JP2024522736A - がん治療のためのparp阻害剤と組み合わせたatr阻害剤の使用 - Google Patents

がん治療のためのparp阻害剤と組み合わせたatr阻害剤の使用 Download PDF

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Abstract

ATR阻害剤とPARP阻害剤の組み合わせを使用して、対象におけるがんを治療する方法及び異常キャンセル細胞の細胞死を誘導する方法が開示される。PARP阻害剤は式(III)又は(IV)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり得;がん/異常細胞がんはATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B及び/又はCDK12の機能の喪失を有し、又はALT+がん/がん細胞である。式(III)中、X1及びX2はそれぞれN又はC(H)、X3はN及びC(R4)、R4はH又はフルオロ、R1はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキル、R2はH、ハロ、C1-4アルキル、又はC1-4フルオロアルキル、R3はH又はC1-4アルキルである。式(IV)中、R1はH、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4フルオロアルキル、及びC1-4フルオロアルキルオキシ;R2はH、ハロ、C1-4アルキル、又はC1-4フルオロアルキル、R3はH又はC1-4アルキル、R4はハロ又はC1-4アルキルである。

Description

本発明は、毛細血管拡張性運動失調症及びRAD-3関連タンパク質(ATR)キナーゼ阻害剤、その薬学的に許容される塩、又はそれらを含む医薬組成物と、ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤、その薬学的に許容される塩、又はそれを含む医薬組成物との組み合わせ、及びがんなどの疾患又は状態の治療におけるそれらの使用に関する。
DNA損傷は、紫外線、X線、及び活性酸素や塩基の加水分解などの内因性ストレス因子を含む環境刺激の結果として細胞内で継続的に発生する。がん細胞は、本質的に細胞内でのDNA複製の速度が速いため、より高い頻度でDNA損傷を受ける。いくつかのDNA損傷応答(DDR)経路は、DNA損傷の修復を助け、損傷したDNAを持つ細胞の複製を停止する細胞チェックポイントとして機能するように、高度に調整された方法で進化しており、損傷したDNAが娘細胞に受け継がれる前に修復機能が起こることを可能にしている。同定された各DNA修復経路は、異なるが重複するタイプのDNA損傷を感知して修復する。
重要な細胞周期チェックポイントとして機能する主要なDDRタンパク質の1つは、ホスホイノシチド3-キナーゼ関連プロテインキナーゼ(PIKK)ファミリーに関連する毛細血管拡張性運動失調症変異型rad3関連(ATR)キナーゼである。ATRは、複製フォークの停止により、又はヌクレオチド切除修復中に引き起こされる一本鎖(ss)DNA損傷によって活性化されるが、相同組換え中のDNA末端切除後の二本鎖切断によっても活性化される。ATRは、ATR相互作用タンパク質(ATRIP)と呼ばれる補助因子とともにssDNAをコーティングするRPAタンパク質に結合することによって、DNA損傷部位に動員される。次に、ATR/ATRIP複合体は、9-1-1複合体(RAD9、RAD1、及びHUS1)内の追加の因子の動員によって活性化され、これは続いてTOPBP1タンパク質を動員し、細胞周期の停止をもたらす下流のリン酸化カスケードの活性化に重要なステップを示す。ATRキナーゼの主な標的はCHK1であり、これはリン酸化されるとcdc25タンパク質とWee1の両方を標的とし、サイクリン依存性キナーゼ活性の阻害とS期又はG2/M期での細胞周期の停止をもたらす。
ATRは細胞の分裂に不可欠であるため、重要ながん標的として特定されている。ATR欠損マウスは胎児致死性であるが、条件付きATRノックアウトされた成体マウスは、急速に増殖する組織や幹細胞集団に影響があるものの生存可能である。ATRを欠くマウス胚性幹細胞は、1~2回の倍加の間のみ分裂し、その後死滅することから、分裂細胞の維持にはATRが必要であることが示唆される。興味深いことに、ATRの発現を正常レベルの10%に低下させる発現低下型ATR変異を有するマウスは、H-rasG12D誘発腫瘍増殖の減少を示し、増殖する正常細胞、例えば骨髄細胞や腸上皮細胞への影響は最小限であった。発がん性突然変異、G1/Sチェックポイント制御の機能不全(例えば、p53機能の喪失)、他のDNA修復経路(例えば、ATM)における欠陥などにより、高レベルの複製ストレスを有するがん細胞、又はDNA損傷物質(例えば、放射線療法や化学療法剤)の影響を受けるがん細胞は、DNA修復及び生存においてATRへの依存度が高くなる。これらの結果を総合すると、ATR阻害に対する増殖中の腫瘍細胞の選択的感受性の理論的根拠と、健康な増殖細胞を超える治療域の可能性が強調される。
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの阻害剤(PARP阻害剤)は、DNA修復酵素であるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ1(PARP1)及び密接に関連するパラログを標的とする。いくつかのPARP阻害剤(オラパリブ、ニラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブ)が、様々ながん(例えば、卵巣がん、乳がん、卵管がん、及び原発性腹膜がん)の治療に承認されている。
新しい抗がん療法、特に、相乗効果によって全体の有効性を高め、いずれかの阻害剤単独よりも広範囲のがんを治療できる、異なる作用機序を持つ既知の阻害剤の効果的な組み合わせが求められている。
総じて、本発明は、がんの治療又はがん細胞における細胞死の誘導のための、ATR阻害剤又はその薬学的に許容される塩と、PARP阻害剤又はその薬学的に許容される塩との組み合わせを提供する。ここに含まれるがんは、例えば、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するがんであり得る。がんは、例えば、ALT+がんであり得る。PARP阻害剤は、式(III)又は(IV)の化合物:
式中、
及びXはそれぞれ独立してN及びC(H)から選択され、
は独立してN及びC(R)から選択され、RはH又はフルオロであり、
はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキルであり、
は独立してH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから選択され、
はH又はC1-4アルキルである、
又はその薬学的に許容される塩であり得、ただし、
がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
がNの場合、X及びXは両方ともC(H)である;
又は、
式中、
は独立してH、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4フルオロアルキル、及びC1-4アルキルオキシから選択され、
は独立してH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから選択され、
はH又はC1-4アルキルであり、
はハロ又はC1-4アルキルである、
又はその薬学的に許容される塩である。
一態様では、本発明は、対象におけるがんを治療する方法を提供し、この方法は、それを必要とする対象に治療有効量のATR阻害剤及びPARP阻害剤を投与することを含み、前記がんは、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するがんとして既に同定されたものであるか、又は前記がんは既にALT+がんとして同定されたものである。
別の態様では、本発明は、対象におけるがんを治療する方法を提供し、この方法は、それを必要とする対象に治療有効量のATR阻害剤及びPARP阻害剤を投与することを含み、前記がんは、ATMセリン/スレオニンキナーゼ、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するか、又は前記がんはALT+がんである。
さらに別の態様では、本発明は、対象におけるがんを治療する方法を提供し、この方法は:
(i)前記がんを、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するものとして、又はALT+がんとして同定すること、及び
(ii)それを必要とする対象に、治療有効量のATR阻害剤及びPARP阻害剤を投与すること
を含む。
いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、PARP阻害剤の前に投与される(例えば、1週間以内、6日以内、5日以内、4日以内、3日以内、2日以内、1日以内、又は12時間以内)。いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、PARP阻害剤の後に投与される(例えば、1週間以内、6日以内、5日以内、4日以内、3日以内、2日以内、1日以内、又は12時間以内)。いくつかの実施形態では、ATR阻害剤はPARP阻害剤と同時投与される。いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は断続的に投与される(例えば、1日/週、2日/週、又は3日/週)。いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、毎日、1日/週、2日/週、3日/週、又は4日/週投与される。いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、1日/週、2日/週、3日/週、又は4日/週投与される。いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は毎日継続的に投与される。
いくつかの実施形態では、治療有効量は、ATR阻害剤の治療量以下の(subtherapeutic)レジメンである。いくつかの実施形態では、治療有効量は、PARP阻害剤の治療量以下のレジメンである。いくつかの実施形態では、治療量以下のレジメンは、単剤療法に使用される最低標準開始用量より少なくとも50%少ない開始用量を含む。いくつかの実施形態では、治療量以下のレジメンは、単剤療法に使用される最低標準維持用量より少なくとも50%少ない維持用量を含む。いくつかの実施形態では、維持用量は第1の減量用量を含む。いくつかの実施形態では、維持用量は第2の減量用量を含む。いくつかの実施形態では、維持用量は第3の減量用量を含む。いくつかの実施形態では、投与経路は経口投与である。
さらに別の態様では、本発明は、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、もしくはそれらの組み合わせの機能の喪失を有する異常がん細胞、又はALT+がん細胞において細胞死を誘導する方法を提供し、この方法は、細胞を有効量のATR阻害剤及び有効量のPARP阻害剤と接触させることを含む。前記有効量は、異常がん細胞において細胞死を誘導するのに十分である。
いくつかの実施形態では、機能の喪失は、ATMの機能の喪失である。いくつかの実施形態では、機能の喪失は、RNAseH2Aの機能の喪失である。いくつかの実施形態では、機能の喪失は、RNAseH2Bの機能の喪失である。いくつかの実施形態では、機能の喪失は、CDK12の機能の喪失である。いくつかの実施形態では、機能の喪失は、BRCA2の機能の喪失である。いくつかの実施形態では、がんはALT+がんである。
いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、式(I)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
は二重結合であり、各Yは独立してN又はCRであるか、又は
は単結合であり、各Yは独立してNR、カルボニル、又はC(Rであり、各Rは独立してH又は任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は任意に置換されたC1-6アルキル又はHであり、
は、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、ハロゲン、-N(R、-OR、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は-Q-R5Bであり、
は、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキルであり、
各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、又は任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであるか;又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
各R5Aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC6-10アリールであり、
5Bはヒドロキシル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、-N(R、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は任意に置換されたアルコキシであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルコキシアルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであるか;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
Qは、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリレン、任意に置換されたC3-8シクロアルキレン、任意に置換されたC1-9ヘテロアリーレン、又は任意に置換されたC6-10アリーレンであり;
Xは水素又はハロゲンである。
いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、式(II)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
各Yは独立してN又はCRであり、
は任意に置換されたC1-6アルキル又はHであり、
は、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、ハロゲン、-N(R、-OR、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は-Q-R5Bであり、
は、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキルであり、
各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、又は任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであるか;又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
各R5Aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC6-10アリールであり、
5Bはヒドロキシル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、-N(R、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は任意に置換されたアルコキシであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルコキシアルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであるか;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
Qは、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリレン、任意に置換されたC3-8シクロアルキレン、任意に置換されたC1-9ヘテロアリーレン、又は任意に置換されたC6-10アリーレンであり、
Xは水素又はハロゲンである。
いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、化合物43、57、62、87、93、94、95、99、100、106、107、108、109、111、112、113、114、115、116、118、119、120、121、122、123、135、147、148、及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、化合物43又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、化合物121又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、化合物122又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、がんは、腎細胞がん、成熟B細胞新生物、子宮内膜がん、卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がん、結腸直腸がん、皮膚がん、小腸がん、非小細胞肺がん、黒色腫、膀胱がん、膵臓がん、頭頸部がん、中皮腫、神経膠腫、前立腺がん、乳がん、又は食道胃がんである。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、式(III)中のRはC1-4アルキルである。いくつかの実施形態では、式(III)のRはメチルである。いくつかの実施形態では、式(III)中のRはエチルである。いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は式(IIIa)の化合物:
式中、
はC1-4アルキルであり、
はH、ハロ、C1-4アルキル、又はC1-4フルオロアルキルであり、
はH又はC1-4アルキルであり、
はHである、
又はその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、Rは、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、又はメチルである。いくつかの実施形態では、RはH又はハロである。いくつかの実施形態では、Rはエチルであり、RはH、クロロ又はフルオロであり、Rはメチルである。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は式(IIIb)の化合物:
式中、
はC1-4アルキルであり、
はH又はハロであり、
はH又はC1-4アルキルである、
又はその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、Rはエチルであり、Rは、H、クロロ、又はフルオロであり、Rはメチルである。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、式(IIIc)の化合物:
式中、
はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキルであり、
はH、ハロ、C1-4アルキル、又はC1-4フルオロアルキルであり、
はH又はC1-4アルキルであり、
はH又はフルオロである、
又はその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、Rは、エチル、n-プロピル、トリフルオロメチル、1,1-ジフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2-フルオロエチル、又は2,2,2-トリフルオロエチルである。いくつかの実施形態では、Rは、H、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、フルオロ、又はクロロである。いくつかの実施形態では、RはH又はメチルである。いくつかの実施形態では、RはHである。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、
5-[4-[(3-エチル-2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(3-エチル-2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(3-エチル-2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-エチル-5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド、
6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
N-メチル-5-[4-[(3-オキソ-2-プロピル-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-N-メチル-5-[4-[(3-オキソ-2-プロピル-4H-キノキサリン)-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-N-メチル-5-[4-[(3-オキソ-2-プロピル-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-7-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(1,1-ジフルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(2,2-ジフルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(2,2-ジフルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(2-フルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[[2-(2-フルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-N-メチル-5-(4-((3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキノキサリン-6-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ピコリンアミド、
又はそれらの薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、又はその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、
6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-6(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
N-エチル-5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
又はそれらの薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、Rはメチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、1,1-ジフルオロエチル、1-フルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、又はメトキシである。いくつかの実施形態では、Rはメチル又はエチルである。
いくつかの実施形態では、RはH、クロロ、フルオロ、メチル、又はジフルオロメチルである。いくつかの実施形態では、Rはフルオロ又はメチルである。
いくつかの実施形態では、Rはメチル又はエチルである。
いくつかの実施形態では、Rはクロロ、フルオロ、又はメチルである。いくつかの実施形態では、Rはフルオロである。
いくつかの実施形態では、RはC1-4アルキルであり、Rはハロであり、RはC1-4アルキルであり、Rはハロ又はC1-4アルキルである。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、
5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[[5-フルオロ-2-[(1S及び1R)-1-フルオロエチル]-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[5-フルオロ-2-[(1S及び1R)-1-フルオロエチル]-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(1,1-ジフルオロエチル)-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル))メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル))メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン)-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
N-エチル-6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル))メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
N-エチル-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-イソプロピル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-イソプロピル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-イソプロピル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、5-[4-[(2-シクロプロピル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-シクロプロピル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-シクロプロピル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-メトキシ-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(2-メトキシ-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2-メトキシ-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、又は
それらの薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、又はその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミドである。
別の態様では、本発明は、対象におけるがんを治療する方法を提供し、この方法は、それを必要とする対象に、治療有効量のATR阻害剤及び治療有効量のPARP阻害剤を投与することを含み、前記がんは、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するがんとして既に同定されたものであるか、又は前記がんは既にALT+がんとして同定されたものであり、PARP阻害剤は、ベリパリブ(ABT-888)、イニパリブ(BSI-201)、2X-121、CEP-9722、KU-0059436(AZD2281)、PF-01367338、それらの薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせである。
さらに別の態様では、本発明は、対象におけるがんを治療する方法を提供し、この方法は、それを必要とする対象に、治療有効量のATR阻害剤及び治療有効量のPARP阻害剤を投与することを含み、前記がんは、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するか、又は前記がんはALT+がんであり、PARP阻害剤は、ベリパリブ(ABT-888)、イニパリブ(BSI-201)、2X-121、CEP-9722、KU-0059436(AZD2281)、PF-01367338、それらの薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせである。
さらに別の態様では、本発明は、対象におけるがんを治療する方法を提供し、この方法は:
(i)前記がんを、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するものとして、又はALT+がんとして同定する工程;及び
(ii)それを必要とする対象に、治療有効量のATR阻害剤と、ベリパリブ(ABT-888)、イニパリブ(BSI-201)、2X-121、CEP-9722、KU-0059436(AZD2281)、PF-01367338、それらの薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせである治療有効量のPARP阻害剤とを投与する工程を含む。
いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、PARP阻害剤の前に投与される。いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、PARP阻害剤の後に投与される。いくつかの実施形態では、ATR阻害剤はPARP阻害剤と同時投与される。
いくつかの実施形態では、治療有効量は、ATR阻害剤の治療量以下のレジメンである。いくつかの実施形態では、治療有効量は、PARP阻害剤の治療量以下のレジメンである。いくつかの実施形態では、治療量以下のレジメンは、単剤療法に使用される最低標準開始用量より少なくとも50%少ない開始用量を含む。いくつかの実施形態では、治療量以下のレジメンは、単剤療法に使用される最低標準維持用量より少なくとも50%少ない維持用量を含む。
いくつかの実施形態では、維持用量は第1の減量用量を含む。いくつかの実施形態では、維持用量は第2の減量用量を含む。いくつかの実施形態では、維持用量は第3の減量用量を含む。
いくつかの実施形態では、投与経路は経口投与である。
いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、1日/週、2日/週、又は3日/週投与される。いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、1日/週、2日/週、3日/週、又は4日/週投与される。
さらなる態様では、本発明は、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有する異常がん細胞、又はALT+がん細胞において細胞死を誘導する方法を提供し、この方法は、前記細胞を有効量のATR阻害剤及び有効量のPARP阻害剤と接触させることを含み、前記有効量は、異常がん細胞において細胞死を誘導するのに十分であり、PARP阻害剤は、ベリパリブ(ABT-888)、イニパリブ(BSI-201)、2X-121、CEP-9722、KU-0059436(AZD2281)、PF-01367338、それらの薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、前記機能の喪失は、ATMの機能の喪失である。いくつかの実施形態では、前記機能の喪失は、RNAseH2Aの機能の喪失である。いくつかの実施形態では、前記機能の喪失は、RNAseH2Bの機能の喪失である。いくつかの実施形態では、前記機能の喪失は、CDK12の機能の喪失である。いくつかの実施形態では、前記機能の喪失は、BRCA2の機能の喪失である。いくつかの実施形態では、前記がんはALT+がんである。
いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は式(I)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
は二重結合であり、各Yは独立してN又はCRであるか、又は
は単結合であり、各Yは独立してNR、カルボニル、又はC(Rであり、各Rは独立してH又は任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は任意に置換されたC1-6アルキル又はHであり、
は、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、ハロゲン、-N(R、-OR、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は-Q-R5Bであり、
は、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキルであり、
各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、又は任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであるか;又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
各R5Aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC6-10アリールであり、
5Bはヒドロキシル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、-N(R、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は任意に置換されたアルコキシであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルコキシアルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであるか;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
Qは、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリレン、任意に置換されたC3-8シクロアルキレン、任意に置換されたC1-9ヘテロアリーレン、又は任意に置換されたC6-10アリーレンであり;
Xは水素又はハロゲンである。
いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、式(II)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
各Yは独立してN又はCRであり、
は任意に置換されたC1-6アルキル又はHであり、
は、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、ハロゲン、-N(R、-OR、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は-Q-R5Bであり、
は、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキルであり、
各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、又は任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであるか;又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
各R5Aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC6-10アリールであり、
5Bはヒドロキシル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、-N(R、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は任意に置換されたアルコキシであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルコキシアルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであるか;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
Qは、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリレン、任意に置換されたC3-8シクロアルキレン、任意に置換されたC1-9ヘテロアリーレン、又は任意に置換されたC6-10アリーレンであり、
Xは水素又はハロゲンである。
いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、化合物43、57、62、87、93、94、95、99、100、106、107、108、109、111、112、113、114、115、116、118、119、120、121、122、123、135、147、148、及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、化合物43又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、化合物121又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、ATR阻害剤は、化合物122又はその薬学的に許容される塩である。
定義
本明細書で使用される「異常」という用語は、正常とは異なることを指す。酵素活性を説明するために使用される場合、「異常」とは、正常対照又は正常な非罹患対照サンプルの平均よりも高い又は低い活性を指す。異常な活性は、疾患を引き起こす活性の量を指す場合があり、異常な活性を正常な量又は疾患に関連しない量に戻すと(例えば、化合物を投与するか、又は本明細書に記載の方法を使用することによって)、結果として、疾患、又は1つ以上の疾患の症状が軽減する。異常な活性は、問題の酵素の基質の修飾を測定することによって測定できる。活性の変化が2倍以上である場合は、異常とみなすことができる。異常な活性は、別の相補的経路の欠損の結果として生じる、特定のシグナル伝達経路への依存性の増大を指すこともある。
本明細書で使用される「アシル」という用語は、基-C(=O)-Rを表し、ここで、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルである。アシルは、各R基について本明細書に記載されているように、任意に置換されてもよい。
本明細書で使用される「腺がん」という用語は、生物内の器官の内側を覆う腺細胞から生じる悪性腫瘍を表す。腺がんの非限定的な例としては、非小細胞肺がん、前立腺がん、膵臓がん、食道がん、及び結腸直腸がんが挙げられる。
本明細書で使用される「アルカノイル」という用語は、水素、又はカルボニル基を介して親分子基に結合しているアルキル基を表し、ホルミル(すなわち、カルボキシアルデヒド基)、アセチル、プロピオニル、ブチリル、及びイソブチリルによって例示される。非置換アルカノイル基は、1~7個の炭素を含む。アルカノイル基は、アルキル基について本明細書に記載されるように、非置換であっても置換されていてもよい(例えば、任意に置換されたC1-7アルカノイル)。語尾の「-オイル(-oyl)」は、本明細書で定義される別の基、例えば、アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルに付加されて、「アリーロイル(aryloyl)」、「シクロアルカノイル」、及び「(ヘテロシクリル)オイル」を定義することができる。これらの基は、それぞれアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルで置換されたカルボニル基を表す。「アリーロイル」、「シクロアルカノイル」、及び「(ヘテロシクリル)オイル」のそれぞれは、それぞれ「アリール」、「シクロアルキル」、又は「ヘテロシクリル」について定義されるように、任意に置換されてもよい。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、1、2、又は3個の炭素-炭素二重結合を含む非環式一価の直鎖又は分枝鎖炭化水素基を表す。アルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、プロパ-1-エニル、プロパ-2-エニル、1-メチルエテニル、ブト-1-エニル、ブト-2-エニル、ブト-3-エニル、1-メチルプロプ-1-エニル、2-メチルプロパ-1-エニル、及び1-メチルプロパ-2-エニルが挙げられる。アルケニル基は、アルキルについて本明細書で定義されるように任意に置換されてもよい。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、式-ORの化学置換基を表し、ここでRは、特に指定しない限りC1-6アルキル基である。いくつかの実施形態では、アルキル基は、本明細書で定義されるようにさらに置換され得る。「アルコキシ」という用語は、本明細書で定義される他の用語、例えば、アリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルと組み合わせて、「アリールアルコキシ」、「シクロアルキルアルコキシ」、及び「(ヘテロシクリル)アルコキシ」基を定義することができる。これらの基は、それぞれアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルで置換されたアルコキシを表す。「アリールアルコキシ」、「シクロアルキルアルコキシ」、及び「(ヘテロシクリル)アルコキシ」のそれぞれは、個々の部分について本明細書で定義されるように任意に置換されてもよい。
本明細書で使用される「アルコキシアルキル」という用語は、式-L-O-Rの化学置換基を表し、ここで、LはC1-6アルキレンであり、RはC1-6アルキルである。任意に置換されたアルコキシアルキルは、アルキルについて本明細書に記載されるように任意に置換されたアルコキシアルキルである。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、非環式の直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を指し、非置換の場合は、特に指定しない限り1~12個の炭素を有する。特定の好ましい実施形態では、非置換アルキルは1~6個の炭素を有する。アルキル基は、メチル;エチル;n-及びイソ-プロピル;n-、sec-、イソ-及びtert-ブチル;ネオペンチルなどによって例示され、1、2、3個、又は炭素数2以上のアルキル基の場合には4個以上の置換基であって、原子価が許す限り、アミノ;アリール;アリールオキシ;アジド;シクロアルキル;シクロアルコキシ;シクロアルケニル;シクロアルキニル;ハロ;ヘテロシクリル;(ヘテロシクリル)オキシ;ヘテロアリール;ヒドロキシ;ニトロ;チオール;シリル;シアノ;アルキルスルホニル;アルキルスルフィニル;アルキルスルフェニル;=O;=S;-SOR、ここでRはアミノ又はシクロアルキル;=NR’、ここでR’はH、アルキル、アリール、又はヘテロシクリルからなる群から独立して選択される置換基で任意に置換され得る。各置換基はそれ自体非置換であってもよいし、原子価が許す限り、それぞれの基について本明細書で定義される非置換置換基で置換されていてもよい。
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、二価のアルキル基を指す。任意に置換されたアルキレンは、アルキルについて本明細書に記載されるように任意に置換されたアルキレンである。
本明細書で使用される「アルキルアミノ」という用語は、式-N(RN1又は-NHRN1を有する基を指し、RN1は本明細書で定義されるアルキルである。アルキルアミノのアルキル部分は、アルキルについて定義したように任意に置換することができる。置換アルキルアミノの各任意の置換基は、それ自体非置換であってもよく、又は原子価が許す限り、それぞれの基について本明細書で定義される非置換置換基で置換されてもよい。
本明細書で使用される「アルキルスルフェニル」という用語は、式-S-(アルキル)の基を表す。アルキルスルフェニルは、アルキルについて定義したように任意に置換され得る。
本明細書で使用される「アルキルスルフィニル」という用語は、式-S(O)-(アルキル)の基を表す。アルキルスルフィニルは、アルキルについて定義したように任意に置換され得る。
本明細書で使用される「アルキルスルホニル」という用語は、式-S(O)2-(アルキル)の基を表す。アルキルスルホニルは、アルキルについて定義したように任意に置換され得る。
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む2~6個の炭素原子の一価の直鎖又は分枝鎖炭化水素基を表し、エチニル、1-プロピニルなどによって例示される。アルキニル基は、アルキルについて定義したように、非置換であっても置換されていてもよい(例えば、任意に置換されたアルキニル)。
本明細書で使用される「ALT+がん」という用語は、テロメアを延長及び維持するための代替テロメア延長(ALT)と呼ばれる相同組換えに基づく経路を利用するがんを指す。ALT+細胞は、当技術分野で知られている技術を使用して同定され得る。例えば、ALT+細胞は、ALT関連PMLボディ、不均一なテロメア長、豊富な染色体外テロメアリピート(ECTR)、及び高レベルのテロメア姉妹染色分体交換(T-SCE)のうちの1つ以上を示す。Bryan et al.,EMBO J.,14:4240-4248,1995;Dunham et al.,Nat Genet.,26:447-450,2000;Muntoni et al.,Hum.Mol.Genet.,18:1017-1027,2009;Yeager et al.,Cancer Res.,59:4175-4179,1999;及びCesare et al.,Mol.Cell.Biol.,247:765-772,2004を参照。ALT+がん(例えば、ALT+がん細胞)は、ALT+間葉がん(例えば、ALT+間葉がん細胞)であり得る。ALT+がんの非限定的な例としては、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、神経膠芽腫、及び神経内分泌膵臓がんが挙げられる。
本明細書で使用される「アミノ」という用語は、-N(RN1を表し、アミノが置換されていない場合、RN1は両方ともHであるか、又は、アミノが置換されている場合、各RN1は独立してH、-OH、-NO、-N(RN2、-SOORN2、-SON2、-SORN2、-COORN2、N-保護基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアルキル、又はヘテロシクリルであるが、少なくとも1つのRN1はHではなく、各RN2は独立してH、アルキル、又はアリールであることを条件とする。各置換基はそれ自体非置換であってもよく、又はそれぞれの基について本明細書で定義される非置換置換基で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アミノは、非置換アミノ(すなわち、-NH)又は置換アミノ(例えば、NHRN1)であり、RN1は、独立して、-OH、SOORN2、-SON2、-SORN2、-COORN2、任意に置換されたアルキル、又は任意に置換されたアリールであり、各RN2は、任意に置換されたアルキル又は任意に置換されたアリールであり得る。いくつかの実施形態において、置換アミノは、アルキルアミノであってもよく、ここで、アルキル基は、アルキルについて本明細書に記載されるように任意に置換される。いくつかの実施形態では、アミノ基は-NHRN1であり、RN1は任意に置換されたアルキルである。
本明細書で使用される「アリール」という用語は、1つ又は2つの芳香環を有する単環式、二環式、又は多環式炭素環系を表す。アリール基は、6~10個の炭素原子を含み得る。非置換炭素環式アリール基内のすべての原子は炭素原子である。炭素環式アリール基の非限定的な例としては、フェニル、ナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インダニル、インデニルなどが挙げられる。アリール基は、非置換であってもよく、又は、アルキル;アルケニル;アルキニル;アルコキシ;アルキルスルフィニル;アルキルスルフェニル;アルキルスルホニル;アミノ;アリール;アリールオキシ;アジド;シクロアルキル;シクロアルコキシ;シクロアルケニル;シクロアルキニル;ハロ;ヘテロアルキル;ヘテロシクリル;(ヘテロシクリル)オキシ;ヒドロキシ;ニトロ;チオール;シリル;及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で置換されていてもよい。各置換基はそれ自体非置換であってもよく、又はそれぞれの基について本明細書で定義される非置換置換基で置換されてもよい。
本明細書で使用される「アリールアルキル」という用語は、アリール基で置換されたアルキル基を表す。アリール部分及びアルキル部分は、本明細書に記載の個々の基として任意に置換されてもよい。
本明細書で使用される「アリーレン」という用語は、二価のアリール基を指す。任意に置換されたアリーレンは、アリールに関して本明細書に記載されるように任意に置換されたアリーレンである。
本明細書で使用される「アリールオキシ」という用語は、式-ORの化学置換基を表し、特に指定しない限り、Rはアリール基である。任意に置換されたアリールオキシでは、アリール基は、アリールについて本明細書に記載されるように任意に置換される。
本明細書で使用される「ATM」という用語は、ATMセリン/スレオニンキナーゼを表す。本明細書で使用される「ATR阻害剤」という用語は、酵素ATRキナーゼと接触すると、in vitro、細胞培養、又は動物内のいずれであっても、測定されるATRキナーゼIC50が10μM以下(例えば、5μM以下又は1μM以下)となるようにATRキナーゼの活性を低下させる化合物を表す。特定のATR阻害剤については、ATRキナーゼIC50は100nM以下(例えば、10nM以下、又は1nM以下)であり得、100pM又は10pMほど低くなり得る。好ましくは、ATRキナーゼIC50は、0.1nM~1μM(例えば、0.1nM~750nM、0.1nM~500nM、又は0.1nM~250nM)である。
本明細書で使用される「ATRキナーゼ」という用語は、毛細血管拡張性運動失調症及びRAD-3関連タンパク質キナーゼを指す。
本明細書で使用される「アジド」という用語は、-N基を表す。
本明細書で使用される「BRCA2」という用語は、乳がん2型感受性遺伝子又はタンパク質を表す。
本明細書で使用される「がん」という用語は、白血病、がん腫及び肉腫を含む、哺乳類(例えば、ヒト)に見られるあらゆる種類のがん、新生物又は悪性腫瘍を指す。本明細書で提供される化合物又は方法で治療され得るがんの非限定的な例としては、前立腺がん、甲状腺がん、内分泌系がん、脳がん、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、頭頸部がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、黒色腫、中皮腫、卵巣がん、肉腫、胃がん、子宮がん、髄芽腫、乳頭がん、結腸直腸がん、及び膵臓がんが挙げられる。さらなる非限定的な例には、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽腫、神経膠腫、多形神経膠芽腫、卵巣がん、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、がん、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱がん、前がん性皮膚病変、精巣がん、リンパ腫、甲状腺がん、神経芽腫、食道がん、泌尿生殖器がん、悪性高カルシウム血症、子宮内膜がん、副腎皮質がん、膵臓内分泌部又は外分泌部の新生物、甲状腺髄様がん、甲状腺髄様がん腫、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺乳頭がん、肝細胞がん、及び前立腺がんが含まれ得る。
本明細書で使用される「炭素環式」という用語は、芳香族又は非芳香族であり得る環が炭素原子によって形成された、任意に置換されたC3~16の単環式、二環式、又は三環式構造を表す。炭素環構造には、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、及び特定のアリール基が含まれる。
本明細書で使用される「カルボニル」という用語は、-C(O)-基を表す。
本明細書で使用される「がん腫(carcinoma)」という用語は、周囲の組織に浸潤して転移を引き起こす傾向がある上皮細胞で構成される悪性の新たな増殖を指す。本明細書で提供される化合物又は方法で治療され得るがん腫の非限定的な例としては、例えば、甲状腺髄様がん、家族性甲状腺髄様がん、腺房(acinar)がん、腺房(acinous)がん、腺嚢胞がん、腺様嚢胞がん、腺腫がん、副腎皮質のがん腫、肺胞がん、肺胞細胞がん、基底細胞がん、基底扁平上皮がん、気管支肺胞がん、細気管支がん、気管支原性がん、脳状がん、胆管細胞がん、絨毛がん、コロイドがん、面皰がん腫、体部がん、篩状がん、鎧状がん、皮膚がん、円筒がん、円筒細胞がん、管がん、硬膜がん、胎児性がん、脳様体がん、類表皮がん、腺様上皮がん、外増殖性がん、潰瘍外がん腫、線維がん、ゼラチニフォルニ(gelatiniforni)がん、膠様がん、巨細胞がん、巨大細胞がん、腺がん、顆粒膜細胞腫、毛母腫、血球がん、肝細胞がん、ハースレ細胞がん、硝子様がん、副腎腫、乳児胎児がん、上皮内がん、表皮内がん、上皮内がん、クロンペッカー(Krompecher‘s)がん、クルチツキー細胞がん、大細胞がん、扁豆状がん、脂肪腫様がん、リンパ上皮がん、髄様がん、黒色がん、軟性がん、粘液がん、粘液細胞性がん、粘表皮がん、粘液がん、粘液性がん、粘液腫様がん、上咽頭がん、エンバク細胞がん、骨化性がん、骨様がん、乳頭状がん、門脈周囲がん、上皮内がん、有棘細胞がん、粥状がん、腎臓腎細胞がん、予備細胞がん、肉腫様がん、シュナイダーがん、スキルスがん、陰嚢がん、印環細胞がん、単純がん、小細胞がん、ソラノイド(solanoid)がん、球状細胞がん、紡錘体細胞がん、海綿様がん、扁平上皮がん、扁平上皮細胞がん、ストリングがん、毛細血管拡張性がん、移行上皮がん、結節がん、疣状がん、及び絨毛がんが挙げられる。
本明細書で使用される「シアノ」という用語は、-CN基を表す。
本明細書で使用される「シクロアルケニル」という用語は、特に指定しない限り、環内に少なくとも1つの二重結合及び3~10個の炭素を有する非芳香族炭素環基(例えば、C3-10シクロアルケニル)を指す。シクロアルケニルの非限定的な例としては、シクロプロパ-1-エニル、シクロプロパ-2-エニル、シクロブト-1-エニル、シクロブト-1-エニル、シクロブト-2-エニル、シクロペント-1-エニル、シクロペント-2-エニル、シクロペント-3-エニル、ノルボルネン-1-イル、ノルボルネン-2-イル、ノルボルネン-5-イル、及びノルボルネン-7-イルが挙げられる。シクロアルケニル基は、シクロアルキルについて記載したように、非置換であっても置換されていてもよい(例えば、任意に置換されたシクロアルケニル)。
本明細書で使用される「シクロアルケニルアルキル」という用語は、それぞれ本明細書で定義されるシクロアルケニル基で置換されたアルキル基を表す。シクロアルケニル部分及びアルキル部分は、本明細書で定義される個々の基として置換されていてもよい。
本明細書で使用される「シクロアルコキシ」という用語は、式-ORの化学置換基を表し、ここでRは、特に指定しない限りシクロアルキル基である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、本明細書で定義されるようにさらに置換され得る。
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、特に指定しない限り、3~10個の炭素を有する環状アルキル基(例えば、C3-C10シクロアルキル)を指す。シクロアルキル基は、単環式であっても二環式であってもよい。二環式シクロアルキル基は、ビシクロ[p.q.0]アルキルタイプであってもよく、p及びqのそれぞれは、独立して、1、2、3、4、5、6、又は7であるが、pとqの合計は、2、3、4、5、6、7、又は8である。あるいは、二環式シクロアルキル基は、架橋シクロアルキル構造、例えば、ビシクロ[p.q.r]アルキルを含んでもよく、rは1、2、又は3であり、p及びqはそれぞれ独立して、1、2、3、4、5、又は6であるが、p、q、及びrの合計は、3、4、5、6、7、又は8である。シクロアルキル基は、スピロ環基、例えば、スピロ[p.q]アルキルであってもよく、p及びqのそれぞれは、独立して、2、3、4、5、6、又は7であるが、pとqの合計は、4、5、6、7、8、又は9である。シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、1-ビシクロ[2.2.1.]ヘプチル、2-ビシクロ[2.2.1.]ヘプチル、5-ビシクロ[2.2.1.]ヘプチル、7-ビシクロ[2.2.1.]ヘプチル、及びデカリニルが挙げられる。シクロアルキル基は、非置換であってもよく、又は、アルキル;アルケニル;アルキニル;アルコキシ;アルキルスルフィニル;アルキルスルフェニル;アルキルスルホニル;アミノ;アリール;アリールオキシ;アジド;シクロアルキル;シクロアルコキシ;シクロアルケニル;シクロアルキニル;ハロ;ヘテロアルキル;ヘテロシクリル;(ヘテロシクリル)オキシ;ヘテロアリール;ヒドロキシ;ニトロ;チオール;シリル;シアノ;=O;=S;-SOR(Rはアミノ又はシクロアルキルである);=NR’(R’はH、アルキル、アリール、又はヘテロシクリルである);又は-CON(R(各Rは独立してH又はアルキル、又は両方のRは、それらが結合している原子と結合してヘテロシクリルを形成する)からなる群から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で置換されてもよい(例えば、任意に置換されたシクロアルキル)。各置換基はそれ自体非置換であってもよく、又はそれぞれの基について本明細書で定義される非置換置換基で置換されてもよい。
本明細書で使用される「シクロアルキルアルキル」という用語は、それぞれ本明細書で定義されるシクロアルキル基で置換されたアルキル基を表す。シクロアルキル部分及びアルキル部分は、本明細書に記載の個々の基のように任意に置換されてもよい。
本明細書で使用される「シクロアルキレン」という用語は、二価のシクロアルキル基を表す。任意に置換されたシクロアルキレンは、シクロアルキルについて本明細書に記載されるように任意に置換されたシクロアルキレンである。
本明細書で使用される「シクロアルキニル」という用語は、特に指定しない限り、1又は2個の炭素-炭素三重結合を有し、8~12個の炭素を有する一価の炭素環基を指す。シクロアルキニルは、環を貫通する1つの結合又は架橋を含み得る。シクロアルキニルの非限定的な例としては、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル、及びシクロデカジイニルが挙げられる。シクロアルキニル基は、シクロアルキルについて定義したように、非置換であっても置換されていてもよい(例えば、任意に置換されたシクロアルキニル)。
「疾患」又は「状態」は、本明細書に提供される化合物又は方法で治療できる患者又は対象の状態又は健康状態を指す。
本明細書で使用される「ハロ」という用語は、臭素、塩素、ヨウ素、及びフッ素から選択されるハロゲンを表す。
本明細書で使用される「ヘテロアルキル」という用語は、1個又は2個のヘテロ原子による割り込みが1回;各回につき独立して1個又は2個のヘテロ原子による割り込みが2回;各回につき独立して1個又は2個のヘテロ原子による割り込みが3回;又は、各回につき独立して1個又は2個のヘテロ原子による割り込みが4回あるアルキル、アルケニル、又はアルキニル基を指す。各ヘテロ原子は、独立して、O、N、又はSである。いくつかの実施形態において、ヘテロ原子はO又はNである。ヘテロアルキル基のいずれも、2つの連続する酸素原子又は硫黄原子を含まない。ヘテロアルキル基は、非置換であっても置換されていてもよい(例えば、任意に置換されたヘテロアルキル)。ヘテロアルキルが置換され、その置換基がヘテロ原子に結合している場合、置換基はヘテロ原子の性質及び価数に従って選択される。したがって、ヘテロ原子に結合する置換基は、原子価が許す限り、=O、-N(RN2、-SOORN3、-SON2、-SORN3、-COORN3、N保護基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル、又はシアノからなる群から選択され、各RN2は独立してH、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、又はヘテロシクリルであり、各RN3は独立してアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、又はヘテロシクリルである。これらの置換基のそれぞれは、それ自体非置換であってもよく、又はそれぞれの基について本明細書で定義される非置換置換基で置換されてもよい。ヘテロアルキルが置換されており、その置換基が炭素に結合している場合、その置換基は、ヘテロ原子に結合している炭素原子の置換基がCl、Br、又はIではないという条件で、アルキルについて記載されたものから選択される。炭素原子は、ヘテロアルキル基の末端に見られるということが理解される。
本明細書で使用される「ヘテロアリールアルキル」という用語は、それぞれ本明細書で定義されるヘテロアリール基で置換されたアルキル基を表す。ヘテロアリール部分及びアルキル部分は、本明細書に記載の個々の基のように任意に置換されてもよい。
本明細書で使用される「ヘテロアリーレン」という用語は、二価のヘテロアリールを表す。任意に置換されたヘテロアリーレンは、ヘテロアリールについて本明細書に記載されるように任意に置換されたヘテロアリーレンである。
本明細書で使用される「ヘテロアリールオキシ」という用語は、構造-ORを指し、Rはヘテロアリールである。ヘテロアリールオキシは、ヘテロシクリルについて定義したように任意に置換することができる。
本明細書で使用される「ヘテロシクリル」という用語は、特に指定しない限り、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含む、縮合、架橋、及び/又はスピロ3員、4員、5員、6員、7員又は8員環を有する、単環式、二環式、三環式、又は四環式環系を表す。いくつかの実施形態において、「ヘテロシクリル」は、特に指定しない限り、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含む、縮合又は架橋5員、6員、7員、又は8員環を有する、単環式、二環式、三環式、又は四環式環系である。ヘテロシクリルは芳香族であっても非芳香族であってもよい。非芳香族5員ヘテロシクリルは0個又は1個の二重結合を有し、非芳香族6員及び7員ヘテロリル基は0~2個の二重結合を有し、非芳香族8員ヘテロシクリル基は0~2個の二重結合及び/又は0~1個の炭素間三重結合を有する。ヘテロシクリル基は、特に指定しない限り、1~16個の炭素原子を含む。特定のヘテロシクリル基は、最大9個の炭素原子を含み得る。非芳香族ヘテロシクリル基としては、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロインドリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ピラニル、ジヒドロピラニル、ジチアゾリルなどが挙げられる。複素環系が少なくとも1つの芳香族共鳴構造又は少なくとも1つの芳香族互変異性体を有する場合、そのような構造は芳香族ヘテロシクリル(すなわち、ヘテロアリール)である。ヘテロアリール基の非限定的な例としては、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、フリル、イミダゾリル、インドリル、イソインダゾリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、プリニル、ピロリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、クナゾリニル(qunazolinyl)、キノリニル、チアジアゾリル(例えば、1,3,4-チアジアゾール)、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリルなどが挙げられる。「ヘテロシクリル」という用語はまた、1つ以上の炭素及び/又はヘテロ原子が単環の2つの隣接しないメンバーを架橋している架橋多環構造を有する複素環式化合物、例えば、キヌクリジン、トロパン、又はジアザ-ビシクロ[2.2.2]オクタンを表す。「ヘテロシクリル」という用語には、上記複素環のいずれかが1、2、又は3個の炭素環、例えば、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、又は別の単環式複素環に縮合している二環式、三環式、及び四環式基が含まれる。縮合ヘテロシクリルの例には、1,2,3,5,8,8a-ヘキサヒドロインドリジン;2,3-ジヒドロベンゾフラン;2,3-ジヒドロインドール;及び2,3-ジヒドロベンゾチオフェンが挙げられる。ヘテロシクリル基は、非置換であってもよく、又は、アルキル;アルケニル;アルキニル;アルコキシ;アルキルスルフィニル;アルキルスルフェニル;アルキルスルホニル;アミノ;アリール;アリールオキシ;アジド;シクロアルキル;シクロアルコキシ;シクロアルケニル;シクロアルキニル;ハロ;ヘテロアルキル;ヘテロシクリル;(ヘテロシクリル)オキシ;ヒドロキシ;ニトロ;チオール;シリル;シアノ;=O;=S;=NR’(R’はH、アルキル、アリール、又はヘテロシクリルである)からなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、又は6個の置換基で置換されてもよい。各置換基はそれ自体非置換であってもよく、又はそれぞれの基について本明細書で定義される非置換置換基で置換されてもよい。
本明細書で使用される「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、それぞれ本明細書で定義されるヘテロシクリル基で置換されたアルキル基を表す。ヘテロシクリル部分及びアルキル部分は、本明細書に記載の個々の基のように任意に置換されてもよい。
本明細書で使用される「ヘテロシクリレン」という用語は、二価のヘテロシクリルを表す。任意に置換されたヘテロシクリレンは、ヘテロシクリルについて本明細書に記載されるように任意に置換されたヘテロシクリレンである。
本明細書で使用される「(ヘテロシクリル)オキシ」という用語は、式-ORの化学置換基を表し、特に指定しない限り、Rはヘテロシクリル基である。(ヘテロシクリル)オキシは、ヘテロシクリルについて記載した方法で任意に置換することができる。
「ヒドロキシル」及び「ヒドロキシ」という用語は、本明細書において互換的に使用され、-OH基を表す。
本明細書で使用される「同位体濃縮された」という用語は、分子内の所定の位置にある1つの同位体について、この同位体の天然存在量よりも少なくとも100倍大きい同位体含有量を有する薬学的活性剤を指す。例えば、重水素について同位体濃縮された組成物は、重水素の自然存在量よりも少なくとも100倍大きい重水素存在量を有する少なくとも1つの水素原子位置を有する活性剤を含む。好ましくは、重水素の同位体濃縮度は、重水素の自然存在量よりも少なくとも1000倍大きい。より好ましくは、重水素の同位体濃縮度は、重水素の自然存在量よりも少なくとも4000倍大きい(例えば、少なくとも4750倍大きい、例えば、最大5000倍大きい)。
本明細書で使用される「白血病」という用語は、造血器官の進行性の悪性疾患を広く指し、通常、血液及び骨髄における白血球及びその前駆体の異常な増殖及び発達を特徴とする。白血病は通常、(1)疾患の期間と性質(急性か慢性か);(2)関与する細胞の種類;骨髄性、リンパ性、又は単球性;及び(3)血液中の異常細胞(白血性又は非白血性(亜白血性))の数の増加又は非増加に基づいて臨床的に分類される。本明細書で提供される化合物又は方法で治療され得る例示的な白血病には、例えば、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄性白血病、成人T細胞白血病、非白血性白血病、白血球性白血病、好塩基性白血病、芽球性白血病、牛白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胎児性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、ヘアリー細胞白血病、血芽球性白血病、血球芽細胞白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少症白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞性白血病、巨核球性白血病、微小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄球白血病、骨髄性顆粒球白血病、骨髄単球性白血病、Naegeli白血病、形質細胞白血病、多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーダー細胞白血病、シリング白血病、幹細胞白血病、亜白血性白血病、及び未分化細胞白血病が挙げられる。
本明細書で使用される「リンパ腫」という用語は、免疫起源の細胞から生じるがんを指す。T細胞リンパ腫及びB細胞リンパ腫の非限定的な例としては、非ホジキンリンパ腫及びホジキン病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、小細胞リンパ球性リンパ腫-慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫-ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)/濾胞性T細胞リンパ腫(FTCL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、腸疾患関連T細胞リンパ腫(EATL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、又は節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型が挙げられる。
本明細書で使用される「黒色腫」という用語は、皮膚及び他の器官のメラノサイト系から生じる腫瘍を意味すると解釈される。本明細書で提供される化合物又は方法で治療され得る黒色腫としては、例えば、末端黒子型黒色腫、無色素性黒色腫、若年性良性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91メラノーマ、Harding-Passey黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、結節型黒色腫、爪下黒色腫、及び表在性黒色腫が挙げられる。
本明細書で使用される「ニトロ」という用語は、-NO基を表す。
本明細書で使用される「オキソ」という用語は、二価の酸素原子を表す(例えば、オキソの構造は=Oとして示され得る)。
本明細書で使用される「PARP阻害剤」という用語は、別段の指定がない限り、式(III)の化合物:
式中、
及びXはそれぞれ独立してN及びC(H)から選択され、
は独立してN及びC(R)から選択され、RはH又はフルオロであり、
はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキルであり、
はH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから独立して選択され、
はH又はC1-4アルキルである、
又はその薬学的に許容される塩を表し、
ただし、
がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
がNの場合、X及びXは両方ともC(H)である。
本明細書で使用される「PARP」という用語は、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)を指す。
本明細書で使用される「Ph」という用語は、フェニルを表す。
本明細書で使用される「医薬組成物」という用語は、本明細書に記載の化合物を含有し、薬学的に許容される賦形剤とともに製剤化され、哺乳類における疾患の治療のための治療計画の一部として政府規制当局の承認を得て製造又は販売される組成物を表す。医薬組成物は、例えば、経口投与用に単位投与量剤形(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、ジェルカプセル、又はシロップ)で;局所投与用に(例えば、クリーム、ジェル、ローション、又は軟膏として);静脈内投与用に(例えば、粒子状塞栓を含まない滅菌溶液として、及び静脈内使用に適した溶媒系として);又は他の本明細書に記載のいずれかの製剤として製剤化することができる。
本明細書で互換的に使用される「薬学的に許容される賦形剤」又は「薬学的に許容される担体」という用語は、本明細書に記載の化合物以外の任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁又は溶解させることができるビヒクル)であって、患者において非毒性及び非炎症性の特性を有するものを指す。賦形剤には、例えば、付着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング、圧縮助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、皮膜形成剤又はコーティング、香料、芳香剤、滑剤(流動促進剤)、潤滑剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤又は分散剤、甘味料、又は水和水が含まれ得る。賦形剤の例としては、限定するものではないが、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、セラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、及びキシリトールが挙げられる。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを生じることなくヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適しているとともに、合理的な利益/リスク比に見合った塩を表す。薬学的に許容される塩は当技術分野でよく知られている。例えば、薬学的に許容される塩は、Berge et al.,J.Pharmaceutical Sciences 66:1-19,1977、及びPharmaceutical Salts:Properties,Selectional,and Use(P.H.StahlとC.G.Wermuth編),Wiley-VCH,2008に記載されている。塩は、本明細書に記載の化合物の最終的な単離及び精製中にin situで、又は遊離塩基基を適切な有機酸と反応させることによって個別に調製することができる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸、ヘキサン酸、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられ、また非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、及び、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含むがこれらに限定されないアミンカチオンも挙げられる。
本明細書で使用される「保護基」という用語は、ヒドロキシ、アミノ、又はカルボニルが、化学合成中に1つ以上の望ましくない反応に関与しないように保護することを目的とした基を表す。本明細書で使用される「O-保護基」という用語は、ヒドロキシ基又はカルボニル基が、化学合成中に1つ以上の望ましくない反応に関与しないように保護することを目的とした基を表す。本明細書で使用される「N-保護基」という用語は、窒素含有(例えば、アミノ、アミド、複素環式N-H、又はヒドラジン)基が、化学合成中に1つ以上の望ましくない反応に関与しないように保護することを目的とした基を表す。一般に使用されるO-及びN-保護基は、Greene著「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版(John Wiley&Sons、ニューヨーク、1999)に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。例示的なO-及びN-保護基としては、アルカノイル、アリーロイル、又はカルバミル基、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t-ブチルアセチル、2-クロロアセチル、2-ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o-ニトロフェノキシアセチル、α-クロロブチリル、ベンゾイル、4-クロロベンゾイル、4-ブロモベンゾイル、t-ブチルジメチルシリル、トリ-イソプロピルシリルオキシメチル、4,4’-ジメトキシトリチル、イソブチリル、フェノキシアセチル、4-イソプロピルペヘノキシアセチル、ジメチルホルムアミジノ、及び4-ニトロベンゾイルが挙げられる。
カルボニル含有基を保護するための例示的なO-保護基としては、限定するものではないが、アセタール、アシラール、1,3-ジチアン、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、及び1,3-ジチオランが挙げられる。
他のO-保護基としては、限定するものではないが、置換アルキル、アリール、及びアリールアルキルエーテル(例えば、トリチル、メチルチオメチル、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、シロキシメチル、2,2,2,-トリクロロエトキシメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、エトキシエチル、1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]エチル、2-トリメチルシリルエチル、t-ブチルエーテル、p-クロロフェニル、p-メトキシフェニル、p-ニトロフェニル、ベンジル、p-メトキシベンジル、及びニトロベンジル)、シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル、及びジフェニルメチルシリル)、炭酸塩(例えば、メチル、メトキシメチル、9-フルオレニルメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、ビニル、アリル、ニトロフェニル、ベンジル、メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、及びニトロベンジル)が挙げられる。
他のN-保護基には、限定するものではないが、キラル補助剤、例えば、保護又は非保護のD、L、又はD,L-アミノ酸、例えば、アラニン、ロイシン、フェニルアラニンなど;スルホニル含有基、例えば、ベンゼンスルホニル、p-トルエンスルホニルなど;カルバメート形成基、例えば、ベンジルオキシカルボニル、p-クロロベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、2-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5-トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフェニリル)-1-メチルエトキシカルボニル、α,α-ジメチル-3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t-ブチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2,-トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4-ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル-9-メトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなど、アリール-アルキル基、例えば、ベンジル、p-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチルなど、シリルアルキルアセタール基、例えば、[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル基及びシリル基、例えば、トリメチルシリルなどが挙げられる。有用なN-保護基は、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t-ブチルアセチル、アラニル、フェニルスルホニル、ベンジル、ジメトキシベンジル、[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、及びベンジルオキシカルボニル(Cbz)である。
本明細書で使用される「RNAseH2A」という用語は、リボヌクレアーゼH2、サブユニットAを指す。
本明細書で使用される「RNAseH2B」という用語は、リボヌクレアーゼH2、サブユニットBを指す。
「肉腫」という用語は、総じて、胎児結合組織のような物質で構成されており、通常、線維状又は均質な物質に埋め込まれた密集した細胞で構成されている腫瘍を指す。本明細書で提供される化合物又は方法で治療され得る肉腫の非限定的な例としては、例えば、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、Abernethy肉腫、脂肪肉腫、脂肪肉腫、肺胞軟部肉腫、エナメル上皮肉腫、褐色腫肉腫、緑色腫肉腫、絨毛がん、胎児性肉腫、ウィルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発色素性出血肉腫、B細胞の免疫芽細胞性肉腫肉腫、T細胞の免疫芽細胞肉腫、ジェンセン肉腫、カポシ肉腫、クプファー細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、パロスチール肉腫、網状皮斑肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢腫肉腫、滑膜肉腫、及び毛細血管拡張性肉腫が挙げられる。
「互変異性体」という用語は、多くの場合プロトンの再配置によって容易に相互変換する構造異性体を指す。互変異性体は、異なる分光学的特性によって識別できる別個の化学種であるが、通常、個別に分離することはできない。互変異性体の非限定的な例には、ケトン-エノール、エナミン-イミン、アミド-イミド酸、ニトロソ-オキシム、ケテン-イノール、及びアミノ酸-カルボン酸アンモニウムが挙げられる。
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、ATR阻害剤とPARP阻害剤との組み合わせにおいて、がんを治療するのに十分な化合物又はその薬学的に許容される塩の量を意味する。典型的には、治療有効量は治療量以下のレジメンである。
本明細書で使用される「対象」という用語は、対象者からのサンプルの当該技術分野で既知の臨床検査の有無にかかわらず、資格のある専門家(例えば、医師又は診療看護師)によって判断された、疾患又は状態に罹患している、又はそのリスクがあるヒト又は非ヒト動物(例えば、哺乳類)を表す。好ましくは、対象はヒトである。疾患及び状態の非限定的な例としては、細胞過剰増殖の症状を有する疾患、例えばがんが挙げられる。
本明細書で使用される「治療量以下のレジメン」という用語は、がんの治療のために所定の投与経路に合わせて処方された特定の化合物の最低標準推奨投与レジメンよりも少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、20%、50%、80%、90%、又はさらには95%)少ない投与レジメンを指す。化合物の治療量以下のレジメンは、単独療法レジメンの上記化合物に対して治療的に効果がない可能性がある。本発明の方法において、PARP阻害剤の治療有効量は、好ましくは治療量以下のレジメン(例えば、単剤療法レジメンにおけるPARP阻害剤について治療的に効果がないレジメン)である。経口投与用に製剤化されたPARP阻害剤の治療量以下のレジメンは、腫瘍内投与用に製剤化された同じ薬剤の治療量以下のレジメンとは異なる場合がある。治療量以下のレジメンには、「治療量以下の開始レジメン」及び「治療量以下の維持レジメン」が含まれ得る。化合物(例えば、PARP阻害剤)の「治療量以下の開始レジメン」は、同じ化合物(例えば、PARP阻害剤)の最低標準開始用量よりも低い。同様に、化合物(例えば、PARP阻害剤)の「治療量以下の維持レジメン」は、同じ化合物(例えば、PARP阻害剤)の最低標準維持レジメンよりも低い。通常、治療量以下のレジメンは、最低標準治療量以下のレジメンの少なくとも1%である。
本明細書で使用される「治療」及び「治療すること」とは、疾患又は状態を改善、緩和、安定化、予防又は治癒することを目的とした対象の医学的管理を指す。この用語には、積極的な治療(疾患又は状態の改善を目的とした治療);原因治療(関連する疾患又は症状の原因に向けた治療);緩和治療(疾患又は状態の症状を軽減するために設計された治療);予防的治療(関連する疾患又は状態の発症を最小限に抑えるか、部分的又は完全に阻害することを目的とした治療);及び支持療法(別の療法を補足するために採用される治療)が含まれる。病気又は状態はがんであり得る。がんの非限定的な例としては、例えば、腎細胞がん、成熟B細胞新生物、子宮内膜がん、卵巣がん、結腸直腸がん、皮膚がん(非黒色腫)、小腸がん、非小細胞肺がん、黒色腫、膀胱がん、膵臓がん、頭頸部がん、中皮腫、神経膠腫、前立腺がん、乳がん、及び食道胃がんが挙げられる。
参照により本明細書に組み込まれる刊行物に、本明細書に提示された定義と一致しない定義が含まれている場合は、後者の定義が優先される。
詳細な説明
概して、本発明は、がんの治療又はがん細胞における細胞死の誘導のための、ATR阻害剤又はその薬学的に許容される塩と、PARP阻害剤又はその薬学的に許容される塩との組み合わせに関する。本明細書に含まれるがんは、例えば、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するがんであり得る。あるいは、がんは、例えばALT+がんであってもよい。
有利には、ATR阻害剤及びPARP阻害剤は、相乗的に作用することで、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、もしくはCDK12の機能の喪失を有するがん細胞、又はALT+がん細胞において細胞死を誘導する。有利なことに、ATR阻害剤及びPARP阻害剤を含む併用がん治療は罹患率の低下を示し得る。これは、ATR阻害剤及びPARP阻害剤の用量が、例えば、対応する単剤療法で投与されるものと比較して低減され得るためである。したがって、ATR阻害剤及びPARP阻害剤は、本発明の方法における治療量以下のレジメンで使用され得る。
ATR阻害剤とPARP阻害剤の間の相乗効果が観察されているが、継続的な併用療法は歴史的に前臨床モデルでは忍容性が低く(Fang et al.,Cancer Cell,35:851-867,2019)、臨床では各薬剤で潜在的に重複する毒性が観察されている(Sachdev et al.,Targeted Oncology,14:657-679,2019,Mei et al.,J.Hematol.Oncol.,12:43,2019)。本発明までは、ATR阻害剤とPARP阻害剤の組み合わせから恩恵を受けることができるがん患者の特定の集団は限られていた(Kim et al.,Clin.Cancer.Res.,23:3097-3108,2017)、特に、ATR阻害剤及び/又はPARP阻害剤の用量削減から恩恵を受ける可能性のある集団は限られていた。
ATR阻害剤
ATR阻害剤は、酵素ATRキナーゼと接触すると、in vitro、細胞培養中、又は動物内のいずれであっても、測定されたATRキナーゼIC50が10μM以下(例えば、5μM以下又は1μM以下)になるようにATRキナーゼの活性を低下させる化合物である。特定のATR阻害剤については、ATRキナーゼIC50は100nM以下(例えば、10nM以下、又は1nM以下)であり得、100pM又は10pMほど低くなり得る。好ましくは、ATRキナーゼIC50は、0.1nM~1μM(例えば、0.1nM~750nM、0.1nM~500nM、又は0.1nM~250nM)である。
ATR阻害剤の非限定的な例としては、例えば、
及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。
ATR阻害剤の非限定的な例としては、例えば、国際出願番号PCT/US2019/051539及びPCT/US2018/034729(それぞれは参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第9,663,535号、第9,549,932号、第8,552,004号、及び第8,841,308号(これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる);及び米国特許出願公開第2019/0055240号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられる。
一実施形態では、ATR阻害剤は、式(I)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
は二重結合であり、各Yは独立してN又はCRであり、又は、
は単結合であり、各Yは独立してNR、カルボニル、又はC(Rであり、各Rは独立してH又は任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は任意に置換されたC1-6アルキル又はHであり、
は、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、ハロゲン、-N(R、-OR、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は-Q-R5Bであり、
は、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキルであり、
各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、又は任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
各Rは独立して水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであり;又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
各R5Aは、独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC6-10アリールであり、
5Bはヒドロキシル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、-N(R、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は任意に置換されたアルコキシであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルコキシアルキル、任意に置換されたC6-10アリールC6-10アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであり;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
Qは、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリレン、任意に置換されたC3-8シクロアルキレン、任意に置換されたC1-9ヘテロアリーレン、又は任意に置換されたC6-10アリーレンであり、
Xは水素又はハロゲンである。
ATR阻害剤は、例えば、式(II)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、
各Yは独立してN又はCRであり、
は任意に置換されたC1-6アルキル又はHであり、
は、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、ハロゲン、-N(R、-OR、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は-Q-R5Bであり、
は、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキルであり、
各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、又は任意に置換されたC2-6アルキニルであり;
各Rは独立して水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであるか;又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
各R5Aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC6-10アリールであり、
5Bはヒドロキシル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、-N(R、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は置換されたアルコキシであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルコキシアルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであるか;又は両方のRが、それらが結合している原子とを一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
Qは、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリレン、任意に置換されたC3-8シクロアルキレン、任意に置換されたC1-9ヘテロアリーレン、又は任意に置換されたC6-10アリーレンであり、
Xは水素又はハロゲンである。
いくつかの実施形態では、式(II)、(I)、又は(I-b)の化合物において、
各Yは独立してN又はCRであり、
はH又は任意に置換されたC1-6アルキルであり、
は、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、-N(R、-CON(R、-SON(R、又は-SO5Aであり、
は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであり、
各Rは独立してH又は任意に置換されたC1-6アルキルであり、
各Rは独立して水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであり、各R5Aは独立して任意に置換されたC1-6アルキル又は任意に置換されたC3-8シクロアルキルであるか、又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
各R5Aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル又は任意に置換されたC3-8シクロアルキルであり、
各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであるか、又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
式(I)の化合物の製造方法は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際出願番号PCT/US2019/051539に記載されている。
ATR阻害剤は、例えば、式(I-a)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、Y、R、R、R、及びRは式(I)について記載した通りである。
ATR阻害剤は、例えば、式(I-b)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、Y、R、R、R、及びRは式(I)について記載した通りである。
ATR阻害剤は、例えば、式(IA)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、R、R、R、及びRは式(I)について記載した通りである。
ATR阻害剤は、例えば、式(IA-a)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、R、R、R、及びRは式(I)について記載した通りである。
ATR阻害剤は、例えば、式(IB)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、R、R、R、及びRは式(I)について記載した通りである。
ATR阻害剤は、例えば、式(IB-a)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、R、R、R、及びRは式(I)について記載した通りである。
ATR阻害剤は、例えば、式(IC)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、R、R、R、及びRは式(I)について記載した通りである。
ATR阻害剤は、例えば、式(IC-a)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、R、R、R、及びRは式(I)について記載した通りである。
ATR阻害剤は、例えば、式(ID)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、R、R、R、及びRは式(I)について記載した通りである。
ATR阻害剤は、例えば、式(ID-a)の化合物:
又はその薬学的に許容される塩であり得、式中、R、R、R、及びRは式(I)について記載した通りである。
好ましくは、Rはメチルである。
いくつかの実施形態では、Rは、例えば、任意に置換されたC3-8シクロアルキルであり得る。例えば、Rは式(A)の基:
であり得、式中、
nは0、1、2、又は3であり、
は水素、アルキルスルホニル、シアノ、-CON(R、-SON(R、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、ヒドロキシ、又はアルコキシであり、各Rは独立してH又はアルキルであるか;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、C2-9ヘテロシクリルを形成するように結合している。
いくつかの実施形態では、Rは、例えば、任意に置換されたC1-6アルキル(例えば、任意に置換された第三級C3-6アルキル)であり得る。例えば、Rは式(B)の基:
であり得、式中、Rは水素、アルキルスルホニル、シアノ、-CON(R、-SON(R、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、ヒドロキシ、又はアルコキシであり、各Rは独立してH又はアルキルであるか;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、C2-9ヘテロシクリルを形成するように結合している。
いくつかの実施形態では、Rは、例えば、任意に置換された非芳香族C2-9ヘテロシクリルであり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、例えば、
であり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、例えば、任意に置換された、少なくとも1つの窒素原子(例えば、2つの窒素原子)を含む単環式C1-9ヘテロアリールであり得る。例えば、Rは、式(C)の基:
であり得、式中、Aは任意に置換された単環式C1-9ヘテロアリール環である。
いくつかの実施形態では、Aは、例えば、式(C1)の基:
であり得、式中、Rは、水素、ハロゲン、又は任意に置換されたC1-6アルキルである。
いくつかの実施形態では、Rは、例えば、
であり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、例えば、
であり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、例えば、水素であり得る。
ATR阻害剤は、例えば、以下の表1に挙げられる化合物、又はその薬学的に許容される塩であり得る。
ATR阻害剤は、同位体濃縮されていてもよい(例えば、重水素について濃縮されていてもよい)。
PARP阻害剤
本発明で使用され得るPARP阻害剤は、式(III)の化合物:
式中、
及びXは、それぞれ独立して、N及びC(H)から選択され、
は、独立して、N及びC(R)から選択され、式中、RはH又はフルオロであり、
はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキルであり、
はH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから独立して選択され、
はH又はC1-4アルキルである、
又はその薬学的に許容される塩であり得る。
ただし、XがNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
がNの場合、XとXは両方ともC(H)である。
式(III)におけるRはC1-4アルキル(例えば、メチル)であり得る。式(III)におけるRはエチルであり得る。
PARP阻害剤は、式(IIIa):
のものであり得、式中、
はC1-4アルキルであり、
はH、ハロ、C1-4アルキル、又はC1-4フルオロアルキルであり、
はH又はC1-4アルキルであり、
はHである。
はジフルオロメチル、トリフルオロメチル、又はメチルであり得る。RはH又はハロであり得る。Rはエチル、RはH、クロロ又はフルオロ、そしてRはメチルであり得る。
PARP阻害剤は、式(IIIb):
のものであり得、式中、
はC1-4アルキルであり、
はH又はハロであり、
はH又はC1-4アルキルである。
はエチル、RはH、クロロ、又はフルオロ、そしてRはメチルであり得る。
PARP阻害剤は、式(IIIc):
のものであり得、式中、
はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキルであり、
はH、ハロ、C1-4アルキル、又はC1-4フルオロアルキルであり、
はH又はC1-4アルキルであり、
はH又はフルオロである。
は、エチル、n-プロピル、トリフルオロメチル、1,1-ジフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2-フルオロエチル、又は2,2,2-トリフルオロエチルであり得る。Rは、H、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、フルオロ、又はクロロであり得る。RはH又はメチルであり得る。いくつかの実施形態では、RはHである。
PARP阻害剤は、
5-[4-[(3-エチル-2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(3-エチル-2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(3-エチル-2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-エチル-5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド、
6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
N-メチル-5-[4-[(3-オキソ-2-プロピル-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-N-メチル-5-[4-[(3-オキソ-2-プロピル-4H-キノキサリン)-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-N-メチル-5-[4-[(3-オキソ-2-プロピル-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-7-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(1,1-ジフルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(2,2-ジフルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(2,2-ジフルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(2-フルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[[2-(2-フルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-N-メチル-5-(4-((3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキノキサリン-6-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ピコリンアミド、
又はそれらの薬学的に許容される塩であり得る。
PARP阻害剤は、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、又はその薬学的に許容される塩であり得る。
PARP阻害剤は、
6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-6(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
N-エチル-5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
又はそれらの薬学的に許容される塩であり得る。
本発明で使用され得るPARP阻害剤は、式(IV)の化合物:
式中、Rは、H、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4フルオロアルキル、及びC1-4アルキルオキシから独立して選択され、
は、H、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから独立して選択され、
はH又はC1-4アルキルであり、
はハロ又はC1-4アルキルである、
又はその薬学的に許容される塩であり得る。
PARP阻害剤は、
5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H)-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[[5-フルオロ-2-[(1S及び1R)-1-フルオロエチル]-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[5-フルオロ-2-[(1S及び1R)-1-フルオロエチル]-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-クロロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(1,1-ジフルオロエチル)-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン)-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6)-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[2-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-エチル-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
N-エチル-6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
N-エチル-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-クロロ-5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-イソプロピル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-イソプロピル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(5-フルオロ-2-イソプロピル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、5-[4-[(2-シクロプロピル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-シクロプロピル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-シクロプロピル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
5-[4-[(2-メトキシ-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-フルオロ-5-[4-[(2-メトキシ-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2-メトキシ-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、又は
それらの薬学的に許容される塩であり得る。
PARP阻害剤は、6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、又はその薬学的に許容される塩であり得る。
PARP阻害剤は、6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミドであり得る。
PARP阻害剤は、同位体濃縮されていてもよい(例えば、重水素について濃縮されていてもよい)。
PARP阻害剤は、米国特許出願公開第2021/0040084号及び米国特許出願公開第2022/0009901号に記載されているように調製することができ、それらの開示はその全体が本明細書に組み込まれる。
あるいは、本発明の方法で使用されるPARP阻害剤は、ベリパリブ(ABT-888)、イニパリブ(BSI-201)、2X-121、CEP-9722、KU-0059436(AZD2281)、PF-01367338、それらの薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせであり得る。
異性体及びその組成物
本発明は、(可能な場合)本明細書に開示される化合物の個々のジアステレオマー、エナンチオマー、エピマー、及びアトロプ異性体、ならびにラセミ混合物を含むそのジアステレオマー及び/又はエナンチオマーの混合物を含む。本明細書に開示される特定の立体化学が好ましいが、ジアステレオマー、エナンチオマー、エピマー、アトロプ異性体、及びこれらの混合物を含む他の立体異性体も疾患の治療に役立つ可能性がある。不活性又は活性の低いジアステレオ異性体及びエナンチオマーは、受容体や活性化の機構に関する科学的研究などに役立つ可能性がある。
特定の分子は複数の互変異性型で存在できることが理解されている。実施例では1つの互変異性体のみが示されている場合でも、本発明はすべての互変異性体を含む。
本発明はまた、上記化合物の薬学的に許容される塩、ならびに上記化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を含む。上記化合物は、例えば特定の種類のがんにおいて、及び、患者にがんが発生した後にそのがんの進行を遅らせるために特に有用である。
本明細書に開示される化合物は、(a)上記化合物又はその薬学的に許容される塩、及び(b)薬学的に許容される担体を含む医薬組成物において使用され得る。上記化合物は、1つ以上の他の活性医薬成分を含む医薬組成物中で使用され得る。上記化合物は、本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容される塩が唯一の活性成分である医薬組成物にも使用され得る。
光学異性体-ジアステレオマー-幾何異性体-互変異性体
本明細書に開示される化合物は、例えば、1つ以上の立体中心を含む場合があるとともに、ラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、個々のジアステレオマー、及びジアステレオマー及び/又はエナンチオマーの混合物として存在し得る。本発明は、本明細書に開示される化合物のそのような異性体形態をすべて含む。混合物の状態の、及び純粋な又は部分的に精製された化合物としてのすべての可能な立体異性体(例えば、エナンチオマー及び/又はジアステレオマー)が本発明の範囲内に含まれることが意図される(すなわち、純粋な化合物又は混合物としての立体中心のすべての可能な組み合わせ)。
本明細書に記載される化合物の一部は、2つの別個の回転異性体又はアトロプ異性体が分離され、有利であり得る異なる生物学的活性を有することが判明するように、回転が妨げられた結合を含み得る。考えられるすべてのアトロプ異性体が本発明の範囲内に含まれることが意図される。
本明細書に記載される化合物の一部はオレフィン性二重結合を含み得、特に指定しない限り、E及びZの両方の幾何異性体を含むことを意味する。
本明細書に記載される化合物の一部は、水素の異なる結合点を有するものとして存在し得、これは互変異性体と呼ばれる。一例はケトン及びそのエノール型であり、ケト-エノール互変異性体として知られている。個々の互変異性体及びそれらの混合物は、本発明に包含される。
1つ以上の不斉中心を有する本明細書に開示される化合物は、当技術分野で周知の方法により、ジアステレオ異性体、エナンチオマーなどに分離することができる。
あるいは、エナンチオマー及びキラル中心を有する他の化合物は、光学的に純粋な出発物質及び/又は既知の構成の試薬を使用する立体特異的合成によって合成することもできる。
代謝産物-プロドラッグ
本発明は、治療的に活性な代謝産物を含み、代謝産物自体は特許請求の範囲内に含まれる。本発明はまた、患者に投与されているとき、又は患者に投与された後に特許請求の範囲に記載の化合物に変換される化合物であるプロドラッグを含む。本願の特許請求の範囲に記載の化学構造は、場合によってはそれ自体がプロドラッグであり得る。
同位体濃縮誘導体
本発明には、分子内の1つ以上の位置で同位体濃縮された分子が含まれる。したがって、重水素について濃縮された化合物は特許請求の範囲に含まれる。
ATR阻害剤及びPARP阻害剤の調製方法
ATR阻害剤は、当技術分野で知られている反応及び技術を使用して調製され得る。例えば、ある種のATR阻害剤は、例えば、国際出願番号PCT/US2019/051539及びPCT/US2018/034729(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第9,663,535号、同第9,549,932号、同第8,552,004号、及び同第8,841,308号(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる);及び米国特許出願公開第2019/0055240号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている技術及び方法を使用して調製することができる。
PARP阻害剤は、当技術分野で知られている反応及び技術を使用して調製され得る。例えば、特定のPARP阻害剤は、例えば、米国特許第8,716,493号、同第8,236,802号、同第8,071,623号、同第8,012,976号、同第7,732,491号、同第7,550,603号、同第7,531,530号、同第7,151,102号、及び同第6,495,541号(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)に開示される技術及び方法を使用して調製され得る。
使用方法
ATR阻害剤とPARP阻害剤は、細胞過剰増殖の症状を有する疾患又は症状の治療のために一緒に使用され得る。例えば、本明細書に記載される本発明は、ATM、BRCA2、RNASEH2A、RNASEH2B、及びCDK12に有害な(機能の喪失)変化を有する腫瘍など、感受性遺伝子変異を有する様々な腫瘍学的状態の治療に適用可能であり得る。特に、これらの遺伝子の1つ以上の変異は、以下の腫瘍タイプで頻繁に見られる:腎細胞がん、成熟B細胞腫瘍、子宮内膜がん、卵巣がん、結腸直腸がん、皮膚がん(非黒色腫)、小腸がん、非小細胞肺がん、黒色腫、膀胱がん、膵臓がん、頭頸部がん、中皮腫、神経膠腫、前立腺がん、乳がん、及び食道胃がん。したがって、本発明の方法は、好ましくは、これらのがんの治療に使用される。
本発明の治療方法は、治療有効量のATR阻害剤及び治療有効量のPARP阻害剤を、それを必要とする対象に投与する工程を含む。PARP阻害剤の治療有効量は、例えば、PARP阻害剤の治療量以下のレジメンであり得る。ATR阻害剤の治療有効量は、例えば、ATR阻害剤の治療量以下のレジメンであり得る。
本発明の方法を用いて治療される疾患又は状態は、細胞過剰増殖の症状を有し得る。例えば、疾患又は状態はがんであり得る。がんは、例えば、がん腫、肉腫、腺がん、リンパ腫、白血病、又は黒色腫であり得る。がんは、例えば固形腫瘍であり得る。
がんの非限定的な例としては、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、多発性骨髄腫、脳がん、神経膠腫、肺がん、唾液腺がん、胃がん、胸腺上皮がん、甲状腺がん、白血病、黒色腫、リンパ腫、胃がん、膵臓がん、腎臓がん、膀胱がん、結腸がん、及び肝臓がんが挙げられる。
好ましくは、本発明の方法は、腎細胞がん、成熟B細胞新生物、子宮内膜がん、卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がん、結腸直腸がん、皮膚がん(非黒色腫)、小腸がん、非小細胞肺がん、黒色腫、膀胱がん、膵臓がん、頭頸部がん、中皮腫、神経膠腫、前立腺がん、乳がん、又は食道胃がんの治療に使用される。
がん腫の非限定的な例としては、甲状腺髄様がん、家族性甲状腺髄様がん、腺房(acinar)がん、腺房(acinous)がん、腺嚢胞がん、腺様嚢胞がん、腺腫がん、副腎皮質のがん腫、肺胞がん、肺胞細胞がん、基底細胞がん、基底扁平上皮がん、気管支肺胞がん、細気管支がん、気管支原性がん、脳状がん、胆管細胞がん、絨毛がん、コロイドがん、面皰がん腫、体部がん、篩状がん、鎧状がん、皮膚がん、円筒がん、円筒細胞がん、管がん、硬膜がん、胎児性がん、脳様体がん、類表皮がん、腺様上皮がん、外増殖性がん、潰瘍外がん腫、線維がん、ゼラチニフォルニ(gelatiniforni)がん、膠様がん、巨細胞がん、巨大細胞がん、腺がん、顆粒膜細胞腫、毛母腫、血球がん、肝細胞がん、ハースレ細胞がん、硝子様がん、副腎腫、乳児胎児がん、上皮内がん、表皮内がん、上皮内がん、クロンペッカー(Krompecher‘s)がん、クルチツキー細胞がん、大細胞がん、扁豆状がん、脂肪腫様がん、リンパ上皮がん、髄様がん、黒色がん、軟性がん、粘液がん、粘液細胞性がん、粘表皮がん、粘液がん、粘液性がん、粘液腫様がん、上咽頭がん、エンバク細胞がん、骨化性がん、骨様がん、乳頭状がん、門脈周囲がん、上皮内がん、有棘細胞がん、粥状がん、腎臓腎細胞がん、予備細胞がん、肉腫様がん、シュナイダーがん、スキルスがん、陰嚢がん、印環細胞がん、単純がん、小細胞がん、ソラノイド(solanoid)がん、球状細胞がん、紡錘体細胞がん、海綿様がん、扁平上皮がん、扁平上皮細胞がん、ストリングがん、毛細血管拡張性がん、移行上皮がん、結節がん、疣状がん、及び絨毛がんが挙げられる。
肉腫の非限定的な例としては、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、Abernethy肉腫、脂肪肉腫、脂肪肉腫、肺胞軟部肉腫、エナメル上皮肉腫、褐色腫肉腫、緑色腫肉腫、絨毛がん、胎児性肉腫、ウィルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発色素性出血肉腫、B細胞の免疫芽細胞性肉腫肉腫、T細胞の免疫芽細胞肉腫、ジェンセン肉腫、カポシ肉腫、クプファー細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、パロスチール肉腫、網状皮斑肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢腫肉腫、滑膜肉腫、及び毛細血管拡張性肉腫が挙げられる。
白血病の非限定的な例としては、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄性白血病、成人T細胞白血病、非白血性白血病、白血球性白血病、好塩基性白血病、芽球性白血病、牛白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胎児性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、ヘアリー細胞白血病、血芽球性白血病、血球芽細胞白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少症白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞性白血病、巨核球性白血病、微小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄球白血病、骨髄性顆粒球白血病、骨髄単球性白血病、Naegeli白血病、形質細胞白血病、多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーダー細胞白血病、シリング白血病、幹細胞白血病、亜白血性白血病、及び未分化細胞白血病が挙げられる。
黒色腫の非限定的な例としては、末端黒子型黒色腫、無色素性黒色腫、若年性良性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91メラノーマ、Harding-Passey黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、結節型黒色腫、爪下黒色腫、及び表在性黒色腫が挙げられる。
医薬組成物
本明細書に記載の方法で使用される化合物は、好ましくは、in vivoでの投与に適した生物学的に適合する形態でヒト対象に投与するための医薬組成物に製剤化される。医薬組成物は、典型的には、本明細書に記載の化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む。特定の医薬組成物は、本明細書に記載される1つ以上の追加の薬学的活性剤を含み得る。
本明細書に記載の化合物は、遊離塩基の形態で、塩、両性イオン、溶媒和物の形態で、又はプロドラッグとして、又はその医薬組成物として使用することもできる。すべての形態が本発明の範囲内にある。当業者には理解されるように、化合物、塩、両性イオン、溶媒和物、プロドラッグ、又はその医薬組成物は、選択された投与経路に応じて様々な形態で患者に投与され得る。本明細書に記載の方法で使用される化合物は、例えば、経口、非経口、頬側、舌下、鼻腔、直腸、パッチ、ポンプ、又は経皮投与によって投与することができ、医薬組成物はそれに応じて製剤化される。非経口投与には、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、鼻腔、肺内、くも膜下腔内、直腸、及び局所的な投与様式が含まれる。非経口投与は、選択された期間にわたる連続注入によって行うことができる。
ヒトへの使用の場合、本発明の化合物は、単独で、又は意図された投与経路及び標準的な製薬慣行を考慮して選択された医薬担体と混合して投与することができる。したがって、本発明に従って使用するための医薬組成物は、本発明の化合物を薬学的に使用できる製剤に加工することを容易にする賦形剤及び助剤を含む1つ以上の生理学的に許容される担体を使用して、従来の方法で製剤化することができる。
本発明はまた、1つ以上の薬学的に許容される担体を含有することができる医薬組成物を含む。本発明の医薬組成物を製造する際、活性成分は典型的には賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、又はそのような担体内に、例えばカプセル、小袋、紙、又は他の容器の形態で封入される。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は固体、半固体、又は液体材料(例えば、生理食塩水)であり得、活性成分のビヒクル、担体、又は媒体として機能する。したがって、組成物は、錠剤、粉末、トローチ剤、小袋、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、及び軟ゼラチンカプセル及び硬ゼラチンカプセルの形態であり得る。当技術分野で知られているように、希釈剤の種類は、意図される投与経路に応じて様々であり得る。得られる組成物は、追加の薬剤、例えば防腐剤を含むことができる。
賦形剤又は担体は、投与方法及び投与経路に基づいて選択される。医薬製剤に使用するための適切な医薬担体、ならびに医薬必需品は、当分野においてよく知られた参考文献であるRemington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Gennaro編、Lippincott Williams&Wilkins(2005)及びUSP/NF(米国薬局方及び国民医薬品集)に記載されている。適切な賦形剤の例は、乳糖、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、及びメチルセルロースである。製剤はさらに、滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱油;湿潤剤;乳化剤及び懸濁剤;保存剤、例えば、安息香酸メチル及びヒドロキシ安息香酸プロピル;甘味料;及び香料などを含むことができる。他の例示的な賦形剤は、Handbook of Pharmaceutical Excipients、第6版、Roweら編、Pharmaceutical Press(2009)に記載されている。
これらの医薬組成物は、従来の方法、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、粉砕、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。製剤を製造するための当技術分野で周知の方法は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Gennaro編、Lippincott Williams&Wilkins(2005)、及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technology、J.SwarbrickとJ.C.Boylan編、1988~1999年、Marcel Dekker、ニューヨークに見られる。適切な製剤は、選択した投与経路によって異なる。そのような組成物の製剤及び調製は、医薬製剤の当業者にはよく知られている。製剤を調製する際、他の成分と組み合わせる前に、活性化合物を粉砕することで適切な粒径を提供することができる。活性化合物が実質的に不溶性である場合、それを200メッシュ未満の粒径まで粉砕することができる。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒径を、製剤中に実質的に均一な分布、例えば40メッシュを提供するために粉砕によって調整することができる。
用量
本明細書に記載の方法で使用される化合物、又はその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグ、又はその医薬組成物の用量は、多くの要因、例えば、化合物の薬力学的特性;投与方法;レシピエントの年齢、健康状態、体重;症状の性質及び程度;治療の頻度、及び同時治療がある場合はその種類;ならびに治療対象の動物における化合物のクリアランス率に応じて様々であり得る。当業者は、上記の要因に基づいて適切な用量を決定することができる。本明細書に記載の方法で使用される化合物は、臨床反応に応じて必要に応じて調整できる適切な用量で最初に投与することができる。通常、本発明の化合物の適切な一日用量は、治療効果を生み出すのに有効な最低用量である化合物の量である。このような有効量は、通常、上述の要因に依存する。
本発明の化合物は、単回用量又は複数回用量で患者に投与され得る。複数回の用量が投与される場合、用量は、例えば、1~24時間、1~7日、1~4週間、又は1~12か月間、互いに隔てられ得る。化合物はスケジュールに従って投与されてもよく、又は化合物は所定のスケジュールなしで投与されてもよい。活性化合物は、例えば、1日当たり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12回、2日ごと、3日ごと、4日ごと、5日ごと、又は6日ごと、週に1、2、3、4、5、6、又は7回、月に1、2、3、4、5、又は6回、又は年に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12回投与され得る。いかなる特定の対象についても、個々の必要性及び組成物の投与をする人又は投与を監督する人の専門的判断に従って、特定の投与レジメンを経時的に調整すべきであることが理解されよう。
最終的には主治医が適切な量及び投与レジメンを決定するが、本発明の化合物の有効量は、例えば、本明細書に記載の化合物のいずれかの1日の総用量が例えば0.05mg~3000mgであり得る。あるいは、投与量は患者の体重を使用して計算することもできる。そのような用量範囲には、例えば、0.05~1000mg(例えば、0.25~800mg)が含まれ得る。いくつかの実施形態では、0.05、0.1、0.25、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、又は1000mgの化合物が投与される。
好ましくは、ATR阻害剤の治療量以下のレジメンは、低用量(例えば、所与の投与経路に対するATR阻害剤の最低標準推奨用量より少なくとも10%、20%、50%、80%、90%、又は95%少ない)である。好ましくは、PARP阻害剤の用量は、低用量(例えば、投与所与の経路に対するPARP阻害剤の最低標準推奨用量より少なくとも10%、20%、50%、80%、90%、又は95%少ない)である。好ましくは、ATR阻害剤は1日1回又は1日2回投与される。PARP阻害剤は、1日1回、1日2回、1日/週、2日/週、3日/週、又は4日/週で投与され得る。好ましくは、PARP阻害剤は、1日/週、2日/週、3日/週、又は4日/週で投与され得る。
本発明の方法において、本発明の化合物の複数回用量が患者に投与される期間は様々であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の化合物の用量は、1~7日、1~12週間、又は1~3か月の期間にわたって患者に投与される。他の実施形態では、化合物は、例えば4~11か月又は1~30年の期間にわたって患者に投与される。他の実施形態では、化合物は症状の発症時に患者に投与される。これらの実施形態のいずれにおいても、投与される化合物の量は、投与期間中に変動し得る。化合物が毎日投与される場合、投与は、例えば、1日に1回、2回、又は3回行われ得る。
製剤
本明細書に記載の方法のいずれかを使用して、本明細書に記載の状態のいずれかを治療できると同定された化合物は、薬学的に許容される希釈剤、担体、又は賦形剤とともに単位投与量剤形で患者又は動物に投与され得る。そのような治療法で使用する化合物は、医薬化学の分野の人々に知られている任意の標準技術によって生成及び単離することができる。従来の製薬慣行を利用して、同定された化合物をそれを必要とする対象に投与するための適切な製剤又は組成物を提供することができる。投与は、患者が症状を示す前に開始することもできる。
本発明で使用される化合物(例えば、本発明の化合物)又はその医薬組成物の例示的な投与経路としては、経口、舌下、頬側、経皮、皮内、筋肉内、非経口、静脈内、動脈内、頭蓋内、皮下、眼窩内、脳室内、脊髄内、腹腔内、鼻腔内、吸入、及び局所投与が挙げられる。化合物は、薬学的に許容される担体と投与されることが望ましい。本明細書に記載の障害の治療のために処方される本明細書に記載の化合物の医薬製剤も本発明の一部である。経口投与は、本発明の方法における好ましい投与経路である。
経口投与用の製剤
本発明によって企図される医薬組成物には、経口投与用に製剤化されたもの(「経口剤形」)が含まれる。経口剤形は、例えば、錠剤、カプセル、液体溶液もしくは懸濁液、粉末、又は液体もしくは固体結晶の形態であり得、これらは、非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤又は充填剤(例えば、スクロース、ソルビトール、砂糖、マンニトール、微結晶セルロース、ジャガイモデンプンを含むデンプン、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム)、造粒剤及び崩壊剤(例えば、微結晶セルロースを含むセルロース誘導体、ジャガイモデンプンを含むデンプン、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸塩、又はアルギン酸)、結合剤(例えば、スクロース、グルコース、ソルビトール、アカシア、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デンプン、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はポリエチレングリコール)、及び潤滑剤、流動促進剤、及び癒着防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、硬化植物油、又はタルク)であり得る。他の薬学的に許容される賦形剤は、着色剤、香料、可塑剤、湿潤剤、緩衝剤などであり得る。
経口投与用の製剤は、チュアブル錠剤として、有効成分が不活性固体希釈剤(例えば、ジャガイモデンプン、乳糖、微結晶セルロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン)と混合されたハードゼラチンカプセルとして、あるいは有効成分が水又は油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、又はオリーブ油と混合されたソフトゼラチンカプセルとして提供されてもよい。粉末、顆粒、及びペレットは、錠剤及びカプセルの下で上述した成分を使用して、例えば、ミキサー、流動床装置又は噴霧乾燥装置を使用する従来の方法で調製され得る。
経口使用のための放出制御組成物は、活性薬剤物質の溶解及び/又は拡散を制御することによって活性薬剤を放出するように構築され得る。放出制御及び目標血漿濃度対時間プロファイルを得るために、多くの戦略のいずれかを実行できる。一例では、放出制御は、例えば、様々な種類の放出制御組成物及びコーティングを含む、様々な製剤パラメータ及び成分を適切に選択することによって得られる。例としては、単一又は複数単位の錠剤又はカプセル組成物、油溶液、懸濁液、乳濁液、マイクロカプセル、ミクロスフェア、ナノ粒子、パッチ、及びリポソームが挙げられる。特定の実施形態では、組成物は、生分解性、pH、及び/又は温度感受性ポリマーコーティングを含む。
溶解制御放出又は拡散制御放出は、化合物の錠剤、カプセル、ペレット、又は顆粒製剤を適切にコーティングすることによって、又は化合物を適切なマトリックスに組み込むことによって達成できる。放出制御コーティングは、上述のコーティング物質のうちの1つ以上、及び/又は、例えば、セラック、ミツロウ、グリコワックス、ヒマシワックス、カルナウバワックス、ステアリルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセロール、エチルセルロース、アクリル樹脂、dl-ポリ乳酸、セルロースアセタートブチラート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリメタクリラート、メチルメタクリラート、2-ヒドロキシメタクリラート、メタクリラートヒドロゲル、1,3ブチレングリコール、エチレングリコールメタクリラート、及び/又はポリエチレングリコールを含み得る。また、制御放出マトリックス製剤では、マトリックス材料は、例えば、水和メチルセルロース、カルナウバワックス及びステアリルアルコール、carbopol(登録商標)934、シリコーン、トリステアリン酸グリセリル、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、及び/又はハロゲン化フルオロカーボンを含み得る。
本発明の化合物及び組成物を経口投与のために組み込むことができる液体形態には、水溶液、適切に風味付けされたシロップ、水性又は油懸濁液、及び食用油、例えば、綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、又はピーナッツ油で風味付けされたエマルション、ならびにエリキシル剤及び同様の医薬品ビヒクルが含まれる。
非経口投与用の製剤
本発明の方法で使用するための本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載の薬学的に許容される非経口(例えば、静脈内又は筋肉内)製剤に含めて投与することができる。医薬製剤は、従来の非毒性の薬学的に許容される担体及びアジュバントを含む剤形又は製剤で非経口(静脈内、筋肉内、皮下など)に投与することもできる。特に、非経口投与に適した製剤には、製剤を意図したレシピエントの血液と等張にする抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤及び溶質を含み得る水性及び非水性の滅菌注射溶液、及び懸濁化剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性滅菌懸濁液が含まれる。例えば、そのような組成物を調製するために、本発明の化合物を非経口的に許容される液体ビヒクルに溶解又は懸濁させることができる。使用できる許容可能なビヒクル及び溶媒の中には、水、適量の塩酸を添加して適切なpHに調整した水、水酸化ナトリウム又は適切な緩衝液、1,3-ブタンジオール、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液がある。水性製剤はまた、1つ以上の防腐剤、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、エチル、又はn-プロピルを含有し得る。非経口製剤に関するさらなる情報は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国薬局方-国民医薬品集(USP-NF)に見出すことができる。
非経口製剤は、USP-NFによって非経口投与に適していると特定されている5つの一般的なタイプの製剤のいずれかであり得る:
(1)「薬物注射剤(Drug Injection)」:原薬(例えば、本発明の化合物)である液体製剤、又はその溶液;
(2)「注射用薬物(Drug for Injection)」:薬物注射剤として非経口投与するための適切な無菌ビヒクルと混合される乾燥固体としての原薬(例えば、本発明の化合物);
(3)「薬物注射用エマルション(Drug Injectable Emulsion)」:適切なエマルション媒体中に溶解又は分散された原薬(例えば、本発明の化合物)の液体製剤;
(4)「薬物注射用懸濁液(Drug Injectable Suspension)」:適切な液体媒体中に懸濁された原薬(例えば、本発明の化合物)の液体調製物;及び
(5)「注射用懸濁液用薬物(Drug for Injectable Suspension)」:薬物注射用懸濁液として非経口投与するための適切な無菌ビヒクルと混合される乾燥固体としての原薬(例えば、本発明の化合物)。
非経口投与のための例示的な製剤には、界面活性剤、例えばヒドロキシプロピルセルロースと適切に混合された水中で調製された化合物の溶液が含まれる。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSO、及びそれらの混合物(アルコールを含んでも含まなくてもよい)中、及び油中で調製することもできる。通常の保管及び使用条件下では、これらの製剤は微生物の増殖を防ぐための防腐剤を含み得る。適切な製剤の選択及び調製のための従来の手順及び成分は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Gennaro編、Lippincott Williams&Wilkins(2005)及び米国薬局方:国民医薬品集(USP36NF31)、2013年発行に記載されている。
非経口投与用の製剤は、例えば、賦形剤、滅菌水又は生理食塩水、ポリアルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール、植物由来の油、又は水素化ナフタレンを含み得る。生体適合性、生分解性のラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、又はポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーを使用して、化合物の放出を制御することができる。化合物の他の潜在的に有用な非経口送達システムには、エチレン-酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み可能な注入システム、及びリポソームが含まれる。吸入用製剤は賦形剤、例えばラクトースを含んでもよく、又は例えばポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、グリココール酸塩及びデオキシコール酸塩を含む水溶液であってもよく、又は点鼻薬の形態で、又はゲルとして投与するための油性溶液であってもよい。
非経口製剤は、化合物の即時放出用又は持続/延長放出用に製剤化することができる。化合物の非経口放出のための例示的な製剤には、水溶液、再構成用粉末、共溶媒溶液、油/水エマルション、懸濁液、油ベースの溶液、リポソーム、ミクロスフェア、及びポリマーゲルが含まれる。
以下の実施例は本発明を説明することを目的としている。それらは決して本発明を限定するものではない。
実施例
様々ながん細胞株背景におけるATR阻害剤とPARP阻害剤の間の相乗効果
ATR阻害剤(例えば、化合物121)は、PARP阻害剤(例えば、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド)と、RNASEH2B+/+及びRNASEH2B-/-細胞において相乗的に作用し得る。重要なことに、RNASEH2B+/+細胞よりもRNASEH2B-/-細胞で、相乗効果(例えば、最大の相乗効果)が、より低い濃度のATR阻害剤(例えば、化合物121)及びより低い濃度のPARP阻害剤(例えば、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド)で達成され得る。結果として、PARP阻害剤の見かけのIC50は、ATR阻害剤(例えば、化合物121)の存在下で変化する可能性がある。
感作された遺伝的背景の選択に加えて、ATR阻害剤とPARP阻害剤による併用治療の忍容性は、投与スケジュールを最適化することによって改善することができる(Fang et al.,Cancer Cell,35:851-867,2019)。RNASEH2B欠損腫瘍細胞におけるATR阻害剤(例えば、化合物121)とPARP阻害剤(例えば、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド)の併用投与をガイドするため、RNASEH2B+/+及び-/-細胞を両方の化合物で継続的に長時間(例えば、168時間)同時治療することを、より短い(例えば、48時間又は72時間の)治療とそれに続く化合物の除去及び薬物を含まない培地での増殖と比較してもよい。ATR阻害剤(例えば、化合物121)の存在は、長期間(例えば、168時間)連続的に投与した場合のPARP阻害剤(例えば、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド)の見かけのIC50値を低下させ得る。治療を短縮した場合(例えば、72時間又は48時間)、見かけのIC50値に有意差は観察されない可能性があり、これは、PARP阻害剤(例えば、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド)と組み合わせたATR阻害剤(例えば、化合物121)の間欠投与スケジュールとその後の回復期間が、RNASEH2B欠損細胞では効果的である可能性があることを示唆する。上記の結果が観察されれば、RNASEH2Bを欠く細胞などの特定の遺伝子構造をもつ腫瘍細胞は、標準的な治療計画と比較して、効能を維持しながらPARP阻害剤及びATR阻害剤の用量を減らして短期間で治療できることが示唆される。
最適化された投与スケジュールは、RNASEH2Bだけでなく追加の遺伝子に変異を有する細胞にも適用できる可能性がある。例えば、PARP阻害剤(例えば、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド)及びATR阻害剤(例えば、化合物121)の組み合わせによる48時間の治療は、がん細胞株(例えば、MIAPACA2膵臓がん細胞株)のATM CRISPRノックアウトクローン(ATM-/-)を相乗的に感作(>300倍)させる可能性がある。さらに、ATR阻害剤(例えば、化合物121)とPARP阻害剤(例えば、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド)での48時間の治療は、CDK12又はBRCA2を欠く同系細胞株を相乗的に感作させる可能性がある。
上述の遺伝子変化を有する腫瘍に加えて、ATR阻害剤(例えば、化合物121)とPARP阻害剤(例えば、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド)の組み合わせは、代替テロメア延長(ALT)機構を採用する腫瘍細胞に対して有効である可能性がある。
他の実施形態
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、記載された本発明の様々な修正及び変形が当業者には明らかであろう。本発明を特定の実施形態に関連して説明してきたが、請求される本発明はそのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことを理解されたい。実際、当業者にとって明らかな、本発明を実施するための記載されたモードの様々な修正は、本発明の範囲内にあることが意図されている。
他の実施形態は特許請求の範囲に記載されている。

Claims (90)

  1. 対象におけるがんを治療する方法であって、前記方法は、それを必要とする前記対象に治療有効量のATR阻害剤及び治療有効量のPARP阻害剤を投与することを含み、前記がんは、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するがんとして既に同定されたものであるか、又は前記がんは既にALT+がんとして同定されたものであり、前記PARP阻害剤は、式(III)又は(IV)の化合物:

    式中、
    及びXはそれぞれ独立してN及びC(H)から選択され、
    は独立してN及びC(R)から選択され、RはH又はフルオロであり、
    はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキルであり、
    は独立してH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから選択され、
    はH又はC1-4アルキルである、
    又はその薬学的に許容される塩であり、ただし、
    がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
    がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
    がNの場合、X及びXは両方ともC(H)である;
    又は、

    式中、
    は独立してH、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4フルオロアルキル、及びC1-4アルキルオキシから選択され、
    は独立してH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから選択され、
    はH又はC1-4アルキルであり、
    はハロ又はC1-4アルキルである、
    又はその薬学的に許容される塩である、方法。
  2. 対象におけるがんを治療する方法であって、前記方法は、それを必要とする前記対象に治療有効量のATR阻害剤及び治療有効量のPARP阻害剤を投与することを含み、前記がんは、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するか、又は前記がんはALT+がんであり、前記PARP阻害剤は、式(III)又は(IV)の化合物:

    式中、
    及びXはそれぞれ独立してN及びC(H)から選択され、
    は独立してN及びC(R)から選択され、RはH又はフルオロであり、
    はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキルであり、
    は独立してH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから選択され、
    はH又はC1-4アルキルである、
    又はその薬学的に許容される塩であり、ただし、
    がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
    がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
    がNの場合、X及びXは両方ともC(H)である;
    又は、

    式中、
    は独立してH、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4フルオロアルキル、及びC1-4アルキルオキシから選択され、
    は独立してH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから選択され、
    はH又はC1-4アルキルであり、
    はハロ又はC1-4アルキルである、
    又はその薬学的に許容される塩である、方法。
  3. 対象におけるがんを治療する方法であって、前記方法は、
    (i)前記がんを、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するものとして、又はALT+がんとして同定すること、及び
    (ii)それを必要とする対象に、治療有効量のATR阻害剤及び治療有効量のPARP阻害剤を投与すること
    を含み、前記PARP阻害剤は、式(III)又は(IV)の化合物:

    式中、
    及びXはそれぞれ独立してN及びC(H)から選択され、
    は独立してN及びC(R)から選択され、RはH又はフルオロであり、
    はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキルであり、
    は独立してH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから選択され、
    はH又はC1-4アルキルである、
    又はその薬学的に許容される塩であり、ただし、
    がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
    がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
    がNの場合、X及びXは両方ともC(H)である;
    又は、

    式中、
    は独立してH、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4フルオロアルキル、及びC1-4アルキルオキシから選択され、
    は独立してH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから選択され、
    はH又はC1-4アルキルであり、
    はハロ又はC1-4アルキルである、
    又はその薬学的に許容される塩である、方法。
  4. 前記ATR阻害剤は、前記PARP阻害剤の前に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ATR阻害剤は、前記PARP阻害剤の後に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ATR阻害剤は前記PARP阻害剤と同時投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記治療有効量は、前記ATR阻害剤の治療量以下の(subtherapeutic)レジメンである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記治療有効量は、前記PARP阻害剤の治療量以下の(subtherapeutic)レジメンである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記治療量以下のレジメンは、単剤療法に使用される最低標準開始用量より少なくとも50%少ない開始用量を含む、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記治療量以下のレジメンは、単剤療法に使用される最低標準維持用量より少なくとも50%少ない維持用量を含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記維持用量は第1の減量用量を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記維持用量は第2の減量用量を含む、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記維持用量は第3の減量用量を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 投与経路は経口投与である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記ATR阻害剤は、1日/週、2日/週、又は3日/週投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記PARP阻害剤は、1日/週、2日/週、3日/週、又は4日/週投与される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有する異常がん細胞、又はALT+がん細胞において細胞死を誘導する方法であって、前記方法は、前記細胞を有効量のATR阻害剤及び有効量のPARP阻害剤と接触させることを含み、前記有効量は、前記異常がん細胞において細胞死を誘導するのに十分であり、前記PARP阻害剤は、式(III)又は(IV)の化合物:

    式中、
    及びXはそれぞれ独立してN及びC(H)から選択され、
    は独立してN及びC(R)から選択され、RはH又はフルオロであり、
    はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキルであり、
    は独立してH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから選択され、
    はH又はC1-4アルキルである、
    又はその薬学的に許容される塩であり、ただし、
    がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
    がNの場合、XはC(H)、かつXはC(R)であり、
    がNの場合、X及びXは両方ともC(H)である;
    又は、

    式中、
    は独立してH、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4フルオロアルキル、及びC1-4アルキルオキシから選択され、
    は独立してH、ハロ、C1-4アルキル、及びC1-4フルオロアルキルから選択され、
    はH又はC1-4アルキルであり、
    はハロ又はC1-4アルキルである、
    又はその薬学的に許容される塩である、方法。
  18. 前記機能の喪失は、ATMの機能の喪失である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記機能の喪失は、RNAseH2Aの機能の喪失である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記機能の喪失は、RNAseH2Bの機能の喪失である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記機能の喪失は、CDK12の機能の喪失である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記機能の喪失は、BRCA2の機能の喪失である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記がんはALT+がんである、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記ATR阻害剤は式(I)の化合物:

    又はその薬学的に許容される塩であり、式中、

    は二重結合であり、各Yは独立してN又はCRであるか、又は

    は単結合であり、各Yは独立してNR、カルボニル、又はC(Rであり、各Rは独立してH又は任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は任意に置換されたC1-6アルキル又はHであり、
    は、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、ハロゲン、-N(R、-OR、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は-Q-R5Bであり、
    は、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキルであり、
    各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、又は任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
    各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであるか;又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
    各R5Aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC6-10アリールであり、
    5Bはヒドロキシル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、-N(R、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は任意に置換されたアルコキシであり、
    各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルコキシアルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであるか;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
    Qは、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリレン、任意に置換されたC3-8シクロアルキレン、任意に置換されたC1-9ヘテロアリーレン、又は任意に置換されたC6-10アリーレンであり;
    Xは水素又はハロゲンである、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記ATR阻害剤は、式(II)の化合物:

    又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
    各Yは独立してN又はCRであり、
    は任意に置換されたC1-6アルキル又はHであり、
    は、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、ハロゲン、-N(R、-OR、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は-Q-R5Bであり、
    は、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキルであり、
    各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、又は任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
    各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであるか;又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
    各R5Aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC6-10アリールであり、
    5Bはヒドロキシル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、-N(R、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は任意に置換されたアルコキシであり、
    各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルコキシアルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであるか;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
    Qは、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリレン、任意に置換されたC3-8シクロアルキレン、任意に置換されたC1-9ヘテロアリーレン、又は任意に置換されたC6-10アリーレンであり、
    Xは水素又はハロゲンである、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ATR阻害剤は、化合物43、57、62、87、93、94、95、99、100、106、107、108、109、111、112、113、114、115、116、118、119、120、121、122、123、135、147、148、及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  27. 前記ATR阻害剤は、化合物43又はその薬学的に許容される塩である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記ATR阻害剤は、化合物121又はその薬学的に許容される塩である、請求項26に記載の方法。
  29. 前記ATR阻害剤は、化合物122又はその薬学的に許容される塩である、請求項26に記載の方法。
  30. 前記がんは、腎細胞がん、成熟B細胞新生物、子宮内膜がん、卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がん、結腸直腸がん、皮膚がん、小腸がん、非小細胞肺がん、黒色腫、膀胱がん、膵臓がん、頭頸部がん、中皮腫、神経膠腫、前立腺がん、乳がん、又は食道胃がんである、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記PARP阻害剤は、式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 式(III)中のRはC1-4アルキルである、請求項30に記載の方法。
  33. 式(III)のRはメチルである、請求項31に記載の方法。
  34. 式(III)中のRはエチルである、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記PARP阻害剤は式(IIIa)の化合物:

    式中、
    はC1-4アルキルであり、
    はH、ハロ、C1-4アルキル、又はC1-4フルオロアルキルであり、
    はH又はC1-4アルキルであり、
    はHである、
    又はその薬学的に許容される塩である、請求項31に記載の方法。
  36. は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、又はメチルである、請求項35に記載の方法。
  37. はH又はハロである、請求項35に記載の方法。
  38. はエチルであり、RはH、クロロ又はフルオロであり、Rはメチルである、請求項35に記載の方法。
  39. 前記PARP阻害剤は式(IIIb)の化合物:

    式中、
    はC1-4アルキルであり、
    はH又はハロであり、
    はH又はC1-4アルキルである、
    又はその薬学的に許容される塩である、請求項31に記載の方法。
  40. はエチルであり、Rは、H、クロロ、又はフルオロであり、Rはメチルである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記PARP阻害剤は、式(IIIc)の化合物:

    式中、
    はC1-4アルキル又はC1-4フルオロアルキルであり、
    はH、ハロ、C1-4アルキル、又はC1-4フルオロアルキルであり、
    はH又はC1-4アルキルであり、
    はH又はフルオロである、
    又はその薬学的に許容される塩である、請求項31に記載の方法。
  42. は、エチル、n-プロピル、トリフルオロメチル、1,1-ジフルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2-フルオロエチル、又は2,2,2-トリフルオロエチルである、請求項41に記載の方法。
  43. は、H、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、フルオロ、又はクロロである、請求項41又は42に記載の方法。
  44. はH又はメチルである、請求項41~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. はHである、請求項41~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記PARP阻害剤は、
    5-[4-[(3-エチル-2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(3-エチル-2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-5-[4-[(3-エチル-2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-エチル-5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-5-[4-[(2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    N-メチル-5-[4-[(3-オキソ-2-プロピル-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-N-メチル-5-[4-[(3-オキソ-2-プロピル-4H-キノキサリン)-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-N-メチル-5-[4-[(3-オキソ-2-プロピル-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-7-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[[2-(1,1-ジフルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[[2-(2,2-ジフルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[[2-(2,2-ジフルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[[2-(2-フルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-5-[4-[[2-(2-フルオロエチル)-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    N-メチル-5-[4-[[3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-N-メチル-5-(4-((3-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロキノキサリン-6-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)ピコリンアミド、
    又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記PARP阻害剤は、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記PARP阻害剤は、
    6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-6(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    N-エチル-5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記PARP阻害剤は、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記PARP阻害剤は、式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  51. はメチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、1,1-ジフルオロエチル、1-フルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、又はメトキシである、請求項50に記載の方法。
  52. はメチル又はエチルである、請求項51に記載の方法。
  53. はH、クロロ、フルオロ、メチル、又はジフルオロメチルである、請求項50~52のいずれか一項に記載の方法。
  54. はフルオロ又はメチルである、請求項53に記載の方法。
  55. はメチル又はエチルである、請求項50~54のいずれか一項に記載の方法。
  56. はクロロ、フルオロ、又はメチルである、請求項50~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. はフルオロである、請求項56に記載の方法。
  58. はC1-4アルキルであり、Rはハロであり、RはC1-4アルキルであり、Rはハロ又はC1-4アルキルである、請求項50に記載の方法。
  59. 前記PARP阻害剤は、
    5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-クロロ-2-エチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-5-[4-[[5-フルオロ-2-[(1S及び1R)-1-フルオロエチル]-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[[5-フルオロ-2-[(1S及び1R)-1-フルオロエチル]-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-クロロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-クロロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-クロロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[[2-(1,1-ジフルオロエチル)-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル))メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル))メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[[2-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン)-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メトキシ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-エチル-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    N-エチル-6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル))メチル]ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
    N-エチル-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-クロロ-5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[[5-フルオロ-3-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-4H-キノキサリン-6-イル]メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-イソプロピル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-フルオロ-2-イソプロピル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(5-フルオロ-2-イソプロピル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、5-[4-[(2-シクロプロピル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-6-フルオロ-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-シクロプロピル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-シクロプロピル-5-フルオロ-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    5-[4-[(2-メトキシ-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N,6-ジメチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-フルオロ-5-[4-[(2-メトキシ-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2-メトキシ-5-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、
    6-(ジフルオロメチル)-5-[4-[(2,5-ジメチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、又は
    それらの薬学的に許容される塩である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記PARP阻害剤は6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド、又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記PARP阻害剤は6-フルオロ-5-[4-[(5-フルオロ-2-メチル-3-オキソ-4H-キノキサリン-6-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミドである、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  62. 対象におけるがんを治療する方法であって、前記方法は、それを必要とする前記対象に、治療有効量のATR阻害剤及び治療有効量のPARP阻害剤を投与することを含み、前記がんは、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するがんとして既に同定されたものであるか、又は前記がんは既にALT+がんとして同定されたものであり、前記PARP阻害剤は、ベリパリブ(ABT-888)、イニパリブ(BSI-201)、2X-121、CEP-9722、KU-0059436(AZD2281)、PF-01367338、それらの薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせである、方法。
  63. 対象におけるがんを治療する方法であって、前記方法は、それを必要とする前記対象に、治療有効量のATR阻害剤及び治療有効量のPARP阻害剤を投与することを含み、前記がんは、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するか、又は前記がんはALT+がんであり、前記PARP阻害剤は、ベリパリブ(ABT-888)、イニパリブ(BSI-201)、2X-121、CEP-9722、KU-0059436(AZD2281)、PF-01367338、それらの薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせである、方法。
  64. 対象におけるがんを治療する方法であって、
    (i)前記がんを、ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有するものとして、又はALT+がんとして同定する工程;及び
    (ii)それを必要とする前記対象に、治療有効量のATR阻害剤と、ベリパリブ(ABT-888)、イニパリブ(BSI-201)、2X-121、CEP-9722、KU-0059436(AZD2281)、PF-01367338、それらの薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせである治療有効量のPARP阻害剤とを投与する工程
    を含む方法。
  65. 前記ATR阻害剤は、前記PARP阻害剤の前に投与される、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記ATR阻害剤は、前記PARP阻害剤の後に投与される、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記ATR阻害剤は前記PARP阻害剤と同時投与される、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記治療有効量は、前記ATR阻害剤の治療量以下のレジメンである、請求項62~67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記治療有効量は、前記PARP阻害剤の治療量以下のレジメンである、請求項62~68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記治療量以下のレジメンは、単剤療法に使用される最低標準開始用量より少なくとも50%少ない開始用量を含む、請求項68又は69に記載の方法。
  71. 前記治療量以下のレジメンは、単剤療法に使用される最低標準維持用量より少なくとも50%少ない維持用量を含む、請求項68~70のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記維持用量は第1の減量用量を含む、請求項71に記載の方法。
  73. 前記維持用量は第2の減量用量を含む、請求項71又は72に記載の方法。
  74. 前記維持用量は第3の減量用量を含む、請求項71~73のいずれか一項に記載の方法。
  75. 投与経路は経口投与である、請求項62~74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記ATR阻害剤は、1日/週、2日/週、又は3日/週投与される、請求項62~75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記PARP阻害剤は、1日/週、2日/週、3日/週、又は4日/週投与される、請求項62~76のいずれか一項に記載の方法。
  78. ATM、BRCA2、RNAseH2A、RNAseH2B、CDK12、又はそれらの組み合わせの機能の喪失を有する異常がん細胞、又はALT+がん細胞において細胞死を誘導する方法であって、前記方法は、前記細胞を有効量のATR阻害剤及び有効量のPARP阻害剤と接触させることを含み、前記有効量は、前記異常がん細胞において細胞死を誘導するのに十分であり、前記PARP阻害剤は、ベリパリブ(ABT-888)、イニパリブ(BSI-201)、2X-121、CEP-9722、KU-0059436(AZD2281)、PF-01367338、それらの薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせである、方法。
  79. 前記機能の喪失は、ATMの機能の喪失である、請求項62~78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 前記機能の喪失は、RNAseH2Aの機能の喪失である、請求項62~78のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記機能の喪失は、RNAseH2Bの機能の喪失である、請求項62~78のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記機能の喪失は、CDK12の機能の喪失である、請求項62~78のいずれか一項に記載の方法。
  83. 前記機能の喪失は、BRCA2の機能の喪失である、請求項62~78のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記がんはALT+がんである、請求項62~78のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記ATR阻害剤は式(I)の化合物:

    又はその薬学的に許容される塩であり、式中、

    は二重結合であり、各Yは独立してN又はCRであるか、又は

    は単結合であり、各Yは独立してNR、カルボニル、又はC(Rであり、各Rは独立してH又は任意に置換されたC1-6アルキルであり、
    は任意に置換されたC1-6アルキル又はHであり、
    は、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、ハロゲン、-N(R、-OR、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は-Q-R5Bであり、
    は、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキルであり、
    各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、又は任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
    各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであるか;又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
    各R5Aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC6-10アリールであり、
    5Bはヒドロキシル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、-N(R、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は任意に置換されたアルコキシであり、
    各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルコキシアルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであるか;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
    Qは、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリレン、任意に置換されたC3-8シクロアルキレン、任意に置換されたC1-9ヘテロアリーレン、又は任意に置換されたC6-10アリーレンであり;
    Xは水素又はハロゲンである、請求項62~84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記ATR阻害剤は、式(II)の化合物:

    又はその薬学的に許容される塩であり、式中、
    各Yは独立してN又はCRであり、
    は任意に置換されたC1-6アルキル又はHであり、
    は、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキル、ハロゲン、-N(R、-OR、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は-Q-R5Bであり、
    は、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールC1-6アルキルであり、
    各Rは独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルケニル、又は任意に置換されたC2-6アルキニルであり、
    各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、又は-SO5Aであるか;又は両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
    各R5Aは独立して、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC6-10アリールであり、
    5Bはヒドロキシル、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC1-9ヘテロアリール、-N(R、-CON(R、-SON(R、-SO5A、又は任意に置換されたアルコキシであり、
    各Rは独立して、水素、任意に置換されたC1-6アルキル、任意に置換されたC2-6アルコキシアルキル、任意に置換されたC6-10アリールC1-6アルキル、任意に置換されたC6-10アリール、任意に置換されたC3-8シクロアルキル、又は任意に置換されたC1-9ヘテロアリールであるか;又は、両方のRが、それらが結合している原子と一緒に、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリルを形成するように結合しており、
    Qは、任意に置換されたC2-9ヘテロシクリレン、任意に置換されたC3-8シクロアルキレン、任意に置換されたC1-9ヘテロアリーレン、又は任意に置換されたC6-10アリーレンであり、
    Xは水素又はハロゲンである、請求項85に記載の方法。
  87. 前記ATR阻害剤は、化合物43、57、62、87、93、94、95、99、100、106、107、108、109、111、112、113、114、115、116、118、119、120、121、122、123、135、147、148、及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項85に記載の方法。
  88. 前記ATR阻害剤は、化合物43又はその薬学的に許容される塩である、請求項87に記載の方法。
  89. 前記ATR阻害剤は、化合物121又はその薬学的に許容される塩である、請求項87に記載の方法。
  90. 前記ATR阻害剤は、化合物122又はその薬学的に許容される塩である、請求項87に記載の方法。
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