JP7291076B2 - キナーゼを阻害する組成物及び方法 - Google Patents
キナーゼを阻害する組成物及び方法 Download PDFInfo
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Description
本出願は、2016年10月25日に出願された米国特許仮出願第62/412600号の利益を主張するもので、その内容を参照により全体として本明細書に完全に組み込む。
パーキンソン病は、米国では約100万人及び世界では700~1000万人に影響を与える進行性神経変性障害である。長生きするほどに、この一般的な衰弱性神経障害を発症している人数は増える。パーキンソン病は、自律神経系機能障害、不安、うつ、睡眠障害、並びに他のニューロン集団の変性及び機能障害に起因する認知障害と共に、黒質緻密部(SNpc)におけるドーパミン分泌ニューロンの進行性消失によって引き起こされる運動障害を特徴とする。今までのところ、PDにおける容赦のない神経変性を妨害又は予防する薬物療法はない。ドーパミン補充は、症候性運動機能障害を軽減するが、その有効性は、疾患が進行するにつれて低下し、許容できない副作用、例えば、重度の運動症状の変動及びジスキネジーを引き起こす。さらに、この対症療法的手法は、根本的な疾患機序について取り組むものではない。PDに対する現在の処置は、多くの制限がある対症療法である。
R1は、水素又は低級アルキルから選択され、
Cy1は、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、及び置換又は非置換ヘテロシクリルから選択され、
ただし、Cy1は非置換ピリド-4-イルでない]
で表される化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩に関する。
R2及びR3は、水素、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、ハロ、シアノ、アルコキシ、-C(O)OH、及び-C(O)N(R4)(R4)から選択され、
nは、1、2、3又は4であり、
Xは、C(R4)2、S、O、又はNR4であり、
R4は、水素及び置換又は非置換アルキル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル又はヘテロシクリルアルキルから選択される]
から選択される。
R1は、それぞれ独立して、水素又は低級アルキルから選択され、
R2及びR3は、水素、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、ハロ、シアノ、アルコキシ、-C(O)OH、及び-C(O)N(R4)(R4)から選択され、
R4は、水素及び置換又は非置換アルキル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル又はヘテロシクリルアルキルから選択される]
から選択される。
A及びBは独立して、非存在、H又は式(II)の部分から選択され、ただし、A及びBの少なくとも1つは式(III)、
R及びR1はそれぞれ独立して、H、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルから選択され(ここで、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって3個までの炭素原子は、O、NR4、S、SO及びSO2から独立して選択されるヘテロ原子群によって置き換えられ(すなわち、それによって、ヘテロアルキル又はヘテロシクリル置換基が形成される)、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルはそれぞれ、1~4つのC1~C8アルキル、アルコキシ、アリール及びヘテロアリール置換基で場合によって置換されている)、又はR及びR1はそれらが結合している原子と一緒になって、3~7員環を形成し(ここで、3~7員環は、O、NR4、S、SO及びSO2から選択される2つまでのヘテロ原子群を場合によって含み、1~4つのアルコキシ、F又はCl置換基で場合によって置換されている)、
Yは、R2、OR2、NH2、NHR2、及びNR2R3から選択され、
R2は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルから選択され(ここで、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって3個までの炭素原子は、O、NR4、S、SO及びSO2から独立して選択されるヘテロ原子群によって置き換えられ(すなわち、それによって、ヘテロアルキル又はヘテロシクリル置換基が形成される)、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルはそれぞれ、1~4つのC1~C8アルキル、アルコキシ、アリール又はヘテロアリール置換基で場合によって置換されている)、
R3は、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルから選択され(ここで、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルのそれぞれにおいて、場合によって3個までの炭素原子は、O、NR4、S、SO及びSO2から独立して選択されるヘテロ原子群によって置き換えられ(すなわち、それによって、ヘテロアルキル又はヘテロシクリル置換基が形成される)、C1~C8アルキル及びC3~C7シクロアルキルはそれぞれ、1~4つのC1~C8アルキル、アルコキシ、アリール又はヘテロアリールで場合によって置換されている)、あるいは、
R2及びR3はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、3~7員環を形成してもよく(ここで、3~7員環は、O、NR4、S、SO及びSO2から選択される3つまでのヘテロ原子群を場合によって含み、アルコキシ、F又はClで場合によって置換されている)、
R4は出現ごとに独立して、H又はC1~C8アルキルから選択される]
の部分であり、
X及びX1はそれぞれ独立して、アニオン又は非存在であり、ただし、Xは、Aが非存在であるときのみ非存在であり、X1は、Bが非存在であるときのみ非存在である}
I型試薬
i. クロロメチルイソプロピルカーボナート
ii. ベンジルクロロメチルカーボナート
iii. クロロメチルモルホリノメチルカーボナート
iv. クロロメチルイソブチルカーボナート
v. クロロメチルメチルカーボナート
vi. (S)-sec-ブチルクロロメチルカーボナート
vii. (R)-sec-ブチルクロロメチルカーボナート
viii. クロロメチル((3S,5R)-3,5-ジメチルモルホリノ)メチルカーボナート
ix. クロロメチル2-メチルシクロプロピルカーボナート
x. クロロメチル2-メトキシエチルカーボナート
xi. クロロメチルプロピルカーボナート
xii. クロロメチルシクロブチルカーボナート
xiii. クロロメチルシクロプロピルカーボナート
xiv. クロロメチル2,2-ジメチルシクロブチルカーボナート
xv. クロロメチルシクロペンチルカーボナート
xvi. クロロメチルオキセタン-3-イルカーボナート
xvii. (S)-クロロメチルテトラヒドロフラン-3-イルカーボナート
xviii. クロロメチルシクロヘキシルメチルカーボナート
xix. クロロメチル3-メトキシシクロヘキシルカーボナート
xx. (R)-クロロメチルテトラヒドロフラン-3-イルカーボナート
xxi. クロロメチルエトキシメチルカーボナート
xxii. クロロメチルオキセパン-4-イルカーボナート
xxiii. (1R,2S,4S)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルクロロメチルカーボナート
xxiv. クロロメチル2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イルカーボナート
xxv. ベンジルクロロメチルカーボナート
xxvi. (S)-クロロメチル1-フェニルエチルカーボナート
xxvii. クロロメチルシクロヘキシルカーボナート
xxviii. クロロメチルイソブチルカーボナート
xxix. クロロメチル4-メチルシクロヘキシルカーボナート
xxx. クロロメチル2-(メチルチオ)エチルカーボナート
xxxi. クロロメチル3-メチルシクロヘキシルカーボナート
xxxii. クロロメチルペンタン-2-イルカーボナート
xxxiii. クロロメチルネオペンチルカーボナート
xxxiv. メチル1-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)シクロプロパンカルボキシラート
xxxv. クロロメチルシクロプロピルメチルカーボナート
xxxvi. クロロメチル2,2-ジエトキシエチルカーボナート
xxxvii. クロロメチルシクロペンチルメチルカーボナート
xxxviii. メチル2-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)プロパノアート
xxxix. (S)-クロロメチル2,2,4-トリメチルシクロペンタ-3-エニルカーボナート
xl. クロロメチル1,3-ジオキソラン-2-イルカーボナート
xli. クロロメチル(2,6-ジメチルシクロヘキシル)メチルカーボナート
xlii. クロロメチル2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エチルカーボナート
xliii. クロロメチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチルカーボナート
xliv. クロロメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルカーボナート
xlv. クロロメチル1-メチルシクロペンチルカーボナート
xlvi. クロロメチル1-シクロペンチルエチルカーボナート
xlvii. クロロメチル3-メチルシクロペンチルカーボナート
xlviii. クロロメチル3,3-ジメチルシクロヘキシルカーボナート
xlix. クロロメチル2,5-ジメチルシクロヘキシルカーボナート
l. クロロメチル1-(4-メチルシクロヘキシル)エチルカーボナート
li. クロロメチル(3-メチルオキセタン-3-イル)メチルカーボナート
lii. クロロメチル(3-メチルオキセタン-3-イル)メチルカーボナート
liii. クロロメチル2-イソプロポキシエチルカーボナート
liv. (クロロメチル炭酸)5-((3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾル-4-イル)ペンタン酸無水物
lv. 4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)-2-ヒドロキシ-4-オキソブタン酸
lvi. クロロメチル4-ホルミル-2-メトキシフェニルカーボナート
lvii. クロロメチル3-オキソブタン-2-イルカーボナート
lviii. メチル4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)ベンゾアート
lix. (R)-2-アミノ-3-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)プロパン酸
lx. 3-tert-ブチル-4-メトキシフェニルクロロメチルカーボナート
lxi. (R)-2-アミノ-3-(4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)フェニル)プロパン酸
lxii. (R)-2-アミノ-4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)-4-オキソブタン酸
lxiii. (E)-クロロメチル3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエニルカーボナート
lxiv. メチル4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)ベンゾアート
lxv. クロロメチル2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-イルカーボナート
lxvi. クロロメチル3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルカーボナート
lxvii. 4-アリル-2-メトキシフェニルクロロメチルカーボナート
lxviii. クロロメチル(1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルカーボナート
lxix. プロピル4-((クロロメトキシ)カルボニルオキシ)ベンゾアート
lxx. (E)-クロロメチル3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエニルカーボナート
i. クロロメチルシクロヘキサンカルボキシラート
ii. クロロメチル2-シクロヘキシルアセタート
iii. クロロメチル4-メチルシクロヘキサンカルボキシラート
iv. クロロメチル1-メチルシクロヘキサンカルボキシラート
v. クロロメチルシクロペンタンカルボキシラート
vi. クロロメチル1-(トリフルオロメチル)シクロペンタンカルボキシラート
vii. クロロメチルシクロブタンカルボキシラート
viii. クロロメチル2-エチルヘキサノアート
ix. クロロメチル3-シクロペンチルプロパノアート
x. クロロメチルシクロプロパンカルボキシラート
xi. クロロメチルペンタノアート
xii. クロロメチル2-メチルペンタノアート
xiii. クロロメチル3,5,5-トリメチルヘキサノアート
xiv. クロロメチル2,2-ジメチルブタノアート
xv. クロロメチル2-メチルブタノアート
xvi. クロロメチルヘキサノアート
xvii. クロロメチル2-エチルブタノアート
xviii. クロロメチルブチラート
xix. クロロメチル3-フェニルプロパノアート
xx. クロロメチル2-フェニルプロパノアート
xxi. (R)-クロロメチル2-フェニルプロパノアート
xxii. (S)-クロロメチル2-フェニルプロパノアート
xxiii. (1r,4r)-クロロメチル4-メチルシクロヘキサンカルボキシラート
xxiv. クロロメチル4-メトキシシクロヘキサンカルボキシラート
xxv. クロロメチル4,4-ジフルオロシクロヘキサンカルボキシラート
xxvi. クロロメチル3-メトキシシクロヘキサンカルボキシラート
xxvii. (2R)-クロロメチル2-メチルシクロペンタンカルボキシラート
xxviii. (R)-クロロメチル2-メチルブタノアート
xxix. (S)-クロロメチル2-メチルブタノアート
xxx. (S)-クロロメチル2-メトキシ-2-フェニルアセタート
xxxi. (S)-クロロメチル2-フェニルプロパノアート
xxxii. (S)-クロロメチル2-フェニルブタノアート
xxxiii. (S)-クロロメチル3-フェニルブタノアート
xxxiv. ビス(クロロメチル)2,2-ジメチルマロナート
xxxv. ビス(クロロメチル)オキサラート
xxxvi. クロロメチル2-シクロプロピルアセタート
xxxvii. クロロメチル2-シクロブチルアセタート
xxxviii. クロロメチル2-シクロペンチルアセタート
xxxix. クロロメチル2-(テトラヒドロフラン-3-イル)アセタート
xl. クロロメチル2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アセタート
xli. クロロメチル2-メチルシクロプロパンカルボキシラート
xlii. クロロメチル2-(1-メチルシクロブチル)アセタート
xliii. クロロメチル2-(1-メチルシクロプロピル)アセタート
xliv. クロロメチルプロピオナート
xlv. クロロメチルアセタート
xlvi. クロロメチルイソブチラート
xlvii. クロロメチル2-イソプロピル-3-メチルブタノアート
xlviii. クロロメチル3,5-ジメチルシクロヘキサンカルボキシラート
xlix. クロロメチル2-プロピルペンタノアート
l. クロロメチル4-メトキシベンゾアート
li. クロロメチル4-メチルベンゾアート
lii. クロロメチル3-メチルベンゾアート
liii. クロロメチル2,2,2-トリフルオロアセタート
liv. クロロメチル5,5-ジメチル-3-オキソヘキサノアート
lv. ビス(クロロメチル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキシラート
lvi. クロロメチル1,2-ジヒドロシクロブタベンゼン-1-カルボキシラート
lvii. クロロメチル2-シクロペンテニルアセタート
lviii. クロロメチル2-フェニルブタノアート
lix. クロロメチル2,2-ジフルオロアセタート
lx. クロロメチル4-フルオロベンゾアート
lxi. クロロメチル3-シクロヘキシルプロパノアート
lxii. クロロメチル2-シクロヘキシルアセタート
lxiii. クロロメチル3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)プロパノアート
lxiv. クロロメチル2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)アセタート
lxv. クロロメチル3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)プロパノアート
lxvi. クロロメチルニコチナート
i. クロロメチルイソプロピルカルバマート
ii. クロロメチルジイソプロピルカルバマート
iii. クロロメチルジメチルカルバマート
iv. クロロメチルイソブチルカルバマート
v. クロロメチルメチルカルバマート
vi. クロロメチルエチル(イソプロピル)カルバマート
vii. クロロメチルイソブチル(メチル)カルバマート
viii. (S)-クロロメチルsec-ブチルカルバマート
ix. クロロメチルメチルカルバマート
x. クロロメチルイソプロピル(メチル)カルバマート
xi. クロロメチルプロピルカルバマート
xii. クロロメチル2-メトキシエチルカルバマート
xiii. クロロメチルメチル(プロピル)カルバマート
xiv. クロロメチルジイソブチルカルバマート
xv. クロロメチルtert-ブチル(イソプロピル)カルバマート
xvi. クロロメチルジ-sec-ブチルカルバマート
xvii. クロロメチルアジリジン-1-カルボキシラート
xviii. クロロメチル2-メチルシクロプロピルカルバマート
xix. クロロメチルシクロプロピルカルバマート
xx. クロロメチルシクロプロピルメチル(プロピル)カルバマート
xxi. クロロメチルシクロプロピル(メチル)カルバマート
xxii. クロロメチルアゼチジン-1-カルボキシラート
xxiii. クロロメチルシクロブチルカルバマート
xxiv. クロロメチル2,2-ジメチルシクロブチルカルバマート
xxv. クロロメチル3-メトキシアゼチジン-1-カルボキシラート
xxvi. クロロメチルシクロブチル(メチル)カルバマート
xxvii. クロロメチルオキセタン-3-イルカルバマート
xxviii. (S)-クロロメチル2-メチルピロリジン-1-カルボキシラート
xxix. クロロメチルシクロペンチルカルバマート
xxx. クロロメチルシクロペンチル(メチル)カルバマート
xxxi. クロロメチルテトラヒドロフラン-3-イルカルバマート
xxxii. クロロメチルピペリジン-1-カルボキシラート
xxxiii. (2R,6S)-クロロメチル2,6-ジメチルピペリジン-1-カルボキシラート
xxxiv. (R)-クロロメチル2-メチルピペリジン-1-カルボキシラート
xxxv. クロロメチルピペリジン-1-カルボキシラート
xxxvi. クロロメチル3-メトキシシクロヘキシルカルバマート
xxxvii. クロロメチルシクロヘキシルメチルカルバマート
xxxviii. クロロメチルシクロヘキシルメチル(メチル)カルバマート
xxxix. クロロメチルモルホリン-4-カルボキシラート
xl. (3S,5R)-クロロメチル3,5-ジメチルモルホリン-4-カルボキシラート
xli. (3R,5S)-クロロメチル3,5-ジメチルモルホリン-4-カルボキシラート
xlii. (2S,6R)-クロロメチル2,6-ジメチルモルホリン-4-カルボキシラート
xliii. クロロメチル4-メチルピペラジン-1-カルボキシラート
xliv. クロロメチルアゼパン-1-カルボキシラート
xlv. クロロメチルシクロヘプチルカルバマート
xlvi. クロロメチルオキセパン-4-イルカルバマート
xlvii. クロロメチル(1R,2S,4S)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルカルバマート
xlviii. クロロメチル2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イルカルバマート
xlix. クロロメチルベンジルカルバマート
l. (S)-クロロメチル1-フェニルエチルカルバマート
li. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルブタノアート
lii. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-フェニルプロパノアート
liii. (S)-ジエチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)ペンタンジオアート
liv. エチル((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)プロパノアート
lv. エチル2-アミノ-6-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)ヘキサノアート
lvi. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-4-メチルペンタノアート
lvii. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-メチルペンタノアート
lviii. (S)-ジメチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)スクシナート
lix. (S)-エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-5-グアニジノペンタノアート
lx. (S)-エチル4-アミノ-2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-4-オキソブタノアート
lxi. (S)-エチル2-アミノ-5-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)ペンタノアート
lxii. (S)-エチル5-アミノ-2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-5-オキソペンタノアート
lxiii. エチル2-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-4-(メチルチオ)ブタノアート
lxiv. 1-クロロメチル3-メチル2-メチル-5,6-ジヒドロピリジン-1,3(2H)-ジカルボキシラート
lxv. (S)-クロロメチル(1-メチルピロリジン-2-イル)メチルカーボナート
lxvi. (R)-クロロメチル(1-メチルピロリジン-2-イル)メチルカーボナート
lxvii. (S)-(1-ベンジルピロリジン-2-イル)メチルクロロメチルカーボナート
lxviii. クロロメチル1H-ピロール-1-カルボキシラート
lxix. クロロメチル2-ニコチノイルヒドラジンカルボキシラート
lxx. (6S)-3-クロロ-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸
lxxi. (6S)-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-8-オキソ-3-ビニル-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸
lxxii. (6S)-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-(メトキシメチル)-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸
lxxiii. (6R,7R)-7-((クロロメトキシ)カルボニルアミノ)-3-メトキシ-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸
lxxiv. クロロメチル3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート
lxxv. クロロメチル3-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート
lxxvi. クロロメチル3-フェニル-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート
lxxvii. クロロメチル3-(4ブロモフェニル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシラート
lxxviii. クロロメチル2-シアノ-1H-ピロール-1-カルボキシラート
lxxix. クロロメチル4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート
lxxx. 1-クロロメチル3-エチル2-オキソピペリジン-1,3-ジカルボキシラート
lxxxi. クロロメチル2,2,6,6-テトラメチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート
lxxxii. クロロメチル2-オキソピペリジン-1-カルボキシラート
Xは、ヨージド、クロリド、ブロミド、メシラート、トシラート、又は薬学的に許容される塩を提供するためのいずれか他の薬学的に許容されるアニオンであり得る]
の化合物から選択される。
用語「アルキル」とは、直鎖アルキル基及び分枝鎖アルキル基を含めて、飽和脂肪族基の基を指す。好ましい実施形態において、直鎖又は分枝鎖アルキルは、その主鎖中に30個以下の炭素原子(例えば、直鎖の場合C1~C30、分枝鎖の場合C3~C30)、より好ましくは20個以下の炭素原子を有する。ある特定の実施形態において、アルキル基は、低級アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル及びn-ペンチルである。
本発明は、活性成分である式(I)若しくは(II)の化合物又は薬学的に許容されるその塩を薬学的に許容される添加剤/賦形剤/アジュバント/ビヒクルと共に含む医薬組成物をさらに提供する。
本発明は、疾患の予防及び/若しくは処置、並びに/又は疾患の症状の改善の方法であって、式(I)若しくは(II)の化合物若しくは薬学的に許容されるその塩、又は活性成分として式(I)若しくは(II)の化合物を含む医薬組成物の治療有効量を投与するステップを含む方法をさらに提供する。
一態様において、本発明は、パーキンソン病又はその症状を処置、抑制、又は予防する方法であって、それを必要とする対象に治療上有効量のアベルソンファミリーチロシンキナーゼ(ATK)阻害薬を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態において、方法は、本明細書に記載されるATK阻害薬を含む医薬組成物を投与するステップを含む。
合成プロトコル
500mLのn-BuOH中の2(45g、176.5mmol)、7(40.6g、159.2mmol)、K2CO3(44.0g、318.8mmol)の混合物を120℃で16時間加熱した。反応混合物を濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、石油エーテル(PE)/酢酸エチル(EA)で溶離、PE/EA=2:1)により精製して、3(47.0g、70%)を淡黄色固体として得た。
300mLのEtOAc中の3(45.0g、116.9mmol)及びSnCl2(132.0g、585mmol)の溶液を加熱して終夜還流し、次いで反応物を室温に冷却し、濾過し、溶液を減圧濃縮して、4(44.0g、100%)を得た。それを、さらに何ら精製することなく、次のステップに直接使用した。
上記の粗製4(30.0g、84.5mmol)及び8(40.0g、123.0mmol)を300mLのi-BuOHに溶解し、次いで、得られた溶液を80℃に約5時間温め、反応が完了した後、混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EA=2:1)で精製して、5(45.0g、93%)を黄色固体として得た。
ジオキサン(150mL)中の5(10.0g、17.5mmol)、KOAc(2.8g、28.1mmol)、PCy3(0.3g、1.1mmol)、Pd2(dba)3(0.4g、0.5mmol)及び4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(7.1g、28.0mmol)の混合物を80℃で終夜撹拌した。反応が完了した後、反応液を減圧除去して、粗製6(11.0g、収率100%)を黄色固体として得た。それを、さらに精製することなく、次のステップに直接使用した。
脱気したジオキサン(50mL)中の5(1.1g、2.0mmol)、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(0.9g、2.6mmol)、Pd(PPh3)4(0.2g、0.1mmol)及びトリエチルアミン(0.3g、3.0mmol)の溶液を加熱して24時間還流した。次いで、溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を厚いSiO2パッドで濾過した。得られた固体を乾燥THF(60ml)に溶解し、0℃に冷却し、1N HClで処理した。溶液を室温で2時間撹拌し、次いで飽和NaHCO3水溶液で中和した。混合物をEAで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=2:1で溶離)で精製して、7(1.0g、94%)を白色固体として得た。
シュウ酸ジエチル(0.4g、2.3mmol)を、水素化ナトリウム(70%、0.2g)のテトラヒドロフラン(15mL)懸濁液に添加し、約15分間還流した。次いで、7(1.0g、1.9mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を30分かけて滴下し、90分間還流した。冷却した後、反応混合物を氷水に注ぎ込み、希塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出し、Na2SO4で脱水し、濃縮した。粗生成物8(0.8g、67%)を、さらに何ら精製することなく、次のステップに使用した。
8(0.8g、1.26mmol)のEtOH(20mL)溶液に、ヒドラジン(0.1g、2.54mmol)を添加した。得られた混合物を加熱して60分間還流した。溶液を減圧下で除去し、残留物を分取HPLC(塩基性)で精製して、9(0.6g、78%)を白色固体として得た。
2-メチル-5-ニトロアニリン(152g、1.0mol)、シアナミド(247mL、6.0mol)及びイソプロピルアルコール(1000mL)の混合物を3Lのフラスコに入れた。混合物を80℃に加熱した。濃塩酸(57mL)を80分かけてゆっくり滴下した。反応混合物の温度を80℃に維持しながら、1時間撹拌した。濃塩酸をもう一部(144mL)、80℃で滴下した。次いで、反応混合物を100℃で12時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、NaOH水溶液(2.5N、1200mL)で処理した。得られた固体を濾過で回収し、イソプロピルアルコール(500mL)で洗浄し、乾燥させて、化合物1(145g、収率76%)を得た。
3-アセチル-5-ブロモピリジン(126.7g、0.633mol)及びDMF-DMA(84g、70.6mmol)の混合物を1時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィーで直接精製した。濃縮後に得られた粗生成物をジエチルエーテル(200mL)で洗浄し、乾燥させて、化合物3(122g、収率75.5%)を黄色結晶として得た。
エタノール/水(1:1、140mL)中の鉄(5.08g、907mmol)、NH4Cl(970mg、18.1mmol)及びSiO2(3g)の混合物を55℃で10分間加熱した。次いで、化合物4(7.0g、18.1mmol)のTHF(70mL)懸濁液を添加した。反応混合物を還流下で1時間撹拌し、室温に冷却した。混合物を水(100mL)に注ぎ込み、次いで酢酸エチル(100mL×2回)で抽出した。有機層を合わせて、塩水及び水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物5(5.88g、収率91%)を黄色固体として得た。
アセトニトリル(400mL)中の4-ホルミル安息香酸メチル(20g、121mmol)及びピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(25g、134mmol)の混合物に、室温でTFA(10mL)を滴下した。混合物を1時間撹拌し、NaBH3CN(8.32g、134mmol)を添加した。反応混合物を室温で終夜撹拌し、水を添加した。得られた混合物を酢酸エチル(100mL×2回)で抽出した。有機層を合わせて、塩水及び水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物6a(14g、収率34.4%)を得た。それを、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
同じ6aの手順に従って、化合物6bを1-メチルピペラジンから調製した。
メタノール/アセトニトリル/水(100mL、1:2:2)中の化合物6a(7.0g、粗製物、21mmol)及びLiOH-H2O(1.4g、31mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。有機溶媒を除去し、残留する水溶液を酢酸エチル(100mL)で洗浄し、次いで2N HCl水溶液でpH=2~3に調整した。得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2回)で抽出した。抽出液を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物7a(3.0g、収率44.8%)を白色固体として得た。
同じ7aの手順に従って、化合物7bを6bから調製した。
DMF(20mL)中の化合物5(1.0g、2.81mmol)、化合物7a(0.98g、4.19mmol)、HATU(1.28g、3.37mmol)の混合物を0℃に冷却し、DIPEA(1.95mL、11.24mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2回)で抽出した。抽出液を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1→1:1)で精製して、化合物8a(1.29g、収率80%)を黄色固体として得た。
同じ8aの手順に従って、化合物8bを7bから調製した。
8300、831、832:1,4-ジオキサン及び水(5:1)中の化合物8a/b(1.0当量)、対応するボロン酸(1.0当量)、Pd(dppf)Cl2(触媒量)及びNa2CO3(2.5当量)の混合物を、N2下で80℃にて1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチル及び水で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー又は分取HPLCで精製して、目的の化合物を黄色固体として得た。
810、820、830、840
1,4-ジオキサン及び水(5:1)中の化合物4(1.0当量)、対応するボロン酸(1.0当量)、Pd(dppf)Cl2(触媒量)及びNa2CO3(2.5当量)の混合物を、N2下で80℃にて1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチル及び水で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物9を得た。それを、さらに精製することなく、次のステップで使用した。
トルエン(50mL)中の化合物4(5.0g、12.95mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.62g、14.25mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.3g、触媒量)及びKOAc(3.83g、38.87mmol)の混合物を、N2下で12時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相を酢酸エチル(100mL×2回)で抽出した。有機相を合わせて、塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油/EtOAc=20:1)で精製して、化合物11(4.77g、収率84.3%)を褐色固体として得た。
8150、8170、8190、8200、8220、8250、8260、8270、8280、8290
1,4-ジオキサン及び水(5:1)中のAr-X(1.0当量)、化合物11(1.1当量)、Pd(dppf)Cl2(触媒量)及びNa2CO3(3.0当量)の混合物を、N2下で80℃にて1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物9を得た。それを、さらに精製することなく、次のステップで使用した。
エタノール/水(1:1)中の鉄(5.0当量)、NH4Cl(1.0当量)及びSiO2(2.0当量)の混合物を55℃で10分間加熱した。次いで、化合物9(1.0当量)のTHF懸濁液を添加した。反応混合物を還流下で1時間撹拌し、室温に冷却した。混合物を水に注ぎ込み、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、塩水及び水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物10を黄色固体として得た。
DMF(20mL)中の化合物10(1.0当量)、化合物7b(1.2当量)及びHATU(1.2当量)の混合物を0℃に冷却し、DIPEA(4.0当量)を添加した。反応混合物を室温まで温め、15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の化合物を固体として得た。
1,4-ジオキサン/水(140mL/60mL)中の2-クロロ-4-メトキシピリミジン(9.54g、66mmol)、2-メチル-5-ニトロベンゼンアミン(10.0g、66mmol)、Pd2(dba)3(1.0g)、S-Phos(1.0g、24.4mmol)、及びCs2CO3(31.8g、99mmol)の混合物を110℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、次いでセライトパッドで濾過した。濾液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物12(12g、収率70.6%)を淡黄色固体として得た。
アセトニトリル(400mL)中の化合物12(20g、77mol)、TMSCl(15g、136mmol)及びNaI(23.4g、156mmol)の混合物を120℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、2N Na2CO3水溶液(400mL)及びDCM(400mL)を添加した。分液し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1)で精製して、化合物13(12.1g、収率64%)を淡黄色固体として得た。
POCl3(40mL)中の化合物13(2g、8.13mmol)及びDMF(5滴)の混合物を2時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、POCl3の大部分を除去した。残留物をNaOH水溶液(100mL)に注意深く注ぎ込み、得られた混合物をDCM(100mL×2回)で抽出した。有機層を合わせて、塩水及び水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物14(2.0g、収率93%)を黄色固体として得た。
1,4-ジオキサン(20mL)及び水(20mL)中の化合物14(1.0当量)、X-Int(1.0当量)、Pd(dppf)Cl2(触媒量)及びK2CO3(3.0当量)の混合物を、N2下で12時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1)で精製して、化合物15を黄色固体として得た。
エタノール/水(1:1)中の鉄(1.0当量)、NH4Cl(2.0当量)及びSiO2(触媒量)の混合物を55℃で10分間加熱した。次いで、化合物15(2.0当量)のTHF懸濁液を添加した。反応混合物を還流下で1時間撹拌し、室温に冷却した。混合物を水に注ぎ込み、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、塩水及び水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物16を得た。
DMF(2mL)中の化合物16(Het=3-メチルイソオキサゾール-5-イル、150mg、0.42mmol)、化合物7a(134mg、0.42mmol)及びHATU(159mg、0.42mmol)の混合物を0℃に冷却し、DIPEA(217mg、1.68mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1→酢酸エチル)で精製して、化合物Boc-806(180mg、収率65.2%)を固体として得た。
DMF(2mL)中の化合物16(1.0当量)、化合物7b(1.0当量)及びHATU(1.0当量)の混合物を0℃に冷却し、DIPEA(4.0当量)を添加した。反応混合物を室温まで温め、15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20:1)で精製して、最終化合物を黄色固体として得た。
アベルソンタンパク質キナーゼc-Abl1、c-Abl2、c-Kitの阻害、及びGleevec(登録商標)の活性成分であるイマチニブとの比較
14種のタンパク質キナーゼに対する500nM試験化合物溶液の阻害プロファイル
キナーゼベースバッファー(50mM HEPES(pH 7.5)、0.0015% Brij-35、10mM MgCl2、2mM DTT)及びストップバッファー(100mM HEPES(pH 7.5)、0.015% Brij-35、0.2% コーティング試薬(50mM EDTA))を調製する。試験化合物を100% DMSO中で所望のDMSO中最終阻害薬濃度(原液)の50倍に希釈する。各化合物10μlを96ウェルプレートに入れ、中間プレートとする。キナーゼバッファー90μlを各ウェルに加えて、中間プレートを調製する。中間プレート中の化合物を振盪器で10分間混合する。酵素阻害のアッセイでは、中間プレートの各ウェルの5μlを384ウェルプレートに移すことを2回繰り返す。次いで、2.5×酵素溶液10μlを、384ウェルアッセイプレートの各ウェルに添加し、10分間インキュベートする。次いで、酵素基質を2.5×FAM標識ペプチド+ATP溶液10μlとして、384ウェルアッセイプレートの各ウェルに添加する。反応を28℃で進ませ、ストップバッファーを25μl添加して、クエンチする。蛍光FAMの放出は、阻害率(%)=(最大-変換)/(最大-最小)×100として定量化される。「最大」はDMSO対照を表し、「最小」は低対照を表す。変換値を阻害値に変換する。阻害率(%)=(最大-変換)/(最大-最小)×100。「最大」はDMSO対照を表し、「最小」は低対照を表す。
本発明のある特定の化合物の薬物動態パラメーター
Sprague-Dawleyラットにおいて本明細書に記載される化合物の様々な薬物動態パラメーターを測定した。結果を表3に示す。
マウスMPTP神経毒性モデル
MPTP神経毒性モデルを用いて、本発明のある特定の化合物を評価した。MPTPは酸化ストレスを引き起こし、その酸化ストレスは、MPTPで処置されたマウスのSNpcにおけるc-Abl1及び/又はc-Abl2リン酸化を引き起こす。このモデルによるMPTP投与は、最後の注射後7日目に、DAニューロンの確実で不可逆的な消失をもたらし、この消失は、PDにおいて認められたのと同様である。MPTPは、SNpcにおけるDAニューロンの消失の増大及び尾状核被殻におけるDA神経末端の変性を引き起こす。PD死後組織において認められる細胞死シグナル伝達事象の多くは、酸化ストレス、ニトロソ化ストレス、c-Abl活性化、パーキン不活性化並びにPARIS及びAIMP2上昇及びPARP活性化を含めて、MPTPモデルに存在している。ATK阻害薬であるイマチニブ及びニロチニブは、PDの急性MPTP誘導モデルにおける神経保護をもたらす。モデルが比較的急速であるので、このモデルを使用して、投薬を将来の研究のため、及び有効性の予備的尺度として評価する。
変異型α-シヌクレインモデルにおける機能救済研究
パーキンソン病の変異型α-シヌクレインモデルを用いて、本開示の例示的な化合物による機能救済を明らかにする。α-シヌクレインのA53T変異体は、臨床的に同定される変異であり、マウスにおいてα-シヌクレインの過剰凝集を導き、パーキンソン病の症状、例えば、ドーパミン作動性ニューロンの消失を再現する。
α-シヌクレイン原繊維モデルにおける機能救済研究
既形成α-シヌクレイン原繊維の注射は、マウスにおいてパーキンソン病様疾患を誘発することが知られている。既形成α-シヌクレイン原繊維を注射したマウスを、本開示の化合物(例えば、化合物809)で処置する。そのように処置されたマウスは、パーキンソン病様疾患を示すことがない。この効果は、c-Ablを阻害することによって毒性の既形成原繊維α-シヌクレインの形成を遮断する化合物に起因すると考えられる。
本明細書に引用されている特許、公開された特許出願、及び非特許参考文献はそれぞれ、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
当業者ならば、ルーチンにすぎない実験方法を用いて、本明細書に説明されている本発明の特定の実施形態に対する多数の均等形態を認識し又は確認することができる。そのような均等形態は、以下の特許請求の範囲により包含されるものとする。
本発明は、以下の実施形態を包含する。
(実施形態1)
パーキンソン病を処置又は予防する方法であって、対象に有効量のATK阻害薬を投与するステップを含み、ATK阻害薬が、式(I)
R 1 は、場合によって重水素化されていてもよい、水素又は低級アルキルから選択され、
Cy 1 は、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、及び置換又は非置換ヘテロシクリルから選択される]
の構造を有する化合物又は薬学的に許容されるその塩である方法。
(実施形態2)
Cy 1 が、
R 2 及びR 3 は、水素、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、ハロ、シアノ、アルコキシ、-C(O)OH、及び-C(O)N(R 4 )(R 4 )から選択され、
nは、1、2、3又は4であり、
Xは、C(R 4 ) 2 、S、O、又はNR 4 であり、
R 4 は、水素及び置換又は非置換アルキル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル又はヘテロシクリルアルキルから選択される]
から選択される、実施形態1に記載の方法。
(実施形態3)
Cy 1 が、
R 1 は、水素又は低級アルキルから選択され、
R 2 及びR 3 は、水素、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、ハロ、シアノ、アルコキシ、-C(O)OH、及び-C(O)N(R 4 )(R 4 )から選択され、
R 4 は、水素及び置換又は非置換アルキル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル又はヘテロシクリルアルキルから選択される]
から選択される、実施形態1に記載の方法。
(実施形態4)
Cy 1 が非置換ピリド-4-イルでも非置換フェニルでもない、実施形態1に記載の方法。
(実施形態5)
Cy 1 が置換又は非置換ピリド-4-イルでも置換又は非置換フェニルでもない、実施形態1に記載の方法。
(実施形態6)
Cy 1 が、5員ヘテロアリール、アリール又はヘテロシクリルである、実施形態1に記載の方法。
(実施形態7)
Cy 1 が、
(実施形態8)
Cy 1 が、
(実施形態9)
Cy 1 が、
(実施形態10)
Cy 1 が、
(実施形態11)
R 1 が、-CH 3 、-CDH 2 、-CD 2 H、又は-CD 3 である、実施形態1に記載の方法。
Claims (32)
- R1が、-CH3、-CDH2、-CD2H、又は-CD3である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
- 前記化合物又は薬学的に許容されるその塩が、メタンスルホン酸塩である、請求項8に記載の使用。
- 前記化合物又は薬学的に許容されるその塩が、コハク酸塩である、請求項8に記載の使用。
- 前記化合物が、遊離塩基である、請求項8に記載の使用。
- 前記医薬が、経口又は非経口投与のためのものである、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用。
- 前記医薬が、経口又は非経口投与のためのものである、請求項8に記載の使用。
- 前記医薬が、経口又は非経口投与のためのものである、請求項9に記載の使用。
- 前記医薬が、経口又は非経口投与のためのものである、請求項10に記載の使用。
- 前記医薬が、経口又は非経口投与のためのものである、請求項11に記載の使用。
- R1が、-CH3、-CDH2、-CD2H、又は-CD3である、請求項17~22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記化合物又は薬学的に許容されるその塩が、メタンスルホン酸塩である、請求項24に記載の医薬組成物。
- 前記化合物又は薬学的に許容されるその塩が、コハク酸塩である、請求項24に記載の医薬組成物。
- 前記化合物が、遊離塩基である、請求項24に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、経口又は非経口投与のためのものである、請求項17~23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、経口又は非経口投与のためのものである、請求項24に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、経口又は非経口投与のためのものである、請求項25に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、経口又は非経口投与のためのものである、請求項26に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、経口又は非経口投与のためのものである、請求項27に記載の医薬組成物。
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