い純度を有することができる。
X線放射に露出されたとき、主な本体の第1の材料は、マーキングの第2の材料と比べて、比較的低いX線蛍光放射を発する場合がある。
主な本体の中及び/または上に、整合もしくは割り当てられた層は、蛍光コーティングとして設計することができる。
好ましくは、この層の、予め決めることができる波長範囲、すなわち所定の波長範囲は、300~1100nm(ナノメートル)、特に400~800nmで、例えば人が視認できる波長範囲であり、それは使用者によって容易に光学的認識を可能にし、及び/または、例えば同じまたは少なくとも類似の波長範囲で動作するデジタルカメラなど、画像検出器によって検出を可能にする。
代替として、予め決めることができる波長範囲、すなわち所定の波長範囲は、人が視認できる波長範囲外とすることができ、例えば対応したスペクトル感度を伴う少なくとも1つの画像センサを有する、好適なデジタルカメラによって検出することができる。この画像センサは、例えばCCD(電荷結合素子)タイプ、もしくはCMOS(相互形金属酸化膜半導体)タイプ、または別のタイプ、とすることができる。
マーキングは、少なくとも2本の交差する線、特に交差する直線を有することができ、それらは、好ましくは互いに直交して整合される。これは、特に光学検出デバイスである検出器に対して、X線蛍光デバイスの計測テーブル上で計測されることになる、対象の整合を、促進及び/または加速させることもできる。
マーキングは、少なくとも1つの円を有することができる。詳細には、これら少なくとも2本の交差する線すなわち2本の直線は、交差する点に対して同心の円の中で配置される。円としてのマーキングの利点は、交差する線の利点と同一とすることができる。
層は、好ましくはこの円の内側に配置される。詳細には、層は円の全領域を覆う。
計測対象は血小板形態を有することができ、この計測対象の厚さは、この厚さに対して垂直方向に沿って、計測対象の少なくとも1つの外部寸法よりも小さい。例えば、計測対象の厚さは、マーキングを有する計測対象の表面の幅及び高さより小さくすることができる。
計測対象は、手動及び/または自動的に、サンプルテーブルまたはX線蛍光デバイスの計測テーブルに設置することができる。サンプルテーブルは、所謂自動サンプルテーブルとして設計することができ、それはテーブル頂部の移動、またはテーブル頂部上に配置された計測対象の移動を、動力化駆動部によって可能にする。
本発明で対処する対象は、X線蛍光デバイスを較正するために、請求項14の特徴に従った方法によって、さらに解決される。この目的のために、前述の実施形態の内1つによる計測対象が使用される。計測対象は、X線蛍光デバイスに位置付けられる。計測対象は次に、少なくとも一時的にX線放射に露出される。この後に、計測対象のマーキングにおける層によって発せられた電磁放射の強度を伴う、第1の量の検出が続く。さらに、計測対象のマーキングによって発せられた電磁放射の強度を伴う第1の量を、検出器によって検出することができる。その後、層からの所定の強度と比較して、計測対象の層から検出された第1の量の、一致もしくは差異(DS)が判断され、及び/または、計測対象のマーキングにおける所定の強度と比較して、計測対象のマーキングの検出された第1の量の、一致もしくは差異(DM)が検出される。少なくとも1つの差異(DM、DS)を判断するとき、X線デバイスの計測対象の整合もしくは再調整、または、少なくとも1つの検出器の再調整、少なくとも1つのコリメータの再調整、X線光学素子の再調整、及び/もしくは、X線蛍光デバイスのX線源の再調整、が実施される。このように、層における所定の波長範囲のために、検出器を用いて層の第1の量をチェックすることによって、及びマーカーのX線蛍光放射のために、検出器を用いてマーカーの第1の量をチェックすることによって、調整が必要か、及びどの程度必要か、を同時に検証することが可能である。したがってX線蛍光デバイスのオペレータは、必要とされ得るいかなる調整も、直ちに確認することができる。追加として、X線蛍光デバイスのオペレータまたは制御システムは、X線蛍光デバイスの、どの構成要素が再整合を必要とするかに応じて、ディスプレイまたはディスプレイデバイスを介して表示を受け取ることができる。
検出された強度IS1が、計測対象の層における所定の強度ISに許容範囲内で相当するとき、及びマーキングに対する差異DMが判断されたときに、X線源、少なくとも1つのコリメータもしくはX線光学素子、及び/またはX線蛍光放射を検出する検出器は、再調整されなければならず、層の電磁放射のための検出器は、所定の波長のために、やはり適切に較正されることが、好ましくは提供される。その結果、X線放射に対する計測対象の1回の露出のみで、計測テーブル上における計測対象の位置を検出するための光学デバイスが不整合であるかどうか、ならびに/または、X線源、少なくとも1つのコリメータもしくはX線光学素子、及び/もしくは、X線蛍光を検出するための検出器が、再調整する必要があるかどうか、を検証することが可能である。
さらに、検出された強度IRf1が、マーキングの所定の強度IRfと許容範囲内で一致すると判断したとき、及び層の強度の差異DSを判断したときに、電磁放射を検出するための検出器は、所定の波長範囲に対して不整合であると判断されることが、好ましくは提供される。このように、X線放射及びX線蛍光放射に関する構成要素は、再調整を必要としないが、むしろ光学検出デバイス及び/またはその光学部品の再調整が、計測テーブル上における計測対象の位置を確認するために必要とされる、と判断することができる。
さらに、差異DS及び差異DMが、計測対象をX線放射に露出させた後に判断されたとき、計測対象は、第1のステップで所定の波長範囲について電磁放射を検出するための検出器と最初に整合されることが、好ましくは提供される。検出された強度IS1が、層の所定の強度ISと一致することが検出された場合、マーキングの強度の、一致または差異DMの判断が実施される。この方法ステップは、計測対象が、X線源及び検出器、特に光学検出デバイスに対して正確な位置付けがされていない場合に、誤った提示を回避することを保証するために実施される。計測対象の層における強度の、一致及び差異DMが、実質的に判断された場合、X線源、少なくとも1つのコリメータもしくはX線光学素子、及び/またはX線蛍光放射を検出するための検出器、は再調整されなければならない。
本方法の別の有利な実施形態によると、差異DS及び差異DMを判断するとき、第1のステップにおいて、所定の波長範囲について電磁放射を判断するための検出器に対して、計測テーブル上における計測対象の較正が実施され、差異DSをさらに判断するときに、所定の波長範囲における電磁放射を検出するための検出器の、再調整が判断されるよう、提供され得る。
本方法の別の有利な実施形態によると、X線蛍光デバイスのテーブルは、X線放射領域の外側に移動されることと、計測されることになる対象が、可視光を伴うビームデバイス、特にレーザポインタの補助を受けて計測テーブル上で整合され、このレーザポインタは、X線源に隣接し、詳細にはX線源から離して配置され、計測テーブル上で整合され、次に計測テーブルはX線放射領域の中に戻されることと、層の一致もしくは差異DSの判断、及び/またはマーキングの一致もしくは差異DMの判断が実施されることと、が提供され得る。所定の波長範囲における電磁ビームの検出のための検出器の再調整は、差異DSが判断された場合に判断され、可視光を伴うビームデバイス、特にレーザポイントの再調整は、差異DMが判断された場合に判断される。これは、X線蛍光デバイスの構成要素における考えられる再調整の、さらなる検証を実施することを可能にする。
さらにX計測対象が、少なくとも一時的にX線放射に露出される前に、X線源を計測対象に整合させること、及び/または、その逆に整合させること、は好ましい。他方で、手動整合を提供することができ、特に計測されることになる対象の位置及び/または配向は、ディスプレイまたはX線蛍光デバイスのモニターで示される。代替として、特に計測対象の自動整合を制御することができる。この目的のため、データは、計測対象の位置及び/または配向を再整合するために、X線蛍光デバイスの制御器で処理される。
自動整合は、例えばデジタルカメラまたはビデオカメラによって捕捉された、デジタル画像またはビデオデータストリームに基づくことができる。
好ましくは、パターン認識方法を使用して、デジタル画像またはビデオデータストリームにおける計測対象のマーキングを判断することができ、必要に応じてこれに基づき、X線源及び計測対象の相対的な整合を判断すること、及び/または影響を及ぼすことができる。これにより、整合の精度を向上させることができる。
差異DSまたはDMが検出された場合、さらなるプロセスステップが、この差異を特徴付けるために、好ましくは実施される場合がある。すなわち:X線源に対する計測対象の配置及び/または整合を変化させることと、計測対象をX線放射に対して少なくとも一時的な露出、ならびに、計測対象をX線放射に露出した結果、少なくとも1つの構成要素、特に計測対象の層及びマーキングによって発せられた電磁放射の検出、を繰り返すことと、検出した電磁放射に基づいて第1の量における変化を判断することと、任意選択で、やはり第1の量における変化に基づいて、X線源に対する計測対象の配置及び/または整合を変化させることと、である。このように、第1の判断を、X線源、及びそれに関連付けられた検出器、ならびに別の光学デバイスの、位置及び/または整合のために成すことができる。
計測対象に対するX線源の位置及び/または配向を判断するために、以下を実施することができる:計測対象をX線放射に露出した結果、計測対象の少なくとも1つの構成要素から発せられた電磁放射の、複数の値を判断し、これら複数の値の内少なくとも2つを、各ケースにおいて、X線源に対する計測対象の異なる配置及び/または配向に関連付けること、ならびに、少なくとも1つのベクトルによって、例えば複数の値の内少なくとも2つに基づいた誤りベクトルによって、計測対象に対するX線源の整合、例えば不整合、及び/または配置を、特徴付ける情報を判断すること、である。これは、X線蛍光デバイスの少なくとも1つの構成要素のための設定における、計算の補正または実際の変更を可能にする。
好ましくは、計測対象の層における第1の量(または強度IS1)は、少なくとも1つのデジタル画像によって検出される。少なくとも1つの、第1の量を判断するために、デジタルカメラを使用することができる。
好ましくは、本方法は:X線源に対する計測対象の配置及び/または整合を変化させることと、X線源に対する計測対象の、少なくとも一時的な露出、ならびに計測対象をX線放射に露出して、少なくとも1つのデジタル画像によって検出された、少なくとも1つの構成要素、特に計測対象の層及びマーキングによって発せられた電磁放射の検出、を繰り返すことと、検出されたデジタル画像に基づいて第1の量における変化を判断することと、やはり第1の量における変化に基づいて、X線源に対する計測対象の配置及び/または整合を変化させることと、を含む。X線源と計測対象との間の不整合は、第1と第2または他のデジタル画像との間の差異を判断することができ、特に補正のための誤りベクトルなどのベクトルを判断することができるか、または変化が、示された不整合の代わりに所望の整合を常にもたらすかどうか、を判断することができる。
本方法は:X線源に対する計測対象の配置及び/または配向を変化させるために、計測対象に対するX線源の整合及び/または配置を特徴付ける情報を、少なくとも1つの駆動ユニットへ送信すること、をさらに含むことができる。これは例えば、X線源に対する計測対象の配置及び/または整合の、閉ループ制御を実現するのを可能にする。
本方法は、代替または追加として:計測対象に対するX線源の整合及び/または配置に関する情報を、X線蛍光デバイスのディスプレイに出力することによって、使用者に知らせること、を含むことができる。これは、整合及び/もしくは配置の手動調整を可能にするか、または現在の整合及び/または配置を、使用者に知らせるのを可能にする。
好ましくは、以下のステップ:a)X線蛍光分析のための計測対象を提供するステップ、b)例えば計測対象に対するX線源の効率的及び/もしくは正確な整合及び/もしくは配置、ならびに/またはその逆を可能にするステップ、c)例えばデジタルカメラなどのカメラによって捕捉することができる光学視野が、例えば、コリメータ、フィルタ、隔壁の、ビーム経路を変化させる構成要素など、X線放射のビーム経路に存在し得る任意の構成要素に関係なく、X線源によるX線放射に露出され得る領域(「X線照射野」)に対応することを保証するステップ、d)計測対象に対するX線源の整合及び/または配置をチェックするステップ、e)計測対象に対するX線源、及び/またはその逆に配向/配置することで、使用者を補助するステップ、f)X線放射のビーム経路における配置のために、コリメータ及び/またはフィールド形成要素を選択するステップ、g)計測対象に対するX線源の整合及び/または配置を補正するステップ、を実施することができる。
本発明及び他の有利な実施形態及びその展開は、図に示された例を参照して、以下でより詳細に記載及び説明される。記載及び図面からの特徴は、個々に、または本発明に従った任意の組合わせで、適用することができる。
図1は、図2によるX線蛍光デバイス9の較正のために使用できる、計測対象100の図を示す。計測対象100は、主な本体110、及び主な本体110上に配置されたマーキング112を有し、主な本体110は、第1の物質M-1を備え、及び/または第1の物質M-1から形成され、マーキング112は、第1の物質M-1とは異なる第2の物質M-2から形成される。第2の材料M-2は、例えば鉛などの重金属とし得る。第1の物質M-1は、好ましくは重金属ではない。
第1の物質M-1は、以下の物質の内少なくとも1つで構成され得る:a)PTFE、ポリテトラフルオルエチレン、b)PMA、ポリアクリル酸メチル、c)PMMA、ポリメタクリル酸メチル、d)PC、ポリカーボネート、e)PE、ポリエチレン。
好ましくは、第1の物質M-1は比較的高純度であり、例えば添加物を含まず、ならびに/または、例えば着色添加物及び/もしくは金属添加物を含まない。
X線放射RSに露出されたとき、第1の物質M-1は、第2の物質と比べて、比較的低いX線蛍光放射を発する。
図2は、X線蛍光デバイス9の概略を示す。X線放射RSは、X線源10によって提供される。
計測対象100から発せられた電磁放射ES2は、例えばX線蛍光放射のための検出器12(例えば光検出器)によって、及び例えば画像センサまたはデジタルカメラなどの、特に光検出デバイスである検出器12’によって、検出される。
計測対象100は、テーブル20上に設置することができるか、またはテーブル20に一体化させることができる。
計測対象100は、手動及び/または自動でサンプルテーブル20上に設置することができる。サンプルテーブル20は、所謂自動サンプルテーブルとして設計することができ、それはテーブル頂部の移動、及びテーブル頂部上に配置されるか、またはテーブル頂部に一体化された計測対象100の移動を、例えば動力化駆動部21によって可能にする。
可視光を伴うビームデバイス、特にレーザポインタを、サンプルテーブル20または計測テーブル20上に計測対象100を整合させるために設けることもできる。このビームデバイス18はX線源10に隣接し、好ましくはX線源10から離して整合される。有利には、ビームデバイス18を、駆動部11によって接続することもでき、それによってビームデバイス18の位置を、X線源と共に変化させることができる。可視光を発するためのビームデバイス18は、サンプルテーブル20の方向に配向される。このビームデバイス18は、特にX線蛍光デバイス9を配置するために使用され、そこにおいて、X線光学素子または少なくとも1つのコリメータと、サンプルテーブル20の表面との間の距離は小さい。
計測対象100を計測テーブル20上で整合させるために、計測テーブル20は、X線放射RS領域の外側に移動させることができる。その後、計測対象100を、ビームデバイス18の補助を伴ってサンプルテーブル20上の位置に整合させることができる。特に、計測対象100のマーキング112は、支持効果を有することができる。計測テーブル20は次に、開始位置まで戻され、それによってX線ビームRSは、X線蛍光デバイス9の較正を評価するために、計測対象100に当たる。
主な本体110(図1)は、少なくともいくらかの領域に層114を有し、それは、X線放射RS(図2)に露出されたときに、所定の波長範囲WLBにおける強度ISを伴った電磁放射ES1を発する。それは、例えば検出器12’によって検出することができる。
層114は、好ましくは蛍光コーティングである。蛍光コーティング114は、次の内の1つで構成され得る:a)岩塩(塩化ナトリウム)、b)フッ化リチウム、c)塩化カリウム、d)Na O (過酸化ナトリウム)。
層114の、予め決めることができる波長範囲WLBは、300~1100nm、特に400~800nmの範囲で、例えば人が視認できる波長範囲である。それは、例えば使用者の一部に容易な光学的認識を可能にし、及び/または、例えば同じか、もしくは少なくとも類似の波長範囲で動作する、デジタルカメラ12’などの画像検出器12’による検出を可能にする。
代替として、予め決めることができる、層114の波長範囲WLBは、少なくとも部分的に人が視認できる波長範囲の外側にあり、それは例えば対応したスペクトル感度を伴うか、または例えばPINダイオードなどを備え得る光検出器12を伴う、少なくとも1つ画像センサを備えた、好適なデジタルカメラ12’によって検出できることが、提供され得る。この画像センサは、例えばCCD(電荷結合素子)タイプ、もしくはCMOS(相互形金属酸化膜半導体)タイプ、または別のタイプ、とし得る。
マーキング112は、前述の物質M-1の内1つで構成され、強度IRfを伴う電磁放射ES1は、X線放射RSに露出される際に発せられる。プロセス中、物質M-1の選択による所定の強度を備えた、X線蛍光放射が発せられる。
図1によるマーキング112は、例えば直線で、互いに直交して整合された、少なくとも2本の交差する線112a、112bを含むことができる。
マーキング112は、好ましくは少なくとも1つの円112cを含み、この円112cは、少なくとも2本の交差する線または直線112a、112bの、交差する点112abに対して同心で配置される。
層114は、円112c内に配置することができる。詳細には、層114は、円112c内で完全に拡がる。これは、X線放射RSが、円112に対して同心に配向されるかどうかを判断するために、計測対象100に対するX線源10またはX線放射RSの整合の、特に正確な評価を可能にする。
計測対象100は、血小板形態を有し、計測対象100の厚さD1(図2)は、厚さD1に対して垂直方向において、計測対象100の少なくとも1つの外部寸法よりも小さい。例えば計測対象100の厚さD1は、計測対象、またはマーキング112を有する計測対象100の表面100aの、幅B1(図1)及び高さH1よりも小さい。
図4は、X線放射RSを発するX線源10を伴う、X線蛍光デバイス9を操作する方法を、概略で示す。すなわち:計測対象100の、X線放射RS(図2)に対する少なくとも一時的な露出202と、例えば計測対象100の、X線放射RSに対する露出の結果として、計測対象100の少なくとも1つの構成要素112、114によって発せられた電磁放射ES1、ES2の検出204(図4)と、少なくとも1つの光検出器12(図2)及び少なくとも1つのデジタルカメラ12’によって検出された電磁放射ES1、ES2に基づき、計測対象100を用いてX線源10の整合を特徴付ける、少なくとも1つの第1の量G1、G2の判断206と、である。
少なくとも1つの光検出器12による第1の量G2の判断は、ブロック206aによって図4に象徴的に示され、少なくとも1つのデジタルカメラ12’による第1の量G1の判断は、ブロック206bによって図4に象徴的に示される。
X線放射RSに対する計測対象100の第1の露出202後に、整合200が続く:駆動部21及び/もしくは手動による、例えば手動整合200a及び/もしくは自動整合200bである、X線源10の計測対象100との、ならびに/またはその逆の、整合200である。
自動整合200bは、デジタルカメラ12’またはビデオカメラによって捕捉された、デジタル画像またはビデオデータストリームに基づいて実施することができる。
詳細には、パターン認識方法(例えば「パターン認識」)を使用して、デジタル画像またはビデオデータストリームにおける計測対象100のマーキング112を判断することができ、必要に応じて、X線源10、及びこれに基づいた互いに対する計測対象100の相対的な整合を、判断及び/または影響を及ぼすことができる。これにより、整合200の精度を向上させ得る。
電磁放射ES1、ES2の強度IS及びIRfを伴う第1の量G1、G2を判断するために、図5に従って次のこと:X線源10に対する計測対象100の配置AN(例えば位置)及び/または整合AUSR(例えば角度的整合)を変化させること210と、X線放射RSに対する計測対象100の少なくとも一時的な露出202(図4)、及び電磁放射ES1’、ES2’(図5)の検出204、を繰り返して、計測対象をX線放射に露出した結果、計測対象100のマーキング112及び層114の前における強度IS及びIRfを判断すること212と、検出した電磁放射ES1’、ES2’に基づいて、第1の量G1、G2の変化G1’、G2’を判断すること214と、やはり第1の量G1、G2の変化に基づいて、X線源に対する計測対象の配置及び/または整合を変化させること216と、が提供され得る。任意選択で、方法、またはブロック210、212、214、216の内1つもしくは複数は、別の例示的な実施形態において、例えば交差する点112ab(図1)または円114に対する、X線放射RSの同軸整合など、所望の整合または配置が実現されるまで、繰り返され得る。
図6によると、次のこと:計測対象100がX線放射に露出した結果、計測対象100のマーキング112及び層114によって発せられた電磁放射を特徴付ける、複数の値ES-W-1、ES-W-2、ES-W-3を判断すること220であって、複数の値ES-W-1、ES-W-2、ES-W-3の内少なくとも2つは、各ケースにおいて、計測対象100のX線源10に対する異なる配置及び/または整合に関連付けられる、判断すること222と、複数の値ES-W-1、ES-W-2、ES-W-3の内少なくとも2つに基づいた、例えば誤りベクトルなどの少なくとも1つのベクトルによって、計測対象100に対するX線源10の、不整合などの整合性、及び/または配置を特徴付ける情報I-AUSRを、判断すること222と、が好ましくは提供される。
第1の量G1(図4)は、例えばデジタルカメラ12’(図2)を使用した、計測対象100の少なくとも1つのデジタル画像とすることができる。
第1の量G2は、マーキング112からのX線蛍光放射を検出するための検出器12によって判断された、周波数スペクトルとすることができる。
図7による方法は:計測対象100をX線源に対して配置及び/または整合を変化させること230と、X線放射RSに対する計測対象の少なくとも一時的な露出、及び、計測対象100をX線評者RSに露出した結果、計測対象100の少なくとも1つの構成要素112、114によって発せられた電磁放射ES2’’の検出、を繰り返すこと232であって、この検出を少なくとも1つの別のデジタル画像DB-2を記録する、繰り返すこと232と、記録されたデジタル画像DB-1、DB-2に基づいて、第1の量G1における変化G1’を判断すること234と、やはり第1の量G1における変化G1’に基づいて、X線源に対する計測対象の配置及び/または整合を変化させること236と、を含むことができる。変化させること230の前に、第1のデジタル画像DB-1を事前に記録することができ、次に変化させること230を行い、その後第2または別のデジタル画像DB-2が記録される。第1と第2のデジタル画像との間の差異に基づき、X線源10と計測対象100との間の不整合が、まだ存在するかどうか、または変化させること230が、示された不整合の代わりに、既に所望の整合をもたらしているかどうか、を判断することが可能である。
図8による方法は:計測対象がX線放射RSに露出された結果、計測対象100の少なくとも1つの構成要素112、114によって発せられた電磁放射を特徴付ける複数のデジタル画像DB-1、DB-2、DB-3を判断すること240であって、複数のデジタル画像DB-1、DB-2、DB-3の内少なくとも2つは、各ケースで、X線源10に対する計測対象100の異なる配置及び/または整合に関連付けられる、判断すること240と、複数のデジタル画像DB-1、DB-2、DB-3の内少なくとも2つに基づいて、例えば誤りベクトルなど少なくとも1つのベクトルによって、計測対象100に対するX線源10の、例えば不整合などの整合性及び/または配置を特徴付ける情報I-AUSR’を判断すること242と、をさらに含むことができる。
図6及び図8による実施形態において、本方法は以下を含むことが、好ましくは提供される:X線源10に対する計測対象100の配置及び/または整合を変化させるために、計測対象100に対するX線源10の整合及び/または配置を特徴付ける情報I-AUS、I-AUSR’を、駆動ユニット21へ送ること224a、244a。これは、X線源に対する計測対象の配置及び/または整合の、閉ループ制御を実現するのを可能にする。
本方法は、以下も含むことができる:計測対象に対するX線源の整合及び/または配置を特徴付ける情報I-AUSR、I-AUSR’に関して、使用者に知らせること224b、244b。これは、例えば整合及び/または配置を手動で調整すること、または現在の整合及び/または配置を使用者に知らせること、を可能にする。
整合200(図4)が、少なくとも1つのデジタル画像DB-1に基づいて実施されることも、提供され得る。
本方法は、特に計測対象100を使用して、光照射野とX線照射野との間の一致をチェックすることに関する。これは、X線ビームと、特にデジタルカメラなどの光学検出デバイスとの間の外形の一致が、簡易な方法でチェックされるのを可能にする。計測対象100は、例えば予め決めることができる試験位置に、サンプルテーブル20(図3)上で手動で設置される。代替または追加として、計測対象100は、例えば自動テーブルを使用して、試験位置まで移動させることができる。代替または追加として、計測対象100は、例えば予め決めることができる位置において、サンプルテーブル20に事前に一体化することができる。この計測対象100の位置は、例えば光照射野とX線照射野との間の、一致についての前述のチェックを行なうための、別の例示的な実施形態で取り組まれる。
計測対象100の正確な整合のために、X線放射RSを吸収する構造(例えば鉛などの第2の物質M-2)における十字線形態のマーキング112を、適用することができる。例えば、やはり鉛または第2の物質M-2で作られた、同心リングまたは円112cを、十字線112a、112bの周りに適用することができ、それは例えば中心112abを画定する。
円112c(図1)の環状径Dは、例えば図2に示されるように、計測テーブル20の公称距離で投影された、X線源10のためのコリメータKのコリメータ径に相当することができる。例えば、図2に概略示されるように、コリメータKは、X線源10と計測対象100との間における、X線放射RSのビーム経路に配置される。
例えば計測対象100の十字線112a、112bが、標準器もしくはレーザポイントの十字線と合致するように、例えば、X線源10の標準器もしくはレーザポインタ、または同じものを含んだX線計測システムは、最初に計測テーブル20に対して整合されるか、または計測テーブル20上に位置付けられるか、もしくは計測テーブル20の中に配置された計測対象100に対して整合される。
代替として、パターン認識アルゴリズムが実施され、そこでは例えば計測対象100のデジタル画像がCCDカメラ12’によって記録され、例えば自動的に分析される。これは、CCDカメラが計測対象100の所定の整合を実施するのを可能にし、それは自動化され得る。これは、使用者が計測テーブル/標準器を正確に整合する必要を省き、それによってさらなる誤差を排除する。
好ましくは、コリメータK(図2)は、そのテーブル面100a(標準器)上の投影が、計測対象100におけるリング112cの径D(図1)に相当するように選択される。コリメータKのための他の径も可能であり、それは以下で説明する。
計測対象100が整合された後、X線放射RSによって照射され、例えば計測対象100の光学画像が、CCDカメラ12’によって捕捉される。装置10、20、100の設定が、光照射野及びX線照射野の一致に関して理想的である場合、X線放射RSによって照射された計測対象100の領域は、円112cの内側を正確に覆う。それは、円112cの内側に相当するデジタル画像の画像領域における、ピクセルの判断された強度値IS1によって、CCDカメラ12’のデジタル画像から認識することができる。これらの判断された強度値IS1は、好ましくは制御器に記憶された、層114の所定の強度値ISと比較される。一致した場合、少なくとも計測対象100は、デジタルカメラに対して正確に整合されている。円112cの照射の逸脱、例えば大きすぎるゾーン(円112cより大きい)または小さすぎるゾーン(円112cより小さい)は、X線源10の焦点と計測テーブル20との間における距離の変化を表わす。この誤差は、コリメータKまたはX線光学素子を調整することによって排除することができる。
代替または追加として、逸脱がゼロにならない場合、計測対象100に対するX線源10の整合及び/または配置も、変化させることができる。例えば構成要素10、20、及び/または100の間の距離を、少なくとも1つの駆動部21によって、X線放射RSで照射された計測対象100の領域が、円112cの内側を正確に覆うまで、変化させることができる。
X線源10の高さ及び/または位置も、調整デバイスを使用して、テーブル20に対してここで調整することができる。
構成要素10、20/100の間の、側方のずれも、CCDカメラ12’のデジタル画像に基づいて分析することができ、かつ、構成要素21及び/またはX線源10の調整デバイスによって、変化させるか、減少させるか、または排除することができる。
CCDカメラ12’で記録された1枚または複数枚のデジタル画像、またはこれらの画像の画像データに基づいて、計測対象100に対するX線源10の、特に不整合である整合性(例えば1つもしくは複数の空間方向における角度整合)、及び/または配置(例えば1つもしくは複数の空間方向における距離)を特徴付ける、誤りベクトルを判断することができる。
誤りベクトルに基づいて、X線源10の計測対象100に対する整合及び/または配置を変化させることは、手動及び/または自動で行うことができる。
換言すると、デジタル画像、またはデジタル画像から判断できる誤りベクトルに基づいて、(例えばX線結構分析のための)X線源10を用いた計測デバイスの光学十字線の表示(または配置及び/もしくは整合)を、やはり表示された、まさに同じ点で、使用者が、光学十字線によって計測することに対応して、ここで補正することができる。
代替として、例による上述のコリメータ径よりも小さいか、または大きいコリメータ径も、使用することができる。X線放射RSの、コリメータKに関連付けられた計測対象100における投影を、インターセプトの原理を使用して判断することができる。投影サイズ及び/または位置(例えば配置及び/または整合)における逸脱を、例えば十字線(X線源10を含んだ計測デバイスの光学十字線など)の補正移動のための誤りベクトルを判断するために、上述の実施形態に類似の、この時逸脱しているコリメータ径値を用いて、評価することもできる。
利用可能な最大のコリメータ径を使用することが好ましく、それにより計測の精度を向上させることができる。
別の実施形態は、画像センサまたはデジタルカメラ12’が存在しないが、(光)検出器12のみが存在する構成に関する。これらの実施形態において、計測対象100は、計測対象100の十字線112a、112b(図1)が、例えばレーザポインタなどのX線源RSの整合を示すターゲットデバイスによって、中心(交差部112ab)が照射されるよう、計測テーブル20上に位置付けられる。計測は、推定される位置すなわちレーザポインタによって示された位置において開始され、それによって計測対象100は、X線放射RSに露出される。
好ましくは自動テーブル20、21による、計測対象100のX線源10に対する配置及び/または整合は、軸方向に変化される。これは、X線放射RS、及びしたがって検出器12によって検出された信号ES1、で照射された計測対象100の領域を変化させる。信号ES1は、計測対象100のX線放射RSに対する露出の結果、例えば鉛構造112の形態のマーキング112によって生成される。計測対象100の少ない照射を伴い、信号ES1の信号強度は、X線放射RSに従って減少する。
信号ES1の信号強度を特徴付ける量、例えば検出器12の計数率は、例えば構成要素10、100の互いに対する3つの異なる相対位置及び/または配置のために判断され、支持された中心点(例えばレーザポインタ信号の交差部112ab上の入射角によって示される)と、例えばX変動量など第1の空間方向に沿った変動と、例えばY変動量など第2の空間方向に沿った変動と、を含む。ここでX軸は、例えば計測対象100の表面100aの幅範囲B1に相当し、Y軸は、例えば計測対象100の表面100aの高さ範囲H1に相当する。
3つの位置に関連付けられた3つの係数率は、X線放射RSによって理論的に照射された計測対象100の領域と関連して、対応した誤りベクトルが判断される。これに基づいて、整合及び/または配置を、予め決めることができる整合が実際に実現されるまで、変化させることができ、それはX線放射RSによる正確な計測を可能にする。
精度の向上は、(例として上記で言及した3つの計測点に加えて)さらなる計測点を含むことによって、明確に実現することができる。
図9は、X線蛍光デバイスを較正するための、別の例示的な方法を説明する:a)例えばX線蛍光分析のための計測対象100を提供すること401、b)計測対象100に対するX線源10の、及び/もしくはその逆の、効率的及び/もしくは正確な整合、ならびに/または配置を可能にすること402、c)例えばデジタルカメラなどのカメラによって光学的に検出することができる光照射野が、例えばコリメータ、フィルタ、隔壁などの、X線放射のビーム経路に存在し得る任意の構成要素とは関係なく、X線源によるX線放射に露出させることができる領域(「X線照射野」)に対応することを保証すること403、d)計測対象100に対するX線源の整合及び/または配置をチェックすること404、e)使用者が、X線源10を計測対象に対して、及び/もしくはその逆に、整合ならびに/または配置するのを補助すること405、f)コリメータ、及び/またはX線放射のビーム経路における配置のための別のフィールド形成要素、を選択すること406、g)計測対象100に対するX線源10の整合及び/または配置を補正すること407。
Claims (26)
- X線蛍光デバイス(9)を較正するための計測対象(100)であって、前記X線蛍光デバイス(9)は、X線源(10)によってX線放射(RS)を発し、かつX線蛍光を評価するための検出器(12)を備え、前記計測対象は、主な本体(110)、及び前記主な本体(110)上に配置された少なくとも1つのマーキング(112)を有し、前記主な本体(110)は、第1の物質(M-1)から形成され、前記主な本体(110)上及び/または中の前記マーキング(112)は、前記第1の物質(M-1)とは異なる第2の物質(M-2)から形成され、
ここで前記計測対象(100)は、
前記主な本体(110)が、前記マーキング(112)に整合された少なくともいくらかの領域で層(114)を有することと、
前記層(114)が、X線放射(RS)に露出されたときに、所定の波長範囲(WLB)における強度(IS)を伴う電磁放射(ES1)を発することと、前記マーキング(112)が、X線放射(RS)に露出されたときに、所定の強度(IRf)を伴うX線蛍光放射(ES2)を発することと、
を特徴とする、計測対象(100)。 - 前記層(114)及び前記マーキング(112)は、X線放射(RS)に対して少なくとも部分的に同時に露出させることができることを特徴とする、請求項1に記載の計測対象(100)。
- 前記第2の物質(M-2)は、例えば鉛などの重金属であることを特徴とする、請求項1または2に記載の計測対象(100)。
- 前記第1の物質(M-1)は、重金属ではないことを特徴とする、請求項1~3の内いずれか一項に記載の計測対象(100)。
- 前記第1の物質(M-1)は、X線放射(RS)に露出されたとき、前記第2の物質(M-2)と比べて、比較的低いX線蛍光放射を発することを特徴とする、請求項1~4の内いずれか一項に記載の計測対象(100)。
- 前記層(114)の重心(FS)、及び前記マーキング(112)の重心(FM)は一致することを特徴とする、請求項1~5の内いずれか一項に記載の計測対象(100)。
- 前記層(114)は蛍光コーティングを有するか、または蛍光コーティングであることを特徴とする、請求項1~6の内いずれか一項に記載の計測対象(100)。
- 前記層(114)の所定の波長範囲(WLB)は、300~1100nm(ナノメートル)の範囲、特に400~800nmの範囲であることを特徴とする、請求項1~7の内いずれか一項に記載の計測対象(100)。
- 前記マーキング(112)は、少なくとも2本の交差する線(112a、112b)、例えば直線を有し、それらは好ましくは互いに直交して整合されることを特徴とする、請求項1~8の内いずれか一項に記載の計測対象(100)。
- 前記マーキング(112)は、少なくとも1つの円(112c)を有し、好ましくは前記円(112c)は、少なくとも2本の前記交差する線(112a、112b)の交差する点(112ab)と同心に配置されることを特徴とする、請求項1~9の内いずれか一項に記載の計測対象(100)。
- 前記層(114)は、前記円(112c)内の全体領域にわたって拡がることを特徴とする、請求項10に記載の計測対象(100)。
- 前記主な本体(110)は血小板形態を有し、及び/または、前記主な本体(110)の厚さ(D1)は、前記厚さ(D1)に対して垂直方向において、前記主な本体(110)の少なくとも1つの外部寸法よりも小さく、かつ好ましくは前記主な本体(110)の厚さ(D1)は、前記主な本体(110)または前記マーキング(112)を有する前記主な本体(110)の表面(100a)の、幅(B1)及び高さ(H1)よりも小さいことを特徴とする、請求項1~11の内いずれか一項に記載の計測対象(100)。
- 前記層(100)はサンプルテーブル(20)上で手動及び/または自動で設置できることを特徴とする、請求項1~12の内いずれか一項に記載の計測対象(100)。
- X線放射(RS)を発するX線源(10)を備えたX線蛍光デバイス(9)の較正を検証するための方法であって、前記X線蛍光デバイス(9)は、X線ビーム(RS)を合焦させる少なくとも1つのコリメータ(K)またはX線光学素子を備え、かつX線ビーム(RS)に露出された計測対象(100)によって発せられたX線蛍光放射を評価するための検出器(12)を備え、
請求項1~13の内いずれか一項に記載の計測対象(100)を、X線放射(RS)に対して少なくとも一時的に露出し(202)、
層(114)の、所定の波長範囲(WLB)のための検出器(12’)を用いて、前記計測対象(100)の前記層(114)における電磁放射(ES1)の強度(IS1)を伴う第1の量(G1)を検出し(204)、及び/または、
前記検出器(12)を用いて、前記計測対象(100)の前記マーキング(112)からのX線蛍光放射(ES2)の強度(IRf1)を伴う第1の量(G2)を検出し(204)、
前記第1の量(G1)の検出された強度(IS1)、及び前記層(114)の所定の強度(IS)の、一致もしくは差異(DS)を判断し、ならびに/または、
前記第1の量(G2)の検出された強度(IRf1)と、前記マーキング(112)の所定の強度(IRf)との間の、一致または差異(DM)を判断し、
少なくとも1つの差異(DM、DS)を判断するとき、前記計測対象(100)の不整合、または、前記検出器(12、12’)の再調整、少なくとも1つの前記コリメータ(K)もしくは前記X線光学素子の再調整、及び/もしくは前記X線蛍光デバイス(9)の前記X線源(10)の再調整、が検出される、方法。 - 前記検出された強度(IS1)が、許容範囲内で前記層(114)の所定の強度(IS)と一致した場合、及び差異(DM)が存在した場合、前記X線源(10)、少なくとも1つの前記コリメータ(K)もしくは前記X線光学素子、及び/またはX線蛍光放射を検出するための前記検出器(12)が不整合であること、ならびに、所定の波長範囲(WLB)の電磁放射を検出するための検出器(12’)が較正されること、が判断されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
- 前記検出された強度(IRf1)が、許容範囲内で前記マーキング(112)の所定の強度(IRf)と一致した場合、及び差異(DS)が存在する場合、前記X線源(10)、少なくとも1つの前記コリメータ(K)もしくは前記X線光学素子、及び/またはX線蛍光放射を検出するための前記検出器(12)が較正されること、ならびに、所定の波長範囲(WLB)の電磁放射(ES2)を検出するための検出器(12’)が不整合であること、が判断されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
- 第1のステップにおいて差異(DS)及び差異(DM)を判断したときに、前記計測対象(100)は、テーブル(20)上で移動されて前記検出器(12’)に対して調整され、所定の強度(IS)が、前記層(114)の検出された強度(IS1)と一致することが検出されたとき、前記マーキング(112)の強度の一致または差異(DM)の検出が実施されることを特徴とする、請求項14~16の内いずれか一項に記載の方法。
- 第1のステップにおいて差異(DS)及び差異(DM)を判断したときに、前記X線蛍光デバイス(9)の計測テーブル(20)上で、所定の波長範囲(WLB)の電磁放射(ES1)を検出するための前記検出器(12’)に対する、前記計測対象(100)の調整が実施され、差異(DS)がさらに判断されたときに、所定の波長範囲(WLB)の電磁放射(ES1)を検出するための前記検出器(12’)の再調整が判断されることを特徴とする、請求項14~17の内いずれか一項に記載の方法。
- 前記X線蛍光デバイス(9)の計測テーブル(20)は、X線放射(RS)領域の外側に移動されること、
前記計測対象(100)は、可視光を伴うビームデバイス(18)、特に前記X線源(10)に隣接して配置されたレーザポインタによって、前記計測テーブル(20)上で整合されること、
前記計測テーブル(20)は、X線放射(RS)領域の中に戻されること、
前記層(114)の一致または差異(DS)の判断、及び/または前記マーキング(112)の一致または差異(DM)の判断、が実施されること、
差異(DS)が判断されたとき、所定の波長範囲(WLB)における電磁放射(ES1)を検出するための前記検出器(12’)の再調整が検出されること、または、差異(DM)が判断されたとき、可視光を伴う前記放射デバイス(18)の再調整が検出されること、
を特徴とする、請求項14~18の内いずれか一項に記載の方法。 - 前記X線源(10)の前記計測対象(100)との整合(200)、及び/またはその逆が、X線放射(RS)への少なくとも一時的な露出(202)前に実施され、手動整合(200a)が、前記X線蛍光デバイス(9)のディスプレイにおける表示によって出力されるか、または自動整合(200b)が、前記X線蛍光デバイス(9)の制御器によって実現されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
- 電磁放射(ES1、ES2)の強度(IS1、IRf)を伴う前記第1の量(G1、G2)から開始して、前記X線源(10)に対する前記計測対象(100)の配置及び/または整合を変化させること(210)と、前記計測対象(100)のX線放射(RS)への少なくとも一時的な露出(202)、及び、前記計測対象(100)のX線放射(RS)への前記露出(202)の結果、前記計測対象(100)の少なくとも1つの構成要素(112、114)によって発せられた電磁放射(ES1’、ES2’)の検出(204)、を繰り返すこと(212)と、検出された電磁放射(ES1’、ES2’)に基づいて、前記第1の量(G1、G2)の変化(G1’、G2’)を判断すること(214)と、好ましくは、前記第1の量(G1、G2)の前記変化(G1’、G2’)に基づいて、前記X線源(10)に対する前記計測対象(100)の配置及び/または整合を再び変化させること(216)と、が実施されることを特徴とする、請求項14または20に記載の方法。
- 前記計測対象(100)のX線放射(RS)への前記露出(202)の結果、前記計測対象(100)の少なくとも1つの前記構成要素(112、114)によって発せられた電磁放射(ES1’、ES2’)を特徴付ける複数の値(ES-W-1、ES-W-2、ES-W-3)を判断すること(220)であって、複数の前記値(ES-W-1、ES-W-2、ES-W-3)の内少なくとも2つは、各ケースにおいて、前記X線源(10)に対する前記計測対象(100)の異なる配置及び/または整合に関連付けられる、判断すること(220)と、複数の前記値(ES-W-1、ES-W-2、ES-W-3)の内少なくとも2つに基づいて、好ましくは誤りベクトルである少なくとも1つのベクトルによって、前記計測対象(100)を特徴付ける情報(I-AUSR)に対する前記X線源(10)の整合及び/または配置を判断すること(222)と、が実施されることを特徴とする、請求項14~21の内いずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の値(G1)は、前記計測対象(100)の少なくとも1枚のデジタル画像(DB-1、DB-2、DB-3)によって、前記層(114)で検出されることを特徴とする、請求項14~23の内いずれか一項に記載の方法。
- 各々が、前記計測対象(100)の前記X線源(10)に対して異なる配置及び/または整合を有する、複数のデジタル画像(DB-1、DB-2、DB-3)を判断すること(240)と、複数の前記デジタル画像(DB-1、DB-2、DB-3)の内少なくとも2枚に基づいて、例えば誤りベクトルなど少なくとも1つのベクトルによって、前記計測対象(100)に対する前記X線源(10)の、例えば不整合などの整合性、及び/または配置を特徴付ける情報(I-AUSR’)を判断すること(242)と、を含む、請求項23に記載の方法。
- 前記X線源(10)に対する前記計測対象(100)の配置及び/もしくは整合を変化させるために、前記計測対象(100)に対する前記X線源(10)の整合及び/もしくは配置を特徴付ける前記情報(I-AUSR、I-AUSR’)を、少なくとも1つの駆動ユニット(11、21)へ送ること(224a、244a)と、ならびに/または、前記計測対象(100)に対する前記X線源(10)の整合及び/もしくは配置を特徴付ける前記情報(I-AUSR、I-AUSR’)を使用者に知らせること(224b、244b)と、を含む、請求項14~24の内いずれか一項に記載の方法。
- 以下のステップ:a)前記X線蛍光分析のための前記計測対象(100)を提供するステップ(401)、b)前記計測対象(100)に対する前記X線源(10)の整合及び/もしくは配置、ならびに/またはその逆、を可能にするステップ(402)、c)カメラによって光学的に検出することができる視野が、X線放射(RS)のビーム経路に存在する、特にコリメータ(K)、フィルタ、隔壁などの構成要素に関係なく、前記X線源(10)によってX線放射(RS)に露出され得る領域に相当することを保証するステップ(403)、d)前記計測対象(100)に対するX線源(10)の整合及び/または配置をチェックするステップ(404)、e)前記計測対象(100)に対するX線源(10)の整合及び/もしくは配置、ならびに/またはその逆について使用者を補助するステップ(405)、f)コリメータ(K)、及び/またはX線放射(RS)のビーム経路における配置のための、別のフィールド形成要素、を選択するステップ(406)、g)前記計測対象(100)に対するX線源(10)の整合及び/または配置を補正するステップ(407)、を含むことを特徴とする、請求項14~25の内いずれか一項に記載の方法。
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