JP2024520020A - 肝疾患の治療における使用のためのペマフィブラートおよび/またはトホグリフロジン - Google Patents

肝疾患の治療における使用のためのペマフィブラートおよび/またはトホグリフロジン Download PDF

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Abstract

肝疾患のヒト患者、特に肝硬変または肝線維化を患うNASH患者、小葉炎症を有するNASH患者、LDL-Cが上昇したNASH患者、および健康なトリグリセリドレベルのNASH患者の治療における使用のための、ペマフィブラート、トホグリフロジン、またはそれらの組合せ。

Description

肝疾患のヒト患者、特に肝硬変または肝線維化を患うNAFLDまたはNASH患者、ALTレベルが上昇したNAFLDまたはNASH患者、LDL-Cが上昇したNAFLDまたはNASH患者、および健康なトリグリセリドレベルのNAFLDまたはNASH患者を治療するための、ペマフィブラート、トホグリフロジン、およびそれらの組合せを使用する方法。
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、肝臓に過剰な脂肪が増大する病状である。NAFLDは、肝細胞損傷が認められない非アルコール性脂肪肝(「NAFL」)と、脂肪化、炎症、およびバルーニング(肝細胞風船様変性)により特徴付けられる非アルコール性脂肪性肝炎(「NASH」)とを含む。NAFLDの多くは、肥満、真性糖尿病、脂質異常症、または高血圧の結果として発症する。肥満人口の増加のため、NAFLDおよびNASHの患者数は世界的に増加しており、有病率はそれぞれ20~30%および2~6%であると推定される。
ペマフィブラートは、日本で高脂血症の治療に承認されている選択的PPARαモジュレーターである。ペマフィブラートは、化学的に(R)-2-[3-[[N-(ベンゾオキサゾール-2-イル)-N-3-(4-メトキシフェノキシ)プロピル]アミノメチル]フェノキシ]酪酸と記され、以下の化学構造:
を有する。
ペマフィブラートは、肝臓の脂質および糖の代謝に主に関する遺伝子群の発現を制御する。また、β-酸化および脂質輸送に関する遺伝子発現を上昇させ、ミトコンドリア脱共役タンパク質(「UCP」)3遺伝子発現の誘導によりエネルギー代謝を促進する。低密度リポタンパク質(「LDL」)受容体ノックアウトマウスおよびMCD(メチオニン・コリン欠乏)食を与えたKK-Aマウスでの非臨床研究は、ペマフィブラートが肝細胞のバルーニングおよび脂肪の蓄積を抑制し、クッパー細胞の数を減少させることを示した。Shibataらへの米国特許出願公開第2016/0136138号明細書を参照されたい。
無水トホグリフロジンは、化学的に6-((4-エチルフェニル)メチル)-3’,4’,5’,6’-テトラヒドロ-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ(イソベンゾフラン-1(3H),2’-(2H)ピラン)-3’,4’,5’-トリオールと記され、以下の化学構造:
を有する。米国一般名(「USAN」)のトホグリフロジンは、薬物として使用される形態である一水和物に適用される。国際一般名(「INN」)のトホグリフロジンは、無水化合物に適用され、薬物形態はトホグリフロジン水和物と呼ばれる。本明細書では、トホグリフロジンは、化学化合物6-((4-エチルフェニル)メチル)-3’,4’,5’,6’-テトラヒドロ-6’-(ヒドロキシメチル)スピロ(イソベンゾフラン-1(3H),2’-(2H)ピラン)-3’,4’,5’-トリオールを指し、したがってその化合物の水和形態、溶媒和形態、結晶形態、および非晶質形態のすべてを含む。
トホグリフロジンは、以前に、Hoffman La-Roche Inc.および中外製薬株式会社により2型真性糖尿病(T2DM)の治療用に開発された。トホグリフロジンは、尿細管に局在し腎ろ液からのグルコースの再吸収を担うSGLT2の、強力かつ選択的な阻害剤である。NASHのHHCマウスモデルでの非臨床研究は、ペマフィブラートおよびトホグリフロジンの組合せが動物肝細胞における脂肪滴の大きさを減少させ、肝細胞バルーニングの改善をもたらすことを示している。Sasakiらへの米国特許出願公開第2020/0022960号明細書を参照されたい。
NASHおよび一部のNAFLD患者を特徴付ける脂肪化、炎症、およびバルーニングに加えて、NASHおよび一部のNAFLD患者における肝硬変および肝線維化を治療および/または予防する必要性が残っている。NAFLDおよびNASH患者における脂質異常および肝臓酵素異常を治療し、そのような治療から、特に脂質プロファイルの観点で最も利益を得るであろう患者を特徴付ける必要性がさらに残っている。
本発明者らは、ペマフィブラート、トホグリフロジン、およびそれらの組合せが、NASHおよび一部のNAFLD患者における肝硬変および肝線維化を治療および/または予防できることを思いがけなく発見した。したがって、第1の主たる実施形態では、本発明は、非肝硬変性非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有し、NASH CRN線維化スコアが1以上および4未満である患者における肝硬変または肝線維化を治療する方法であって、治療有効量の(a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、(b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または(c)それらの組合せを患者に投与することを含む方法を提供する。
本発明者らは、ペマフィブラート、トホグリフロジン、およびそれらの組合せが、NASHおよびNAFLD患者のNASH組織像、特に小葉炎症を治療できることをさらに発見した。したがって、第2の主たる実施形態では、本発明は、非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有する患者における小葉炎症を治療する方法であって、治療有効量の(a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、(b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または(c)それらの組合せを患者に投与することを含む方法を提供する。特に好ましい実施形態では、本方法は、1以上および4未満のNASH CRN線維化スコアを有する患者において線維化を悪化させることなく行われる。
本発明者らは、本明細書に記載の治療法が、特に線維化でアラニンアミノトランスフェラーゼ(「ALT」)レベルが高い患者において、肝臓酵素活性の予期せぬ改善をもたらすことをさらに発見した。したがって、第3の主たる実施形態では、本発明は、非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有し、NASH CRN線維化スコアが1以上および4未満であり、ALTスコアがULNの2倍以上である患者における、ALT活性により測定される肝機能を改善する方法であって、治療有効量の(a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、(b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または(c)それらの組合せを患者に投与することを含む方法を提供する。
本発明者らは、本明細書に記載の治療法が、特に線維化でLDL-Cレベルが高い患者において、LDL-Cの予期せぬ改善をもたらすことも発見した。したがって、第4の主たる実施形態では、本発明は、非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有し、NASH CRN線維化スコアが1以上および4未満であり、LDL-C濃度が100mg/dL以上である患者においてLDL-Cを低下させる方法であって、治療有効量の(a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、(b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または(c)それらの組合せを患者に投与することを含む方法を提供する。
驚くべきことに、ペマフィブラートに頼る方法も含めて、いずれの前述の方法も、正常トリグリセリドレベルの患者で実施することができる。
本発明の追加の利点は、以下の説明で部分的に明記され、部分的に説明から明らかとなり、または本発明の実施により知ることができる。本発明の利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘される要素および組合せを用いて実現され、達成される。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求される本発明を制限するものではないことを理解されたい。
定義および用語の使用
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形のa、an、およびtheは、文脈が明確に別であることを示さない限り、複数形の言及を含む。例えば、「仕様(a specification)」という用語は、現在開示されている方法およびシステムにおいて使用するための1つまたは複数の仕様を指す。「成分(an ingredient)」は、2つ以上のそのような成分の混合物などを含む。「または」という語、または類似の用語は、本明細書では、特定のリストの任意の1つのメンバーを意味し、そのリストのメンバーの任意の組合せも含む。
この明細書および続く特許請求の範囲で使用される場合、「含む(comprise)」という語およびその語の変形、例えば「含むこと(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むがそれらに限定されないこと」を意味し、例えば、他の添加剤、成分、整数、またはステップを除外することは意図されない。ある要素が1つまたは複数の成分、ステップ、または条件を含むと記載されるとき、要素はまた、成分、ステップ、もしくは条件、または複数の成分、ステップ、もしくは条件「からなる」、または「から本質的になる」と記載されうることが理解されるであろう。
「治療有効量」は、代謝プロセスを支持するもしくはそれに影響を与えるため、または疾患を治療するもしくは予防するためにヒトに投与されたときに、疾患のそのような治療もしくは予防を引き起こす、または代謝プロセスを支持するもしくはそれに影響を与えるのに十分な量を意味する。
「薬物療法」、「薬物投与」および類似の用語が本明細書で使用されるとき、療法が、任意の許容される剤形を使用して、任意の適切な投与経路を通して達成されうること、および薬物が遊離塩基もしくは酸、塩、またはエステルもしくは他のプロドラッグ部分として投与されうることが理解されるであろう。
単一の評価項目または治療目的の達成のために併用薬物療法が本明細書で言及されるとき、組合せ中の個々の活性成分のそれぞれが、述べられた評価項目または治療目的の達成に寄与することが理解されるであろう。さらに、好ましい実施形態では、活性成分のそれぞれが、適切な検出力のある(powered)患者集団において統計的に有意な臨床的利益に寄与することが理解されるであろう。複数の評価項目または治療目的が達成されるべき場合、個々の活性成分の両方が、少なくとも1つの評価項目または治療目的、好ましくはすべての評価項目または治療目的の達成に寄与する、好ましくは適切な検出力のある患者集団において統計的に有意な臨床利益に寄与し、合同で寄与しない任意の評価項目または治療目的は、少なくとも1つの活性成分により、好ましくは統計的に有意な臨床利益に達成されることが理解されるであろう。
本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、医薬品業界で許容され、この業界の製品に固有のばらつき、例えば、製造のばらつきおよび時間によって引き起こされる製品の分解に起因する製品強度の違い、ならびに水和の水および異なる塩に起因する違いを補償する。この用語は、医薬品の製造および品質管理に関する基準の実施におけるあらゆるばらつきを許容し、評価される製品がヒトにおいて特許請求される製品の述べられた強度と治療的に同等であるまたは生物学的に同等であると考えることを許容する。一実施形態では、この用語は、述べられた仕様または規格の5%以内のあらゆるばらつきを許容する。一実施形態では、この用語は、述べられた仕様または規格の10%以内のあらゆるばらつきを許容する。
本発明の要素を記載するために数が使用されるときはいつでも、その数は「約」という用語により修飾された数で修正し置き換えることができることが理解されるであろう。
公表された試験方法論および診断機器が本明細書で言及されるとき、本明細書において特に反対の記載がない限り、試験方法論または診断機器は、2021年5月1日に有効なバージョンに基づいて実施されることが理解されるであろう。
本明細書で範囲の代替的な上限および下限を規定することにより範囲が表現されるとき、評価項目が数学的に実行可能な任意の方法で組み合わせることができることが理解されるであろう。したがって、例えば、50または80~100または70の範囲は、代替的に50~100、50~70、および80~100の一連の範囲として表現することができる。一連の上限および下限が「および」または「または」というフレーズを使用して関連付けられるとき、上限は下限により制限されないか、または下限と組み合わせることができ、逆もまた同様であることが理解されるであろう。したがって、例えば、40%超および/または80%未満の範囲は、40%超、80%未満、および40%超80%未満の範囲を含む。「間」という用語により特定されない限り、範囲の境界(範囲の下端および上端)は請求範囲に含まれる。
プロセスまたは事物の要素が1つまたは複数の例、成分、性質、または特性の参照により定義されるとき、これらの成分、性質、または特性のいずれも、またはいずれの組合せも、問題となっている事柄を定義するために使用することもできることが理解されるであろう。これは、例えば、特許請求の範囲中に要素の特定の例が述べられているとき(マーカッシュ群においてなど)、または要素が複数の特性により定義されるときに起こり得る。したがって、例えば、特許請求されるシステムが、要素A1、A2およびA3により定義される要素Aを、要素B1、B2およびB3により定義される要素Bと組み合わせて含む場合、本発明は、要素Bなしで要素Aにより定義されるシステム、要素Aが要素A1およびA2により定義され、要素B2およびB3により定義される要素Bと組み合わされるシステム、およびすべての他の可能な並び替えを対象とすることも理解されるであろう。
本発明の文脈において、本明細書で述べられる任意の病態に関連する限りにおいて、「治療」という用語は、症状もしくは病状の発生を減少させること、またはそのような病状に関連する少なくとも1つの症状を緩和もしくは軽減すること、またはそのような病状の進行を遅くするもしくは逆転させること、またはそのような病状の基礎となる代謝プロセスを管理するもしくはそれに影響を与えることを意味する。本発明の意味の中で、この用語はまた、阻止、または「予防」、すなわち発症を遅らせる(すなわち、疾患の臨床症状発現前の期間を延ばす)こと、および/または疾患を発症するもしくは悪化させるリスクを低下させることを意味する。病状を有するヒトが肯定的に述べられるとき、その用語は、病状に関連する少なくとも1つの症状の緩和または軽減を必要とすると理解されるであろう。
バイオマーカー試験アッセイ--本明細書で特に指示しない限り、本明細書で言及されるすべてのバイオマーカー試験アッセイは、2001~2002年周期の全国健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey)で採用された標準手順に従って実施される。
主たる実施形態の考察
第1の主たる実施形態では、本発明は、非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有し、NASH CRN線維化スコアが1以上および4未満である患者における肝硬変または肝線維化を治療する方法であって、治療有効量の(a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、(b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または(c)それらの組合せを患者に投与することを含む方法を提供する。
第2の主たる実施形態では、本発明は、非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有する患者における小葉炎症を治療する方法であって、治療有効量の(a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、(b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または(c)それらの組合せを患者に投与することを含む方法を提供する。特に好ましい実施形態では、本方法は、1以上および4未満のNASH CRN線維化スコアを有する患者において線維化を悪化させることなく行われる。
第3の主たる実施形態では、本発明は、非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有し、NASH CRN線維化スコアが1以上および4未満であり、ALTスコアがULNの2倍以上である患者における、ALT活性により測定される肝機能を改善する方法であって、治療有効量の(a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、(b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または(c)それらの組合せを患者に投与することを含む方法を提供する。
第4の主たる実施形態では、本発明は、非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有し、NASH CRN線維化スコアが1以上および4未満であり、LDL-C濃度が100mg/dL以上である患者においてLDL-Cを低下させる方法であって、治療有効量の(a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、(b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または(c)それらの組合せを患者に投与することを含む方法を提供する。
下位実施形態の考察
本発明は、任意の主たる実施形態を変更できる様々な下位実施形態を参照してさらに理解されうる。これらの下位実施形態は、数学的にも物理的にも可能な任意の方法で組み合わせて追加の下位実施形態を作ることができ、今度はそれが任意の主たる実施形態を変更できることが理解されるであろう。
主たる実施形態で述べたように、本方法は、ペマフィブラート単独、トホグリフロジン単独、またはペマフィブラートとトホグリフロジンの組合せのいずれかを使用して実施することができる。したがって、一下位実施形態では、本方法は、治療有効量のペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することにより実施される。別の下位実施形態では、本方法は、治療有効量のトホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与することにより実施される。さらに別の下位実施形態では、本方法は、治療有効量のその組合せを患者に投与することにより実施される。
経口投与するときのペマフィブラートの好ましい治療有効量は、単独でも組合せでも、0.1~0.8mg/日、または0.2~0.4mg/日であり、1回、2回または3回に分けて投与する。特に好ましい用量は、0.4mg/日である。経口投与するときのトホグリフロジンの好ましい治療有効量は、単独でも組合せでも、5~60mg/日、または10~40mg/日である。特に好ましい用量は、トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩20mg/日である。好ましい投与計画は、単一の剤形、好ましくは錠剤の1日1回投与である。したがって、特に好ましい下位実施形態では、本発明は、約0.4mgのペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩および約20mgのトホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口投与される単位剤形を提供する。
本発明の方法により治療可能な患者は、いくつかの診断基準により特徴付けることができる。したがって、一下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、290dB/m以上の振動制御一過性エラストグラフィー(vibration-controlled transient elastography)CAPスコアを有する。別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、7キロパスカル(kPa)以上および19kPa未満のLSMを有する。別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、20U/L、30U/L、40U/L、または50U/L以上のAST濃度を有する。さらに別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、(a)290dB/m以上の振動制御一過性エラストグラフィーCAPスコア、(b)7キロパスカル(kPa)以上および19kPa未満のLSM、および(c)20U/L以上のAST濃度を有する。
患者は、組織学的にも特徴付けることができる。したがって、一下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、4以上、5以上、6以上、7以上、または8のNAFLD活性スコア(「NAS」)を有する。
別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、1以上、2以上、または3のNASH CRN脂肪化スコアを有する。別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、1以上、2以上、または3のNASH CRN小葉炎症スコアを有する。別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、1以上または2のNASH CRNバルーニングスコアを有する。さらに別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、(a)4以上のNAS、(b)1以上のNASH CRN脂肪化スコア、(c)1以上のNASH CRN小葉炎症スコア、および(d)1以上のNASH CRNバルーニングスコアを有する。
酵素肝臓活性に加えて、患者は組織学的にも特徴付けることができる。したがって、また別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、(a)4以上のNAS、(b)1以上のNASH CRN脂肪化スコア、(c)1以上のNASH CRN小葉炎症スコア、(d)1以上のNASH CRNバルーニングスコア、および(e)ULNの1倍、2倍、または3倍以上のALT濃度を有する。
他の下位実施形態では、患者は、肝臓画像化および/または肝臓酵素活性により特徴付けることができる。したがって、別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、MRI-PDFFで10%、12.5%、15%、または17.5%以上の肝脂肪画分を有する。別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、MREで2.5kPa、2.75kPa、または3kPa以上の肝硬度を有する。別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、ULNの1倍、2倍、または3倍以上のALT濃度を有する。さらに別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、(a)MRI-PDFFで10%以上の肝脂肪画分、(b)MREで2.5kPa以上の肝硬度、および(c)ULNを超えるALTレベルを有する。
本発明の方法により治療可能な患者を特徴付けるためにさらに追加的な基準を使用することができる。したがって、一下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、110または120mg/dLを超えるLDL-C濃度を有する。
別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、22、28、または32kg/mを超えるBMIを有する。
別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、100mg/dL以上の空腹時血漿グルコース濃度を有する。
別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、200、175、または150mg/dL未満の空腹時TGレベルを有する。
さらに別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、1、2、3の、1以上および4未満の、または2以上および4未満のNASH CRN線維化スコアを有する。
また別の下位実施形態では、本方法を開始する時点で、患者は、ULNの5倍以下のALT濃度を有する。
本発明の方法による治療の成功を決定するために、いくつかの異なる尺度を使用することができる。したがって、一下位実施形態では、本方法は、(a)患者のNASの2ポイント以上の組織学的改善、および(b)患者のNASH CRN線維化スコアの悪化がないことを含む。
別の下位実施形態では、本方法は、(a)(i)脂肪性肝疾患がないこと、または(ii)脂肪性肝炎を伴わない孤立性または単純性脂肪化、および炎症では0~1、バルーニングでは0、脂肪化では任意の値のNASとして定義される脂肪性肝炎の組織学的消散、および(b)NASH CRN線維化スコアの悪化がないことを含む。
別の下位実施形態では、本方法は、(a)患者のNASH CRN炎症スコアの1以上の改善、(b)患者のNASH CRNバルーニングスコアの1以上の改善、および(c)患者のNASH CRN脂肪化スコアの1以上の改善を含む。
別の下位実施形態では、本方法は、(a)患者のNASH CRN線維化スコアの1以上の改善、(b)患者のNASH CRNバルーニングスコアの悪化がないこと、(c)患者のNASH CRN炎症スコアの悪化がないこと、および(d)患者のNASH CRN脂肪化スコアの悪化がないことを含む。
さらに別の下位実施形態では、本方法は、(a)MRI-PDFFにより測定される肝臓脂肪含有量の30%以上の減少、および/または40U/L以下へのALTの30%以上の減少を含む。
以下の実施例では、数値(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するように努力しているが、多少の誤差および逸脱は考慮すべきである。以下の実施例は、本明細書で特許請求される方法がどのように作られ評価されるかの完全な開示および説明を当業者に提供するために提示され、本発明の純粋に例示的なものであることが意図され、本発明者らがそれらの発明としてみなすものの範囲を限定することは意図されない。
[実施例1]
NAFLDを有する患者における肝硬度ならびに肝臓および脂質代謝の血清マーカーの改善。
これは、NAFLDを有する成人におけるプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間試験であった。対象に、ペマフィブラート錠剤(0.4mg/日、BID)またはプラセボ錠剤を、2~8週間のスクリーニング期間後、72週間投与した。主要評価項目は、24週目での、MRI-PDFFにより測定した肝臓脂肪含有量のベースラインからの変化率であった。重要な副次評価項目は、それぞれベースラインから72週目および24週目までの肝硬度およびALTレベルの変化率であった。本研究は、関連するガイドライン、GCPガイダンス、およびヘルシンキ宣言を遵守して行われた。
MRI-PDFFで10%以上の肝脂肪画分、2.5kPa以上の肝硬度(磁気共鳴エラストグラフィー(magnetic resonance elastography)、MREを使用して測定)、ALT上昇(男性の場合40U/L超、女性の場合30U/L超)の患者が登録された。肥満度指数(BMI)22kg/m未満、コントロール不良の糖尿病(HbA1c8%以上)、腎機能障害(推定糸球体ろ過率、eGFR、30mL・min-1・1.73-1・m-2未満または透析中)、硬変症、胆道閉塞症、またはNAFLD以外の慢性肝疾患の場合、患者は除外された。
対象は、それらに割り当てられた薬剤(ペマフィブラート0.2mg錠剤またはプラセボ)を、1錠、1日2回、72週間経口摂取した。試験来院は、治療の開始から24週目までは4週ごと、24週目以降は8週ごとに設定された。肝臓脂肪含有量および肝硬度は、無作為化前に行われたスクリーニング検査と、その後0週目、24週目、48週目、および72週目に測定した。
すべての画像化評価手順は、盲検法で実施された。すべての施設で使用された装置は、3.0T MR Imaging System(GE Healthcare、Little Chalfont、UK)に標準化された。アプリケーションとして、MRI-PDFFにはIDEAL-IQを、およびMREにはMR-touchを使用した。詳細な画像化条件は、「Imaging Procedure Manual」に記載されており、画像化手順はすべての試験を通じて標準化された。画像化は、空腹時(食後4時間以上)で実施し、試験のタイミング(朝食前/朝食後~昼食前/昼食後)は、研究を通じて患者ごとに統一された。
主要有効性評価項目は、MRI-PDFFを使用して測定される肝脂肪含有量の変化率であった。MREを使用して測定される肝硬度は、副次評価項目であり、ベースライン値からの変化率を同様に評価した。他の有効性評価項目は、肝機能、線維化および炎症マーカー、ならびに脂質マーカーを含んだ。
研究集団の選択されたベースライン特性を表1に示す。選択された結果を表2に報告する。
肝線維化の改善に相当する、MREにより測定したときの肝硬度の有意な改善は、この研究からの重要な驚くべき発見であった。特にS. Ishibashi et al. / Atherosclerosis 249 (2016) 36-43により報告された結果と比較したときの、本研究からの他の驚くべき発見は、
・ALTにより測定される肝機能の有意な改善(Ishibashi氏はペマフィブラートの投与によるALT濃度のはるかに穏やかな低下を報告している)、
・総コレステロールおよびLDLコレステロールの有意な減少(Ishibashi氏はペマフィブラートの投与による総コレステロールの穏やかな減少とLDLコレステロールの増加を報告している)、および
・Ishibashi 2016により報告されたHDLコレステロールおよび粒径データを特に考慮して、HDLコレステロールの有意な減少
を含む。HDLコレステロールの減少にもかかわらず、肝硬度、肝機能、およびコレステロールの変性が改善されたことは、この研究以前には予測できなかったことである。
[実施例2]
NASHおよび肝線維化の患者における、ペマフィブラート、トホグリフロジン、およびペマフィブラートとトホグリフロジンの組合せを評価する、多施設プラセボ対照無作為化二重盲検48週間研究
これは、肝線維化を有する非肝硬変性NASH患者における、ペマフィブラート単剤療法(0.4mg/日)、トホグリフロジン単剤療法(20mg/日)、およびK-001(ペマフィブラート0.4mg/日とトホグリフロジン20mg/日の併用療法)の有効性および安全性をプラセボと比較して評価する二重盲検無作為化48週間研究である。
肝線維化を有する非肝硬変性NASHの可能性のある患者は、初めに290dB/m以上のFibroScan振動制御一過性エラストグラフィー制御減衰パラメータースコア、7キロパスカル(kPa)以上および19kPa未満のFibroScan肝硬度測定、および20U/L以上のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)を使用して同定される。NASHの可能性のある患者は、適格性のために確認肝生検を受け、これは組織学的評価の基本的な評価としても使用される。重要な組み入れ基準は、(i)NASの各構成要素(脂肪化、小葉炎症、およびバルーニング)が少なくとも1のスコアでありNASが4以上であること、(ii)NASH CRN線維化病期分類システムにおいて線維化ステージが1以上および4未満であること、および(iii)空腹時血漿グルコースが100mg/dL以上であることである。
この研究の主要目的は、肝線維化を有する非肝硬変性NASH患者において有効性を評価することである。有効性の決定は、主要評価項目として、48週目でのNAFLD活性スコア(NAS)の2ポイント以上の肝組織学的改善および線維化スコアの悪化がないことに基づく。
主要有効性評価項目は、48週目での疾患活性のベースラインからの改善、およびNASH臨床研究ネットワーク(CRN)線維化スコアにおける肝線維化の悪化がないことである。疾患活性の改善は、NASの2ポイント以上の改善として定義される。線維化の悪化は、病期の数値的な上昇として定義される。
この研究の副次有効性評価項目は、
・48週目での全体的な病理組織学的測定値における脂肪性肝炎の消散、およびNASH CRN線維化スコアにおける肝線維化の悪化がないこと。脂肪性肝炎の消散は、脂肪性肝疾患がないこと、または脂肪性肝炎を伴わない孤立性もしくは単純性脂肪化、および炎症では0~1、バルーニングでは0、脂肪化では任意の値のNASスコアとして定義される。
・48週目でのNAS構成要素(炎症、バルーニング、および脂肪化)のそれぞれのベースラインからの1ポイント以上の改善
・48週目での肝線維化スコアのベースラインからの1以上の改善、および脂肪性肝炎の悪化がないこと(バルーニング、炎症、または脂肪化に関してNASの増加がないこととして定義される)
・48週目での肝臓脂肪含有量(MRI-PDFF)のベースラインからの改善またはALTのベースラインからの改善のいずれか。肝臓脂肪含有量の改善、またはALTの改善は、以下の条件のいずれかを満たすものとして定義される。
○ALTが40U/L以下でベースラインから30%以上減少
〇肝臓脂肪含有量(MRI-PDFF)がベースラインから30%以上減少
・48週目での、MRI PDFFにより測定される肝臓脂肪含有量のベースラインからの改善(30%以上の減少として定義される)
・48週目でのALTのベースラインからの改善(40U/L以下でベースラインから30%以上減少したALTとして定義される)
を含む。
表3は、非アルコール性脂肪性肝炎臨床研究ネットワークのためにD.E.Kleinerらにより記載された、この実施例で使用したNAFLDの組織学的採点システムを記載する。Hepatology 41:1313-1321, 2005。
略語
MRI-PDFF=磁気共鳴画像法-プロトン密度脂肪分画(magnetic resonance imaging-proton density fat fraction)。
MRE=磁気共鳴エラストグラフィー。
LSM=肝硬度測定。
ALT=アラニントランスアミナーゼ。
ALT ULN=女性は30IU/L、男性は40IU/L
AST=アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ。
LDLコレステロール=低密度リポタンパク質コレステロール。
HDLコレステロール=高密度リポタンパク質コレステロール。
M2BPGi=mac-2結合タンパク質糖鎖修飾異性体。
ELF試験=増強肝線維化試験(enhanced liver fibrosis test)。
NASH CRN=非アルコール性脂肪性肝炎臨床研究ネットワーク。
NAS=NAFLD活性スコア。
[実施例3]
NAFLDを伴う2型糖尿病におけるSGLT2阻害剤対スルホニル尿素
組み入れ基準
1.NAFLDの診断に一致する生検
2.2型糖尿病、HbA1c7.0%以上
除外基準
肝ウイルス感染症、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、ヘモクロマトーシス、アンチトリプシン欠乏症、ウィルソン病、非経口栄養の経歴、および物質乱用により引き起こされる脂肪化または肝損傷を誘導することが知られている薬物の使用歴、および/または現在もしくは過去の1日20gを超えるアルコール消費歴
グリメピリドおよびトホグリフロジンに対する過敏症または禁忌
2型糖尿病ではない
コントロール不良の糖尿病
原因不明の低血糖の発症を繰り返す
感染症の併発または手術予定
コントロール不良の高血圧
重度の網膜症
活動的な治療計画中の悪性腫瘍、または完全寛解もしくは治癒していない悪性腫瘍
本研究に適さない重度の健康問題
妊娠中または授乳中の女性
研究者により評価される本研究への参加不能
ベースライン特性
合計40人の患者を、1日1回トホグリフロジンを20mgの用量で受ける(患者20人)、または1日1回グリメピリドを受ける(患者20人)ように無作為に割り当てた。40人の患者全員(100%)がこの試験を完了した。性別以外の人口統計学的およびベースラインの臨床的特性は両群で同様であった。患者は全員日本人で2型糖尿病であった。平均年齢は53.9歳、平均体重は82.0kg、平均ヘモグロビンA1cは8.2%、平均NASは4.45であった。合計18人の患者(45%)がステージF1の線維化、11人(27.5%)がステージF2、5人(12.5%)がステージF3であった。
参加者の流れ
合計40人の患者を、1日1回トホグリフロジンを20mgの用量で受ける(患者20人)、または1日1回グリメピリドを受ける(患者20人)ように無作為に割り当てた。40人の患者全員(100%)がこの試験を完了した。48週目での生検に関する主要アウトカムおよび確認副次アウトカムの情報は、39人の患者(97.5%)で入手可能であった。1人の患者のみ重篤な有害事象があった(2.5%)。
主要アウトカム
グリメピリド群では、ベースラインから48週までの組織学的改善は、バルーニング壊死の減少のみであった(P=0.025)。これに対して、トホグリフロジンを受けた対象は、すべての変数で、ベースラインから48週まで有意な組織学的改善があった(脂肪化、バルーニング壊死、および小葉炎症の改善のあった患者の比率は、それぞれ65、55、および50%であった)。線維化スコアは、トホグリフロジン群で改善したが(60%、治療前後のスコア比較でP=0.001)、ベースラインからの変化は、トホグリフロジン群とグリメピリド群とで有意差はなかった(P=0.172)。
副次アウトカム
組織学的特徴
平均バルーニングスコアは、両群で有意に減少した。平均脂肪化スコア、脂肪化の割合、小葉炎症スコア、および線維化スコアは、トホグリフロジン群でのみ有意に減少した。NASは、ベースライン値と比較して両群で有意に改善し、その有益な効果は、グリメピリド群よりもトホグリフロジン群で大きかった(P=0.002)。
血清酵素レベルおよび肝臓試験
トホグリフロジン群では、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼおよびアラニンアミノトランスフェラーゼレベルの早期かつ非常に有意な低下があった。ベースラインからの変化は、トホグリフロジン群とグリメピリド群とで有意差はなかった。トホグリフロジン群では、ガンマ-グルタミルトランスフェラーゼの変化が有意に減少した(48週目での平均減少23.8IU/L、グリメピリドとの比較でP<0.001)。さらに、FIB-4指数がトホグリフロジン群で有意に低下し、その効果は、グリメピリド群よりもトホグリフロジン群で大きかった。
代謝パラメーター
FPGおよびHbA1cなどの血糖パラメーターの低下は、同様であった。体重、BMI、および体脂肪の割合は、トホグリフロジン群では有意に減少した(48週目での平均体重減少4.8kg、グリメピリドとの比較でP<0.001)。これらの変化は最初の12週間で起こり、対象が治療を受けている期間中持続した。これに対して、CPR、脂質プロファイル、酸化ストレスマーカー、およびサイトカインは、両群で同様であった。
概要
生検により確認されたNAFLDおよび2型糖尿病の患者の中で、グルコースレベルが同様に低下した状態で、ベータ酸化および肝臓における炎症の減衰を介して肝組織像が改善した患者の割合は、グリメピリドを用いた場合よりもトホグリフロジンを用いた場合の方が有意に高かった。トホグリフロジンは、いくつかの良好な代謝マーカーを有した。SGLT2阻害剤は、肝保護効果を有する可能性がある。
本出願全体を通して、様々な刊行物が参照されている。これらの刊行物の開示は、それらの全体が、本発明が関係する技術の現状をより十分に説明するために、参照により本出願に組み込まれる。本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、本発明において様々な変更および変形が可能であることは、当業者には明らかであろう。本発明の他の実施形態は、本明細書の考察および本明細書に開示された発明の実施から、当業者には明らかであろう。仕様および実施例は、単に例示的なものとして考えられることが意図されており、本発明の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲により示される。

Claims (47)

  1. 非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有し、NASH CRN線維化スコアが1以上および4未満である患者における肝硬変または肝線維化を治療する方法であって、治療有効量の、
    a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、
    b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または
    c)それらの組合せ
    を前記患者に投与することを含む方法。
  2. 治療有効量のペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 治療有効量のトホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 治療有効量の前記組合せを前記患者に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 非肝硬変性非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有する患者における小葉炎症を治療する方法であって、治療有効量の、
    a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、
    b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または
    c)それらの組合せ
    を前記患者に投与することを含む方法。
  6. 1以上および4未満のNASH CRN線維化スコアを有する患者において線維化を悪化させることなく行われる、請求項5に記載の方法。
  7. 治療有効量のペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む、請求項5に記載の方法。
  8. 治療有効量のトホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む、請求項5に記載の方法。
  9. 治療有効量の前記組合せを前記患者に投与することを含む、請求項5に記載の方法。
  10. 非肝硬変性非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有し、NASH CRN線維化スコアが1以上および4未満であり、ALTスコアがULNの2倍以上である患者における、ALT活性により測定される肝機能を改善する方法であって、治療有効量の、
    a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、
    b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または
    c)それらの組合せ
    を前記患者に投与することを含む方法。
  11. 治療有効量のペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 治療有効量のトホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む、請求項10に記載の方法。
  13. 治療有効量の前記組合せを前記患者に投与することを含む、請求項10に記載の方法。
  14. 非肝硬変性非肝硬変性NASHまたはNAFLDを有し、NASH CRN線維化スコアが1以上および4未満であり、LDL-C濃度が100mg/dL以上である患者においてLDL-Cを低下させる方法であって、治療有効量の、
    a)ペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、
    b)トホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または
    c)それらの組合せ
    を前記患者に投与することを含む方法。
  15. 治療有効量のペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 治療有効量のトホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩を前記患者に投与することを含む、請求項14に記載の方法。
  17. 治療有効量の前記組合せを前記患者に投与することを含む、請求項14に記載の方法。
  18. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、290dB/m以上の振動制御一過性エラストグラフィーCAPスコアを有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  19. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、7キロパスカル(kPa)以上および19kPa未満のLSMを有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  20. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、20U/L以上、30U/L以上、40U/L以上、または50U/L以上のAST濃度を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  21. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、
    a)290dB/m以上の振動制御一過性エラストグラフィーCAPスコア、
    b)7キロパスカル(kPa)以上および19kPa未満のLSM、および
    c)20U/L以上のAST濃度
    を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  22. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、4以上、5以上、6以上、7以上、または8のNASを有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  23. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、1以上、2以上、または3のNASH CRN脂肪化スコアを有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  24. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、1以上、2以上、または3のNASH CRN小葉炎症スコアを有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  25. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、1以上または2のNASH CRNバルーニングスコアを有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  26. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、
    a)4以上のNAS、
    b)1以上のNASH CRN脂肪化スコア、
    c)1以上のNASH CRN小葉炎症スコア、および
    d)1以上のNASH CRNバルーニングスコア
    を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  27. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、
    a)4以上のNAS、
    b)1以上のNASH CRN脂肪化スコア、
    c)1以上のNASH CRN小葉炎症スコア、
    d)1以上のNASH CRNバルーニングスコア、および
    e)ULNの1倍以上、2倍以上、または3倍以上のALT濃度
    を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  28. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、MRI-PDFFで10%以上、12.5%以上、15%以上、または17.5%以上の肝脂肪画分を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  29. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、MREで2.5kPa以上、2.75kPa以上、または3kPa以上の肝硬度を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  30. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、ULNの1倍以上、2倍以上、または3倍以上のALT濃度を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  31. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、
    a)MRI-PDFFで10%以上の肝脂肪画分、
    b)MREで2.5kPa以上の肝硬度、および
    c)ULNの1倍以上のALTレベル
    を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  32. 前記患者が、110または120mg/dLを超えるLDL-C濃度を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  33. 前記患者が、22、28、または32kg/mを超えるBMIを有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  34. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、100mg/dL以上の空腹時血漿グルコース濃度を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  35. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、200未満、175未満、または150mg/dL未満の空腹時TGレベルを有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  36. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、1、2、3の、1以上および4未満の、または2以上および4未満のNASH CRN線維化スコアを有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  37. 前記方法を開始する時点で、前記患者が、ULNの5倍以下のALT濃度を有する、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  38. a)前記患者のNASの2ポイント以上の組織学的改善、および
    b)前記患者のNASH CRN線維化スコアの悪化がないこと
    を含む、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  39. a)i)脂肪性肝疾患がないこと、または
    ii)脂肪性肝炎を伴わない孤立性または単純性脂肪化、および炎症では0~1、バルーニングでは0、脂肪化では任意の値のNASとして定義される脂肪性肝炎の組織学的消散、および
    b)NASH CRN線維化スコアの悪化がないこと
    を含む、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  40. a)前記患者のNASH CRN炎症スコアの1以上の改善、
    b)前記患者のNASH CRNバルーニングスコアの1以上の改善、および
    c)前記患者のNASH CRN脂肪化スコアの1以上の改善
    を含む、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  41. a)前記患者のNASH CRN線維化スコアの1以上の改善、
    b)前記患者のNASH CRNバルーニングスコアの悪化がないこと、
    c)前記患者のNASH CRN炎症スコアの悪化がないこと、および
    d)前記患者のNASH CRN脂肪化スコアの悪化がないこと
    を含む、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  42. a)MRI-PDFFにより測定される肝臓脂肪含有量の30%以上の減少、および/または
    b)40U/L以下へのALTの30%以上の減少を含む、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  43. a)0.1~0.8mgのペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、
    b)5~60mgのトホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または
    c)それらの組合せ
    を、前記患者に毎日経口投与することを含む、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  44. a)0.4mgのペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、
    b)20mgのトホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または
    c)それらの組合せ
    を、前記患者に毎日経口投与することを含む、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  45. a)0.4mgのペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩、
    b)20mgのトホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩、または
    c)それらの組合せ
    を含む単一の剤形を、前記患者に1日1回経口投与することを含む、請求項1、5、10、または14に記載の方法。
  46. 約0.4mgのペマフィブラートまたはその薬学的に許容される塩および約20mgのトホグリフロジンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口投与される単位剤形。
  47. 約0.4mgのペマフィブラートおよび約20mgのトホグリフロジンを含む、請求項46に記載の経口投与される単位剤形。
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