JP2024517958A - カテキン化合物を強化した高蛋白質ミセル状カゼイン含有栄養性液状物、およびその生産法 - Google Patents

カテキン化合物を強化した高蛋白質ミセル状カゼイン含有栄養性液状物、およびその生産法 Download PDF

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Abstract

本発明は、カテキン化合物を強化したミセル状カゼイン含有高蛋白質栄養性液状物に関するものであり、また同上を生産する方法に関するものである。本発明は、特に、粘度が低下して、低温ゲル化傾向が軽減されている上記のような高蛋白質液を提供する。【選択図】図11

Description

乳蛋白質を含む栄養性産物は、好ましいアミノ酸組成物および乳蛋白質の消化性による一連の興味深い利点を有する。
米国特許出願第5683984号Aは、経管栄養法に好適な蛋白質、脂質類およびミネラル類の腸内用組成物であって、蛋白質として天然ミセル状カゼインを用いる腸内用組成物を開示している。該組成物は、天然ミセル状カゼインを取得し、それを糖質類、脂質類およびミネラル類と組み合わせることによって調製される。ミセル状カゼインの分散物は、乳汁、特に無脂肪乳を精密濾過することによって取得するのであってもよく、また糖質類およびミネラル類は、取得したミセル状カゼイン保持液に分散して、その結果得られた分散液に、脂質類を添加する、次いで、その混合物をホモジナイズしてから滅菌する。分散液を得るために、この精密濾過保持液を透析濾過してもよい。
国際特許出願第2013/129912号A1は、栄養補助食品として、あるいは完全栄養として、のいずれかで栄養を提供するための腸内用液状組成物の提供を開示しているが、これは小容量の液体中に主要蛋白質源として高蛋白質内容物、特に、ミセル状カゼインを、特に、100mlの液体組成物当たり6~20gの蛋白質を含む腸内用液状組成物である。該組成物は乳酸をさらに含み、pHは6~8の範囲である。
国際特許出願第2011/112075号A1は、100ml当たり6~20gのミセル状カゼインを含み、pHが約6~8である医薬乳製品に関するものである。国際特許出願第2011/112075号A1は、そのような乳製品の粘度および透明度が、リン酸、クエン酸、可溶性リン酸塩、可溶性クエン酸塩、またはその混合物の群から選択される1種類以上のキレート剤の利用によって、互いに独立に制御され得ることを示唆している。フィチン酸塩、クエン酸塩、またはオルトリン酸塩の添加後に、産物はさらに粘稠になること、ならびに粘度はリン酸塩の濃度および種類に依存することが分かった。ヘキサメタリン酸塩を添加することによってゲル化が起こる。対照的に、高濃度のウリジンモノリン酸塩は、粘度に大きな影響を与えることなく添加することができる。
O’Connellらは、無脂肪乳およびフェノール性化合物、例えば、エピガロカテキンガラートなどを強化した濃縮無脂肪乳の加熱凝固時間に関する試験について開示している(「乳汁および濃縮乳の熱安定性に対するフェノール性化合物の影響(Effects of phenolic compounds on the heat stability of milk and concentrated milk)」、Journal of Dairy Research、66巻、1999年1月1日、399~407ページ)。用いた濃縮脱脂乳はリットル当たり225gの固形物を含んでいた。しかし、濃縮無脂肪乳の蛋白質含量は、該文書から直接的かつ明確に導き出され得るものではない。
米国特許出願第2011/008485号A1は、ミセル状カゼインを含み、また任意選択的にカゼイン塩を含む、ミセル状カゼインを基盤とする高蛋白質腸内用栄養性液状組成物について開示している。腸内用の栄養性液状組成物は、100mlの該組成物当たり10~20gの蛋白質を含むことが開示されているが、該蛋白質の全てまたは主要部分は天然ミセル状カゼインを含むものである。また、この発明にしたがう組成物を生産する方法が開示されているが、該方法は、蛋白質の全てまたは主要部分は天然ミセル状カゼインを含む水性蛋白質溶液を蒸発工程に供する工程を含む。
高蛋白質栄養製品の生産は処理の難しさのために制約を受け、乳蛋白質が相当量のミセル状カゼインを含む場合には、それが特に顕著であることを、本発明者らは経験している。冷蔵温度で非常に粘稠なゲル様構造を形成することが難問の一つであり、それによって処理中に望ましくない凝固が起こることがあり、および/または中間段階蛋白質産物の蓄積が起こることもある。この現象を低温ゲル化または低温増粘化とよぶ。低温における非常に粘稠なゲル様構造の形成は、高含量のミセル状カゼインを含む液状栄養飲料製品においてもやはり問題となり、この製品を冷蔵した場合には、消費者に欠陥製品の印象を与えることもある。
本発明者らは、処理中または処理前に、液体中に異なるカテキン化合物を添加することにより、低温増粘化またはゲル形成の問題を解決可能であることをさらに発見した。
用語「寒冷ゲル化」、「寒冷増粘化」、「低温増粘化」または「低温ゲル形成」は、周囲温度または冷蔵温度、好ましくは約5℃において、および典型的には保存時のこれらの温度において、栄養性液状物に起こる増粘化、すなわち粘度の増加、またはゲル形成を指す。
したがって、本発明の一局面は、pHが6~8の範囲の栄養性液状物であって、以下を含む栄養性液状物に関するものである:
・ 10~25%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量、好ましくは総蛋白質に対して50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上。
本発明のより具体的な一局面は、pHが6~8の範囲の栄養性液状物であって、以下を含む栄養性液状物に関する:
・ 10~25%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量、好ましくは総蛋白質に対して50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
およびここで該栄養性液状物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.001~0.2の範囲である。
本発明の別の一局面は栄養性粉末に関するものであるが、ここで該栄養性粉末は本明細書に記載の栄養性液状物の固形物と最大で10%w/wの量の水を含む、あるいは同上から成る。
本発明のさらなる一局面は、以下の工程(a)および(b)を含む栄養性液状物を生産する方法に関する:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源、および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は以下を含む:
・ 10~25%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量、好ましくは総蛋白質に対して50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
(b)任意選択的に、好適な容器に該液状混合物を充填する工程。
本発明のより具体的な一局面は、以下の工程(a)および(b)を含む栄養性液状物を生産する方法に関する:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源、および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は以下を含む:
・ 10~25%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量、好ましくは総蛋白質に対して50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.001~0.2の範囲であり、
(b)任意選択的に、好適な容器に該液状混合物を充填する工程。
別の一局面は、上記の方法によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のさらなる一局面は、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上の用途に関するものであるが、その目的は:
・ 低温ゲル化を軽減または防止すること、
・ 低温増粘化を軽減または防止すること、および/または
・ 以下の栄養性液状物の粘度を、好ましくは滅菌加熱処理直後に低下させること、
ここで該栄養性液状物は6~8の範囲のpHを有し、かつ
・ 少なくとも8%w/w、より好ましくは10%w/wの量の蛋白質、および
・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量のミセル状カゼイン、
を含む。
本発明において用いるカテキン化合物の分子構造を示す。ここで、Rは水素またはヒドロキシ基であり、Rはヒドロキシ基またはガレート(没食子酸)基である。 11%w/wのMCIを含み、カテキン化合物と蛋白質との間の重量比が、0(対照)、0.06、および0.10である栄養性液状物の、5℃における異なる剪断速度での粘度を示す。 12%w/wのMCIを含み、カテキン化合物と蛋白質との間の重量比が、0(対照)、0.06、および0.10である栄養性液状物の、5℃における異なる剪断速度での粘度を示す。 13%w/wのMCIを含み、カテキン化合物と蛋白質との間の重量比が、0.01および0.03である栄養性液状物の、5℃における異なる剪断速度での粘度を示す。 11%w/wのMCIを含み、カテキン化合物と蛋白質との間の重量比が、0(対照)、0.06および0.10である栄養性液状物の、5℃における経時的粘度発生を示す。 12%w/wのMCIを含み、カテキン化合物と蛋白質との間の重量比が、0(対照)、0.06および0.10である栄養性液状物の、5℃における経時的粘度発生を示す。 13%w/wのMCIを含み、カテキン化合物と蛋白質との間の重量比が、0.01および0.03である栄養性液状物の、5℃における経時的粘度発生を示す。 栄養性液状物の粘度に対する異なる温度での加熱処理を実施した場合および加熱処理を実施しない場合の影響を示す。 カテキン化合物を含む栄養性液状物の5℃における経時的粘度発生ならびに加熱処理を実施した場合および加熱処理を実施しない場合の影響を示す。 カテキン化合物と蛋白質との間の重量比が0.06であるMPCを基盤とする栄養性液状物およびMCIを基盤とする栄養性液状物の粘度の比較である。カテキン化合物不含のMPC対照をも含む。 カテキンと蛋白質との間の重量比が異なる加熱処理栄養性液状物の加熱処理直後の粘度を示す。該栄養性液状物は、ミセル状カゼイン単離物を基盤とする12、15、18、および20%w/wの蛋白質を含むものであった。 カテキンと蛋白質との間の重量比が異なる加熱処理栄養性液状物の加熱処理直後の粘度を示す。該栄養性液状物は、乳蛋白質単離物を基盤とする12、15、18、および20%w/wの蛋白質を含むものであった。 カテキンと蛋白質との間の重量比が異なる加熱処理栄養性液状物の5℃で6か月の保存した後の粘度を示す。該栄養性液状物は、ミセル状カゼイン単離物を基盤とする12、15、18、および20%w/wの蛋白質を含むものであった。 カテキンと蛋白質との間の重量比が異なる加熱処理栄養性液状物の5℃で6か月の保存した後の粘度を示す。該栄養性液状物は、乳蛋白質単離物を基盤とする12、15、18、および20%w/wの蛋白質を含むものであった。
本発明の一局面は、栄養性液状物、好ましくは加熱処理および/または滅菌した、6~8の範囲のpHを有する栄養性液状物であって、以下を含む栄養性液状物に関する:
・ 10~25%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上。
本発明においては、用語「栄養性液状物」は、食品生産物として好適な液体であって、少なくとも蛋白質および水を含む液体を指す。栄養性液状物は、好ましくは栄養的に完全なものであり得るが、これは全ての主要栄養および微量栄養素を含み成人の栄養上の必要性を満たすものであることを意味する。あるいはまた、同様に好ましいものであるが、栄養性液状物は、栄養的に不完全なものであってもよく、これは完全なもののうちの少なくともいくつかの主要栄養素および/または微量栄養素を欠如するが、それでもなお栄養補助食品として有用であることを意味する。
本発明において、用語「滅菌」は、対象とする滅菌組成物または産物が生きた微生物を全く含まず、したがって室温保存中に微生物増殖が起こらないことを意味する。滅菌した組成物、例えば、液体または粉末は無菌である。
本発明において、用語「加熱処理」または「加熱処理した」は、少なくとも70℃で、少なくともある程度、微生物が減少するのに充分な時間、対象とする物質を加熱する処理を指す。
本発明において、用語「ミセル状カゼイン」および「カゼインミセル」は、異なるカゼイン種ならびにカルシウムおよびリン酸などのミネラル類を含むミセル様構造状のカゼインを指す。用語「天然ミセル状カゼイン」は、乳汁に存在するカゼインミセルであって、例えば、典型的には、カゼインミセルを保持するが乳清蛋白質の通過は可能である細孔径を有する精密濾過膜を用いた超遠心分離または精密濾過によって乳汁から単離するカゼインミセルを指す。0.05~0.3ミクロンの細孔径を有する精密濾過膜が好ましい。該栄養性液状物のミセル状カゼインは、典型的には、天然カゼインミセルと比較して僅かに異なるが、これはポリフェノールとの相互作用によるものであり、また任意選択的に、本発明の方法の一部を構成するのであってもよい加熱処理によるものである。ミセル状カゼインの量は、典型的には、超遠心分離によるカゼインミセルの分離によって測定するが、好ましくは30℃で1時間の初期平衡化、および同一温度において100,000gで1時間の遠心分離、その後、好ましくは、Bobeらが概説するような方法(「逆相高速液体クロマトグラフィーによるウシ乳蛋白質の分離と定量(Separation and Quantification of Bovine Milk Proteins by Reversed-Phase High-Performance Liquid Chromatography)」、Bobeら; J. Agric. Food Chem. 1998、46、458-463)による、HPLCを用いた分離カゼイン量の定量によって測定する。
本発明において、用語「カテキン」は、図1の分子C、またはD、またはCおよびDの両方の混合物を指し、ここでRは水素であり、Rはヒドロキシ基である。
本発明において、用語「エピカテキン」は、図1の分子A、またはB、またはAおよびBの両方の混合物を指し、ここでRは水素であり、Rはヒドロキシ基である。
本発明において、用語「ガロカテキン」は、図1の分子C、またはD、またはCおよびDの両方の混合物を指し、ここでRはヒドロキシ基であり、Rはヒドロキシ基である。
本発明において、用語「エピガロカテキン」は、図1の分子A、またはB、またはAおよびBの両方の混合物を指し、ここでRはヒドロキシ基であり、Rはヒドロキシ基である。
本発明において、用語「カテキン3-ガレートは、図1の分子C、またはD、またはCおよびDの両方の混合物を指し、ここでRは水素であり、Rはガレート(没食子酸)基である。
本発明において、用語「エピカテキン3-ガレート」は、図1の分子A、またはB、またはAおよびBの両方の混合物を指し、ここでRは水素であり、Rはガレート(没食子酸)基である。
本発明において、用語「ガロカテキン3-ガレート」は、図1の分子C、またはD、またはCおよびDの両方の混合物を指し、ここでRはヒドロキシ基であり、Rはガレート(没食子酸)基である。
本発明において、用語「エピガロカテキン3-ガレート」は、図1の分子A、またはB、またはAおよびBの両方の混合物を指し、ここでRはヒドロキシ基であり、Rはガレート(没食子酸)基である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間で、0.0001~0.2の範囲の重量比を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.0005~0.15の範囲、より好ましくは0.001~0.10の範囲、さらにより好ましくは0.01~0.06の範囲、および最も好ましくは0.02~0.04の範囲である。
カテキン化合物の量は分析13によって測定する。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.20の範囲、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.002~0.20の範囲、より好ましくは0.003~0.15の範囲、さらにより好ましくは0.005~0.10の範囲、および最も好ましくは0.007~0.10の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ エピカテキン、エピガロカテキンおよびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間で、0.0001~0.2の範囲の重量比を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ エピカテキン、エピガロカテキンおよびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.0005~0.15の範囲、より好ましくは0.001~0.10の範囲、さらにより好ましくは0.01~0.06の範囲、および最も好ましくは0.02~0.04の範囲である。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ エピカテキン、エピガロカテキンおよびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.20の範囲、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ エピカテキン、エピガロカテキンおよびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.002~0.20の範囲、より好ましくは0.003~0.15の範囲、さらにより好ましくは0.005~0.10の範囲、および最も好ましくは0.007~0.10の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ エピガロカテキンおよびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間で、0.0001~0.2の範囲の重量比を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ エピガロカテキンおよびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.0005~0.15の範囲、より好ましくは0.001~0.10の範囲、さらにより好ましくは0.01~0.06の範囲、および最も好ましくは0.02~0.04の範囲である。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ エピガロカテキンおよびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.20の範囲、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ エピガロカテキンおよびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.002~0.20の範囲、より好ましくは0.003~0.15の範囲、さらにより好ましくは0.005~0.10の範囲、および最も好ましくは0.007~0.10の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、エピガロカテキン3-ガレート(EGCG)と総蛋白質との間で、0.0001~0.2の範囲の重量比を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、エピガロカテキン3-ガレートと総蛋白質との間の重量比が、0.0005~0.15の範囲、より好ましくは0.001~0.10の範囲、さらにより好ましくは0.01~0.06の範囲、および最も好ましくは0.02~0.04の範囲である。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、エピガロカテキン3-ガレートと総蛋白質との間の重量比が、0.005~0.20の範囲、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、エピガロカテキン3-ガレートと総蛋白質との間の重量比が、0.002~0.20の範囲、より好ましくは0.003~0.15の範囲、さらにより好ましくは0.005~0.10の範囲、および最も好ましくは0.007~0.10の範囲である。
本発明においては、用語「A」と「B」との間の「重量比」は、「Aの重量」を「Bの重量」で割り算した結果を指す。例えば:
・ 該栄養性液状物中のエピガロカテキン3-ガレートの量が0.50g/100gであり、かつ
・ 該栄養性液状物の総蛋白質含量が10g/100gである場合には、
エピガロカテキン3-ガレートと総蛋白質との間の重量比は、0.50/10=0.05である。
本発明においては、用語「ポリフェノール」は、少なくとも2つのフェノール性ヒドロキシ基を有し、分子量が少なくとも150g/molの分子を指す。
該栄養性液状物は、上記のカテキン誘導体に加えて他のポリフェノールを含んでいてもよく、それゆえ、本発明のいくつかの実施態様では、該栄養性液状物が1種類以上の付加的ポリフェノールを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該1種類以上の付加的ポリフェノールは、フラボノイド類、フェノール酸、スチルベノイド類、タンニン類、およびリグナン類から成る群から選択される1種類以上の化合物を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該1種類以上の付加的ポリフェノールはフラボノイドを含む。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該1種類以上の付加的ポリフェノールはジアリールヘプタノイドを含む。ジアリールヘプタノイドの好ましい例はクルクミンであり、したがって該1種類以上の付加的ポリフェノールはクルクミンを含む、あるいはクルクミンから成る。
本発明のさらに他の好ましい実施態様においては、該1種類以上の付加的ポリフェノールはスチルベノイドを含む。スチルベノイドの好ましい例はレスベラトロールであり、したがって該1種類以上の付加的ポリフェノールはレスベラトロールを含む、あるいはレスベラトロールから成る。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートが、それら総量として栄養性液状物中にポリフェノールの総量を基準にして少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも50%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、および最も好ましくは少なくとも90%w/wの量で存在する。
本発明の他の好ましい実施態様においては、EGCGが、該栄養性液状物中にポリフェノールの総量を基準にして少なくとも20%w/w、より好ましくは少なくとも50%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、および最も好ましくは少なくとも90%w/wの量で存在する。
試料のポリフェノール総量は分析14にしたがって測定する。
本発明は、高蛋白質含量を有する栄養性液状物の生産および容易な取り扱いを有利に可能にする。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、栄養性液状物の蛋白質総量は、少なくとも10%w/w、より好ましくは少なくとも12%w/w、さらにより好ましくは少なくとも14%w/w、および最も好ましくは少なくとも16%w/wである。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、栄養性液状物の蛋白質総量は、10~24%w/w、より好ましくは10~22%w/w、さらにより好ましくは12~21%w/w、および最も好ましくは14~20%w/wの範囲である。
本発明の他の好ましい実施態様においては、栄養性液状物の蛋白質総量は、10~20%w/w、より好ましくは11~19%w/w、さらにより好ましくは12~18%w/w、および最も好ましくは13~19%w/wの範囲である。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、栄養性液状物の蛋白質総量は、10~25%w/w、より好ましくは12~24%w/w、さらにより好ましくは14~22%w/w、および最も好ましくは16~20%w/wの範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ 10~25%w/w、より好ましくは12~24%w/w、さらにより好ましくは14~22%w/w、および最も好ましくは16~20%w/wの範囲の蛋白質総量を有し、かつ
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.002~0.2、より好ましくは0.005~0.15、さらにより好ましくは0.02~0.15、および最も好ましくは0.04~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、総蛋白質を基準として少なくとも75%w/w、より好ましくは少なくとも85%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、および最も好ましくは総蛋白質を基準として少なくとも95%w/wの量のミセル状カゼインを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、総蛋白質を基準として85~99%w/w、より好ましくは90~98%w/w、さらにより好ましくは総蛋白質を基準として93~97%w/w、および最も好ましくは93~96%w/wの量のミセル状カゼインを含む。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、総蛋白質を基準として70~84%w/w、より好ましくは総蛋白質を基準として75~84%w/w、および最も好ましくは総蛋白質を基準として77~83%w/wの量のミセル状カゼインを含む。
本発明者は、総蛋白質を基準として50%~最大で70%未満のミセル状カゼインを含む栄養性液状物は好ましいことが多く、ミセル状カゼイン含量の減少によって、該栄養性液状物の蛋白質画分について栄養上の利点を最適化する余地がより大きいことを発見した。
本発明の特に好ましいいくつかの実施態様においては、該栄養性液状物は、総蛋白質を基準として50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼインを含む。
好ましくは、該栄養性液状物は、総蛋白質を基準として50~69%w/w、より好ましくは総蛋白質を基準として50~68%w/w、さらにより好ましくは総蛋白質を基準として51~67%w/w、および最も好ましくは52~66%w/wの量のミセル状カゼインを含む。
該栄養性液状物はさらに乳清蛋白質を含むのであってもよく、相当量の非カゼイン蛋白質が乳清蛋白質であることが好ましい。
乳清蛋白質の供給源は、例えば、天然の乳清蛋白質、非天然の乳清蛋白質、および/または凝集乳清蛋白質を含むのであってもよい。微粒子化乳清蛋白質の供給源は、例えば、WO2015059243またはWO2015059248A1にしたがうものであり、および/またはWO2007110411A2にしたがう乳清蛋白質ミセルの供給源またはWO2021136785A1にしたがう乳清蛋白質ナノゲル、および天然乳清蛋白質濃縮物または天然乳清蛋白質単離物などの天然乳清蛋白質の供給源が好ましい。
ミセル状カゼインの供給源は、典型的には一部の乳清蛋白質をも含み、好ましくは実質的に天然乳清蛋白質をも含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、乳清蛋白質は、該栄養性液状物のミセル状カゼインではない総蛋白質のうちの少なくとも20%w/wを占め、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、および最も好ましくはミセル状カゼインではない総蛋白質のうちの少なくとも90%w/wを占める。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物の蛋白質は、乳蛋白質、すなわち乳汁または乳汁画分(例えば、乳清など)に由来する蛋白質である。
該栄養性液状物はミセル状カゼインおよび乳清蛋白質を含み、多くの場合、その両者を組み合わせた量が、総蛋白質を基準にして、少なくとも55%w/w、より好ましくは少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、および最も好ましくは少なくとも80%w/wであることが好ましい。
好ましくは、該栄養性液状物はミセル状カゼインおよび乳清蛋白質を含むが、その両者を組み合わせた量が、総蛋白質を基準として、少なくとも85%w/w、より好ましくは少なくとも88%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、および最も好ましくは少なくとも95%w/wである。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、総蛋白質を基準として1~50%w/w、より好ましくは5~45%w/w、さらにより好ましくは10~40%w/w、および最も好ましくは15~35%w/wの量の乳清蛋白質を含む。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、総蛋白質を基準として20~50%w/w、より好ましくは25~45%w/w、さらにより好ましくは30~40%w/w、および最も好ましくは25~35%w/wの量の乳清蛋白質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ 総蛋白質を基準として50~69%w/w、より好ましくは51~69%w/w、さらにより好ましくは52~60%w/w、および最も好ましくは53~60%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ 総蛋白質を基準として20~50%w/w、より好ましくは25~45%w/w、さらにより好ましくは30~40%w/w、および最も好ましくは25~35%w/wの量の乳清蛋白質、
を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、ミセル状カゼインおよびカゼイン塩を含むが、その両者を組み合わせた量が、総蛋白質を基準として少なくとも85%w/w、より好ましくは少なくとも88%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、および最も好ましくは少なくとも95%w/wである。
本発明においては、用語「カゼイン塩」は、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カリウム、カゼイン酸カルシウム、および分離したカゼイン種などの非ミセル状カゼインを含む。カゼイン酸ナトリウムおよびカゼイン酸カリウムは特に好ましい。
例えば、本発明のいくつかの実施態様においては、該栄養性液状物は、総蛋白質を基準として1~50%w/w、より好ましくは5~45%w/w、さらにより好ましくは10~40%w/w、および最も好ましくは15~35%w/wの量のカゼイン塩を含む。
該栄養性液状物は、例えば、総蛋白質を基準として20~50%w/w、より好ましくは25~45%w/w、さらにより好ましくは30~40%w/w、および最も好ましくは25~35%w/wの量のカゼイン塩を含むのであってもよい。
カゼイン塩含量を低量に保つのが、多くの場合に好ましいことを本発明者は発見したのであるが、本発明のいくつかの好ましい実施態様では、栄養性液状物は、総蛋白質を基準として0~15%w/w、より好ましくは0.1~10%w/w、さらにより好ましくは0.1~7%w/w、および最も好ましくは0.1~4%w/wの量のカゼイン塩を含む。該栄養性液状物がカゼイン塩を含まないことがより好ましいこともある。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は:
・ 総蛋白質を基準として50~90%w/w、より好ましくは50~80%w/w、さらにより好ましくは50~70%w/w、および最も好ましくは50~75%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ 総蛋白質を基準として1~40%w/w、より好ましくは1~30%w/w、さらにより好ましくは1~20%w/w、および最も好ましくは1~10%w/wの量のカゼイン塩、
を含む。
カゼイン塩含有栄養性液状物に関しては、該栄養性液状物の調製は、カゼイン塩添加前に、ミセル状カゼインをカテキン化合物と混合することを含むことが利点となることが多いということを、本発明者は発見した。ミセル状カゼインと該カテキン化合物の混合は、好ましくは水性液体で実施される。
本発明のいくつかの好ましい実施態様において、該栄養性液状物が、総蛋白質を基準として1~40%w/w、より好ましくは5~40%w/w;さらにより好ましくは10~40%w/w、および最も好ましくは総蛋白質を基準として15~40%w/wの量のカゼイン塩を含む場合には、カゼイン塩添加前に、該栄養性液状物の調製が、ミセル状カゼインをカテキン化合物と混合することを含む。ミセル状カゼインと該カテキン化合物の混合は、好ましくは水性液体で実施される。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、該栄養性液状物の調製は、他の任意選択的蛋白質供給源の添加前に、ミセル状カゼインを該カテキン化合物供給源と混合することを含む。ミセル状カゼインと該カテキン化合物の混合は、好ましくは水性液体で実施される。
本発明のその他の実施態様においては、該栄養性液状物は、例えば、植物性蛋白質、卵蛋白質、カゼイン塩の加水分解物、乳清蛋白質の加水分解物、またはそれらの任意の組み合わせなどの非乳蛋白質をも含む。
該栄養性液状物は、蛋白質に加えて、炭水化物を含むことが多い。本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、総量で少なくとも5%w/w、より好ましくは少なくとも7%w/w、さらにより好ましくは少なくとも10%w/w、および最も好ましくは少なくとも15%w/wの炭水化物を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、総量で5~25%w/w、より好ましくは7~22%w/w、さらにより好ましくは10~20%w/w、および最も好ましくは12~18%w/wの範囲の炭水化物を有する。
しかし、一部の用途では、例えば、該液剤のカロリー含量を減らす目的で、炭水化物含量を低量に抑えることが好ましい。したがって、本発明の他の好ましい実施態様においては、該栄養性液状物の炭水化物量は、総量で最大で4%w/w、より好ましくは最大で2%w/w、さらにより好ましくは最大で0.5%w/w、および最も好ましくは最大で0.1%w/wである。
また、特に、該栄養性液状物を乳糖乳不耐症者に提供することを意図する場合には、該栄養性液状物の乳糖含量は非常に低いことが好ましいこともある。したがって、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、総量で最大で1%w/w、より好ましくは最大で0.1%w/w、さらにより好ましくは最大で0.01%w/w、および最も好ましくは最大で0.001%w/wの乳糖を有する。
有用な炭水化物の非限定的な例としては、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、アラビノース、リボース、タガトース、スクロース、マルトース、マルトトリオース、マルトデキストリン、フラクトオリゴ糖類、ガラクトオリゴ糖類、フコシル乳糖、シアリル乳糖、ウシ乳汁オリゴ糖、ヒト乳汁オリゴ糖、およびそれらの組み合わせなどの食用の単糖、二糖、オリゴ糖/または多糖類が挙げられる。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、最大で0.10mol/Lの還元糖、より好ましくは最大で0.03mol/Lの還元糖、さらにより好ましくは最大で0.01mol/Lの還元糖、および最も好ましくは最大で0.003mol/Lの還元糖を含む。還元糖が低含量である場合に、該栄養性液状物またはそれから作成される粉末のメイラード反応による褐変を低下または防止するのに役立つことを、本発明者らは発見した。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、0.0001~0.10mol/Lの還元糖、より好ましくは0.001~0.03mol/Lの還元糖、および最も好ましくは0.001~0.01mol/Lの還元糖を含む。
相対的に低含量の還元糖を含む栄養性液状物では、いくつかの好ましい実施態様において、該炭水化物が主に非還元糖および/または2よりも高い重合度を有する炭水化物、すなわちオリゴ糖類または多糖類を含む限り、かなりの量の炭水化物、例えば、5~25%w/wの量の炭水化物、より好ましくは、7~22%w/w、さらにより好ましくは10~20%w/w、および最も好ましくは12~18%w/wの量の炭水化物を含むのであってもよい。
該栄養性液状物は脂質を含むことが多く、一部の栄養性用途においては、脂質の存在は利点である。本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、総量で少なくとも2%w/w、より好ましくは少なくとも5%w/w、さらにより好ましくは少なくとも8%w/w、および最も好ましくは少なくとも10%w/wの脂質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、総量で2~20%w/w、より好ましくは、5~18%w/w、さらにより好ましくは8~15%w/w、および最も好ましくは10~14%w/wの範囲の脂質を含む。
いくつかの実施態様においては、該栄養性液状物の脂質量は、該栄養性液状物の総エネルギー含量を基準として、5~95%、好ましくは10~70%、より好ましくは20~40%の範囲であってもよい。
脂質の種類に関しては、該脂質が食品品質である限り、幅広い選択肢が可能である。該脂質は、動物脂質または植物脂質のいずれかであってもよく、あるいはそれらの両方であってもよい。豚脂またはバターなどの動物脂質類は本質的に等しいカロリー値および栄養価を有しており互いに代替的に用いることが可能であるが、植物油脂類は本発明の実施において非常に好ましく、その理由としては、容易に入手可能であること、処方が簡単であること、コレステロールを含まないこと、および飽和脂肪酸が低濃度であることが挙げられる。一実施態様においては、本組成物は、菜種油、コーンオイルおよび/またはひまわり油を含む。
該脂質は、中鎖脂肪酸の供給源(中鎖脂肪酸トリグリセリド類(MCT、主に8~10炭素原子長等))、長鎖脂肪酸の供給源(長鎖トリグリセリド類(LCT)など)、およびリン脂質結合脂肪酸(リン脂質結合EPAまたはDHAなど)、またはその供給源のうちの任意の2種類の組み合わせを含むのであってもよい。MCTは代謝的ストレス患者において容易に吸収され代謝されるので、有益である。さらに、MCTの利用によって栄養吸収不良のリスクが低減されるであろう。LCTは、ヒトの身体において免疫応答を調節し得ることが公知であり、そのためキャノーラ油、菜種油、ひまわり油、大豆油、オリーブ油、ココナツオイル、パーム油、アマニ油、魚油またはコーンオイルなどのLCT供給源は有益である。
いくつかの実施態様においては、該脂質は、該組成物の総脂肪を基準として、30~60重量%の動物脂肪、藻類脂肪または真菌脂肪、40~70重量%の植物性脂肪、および任意選択的に0~20重量%のMCTを含む。該動物脂肪は、好ましくは低量の乳汁脂肪、すなわち総脂肪を基準として、6重量%未満、特に3重量%未満の脂肪を含む。特に、コーンオイル、卵油、および/またはキャノーラ油の混合物および特定量の魚油が用いられる。卵油、魚油および藻類油は、非植物性脂肪の好ましい供給源である。特に、経口摂取される組成物に関しては、異臭の生成を防ぎ、魚のような後味を軽減する目的で、ドコサヘキサエン酸(DHA)が、相対的に低い、すなわち総脂肪を基準として6重量%未満、好ましくは4重量%未満である成分を選択することが推奨される。DHAを含む魚油類は、好ましくは、総脂肪を基準として25重量%未満、好ましくは15重量%未満の量で本発明の組成物に含まれる。一方、最大の健康効果を得るためにエイコサペンタエン酸(EPA)が含まれることは大変望ましい。したがって、別の一実施態様においては、EPAの量は、総脂肪を基準として4重量%~15重量%、より好ましくは8重量%~13重量%の範囲であってもよい。重量比EPA:DHAは、少なくとも6:4、例えば、2:1~10:1であることが有利である。さらに別の一実施態様においては、EPAの量は非常に低く、総脂肪を基準として0.1~1重量%、好ましくは0.3重量%または0.6重量%などである。
また、本発明の栄養性液状物は、有益には乳化剤を含んでいてもよい。周知の乳化剤を用いるのであってもよく、一般的に該乳化剤は、該栄養性液状物中の脂質のエネルギー含量に寄与する。
本発明の他の好ましい実施態様においては、例えば、スポーツ栄養に関して、該栄養性液状物は、総量で最大で1%w/w、より好ましくは最大で0.3%w/w、さらにより好ましくは最大で0.1%w/w、および最も好ましくは最大で0.01%w/wの脂質を含む。
本発明の栄養性液状物は、ヒトの食事の補完または完全栄養支持の提供のいずれかを目的として設計するのであってもよい。したがって、本発明の栄養性液状物は、ビタミン、ミネラル類、微量元素および/または不消化炭水化物の供給源などの1種類以上の栄養成分をさらに含むのであってもよい。好ましくは、本発明の栄養性液状物は栄養的に完全な栄養性液状物である。
本発明の栄養性液状物は、各種のビタミン、ミネラル類および微量元素を含んでいてもよい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、10~200mg/100mL、より好ましくは30~120mg/100mL、さらにより好ましくは50~90mg/100mL、および最も好ましくは60~75mg/100mLの範囲の量のナトリウムを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、10~250mg/100mL、より好ましくは40~200mg/100mL、さらにより好ましくは120~175mg/100mL、および最も好ましくは155~165mg/100mLの範囲の量のカリウムを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、10~200mg/100mL、より好ましくは50~150mg/100mL、さらにより好ましくは60~100mg/100mL、および最も好ましくは75~85mg/100mLの範囲の量の塩素を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、50~700mg/100mL、より好ましくは150~500mg/100mL、さらにより好ましくは180~300mg/100mL、および最も好ましくは200~220mg/100mLの範囲の量のカルシウムを含む。
該栄養性液状物の栄養的完全性を必要とする場合には、その要件とされる相対的に高いカルシウム含量(栄養的な視点から恩恵のあることが多い)を有する栄養性液状物の生産が、該カテキン化合物によって可能になることを、本発明者らは発見した。したがって、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、150~700mg/100mL、より好ましくは170~500mg/100mL、さらにより好ましくは200~400mg/100mL、および最も好ましくは240~300mg/100mLの範囲の量のカルシウムを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、5~100mg/100mL、より好ましくは10~25mg/100mL、さらにより好ましくは12~20mg/100mL、および最も好ましくは14~18mg/100mLの範囲の量のマグネシウムを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、50~500mg/100mL、より好ましくは70~300mg/100mL、さらにより好ましくは90~200mg/100mL、および最も好ましくは100~150mg/100mLの範囲の量のリンを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、0.1~20mg/100mL、より好ましくは0.5~10mg/100mL、さらにより好ましくは1~5mg/100mL、および最も好ましくは2~3mg/100mLの範囲の量の鉄を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、0.1~10mg/100mL、より好ましくは0.5~5mg/100mL、さらにより好ましくは0.7~3mg/100mL、および最も好ましくは1~2mg/100mLの範囲の量の亜鉛を含む。
本発明のいくつかの実施態様においては、本発明の栄養性液状物は、必要な全ビタミンおよびミネラル類および微量元素の大部分を提供する。例えば、本発明の栄養性液状物は、好ましくは該栄養性液状物100ml当たり6mgの亜鉛を提供するが、これは治癒中の患者において組織修復に有益である。好ましくは、本発明の栄養性液状物は、該栄養性液状物100ml当たり25mgのビタミンCを(もまた)提供するが、これはより難易度の高い治癒要件の患者にとって支援となる。さらに、好ましくは、本発明の栄養性液状物は、該栄養性液状物100ml当たり2.25mgの鉄を(もまた)提供する。鉄は、高齢患者における体液ならびに循環系機能の維持に有益である。
本発明は、本発明の栄養性液状物が、FSMP(特別医療目的用食品)の法規レベル外のナトリウムレベルおよび/またはカリウムレベルを含み得ることを示唆している。
本発明の栄養性液状物を、任意選択的にフラクトオリゴ糖類またはイヌリンなどの不消化炭水化物(食物繊維)で強化するのであってもよい。本発明のいくつかの実施態様においては、本発明の栄養性液状物は、0.5g/100ml~6g/100mlの不消化炭水化物を含む。該食物繊維は、2~20、好ましくは2~10のDPを有する不消化オリゴ糖類を含む。より好ましくは、これらのオリゴ糖類は、これらのDP範囲外の糖類を実質量(5重量%未満)としては含まず、また可溶性である。これらのオリゴ糖類は、フラクトオリゴ糖類(FOS)、トランスガラクトオリゴ糖類(TOS)、キシロオリゴ糖類(XOS)、大豆オリゴ糖類などを含んでいてもよい。任意選択的に、イヌリン、大豆多糖類、アカシア多糖類(アカシア繊維またはアラビアゴム)、セルロース、耐性でんぷんなどのより高分子量の化合物もまた、本発明の栄養性液状物に含めるのであってもよい。セルロースなどの不溶性繊維の量は、好ましくは本発明の栄養性液状物の食物繊維画分のうちの20重量%未満であり、および/または0.6g/100ml未満である。カラギーナン類、キサンタン類、ペクチン類、ガラクトマンナン類およびその他の高分子量(DP>50)の不消化多糖類などの増粘多糖類の量は、好ましくは低量であり、すなわち該繊維画分の重量の20%未満であり、または1g/100ml未満である。代替的に、加水分解ペクチン類およびガラクトマンナン類などの加水分解多糖類を有利に含めることができる。
好ましい繊維成分は、鎖長(DP)が2~10の不消化オリゴ糖、例えば、Fibersol(登録商標)(耐性オリゴグルコース)、特に、水素化Fibersol(登録商標)、または2~10のDPを有するオリゴ糖類の混合物(フラクトオリゴ糖類またはガラクトオリゴ糖類など)であって、少量のより高値の糖類(例えば、11~20のDPを有するもの)をも含み得る混合物である。そのようなオリゴ糖類は、好ましくは繊維画分の50重量%~90重量%を占め、または本発明の栄養性液状物の0.5g/100ml~3g/100mlを占める。その他の好適な繊維成分としては、部分的にのみ消化性である糖類が挙げられる。
特定の一実施態様においては、本発明の栄養性液状物は、フラクトオリゴ糖類、イヌリン、アカシア多糖類、大豆多糖類、セルロースおよび耐性でんぷんのうちの1種類以上を含む。
該栄養性液状物は、好適な食品酸および/または食物アルカリ化物質をさらに含むのであってもよい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、1種類以上の非ポリフェノールキレート剤、例えば、リン酸、クエン酸、可溶性リン酸塩、可溶性クエン酸塩、またはその混合物から成る群から選択される1種類以上の非ポリフェノールキレート剤を含む。
本発明においては、用語「非ポリフェノールキレート剤」は、ポリフェノールの本定義にしたがうポリフェノールではないキレート剤を意味する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、リン酸、可溶性リン酸塩、またはその混合物から成る群から選択される1種類以上の非ポリフェノールキレート剤を含む。
一実施態様においては、該リン酸は、ウリジンモノリン酸、シチジンモノリン酸、オルトリン酸、イノシトールヘキサリン酸、ヘキサメタリン酸、またはその混合物から成る群から選択され、該リン酸塩は、ウリジンモノリン酸塩、シチジンモノリン酸塩、オルトリン酸塩、イノシトールヘキサリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、またはその混合物から成る群から選択される。
該非ポリフェノールキレート剤を用いる場合には、該キレート剤は、好ましくは1~120mEq/Lの量、好ましくは5~100mEq/L、より好ましくは10~80mEq/L、最も好ましくは20~60mEq/Lの量で添加されるべきである。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、0.05~最大1.5g/100mLの量の乳酸を含む。
好ましくは、本発明の栄養性液状物は、該栄養性液状物100ml当たり、0.05~1.0gの量、より好ましくは0.1~1.0g、最も好ましくは0.2~0.5gの量の乳酸を含む。
乳酸の量は、該産物の蛋白質含量に関係し得る。本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、乳酸の量は最大で250mg/g蛋白質である。より好ましくは、乳酸の量は、該栄養性液状物全体の蛋白質g当たりで、1~200mg、好ましくは2.5~100mg、より好ましくは5~75mg、最も好ましくは10~75mgの範囲である。
あるいは、本発明の栄養性液状物は、該栄養性液状物全体のミセル状カゼイン1g当たり最大で400mgの量の乳酸を含み得る。より好ましくは、乳酸の量は4~300mg/g蛋白質の範囲、より好ましくは該栄養性液状物のミセル状カゼイン1g当たり10~200mg、最も好ましくは該栄養性液状物のミセル状カゼイン1g当たり20~100mgの乳酸である。
好ましい一実施態様においては、本発明の栄養性液状物は、該栄養性液状物100mL当たり、好ましくは最大で1gのクエン酸塩を含み、好ましくは100mL当たり1mg~500mgの量、より好ましく100mL当たり5mg~400mgの量、より好ましくは100mL当たり10mg~300mgの量、最も好ましくは100mL当たり15mg~100mgの量のクエン酸塩を含む。本発明の栄養性液状物中に一定量のクエン酸を含むことは、長期熱安定性および保存可能期間に関して有益であり得る。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、クエン酸および乳酸の組み合わせを含む。それらを組み合わせた量は、好ましくは最大で2.5g/100mLであり、より好ましくは0.05~2g/100mLの範囲であり、より好ましくは0.1~1.5g/100mLの範囲、さらにより好ましくは0.25~1.0g/100mLの範囲、最も好ましくは0.3~0.75g/100mLの範囲である。
乳酸およびクエン酸の両方が存在する場合には、乳酸の重量は、好ましくはクエン酸の重量よりも多く、好ましくは1.1~20倍、より好ましくは2~18倍、より好ましくは3~15倍、または最も好ましくは4~12倍である。そのような比において、該液状栄養組成物の粘度は依然として低いままであるが、クエン酸が存在することにより影響を受ける保存可能期間および熱安定性などの他のパラメーターは充分なレベルを保つのである。
本発明のいくつかの実施態様においては、非ポリフェノールキレート剤および乳酸の両方が好ましいこともあるが、本発明者らは、該栄養性液状物が本明細書に記載のようなカテキン化合物を含む場合には意外なことに非ポリフェノールキレート剤および乳酸が不要であることを発見した。
したがって、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、最大で0.1g/100mLの乳酸、より好ましくは最大で0.04g/100mLの乳酸、さらにより好ましくは最大で0.01g/100mLの乳酸、および最も好ましくは最大で0.001g/100mLの乳酸を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、最大で5mEq/L、より好ましくは最大で1mEq/L、さらにより好ましくは最大で0.4mEq/L、および最も好ましくは最大で0.1mEq/Lの量の非ポリフェノールキレート剤を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、リン酸、クエン酸、可溶性リン酸塩、可溶性クエン酸塩から選択される非ポリフェノールキレート剤であって、総量で最大で5mEq/L、より好ましくは最大で1mEq/L、さらにより好ましくは最大で0.4mEq/L、および最も好ましくは最大で0.1mEq/Lの量の非ポリフェノールキレート剤を含む。
本発明は、高固形物栄養性液状物に関して特に有用である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様において、該栄養性液状物は、総固形物含量が、9~50%w/wの範囲;より好ましくは10~40%w/wの範囲、さらにより好ましくは12~35%w/wの範囲、およびさらにより好ましくは16~30%w/wの範囲である。
本発明の他の好ましい実施態様において、該栄養性液状物は、総固形物含量が、20~50%w/wの範囲;より好ましくは24~48%w/wの範囲、さらにより好ましくは28~45%w/wの範囲、およびさらにより好ましくは30~43%w/wの範囲である。これらの実施態様は、栄養的に完全な栄養性液状物に関して特に有用である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様において、該栄養性液状物は、エネルギー含量が1~3kcal/g、より好ましくは1.5~3.0kcal/g、およびさらにより好ましくは2.0~2.8kcal/gである。
本発明の他の好ましい実施態様において、該栄養性液状物は、エネルギー含量が最大で1kcal/g、より好ましくは最大で0.8kcal/g、およびさらにより好ましくは最大で0.5kcal/gである。
該栄養性液状物は、好ましくは含水量が少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは少なくとも65%w/w、および最も好ましくは少なくとも70%w/wである。
さらに高含水量が好ましいこともあるので、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、その含水量が、少なくとも75%w/w、より好ましくは少なくとも80%w/w、さらにより好ましくは少なくとも85%w/w、および最も好ましくは少なくとも90%w/wである。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物の含水量は、50~91%w/wの範囲;より好ましくは60~90%w/wの範囲、さらにより好ましくは65~88%w/wの範囲、および最も好ましくは70~84%w/wの範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~8.0、より好ましくは6.2~7.5、さらにより好ましくは6.4~7.1、および最も好ましくは6.5~7.0の範囲である。本発明の他の好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~8.0、より好ましくは6.0~7.5、さらにより好ましくは6.0~7.1、および最も好ましくは6.0~7.0の範囲である。
該カテキン化合物と蛋白質の組み合わせによって、該栄養性液状物が着色し、例えば、pH7.3においては真っ赤であること、およびpHを低下させることによってその色強度を減弱させることが可能なことを、本発明者らは発見した。総蛋白質を基準としてカゼイン量を増加させることによって、その着色の問題を軽減できることも、本発明者らは見いだしている。
本発明の利点は、カテキン化合物が存在する場合には、該栄養性液状物の調製直後の粘度が大幅に低下することである。この発見により、該栄養性液状物の生産が容易になり、また飲用についてもより好適ものとなる。相対的に低い粘度を保持する技術的解決の必要性は、高蛋白質飲料の生産、さらにより具体的には高蛋白質高カロリー飲料の生産にとって、特に顕著である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物の粘度は、温度20℃および剪断速度145s-1において最大で400cPであり、好ましくは最大で200cP、より好ましくは最大で100cP、さらにより好ましくは最大で50cPおよび最も好ましくは最大で30cPである。
例えば、該栄養性液状物の粘度は、温度20℃および剪断速度145s-1において、2~400cP、好ましくは4~200cP、より好ましくは5~100cP、さらにより好ましくは6~50cP、および最も好ましくは7~30cPの範囲であってもよい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物の粘度は、温度5℃および剪断速度145s-1において、最大で400cP、好ましくは最大で200cP、より好ましくは最大で100cP、さらにより好ましくは最大で50cP、および最も好ましくは最大で30cPである。
例えば、該栄養性液状物の粘度は、温度5℃および剪断速度145s-1において、2~400cP、好ましくは4~200cP、より好ましくは5~100cP、さらにより好ましくは6~50cP、および最も好ましくは7~30cPの範囲であってもよい。
該栄養性液状物の有利な特徴は、低温ゲル化または低温増粘化の傾向を有しておらず液体状態を保つので、低温での長期保存後であっても飲用に適することである。
したがって、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物を5℃で63日間保存した後の粘度は、温度5℃および剪断速度145s-1において、2~400cP、好ましくは4~200cP、より好ましくは5~100cP、さらにより好ましくは6~50cP、および最も好ましくは7~30cPの範囲である。
液体試料の粘度は、分析2にしたがって測定する。
該栄養性液状物が、滅菌栄養性液状物であること、およびより好ましくは加熱滅菌栄養性液状物であることは、特に好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、パッケージ化滅菌栄養性液状物、好ましくはインスタント飲料である。
該滅菌栄養性液状物は好ましくは常温保存可能である、すなわち、25℃における保存可能期間が、少なくとも2か月、より好ましくは少なくとも6か月であり、25℃における保存中に、少なくとも2か月間、より好ましくは少なくとも6か月間はゲルを形成しない。
該栄養性液状物は、一般的に、また特に、該滅菌栄養性液状物であり、好ましくは一定限度量の不溶性蛋白質性物質を含むが、そのような溶性蛋白質性物質は、経時的にその容器の底に溜まる傾向があり蛋白質沈降層を形成する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物の不溶性蛋白質性物質含量は、最大で20%、より好ましくは最大で10%、さらにより好ましくは最大で5%、および最も好ましくは最大で1%である。該栄養性液状物が検出可能な不溶性蛋白質性物質を全く含まないことが、さらにより好ましい。
該栄養性液状物のプラスミン含量、特に、該滅菌栄養性液状物のプラスミン含量は、望ましくない蛋白質分解を避けるため、好ましくは低いことが必要である、ということを本発明者らは発見した。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物、特に、該滅菌栄養性液状物のプラスミンとプラスミノーゲンを組み合わせた活性は、最大で8000μ単位/mL、好ましくは最大で5000μ単位/mL、およびさらにより好ましくは最大で3000μ単位/mLである。
本発明において、1単位(U)のプラスミン活性は、基質としてChromozyme PL(トシル-Gly-Pro-Lys-4-ニトロアニリド酢酸塩)を用いて、25℃、pH8.9において1分間当たり1μモルのp-ニトロアニリンを生成することができるプラスミン活性である。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該栄養性液状物、特に、該滅菌栄養性液状物のプラスミンとプラスミノーゲンを組み合わせた活性は、最大で2,500μ単位/mL、好ましくは最大で1000μ単位/mL、およびさらにより好ましくは最大で500μ単位/mLである。該栄養性液状物、特に、該滅菌栄養性液状物のプラスミンとプラスミノーゲンを組み合わせた活性は、最大で100μ単位/mL、好ましくは最大で50μ単位/mL、およびさらにより好ましくは最大で10μ単位/mLであることが、好ましいこともある。
該栄養性液状物は、好ましくは均一である、すなわち、少なくとも該カテキン化合物および該乳蛋白質、好ましくは全成分が完全に混合されており、目視(すなわち肉眼によって)検査した場合に該栄養性液状物全体に均一に分布する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、パッケージ化した栄養性液状物であり、すなわち、好適な容器にパッケージ詰めされている。該栄養性液状物は、無菌のパッケージ化栄養性液状物であることが特に好ましい。
好適な容器の好ましい例としては、例えば、ボトル、紙容器、ブリック、および/またはバックが挙げられる。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、本明細書に記載の方法によって取得可能である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、少なくとも70~84%w/w、より好ましくは75~83%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 0.4~1.5kcal/g、より好ましくは0.5~1.0kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として少なくとも85~99%w/w、より好ましくは90~98%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 0.4~1.5kcal/g、より好ましくは0.5~1.0kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、少なくとも70~84%w/w、より好ましくは75~83%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 1.6~3.0kcal/g、より好ましくは2.0~2.8kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、少なくとも85~99%w/w、より好ましくは90~98%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 1.6~3.0kcal/g、より好ましくは2.0~2.8kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、少なくとも70~84%w/w、より好ましくは75~83%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 0.4~1.5kcal/g、より好ましくは0.5~1.0kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物においては:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、少なくとも85~99%w/w、より好ましくは90~98%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 0.4~1.5kcal/g、より好ましくは0.5~1.0kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物においては:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、少なくとも70~84%w/w、より好ましくは75~83%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 1.6~3.0kcal/g、より好ましくは2.0~2.8kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物においては:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、少なくとも85~99%w/w、より好ましくは90~98%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 1.6~3.0kcal/g、より好ましくは2.0~2.8kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物においては:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、50%~70%w/w未満、より好ましくは50%~69%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 0.4~1.5kcal/g、より好ましくは0.5~1.0kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、50%~70%w/w未満、より好ましくは50%~69%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 1.6~3.0kcal/g、より好ましくは2.0~2.8kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、50%~70%w/w未満、より好ましくは50%~69%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 0.4~1.5kcal/g、より好ましくは0.5~1.0kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物においては:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物のpHは、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の範囲であり、該栄養性液状物は以下を含む:
・ 10~20%w/w、より好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、50%~70%w/w未満、より好ましくは50%~69%w/wの量のミセル状カゼイン、
・ 1.6~3.0kcal/g、より好ましくは2.0~2.8kcal/gのエネルギー含量、
およびここで該栄養性液状物においては:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲である。
本発明のさらなる一局面は、本明細書中に定義されるような該栄養性液状物の固形物および最大で10%w/wの量の水を含む栄養性粉末、および同上から成る栄養性粉末に関する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性粉末は、少なくとも90%w/w、より好ましくは少なくとも94%w/w、さらにより好ましくは少なくとも95%w/w、および最も好ましくは少なくとも96%w/wの量の本明細書中に定義されるような該栄養性液状物の固形物を含む。
好ましくは、該栄養性粉末は、最大で6%w/w、より好ましくは最大で5%w/w、および最も好ましくは最大で4%w/wの量の水を含む。
該栄養性粉末は、複数の異なる方法で生産することができるが、本明細書に記載の栄養性液状物を乾燥させること、例えば、噴霧乾燥または凍結乾燥によって取得可能である。
本発明のさらなる一局面は、栄養性液状物、好ましくは加熱処理した、および/または滅菌済みの栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は、以下の工程(a)および(b)を含む:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~25%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
(b)任意選択的に、好適な容器に該液状混合物を充填する工程。
本発明において、用語「カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源」は、以下のカテキン化合物のうちの少なくとも1種類を含む組成物に関するものであり:
・ カテキン、
・ エピカテキン、
・ ガロカテキン、
・ エピガロカテキン、
・ カテキン3-ガレート、
・ エピカテキン3-ガレート、
・ ガロカテキン3-ガレート、および
・ エピガロカテキン3-ガレート、
ここで該組成物は、好ましくは該供給源の総固形物と比較して、総量として少なくとも1%w/wの上記カテキン化合物を含む。
本発明において、用語「乳蛋白質源」は乳蛋白質を提供する組成物を指す。本明細書においては、「乳蛋白質」は、少なくともミセル状カゼインを含み、また乳清蛋白質および/またはカゼイン塩をさらに含むこともある。
本発明において、用語「液状混合物」は、乳蛋白質源および上記の1種類以上のカテキン化合物の供給源を含む食用水性液体を指す。
該栄養性液状物に関して記載される組成上の特徴および態様は、等しく該液状混合物にも当てはまる。
加熱処理を加えない本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は工程(a)で取得される液状混合物である。
しかし、本発明の他の好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は、加熱処理済みであって、好ましくは滅菌されている液状混合物である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該方法は、(b)の充填工程を含む。
しかし、本発明の他の好ましい実施態様においては、該方法は工程(a)を含むが工程(b)は含まない。そのような実施態様は、例えば、該栄養性液状物が、他の食品産物の生産に用いる中間段階産物である場合には有用である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物を加熱処理に供する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物を:
・ 充填前に、加熱処理、好ましくは滅菌加熱処理に供する、または
・ 容器に充填した後に、加熱処理、好ましくは滅菌加熱処理に供する、または
・ 該供給源および該液状混合物の任意選択的成分を含む1種類以上の滅菌組成物を無菌的に混合することによって、作成する。
該加熱処理液状混合物は該加熱処理栄養性液状物であることが好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源は、植物抽出物を含む、あるいは植物抽出物から成る。
好ましくは、該ポリフェノール供給源はエピガロカテキン3-ガレートを含む。より好ましくは、該ポリフェノール供給源は、エピガロカテキン3-ガレートおよびエピガロカテキンを含む。さらにより好ましくは、該ポリフェノール供給源は、エピガロカテキン3-ガレート、エピガロカテキン、およびエピカテキンを含む。
該植物抽出物が、茶葉またはカカオ豆、またはそれらの組み合わせのポリフェノール抽出物であることは特に好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該ポリフェノール抽出物は、茶葉、好ましくは白茶、緑茶または紅茶、またはそれらの組み合わせの茶葉からの抽出物である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該ポリフェノール供給源は、総量が少なくとも20%w/w、好ましくは少なくとも40%w/w、より好ましくは少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは少なくとも80%w/w、および最も好ましくは少なくとも90%w/wであるカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートを含む。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該ポリフェノール供給源は、総量が少なくとも20%w/w、好ましくは少なくとも40%w/w、より好ましくは少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは少なくとも80%w/w、および最も好ましくは少なくとも90%w/wのエピガロカテキン3-ガレートを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該乳蛋白質源は、以下の1種類以上を含む:
ミセル状カゼイン液状単離物、ミセル状カゼイ単離物粉末、液状乳蛋白質濃縮物、乳蛋白質濃縮物粉末、液状無脂肪乳、脱脂粉乳、液状乳清蛋白質濃縮物、乳清蛋白質濃縮物粉末、および乳清粉末。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該乳蛋白質源は、ミセル状カゼイン液状単離物、ミセル状カゼイン単離物粉末、またはそれらの組み合わせを含む、あるいは本質的に同上から成る。
本発明は、高蛋白質含量を有する栄養性液状物の生産を可能にする、および取り扱いを容易にする利点を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物における蛋白質総量は、少なくとも10%w/w、より好ましくは少なくとも12%w/w、さらにより好ましくは少なくとも14%w/wおよび最も好ましくは少なくとも16%w/wである。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物における蛋白質総量は、10~24%w/w、より好ましくは10~22%w/w、さらにより好ましくは12~21%w/w、および最も好ましくは14~20%w/wの範囲である。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該液状混合物における蛋白質総量は、10~20%w/w、より好ましくは11~19%w/w、さらにより好ましくは12~18%w/w、および最も好ましくは13~19%w/wの範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、総蛋白質を基準として、少なくとも75%w/w、より好ましくは少なくとも85%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、および最も好ましくは総蛋白質を基準として少なくとも95%w/wの量のミセル状カゼインを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、総蛋白質を基準として、85~99%w/w、より好ましくは90~98%w/w、さらにより好ましくは93~97%w/wおよび最も好ましくは総蛋白質を基準として93~96%w/wの量のミセル状カゼインを含む。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該液状混合物は、総蛋白質を基準として、70~84%w/w、より好ましくは75~84%w/w、および最も好ましくは総蛋白質を基準として77~83%w/wの量のミセル状カゼインを含む。
総蛋白質を基準として50%~最大70%未満のミセル状カゼインを含む栄養性液状物は好ましいことが多く、ミセル状カゼイン含量を低下させることによって該栄養性液状物の蛋白質画分について栄養上の利点を最適化する余地が増えることを、本発明者は発見した。
本発明の特に好ましいいくつかの実施態様においては、該液状混合物は、総蛋白質を基準として50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼインを含む。
好ましくは、該液状混合物は、総蛋白質を基準として50~69%w/w、より好ましくは総蛋白質を基準として50~68%w/w、さらにより好ましくは総蛋白質を基準として51~67%w/w、および最も好ましくは52~66%w/wの量のミセル状カゼインを含む。
該液状混合物はさらに乳清蛋白質を含んでいてもよく、相当量の非カゼイン蛋白質が乳清蛋白質であることが好ましい。
乳清蛋白質の供給源、したがってまた該液状混合物も、例えば、天然乳清蛋白質、非天然乳清蛋白質、および/または凝集乳清蛋白質を含んでいてもよい。微粒子化乳清蛋白質の供給源、例えば、WO2015059243またはWO2015059248A1にしたがう供給源、および/またはWO2007110411A2にしたがう乳清蛋白質ミセルの供給源またはWO2021136785A1にしたがう乳清蛋白質ナノゲルの供給源、および天然乳清蛋白質濃縮物または天然乳清蛋白質単離物などの天然乳清蛋白質の供給源は、好ましい。
ミセル状カゼインの供給源は、典型的には一部の乳清蛋白質をも含み、好ましくは実質的に天然乳清蛋白質をも含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、乳清蛋白質は、該液状混合物のミセル状カゼインではない総蛋白質のうちの少なくとも20%w/wを占め、より好ましくは少なくとも40%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、および最も好ましくはミセル状カゼインではない総蛋白質のうちの少なくとも90%w/wを占める。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物の蛋白質は、乳蛋白質、すなわち乳汁または乳汁画分(例えば、乳清など)に由来する蛋白質である。
該液状混合物はミセル状カゼインおよび乳清蛋白質を含み、多くの場合、その両者を組み合わせた量が、総蛋白質を基準にして、少なくとも55%w/w、より好ましくは少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、および最も好ましくは少なくとも80%w/wであることが好ましい。
好ましくは、該液状混合物はミセル状カゼインおよび乳清蛋白質を含むが、その両者を組み合わせた量が、総蛋白質を基準として、少なくとも85%w/w、より好ましくは少なくとも88%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、および最も好ましくは少なくとも95%w/wである。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、総蛋白質を基準として1~50%w/wの量、より好ましくは5~45%w/w、さらにより好ましくは10~40%w/w、および最も好ましくは15~35%w/wの量で乳清蛋白質を含む。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該液状混合物は、総蛋白質を基準として20~50%w/wの量、より好ましくは25~45%w/w、さらにより好ましくは30~40%w/w、および最も好ましくは25~35%w/wの量で乳清蛋白質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は:
・ 総蛋白質を基準として50~69%w/wの量、より好ましくは51~69%w/w、さらにより好ましく52~60%w/w、および最も好ましくは53~60%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ 総蛋白質を基準として20~50%w/wの量、より好ましくは25~45%w/w、さらにより好ましくは30~40%w/w、および最も好ましくは25~35%w/wの量の乳清蛋白質、
を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、ミセル状カゼインおよびカゼイン塩を含むが、その両者を組み合わせた量が、総蛋白質を基準として少なくとも85%w/w、より好ましくは少なくとも88%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、および最も好ましくは少なくとも95%w/wである。
例えば、本発明のいくつかの実施態様においては、該液状混合物は、総蛋白質を基準として1~50%w/wの量、より好ましくは5~45%w/w、さらにより好ましくは10~40%w/w、および最も好ましくは15~35%w/wの量のカゼイン塩を含む。
該液状混合物は、例えば、総蛋白質を基準として20~50%w/wの量、より好ましくは25~45%w/w、さらにより好ましくは30~40%w/w、および最も好ましくは25~35%w/wの量のカゼイン塩を含むのであってもよい。
カゼイン塩含量を低量に保つのが、多くの場合に好ましいことを本発明者は発見したのであるが、本発明のいくつかの好ましい実施態様では、液状混合物は、総蛋白質を基準として0~15%w/wの量、より好ましくは0.1~10%w/w、さらにより好ましくは0.1~7%w/w、および最も好ましくは0.1~4%w/wの量のカゼイン塩を含む。該液状混合物がカゼイン塩を含まないことがより好ましいこともある。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は:
・ 総蛋白質を基準として50~90%w/wの量、より好ましくは50~80%w/w、さらにより好ましくは50~70%w/w、および最も好ましくは50~75%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ 総蛋白質を基準として1~40%w/wの量、より好ましくは1~30%w/w、さらにより好ましくは1~20%w/w、および最も好ましくは1~10%w/wの量のカゼイン塩、
を含む。
カゼイン塩含有液状混合物に関しては、該液状混合物の調製が、カゼイン塩を添加する前に、ミセル状カゼインを、特定カテキン化合物を含むポリフェノール供給源と混合する工程を含むことが利点となることが多いということを、本発明者は発見したのである。ミセル状カゼインと該特定カテキン化合物を含むポリフェノール供給源の混合は、好ましくは水性液体で実施される。
本発明のいくつかの好ましい実施態様において、該液状混合物が、総蛋白質を基準として1~40%w/w、より好ましくは5~40%w/w、さらにより好ましくは10~40%w/w、および最も好ましくは総蛋白質を基準として15~40%w/wの量のカゼイン塩を含む場合には、該栄養性液状物の調製は、カゼイン塩添加前に、ミセル状カゼインを、特定カテキン化合物を含むポリフェノール供給源と混合することを含む。ミセル状カゼインと特定カテキン化合物を含むポリフェノール供給源の混合は、好ましくは水性液体で実施される。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、該液状混合物の調製は、他の任意選択的蛋白質供給源の添加前に、ミセル状カゼインを、該特定カテキン化合物を含むポリフェノール供給源と混合することを含む。ミセル状カゼインと該カテキン化合物供給源の混合は、好ましくは水性液体で実施される。
本発明のその他の実施態様においては、該液状混合物は、例えば、植物性蛋白質、卵蛋白質、カゼイン塩の加水分解物、乳清蛋白質の加水分解物、またはそれらの任意の組み合わせなどの非乳蛋白質をも含む。
該液状混合物は、蛋白質に加えて、炭水化物を含むことが多い。本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、総量で少なくとも5%w/w、より好ましくは少なくとも7%w/w、さらにより好ましくは少なくとも10%w/w、および最も好ましくは少なくとも15%w/wの炭水化物を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、総量で5~25%w/w、より好ましくは、7~22%w/w、さらにより好ましくは10~20%w/w、および最も好ましくは12~18%w/wの範囲の炭水化物を含む。
しかし、一部の用途では、例えば、該液剤のカロリー含量を減らす目的で、炭水化物含量を低量に抑えることが好ましい。したがって、本発明の他の好ましい実施態様においては、該液状混合物の炭水化物量は、総量で最大で4%w/w、より好ましくは最大で2%w/w、さらにより好ましくは最大で0.5%w/w、および最も好ましくは最大で0.1%w/wである。
また、特に、該液状混合物を乳糖乳不耐症者に提供することを意図する場合には、該液状混合物の乳糖含量は非常に低いことが好ましいこともある。したがって、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、総量で最大で1%w/w、より好ましくは最大で0.1%w/w、さらにより好ましくは最大で0.01%w/w、および最も好ましくは最大で0.001%w/wの乳糖を含む。
有用な炭水化物の非限定的な例としては、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、アラビノース、リボース、タガトース、スクロース、マルトース、マルトトリオース、マルトデキストリン、フラクトオリゴ糖類、ガラクトオリゴ糖類、およびそれらの組み合わせなどの食用の単糖、二糖、オリゴ糖/または多糖類が挙げられる。
該液状混合物は脂質を含むことが多く、一部の栄養性用途においては、脂質の存在は利点である。本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、総量で少なくとも2%w/w、より好ましくは少なくとも5%w/w、さらにより好ましくは少なくとも8%w/w、および最も好ましくは少なくとも10%w/wの脂質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、総量で2~20%w/w、より好ましくは、5~18%w/w、さらにより好ましくは8~15%w/w、および最も好ましくは10~14%w/wの範囲の脂質を含む。
いくつかの実施態様においては、該液状混合物の脂質量は、該液状混合物の総エネルギー含量を基準として、5~95%、好ましくは10~70%、より好ましくは20~40%の範囲であってもよい。
脂質の種類に関しては、該脂質が食品品質である限り、幅広い選択肢が可能である。該脂質は、動物脂質または植物脂質のいずれかであってもよく、あるいはそれらの両方であってもよい。豚脂またはバターなどの動物脂質類は本質的に等しいカロリー値および栄養価を有しており互いに代替的に用いることが可能であるが、植物油脂類は本発明の実施において非常に好ましく、その理由としては、容易に入手可能であること、処方が簡単であること、コレステロールを含まないこと、および飽和脂肪酸が低濃度であることが挙げられる。一実施態様においては、本組成物は、菜種油、コーンオイルおよび/またはひまわり油を含む。
該脂質は、中鎖脂肪酸の供給源(中鎖脂肪酸トリグリセリド類(MCT、主に8~10炭素原子長等))、長鎖脂肪酸の供給源(長鎖トリグリセリド類(LCT)など)、およびリン脂質結合脂肪酸(リン脂質結合EPAまたはDHAなど)、またはその供給源のうちの任意の2種類の組み合わせを含むのであってもよい。MCTは代謝的ストレス患者において容易に吸収され代謝されるので、有益である。さらに、MCTの利用によって、栄養吸収不良のリスクが低減されるであろう。LCTは、ヒトの身体において免疫応答を調節し得ることが公知であり、そのためキャノーラ油、菜種油、ひまわり油、大豆油、オリーブ油、ココナツオイル、パーム油、アマニ油、魚油またはコーンオイルなどのLCT供給源は有益である。
いくつかの実施態様においては、該脂質は、該組成物の総脂肪を基準として、30~60重量%の動物脂肪、藻類脂肪または真菌脂肪、40~70重量%の植物性脂肪、および任意選択的に0~20重量%のMCTを含む。該動物脂肪は、好ましくは低量の乳汁脂肪、すなわち総脂肪を基準として、6重量%未満、特に3重量%未満の脂肪を含む。特に、コーンオイル、卵油、および/またはキャノーラ油の混合物および特定量の魚油が用いられる。卵油、魚油および藻類油は、非植物性脂肪の好ましい供給源である。特に、経口摂取される組成物に関しては、異臭の生成を防ぎ、魚のような後味を軽減する目的で、ドコサヘキサエン酸(DHA)が、相対的に低い、すなわち6総脂肪を基準として重量%未満、好ましくは4重量%未満である成分を選択することが推奨される。DHAを含む魚油類は、好ましくは、総脂肪を基準として25重量%未満、好ましくは15重量%未満の量で本発明の組成物に含まれる。一方、最大の健康効果を得るためにエイコサペンタエン酸(EPA)が含まれることは大変望ましい。したがって、別の一実施態様においては、EPAの量は、総脂肪を基準として4重量%~15重量%の範囲、より好ましくは8重量%~13重量%の範囲であってもよい。重量比EPA:DHAは、少なくとも6:4、例えば、2:1~10:1であることが有利である。さらに別の一実施態様においては、EPAの量は非常に低く、総脂肪を基準として0.1~1重量%、好ましくは0.3重量%または0.6重量%などである。
また、本発明の栄養性液状物は、有益には乳化剤を含んでいてもよい。周知の乳化剤を用いるのであってもよく、一般的に該乳化剤は、該栄養性液状物中の脂質のエネルギー含量に寄与する。
本発明の他の好ましい実施態様においては、例えば、スポーツ栄養に関して、該液状混合物は、総量で最大で1%w/w、より好ましくは最大で0.3%w/w、さらにより好ましくは最大で0.1%w/w、および最も好ましくは最大で0.01%w/wの脂質を含む。
本発明の栄養性液状物は、ヒトの食事の補完または完全栄養支持の提供のいずれかを目的として設計するのであってもよい。したがって、本発明の液状混合物は、ビタミン、ミネラル類、微量元素および/または不消化炭水化物の供給源などの1種類以上の栄養成分をさらに含むのであってもよい。好ましくは、本発明の液状混合物は栄養的に完全な栄養性液状物である。
該液状混合物は、各種のビタミン、ミネラル類および微量元素を含んでいてもよい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、10~200mg/100mL、より好ましくは30~120mg/100mL、さらにより好ましくは50~90mg/100mL、および最も好ましくは60~75mg/100mLの範囲の量のナトリウムを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、10~250mg/100mL、より好ましくは40~200mg/100mL、さらにより好ましくは120~175mg/100mL、および最も好ましくは155~165mg/100mLの範囲の量のカリウムを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、10~200mg/100mL、より好ましくは50~150mg/100mL、さらにより好ましくは60~100mg/100mL、および最も好ましくは75~85mg/100mLの範囲の量の塩素を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、50~700mg/100mL、より好ましくは150~500mg/100mL、さらにより好ましくは180~300mg/100mL、および最も好ましくは200~220mg/100mLの範囲の量のカルシウムを含む。
該栄養性液状物の栄養的完全性を必要とする場合には、その要件とされる相対的に高いカルシウム含量(栄養的な視点から恩恵のあることが多い)を有する栄養性液状物の生産が、該カテキン化合物によって可能になることを、本発明者らは発見した。したがって、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、150~700mg/100mL、より好ましくは170~500mg/100mL、さらにより好ましくは200~400mg/100mL、および最も好ましくは240~300mg/100mLの範囲の量のカルシウムを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、5~100mg/100mL、より好ましくは10~25mg/100mL、さらにより好ましくは12~20mg/100mL、および最も好ましくは14~18mg/100mLの範囲の量のマグネシウムを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、50~500mg/100mL、より好ましくは70~300mg/100mL、さらにより好ましくは90~200mg/100mL、および最も好ましくは100~150mg/100mLの範囲の量のリンを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、0.1~20mg/100mL、より好ましくは0.5~10mg/100mL、さらにより好ましくは1~5mg/100mL、および最も好ましくは2~3mg/100mLの範囲の量の鉄を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、0.1~10mg/100mL、より好ましくは0.5~5mg/100mL、さらにより好ましくは0.7~3mg/100mL、および最も好ましくは1~2mg/100mLの範囲の量の亜鉛を含む。
本発明のいくつかの実施態様においては、本発明の液状混合物は、必要な全ビタミンおよびミネラル類および微量元素の大部分を提供する。例えば、本発明の液状混合物は、好ましくは該液状混合物100ml当たり6mgの亜鉛を提供するが、これは治癒中の患者において組織修復に有益である。好ましくは、本発明の液状混合物は、該液状混合物100ml当たり25mgのビタミンCを(もまた)提供するが、これはより難易度の高い治癒要件の患者にとって支援となる。さらに、好ましくは、本発明の液状混合物は、該液状混合物100ml当たり2.25mgの鉄を(もまた)提供する。鉄は、高齢患者における体液ならびに循環系機能の維持に有益である。
本発明は、本発明の栄養性液状物が、FSMP(特別医療目的用食品)の法規レベル外のナトリウムレベルおよび/またはカリウムレベルを含み得ることを示唆している。
該液状混合物は、好適な食品酸および/または食物アルカリ化物質をさらに含むのであってもよい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、1種類以上の非ポリフェノールキレート剤、例えば、リン酸、クエン酸、可溶性リン酸塩、可溶性クエン酸塩、またはその混合物から成る群から選択される1種類以上の非ポリフェノールキレート剤を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、リン酸、可溶性リン酸塩、またはその混合物から成る群から選択される1種類以上の非ポリフェノールキレート剤を含む。
一実施態様においては、該リン酸は、ウリジンモノリン酸、シチジンモノリン酸、オルトリン酸、イノシトールヘキサリン酸、ヘキサメタリン酸、またはその混合物から成る群から選択され、該リン酸塩は、ウリジンモノリン酸塩、シチジンモノリン酸塩、オルトリン酸塩、イノシトールヘキサリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、またはその混合物から成る群から選択される。
該非ポリフェノールキレート剤を用いる場合には、該キレート剤は、好ましくは1~120mEq/Lの量、好ましくは5~100mEq/L、より好ましくは10~80mEq/L、最も好ましくは20~60mEq/Lの量で添加されるべきである。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、0.05~最大1.5g/100mLの量の乳酸を含む。
好ましくは、本発明の液状混合物は、該液状混合物100ml当たり、0.05~1.0gの量、より好ましくは0.1~1.0g、最も好ましくは0.2~0.5gの量の乳酸を含む。
乳酸の量は、該産物の蛋白質含量に関係し得る。本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、乳酸の量は最大で250mg/g蛋白質である。より好ましくは、乳酸の量は、該液状混合物全体の蛋白質g当たりで、1~200mg、好ましくは2.5~100mg、より好ましくは5~75mg、最も好ましくは10~75mgの範囲である。
あるいは、本発明の液状混合物は、該液状混合物全体のミセル状カゼイン1g当たり最大で400mgの量の乳酸を含み得る。より好ましくは、乳酸の量は4~300mg/g蛋白質の範囲、より好ましくは該栄養性液状物のミセル状カゼイン1g当たり10~200mg、最も好ましくは該液状混合物のミセル状カゼイン1g当たり20~100mgの乳酸である。
好ましい一実施態様においては、本発明の液状混合物は、該液状混合物100mL当たり、好ましくは最大で1gのクエン酸塩を含み、好ましくは100mL当たり1mg~500mgの量、より好ましくは100mL当たり5mg~400mgの量、より好ましくは100mL当たり10mg~300mgの量、最も好ましくは100mL当たり15mg~100mgの量のクエン酸塩を含む。本発明の液状混合物中に一定量のクエン酸を含むことは、長期熱安定性および保存可能期間に関して有益であり得る。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、クエン酸および乳酸の組み合わせを含む。それらを組み合わせた量は、好ましくは最大で2.5g/100mLであり、より好ましくは0.05~2g/100mLの範囲であり、より好ましくは0.1~1.5g/100mLの範囲、さらにより好ましくは0.25~1.0g/100mLの範囲、最も好ましくは0.3~0.75g/100mLの範囲である。
乳酸およびクエン酸の両方が存在する場合には、乳酸の重量は、好ましくはクエン酸の重量よりも多く、好ましくは1.1~20倍、より好ましくは2~18倍、より好ましくは3~15倍、または最も好ましくは4~12倍である。そのような比において、該栄養性液状物の粘度は依然として低いままであるが、クエン酸が存在することにより影響を受ける保存可能期間および熱安定性などの他のパラメーターは充分なレベルを保つのである。
本発明のいくつかの実施態様においては、非ポリフェノールキレート剤および乳酸の両方が好ましいこともあるが、本発明者らは、該液状混合物が本明細書に記載のようなカテキン化合物を含む場合には意外なことに非ポリフェノールキレート剤および乳酸が不要であることを発見した。
したがって、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、最大で0.1g/100mLの乳酸、より好ましくは最大で0.04g/100mLの乳酸、さらにより好ましくは最大で0.01g/100mLの乳酸、および最も好ましくは最大で0.001g/100mLの乳酸を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、最大で5mEq/L、より好ましくは最大で1mEq/L、さらにより好ましくは最大で0.4mEq/L、および最も好ましくは最大で0.1mEq/Lの量の非ポリフェノールキレート剤を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、リン酸、クエン酸、可溶性リン酸塩、可溶性クエン酸塩から選択される非ポリフェノールキレート剤であって、総量で最大で5mEq/L、より好ましくは最大で1mEq/L、さらにより好ましくは最大で0.4mEq/L、および最も好ましくは最大で0.1mEq/Lの量の非ポリフェノールキレート剤を含む。
本発明は、高固形物栄養性液状物に関して特に有用である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様において、該液状混合物は、総固形物含量が、9~50%w/wの範囲;より好ましくは10~40%w/wの範囲、さらにより好ましくは12~35%w/wの範囲、およびさらにより好ましくは16~30%w/wの範囲である。
本発明の他の好ましい実施態様において、該液状混合物は、総固形物含量が、20~50%w/wの範囲;より好ましくは24~48%w/wの範囲、さらにより好ましくは28~45%w/wの範囲、およびさらにより好ましくは30~43%w/wの範囲である。これらの実施態様は、栄養的に完全な栄養性液状物に関して特に有用である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様において、該液状混合物は、エネルギー含量が1~3kcal/g、より好ましくは1.5~3.0kcal/g、およびさらにより好ましくは2.0~2.8kcal/gである。
本発明の他の好ましい実施態様において、該液状混合物は、エネルギー含量が最大で1kcal/g、より好ましくは最大で0.8kcal/g、およびさらにより好ましくは最大で0.5kcal/gである。
該液状混合物は、好ましくは含水量が少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは少なくとも65%w/w、および最も好ましくは少なくとも70%w/wである。
さらに高含水量が好ましいこともあるので、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、その含水量が、少なくとも75%w/w、より好ましくは少なくとも80%w/w、さらにより好ましくは少なくとも85%w/w、および最も好ましくは少なくとも90%w/wである。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物の含水量は、50~91%w/wの範囲;より好ましくは60~90%w/wの範囲、さらにより好ましくは65~88%w/wの範囲、および最も好ましくは70~84%w/wの範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物のpHは、6.0~8.0、より好ましくは6.2~7.5、さらにより好ましくは6.4~7.1、および最も好ましくは6.5~7.0の範囲である。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該液状混合物のpHは、6.0~8.0、より好ましくは6.0~7.5、さらにより好ましくは6.0~7.1、および最も好ましくは6.0~7.0の範囲である。該カテキン化合物と蛋白質の組み合わせによって、該液状混合物が着色し、例えば、pH7.3においては真っ赤であること、およびpHを低下させることによってその色強度を減弱させることが可能なことを、本発明者らは発見した。総蛋白質を基準としたカゼイン量を増加させることによって、その着色の問題を軽減できることも、本発明者らは見いだしている。
本発明の利点は、ポリフェノールが存在する場合には、該液状混合物を作成直後の粘度が大幅に低下することである。この発見により、該液状混合物の生産が容易になり、また飲用についてもより好適なものとなる。相対的に低い粘度を保持する技術的解決の必要性は、高蛋白質飲料の生産、さらにより具体的には高蛋白質高カロリー飲料の生産にとって、特に顕著である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物の粘度は、温度20℃および剪断速度145s-1において最大で400cPであり、好ましくは最大で200cP、より好ましくは最大で100cP、さらにより好ましくは最大で50cPおよび最も好ましくは最大で30cPである。
例えば、該液状混合物の粘度は、温度20℃および剪断速度145s-1において、2~400cP、好ましくは4~200cP、より好ましくは5~100cP、さらにより好ましくは6~50cP、および最も好ましくは7~30cPの範囲であってもよい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物の粘度は、温度5℃および剪断速度145s-1において、最大で400cPであり、好ましくは最大で200cP、より好ましくは最大で100cP、さらにより好ましくは最大で50cPおよび最も好ましくは最大で30cPである。
例えば、該液状混合物の粘度は、温度5℃および剪断速度145s-1において、2~400cP、好ましくは4~200cP、より好ましくは5~100cP、さらにより好ましくは6~50cP、および最も好ましくは7~30cPの範囲であってもよい。
該液状混合物の有利な特徴は、低温ゲル化の傾向を有しておらず液体状態を保つので、低温での長期保存後であっても飲用に適することである。
したがって、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物を5℃で63日間保存した後の粘度は、温度5℃および剪断速度145s-1において、2~400cP、好ましくは4~200cP、より好ましくは5~100cP、さらにより好ましくは6~50cP、および最も好ましくは7~30cPの範囲である。
該液状混合物が、滅菌液状混合物であること、およびより好ましくは加熱滅菌液状混合物であることは、特に好ましい。
該液状混合物は、一般的に、また特に、滅菌液状混合物であり、好ましくは一定限度量の不溶性蛋白質性物質を含むが、そのような溶性蛋白質性物質は、経時的にその容器の底に溜まる傾向があり蛋白質沈降層を形成する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物の不溶性蛋白質性物質含量は、最大で20%、より好ましくは最大で10%、さらにより好ましくは最大で5%、および最も好ましくは最大で1%である。該液状混合物が検出可能な不溶性蛋白質性物質を全く含まないことが、さらにより好ましい。
該栄養性液状物のプラスミン含量、特に、該滅菌栄養性液状物のプラスミン含量は、望ましくない蛋白質分解を避けるため、好ましくは低いことが必要である、ということを本発明者らは発見した。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物、特に、該滅菌液状混合物のプラスミンとプラスミノーゲンを組み合わせた活性は、最大で8000μ単位/mL、好ましくは最大で5000μ単位/mL、およびさらにより好ましくは最大で3000μ単位/mLである。
発明の他の好ましい実施態様においては、該液状混合物、特に、該滅菌液状混合物のプラスミンとプラスミノーゲンを組み合わせた活性は、最大で2,500μ単位/mL、好ましくは最大で1000μ単位/mL、およびさらにより好ましくは最大で500μ単位/mLである。該液状混合物、特に、該滅菌液状混合物のプラスミンとプラスミノーゲンを組み合わせた活性は、最大で100μ単位/mL、好ましくは最大で50μ単位/mL、およびさらにより好ましくは最大で10μ単位/mLであることが、好ましいこともある。
該液状混合物は、好ましくは均一である、すなわち、少なくとも該カテキン化合物および該乳蛋白質、好ましくは全成分が完全に混合されており、目視(すなわち肉眼によって)検査した場合に該液状混合物全体に均一に分布する。
ポリフェノール供給源および乳蛋白質源を含む該液状混合物は、複数の異なる方法で、該供給源および任意選択的成分を組み合わせることによって生成させることができる。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物は、供給源および該液状混合物の任意選択的成分を含む2種類以上の滅菌組成物を無菌的に混合することによって生成させる。例えば、第1の滅菌組成物が該ポリフェノール供給源を含む、あるいは該ポリフェノール供給源から成り、また第2の滅菌組成物が該乳蛋白質源を含む、あるいは該乳蛋白質源から成ることが、好ましいこともある。本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該第1の滅菌組成物は、該ポリフェノール供給源および1種類以上の任意選択的成分の混合物である。本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該第2の滅菌組成物は、該乳蛋白質源および1種類以上の任意選択的成分の混合物である。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該第1の滅菌組成物は該ポリフェノール供給源および該乳蛋白質源を含む混合物であり、該第2の滅菌組成物は、1種類以上の任意選択的成分を含む。
該液状混合物を作成するために、さらなる滅菌組成物、例えば、第3の滅菌組成物、第4の滅菌組成物および第5の滅菌組成物などを無菌的に混合してもよい。そのようなさらなる滅菌組成物は、典型的には1種類以上の任意選択的成分を含む、あるいは1種類以上の任意選択的成分から成る。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該組み合わせることは、直接的に全供給源およびその他の任意選択的成分を組み合わせ、次いでこれらを混合することを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、工程(a)の組み合わせることは、該供給源およびその他の任意選択的成分のいくつかの事前混合物を作成し、次いで該事前混合物を残りの供給源および/または任意選択的成分と混合することを含む。
少なくとも該ポリフェノール供給源、および該カゼインミセルを含む乳蛋白質源、ならびに好ましくは該液状混合物の全成分を完全混合して、該液状混合物の異なる成分を均一分散物にすることが、一般的に好ましい。
該ポリフェノール供給源のカテキン化合物および該乳蛋白質源のカゼインミセルは、時間をかけて相互作用させることがさらにより好ましいが、例えば、これは数時間から1秒未満までである。ホモジナイズ、好ましくは加熱と組み合わせるホモジナイズは、カテキン化合物とカゼインミセルとの間の相互作用にとって有利であることを、本発明者らは発見した。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、本発明の方法は充填工程を含まず、これらの実施態様においては、該方法で取得した栄養性液状物が、典型的には食品生産物の生産に用いられる。
しかし、本発明の他の好ましい実施態様においては、本発明の方法は充填工程を含むが、ここで液状混合物は好適な容器に充填してから密閉する。これは、該栄養性液状物が消費者によって消費される最終産物(例えば、飲料製品)である場合には、特に好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該栄養性液状物は飲料製品である。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該充填することは無菌充填であり、好ましくは滅菌容器に該滅菌液状混合物を無菌的に充填し、該液状混合物の滅菌状態を保つように該容器を無菌的に密閉することを含む。該液状混合物の滅菌加熱処理後に、好ましくは無菌充填を行うが、例えば、滅菌加熱処理後であって、無菌充填前に無菌ホモジナイズすることを含むのであってもよい。
本発明の他の好ましい実施態様においては、該充填することは必ずしも無菌である必要はない。そのような実施態様においては、該栄養性液状物を含む容器を冷蔵温度(少なくとも6℃)に保つか、あるいはレトルト型加熱滅菌に供することが好ましい。
高濃度ミセル状カゼインを含む液体にカテキン化合物を添加することによって、加熱処理をしなくても粘度低下が起こり冷却時にゲルを形成する傾向が軽減されることを、本発明者らは見いだした。
しかし、本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該方法は、該液状混合物を加熱処理することを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該加熱処理は、該液状混合物を、70~180℃の範囲の温度、より好ましくは100~170℃の範囲の温度、およびさらにより好ましくは120~160℃の範囲の温度、および最も好ましくはUHT(超高温処理)に典型的な140~150℃の範囲の温度に加熱することを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該加熱処理の持続時間は、滅菌液状混合物を提供するのに充分な時間である。例えば、100~180℃の範囲の温度、より好ましくは140~160℃の範囲の温度で滅菌液状混合物を提供するのに充分な持続時間、該液状混合物を加熱することが好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物を充填前に加熱処理し、好ましくはこの加熱処理後にホモジナイズする。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物を充填後、好ましくは容器密閉後に加熱処理する。この加熱処理方式は、レトルト加熱処理とよばれることが多い。
本発明のいくつかの好ましい実施態様においては、該液状混合物を、該加熱処理後であって充填前にホモジナイズに供する。これらの実施態様においては、該加熱処理液状混合物の汚染を避けるために、無菌条件下でホモジナイズを実施することが好ましい。これは、周囲温度で長期保存可能期間のインスタント飲料である栄養性液状物を生産する目的においては特に有利である。
代替として、あるは付加的に、加熱処理前に該液状混合物をホモジナイズするのであってもよい。
本発明のいくつかの好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)を含む:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、70~84%w/wの量、好ましくは75~83%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
ここで該液状混合物を生成させることが、少なくとも1ホモジナイズ工程を任意選択的に含み、および
ここで該栄養性液状物が工程(a)によって取得される液状混合物である。
本発明はさらに、上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明の他の好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)を含む:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、85~99%w/w、好ましくは90~98%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
ここで該液状混合物を生成させることが、少なくとも1ホモジナイズ工程を任意選択的に含み、および
ここで該栄養性液状物が工程(a)によって取得される液状混合物である。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のさらに好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)を含む:
(a)エピガロカテキン3-ガレートを含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源、および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、70~84%w/wの量、好ましくは75~83%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ エピガロカテキン3-ガレート、
を含み、
該液状混合物において:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
ここで該液状混合物を生成させることが、少なくとも1ホモジナイズ工程を任意選択的に含み、および
ここで該栄養性液状物が工程(a)によって取得される液状混合物である。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のまたさらに好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)を含む:
(a)エピガロカテキン3-ガレートを含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源、および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、85~99%w/w、好ましくは90~98%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ エピガロカテキン3-ガレート、
を含み、
該液状混合物において:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
ここで該液状混合物を生成させることが、少なくとも1ホモジナイズ工程を任意選択的に含み、および
ここで該栄養性液状物が工程(a)によって取得される液状混合物である。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である加熱処理した滅菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、
該方法は以下の工程(a)および(b)を含み:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、70~84%w/wの量、好ましくは75~83%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、工程(b)の前に無菌ホモジナイズを行い、
および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明の他の好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の滅加熱処理した菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)および(b)を含む:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0のpHを有する液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、85~99%w/w、好ましくは90~98%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、工程(b)の前に無菌ホモジナイズを行い、
および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のさらに好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である加熱処理した滅菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の(a)および(b)を含む:
(a)エピガロカテキン3-ガレートを含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源、および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、70~84%w/wの量、好ましくは75~83%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ エピガロカテキン3-ガレート、
を含み、
該液状混合物において:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、工程(b)の前に無菌ホモジナイズを行い、
および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のまたさらに好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である加熱処理した滅菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)および(b)を含む:
(a)エピガロカテキン3-ガレートを含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源、および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、85~99%w/w、好ましくは90~98%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ エピガロカテキン3-ガレート、
を含み、
該液状混合物において:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、工程(b)の前に無菌ホモジナイズを行い、
および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5である加熱処理した滅菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)および(b)を含む:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、6.0~7.5のpHを有する液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 12~25%w/w、より好ましくは14~22%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、70~99%w/w、より好ましくは75~99%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.01~0.2、より好ましくは0.02~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、任意選択的に工程(b)の前に無菌ホモジナイズを実施し、および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明の他の好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5である加熱処理した滅菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)および(b)を含む:
(a)エピガロカテキン3-ガレートを含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、6.0~7.5のpHを有する液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 12~25%w/w、より好ましくは14~22%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、70~99%w/w、より好ましくは75~99%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.01~0.2、より好ましくは0.02~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、工程(b)の前に無菌ホモジナイズを行い、
および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)を含む:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0のpHを有する液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として50%~70%w/w未満、より好ましくは50~69%w/wの量のミセル状カゼイン、および、
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
ここで該液状混合物を生成させることが、少なくとも1ホモジナイズ工程を任意選択的に含み、および
ここで該栄養性液状物が工程(a)によって取得される液状混合物である。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のさらに好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)を含む:
(a)エピガロカテキン3-ガレートを含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源、および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として50%~70%w/w未満、より好ましくは50~69%w/wの量のミセル状カゼイン、および、
・ エピガロカテキン3-ガレート、
を含み、
該液状混合物において:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
ここで該液状混合物を生成させることが、少なくとも1ホモジナイズ工程を任意選択的に含み、および
ここで該栄養性液状物が工程(a)によって取得される液状混合物である。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である加熱処理した滅菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、
該方法は以下の工程(a)および(b)を含む:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、50%~70%w/w未満、より好ましくは50~69%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、工程(b)の前に無菌ホモジナイズを行い、
および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明の他の好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0の滅加熱処理した菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)および(b)を含む:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、85~99%w/w、好ましくは90~98%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、工程(b)の前に無菌ホモジナイズを行い、
および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のさらに好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である加熱処理した滅菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の(a)および(b)を含む:
(a)エピガロカテキン3-ガレートを含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源、および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、pHが6.0~7.5、より好ましくは6.0~7.0である液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 10~20%w/w、好ましくは12~18%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として、50%~70%w/w未満、より好ましくは50~69%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ エピガロカテキン3-ガレート、
を含み、
該液状混合物において:
・ エピガロカテキン3-ガレート、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、工程(b)の前に無菌ホモジナイズを行い、
および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のいくつかの好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5である加熱処理した滅菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)および(b)を含む:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、6.0~7.5のpHを有する液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 12~25%w/w、より好ましくは14~22%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として50%~70%w/w未満、より好ましくは50~69%w/wの量のミセル状カゼイン、および、
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.01~0.2、より好ましくは0.02~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、任意選択的に工程(b)の前に無菌ホモジナイズを実施し、および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明の他の好ましい実施態様は、pHが6.0~7.5である加熱処理した滅菌栄養性液状物を生産する方法に関するが、該方法は以下の工程(a)および(b)を含む:
(a)エピガロカテキン3-ガレートを含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、6.0~7.5のpHを有する液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物は:
・ 12~25%w/w、より好ましくは14~22%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質を基準として50%~70%w/w未満、より好ましくは50~69%w/wの量のミセル状カゼイン、および、
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.01~0.2、より好ましくは0.02~0.15の範囲であり、
(b)該液状混合物を無菌的に滅菌容器に充填し、該容器を無菌的に密閉する工程、
ここで該液状混合物を滅菌加熱処理した後、工程(b)の前に無菌ホモジナイズを行い、
および
ここで該栄養性液状物は、工程(b)で取得した滅菌液状混合物がパッケージ化されたものである。
本発明は、さらに上記の好ましい実施態様によって取得可能な栄養性液状物に関する。
本発明のさらなる一局面は、本明細書に記載の方法にしたがって取得可能な栄養性液状物に関するが、好ましくは、該方法によって取得可能な栄養性液状物は本明細書中に定義するような栄養性液状物である。
本発明のさらなる一局面は、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上の用途に関するものであるが、その目的は:
・ 低温ゲル化を軽減または防止すること、
・ 低温増粘化を軽減または防止すること、および/または
・ 以下の栄養性液状物の粘度を低下させること、であり、
ここで該栄養性液状物は6~8の範囲のpHを有し、かつ
・ 少なくとも10%w/wの量の蛋白質、および
・ 総蛋白質に対して少なくとも70%w/wの量のミセル状カゼイン、
を含む。
該低下した粘度は、好ましくは該栄養性液状物の生産直後(すなわち、最長で1時間後)の粘度である。
低温増粘化および/または低温ゲル化の軽減または防止は、好ましくは冷蔵温度における軽減または防止であり、より好ましくは約5℃、および好ましくは保存時のこれらの温度における軽減または防止である。
該カテキン化合物は、好ましくは上記のような栄養性液状物の生産における成分として用いられる。
該栄養性液状物は、好ましくは本明細書に記載のような栄養性液状物である。
以下の連番実施態様は、本発明の好ましい実施態様である。
[連番実施態様1]
pHが6~8の範囲の栄養性液状物であって:
・ 10~25%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量、および好ましくは総蛋白質に対して50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該栄養性液状物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.001~0.2の範囲である、栄養性液状物。
[連番実施態様2]
連番実施態様1の栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物がミセル状カゼインおよび乳清蛋白質を含み、その組み合わせた量が総蛋白質を基準として、少なくとも55%w/w、より好ましくは少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、および最も好ましくは少なくとも80%w/wである、栄養性液状物。
[連番実施態様3]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物がミセル状カゼインおよび乳清蛋白質を含み、その組み合わせた量が総蛋白質を基準として、少なくとも85%w/w、より好ましくは少なくとも88%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、および最も好ましくは少なくとも95%w/wである、栄養性液状物。
[連番実施態様4]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物が、総蛋白質を基準として、1~50%w/w、より好ましくは5~45%w/w、さらにより好ましくは10~40%w/w、および最も好ましくは15~35%w/wの量の乳清蛋白質を含む、栄養性液状物。
[連番実施態様5]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物が、総蛋白質を基準として、20~50%w/w、より好ましくは25~45%w/w、さらにより好ましくは30~40%w/w、および最も好ましくは25~35%w/wの量の乳清蛋白質を含む、栄養性液状物。
[連番実施態様6]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物が:
・ 総蛋白質を基準として、50~69%w/w、より好ましくは51~65%w/w、さらにより好ましくは52~60%w/w、および最も好ましくは53~60%w/wの量のミセル状カゼイン、および
・ 総蛋白質を基準として、20~50%w/w、より好ましくは25~45%w/w、さらにより好ましくは30~40%w/w、および最も好ましくは25~35%w/wの量の乳清蛋白質、
を含む、栄養性液状物。
[連番実施態様7]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が0.005~0.2、およびより好ましくは0.01~0.2の範囲である、栄養性液状物。
[連番実施態様8]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物が、1種類以上の付加的ポリフェノールをさらに含む、栄養性液状物。
[連番実施態様9]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで蛋白質の総量が、10~24%w/w、より好ましくは10~22%w/w、さらにより好ましくは12~21%w/w、および最も好ましくは少なくとも14~20%w/wの範囲である、栄養性液状物。
[連番実施態様10]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、総蛋白質を基準として、50~69%w/wの量、さらにより好ましくは総蛋白質を基準として、51~68%w/wの量、および最も好ましくは52~67%w/wの量のミセル状カゼインを含む、栄養性液状物。
[連番実施態様11]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、総蛋白質を基準として、70~84%w/wの量、より好ましくは総蛋白質を基準として、75~83%w/wの量のミセル状カゼインを含む、栄養性液状物。
[連番実施態様12]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、総蛋白質を基準として、85~99%w/wの量、より好ましくは90~98%w/wの量、さらにより好ましくは総蛋白質を基準として、93~97%w/wの量、および最も好ましくは95~96%w/wの量のミセル状カゼインを含む、栄養性液状物。
[連番実施態様13]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物の蛋白質が乳蛋白質である、栄養性液状物。
[連番実施態様14]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物が、1~3kcal/gのエネルギー含量、より好ましくは1.5~3.0kcal/g、およびさらにより好ましくは2.0~2.8kcal/gのエネルギー含量を有する、栄養性液状物。
[連番実施態様15]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物が、最大で1kcal/gのエネルギー含量、より好ましくは最大で0.8kcal/g、およびさらにより好ましくは最大で0.5kcal/gのエネルギー含量を有する、栄養性液状物。
[連番実施態様16]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物のpHが、6.0~8.0、より好ましくは6.2~7.5、さらにより好ましくは6.4~7.1、および最も好ましくは6.5~7.0の範囲である、栄養性液状物。
[連番実施態様17]
前記連番実施態様のいずれかの栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物が滅菌済みで、好ましくはパッケージ化した滅菌栄養性液状物である、栄養性液状物。
[連番実施態様18]
連番実施態様1~17の1項以上にしたがう栄養性液状物の固形物および最大で10%w/wの量の水を含む栄養性粉末であって、好ましくは、連番実施態様1~17の1項以上にしたがう栄養性液状物を乾燥させること、例えば、噴霧乾燥または凍結乾燥によって取得可能な、栄養性粉末。
[連番実施態様19]
栄養性液状物を生産する方法であって:
(a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上を含むポリフェノール供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、液状混合物を生成させる工程、
ここで該液状混合物が:
・ 10~25%w/wの総蛋白質含量、
・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量、および好ましくは総蛋白質に対して50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼイン、および
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上、
を含み、
およびここで該液状混合物において:
・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートの総量、および
・ 総蛋白質
の間の重量比が、0.001~0.2の範囲であり、
(b)任意選択的に、好適な容器に該液状混合物を充填する工程、
を含む方法。
[連番実施態様20]
連番実施態様19の方法であって、充填工程(b)を含む方法。
[連番実施態様21]
連番実施態様19~20のいずれかにしたがう方法であって、ここで該液状混合物を加熱処理に供する、方法。
[連番実施態様22]
カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレート、エピカテキン3-ガレート、ガロカテキン3-ガレート、およびエピガロカテキン3-ガレートのうちの1種類以上の用途であって、その目的が:
・ 低温ゲル化を軽減または防止すること、
・ 低温増粘化を軽減または防止すること、および/または
・ 以下の栄養性液状物の粘度を、好ましくは滅菌加熱処理直後に低下させることであり;
ここで該栄養性液状物が6~8の範囲のpHを有し、かつ
該栄養性液状物が:
・ 少なくとも10%w/wの量の蛋白質、および
・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/w量のミセル状カゼイン、好ましくは総蛋白質に対して50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼイン、
を含む、用途。
上記においては、特定の実施態様を参照しながら本発明を説明した。しかし、上記実施態様以外の実施態様であって、本発明の範囲内の実施態様もまた等しく可能である。
他で特段に組み合わせることが不可であると明言されるのでない限り、本発明の各種実施態様および局面の異なる特徴および工程を、本明細書に記載の方法以外の方法と組み合わせるのであってもよい。
実施例
分析法
分析1:総蛋白質の測定
総蛋白質含量(真の蛋白質)を、WO2018/115520の実施例9.2にしたがって評価する。
分析2:粘度測定
粘度測定は、ペルチェ温度制御素子を備えた応力制御流量計Physica MCR 301(Anton Paar、グラーツ、オーストリア)を用いて実施する。流量計を外部水浴(F12、Julabo GmbH、ゼールバッハ、ドイツ)に接続することにより、温度を5℃または20℃に維持する。測定は全て5℃または20℃で実施し、剪断開始5分前に流量計内の試料を測定温度に平衡化し、測定中にその温度を維持する。用いる形状は同心円筒型の測定システム(直径:27mm)である。
全試料を定常流試験に供する(11分間の剪断速度上下が0~1000s-1)。他で特段にそうでないことを明示するのでない限り、剪断速度145s-1における粘度を粘度値として記録する。
粘度は単位センチポイズ(cP)で表す。測定cP値が高ければ高いほど粘度は高くなる。
分析3:不溶性蛋白質性物質
液体試料の不溶性蛋白質性物質の定量として、3000g、22℃で5分間の遠心分離によって試料から除去される蛋白質量を測定するが、この定量には以下の工程を用いる:
・ おおよそ20gの試料を22℃に調整して平衡化した後、遠心チューブに入れ、次いで3000g、22℃で5分間遠心分離する工程、
・ 分析1を用いて、試料の遠心分離前に総蛋白質(Ptotal)を測定し、遠心分離後に上清の蛋白質(P3000g)を測定する工程。
試料が粉末の場合には、10gの粉末を90gの脱塩水に懸濁して穏やかに撹拌しながら22℃で1時間水和させる。おおよそ20gの水和試料(例えば、懸濁した粉末試料の液体試料)を上記の方法で分析する。
不溶性蛋白質性物質の%を以下にしたがって算出する:
Figure 2024517958000002
分析4:灰分測定
食品生産物の灰分はNMKL173:2005の「食物における灰分および比重測定」にしたがって評価する。
分析5:溶液の総固形物の測定
溶液の総固形物は、「NMKL110、第2版、2005(総固形物(水)-乳汁および乳製品の重量測定)(NMKL 110 2nd Edition, 2005 (Total solids (Water) - Gravimetric determination in milk and milk products))」にしたがって決定するのであってもよい。NMKLは、「Nordisk Metodikkomite for Naringsmidler」の略称である。
溶液の含水量は、[100%-総固形物の相対量(%w/w)]として算出することができる。
分析6:pH測定
pHガラス電極を用いて全pH値を測定し、25℃に正規化する。
pHガラス電極(温度補正を有する)は、使用前に慎重にすすいで較正する。
試料が液状形態である場合には、25℃の溶液でpHを直接測定する。
試料が粉末である場合には、室温で10グラムの粉末を90mlの脱塩水に溶解して激しく撹拌する。次いで、溶液のpHを25℃で測定する。
分析7:カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リンの定量(ICP-MS法)
カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、およびリンの各総量は、WO2018/115520の実施例9.5にしたがって測定する。
分析8:乳糖の総量の測定
乳糖の総量は、ISO5765~2:2002(IDF79~2:2002)「乾燥乳、ドライアイスミックスおよびプロセスチーズ:乳糖含量の測定、第2部:乳糖のガラクトース部分を用いた酵素法(Dried milk, dried ice-mixes and processed cheese - Determination of lactose content - Part 2: Enzymatic method utilizing the galactose moiety of the lactose)」にしたがって測定する。
分析9:炭水化物の総量の測定
炭水化物の量は、シグマ=アルドリッチ総炭水化物アッセイキット(カタログ番号、MAK104~1KT)を用いることによって測定する。このキットでは、炭水化物を加水分解しフルフラ-ルおよびヒドロキシフルフラ-ルに変換するが、これらは490nmで分光学的にモニタ-される色原体に変換される。
分析10:脂質総量の測定
脂質量は、ISO1211:2010(脂肪含量の測定:ロ-ズ-ゴットリ-プ比重測定法(Rose-Gottlieb Gravimetric Method))にしたがって測定する。
分析11:総蛋白質を基準としたカゼイン含量の決定
カゼイン量は、ISO17997~1:2004、乳汁:カゼイン窒素含有量の測定、第1部:間接法(レファレンス法)にしたがって測定する。
分析12:総蛋白質を基準とした乳清蛋白質含量の決定
試料の乳清蛋白質量は、[総蛋白質量-カゼイン量]として算出する。
分析13:個々のカテキン化合物の総量の測定
個々のカテキン化合物の総量決定は、Ferruzziら(「酵素支援抽出後に、高性能液体クロマトグラフィ-を用いるミルクティ-飲料のカテキン分析(Analysis of catechins from milk-tea beverages by enzyme assisted extraction followed by high performance liquid chromatography)」; Food Chemistry; 99巻、第3号、2006、484~491ペ-ジ)にしたがって実施する。
この測定が蛋白質不含試料に関するものである場合には、酵素的消化を省略してもよい。
分析14:ポリフェノ-ル総量の測定
ポリフェノ-ル類の総量は、Chavez-Servinら(異なる生物種の乳汁中の全フェノ-ル性化合物:フォリン=チオカルト-法を用いた定量のための抽出技術設計(Total phenolic compounds in milk from different species. Design of an extraction technique for quantification using the Folin-Ciocalteu method); Small Ruminant Research 160 (2018) 54~58)にしたがい、全フェノ-ル性化合物(TPC)分析を用いて測定する。
実施例1:MCIを基盤とする液体の即時粘度に対する、ポリフェノ-ルレベル増加の影響についての報告
目的
本実施例に記載する実験の目的は、生産直後のMCIを基盤とする蛋白質を含む水性液体11%(w/w)の粘度に対する、EGCGレベル増加の影響を報告することであった。
材料
・ 50℃で0.1ミクロンの濾過膜を用いて無脂肪乳の精密濾過/透析濾過を行い、その後に精密濾過保持液の濃縮および噴霧乾燥を実施することによって取得したミセル状カゼイン単離物(MCI)粉末。MCI粉末の化学組成を表1に示す。
・ 緑茶(粉末形態)からのEGCG抽出物(94%超のEGCG純度(Sunphenon EGCg、Taiyo GmbH、シュウェルム、ドイツ)
・ 水
・ アジ化ナトリウム、NaN(Merck、ダルムシュタット、ドイツ)
Figure 2024517958000003
方法
室温で水にMCI粉末を添加することによって、最終液体試料の蛋白質含量が11%、12%、または13%(w/w)である液体試料を調製した。また、アジ化ナトリウムを0.02%添加した。さらに、EGCGと最終液体試料の総蛋白質との間の重量比が所望の比(0.01、0.03、0.06、または0.10)になるように、ポリフェノ-ルEGCGを添加した(ただし、対照試料を除く)。
この時点で、Ultra Turrex T25(IKA Labortechnik、シュタウフェン、ドイツ)を速度設定4(19,000 1/分)で用いて、液体試料を5分間混合した。この混合物を試験管に注いで(約2/3の高さまで充填した)、90℃に設定した加熱水浴(Haake A10、Thermo Scientific、ウォルサム、米国)に3分間漬けた。時間が経過したところで水浴から試験管を取り出し、氷を満たした急速冷却用にバケツに入れた。約10分後に、全試験管の中身をビ-カ-に注ぎ、高圧ホモジナイザ-(Rannie、SPX Flow、米国)を用いて600MPaで5分間ホモジナイズした。この試料を清浄なビ-カ-に移して、測定の準備ができるまで覆いをして冷蔵庫(5℃)に静置した。
試料は全て、おおよそpH6.7であった。
分析2により粘度測定を5℃で実施した。全ての測定を液体試料調製から30分以内に実施した。
結果
本実施例で調製した3種類の異なる液体の剪断速度に対する粘度値を、図2、3、および4に示す。図2は、11%(w/w)の蛋白質含量を有するMCI液の粘度流量曲線から得られた結果である。この図では、ポリフェノ-ルを添加していないMCI液に対応する対照(丸)、0.06のEGCG/蛋白質比を有するMCI液に対応する正方形、および0.10のEGCG/蛋白質比を有するMCI液に対応する三角形が示されている。調べた全剪断速度において、両方のEGCG含有試料の粘度は対照試料に比べて実質的に意外なほどに低いものであった。対照試料とポリフェノ-ル含有試料との間で、粘度は半分以下であり、(145s-1において)14.5cPから4.7cPであった。これもまた全く意外なことであるが、(全剪断速度において)粘度レベルの差は、2つの異なるEGCG量の間で顕著なものではなかった(5.19cPおよび4.72cP、他方、EGCG/蛋白質比は0.06~0.10で、ほぼ2倍であった)。
12%(w/w)の蛋白質を含む試料について、剪断速度に対する粘度曲線を図3に示す。EGCG/蛋白質比が0.06の試料は四角で示し、EGCG/蛋白質比が0.10の試料は三角で示す。これらの試料の粘度値は、図2に提示されるものよりも高く、その理由は単純にこれらの試料が1%多い蛋白質を含むことによるが、MCIが11%では12~14cPの粘度を示し、MCIが12%の対照試料では18~22cPの範囲の粘度を示した。他方、ポリフェノ-ルを含む試料は、全剪断速度において、正に図2に示されているような顕著な粘度低下を示した。例えば、145s-1の剪断速度においては、ポリフェノ-ルを含まない対照試料の粘度は22.5cPであったが、他方、0.06のEGCG/蛋白質比を有する試料では粘度が6.86cPであり、0.10のEGCG/蛋白質比を有する試料では粘度が6.11cPであった。また上記と同様に、EGCG/蛋白質比を0.06から0.10に増加させた場合に、粘度低下が非常に異なるということはなかった。
最後に、蛋白質含量が13%の液体であって、2種類の異なるポリフェノ-ルレベルで作成された液体の結果を図4に示す。この場合のEGCG/蛋白質比は0.01および0.03であった。意外なことに、13%の蛋白質および3%のEGCGを含む試料の粘度は、蛋白質含量のより少ない(11%および12%)、またポリフェノ-ルレベルのより高い(0.06%および0.10%)上記に示す試料に非常に類似するものであった。しかし、EGCG/蛋白質比0.01の試料では、全剪断速度においてわずかに高い粘度を示した。しかしながら、ポリフェノ-ルの両レベルとも、13%の蛋白質を含むように作成した液体試料の体積粘性率を低下させることは可能であった。
結論
粉末から調製された高蛋白質濃度範囲のMCI液にポリフェノ-ルを添加することによって、該液体の生産直後の粘度を低下させることが可能であることを、本実施例は実証している。この効果は非常に劇的であり、広い範囲のポリフェノ-ル濃度において証明された。
EGCGを用いて得られる効果が、構造的に関連する化合物:カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-トを、単独、組み合わせ、および/またはEGCGとの組み合わせを用いることでも得ることができることを、本発明者らは発見した。
実施例2:MCIを基盤とする液体の粘度に対する冷蔵保存の影響についての報告
目的
本実施例に記載する実験の目的は、冷蔵温度で保存した場合の、MCIを基盤とする高蛋白質液における粘度発生を報告することであった。
材料と方法
用いた試料は、実施例1に提示されるものである。それらは、異なる濃度のポリフェノ-ルの存在下およびポリフェノ-ル非存在下で、蛋白質含量が11%、12%、および13%(w/w)となるように作成されたMCI液を含む。
試料調製終了後に、実施例1に記載するように、液体を約3℃の冷蔵庫で最長63日間保存した。所定の時点で、試料を冷蔵庫から取り出して、必要量の試料(約4mL)を流量計内に入れて粘度流量試験を行った。次いで、残りの保存試料については即座に冷蔵庫に戻した。
実施例1に記載の方法論にしたがい、粘度測定を行った。
結果
図5、6、および7は、それぞれ11%、12%、および13%の蛋白質含量(w/w)のMCI液について5℃で測定を実施して得た粘度流量曲線の剪断速度145s-1における異なる試料粘度を示す。
図5は、蛋白質含量11%(w/w)となるように調製したMCI試料であって、EGCGを含まない(対照)試料、EGCG/蛋白質比が0.06の試料(斜線模様のバ-)、およびEGCG/蛋白質比が0.10の試料(格子模様のバ-)について、液体調製後に0~63日間低温保存した時間の関数としてプロットしたものを示す。対照試料(黒いバ-)では、調べた時間経過全体にわたってMCI液の粘度が定常的かつ連続的に増加し、約14cPを開始点として35日後では95cP超まで増加したことがはっきりと示される。冷蔵温度保存の63日の時点において、ビ-カ-中で固化しており粘度測定が不可能であったため、それ以上の試料測定は不可能であった。
他方、ポリフェノ-ルを含む試料(斜線模様および格子模様のバ-)は非常に異なる挙動を示した。EGCG/蛋白質比が0.06の試料、および0.10の試料のいずれも、調べた全期間を通じて識別可能な粘度増加は示さなかった。試料の初期粘度はそれぞれ、5.19cPおよび4.72cPであり、おおよそ2か月の保存後には、僅か7.38cPおよび5.32cPに増加したのみであった。確かに63日後に対照試料が固化して測定不能となった場合でも、EGCG含有試料は依然として充分に液状であり、(実施例1に示すような)調製後30分間以内に測定した元々の粘度に非常に近い粘度であった。保存の場合には、やはりEGCG/蛋白質比が0.06および0.10である両方の試料においても、63日全期を通じて液体の粘度に大きな差異は認められず、両方の試料とも粘度は10cP未満の範囲であり、pH値はおおよそ6.7であった。
図6は、対照(EGCG非添加、黒いバ-)、EGCG/蛋白質比が0.06(斜線模様のバ-)、およびEGCG/蛋白質比が0.10(格子模様のバ-)の試料とともに、今回、蛋白質含量が12%(w/w)となるように調製したMCI試料を示す。図5に示される場合と正に同じように、対照試料の粘度は増加し、5日後に冷蔵庫から取り出した後に試料は非常に粘稠であり、流量計に注ぐことが可能となるまで室温でおおよそ1時間放置することが必要であった。実際のところ、冷蔵保存35日目には、この試料は既にゲルとなっていた。
やはりまた、上記の11%の蛋白質試料の場合に示されるのと正に同じように、ポリフェノ-ル類を含む両方の試料は依然として液状のままであり、冷蔵庫での保存期間全体を通じてほぼ一定のpHであった。その粘度はまた互いに非常に類似しており、常に10cP未満の粘度であったが、試料の測定温度(5℃)と高蛋白質含量(12%)を考慮に入れれば、これはまったく意外なことであった。
最後に、図7は、蛋白質含量が13%(w/w)になるように調製したMCI試料について、145s-1で測定した粘度を示している。この図には2種類の試料が示されており、一方は、EGCG/蛋白質比が0.01の試料であり、他方は、EGCG/蛋白質比が0.03の試料である。EGCG/蛋白質比が0.03の液状試料(水平方向の線)は、上記の2つの図と同様に、液体の粘度が、冷蔵庫温度で保存し、測定を行った45日間全体を通じて比較的一定に保たれることを示すものであった。最初の10日の間に、約7cP~約12cPの僅かな増加があるようだが、この期間の後には粘度がプラト-に達する。やはりまた、全く意外なことに、45日間の測定でこの試料はまったく液状であった。EGCG/蛋白質比が0.01の液状試料は、僅かに異なる挙動を示した。粘度に対する影響は、(実施例1、図4にも示されるような)EGCG/蛋白質比が0.03の試料ほど顕著ではなく、45日間全体を通じて粘度が増加した。今回も、最初の10日に最も大きな変化があり、10.5cPから23.9cPに変化した。45日後には、粘度が32.1cPに変化したが、これは変化速度が劇的に低下し、試料が依然として非常に良好に液状形態を保っていることを示すものであった。
結論
ポリフェノ-ル類の添加、例えば、EGCGをMCI液に添加することなどは、生産直後の該液体の粘度を単に低下させるのみならず、低温ゲル化および大幅な低温増粘化を防ぐことが可能であり、ポリフェノ-ルを添加していない試料が固体ゲルとなった後にも長期に試料が液状形態を保持することを、本実施例は実証するものである。本実施例は、高蛋白質MCI液に添加した場合にポリフェノ-ル類が有し得る効果であって、低温ゲル化に対する意外な安定化効果を示している。広い範囲のポリフェノ-ル濃度で、冷蔵温度でのゲル化が抑制された。
EGCGを用いて得られる効果が、構造的に関連する化合物:カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-トを、単独、組み合わせ、および/またはEGCGとの組み合わせを用いることでも得ることができることを、本発明者らは発見した。
実施例3:即時粘度に対する加熱温度の影響についての報告
目的
本実施例で報告する実験の目的は、蛋白質濃度が異なり、またEGCGポリフェノ-ルレベルが異なるMCI液の加熱温度が、生産直後のMCI液の粘度に与える影響を報告することであった。
材料
実施例3においても、実施例1の材料を用いた。
方法
液体の調製は、下に概説するプロセスを用いてパイロットプラント設備で実施した。
Figure 2024517958000004
簡単に説明すると、水を60℃に加熱して乾燥成分を添加した(工程1および2)。これらについては、対照試料の場合にMCI粉末のみから成るが、それいがいではMCIおよびポリフェノ-ル類(これもまた粉末形態である)から成り、最終蛋白質含量が14%(w/w)および最終EGCG/蛋白質比が0.06であった。これら混合物を混合してからホモジナイズし(工程4および5)、異なる温度に加熱して(工程6~9)、再びホモジナイズし(工程10~13)、最終的に瓶詰めを行った。
加熱後にポリフェノ-ルを添加した特定の1例では、MCIのみを含む試料の処理に関して工程9までは異同がなかったが、その後に、ポリフェノ-ルを添加し、ホモジナイズ工程は実験室において高圧ホモジナイザ-(Rannie、SPX Flow、米国)を600mPaで用いて5分間行った。次いで、その飲料を瓶詰めして、測定の準備が整うまで冷蔵庫に保存した。
加熱温度(工程2において、ポリフェノ-ル粉末をMCI粉末と共に添加した)は、110℃、125℃、および143℃(工程7)であった。加熱後にポリフェノ-ルを添加した場合(非加熱PP」試料とよぶ)には、MCIを143℃に加熱した。
粘度測定
粘度測定は、分析2にしたがい5℃で実施した。パイロットプラントでの生産完了から2時間以内に試料測定を行った。
結果
図8は、異なる処理工程を受けた5種類の試料について、剪断速度の関数として表した粘度流量曲線を示す。試料はいずれもpH値がおおよそ6.7であった。対照試料(丸)はMCIのみを含む液体に対応し、143℃に加熱した(表3.2に示すようなプロセス)。最高粘度は81cP~160cPの範囲であった(対照曲線のプロットでは右側のY軸を用いることに留意されたい)。143℃に加熱した試料であってEGCGを含む試料は、図8において長い破線を有する三角形で表されている。調べた全剪断速度において液体の粘度が劇的に低下した。剪断速度145s-1においては対照の139cPから13cPへと低下した。これは、粘度が1桁低下したことに相当する。まったく意外なことに、110℃に加熱した試料および125℃に加熱した試料であってEGCGをも含む試料(図8において、それぞれ菱形および×印)で同一の結果が得られた。これら3種類の試料(EGCGと共に加熱したMCIであって、143℃、125℃および110℃に加熱した試料)の間で、識別可能な差異はなかった。全粘度が、低剪断における14cPとより高い剪断速度における11cPとの間の範囲であった。加熱温度がEGCGの粘度抑制能に多大な影響を及ぼすことはないと考えられる。
点線と正方形で示されるような、加熱後にポリフェノ-ルを添加した(したがって、ポリフェノ-ルは加熱工程を経ていない)試料の場合に、EGCGが加熱された試料と同一範囲において、同様の粘度低下が観察された。これは、対照よりも充分低いものであった。これは全く予想外のことであり、蛋白質と共に加熱処理を受けていない場合であっても、ポリフェノ-ルは粘度を制御可能であると考えられる。
結論
本実施例は、一連の異なる処理温度で粉末から調製されるMCI液にポリフェノ-ルを添加することによって、生産直後の液体の粘度を低下させることが可能であったことを実証するものである。まったく意外なことに、試料の加熱温度は、液体の体積粘性率に影響を与えないようであった。さらに、加熱後にポリフェノ-ル類を添加した場合であっても、すなわち、ポリフェノ-ル類が加熱工程を経なかった場合であっても、試料の粘度は、EGCGが加熱工程を経た場合の試料に非常に類似したものとなった。加熱プロセス後に添加した場合であっても、あるいは加熱処理を行わなかったとしても、ポリフェノ-ルは高蛋白質液を安定化させることが可能であった。
EGCGを用いて得られる効果が、構造的に関連する化合物:カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-トを、単独、組み合わせ、および/またはEGCGとの組み合わせを用いることでも得ることができることを、本発明者らは発見した。
実施例4:加熱温度が冷蔵保存後の粘度に与える影響についての報告
目的
本実施例で報告する実験の目的は、実施例3において調製され、提示されるMCIを基盤とする液体の一部について、冷蔵温度でより長期間保存した場合の粘度発生を調べることであった。
材料と方法
調製後に、瓶詰め液体を約3℃の冷蔵庫内で保存した。130日間保存した後、試料を冷蔵庫から取り出して、必要量の試料(約4mL)を流量計内に入れ、分析2にしたがい5℃で粘度流量試験を行った。
結果
図9は、剪断速度145s-1における異なる試料の粘度を示す。黒いバ-は液体の調製直後(時間0)に測定した粘度に対応する。一方、格子模様のバ-は冷蔵温度で130日間保存した後に測定した粘度に対応する。実施例3において既に観察しているように、ポリフェノ-ルを添加していない対照試料は、「時間0の粘度」がポリフェノ-ルを含む試料に対応する粘度よりもはるかに高かった。これら試料の調製に用いた加熱温度にかかわらず、これら全試料が非常に類似した初期粘度を有している。130日間の保存後に、対照試料は固体ゲルとなり、粘度測定が不可能であった。他方、EGCGを含む試料は、全試料が依然として液状であり、試料を加熱した温度にかかわらず、その粘度は16.7cP~21.4cPの範囲であり、pHはおおよそ6.7であった。加熱工程後にEGCGを添加した試料であって、EGCGがまったく加熱を受けていない試料であっても、保存安定性は保たれていた。
結論
ポリフェノ-ルを添加したMCI液の調製における加熱温度は、液体の冷蔵保存後の粘度発生に影響を与えないと思われることを、本実施例は示している。さらに、加熱後にポリフェノ-ル類を添加した場合であっても、試料は2か月超の保存後に依然として液状であった。
EGCGを用いて得られる効果が、構造的に関連する化合物:カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-トを、単独、組み合わせ、および/またはEGCGとの組み合わせを用いることでも得ることができることを、本発明者らは発見した。
実施例5:MPCを基盤とする液体の粘度に対するポリフェノ-ル類添加の影響についての報告
目的
本実施例で報告する実験の目的は、乳粉末濃縮物MPCから作成される高蛋白質液の体積粘性率に対するポリフェノ-ルEGCG添加の影響を報告することであった。
材料
実施例1の材料に加えて、乳蛋白質濃縮物(MPC)粉末(Fromaquik A 86/5、総蛋白質82%、乳糖2.5%、脂肪2.0%、カゼインと乳清蛋白質の比率がおおよそ80:20、および総蛋白質を基準としたミセル状カゼイン含量がおおよそ80%)を用いた。
方法
実施例1に記載の方法論で試料を調製した。これは、蛋白質含量が14%(w/w)でEGCG/蛋白質比が0.06のMCI液ならびに蛋白質含量が14%(w/w)で、かつEGCG非含有、あるいはEGCG/蛋白質比が0.06、のいずれかであるMPC液を含むものであった。
分析2に記載の方法論にしたがい5℃で粘度測定を行った。
結果
図10は、MPCを基盤とする2種類の液体、すなわち、EGCG/蛋白質比が0.06である液体(白丸)およびEGCG不含の液体(黒丸)の結果を示す。この図はまた、MPCを基盤とする、EGCG/蛋白質比が0.06の液体(黒色三角形)に関して得られた結果をも示している。
紛れもなくEGCGが高蛋白質MPC液の粘度を低下させることは、この図から非常に明白である。その低下は非常に劇的であり、145s-1において約41.8cP(対照)から15.2cP(EGCG/蛋白質比が0.06)へと低下したのである。
結論
本実施例の結果は、EGCGの存在によって、生産直後のMPCを基盤とする液体の粘度もまた低下することを明確に示すものであった。さらに、この低下を、MCI液に関して得られた低下と比較した場合には、ポリフェノ-ル類によってある程度類似した粘度低下を示すようであった。
EGCGを用いて得られる効果が、構造的に関連する化合物:カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-トを、単独、組み合わせ、および/またはEGCGとの組み合わせを用いることでも得ることができることを、本発明者らは発見した。
実施例6:加熱処理高蛋白質栄養性液状物ならびにその即時粘度および長期粘度
目的
本実施例で報告する実験の目的は、12~20%w/wの濃度の蛋白質を含む栄養性液状物を6か月保存した後の粘度低下および低温ゲル化/増粘化傾向の低下を報告することであった。
材料と方法
以下の材料を用いて加熱処理した異なる複数の高蛋白質栄養性液状物を調製した。
・ 表6.1の化学組成を有するMCI粉末
・ 表6.1の化学組成を有する乳蛋白質濃縮物粉末MPC:商品名、Fromaquik A 86/5(フェアフィ-ルド、スイス)
・ Taiyo GmbH(シュウェルム、ドイツ)から購入した純度94%超のEGCG粉末(商品名Sunphenon EGCg)
・ アジ化ナトリウムNaN(Merck、ダルムシュタット、ドイツ)
・ 水
Figure 2024517958000005
該栄養性液状物の調製に用いた3種類の異なる調製法
ケ-スA:対照栄養性液状物の調製
ケ-スB:加熱処理後にEGCGを添加した栄養性液状物の調製
ケ-スC:加熱処理前にEGCGを添加した栄養性液状物の調製
ケ-スA:対照栄養性液状物
最終総蛋白質濃度が12%、15%、18%、または20%(w/w)となるように、室温で適切な量のMCI粉末またはMPC粉末を水に添加した。速度設定4(19,000 1/分)のUltra Turrex T25(IKA Labortechnik、シュタウフェン、ドイツ)を用いて、該栄養性液状物を5分間混合した。次いで、高圧ホモジナイザ-(Rannie、SPX Flow、米国)を用い、250MPaで10分間この混合物をホモジナイズした。この時点で、HT122ベンチトップUHT(OMVE Netherlands B. V.、デ・メ-ルン、オランダ)を用いて回収した試料のUHT処理(超高温処理)を実施した。表6.2に用いた設定を示す。
Figure 2024517958000006
UHT処理後、アジ化ナトリウムを0.02%(w/w)の濃度で添加した。この時点で、第1のホモジナイズに用いた設定と同一の設定にて試料を再度ホモジナイズした。最終的に、試料を滅菌プラスチックボトルに注ぎ、蓋をして、さらなる使用まで冷蔵庫に保存した。このケ-ス(ケ-スA)では、対照試料なのでポリフェノ-ルは使用しなかった。
ケ-スB:UHT-後処理
このケ-スでは、プロセスの最初の段階で蛋白質粉末と共に必要量のポリフェノ-ルを添加し、蛋白質およびポリフェノ-ルの両方をホモジナイズし、一緒にUHT処理(超高温処理)した。処理のその他の部分は上記のケ-スAと全く同一の方法論にしたがうものである。ケ-スBは、ポリフェノ-ル添加後にUHT(超高温処理)プロセスを行ったものである。
ケ-スC:UHT-前処理
本処理はケ-スAに記載される方法で行ったが、UHT処理(超高温処理)後に可能な限り素早く該栄養性液状物をパイロットホ-ルの実験室に戻し、EGCG粉末をNaNと共に添加した後、第2のホモジナイズ工程を実施してから瓶詰めを行った。これは、EGCGがUHT(超高温処理)プロセスを全く経ていないことを意味している。細菌学的な観点からすると、これは非許容であることは明白であるが、本実施の目的は、加熱が蛋白質/EGCG混合物の安定性に影響を与えるか否か、または単純にポリフェノ-ル類の存在によって安定性が変化するか否かを判定することであった。
実験設計
表6.3に、本実施例において試験したEGCG/蛋白質の組み合わせを示している。ポリフェノ-ル添加後にUHTを実施した(蛋白質と共にポリフェノ-ル類を加熱したケ-スB)場合とEGCG添加前にUHTを実施した(EGCGを全くUHT処理していないケ-スC)場合の2設定の実験を示す。特定実験の反復回数もまた記載されている。ポリフェノ-ル濃度は、総蛋白質g当たりのポリフェノ-ルgで表しているが、蛋白質濃度は、該栄養性液状物の重量に対して相対的な総蛋白質のパ-セントで表していることに留意されたい。
Figure 2024517958000007
分析
該栄養性液状物のpHは、瓶詰め工程の直前に分析6にしたがって測定し、冷蔵下での3か月保存および6か月保存後にさらに測定した。
分析2による該栄養性液状物の粘度測定を、調製から30分後、およびさらに冷蔵下での保存1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、6週間後、10週間後、12週間後、および24週間後に実施した。
結果
pH
該栄養性液状物のpHは、ケ-スBの液体およびケ-スCの液体の両方において、実験経過中は6.5~7.0の範囲、および典型的には6.6~7.0の範囲であった。
粘度
上記の実施例に見られるように、EGCGの添加によって、生産直後の該栄養性液状物およびその後の5℃での保存中の両方で有意な粘度低下が起こった。この効果は、ケ-スBおよびケ-スCの栄養性液状物の両方において観察された。
図11および12は、MCIを基盤とする栄養性液状物およびMPCを基盤とする栄養性液状物の生産直後の粘度変化を示している。より高い蛋白質濃度において粘度の低下はより顕著であり、さらにまた、EGCGを予め添加していない場合には、(用いた設備において)18%および20%の蛋白質の加熱処理液体を生産することは実現不可能であったことを、本発明者らは認識している。
図13および14は、MCIを基盤とする栄養性液状物およびMPCを基盤とする栄養性液状物の冷蔵下(5℃)で6か月保存後の粘度変化を示している。保存中に有意な低温増粘化/ゲル化が観察され、低温増粘化/ゲル化の傾向は蛋白質含量と共に増加した。しかし、液体がEGCGを含む場合には、粘度が急低下し、したがって低温増粘化/ゲル化レベルが急低下する。また、その低下は蛋白質濃度がより高い場合により顕著であることもまた、本発明者らは認識している。図13および14から直接理解することは困難ではあるが、12%の蛋白質を含む液体であっても、EGCG添加は有意な影響を与えたのであった。EGCG/蛋白質比がちょうど0.005の場合に、12%MCIの栄養性液状物の6か月保存後の粘度は約220cPから約120cPに低下した。また、12%MPCの栄養性液状物の6か月保存後の粘度は約160cPから約110cPに低下した。
結論
好適な量のカテキン化合物を用いることによって、12%、15%w/w、18%w/w、および20%w/wの蛋白質を含むUHT処理栄養性液状物を容易に生産可能であることを実証した。カテキンの添加によって、これら栄養性液状物における低温増粘化/ゲル化の発生は有意に低下し、あるいは発生が回避された。さらに、加熱処理直後の液体粘度が有意に低下した。
実施例7:カゼイン塩含有加熱処理高蛋白質栄養性液状物ならびにその即時粘度および長期粘度
目的
本実施例で報告する実験の目的は、15%w/w濃度の蛋白質を含み、カゼイン酸ナトリウム、ミセル状カゼイン、および乳清蛋白質を含む栄養性液状物の即時粘度および低温ゲル化/増粘化の傾向に対するカテキン化合物添加の影響を調べることであった。
材料と方法
以下の材料を用いて7種類の加熱処理高蛋白質栄養性液状物を調製した:
・ 表7.1の化学組成を有する乳蛋白質濃縮物粉末MPC:商品名、Fromaquik A 86/5(フェアフィ-ルド、スイス)
・ カゼイン酸ナトリウムNaCas(ネスレ、スイス)
・ Taiyo GmbH(シュウェルム、ドイツ)から購入した純度94%超のEGCG粉末(商品名Sunphenon EGCg)
・ アジ化ナトリウムNaN(Merck、ダルムシュタット、ドイツ)
・ 水
Figure 2024517958000008
表7.2に概説するような方法で、実施例1に記載の方法(ただし、以下の例外を含む)にしたがい、加熱処理栄養性液状物の試料を調製した:
・ 250MPaで5分間の第2ホモジナイズを実施した
・ 第1ホモジナイズの前に直接的に全粉末を水と混合することによって、試料1~3および5~7を調製した
・ 試料2における初期の高粘度およびその後の低温増粘化/ゲル化を防ぐ目的で試料4を調製した。これは、予めMPC、EGCGおよび水を混合し、次いで、第1ホモジナイズの前にNaCasを添加することによって調製した
Figure 2024517958000009

「Ctrl」は対照を意味する。即時粘度は、該栄養性液状物を生産した直後の粘度である。
分析
瓶詰め工程の直前、さらに冷蔵下で4週間の保存後に、該栄養性液状物のpHを、分析6にしたがって測定した。
調製から30分後、さらに冷蔵下(5℃)で4週間の保存後に、分析2による該栄養性液状物の粘度測定を実施した。
結果
pH
栄養性液状物の加熱処理後の即時pHは、6.6~7.0の範囲(表7.2を参照のこと)であり、4週間の保存後であっても、有意なpH変化は観察されなかった。
粘度
粘度測定結果のまとめを表7.2に示す。
試料1(カテキン化合物不含対照)の即時粘度は580cPであった。また、保存時に急速なゲル化が起こった。
カテキン化合物:蛋白質の比が0.03の試料2は、意外なことに対照よりも粘度が高く(790cP)、さらに冷蔵によってゲル化した。
本発明者は、試料2に関連して観察される粘度の問題は、カテキン化合物についてのミセル状カゼインとカゼイン塩との間の競合に関係しているのであろうと考えた。そこで本発明者は、液状混合物の調製について別法を考案し、これによって試料2に関連して観察される粘度の問題を解決可能であるか否かを調べた。この代替的方法では、MPC(ミセル状カゼインの供給源)、EGCG粉末、および水を最初に混合して、カゼイン塩の干渉なしに、EGCG粉末のカテキン化合物がミセル状カゼインと相互作用することを可能にした。その後、NaCasを添加した。得られた試料(試料4)の即時粘度は、試料2よりも有意に低く(僅か107cP)、冷蔵下で4週間の保存後も液状を保っていた。
カテキン化合物:蛋白質比が0.06である試料3は、試料1および試料2よりも粘度が有意に低く(50cP)、長期冷蔵中にも液状を保ち、4週間後における粘度は120cPであった。試料3は、MPC、カゼイン塩、EGCG粉末、および水を直接混合することにより生産され、カテキン化合物含量が総蛋白質に対して充分高い場合には、蛋白質供給源と水およびカテキン化合物供給源の直接混合によって、低粘度となり低温ゲル化を防ぐことが可能であることを示すものである。
試料1~3、および4に対するカゼイン塩不含参照として試料5~7を含めた。その結果、明らかに即時粘度が大幅に低下し、また冷蔵中の増粘化またはゲル化傾向が軽減した。
結論
カテキン化合物添加を用いることによって、カゼイン塩、ミセル状カゼイン、および乳清蛋白質の組み合わせ、および少なくとも10%の総蛋白質を含む加熱処理高蛋白質栄養性液状物を容易に生産することが可能であることが実証された。カテキン化合物の添加によって、これらの栄養性液状物における低温増粘化/ゲル化の発生が、有意に低下した、あるいは回避された。さらに、加熱処理直後の液体の粘度が有意に低下した。
さらに、該栄養性液状物におけるカゼイン塩の使用が、該栄養性液状物の全体的な粘度を(カゼイン塩を用いない場合と比較して)増加させ、10℃未満の温度における増粘化またはゲル化の傾向を増強することを、本発明者は発見した。
さらに、カテキン化合物についてカゼイン塩はミセル状カゼインと競合すると考えられ、特に、最終栄養性液状物において相当量のカゼイン塩用いた場合に、カゼイン塩添加前の水性液体において、ミセル状カゼインおよびカテキン化合物が有利に混合し得ることを、本発明者は発見した。
EGCGを用いて得られる効果が、構造的に関連する化合物:カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-トを、単独、組み合わせ、および/またはEGCGとの組み合わせを用いることでも得ることができることを、本発明者らは発見した。

Claims (25)

  1. pHが6~8の範囲である栄養性液状物であって:
    ・ 10~25%w/wの総蛋白質含量、
    ・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量、および好ましくは総蛋白質に対して50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼイン、および
    ・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-ト、ガロカテキン3-ガレ-ト、およびエピガロカテキン3-ガレ-トのうちの1種類以上、
    を含み、
    およびここで該栄養性液状物において:
    ・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-ト、ガロカテキン3-ガレ-ト、およびエピガロカテキン3-ガレ-トの総量、および
    ・ 総蛋白質
    の間の重量比が、0.001~0.2の範囲である、栄養性液状物。
  2. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、総蛋白質を基準として50~69%w/w、さらにより好ましくは総蛋白質を基準として51~68%w/w、および最も好ましくは52~67%w/wの量のミセル状カゼインを含む、栄養性液状物。
  3. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物がミセル状カゼインおよび乳清蛋白質を含み、およびここで該ミセル状カゼインと該乳清蛋白質を組み合わせた含量が、総蛋白質を基準として、少なくとも85%w/w、より好ましくは少なくとも88%w/w、さらにより好ましくは少なくとも90%w/w、および最も好ましくは少なくとも95%w/wの量である、栄養性液状物。
  4. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、総蛋白質を基準として、20~50%w/w、より好ましくは25~45%w/w、さらにより好ましくは30~40%w/w、および最も好ましくは25~35%w/wの量の乳清蛋白質を含む、栄養性液状物。
  5. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、
    該栄養性液状物が:
    ・総蛋白質を基準として、50~69%w/w、より好ましくは51~65%w/w、さらにより好ましくは52~60%w/w、および最も好ましくは53~60%w/wの量のミセル状カゼイン、および
    ・ 総蛋白質を基準として、20~50%w/w、より好ましくは25~45%w/w、さらにより好ましくは30~40%w/w、および最も好ましくは25~35%w/wの量の乳清蛋白質、
    を含む、栄養性液状物。
  6. 請求項1~4のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、該栄養性液状物が:
    ・ 総蛋白質を基準として、50~90%w/w、より好ましくは50~80%w/wの、さらにより好ましくは50~70%w/w、および最も好ましくは50~75%w/wの量のミセル状カゼイン、および
    ・ 総蛋白質を基準として1~40%w/w、より好ましくは1~30%w/w、さらにより好ましくは1~20%w/w、および最も好ましくは1~10%w/wの量のカゼイン塩、
    を含む、栄養性液状物。
  7. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物において:
    ・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-ト、ガロカテキン3-ガレ-ト、およびエピガロカテキン3-ガレ-トの総量、および
    ・ 総蛋白質
    の間の重量比が0.005~0.2、より好ましくは0.01~0.2の範囲である、栄養性液状物。
  8. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、ここで蛋白質の総量が、10~24%w/w、より好ましくは10~22%w/w、さらにより好ましくは12~21%w/w、および最も好ましくは14~20%w/wの範囲である、栄養性液状物。
  9. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、総蛋白質を基準として、70~84%w/w、より好ましくは総蛋白質を基準として75~83%w/wの量のミセル状カゼインを含む、栄養性液状物。
  10. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、総蛋白質を基準として、85~99%w/w、より好ましくは90~98%w/w、さらにより好ましくは総蛋白質を基準として、93~97%w/w、および最も好ましくは95~96%w/wの量のミセル状カゼインを含む、栄養性液状物。
  11. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物の蛋白質が乳蛋白質である、栄養性液状物。
  12. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、1~3kcal/g、より好ましくは1.5~3.0kcal/g、およびさらにより好ましくは2.0~2.8kcal/gのエネルギ-含量を有する、栄養性液状物。
  13. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、最大で1kcal/g、より好ましくは最大で0.8kcal/g、およびさらにより好ましくは最大で0.5kcal/gのエネルギ-含量を有する、栄養性液状物。
  14. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、pHが6.0~8.0、より好ましくは6.2~7.5、さらにより好ましくは6.4~7.1、および最も好ましくは6.5~7.0の範囲である、栄養性液状物。
  15. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物が加熱処理栄養性液状物である、栄養性液状物。
  16. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物が滅菌済みであり、好ましくはパッケ-ジ化された滅菌栄養性液状物である、栄養性液状物。
  17. 前記請求項のいずれかにしたがう栄養性液状物であって、ここで該栄養性液状物が、加熱滅菌栄養性液状物、好ましくはパッケ-ジ化された加熱滅菌栄養性液状物である、栄養性液状物。
  18. 請求項1~17のいずれか1項以上にしたがう栄養性液状物の固形物および最大で10%w/wの量の水を含む栄養性粉末であって、好ましくは、請求項1~17のいずれか1項以上にしたがう栄養性液状物を乾燥させること、例えば、噴霧乾燥または凍結乾燥によって取得可能な、栄養性粉末。
  19. 栄養性液状物を生産する方法であって、該方法が:
    (a)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-ト、ガロカテキン3-ガレ-ト、およびエピガロカテキン3-ガレ-トのうちの1種類以上を含むポリフェノ-ル供給源、乳蛋白質源および任意選択的にその他の成分を組み合わせることによって、液状混合物を生成させる工程、
    ここで該液状混合物が:
    ・ 10~25%w/wの総蛋白質含量、
    ・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量、好ましくは総蛋白質に対して50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼイン、および
    ・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-ト、ガロカテキン3-ガレ-ト、およびエピガロカテキン3-ガレ-トのうちの1種類以上、
    を含み、
    およびここで該液状混合物において:
    ・ カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-ト、ガロカテキン3-ガレ-ト、およびエピガロカテキン3-ガレ-トの総量、および
    ・ 総蛋白質
    の間の重量比が0.001~0.2の範囲であり、
    (b)任意選択的に、好適な容器に該液状混合物を充填する工程、
    を含む方法。
  20. 請求項19にしたがう方法であって、充填工程(b)を含む、方法。
  21. 請求項19~20のいずれかにしたがう方法であって、ここで該液状混合物が加熱処理される、方法。
  22. 請求項19~21のいずれかにしたがう方法であって、ここで充填前に該液状混合物が加熱処理、好ましくは滅菌加熱処理される、方法。
  23. 請求項19~22のいずれかにしたがう方法であって、ここで容器に充填した後に、該液状混合物が加熱処理、好ましくは滅菌加熱処理される、方法。
  24. 請求項19~23のいずれかにしたがう方法であって、ここで該液状混合物が滅菌済みであり、該供給源を含む2種類以上の滅菌組成物、および該液状混合物の任意選択的成分を無菌的に混合することにより該液状混合物を作成する、方法。
  25. カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン3-ガレ-ト、エピカテキン3-ガレ-ト、ガロカテキン3-ガレ-ト、およびエピガロカテキン3-ガレ-トのうちの1種類以上の用途であって、その目的が:
    ・ 低温ゲル化を軽減または防止すること、
    ・ 低温増粘化を軽減または防止すること、および/または
    ・ 以下の栄養性液状物の粘度を、好ましくは滅菌加熱処理直後に低下させること、
    ここで該栄養性液状物のpHが6~8の範囲であり、かつ
    該栄養性液状物が:
    ・ 少なくとも10%w/wの量の蛋白質、および
    ・ 総蛋白質に対して少なくとも50%w/wの量のミセル状カゼイン、好ましくは総蛋白質に対して50%~70%w/w未満の量のミセル状カゼイン、
    を含む、用途。

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