JP2024520826A - 頭頸部癌の治療のためのegfr阻害剤 - Google Patents

頭頸部癌の治療のためのegfr阻害剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、化合物、(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩での再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌(好ましくは再発性頭頸部扁平上皮癌)の治療に関する。また本発明は、化合物、(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩での頭頚部癌治療であって、頭頚部癌の治療は頭頚部癌に伴う1つ以上の腫瘍のサイズを縮小させることを含む治療に関する。【選択図】図1

Description

本発明は頭頸部癌の治療に関する。
発明の背景
ここ数年、固形腫瘍の治療において大きな進歩があった。しかし、多くの形態のガンは依然として不治の病であり、標準治療に抵抗性がある。頭頸部癌は非常に難治性の癌であり、治療の選択肢は限られている。特に難治性の癌は再発性頭頸部扁平上皮癌である。この癌は、高い死亡率、高度な病的状態(特に会話や嚥下能力の低下)を有し、成功する治療法はない。
頭頚部癌ならびに再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌(特に再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌が再発性頭頸部扁平上皮癌である場合)は、多くの理由から治療が困難である。癌は浸潤性で多病巣性であるため、このことが効果的な切除を妨げることがある。頭頚部癌ならびに再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌(特に再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌が再発性頭頸部扁平上皮癌である場合)は、標準療法にも抵抗性を示すことがある。
(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)は、上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤である。NRC-2694の構造を以下に示す。
Figure 2024520826000002
NRC-2694は、ある種の癌のタイプに有効であることが見出されている(WO2009/090661A1およびWO2011/021212A1)。NRC-2694はまた、胸腺欠損雌マウスに移植された頭頸部癌細胞株の増殖の低~中程度の阻害を引き起こすことが見出されている(Parkinson et al, Antiviral Research 74(2007) 43-50)。
NRC-2694は、NRC-2694二塩酸塩(NRC-2694-Aとして知られている)として投与することができる。
異なるガンに対する特定の治療剤の有効性は予測不可能である。あるガンに対して活性のあるキナーゼ阻害剤は、他のガンタイプに対しては不活性であることが見出されている。頭頸部癌の治療に有効な活性剤、特に腫瘍の退縮を引き起こして腫瘍サイズを縮小させ得る剤を同定する必要性が残っている。腫瘍サイズの縮小は、患者が会話や嚥下しやすくなる可能性が高いので頭頸部癌において特に重要である。また、再発性頭頸部扁平上皮癌の治療に有効な活性剤を同定する必要性も残っている。
NRC-2694は頭頸部癌および頭頸部扁平上皮癌に有効な治療であることが見いだされている。NRC-2694は頭頸部癌に伴う腫瘍サイズを縮小し、患者の予後を改善することができる。これは頭頸部癌の治療における重要な進歩である。NRC-2694はまた、頭頸部扁平上皮癌に伴う腫瘍の成長を阻害および/または腫瘍のサイズを縮小し、患者の予後を改善することができる。これは、死亡率が高く、有効な治療選択肢が少ない癌である頭頸部扁平上皮癌の治療における重要な進歩である。
従って本発明は、患者における再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌(R/M HNSCC)の治療に使用するための化合物を提供し、ここで該化合物は、(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩である。好ましくは、再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌は、再発性頭頸部扁平上皮癌である。
本発明は、したがって、さらに患者の頭頸部癌の治療に使用するための化合物:該化合物は、(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩;ならび頭頸部癌に伴う1つ以上の腫瘍のサイズを縮小させることを含む頭頸部癌治療を提供する。
図1は無増悪生存期間のKaplan-Meier推定値を示す。 図2はステージ-II(単剤療法)まで継続した患者の有効性の結果を示す。
表の簡単な説明
表1は、実施例1で論じた再発性頭頸部扁平上皮癌患者5人の腫瘍評価の要約を提供する。
表2は、実施例2の研究における患者の人口統計を提供する。
表3は、実施例2の研究における無増悪生存期間(PFS)のデータを提供する。
表4は、実施例2の研究における客観的奏効率(ORR)のデータを提供する。
発明の詳細な説明
NRC-2694は、系統名(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミンを有する。NRC-2694は、N-(3-エチニルフェニル)-7-メトキシ-6-[3-(4-モルホリニル)プロポキシ]-4-キナゾリンアミンとも称し得る。NRC-2694およびその塩は、標準的な合成技術によって製造され得る。NRC-2694の合成は、WO2011/021212A1に記載されている。
化合物は、NRC-2694またはその薬学的に許容される塩である。薬学的に許容される塩は、典型的には、薬学的に許容される酸付加塩である。典型的には、化合物は、NRC-2694の塩酸塩である。例えば、化合物は、NRC-2694の一塩酸塩(NRC-2694-B)またはNRC-2694の二塩酸塩(NRC-2694-A)でもよい。好ましくは、化合物はNRC-2694の二塩酸塩(NRC-2694-A)である。
治療される癌は頭頸部癌である。頭頸部癌は、頭頸部の癌腫、頭頸部のリンパ腫、頭頸部の腺癌、または頭頸部の肉腫でもよい。典型的には、癌は頭頸部の癌腫である。
治療される癌は、例えば頭頸部扁平上皮癌でもよい。頭頸部の癌の他の形態としては、頭頸部のリンパ腫、頭頸部の腺癌および頭頸部の肉腫などが挙げられる。
治療される癌は、再発性および/または転移性の癌、特に再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌でもよい。このように、頭頸部扁平上皮癌は、患者における頭頸部扁平上皮癌の以前の段階の治療後に再発および/または転移した頭頸部扁平上皮癌でもよい。好ましくは、治療される癌は再発性癌であり、特に再発性頭頸部扁平上皮癌でもよい。このように、頭頸部扁平上皮癌は、患者における頭頸部扁平上皮癌の以前の段階の治療後に再発した頭頸部扁平上皮癌でもよい。典型的には、再発性腫瘍または病変は、初期の腫瘍または病変を除去、破壊またはサイズ縮小させる治療終了後10年以内に発症している。例えば、患者は、化合物による再発性頭頸部扁平上皮癌の治療を開始する前の10年、5年、または2年の期間内に、既に頭頸部扁平上皮癌に罹患していてもよい。
再発性頭頸部扁平上皮癌は、頭頸部扁平上皮癌に対する以前の治療後に再発した頭頸部扁平上皮癌でもよい。例えば、患者は以前にEGFR阻害剤(例えばエルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、セツキシマブまたはバンデタニブ、好ましくはセツキシマブ)、免疫療法(例えばペムブロリズマブまたはニボルマブ)、腫瘍診断療法(例えばラロトレクチニブ)、または化学療法(例えば5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセルまたはドセタキセル)により頭頸部扁平上皮癌を治療されていてもよい。
例えば、患者は、以前に頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌)に対して、セツキシマブ、ペムブロリズマブまたはニボルマブにより治療されていてもよい。患者は、以前に頭頸部癌または頭頸部扁平上皮癌に対して放射線療法または手術により治療されていてもよい。患者は、以前に化学療法、例えばパクリタキセルとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用により化学療法で治療されていてもよい。
頭頸部癌(例えば再発性頭頸部扁平上皮癌)の患者は、典型的には頭頸部に1つ以上の腫瘍(病変または癌腫)を有する。患者は、喉頭腫瘍、下咽頭腫瘍、鼻腔腫瘍、副鼻腔腫瘍、上咽頭腫瘍、口腔腫瘍、中咽頭腫瘍、および唾液腺腫瘍から選択される1つ以上の腫瘍を有してもよい。患者は、喉頭癌、下咽頭癌、鼻腔癌、副鼻腔癌、上咽頭癌、口腔癌、中咽頭癌、または唾液腺癌を有してもよい。
頭頸部癌は、転移性癌であってもよい。例えば、頭頸部癌は、転移性再発性頭頸部扁平上皮癌であってもよい。頭頸部癌は、リンパ節、肺、脳、肝臓もしくは骨、または人体の他の臓器に転移していてもよい。
頭頸部癌は、いかなるステージであってもよい。頭頸部癌は、ステージI、ステージII、ステージIIIまたはステージIVの癌であってもよい。例えば、頭頸部癌は、ステージIIIまたはステージIVの癌であってもよい。
再発性頭頸部扁平上皮癌は、転移性再発性頭頸部扁平上皮癌であってもよい。再発性頭頸部扁平上皮癌は、リンパ節、肺、脳、肝臓もしくは骨、または人体の他の臓器に転移していてもよい。
再発性頭頸部扁平上皮癌は、いかなるステージであってもよい。再発性頭頸部扁平上皮癌はステージI、ステージII、ステージIIIまたはステージIVの癌であってもよい。例えば、再発性頭頸部扁平上皮癌は、ステージIIIまたはステージIVの癌であってもよい。
頭頸部癌を治療することは、頭頸部癌に伴う1つ以上の腫瘍のサイズを縮小させることを含んでもよい。このように、治療は頭頸部癌の腫瘍退縮を引き起こすかもしれない。頭頸部癌を治療することは、患者の頭頸部に存在する腫瘍または病変の数を減少させることを含んでもよい。頭頸部癌の治療としては、頭頸部癌の症状の緩和、改善または悪化の予防が挙げられ得る。頭頸部癌を治療することは、頭頸部癌の進行を抑制することをさらに含んでもよい。頭頸部癌を治療することは、頭頸部癌の転移を予防することをさらに含んでもよい。頭頸部癌を治療することは、頭頸部癌の転移に伴う腫瘍のサイズを縮小させることを含んでもよい。
再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌の治療としては、再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌の症状の緩和、改善または悪化の予防が挙げられ得る。再発性頭頸部扁平上皮癌の治療としては、再発性頭頸部扁平上皮癌の症状の緩和、改善または悪化の予防が挙げられ得る。典型的には、再発性頭頸部扁平上皮癌を治療することは、再発性頭頸部扁平上皮癌の進行を抑制することを含む。再発性頭頸部扁平上皮癌を治療することは、再発性頭頸部扁平上皮癌に伴う腫瘍の成長を予防または阻害すること、または再発性頭頸部扁平上皮癌に伴う腫瘍のサイズを縮小させることを含んでもよい。再発性頭頸部扁平上皮癌を治療することは、再発性頭頸部扁平上皮癌の転移を予防することを含んでもよい。好ましくは、再発性頭頸部扁平上皮癌を治療することは、再発性頭頸部扁平上皮癌に伴う腫瘍のサイズを縮小させることを含む。このように、治療は、再発性頭頸部扁平上皮癌の腫瘍の退縮を引き起こすかもしれない。再発性頭頸部扁平上皮癌を治療することは、患者の頭頸部に存在する腫瘍または病変の数を減少させることを含んでもよい。再発性頭頸部扁平上皮癌を治療することは、再発性頭頸部扁平上皮癌の転移に伴う腫瘍のサイズを縮小させることを含んでもよい。
治療により、頭頸部癌または頭頸部の再発性および/もしくは転移性扁平上皮癌(好ましくは、頭頸部の再発性および/もしくは転移性扁平上皮癌は、再発性頭頸部扁平上皮癌である)に伴う腫瘍のサイズを縮小させる場合、腫瘍のサイズは、典型的には、ベースラインから少なくとも10%縮小させる。ベースラインは、化合物による治療を最初に開始した日または日前の腫瘍のサイズである。例えば、ベースラインは、治療が最初に開始される前(例えば、治療が最初に開始される前2週間以内)のCT、MRIまたはPETスキャンによって測定された腫瘍のサイズとすることができる。腫瘍のサイズは、典型的には、RECIST基準のversion 1.1に従って測定される(例えば、Eisenhauer et al, European Journal of Cancer 45(2009) 228-247に記載されているとおり)。したがって、腫瘍のサイズは少なくとも10mm減少しうる。
化合物による治療に対する奏効は、RECIST基準のversion 1.1に従って、完全奏効、部分奏効または病勢安定でもよい。好ましくは、奏効は部分奏効または完全奏効である。完全奏効は、全ての標的病変の消失を含んでもよい。部分奏効は、標的病変の直径の合計が少なくとも30%減少することを含んでもよい。
治療は、少なくとも45日間、少なくとも60日間、少なくとも120日間または少なくとも180日間の無増悪生存期間を達成してもよい。
腫瘍サイズの縮小は、ベースラインに対して20%以上、30%以上、または50%以上の縮小であってもよい。腫瘍サイズの縮小は、治療30日後、治療45日後、または治療60日後に観察されてもよい。
化合物は、他の治療が成功しなかった患者の頭頸部癌の治療に有効であり得る。したがって、頭頸部癌は、放射線療法および/または化学療法に抵抗性の頭頸部癌であってもよい。例えば、患者は以前に頭頸部癌の治療のために放射線療法または化学療法を受け、放射線療法または化学療法に対する奏効が無奏効または病勢安定であってもよい。
化合物は、他の治療法が成功しなかった患者の再発性頭頸部扁平上皮癌の治療に有効であることが見いだされている。したがって、再発性頭頸部扁平上皮癌は、放射線療法および/または化学療法に抵抗性の再発性頭頸部扁平上皮癌であってもよい。例えば、患者は以前に再発性頭頸部扁平上皮癌の治療のために放射線療法または化学療法を受け、放射線療法または化学療法に対する奏効が無奏効または病勢安定であってもよい。
頭頸部癌は、エルロチニブおよび/またはゲフィチニブによる治療に抵抗性であってもよい。再発性頭頸部扁平上皮癌は、エルロチニブおよび/またはゲフィチニブによる治療に抵抗性であってもよい。
本治療は、例えば化学療法中の多剤耐性を低減し得る。例えば、本治療はシスプラチン、カルボプラチンまたはパクリタキセルに対する耐性を低減し得る。
患者は、化合物での治療前に、少なくとも1ラインの癌療法を受けていてもよい。患者は、化合物での治療の前に、少なくとも2ラインの癌療法を受けていてもよい。癌療法のラインは、NRC-2694以外のEGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、セツキシマブまたはバンデタニブ、好ましくはセツキシマブ)による治療、免疫療法(例えば、ペムブロリズマブまたはニボルマブ)による治療、腫瘍診断療法(例えばラロトレクチニブ)による治療、化学療法(例えばゲムシタビン、5-フルオロウラシル、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセルまたはドセタキセル)による治療から選択してもよい。
患者は、頭頸部癌の診断を6ヶ月以上、1年以上、2年以上または3年以上の間に受けていてもよい。患者は、再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌の診断を1ヶ月以上、6ヶ月以上、1年以上、2年以上または3年以上の間に受けていてもよい。特に、患者は、再発性頭頸部扁平上皮癌の診断を1ヶ月以上、6ヶ月以上、1年以上、2年以上または3年以上の間に受けていてもよい。
患者は、典型的にはヒトの患者である。患者は男性でも女性でもよい。患者の年齢は、典型的には少なくとも18歳、例えば30から70歳または40から60歳である。
化合物は様々な剤形で投与してもよい。例えば、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性または油性懸濁剤、分散性粉末剤または顆粒剤として化合物を経口投与できる。あるいは、例えば皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、胸骨内投与、経皮投与、点滴投与により化合物を非経口投与してもよい。また、坐薬として化合物を投与してもよい。
化合物は、典型的には経口投与される。化合物は、好ましくは錠剤の形態で投与される。
化合物は、典型的には薬学的に許容される担体または希釈剤とともに投与用に製剤化される。例えば、固形経口形態は、活性化合物とともに、希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、トウモロコシデンプンもしくは馬鈴薯デンプン;潤滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコール;結合剤、例えば、デンプン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドン;分解剤、例えば、デンプン、アルギン酸、アルギン酸塩もしくはデンプングリコール酸ナトリウム;発泡剤;染料;甘味料;レシチン、ポリソルベート、ラウリル硫酸塩などの湿潤剤;および一般的に医薬品の処方に使用される非毒性で薬理学的に不活性な物質を含有してもよい。かかる医薬製剤は、公知の方法、例えば、混合、造粒、打錠、糖衣またはフィルムコーティングプロセスを用いて製造されてもよい。
経口投与のための液体分散物は、シロップ剤、乳剤または懸濁剤であってよい。シロップ剤は、担体として、例えば、サッカロースまたはグリセリンおよび/もしくはマンニトールおよび/もしくはソルビトールを有するサッカロースを含有してもよい。
懸濁剤および乳剤は、担体として、例えば天然ガム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含有してもよい。筋肉内注射用の懸濁剤または溶液は、活性化合物とともに、薬学的に許容される担体、例えば滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール類、例えばプロピレングリコール、および所望により適量の塩酸リドカインを含有してもよい。
注射または点滴のための溶液は、担体として、例えば、滅菌水を含有してもよく、好ましくは、滅菌、水性、等張生理食塩水の形態であってもよい。
化合物は、頭頸部癌あるいは再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌(ここで、好ましくは、再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌は再発性頭頸部扁平上皮癌である)を治療するのに必要な回数だけ患者に投与してもよい。化合物は、週に1回もしくは2回、または1日1回、2回、3回もしくは4回投与してもよい。典型的には、化合物は患者に1日1回または2回投与される。好ましくは、化合物は患者に1日1回投与される。
治療上有効な量の化合物を患者に投与する。典型的な用量は、治療される患者の年齢および体重、再発性頭頸部扁平上皮癌の重症度、投与頻度および投与経路に応じて、1mg/日から1000mg/日である。典型的には、化合物はヒト患者に50mg/日から500mg/日の用量で投与される。好ましくは、化合物は100mg/日から400mg/日の用量で患者に投与される。例えば、一日量は、75mg/日から125mg/日、125mg/日から175mg/日、175mg/日から225mg/日、225mg/日から275mg/日、275mg/日から325mg/日、325mg/日から375mg/日、375mg/日から425mg/日、または425mg/日から475mg/日でもよい。一日量は、約100mg/日、約125mg/日、約150mg/日、約175mg/日、約200mg/日、約225mg/日、約250mg/日、約275mg/日、約300mg/日、約325mg/日、約350mg/日、約375mg/日、約400mg/日、約425mg/日、約450mg/日、約475mg/日または約500mg/日でもよい。化合物は、絶食または摂食条件下でヒト患者に投与してもよい。化合物は、食事の有無にかかわらず、ヒト患者に投与してもよい。
化合物は、200mg/日から400mg/日の用量で患者に投与してもよい。化合物は、250mg/日から350mg/日の用量で患者に投与してもよい。好ましくは、化合物は、275mg/日から325mg/日の用量で患者に投与してもよい。例えば、1日あたり約300mgの化合物を投与してもよい。化合物は、1日あたり1以上の用量を投与してもよい。典型的には、化合物は、1日1回、単回用量として275mgから325mgの量で患者に投与される。化合物は、少なくとも5日間、例えば1ヶ月から6ヶ月間、1日1回投与してもよい。
化合物は単剤療法として投与してもよい。あるいは、化合物は、併用療法の一部として、例えば、放射線療法、免疫療法(例えば、ペムブロリズマブまたはニボルマブ)、腫瘍診断療法(例えば、ラロトレクチニブ)、化学療法(例えば、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセルまたはドセタキセル)またはそれらの組み合わせとともに投与してもよい。化合物は、化学療法との併用療法の一部として、例えば、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセルおよびドセタキセルのうちの1つ以上との併用療法の一部として投与してもよい。化学療法は、シスプラチン、カルボプラチンおよびパクリタキセルのうちの1つ以上の投与を含有してもよい。化合物は、例えば、(a)シスプラチンおよびパクリタキセル、または(b)カルボプラチンおよびパクリタキセルと組み合わせて投与してもよい。
併用療法は、2つの治療を同時または別々に投与することを含んでもよい。例えば、患者は化合物の投与時に化学療法を受けていてもよい。化学療法を、例えば化合物による治療とは別に、例えば2から5週間に1回投与してもよい。
従って、本発明は、化学療法と組み合わせて本明細書で定義される治療に使用するための化合物を提供する。化合物は、(a)シスプラチンおよびパクリタキセルまたは(b)カルボプラチンおよびパクリタキセルと組み合わせて、本明細書で定義される治療において使用するためのものであってもよい。本発明はまた、化合物と組み合わせて本明細書で定義される治療において使用するための化学療法を提供する。また、本明細書で定義される疾患の同時、逐次または別々の治療に使用するための、(i)化合物と、(ii)シスプラチンとパクリタキセルまたはカルボプラチンとパクリタキセルとを含む製品も提供される。化合物が投与されるとき、患者は(a)シスプラチンおよびパクリタキセルまたは(b)カルボプラチンおよびパクリタキセルによる化学療法を受けていてもよい。
シスプラチンまたはカルボプラチンは、全身表面積に対して25mg/mから175mg/m、例えば全身表面積に対して75mg/mから125mg/mの用量で投与してもよい。パクリタキセルは、全身表面積に対して100mg/mから250mg/m、例えば全身表面積に対して150mg/mから200mg/mの用量で投与してもよい。
本発明はまた、化合物を患者に投与することを含む患者の頭頸部癌を治療する方法を提供し、化合物は、(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩であり、頭頸部癌を治療することは、頭頸部癌に伴う1つ以上の腫瘍のサイズを縮小させることを含む。本発明はまた、患者における頭頸部癌の治療剤の製造における化合物の使用を提供し、化合物は、(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)または薬学的に許容されるその塩であり、頭頸部癌を治療することは、頭頸部癌に伴う1つ以上の腫瘍のサイズを縮小させることを含む。癌、患者、化合物および治療は、本発明に記載の使用のための化合物について本明細書で定義したとおりであり得る。
本発明はまた、患者における再発性および/または転移性の頭頸部扁平上皮癌を治療するための方法を提供し、該方法は、患者に化合物を投与することを含み、この化合物は、(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩である。特に、本発明はまた、患者の再発性頭頸部扁平上皮癌を治療する方法を提供し、該方法は患者に化合物を投与することを含み、この化合物は、(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩である。本発明はまた、患者における再発性および/または転移性の頭頸部扁平上皮癌の治療のための医薬の製造における化合物の使用を提供し、化合物は、(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩である。特に、本発明はまた、患者における再発性頭頸部扁平上皮癌の治療のための医薬の製造における化合物の使用を提供し、化合物は、(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩である。癌腫、患者、化合物および治療は、本発明に記載の使用のための化合物に対して本明細書に定義の通りでもよい。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、これは特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1
要約
再発性頭頸部扁平上皮癌患者において、NRC-2694-A(NRC-2694二塩酸塩)の安全性、薬物動態および抗腫瘍活性を評価する第I相臨床試験を実施した。
目的
主要:1日1回経口投与したNRC-2694-Aの最大耐用量(MTD)および用量制限毒性(DLT)を測定する。
副次的:NRC-2694-Aの単回および複数用量の薬物動態および抗腫瘍活性を評価する。
試験集団
標準的な選択肢が存在しない進行固形悪性腫瘍の確定診断を受けた患者。
適格基準
組み入れ基準は以下の通り。
-患者は18歳以上で、予想余命が8週間以上である。
-ECOGパフォーマンススコアが2以下であった。
-十分な骨髄予備能(WBC少なくとも3,000/mm、好中球数2000/mm以上、血小板数1,00,000mm以上およびヘモグロビン値8.0g/dL)、腎機能(血清クレアチニン正常)、肝機能[総ビリルビン値正常上限値(UNL)の2倍以下(UNL)および血清トランスアミナーゼ値UNLの2.5倍以下/肝転移および/または閉塞性黄疸の場合は5倍以下。対象は、HIV、HbsAgおよび妊娠(女性の場合)試験は陰性でなければならない。
-14日以内(ニトロソウレアまたはマイトマイシンCは6週間)に化学療法を受けておらず、3週間以内に放射線療法を受けておらず、投与前2週間以内に手術を受けていない患者。
-治療中および治療後2ヶ月間、避妊を行う意思のある患者。
除外基準は以下の通り。
-活動性の心臓疾患、肝疾患、内分泌疾患、腎疾患または精神疾患など、現在の治療で十分にコントロールできない大病を有する患者。
-脳転移または原発性CNS悪性腫瘍を有する患者。
-癌の併用療法(放射線療法、化学療法など)。
-妊娠中または授乳中の患者
-臨床検査値異常の存在など、対象が本試験に参加した場合に許容できないリスクに置かれ、毒性または薬物代謝の変化の評価が不明瞭になる可能性のある状態
-試験薬の吸収を著しく変化させる可能性のある胃腸機能の障害、および胃のpHを変化させる薬剤の使用;(試験薬投与の4時間前または投与後に軽度の制酸剤を服用する場合は許可される)
試験デザイン
非盲検前向き非無作為化多施設用量漸増試験が実施された。この試験で選択された開始用量は100mg/日で、服用最大用量は500mg/日であった。適格な対象は病院の1ユニットに12日間入院し、その後はその薬に耐性がある患者には外来患者(歩行できる)ベースで治療を行った。
予後評価
安全性:評価は試験薬投与前7日以内に行い、その後12、18、24、30、45、60、75および90日目に行った。しかし、DLTおよびMTDの評価については、最初の30日間の安全性データを考慮した。
薬物動態評価:血漿中NRC-2694の評価は、検証されたLC-MS/MS法を用いて行った。血漿濃度データに基づいて、非コンパートメント薬物動態変数、すなわち曲線下面積(AUC)、血漿ピーク濃度(Cmax)、血漿ピーク濃度までの時間(Tmax)、および排出速度定数、分布容積、半減期およびクリアランスを、単回投与(1日目)および定常状態(12日目)について算出した。投与前、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、12および24時間での血液サンプルをKEDTA入りバキュテイナで採取した。
腫瘍の評価:評価可能な腫瘍のサイズのベースラインからの変化をRECIST基準(version 1.1)に従って評価した。
結果
再発性頭頸部扁平上皮癌患者5人の腫瘍評価の要約を表1に示す。
再発性頭頸部扁平上皮癌患者4人が120日間の治験を完了した。RECIST基準による腫瘍サイズ縮小を伴う部分奏効が1名の患者に認められた(腫瘍退縮)。残りの患者は病勢安定を示した。
薬物動態データは、Day-1濃度およびDay-12濃度ともに100mg/日から500mg/日までの用量依存的な濃度上昇を示した。
結論
NRC-2694-Aの1日1回投与はかなり良い安全性プロファイルを示した。NRC-2694-Aの薬物動態に関して用量比例関係が認められた。NRC-2694-AのMTDは400mg/日であった。NRC-2694-Aは、再発性頭頸部扁平上皮癌患者において、良好な客観的奏効を実証し、腫瘍サイズの縮小または腫瘍サイズの停滞を引き起こした。
実施例2
再発性頭頸部扁平上皮癌患者において、NRC-2694-Aの有効性と安全性を評価する第II相臨床試験を実施した。
背景情報
頭頸部癌は、頭頸部領域の内側(例えば、口、鼻、喉の内部)の湿った粘膜表面を覆う扁平細胞から始まる。口腔癌、咽頭癌または喉頭癌の新規症例は年間約66,470例と推定され、米国における新規癌症例の約3.5%を占める。同時期に頭頸部(H&N)癌による推定15,050人の死亡が生じ得る。扁平上皮癌またはその変異型が、90%を超えるこれらの腫瘍における病理組織学的タイプである。
NRC-2694-Aは、IUPAC名がN-(3-エチニルフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルフォリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン二塩酸塩である有機低分子化合物である。EGFR阻害剤のキナゾリンクラスに属する経口投与のチロシンキナーゼ阻害剤である。増幅されたEGFRシグナル伝達はヒト腫瘍で頻繁に認められ、様々な機序によって引き起こされる。増幅されたEGFRシグナル伝達は発癌において重要な役割を果たしているため、このプロセスを阻害することは、かかる悪性腫瘍の治療のための新しい化学物質を開発する上で合理的なアプローチである。
研究目的
主要目的:主要目的は、再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌(R/M HNSCC)患者において、無増悪生存期間(PFS)の観点から、NRC-2694-Aとプラチナとパクリタキセル併用レジメンをプラチナとパクリタキセルレジメン単独と比較して有効性を評価することである。
副次的目的:副次的目標は、(a)プラチナとパクリタキセルレジメン単独に対するNRC-2694-Aとプラチナとパクリタキセル併用レジメンで治療したR/M HNSCC患者における客観的奏効率を比較すること、ならびに(b)2つのレジメンの安全性および忍容性を比較することであった。
試験方法
本試験は、放射線学的進行(再発および/または転移)を伴う組織学的/細胞学的に確認されたHNSCC患者におけるNRC-2694-Aの非盲検前向き無作為化実薬対照多施設第II相試験であった。
シスプラチン/カルボプラチンとパクリタキセルのレジメンが計画されている年齢18歳から65歳の間で余命3ヶ月以上の再発および/または転移性疾患を有する患者を本試験に適格とした。すべての組み入れ基準および除外基準に適合した患者は、化学療法+NRC-2694-A(試験薬投与群)または化学療法単独(対照群)のいずれかに無作為に割り付けられた。
-Arm-I(試験薬投与群):NRC-2694-A+シスプラチン/カルボプラチンおよびパクリタキセル。
-Arm-II(対照群):シスプラチン/カルボプラチンおよびパクリタキセル
試験期間中、NRC-2694-A、300mgを1日1回朝、240mLの水とともに食事とともにまたは食事なしで投与した。シスプラチンの用量は体表面積に対して100mg/mを1時間かけて点滴静注した。あるいは、カルボプラチンの用量は、5mg/mL/minに相当する目標曲線下面積(AUC)に基づき、1時間かけて点滴した。プラチナ化合物の選択は治験責任医師の裁量によって、前治療で投与されたプラチナのタイプに依存し、反復投与は避けられた。パクリタキセルは体表面積に対して175mg/mの用量を3時間かけて点滴で与えた。
-単剤療法:対照群または試験薬群で6サイクルの化学療法終了後、単剤療法としてNRC-2694-A、300mgを患者に1日1回投与した。
適格基準
組み入れ基準
1.シスプラチン/カルボプラチンとパクリタキセルのレジメンが計画された、余命3ヶ月以上の年齢18歳から65歳の再発性および/または転移性疾患患者。これは緩和設定においても同様である。
2.ECOG(Eastern Co-operative Oncology Group)パフォーマンスステイタスが2以下。
3.組織学的に確認された頭頸部扁平上皮癌。原発部位としては、口腔、中咽頭、鼻咽頭、下咽頭、喉頭および副鼻腔が挙げられる。
4.十分な骨髄予備能(WBC(白血球)少なくとも3,000/mm、好中球数2000/mm以上、血小板数1,00,000/mm以上およびヘモグロビン値8.0g/dL)、腎機能(血清クレアチニン正常)、肝機能[総ビリルビン値正常上限値(UNL)の2倍以下および血清トランスアミナーゼ値UNLの2.5倍以下/肝転移および/または閉塞性黄疸の場合は5倍以下]。
5.30日以内(ニトロソウレアまたはマイトマイシンCは6週間)に化学療法を受けておらず、3週間以内に放射線療法を受けておらず、投与前2週間以内に手術を受けていない患者。
6.改訂RECIST基準(version 1.1)による測定可能病変。
7.一次放射線療法を受けた患者は、局所再発が放射線照射野内にあり、治療終了後少なくとも6ヶ月経過している場合に適格とした。再発が放射線照射野外の場合は、治療終了後少なくとも3ヶ月の患者を適格とした。
8.治療中および治療後2ヶ月間、避妊を行う意思がある。
9.HIV、HBsAg、HCVおよび妊娠(女性の場合)試験で陰性であった患者。
除外基準:
1.活動性の心臓疾患、肝疾患、内分泌疾患、腎疾患または精神疾患など、現在の治療で十分にコントロールできない大病を有する患者。
2.脳転移または原発性CNS(中枢神経系)悪性腫瘍を有する患者。脳転移の放射線学的評価は、患者に症状がある場合にのみ行った。
3.先のEGFR標的療法、先の再発性または転移性疾患に対する治験薬、他の併用治験薬、他の併用抗癌剤治療。
評価基準
有効性評価:
-ベースライン時および治療開始後6週間ごとの期間終了時(次のサイクルの開始前)に、病勢進行までCTまたはMRIにより腫瘍奏効を評価した。
-無増悪生存期間は、無作為化日から、進行日または死亡日のいずれか早い日までの期間とした。
-病勢進行は、RECIST version 1.1基準2によって評価した。
-客観的奏効率は、各群で治療により完全奏効または部分奏効を達成した患者の割合とした。
-完全奏効(CR):全ての標的病変の消失。
-部分奏効(PR):標的病変の直径の合計が少なくとも30%の減少。
安全性評価:
有害事象は試験期間中モニターされた。有害事象の評定はNCI CTCAE Version 5.0(2017年11月27日)により行った。
結果
本試験には合計90人の患者が登録された。このうち45人の患者がArm-I(NRC-2694-A+化学療法)、45人の患者がArm-II(化学療法のみ)であった。Arm-Iの45人の患者のうち、男性40人、女性5人で、年齢中央値は50歳(31~66)であった。Arm-II群45人の患者のうち、男性41人、女性4人で、年齢中央値は51歳(30~64)であった。投与前におけるArm-Iの患者の平均身長および平均体重はそれぞれ164.0cm(±7.36)および51.0kg(±9.32)であった。投与前におけるArm-IIの患者の平均身長および平均体重はそれぞれ167.0cm(±7.69)、53.2kg(±9.7)であった。患者個体群統計学の詳細を表2に列挙する。ECOGパフォーマンスステイタスが2以下で適格基準を満たす患者が登録された。登録された90人の患者のうち、少なくとも2サイクルの化学療法または1回の放射線学的評価を完了した67人の患者が奏効評価のために検討された。これら67人の患者のうち、34人の患者がArm-I、33人の患者がArm-IIであった。
有効性の評価 無増悪生存期間(PFS)
無増悪生存期間(PFS)の中央値は、Arm-Iの患者で4.38ヶ月、Arm-IIで1.38ヶ月であることを見出した(PFSのハザード比:0.436、95% CI:0.264~0.722、p<0.0007)。NRC-2694-Aをパクリタキセルとプラチナの化学療法レジメンに組み入れることは、PFS期間の有意な延長を伴った(表3)。治療群別の無増悪生存期間のKaplan-Meier推定値を図1に示す。
有効性の評価:奏効率(ORR)
化学療法レジメンにNRC-2694-Aを組み入れることで、Arm-Iの患者のORRはArm-IIの患者のORRに比べ有意に増加した。完全奏効はArm-Iで5人の患者に認められたのに対し、Arm-IIでは2人の患者であった。部分奏効はArm-Iでは12人の患者に認められたのに対し、Arm-IIでは5人の患者に認められた。Arm-1で観察されたORRは50%であったのに対し、Arm-IIでは21%であり、p値は0.016であった(表4)。
有効性評価:化学療法単独群からNRC-2694-Aと化学療法群へ移行した患者
本試験のプロトコールでは、Arm-II(化学療法単独群)で2サイクルの化学療法後に病勢進行した患者に対して、化学療法に加えてNRC-2694-Aを投与することが認められた。Arm-IIで2サイクル後に進行した7人の患者は、その後NRC-2694-Aと化学療法を受けた。これらの患者のうち、2人の患者は完全奏効を達成し、他の2人は病勢が安定し、1人の患者は病勢が進行した。このことは、化学療法が奏効せず病勢が進行した患者が、NRC-2694-Aの組み込み後完全奏効を実証したことを示している。
有効性評価:ステージ-II(単剤療法)へ継続した患者
また、ステージ-I治療を終了した11人の患者[Arm-I(9人の患者)、Arm-II(2人の患者)]がステージ-II(単剤療法)に継続した。Arm-Iの9人の患者のうち、単剤療法開始時では、完全奏効が2例、部分奏効が4例、病勢安定が2例、病勢進行が1人の患者であった。
ステージ-IIの間、2人の患者で完全奏効が維持された。ステージ-Iで部分奏効を示した4人の患者のうち、1人の患者は部分奏効を継続したが、2例は病勢安定、1例は病勢進行であった。ステージ-Iで病勢安定の2人の患者は病勢安定を継続していた。しかし、ステージ-Iで病勢進行であった1人の患者は、病勢進行を継続していた。
注目すべきは、先に部分奏効と病勢安定を示したArm-IIの2人の患者がステージ-IIで完全奏効を達成したことである。これは、NRC-2694-Aが化学療法との併用だけでなく、単剤療法でも治療的恩恵があることを示している。
ステージ-IIに移行した患者の結果を図2にまとめた。
論考と結論
再発性頭頸部扁平細胞癌腫の無作為化第II相試験では、パクリタキセルとシスプラチン/カルボプラチンの化学療法にNRC-2694-Aを追加することで、無増悪生存期間の有意な延長が示された。癌治療におけるシスプラチン耐性は、ネオアジュバントシスプラチン治療を受けた予後不良の患者において、EGFRチロシンキナーゼ受容体の過剰発現と抗アポトーシス蛋白の発現上昇による細胞死の抑制によって決定される。化学療法中の多剤耐性(MDR)現象は、化学療法剤の臨床的有効性が限定的である理由の一つである。重要なことは、上皮成長因子受容体(EGFR)またはその関連経路のいずれかの過剰発現が90%を超える頭頸部癌に起こる。EGFR蛋白発現の増加またはEGFR遺伝子コピー数の増幅は、予後不良、放射線抵抗性、局所治療失敗および遠隔転移率の増加を伴う。EGFRの過剰発現の理由の一つは、頭頸部癌の標準的治療法である放射線療法に起因し、かかる過剰発現はさらに疾患の再発をもたらし得る。
R/M HNSCCにおけるペムブロリズマブの第III相臨床試験KEYNOTE-048では、CPS>20の集団において、ペムブロリズマブとプラチナベースの化学療法の併用でORRが36%であったのに比べ、ペムブロリズマブ単独では26%であることを実証した(Burtness et al, The Lancet, 2019; 394(10212): 1915-1928)。また、標的療法を行わないプラチナベースの化学療法単独では、奏効はわずか19.5%を示した。同じ試験において、セツキシマブはプラチナベースの化学療法と併用した場合、35.6%のORRを示した(Vermorken et al, New England Journal of Medicine, 2008; 359(11): 1116-27)。
対照的に、NRC-2694-AはPFSおよびORRの点でより優れた有効性を実証した。化学療法にNRC-2694-Aを追加することは、無増悪生存期間の中央値が3ヶ月統計的に有意に延長することを伴った。本試験ではPFSにおいて統計学的に有意な改善を実証した。また、NRC-2694-Aはプラチナベースの化学療法と併用することで、化学療法単独と比べてORRを有意に延長し、安全性プロファイルも良好であった。化学療法終了後にNRC-2694-Aを単剤療法として投与された患者も客観的奏効を実証した。これらの患者は治療しなければ疾患が進行するだろうから、この所見は重要である。従って、化学療法後にNRC-2694-Aを継続することにより、他の治療の選択肢がない患者でも疾患をコントロールし続けるだろう。
NRC-2694-Aで観察された奏効率は、承認されているモノクローナル抗体、すなわちセツキシマブやペムブロリズマブよりも良好であることが観察される。重要なことは、R/M HNSCCに対して現在承認されている治療選択肢はすべて注射剤であり、病院機構での管理下での薬剤投与が必要であるということである。さらに、現在までにR/M HNSCCに対して承認された経口活性治療の選択肢はない。NRC-2694-Aは、R/M HNSCCの治療のための経口活性チロシンキナーゼ阻害剤である。
結論として、NRC-2694-Aはプラチナベースの化学療法との併用で無増悪生存期間と客観的奏効を改善するだけでなく、単剤療法として投与した場合にも再発性頭頸部扁平上皮癌患者に利益をもたらした。NRC-2694-Aは、再発性および/または転移性頭頸部癌における重要な治療選択肢となり得ることは明らかである。

Claims (32)

  1. 患者の再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌の治療に使用するための化合物であって、化合物が(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩である、化合物。
  2. 再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌が再発性頭頸部扁平上皮癌である、請求項1に記載の使用のための化合物。
  3. 再発性頭頸部扁平上皮癌が転移性再発性頭頸部扁平上皮癌である、請求項2に記載の使用のための化合物。
  4. 再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌の治療が、再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌に伴う腫瘍のサイズを縮小させることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  5. 腫瘍のサイズがベースラインから少なくとも10%縮小し、
    任意で、腫瘍のサイズがRECIST基準のversion 1.1にしたがって測定される、
    請求項4に記載の使用のための化合物。
  6. 再発性および/または転移性頭頸部扁平上皮癌が、放射線療法および/または化学療法に抵抗性である、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  7. 患者の頭頚部癌の治療に使用するための化合物であって、
    化合物が(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩であり;および
    頭頚部癌の治療が、頭頚部癌に伴う1つ以上の腫瘍のサイズを縮小させることを含む、化合物。
  8. 頭頚部癌が再発性頭頚部癌である、請求項7に記載の使用のための化合物。
  9. 頭頚部癌が転移性である、請求項7または8に記載の使用のための化合物。
  10. 頭頚部癌が頭頸部扁平上皮癌である、請求項7~9のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  11. 腫瘍のサイズがベースラインから少なくとも10%縮小し、
    任意で、腫瘍のサイズがRECIST基準のversion 1.1にしたがって測定される、
    請求項7~10のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  12. 頭頚部癌が放射線療法および/または化学療法に抵抗性である、請求項7~11のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  13. 患者が化合物での治療前に少なくとも1ラインの癌療法を受けている、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  14. 患者が化合物での治療前に少なくとも2ラインの癌療法を受けている、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  15. 患者がヒトの患者である、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  16. 患者が男性または女性である、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  17. 患者が男性である、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  18. 患者の年齢が18から90歳までである、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  19. 患者の年齢が30から70歳までである、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  20. 化合物がNRC-2694二塩酸塩(NRC-2694-A)またはNRC-2694一塩酸塩(NRC-2694-B)である、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  21. 化合物がNRC-2694二塩酸塩(NRC-2694-A)である、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  22. 化合物を患者に経口投与する、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  23. 化合物を患者に錠剤またはカプセル剤の形態で投与する、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  24. 化合物を患者に1日1回または2回投与する、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  25. 化合物を患者に1日1回投与する、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  26. 化合物を患者に50mg/日から500mg/日までの用量で投与する、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  27. 化合物を患者に100mg/日から400mg/日までの用量で投与する、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  28. 化合物が、(a)シスプラチンおよびパクリタキセルまたは(b)カルボプラチンおよびパクリタキセルを用いた組み合わせでの使用のための、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  29. 化合物を患者に投与することを含む、患者の再発性頭頸部扁平上皮癌の治療方法であって、化合物が(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩である方法。
  30. 再発性頭頸部扁平上皮癌患者の治療剤の製造における化合物の使用であって、化合物が(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩である、使用。
  31. 化合物を患者に投与することを含む、患者の頭頚部癌の治療方法であって、化合物が(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩であり、
    頭頚部癌の治療が頭頚部癌に伴う1つ以上の腫瘍のサイズを縮小させることを含む、方法。
  32. 頭頚部癌患者の治療剤の製造における化合物の使用であって、化合物が(3-エチニル-フェニル)-[7-メトキシ-6-(3-モルホリン-4-イル-プロポキシ)-キナゾリン-4-イル]-アミン(NRC-2694)またはその薬学的に許容される塩であり、
    頭頚部癌の治療が頭頚部癌に伴う1つ以上の腫瘍のサイズを縮小させることを含む、使用。

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