JP2024515597A - ムスカリン性アセチルコリンm1受容体アンタゴニストの結晶性化合物 - Google Patents

ムスカリン性アセチルコリンm1受容体アンタゴニストの結晶性化合物 Download PDF

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Abstract

本明細書で開示されるのは、特に、mAChR M1アンタゴニストの結晶性化合物、その医薬組成物、及び治療方法である。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年4月13日出願の米国仮出願第63/174,415号の優先権を主張する。
(技術分野)
本明細書で開示されるのは、特に、mAChR Mアンタゴニストの結晶性化合物、その医薬組成物、及び治療方法である。
ヒトムスカリン性アセチルコリン受容体M(mAChR M)は、CHRM1遺伝子によってコードされる479個のアミノ酸のタンパク質である。mAChR Mは、ムスカリン性アセチルコリン受容体のファミリーの5つのメンバー(M~M)のうちの1つであり、これらは、身体全体にわたって広く発現され、認知、感覚、運動、及び自律神経機能において変動する役割を有する。M mAChRは、中枢神経系及び末梢神経系の両方において、特に大脳皮質及び交感神経節において見出される。発作活性及び運動制御におけるmAChR Mの役割に基づいて、高度に選択的なmAChR Mアンタゴニストは、いくつかのてんかん障害、並びにパーキンソン病、ジストニア、及び脆弱X症候群を含むある特定の運動障害の治療において潜在的有用性を有し得る。更に、mAChR M受容体は、オリゴデンドロサイト前駆細胞(oligodendrocyte precursor cell、OPC)において発現されることが見出されており、これは、それらの天然リガンドアセチルコリンによって活性化されると、OPCのオリゴデンドロサイトへの分化を防止する。髄鞘再形成プロセスにおいてオリゴデンドロサイトが果たす重要な役割を考慮すると、高度に選択的なmAChR Mアンタゴニストはまた、多発性硬化症及び糖尿病性ニューロパチーなどの脱髄疾患の治療において潜在的有用性を有することが期待されている。
提供されるのは、とりわけ、結晶性化合物、結晶性化合物を含む医薬組成物、及びそれを使用する治療方法である。
一態様では、提供されるのは、
13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、及び21.2±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする、上式を有する結晶性化合物である。
実施形態では、化合物は、6.7±0.15° 2θに、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、及び24.1±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする。
実施形態では、化合物は、6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする。
実施形態では、化合物は、6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、16.6±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.4±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、26.3±0.15° 2θ、26.6±0.15° 2θ、27.0±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする。
実施形態では、化合物は、示差走査熱量測定で、約110~120℃の温度で吸熱開始するものとして更に特徴づけられる。実施形態では、化合物は、示差走査熱量測定で、約117℃で吸熱開始するものとして更に特徴づけられる。
一態様では、提供されるのは、本明細書に記載の結晶性化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物である。
一態様では、提供されるのは、神経変性障害の治療方法であって、それを必要とする対象においてそれを行う、方法である。方法は、治療有効量の本明細書に記載の結晶性化合物を対象に投与することを含む。
実施形態では、方法は、1つ又は2つ以上の免疫調節剤の投与を更に含む。
実施形態では、1つ又は2つ以上の免疫調節剤は、IFN-β1分子;コルチコステロイド;グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマー;アルファ-4インテグリンに対する抗体若しくはその断片、又はナタリズマブ;アントラセンジオン分子又はミトキサントロン;フィンゴリモド、又はFTY720、又は他のS1P1機能調節因子;フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子;T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)に対する抗体、又はダクリズマブ;CD52に対する抗体、又はアレムツズマブ;CD20に対する抗体、又はオクレリズマブ;並びにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害因子、又はテリフルノミドから選択される。
一態様では、提供されるのは、脱髄疾患の治療方法であって、それを必要とする対象においてそれを行う、方法である。方法は、治療有効量の本明細書に記載の結晶性化合物を対象に投与することを含む。
実施形態では、脱髄疾患は、中枢神経系の脱髄疾患である。
実施形態では、脱髄疾患は、多発性硬化症である。
実施形態では、脱髄疾患は、末梢神経系の脱髄疾患である。
実施形態では、方法は、1つ又は2つ以上の免疫調節剤の投与を更に含む。
実施形態では、1つ又は2つ以上の免疫調節剤は、IFN-β1分子;コルチコステロイド;グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマー;アルファ-4インテグリンに対する抗体若しくはその断片、又はナタリズマブ;アントラセンジオン分子又はミトキサントロン;フィンゴリモド、又はFTY720、又は他のS1P1機能調節因子;フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子;T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)に対する抗体、又はダクリズマブ;CD52に対する抗体、又はアレムツズマブ;CD20に対する抗体、又はオクレリズマブ;並びにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害因子、又はテリフルノミドから選択される。
一態様では、提供されるのは、ニューロパチー疾患、任意選択的に末梢ニューロパチーの治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に記載の結晶性化合物を対象に投与することを含む、方法である。
実施形態では、ニューロパチー疾患は、糖尿病性ニューロパチーである。
実施形態では、方法は、1つ又は2つ以上の免疫調節剤の投与を更に含む。
実施形態では、1つ又は2つ以上の免疫調節剤は、IFN-β1分子;コルチコステロイド;グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマー;アルファ-4インテグリンに対する抗体若しくはその断片、又はナタリズマブ;アントラセンジオン分子又はミトキサントロン;フィンゴリモド、又はFTY720、又は他のS1P1機能調節因子;フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子;T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)に対する抗体、又はダクリズマブ;CD52に対する抗体、又はアレムツズマブ;CD20に対する抗体、又はオクレリズマブ;並びにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害因子、又はテリフルノミドから選択される。
一態様では、提供されるのは、対象におけるムスカリン性アセチルコリン受容体M活性を調節する方法であって、本明細書に記載の結晶性化合物を対象に投与することを含む、方法である。
実施形態では、化合物は、選択的Mアンタゴニストとして作用する。
本発明の他の態様を、以下に開示する。
結晶性6-((1R,5S)-3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルのXRPDパターンを示す。 結晶性化合物のTGA/DSC曲線を示す。 結晶性化合物のサイクル-DSC曲線を示す。 加熱前後の結晶性化合物のXRPD重ね合わせを示す。 結晶性化合物のHPLCクロマトグラムを示す。 結晶性化合物のPLM画像を示す。 化合物の多形スクリーニングで得られた単結晶のPLM画像を示す。 単結晶試料のXRPD重ね合わせを示す。 SGF、FeSSIF、FaSSIF、及び水中の結晶性化合物の速度論的可溶性評価の図を示す。 SGF及びHO中の結晶性化合物のXRPD重ね合わせを示す。 FaSSIF及びFeSSIF中の結晶性化合物のXRPD重ね合わせを示す。 安定性研究前後の結晶性化合物のHPLCクロマトグラム重ね合わせを示す。 安定性研究前後の結晶性化合物のXRPD重ね合わせを示す。 結晶性化合物のDVSプロットを示す。 DVS前後の結晶性化合物のXRPD重ね合わせを示す。 様々な再結晶化試料のXRPD重ね合わせを示す。 粉砕実験前後の結晶性化合物のXRPD重ね合わせを示す。
発明の詳細な説明
定義
本明細書で使用される略語は、化学及び生物学の分野におけるそれらの従来の意味を有する。本明細書に記載の化学構造及び式は、化学分野において既知の化学原子価の標準的な規則に従って構築されている。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、指定された値を含む値の範囲を意味し、当業者は、合理的に、指定された値に同様であるとみなすであろう。実施形態では、「約」は、当該分野において一般に許容される測定値を使用した標準偏差内を意味する。実施形態では、「約」は、指定された値の+/-10%に及ぶ範囲を意味する。実施形態では、「約」は、指定された値を含む(例えば、±0.10、±0.15、±0.20、又は±0.25)。
「多形」という用語は、その通常の意味に従って使用され、化合物の結晶性形態を指す。
本明細書で使用される場合、「結晶性」又は「結晶性状態」又は「結晶性形態」という用語は、原子、イオン、分子、又は分子集合体の規則的な三次元配列である物理的状態を有することを意味する。結晶性状態は、明確に定義された対称性に従って、三次元で繰り返される単位胞へと配列されたビルディングブロックの格子配列を有する。対照的に、「非晶質」又は「非晶質状態」又は「非晶質形態」という用語は、非結晶性固体状態を指す。化合物の物理的状態は、X線粉末回折、偏光顕微鏡法、及び/又は示差走査熱量測定などの技法によって決定することができる。
本明細書に記載の化合物、塩形態、結晶多形、治療剤、又は他の組成物は、図に「実質的に示される」グラフデータによって特徴づけられているものとして言及され得る。そのようなデータとしては、限定されないが、なかでも、X線粉末回折スペクトル、NMRスペクトル、示差走査熱量測定曲線、及び熱重量分析曲線を挙げることができる。当該分野で既知であるように、そのようなグラフデータは、化合物、塩形態、結晶多形、治療剤、又は他の組成物を更に定義するための更なる技術的情報を提供し得る。当業者によって理解されるように、データのそのようなグラフ表示は、機器応答の変動並びに試料濃度及び純度の変動などの要因に起因して、例えば、ピーク相対強度及びピーク位置において、小さな変動を受け得る。
置換基が、左から右に書かれているそれらの従来の化学式によって指定される場合、構造を右から左に書くことから生じる化学的に同一の置換基を等しく包含し、例えば、-CHOは、-OCH-と等価である。
特に記載されない限り、本明細書に示される構造はまた、その構造の全ての立体化学形態、すなわち、各不斉中心に対するR及びS配置を含むことを意味する。したがって、本化合物の単一の立体化学異性体並びにエナンチオマー及びジアステレオマー混合物は、本開示の範囲内である。
「薬学的に許容される賦形剤」及び「薬学的に許容される担体」は、対象への活性剤の投与及び対象による吸収を補助し、患者に対して顕著に有害な毒性学的影響を引き起こすことなく本発明の組成物中に含めることができる物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、通常の生理食塩水、乳酸リンゲル液、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング、甘味料、香味料、塩溶液(リンゲル液など)、アルコール、油、ゼラチン、ラクトース、アミロース、又はデンプンなどの炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、及び着色料などが挙げられる。そのような調製物は、滅菌され得、望ましい場合、本発明の化合物と有害に反応しない、滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝液、着色剤、及び/又は芳香物質などの補助剤と混合され得る。当業者は、他の薬学的賦形剤が本発明において有用であることを認識するであろう。
「調製物」という用語は、他の担体を伴うか又は伴わない活性構成成分が、担体によって取り囲まれ、したがって活性構成成分と会合しているカプセルを担体が提供するカプセル化材料とともに、活性化合物の製剤を含むことが意図される。同様に、カシェ及びロゼンジが挙げられる。錠剤、粉末、カプセル、丸剤、カシェ、及びロゼンジは、経口投与に好適な固体剤形として使用され得る。
本明細書で使用される場合、「投与すること」という用語は、その平易かつ通常の会議に従って使用され、対象への経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、病巣内、髄腔内、頭蓋内、鼻腔内、若しくは皮下投与、又は徐放デバイス、例えば、ミニ浸透圧ポンプのインプラントが挙げられる。投与は、非経口及び経粘膜(例えば、口腔、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、又は経皮)を含む任意の経路による。非経口投与としては、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、及び頭蓋内が挙げられる。他の送達モードとしては、限定されないが、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が挙げられる。「同時投与する」とは、本明細書に記載の組成物が、1つ又は2つ以上の追加の療法の投与と同時に、その直前に、又はその直後に投与されることを意味する。本発明の化合物は、単独で投与され得るか、又は患者に同時投与され得る。同時投与は、化合物を個々に又は組み合わせて(2つ以上の化合物又は薬剤)、同時に又は連続して投与することを含むことを意味する。したがって、調製物はまた、望ましい場合、(例えば、代謝分解を低減する)他の活性物質と組み合わせられ得る。アプリケータスティック、溶液、懸濁液、エマルション、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、ペイント、粉末、及びエアロゾルとして製剤化された本発明の組成物は、局所経路によって経皮送達され得る。経口調製物としては、患者による摂取に好適な錠剤、丸剤、粉末、糖衣錠、カプセル、液体、ロゼンジ、カシェ、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などが挙げられる。固体形態調製物としては、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、カシェ、坐剤、及び分散性顆粒が挙げられる。液体形態製剤としては、溶液、懸濁液、及びエマルション、例えば、水又は水/プロピレングリコール溶液が挙げられる。加えて、本発明の組成物は、持続放出及び/又は快適性を提供するための構成成分を含み得る。そのような構成成分としては、高分子量のアニオン性粘液模倣ポリマー、ゲル化多糖類、及び微粉化薬物担体基剤が挙げられる。これらの構成成分は、米国特許第4,911,920号、同第5,403,841号、同第5,212,162号、及び同第4,861,760号に非常に詳細に論じられている。これらの特許の全内容は、全ての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の組成物はまた、体内での徐放のためにミクロスフィアとして送達され得る。例えば、ミクロスフィアは、皮下にゆっくりと放出される薬物含有ミクロスフィアの皮内注射を介して(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7:623-645,1995を参照されたい)、生分解性かつ注射可能なゲル製剤として(例えば、Gao Pharm.Res.12:857-863,1995を参照されたい)、又は、経口投与のためのミクロスフィアとして(例えば、Eyles,J.Pharm.Pharmacol.49:669-674,1997を参照されたい)投与され得る。別の実施形態では、本発明の組成物の製剤は、細胞膜と融合するか、又はエンドサイトーシスされるリポソームの使用によって、すなわち、細胞の表面膜タンパク質受容体に結合してエンドサイトーシスを生じるリポソームに結合した、受容体リガンドを用いることによって送達され得る。特に、リポソーム表面が標的細胞に特異的な受容体リガンドを担持するか、又は特定の臓器に優先的に指向される場合、リポソームを使用することによって、本発明の組成物の送達をインビボで標的細胞に集中させることができる。(例えば、Al-Muhammed,J.Microencapsul.13:293-306,1996、Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698-708,1995、Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46:1576-1587,1989を参照されたい)。本発明の組成物はまた、ナノ粒子として送達され得る。
「アロステリック部位」及び「アロステリック結合部位」という用語は、オルソステリック結合部位とは組織分布的に異なるリガンド結合部位を指す。
「オルソステリック部位」及び「オルソステリック結合部位」という用語は、受容体に対する内因性リガンド又はアゴニストによって認識される、受容体上の一次結合部位を指す。例えば、ムスカリン性アセチルコリンM受容体上のオルソステリック部位は、アセチルコリンが結合する部位である。
「リガンド」という用語は、受容体と結合又は会合して複合体を形成し、生物学的影響を媒介、防止、又は修飾することが可能である、天然又は合成分子を指す。「リガンド」という用語は、アロステリック調節因子、阻害因子、活性化因子、アゴニスト、アンタゴニスト、天然基質、及び天然基質の類似体を包含することを意味する。
「天然リガンド」及び「内因性リガンド」という用語は、受容体に結合する天然に存在するリガンドを指す。
実施形態では、タンパク質-阻害因子相互作用に関する「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」などの用語は、阻害因子の非存在下でのタンパク質の活性又は機能と比較して、タンパク質の活性又は機能に負の影響を及ぼす(例えば、減少させる)ことを意味する。実施形態では、阻害は、阻害因子の非存在下でのタンパク質の濃度又はレベルと比較して、タンパク質の濃度又はレベルに負の影響を及ぼす(例えば、減少させる)ことを意味する。実施形態では、阻害は、疾患又は疾患の症状の低減を指す。実施形態では、阻害は、特定のタンパク質標的の活性の低減を指す。したがって、阻害としては、少なくとも部分的に、部分的に、又は完全に刺激を遮断すること、活性化を減少させる、防止する、若しくは遅延させること、又はシグナル伝達若しくは酵素活性若しくはタンパク質の量を不活性化する、脱感作する、若しくは下方調節することが挙げられる。実施形態では、阻害は、(例えば、阻害因子が、標的タンパク質に結合する)直接的な相互作用から生じる標的タンパク質の活性の低減を指す。実施形態では、阻害は、(例えば、阻害因子が、標的タンパク質を活性化するタンパク質に結合し、それによって標的タンパク質活性化を防止する)間接的相互作用からの標的タンパク質の活性の低減を指す。
実施形態では、「阻害因子」、「リプレッサー」、「アンタゴニスト」、又は「下方調節因子」という用語は、互換的に、所与の遺伝子又はタンパク質の発現又は活性を検出可能に減少させることが可能な物質を指す。アンタゴニストは、アンタゴニストの非存在下での対照と比較して、発現又は活性を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上減少させ得る。ある特定の場合では、発現又は活性は、アンタゴニストの非存在下での発現又は活性よりも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍以下である。
実施形態では、「発現」という用語は、限定されないが、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、及び分泌を含む、ポリペプチドの産生に関与する任意のステップを含む。発現は、タンパク質を検出するための従来の技法(例えば、ELISA、ウエスタンブロッティング、フローサイトメトリー、免疫蛍光、免疫組織化学など)を使用して検出することができる。
「mAChR M受容体アンタゴニスト」という用語は、mAChR M受容体に対するアゴニスト(例えば、アセチルコリン)の影響を部分的又は完全に阻害又は逆転させることが可能である、任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。用語は、アンタゴニスト、部分アンタゴニスト、及び負のアロステリック調節因子として特徴づけられるか若しくは記載される化合物又は薬剤を含む。例えば、mAChR M受容体アンタゴニストは、オルソステリック部位若しくはアロステリック部位に結合することによってそれらの影響を媒介し得るか、又は受容体の活性の生物学的制御に通常は関与しない固有の結合部位で相互作用し得る。したがって、mAChR M受容体アンタゴニストは、動物、特に哺乳動物、例えばヒトにおいて、アセチルコリン又は別のアゴニストの存在下又は非存在下でmAChR M受容体の活性を直接又は間接的に阻害する。様々な態様では、mAChR M受容体アンタゴニストは、細胞外アセチルコリンの存在下で細胞のmAChR M受容体の活性を減少させる。いくつかの実施形態では、「mAChR M受容体アンタゴニスト」である化合物としては、「mAChR M受容体競合的アンタゴニスト」、「mAChR M受容体非競合的アンタゴニスト」、「mAChR M1受容体部分アンタゴニスト」、又は「mAChR M受容体陰性アロステリック調節因子」である化合物が挙げられる。
「mAChR M受容体競合的アンタゴニスト」という用語は、受容体を活性化することなくmAChR M受容体のオルソステリック部位に結合することが可能である、任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。したがって、競合的アンタゴニストは、mAChR M受容体と相互作用し得、受容体への結合について内因性リガンドであるアセチルコリンと競合し得、内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを伝達する受容体の能力を減少させ得る。
「mAChR M受容体非競合的アンタゴニスト」という用語は、mAChR M受容体のオルソステリック結合部位ではない部位に結合し、mAChR M受容体に対するアゴニスト(例えばアセチルコリン)の影響を部分的又は完全に阻害又は逆転させることが可能である、任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。したがって、非競合的アンタゴニストは、mAChR M受容体と相互作用し得、内因性リガンドであるアセチルコリンの受容体への結合を減少させ得、かつ/又は内因性リガンド結合に応答して細胞内シグナルを伝達する受容体の能力を減少させ得る。
「mAChR M部分アンタゴニスト」という用語は、オルソステリック部位又はアロステリック部位に結合することができるが、結合の影響が、アゴニスト、例えばアセチルコリンに対するmAChR M受容体応答の影響を部分的にのみ遮断する、任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。したがって、部分アンタゴニストは、mAChR M受容体と相互作用することができるが、アゴニスト、例えばアセチルコリンに対するmAChR M1受容体の応答を完全に阻害することは可能ではない。
「mAChR M陰性アロステリック調節因子」という用語は、動物、特に哺乳動物、例えばヒトにおいて、アセチルコリン又は別のアゴニストの存在下でmAChR M受容体の活性を直接又は間接的に阻害する、アロステリック部位に結合する任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。例えば、本開示に限定することを意図しないが、選択的ムスカリンM陰性アロステリック調節因子は、優先的にムスカリンM受容体に結合し、非競合的アンタゴニストとして作用することによってムスカリンMシグナル伝達を減少させることができる。一態様では、mAChR M受容体陰性アロステリック調節因子は、細胞外アセチルコリンの存在下で細胞のmAChR M受容体の活性を減少させる。
実施形態では、化合物又は薬剤に関する「選択的」又は「選択性」などは、1つ又は2つ以上の異なる分子標的よりも優先的に特定の分子標的(例えば、タンパク質、酵素など)の活性の増加又は減少を引き起こす化合物又は薬剤の能力を指す(例えば、ムスカリン性アセチルコリンM受容体(mAChR M)に対する選択性を有する化合物は、他のムスカリン性受容体よりも優先的にmAChR Mを阻害するであろう)。実施形態では、「ムスカリン性アセチルコリンM受容体選択的化合物」又は「mAChR M選択的化合物」は、ムスカリン性アセチルコリンM受容体(mAChR M)に対する選択性を有する化合物(例えば、本明細書に記載の化合物)を指す。実施形態では、化合物(例えば、本明細書に記載の化合物)は、ムスカリン性アセチルコリンM受容体(mAChR M)に対して、mAChR M、M、M、又はM受容体のうちの1つ又は2つ以上よりも約5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、又は約100倍以上選択的である。実施形態では、化合物(例えば、本明細書に記載の化合物)は、ムスカリン性アセチルコリンM受容体(mAChR M)に対して、mAChR M、M、M、又はM受容体のうちの1つ又は2つ以上よりも少なくとも5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、又は少なくとも100倍以上選択的である。
「対象」又は「患者」という用語は、哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、哺乳動物クラスの任意のメンバー:ヒト、非ヒト霊長類、例えばチンパンジー、並びに他の類人猿及びサル種;農場動物、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ;家畜、例えばウサギ、イヌ、及びネコ;ラット、マウス及びモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、対象は、ヒトである。
本明細書で使用される場合、「治療」又は「治療すること」又は「緩和すること」又は「改良すること」は、本明細書では互換的に使用される。これらの用語は、限定されないが、療法的利益及び/又は予防的利益を含む有益な又は所望の結果を得るためのアプローチを指す。「療法的利益」とは、治療されている基礎障害の根絶又は改良を意味する。また、療法的利益は、患者が依然として基礎障害に罹患しているにもかかわらず、患者において改善が観察されるように、基礎障害に関連付けられる生理学的症状のうちの1つ又は2つ以上の根絶又は改良によって達成される。予防的利益のために、組成物は、特定の疾患を発症するリスクがある患者に、又はこの疾患の診断がなされていなくても、疾患の生理学的症状のうちの1つ又は2つ以上を報告する患者に投与される。
本明細書で使用される場合、「EC50」は、生物学的プロセス、又はタンパク質、サブユニット、細胞小器官、リボ核タンパク質などを含むプロセスの構成成分の50%活性化又は増強に必要とされる物質(例えば、化合物又は薬物)の濃度を指すことが意図される。例えば、EC50は、インビトロアッセイにおいてベースラインと最大応答との間の中間の応答を誘発するアゴニストの濃度を指し得る。いくつかの実施形態では、インビトロアッセイシステムは、目的の標的を内因的に発現するか、又は標的の組換え形態の発現を指示する好適な発現ベクターでトランスフェクトされているかのいずれかの細胞株を利用する。
本明細書で使用される場合、「IC50」は、生物学的プロセス、又はタンパク質、サブユニット、細胞小器官、リボ核タンパク質などを含むプロセスの構成成分の50%阻害に必要とされる物質(例えば、化合物又は薬物)の濃度を指すことが意図される。例えば、IC50は、好適なアッセイで決定して、物質の最大半量(50%)阻害濃度(inhibitory concentration、IC)を指す。例えば、mAChR M受容体のIC50は、インビトロアッセイシステムにおいて決定することができる。
化合物
本明細書で提供されるのは、以下の構造を有する6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリル(「化合物」)の結晶性化合物である:
化合物の結晶性形態は、実質的に図1に示されるCu K-α x線粉末回折(x-ray powder diffraction、XRPD)パターンを特徴とし得る。
一態様では、提供されるのは、
13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、及び21.2±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする、上式を有する結晶性化合物である。
実施形態では、化合物は、6.7±0.15° 2θ、at 13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、及び24.1±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを更に特徴とする。
実施形態では、化合物は、6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを更に特徴とする。
実施形態では、化合物は、6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、16.6±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.4±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、26.3±0.15° 2θ、26.6±0.15° 2θ、27.0±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを更に特徴とする。
あるいは、結晶性化合物は、
i)約13.4° 2θ、約14.0° 2θ、約15.2° 2θ、約19.3° 2θ、約20.0° 2θ、及び約21.2° 2θ;
ii)約6.7° 2θ、約13.4° 2θ、約14.0° 2θ、約15.2° 2θ、約17.7° 2θ、約18.1° 2θ、約18.8° 2θ、約19.3° 2θ、約19.8° 2θ、約20.0° 2θ、約21.0° 2θ、約21.2° 2θ、及び約24.1° 2θ;
iii)約6.7° 2θ、約10.7° 2θ、約13.4° 2θ、約14.0° 2θ、約15.2° 2θ、約17.7° 2θ、約18.1° 2θ、約18.8° 2θ、約19.3° 2θ、約19.8° 2θ、約20.0° 2θ、約20.7° 2θ、約21.0° 2θ、約21.2° 2θ、約24.1° 2θ、約25.9° 2θ、約27.8° 2θ、及び約30.6° 2θ;又は
iv)約6.7° 2θ、約10.7° 2θ、約13.4° 2θ、約14.0° 2θ、約15.2° 2θ、約16.6° 2θ、約17.7° 2θ、約18.1° 2θ、約18.4° 2θ、約18.8° 2θ、約19.3° 2θ、約19.8° 2θ、約20.0° 2θ、約20.7° 2θ、約21.0° 2θ、約21.2° 2θ、約24.1° 2θ、約25.9° 2θ、約26.3° 2θ、約26.6° 2θ、約27.0° 2θ、約27.8° 2θ、及び約30.6° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とし得る。
あるいは、結晶性化合物は、
i)約13.4° 2θ、約14.0° 2θ、約15.2° 2θ、約19.3° 2θ、約20.0° 2θ、及び約21.2° 2θ;
ii)約6.7° 2θ、約13.4° 2θ、約14.0° 2θ、約15.2° 2θ、約17.7° 2θ、約18.1° 2θ、約18.8° 2θ、約19.3° 2θ、約19.8° 2θ、約20.0° 2θ、約21.0° 2θ、約21.2° 2θ、及び約24.1° 2θ;
iii)約6.7° 2θ、約10.7° 2θ、約13.4° 2θ、約14.0° 2θ、約15.2° 2θ、約17.7° 2θ、約18.1° 2θ、約18.8° 2θ、約19.3° 2θ、約19.8° 2θ、約20.0° 2θ、約20.7° 2θ、約21.0° 2θ、約21.2° 2θ、約24.1° 2θ、約25.9° 2θ、約27.8° 2θ、及び約30.6° 2θ;並びに/又は
iv)約6.7° 2θ、約10.7° 2θ、約13.4° 2θ、約14.0° 2θ、約15.2° 2θ、約16.6° 2θ、約17.7° 2θ、約18.1° 2θ、約18.4° 2θ、約18.8° 2θ、約19.3° 2θ、約19.8° 2θ、約20.0° 2θ、約20.7° 2θ、約21.0° 2θ、約21.2° 2θ、約24.1° 2θ、約25.9° 2θ、約26.3° 2θ、約26.6° 2θ、約27.0° 2θ、約27.8° 2θ、及び約30.6° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とし得る。
実施形態では、結晶性化合物は、
i)13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、及び21.2±0.15° 2θ;
ii)6.7±0.15° 2θ、at 13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、及び24.1±0.15° 2θ;
iii)6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θ;又は
iv)6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、16.6±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.4±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、26.3±0.15° 2θ、26.6±0.15° 2θ、27.0±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とし得る。
実施形態では、結晶性化合物は、
i)13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、及び21.2±0.15° 2θ;
ii)6.7±0.15° 2θ、at 13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、及び24.1±0.15° 2θ;
iii)6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θ;並びに/又は
iv)6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、16.6±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.4±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、26.3±0.15° 2θ、26.6±0.15° 2θ、27.0±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とし得る。
結晶性化合物のX線粉末回折パターンのピークを表1に提供する。
実施形態では、結晶性化合物のX線粉末回析パターンは、表1に記載のピークのうちの1つ又は2つ以上を有する。
実施形態では、化合物は、示差走査熱量測定で、約117℃で吸熱開始するものとして更に特徴づけられる。
結晶性化合物を生成する方法
本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の結晶性化合物を生成する方法である。
一態様では、結晶性化合物を生成する方法は、
i)溶媒構成成分と、
の構造を有する化合物とを含む、混和物を調製するステップと、
ii)貧溶媒構成成分を混和物に添加するステップと、
iii)結晶性化合物を得るステップと、を含む。
実施形態では、溶媒構成成分は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、メタノール、酢酸イソプロピル、アニソール、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、トルエン、アセトン、酢酸エチル、及びクロロホルムからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含む。実施形態では、溶媒構成成分は、アセトニトリルである。実施形態では、溶媒構成成分は、メタノールである。実施形態では、溶媒構成成分は、テトラヒドロフランである。実施形態では、溶媒構成成分は、ジメチルスルホキシドである。実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸イソプロピルである。実施形態では、溶媒構成成分は、アニソールである。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルイソブチルケトンである。実施形態では、溶媒構成成分は、ジクロロメタンである。実施形態では、溶媒構成成分は、トルエンである。実施形態では、溶媒構成成分は、アセトンである。実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸エチルである。実施形態では、溶媒構成成分は、クロロホルムである。
実施形態では、貧溶媒構成成分は、水、n-ヘキサン、n-ヘプタン、及びシクロヘキサンからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含む。実施形態では、貧溶媒構成成分は、水である。実施形態では、貧溶媒構成成分は、n-ヘキサンである。実施形態では、貧溶媒構成成分は、n-ヘプタンである。実施形態では、貧溶媒構成成分は、シクロヘキサンである。
実施形態では、方法は、ステップ(ii)の後に、溶媒構成成分及び貧溶媒構成成分を蒸発させることを更に含む。
一態様では、結晶性化合物を生成する方法は、
(i)溶媒構成成分と、
の構造を有する化合物とを含む混和物を、容器内で調製するステップと、
(ii)溶媒構成成分を室温で蒸発させて、結晶性化合物を得るステップと、を含む。
実施形態では、溶媒構成成分は、メタノール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルtert-ブチルエーテル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、水、シクロヘキサン、n-ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、及び2-メチルテトラヒドロフランからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含む。実施形態では、溶媒構成成分は、メタノールである。実施形態では、溶媒構成成分は、ジクロロメタンである。実施形態では、溶媒構成成分は、アセトンである。実施形態では、溶媒構成成分は、アセトニトリルである。実施形態では、溶媒構成成分は、テトラヒドロフランである。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルtert-ブチルエーテルである。実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸エチルである。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルエチルケトンである。実施形態では、溶媒構成成分は、水である。実施形態では、溶媒構成成分は、シクロヘキサンである。実施形態では、溶媒構成成分は、n-ブチルアルコールである。実施形態では、溶媒構成成分は、イソプロピルアルコールである。実施形態では、溶媒構成成分は、2-メチルテトラヒドロフランである。
一態様では、結晶性化合物を生成する方法は、
(i)溶媒構成成分と、
の構造を有する化合物とを含む、混和物を調製するステップと、
(ii)混和物を第1の温度まで加熱するステップと、
(iii)混和物を第2の温度まで冷却するステップと、
(iv)ステップ(ii)及び(iii)を繰り返すステップと、
(v)結晶性化合物を得るステップと、を含む。
実施形態では、第1の温度は、約40℃~約60℃の範囲である。
実施形態では、第2の温度は、約0℃~約10℃の範囲である。
実施形態では、ステップ(ii)及び(iii)は、3回繰り返される。
実施形態では、方法は、ステップ(iv)の後に、混和物を更に-20℃まで冷却し、次いで溶媒構成成分の室温での低速蒸発を更に含む。
実施形態では、溶媒構成成分は、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルtert-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、n-プロパノール、水、メチルエチルケトン、n-ブチルアルコール、酢酸エチル、シクロヘキサン、アセトン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、メチルイソブチルケトン、アニソール、酢酸イソプロピル、及びアセトニトリルからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含む。実施形態では、溶媒構成成分は、エタノールを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、イソプロピルアルコールを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、シクロペンチルメチルエーテルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、n-プロパノールを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、水を含む。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルエチルケトンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、n-ブチルアルコールを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸エチルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、シクロヘキサンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、アセトンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、n-ヘキサンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、n-ヘプタンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルイソブチルケトンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、アニソールを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸イソプロピルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、アセトニトリルを含む。
一態様では、結晶性化合物を生成する方法は、
(i)溶媒構成成分と、
の構造を有する化合物とを含む、混和物を調製するステップと、
(ii)混和物を撹拌して、結晶性化合物を得るステップと、を含む。
実施形態では、混和物を撹拌することは、室温で少なくとも1週間の間、約750rpmの速度で実施される。
実施形態では、方法は、ステップ(ii)の後に、混和物を約-20℃~約5℃の温度まで冷却することを更に含み得る。
実施形態では、ステップ(ii)における撹拌は、約40℃~約60℃の温度で実施される。
実施形態では、方法は、ステップ(ii)の後に、混和物を約-20℃~約5℃の温度まで冷却することを更に含み得る。
実施形態では、溶媒構成成分を蒸発させて、結晶性化合物が得られる。
実施形態では、溶媒構成成分は、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルtert-ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、メチルイソブチルケトン、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、m-キシレン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、水、メチルエチルケトン、1,4-ジオキサン、トルエン、2-メチルテトラヒドロフラン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、アセトン、及びクロロホルムからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含む。実施形態では、溶媒構成成分は、エタノールを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、イソプロピルアルコールを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、シクロペンチルメチルエーテルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、ジメトキシエタンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルイソブチルケトンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸イソプロピルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、アセトニトリルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、m-キシレンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、n-ヘキサンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、n-ヘプタンを含む。複数の実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸メチルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸エチルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、ジメチルスルホキシドを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、水を含む。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルエチルケトンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、1,4-ジオキサンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、トルエンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、2-メチルテトラヒドロフランを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、シクロヘキサンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、ジクロロメタンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、アセトンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、クロロホルムを含む。
一態様では、結晶性化合物を生成する方法は、
(i)
の構造を有する化合物を、密封されていない第1の容器に配置するステップと、
(ii)化合物を含有する密封されていない第1の容器を、気化溶媒を含有する第2の容器に配置するステップと、
(iii)第2の容器を密封するステップと、
(iv)結晶性化合物を得るステップと、を含む。
実施形態では、第2の容器は、室温で少なくとも2週間の間保持される。
実施形態では、気化溶媒は、水、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、メチルtert-ブチルエーテル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、及びジメチルスルホキシドからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含む。実施形態では、気化溶媒は、水を含む。実施形態では、気化溶媒は、ジクロロメタンを含む。実施形態では、気化溶媒は、クロロホルムを含む。実施形態では、気化溶媒は、メタノールを含む。実施形態では、気化溶媒は、エタノールを含む。実施形態では、気化溶媒は、アセトニトリルを含む。実施形態では、気化溶媒は、アセトンを含む。実施形態では、気化溶媒は、酢酸エチルを含む。実施形態では、気化溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。実施形態では、気化溶媒は、メチルエチルケトンを含む。実施形態では、気化溶媒は、テトラヒドロフランを含む。実施形態では、気化溶媒は、ジメチルスルホキシドを含む。
一態様では、結晶性化合物を生成する方法は、
(i)溶媒構成成分と、
の構造を有する化合物とを含む、混和物を調製するステップと、
(ii)混和物を密封されていない第1の容器に配置するステップと、
(iii)化合物及び溶媒構成成分を含有する密封されていない第1の容器を、貧溶媒構成成分を含有する第2の容器に配置するステップと、
(iv)第2の容器を密封するステップと、
(v)結晶性化合物を得るステップと、を含む。
実施形態では、第2の容器は、室温で少なくとも2週間の間保持される。
実施形態では、溶媒構成成分は、2-メチルテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、1,4-ジオキサン、トルエン、酢酸イソプロピル、アニソール、エタノール、及びクロロホルムからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含む。実施形態では、溶媒構成成分は、2-メチルテトラヒドロフランを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルエチルケトンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸エチルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、1,4-ジオキサンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、トルエンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸イソプロピルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、アニソールを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、エタノールを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、クロロホルムを含む。
実施形態では、貧溶媒構成成分は、n-ヘキサン、水、シクロヘキサン、及びn-ペンタンから選択される1つ又は2つ以上を含む。
一態様では、結晶性化合物を生成する方法は、
(i)溶媒構成成分と、
の構造を有する化合物とを含む、混和物を調製するステップと、
(ii)混和物を、ポリマー混合物を含有する容器に移すステップと、
(iii)結晶性化合物を得るステップと、を含む。
実施形態では、ポリマー混合物は、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone、PVP)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)、ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride、PVC)、ポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate、PVAC)、ヒプロメロース(hypromellose、HPMC)、及びメチルセルロース(methyl cellulose、MC)の1:1:1:1:1:1の質量比の混合物、又はポリカプロラクトン(polycaprolactone、PCL)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、ポリ(メチルメタクリレート)(poly (methyl methacrylate)、PMMA)、アルギン酸ナトリウム(sodium alginate、SA)、及びヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethyl cellulose、HEC)の1:1:1:1:1の質量比の混合物である。実施形態では、ポリマー混合物は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ヒプロメロース(HPMC)、及びメチルセルロース(MC)の1:1:1:1:1:1の質量比の混合物である。実施形態では、ポリマー混合物は、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アルギン酸ナトリウム(SA)、及びヒドロキシエチルセルロース(HEC)の1:1:1:1:1の質量比の混合物である。
実施形態では、方法は、ステップ(ii)の後に、溶媒構成成分を蒸発させるステップを更に含み得る。
実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸イソプロピル、水、アセトニトリル、エタノール、クロロホルム、n-ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルtert-ブチルエーテル、ジクロロメタン、及び1,4-ジオキサンからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含む。実施形態では、溶媒構成成分は、酢酸イソプロピルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、水を含む。実施形態では、溶媒構成成分は、アセトニトリルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、エタノールを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、クロロホルムを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、n-ヘキサンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、アセトンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルエチルケトンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、ジクロロメタンを含む。実施形態では、溶媒構成成分は、1,4-ジオキサンを含む。
一態様では、結晶性化合物を生成する方法は、
の構造を有する化合物をミリングして、結晶性化合物を得るステップを含む。
実施形態では、ミリング中に化合物に水が添加される。
医薬組成物
一態様では、以下の構造を有する、本明細書に記載の6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルの結晶性化合物と、
薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物が提供される。
実施形態では、医薬組成物は、有効量の本明細書に記載の結晶性化合物を含む。
一態様では、医薬組成物は、本明細書に記載の結晶性化合物の活性剤を含む。活性剤は、少なくともヒトムスカリン性アセチルコリン受容体M(mAChR M)アンタゴニストである。
実施形態では、結晶性化合物は、より均一な粒径を提供するために、又は粒径を制御するために、又は粒径を低減するために更に処理される。例えば、最初の結晶性材料に、破砕、粉砕、ミリング(ボールミリング及びジェットミリングなど)などの機械的衝撃手段を施して、所望の粒径分布を有する粒子を提供することができる。
実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物は、例えば、合成方法のステップのうちの1つ又は2つ以上において生成される混入中間体又は副生成物などの他の有機小分子を約5%未満、又は約1%未満、又は約0.1%未満含有するという点で、実質的に純粋である。実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物は、例えば、合成方法のステップのうちの1つ又は2つ以上において生成される混入中間体又は副生成物などの他の有機小分子を約5%未満含有するという点で、実質的に純粋である。実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物は、例えば、合成方法のステップのうちの1つ又は2つ以上において生成される混入中間体又は副生成物などの他の有機小分子を約1%未満含有するという点で、実質的に純粋である。実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物は、例えば、合成方法のステップのうちの1つ又は2つ以上において生成される混入中間体又は副生成物などの他の有機小分子を約0.1%未満含有するという点で、実質的に純粋である。
これらの医薬組成物としては、経口、直腸、局所、口腔、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内、又は静脈内)、膣、眼、又はエアロゾル投与に好適なものが挙げられる。
例示的な医薬組成物は、薬学的調製物の形態、例えば、固体、半固体、又は液体形態で使用され、外部、経腸、又は非経口適用に好適な有機若しくは無機担体、又は賦形剤との混合物中に、活性成分として結晶性化合物を含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル、坐剤、溶液、エマルション、懸濁液、及び使用に好適な任意の他の形態として、通常の非毒性の薬学的に許容される担体とともに配合される。活性化合物は、疾患の過程又は状態に対して所望の影響を生じるのに十分な量で医薬組成物に含まれる。
錠剤などの固形組成物の調製についてのいくつかの実施形態では、主要な活性成分は、薬学的担体、例えば、トウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸ニカルシウム、又はガムなどの従来の錠剤化材料、並びに他の薬学的希釈剤、例えば、水と混合されて、本明細書に記載の結晶性化合物の均質な混合物を含有する、固体の事前製剤組成物が形成される。これらの事前製剤組成物を均質と称する場合、組成物が、錠剤、丸剤、及びカプセルなどの等しく有効な単位剤形へと容易に細分されるように、活性成分が組成物全体に均一に分散されていることを意味する。
経口投与用の固体剤形(カプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉末、顆粒など)では、対象組成物は、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウムなどの1つ若しくは2つ以上の薬学的に許容される担体、並びに/又は以下の(1)デンプン、セルロース、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/若しくはケイ酸などの充填剤若しくは増量剤、(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒプロメロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/若しくはアカシアなどの結合剤、(3)グリセロールなどの保湿剤、(4)クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、寒天-寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(5)パラフィンなどの溶解遅延剤、(6)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(7)例えば、ドクサートナトリウム、セチルアルコール、及びモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、(8)カオリン、ベントナイトクレイなどの吸収剤、(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物などの滑沢剤、並びに(10)着色剤、のうちのいずれかと混合される。カプセル、錠剤、及び丸剤の場合、いくつかの実施形態では、組成物は、緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトース又は乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールなどのそのような賦形剤を使用する軟質及び硬質充填ゼラチンカプセルの充填剤として用いられる。
いくつかの実施形態では、錠剤は、任意選択的に、1つ又は2つ以上の副成分とともに、圧縮又は成形によって作製される。いくつかの実施形態では、圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤、又は分散剤を使用して調製される。いくつかの実施形態では、成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた対象組成物の混合物を好適な機械で成形することによって作製される。いくつかの実施形態では、錠剤、並びに糖衣錠、カプセル、丸剤、及び顆粒などの他の固体剤形は、割線を入れられるか、又は腸溶コーティング及び他のコーティングなどのコーティング及びシェルとともに調製される。
吸入又は吹送用の組成物としては、薬学的に許容される水性溶媒若しくは有機溶媒、又はそれらの混合物中の溶液及び懸濁液、並びに粉末が挙げられる。経口投与用の液体剤形としては、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルが挙げられる。対象組成物に加えて、いくつかの実施形態では、液体剤形は、例えば、水若しくは他の溶媒などの不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、シクロデキストリンなどの可溶化剤及び乳化剤、並びにそれらの混合物を含有する。
いくつかの態様では、懸濁液は、対象組成物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天-寒天、及びトラガカント、並びにそれらの混合物として、懸濁化剤を含有する。
いくつかの実施形態では、直腸又は膣投与用の製剤は、対象組成物を、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックス、又はサリチル酸塩を含む1つ又は2つ以上の好適な非刺激性賦形剤又は担体と混合することによって調製され、室温で固体であるが、体温で液体であり、したがって、体腔内で融解し、活性剤を放出する、坐剤として提示される。
対象組成物の経皮投与用の剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、及び吸入剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、活性構成成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体、及び必要に応じて任意の保存剤、緩衝液、又は噴射剤と混合される。
いくつかの実施形態では、軟膏、ペースト、クリーム、及びゲルは、対象組成物に加えて、動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び酸化亜鉛、又はそれらの混合物などの賦形剤を含有する。
いくつかの実施形態では、粉末及びスプレーは、対象組成物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有する。いくつかの実施形態では、スプレーは、加えて、クロロフルオロ炭化水素、並びにブタン及びプロパンなどの揮発性非置換炭化水素などの慣習的な噴射剤を含有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物は、眼投与用の点眼剤として製剤化される。
あるいは、本明細書に開示の組成物及び結晶性化合物は、エアロゾルによって投与される。これは、結晶性化合物を含有する水性エアロゾル、リポソーム調製物、又は固体粒子を調製することによって達成される。いくつかの実施形態では、非水性(例えば、フルオロカーボン噴射剤)懸濁液が使用される。いくつかの実施形態では、対象組成物中に含有される化合物の分解を生じるせん断に対する薬剤の曝露を最小限に抑えるので、音波ネブライザーが使用される。通常、水性エアロゾルは、対象組成物の水溶液又は懸濁液を、従来の薬学的に許容される担体及び安定剤と一緒に製剤化することによって作製される。担体及び安定剤としては、特定の対象組成物の要件によって変動するが、典型的には、非イオン性界面活性剤(例えば、Tween、Pluronics、又はポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害なタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝液、塩、糖又は糖アルコールが挙げられる。エアロゾルは、一般に、等張溶液から調製される。
非経口投与に好適な医薬組成物は、1つ又は2つ以上の薬学的に許容される滅菌等張水性溶液若しくは非水性溶液、分散液、懸濁液、若しくはエマルション、又は使用直前に滅菌注射用溶液若しくは分散液へと再構成される滅菌粉末と組み合わせた対象組成物を含み、いくつかの実施形態では、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質、又は懸濁化剤若しくは増粘剤を含有する。
医薬組成物中に用いられる好適な水性及び非水性の担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの好適な混合物、オリーブ油などの植物性油、及びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステル、及びシクロデキストリンが挙げられる。例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合には必要な粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、適当な流動性が維持される。
また、結晶性化合物及び腸溶性材料;並びにその薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む、経腸薬学的製剤も企図される。腸溶性材料は、胃の酸性環境において実質的に不溶性であり、特定のpHで主に腸液中で可溶性である、ポリマーを指す。小腸は、胃と大腸との間の胃腸管(腸)の一部であり、十二指腸、空腸、及び回腸を含む。十二指腸のpHは、約5.5であり、空腸のpHは、約6.5であり、遠位回腸のpHは、約7.5である。したがって、腸溶性材料は、例えば、約5.0、約5.2、約5.4、約5.6、約5.8、約6.0、約6.2、約6.4、約6.6、約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、約8.0、約8.2、約8.4、約8.6、約8.8、約9.0、約9.2、約9.4、約9.6、約9.8、又は約10.0のpHまで可溶性ではない。例示的な腸溶性材料としては、酢酸フタル酸セルロース(cellulose acetate phthalate、CAP)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose phthalate、HPMCP)、酢酸フタル酸ポリビニル(polyvinyl acetate phthalate、PVAP)、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose acetate succinate、HPMCAS)、酢酸トリメリト酸セルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸ヘキサヒドロフタル酸セルロース、プロピオン酸フタル酸セルロース、酢酸マレイン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、メチルメタクリル酸とメタクリル酸メチルとのコポリマー、アクリル酸メチルとメタクリル酸メチルとメタクリル酸とのコポリマー、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー(Gantrez ESシリーズ)、メタクリル酸エチル-メタクリル酸メチル-アクリル酸クロロトリメチルアンモニウムエチルコポリマー、ゼイン、セラック、及びコパルコロフォリウム(copal collophorium)などの天然樹脂、並びにいくつかの市販の腸溶性分散系(例えば、Eudragit L30D55、Eudragit FS30D、Eudragit L100、Eudragit S100、Kollicoat EMM30D、Estacryl 30D、Coateric、及びAquateric)が挙げられる。上材料の各々の可溶性は、既知であるか、又はインビトロで容易に決定可能である。
本明細書に記載の結晶性化合物を含む組成物の用量は、患者(例えば、ヒト)の状態、すなわち、疾患のステージ、一般的な健康状態、年齢、及び他の要因に応じて異なる。
医薬組成物は、治療される(又は防止される)疾患に適切な様式で投与される。適切な用量、並びに投与の好適な持続時間及び頻度は、患者の状態、患者の疾患のタイプ及び重症度、活性成分の特定の形態、並びに投与の方法などのそのような要因によって決定されるであろう。一般に、適切な用量及び治療レジメンは、療法的及び/又は予防的利益、(例えば、より頻繁な完全寛解若しくは部分寛解、又はより長い無病での生存及び/若しくは全生存、又は症状重症度の軽減などの改善された臨床転帰を提供するのに十分な量で組成物を提供する。最適用量は、一般に、実験モデル及び/又は臨床試験を使用して決定される。いくつかの実施形態では、最適用量は、患者のボディマス、体重、又は血液量に依存する。
経口用量は、典型的には、1日当たり約1.0mg~約1000mg、1~4回以上の範囲である。
本明細書に記載の結晶性化合物は、最適な薬学的有効性を提供するであろう投薬量で、そのような治療を必要とする対象又は患者(動物及びヒト)に投与される。任意の特定の用途における使用に必要とされる用量は、選択される特定の組成物だけでなく、投与経路、治療される状態の性質、患者の年齢及び状態、次いで患者が従う併用医薬品又は特別食、並びに他の要因によって患者ごとに変動し、適切な投薬量は、最終的に主治医の判断によることが理解されるであろう。上記の臨床状態及び疾患を治療するために、本明細書に開示の結晶性化合物は、従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、及びビヒクルを含有する投薬単位製剤で、経口、皮下、局所、非経口、吸入スプレーによって、又は直腸に投与される。非経口投与としては、皮下注射、静脈内若しくは筋肉内注射、又は注入技法が挙げられる。
治療方法
一態様では、患者又は対象が、ムスカリン性アセチルコリンM受容体の拮抗作用から利益を得るであろう、多様な障害を治療する、防止する、改良する、制御する、又は障害のリスクを低減する方法が提供される。
mAChR Mのアンタゴニスト
ムスカリン性アセチルコリン受容体M(mAChR M)は、中枢神経系及び末梢神経系の両方において、特に大脳皮質及び交感神経節において見出される。注目すべきことに、Mは、中枢神経系におけるOPC上で発現される。経時的に、OPCは、ミエリン産生オリゴデンドロサイトへと分化する。ミエリンは、軸索に沿った活動電位伝導に不可欠であり、その喪失は、多発性硬化症を含む神経変性障害に寄与している。実施形態では、選択的mAChR Mアンタゴニストは、オリゴデンドロサイトへのOPC分化を加速させる。実施形態では、選択的mAChR Mアンタゴニストは、多発性硬化症などの脱髄疾患の治療に有用である。実施形態では、選択的mAChR Mアンタゴニストは、てんかん障害、並びにパーキンソン病、ジストニア、及び脆弱X症候群を含むある特定の運動障害を治療するのに有用である。
一態様では、治療は、コリン作動性活性に影響を及ぼすのに有効な程度までの選択的M受容体拮抗作用を含み得る。したがって、本明細書に開示の結晶性化合物が有用である障害は、コリン作用性活性、例えば、コリン作用性機能亢進症に関連付けられ得る。実施形態では、本明細書で提供されるのは、対象における障害を治療又は防止する方法であって、対象における障害を治療するのに有効な投薬量及び量で、本明細書に記載の6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルの結晶性化合物、又は本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与するステップを含む、方法である。
本明細書で提供されるのは、対象においてムスカリン性アセチルコリン受容体阻害が有益であると予測される1つ又は2つ以上の障害の治療のための方法であって、対象における障害を治療するのに有効な投薬量及び量で、本明細書に記載の6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルの結晶性化合物、又は本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与するステップを含む、方法である。
実施形態では、本明細書で提供されるのは、神経変性障害の治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に記載の6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルの結晶性化合物を対象に投与することを含む、方法である。
実施形態では、本明細書で提供されるのは、ニューロパチーの治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に記載の6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルの結晶性化合物を対象に投与することを含む、方法である。実施形態では、ニューロパチーの治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に記載の結晶性化合物を対象に投与することを含み、ニューロパチーが、末梢ニューロパチーである、方法である。実施形態では、ニューロパチーの治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に記載の結晶性化合物を対象に投与することを含み、ニューロパチーが、糖尿病性ニューロパチーである、方法である。
実施形態では、脱髄疾患の治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に記載の6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルの結晶性化合物を対象に投与することを含む、方法である。実施形態では、脱髄疾患の治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に記載の結晶性化合物を対象に投与することを含み、脱髄疾患が、中枢神経系の脱髄疾患である、方法である。実施形態では、脱髄疾患の治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に記載の結晶性化合物を対象に投与することを含み、脱髄疾患が、多発性硬化症である、方法である。実施形態では、脱髄疾患の治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に記載の結晶性化合物を対象に投与することを含み、脱髄疾患が、末梢神経系の脱髄疾患である、方法である。
実施形態では、対象におけるムスカリン性アセチルコリン受容体M活性を調節する方法であって、本明細書に記載の6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルの結晶性化合物を対象に投与することを含む、方法である。実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物は、選択的Mアンタゴニストとして作用する。
併用療法
また、本明細書で企図されるのは、併用療法、例えば、本明細書に記載の結晶性化合物と追加の活性剤とを、これらの治療剤の協働作用から有益な影響を提供することが意図される特定の治療レジメンの一部として同時投与することである。実施形態では、本明細書に記載の6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルの結晶性化合物は、1つ又は2つ以上の免疫調節剤と組み合わせて投与される。実施形態では、本明細書に記載の結晶性化合物は、1つ又は2つ以上の免疫調節剤と組み合わせて投与され、免疫調節剤が、IFN-β1分子;コルチコステロイド;グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマー;アルファ-4インテグリンに対する抗体若しくはその断片、又はナタリズマブ;アントラセンジオン分子又はミトキサントロン;フィンゴリモド又は他のS1Pl機能調節因子;フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子;T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)に対する抗体、又はダクリズマブ;CD52に対する抗体、又はアレムツズマブ;CD20に対する抗体、又はオクレリズマブ;並びにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害因子、又はテリフルノミドから選択される。実施形態では、免疫調節剤は、IFN-β1分子である。実施形態では、免疫調節剤は、コルチコステロイドである。実施形態では、免疫調節剤は、グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマーである。実施形態では、免疫調節剤は、アルファ-4インテグリンに対する抗体若しくはその断片、又はナタリズマブである。実施形態では、免疫調節剤は、アントラセンジオン分子又はミトキサントロンである。実施形態では、免疫調節剤は、フィンゴリモド又は他のS1Pl機能調節因子である。実施形態では、免疫調節剤は、フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子である。実施形態では、免疫調節剤は、T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)に対する抗体、又はダクリズマブである。実施形態では、免疫調節剤は、CD52に対する抗体、又はアレムツズマブである。実施形態では、免疫調節剤は、CD20に対する抗体、又はオクレリズマブである。実施形態では、免疫調節剤は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害因子又はテリフルノミドである。
組み合わせの有益な影響としては、限定されないが、治療剤の組み合わせから生じる薬物動態学的又は薬力学的協働作用が挙げられる。組み合わせたこれらの治療剤の投与は、典型的には、規定された期間(通常、選択される組み合わせに応じて、数週間、数か月、又は数年)にわたって実行される。併用療法は、連続的な様式での複数の治療剤の投与、すなわち、各治療剤が、異なる時間に投与され、並びに実質的に同時の様式でのこれらの治療剤又は治療剤のうちの少なくとも2つの投与を包含することが意図される。
実質的に同時の投与は、例えば、対象に単一の製剤又は組成物(例えば、固定比の各治療剤を有する錠剤又はカプセル)か、又は複数の、治療剤の各々の単一製剤(例えば、カプセル)を投与することによって達成される。各治療剤の連続的又は実質的に同時の投与は、限定されないが、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、及び粘膜組織を通じた直接吸収が挙げられる、任意の適切な経路によって行われる。治療剤は、同じ経路又は異なる経路によって投与される。例えば、選択された組み合わせの第1の治療剤は、静脈内注射によって投与されるが、組み合わせの他方の治療剤は、経口投与される。あるいは、例えば、全ての治療剤が、経口投与されるか、又は全ての治療剤が、静脈内注射によって投与される。
併用療法はまた、他の生物学的に活性な成分及び非薬物療法と更に組み合わせた、上記の治療剤の投与を包含する。併用療法が、非薬物治療を更に含む場合、非薬物治療は、治療剤と非薬物治療との組み合わせの協働作用からの有益な影響が達成される限り、任意の好適な時間で行われる。例えば、適切な場合では、有益な影響は、非薬物治療が治療剤の投与から一時的に、おそらく数日又は更に数週間、除去される場合に、なお達成される。
組み合わせの構成成分は、患者に同時に又は連続して投与される。構成成分は、同じ薬学的に許容される担体中に存在し、したがって、同時に投与されることが理解されるであろう。あるいは、活性成分は、同時に又は連続的にのいずれかで投与される、別々の従来の経口剤形などの薬学的担体中に存在する。
以下の実施例は、様々な実施形態の例示としてのみ提供され、決して本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
本明細書に記載の実施例及び実施形態は、例示のみを目的とし、それらに照らして様々な修正又は変更が、当業者に提案され、本出願の趣旨及び範囲、並びに添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが理解される。本明細書で引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
実施形態
実施形態1.
13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、及び21.2±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする、上式を有する、結晶性化合物。
実施形態2.化合物が、6.7±0.15° 2θに、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、及び24.1±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする、実施形態1に記載の結晶性化合物。
実施形態3.化合物が、6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする、実施形態1に記載の結晶性化合物。
実施形態4.化合物が、6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、16.6±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.4±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、26.3±0.15° 2θ、26.6±0.15° 2θ、27.0±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする、実施形態1に記載の結晶性化合物。
実施形態5.化合物が、示差走査熱量測定で、約117℃で吸熱開始するものとして更に特徴づけられる、実施形態1に記載の結晶性化合物。
実施形態6.実施形態1~5のいずれか1つに記載の結晶性化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物。
実施形態7.神経変性障害の治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の実施形態1~5のいずれか1つに記載の結晶性化合物を対象に投与することを含む、方法。
実施形態8.1つ又は2つ以上の免疫調節剤の投与を更に含む、実施形態7に記載の方法。
実施形態9.1つ又は2つ以上の免疫調節剤が、IFN-β1分子;コルチコステロイド;グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマー;アルファ-4インテグリンに対する抗体若しくはその断片、又はナタリズマブ;アントラセンジオン分子又はミトキサントロン;フィンゴリモド、又はFTY720、又は他のS1P1機能調節因子;フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子;T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)に対する抗体、又はダクリズマブ;CD52に対する抗体、又はアレムツズマブ;CD20に対する抗体、又はオクレリズマブ;並びにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害因子、又はテリフルノミドから選択される、実施形態8に記載の方法。
実施形態10.脱髄疾患の治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の実施形態1~5のいずれか1つに記載の結晶性化合物を対象に投与することを含む、方法。
実施形態11.脱髄疾患が、中枢神経系の脱髄疾患である、実施形態10に記載の方法。
実施形態12.脱髄疾患が、多発性硬化症である、実施形態11に記載の方法。
実施形態13.脱髄疾患が、末梢神経系の脱髄疾患である、実施形態10に記載の方法。
実施形態14.1つ又は2つ以上の免疫調節剤の投与を更に含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態15.1つ又は2つ以上の免疫調節剤が、IFN-β1分子;コルチコステロイド;グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマー;アルファ-4インテグリンに対する抗体若しくはその断片、又はナタリズマブ;アントラセンジオン分子又はミトキサントロン;フィンゴリモド、又はFTY720、又は他のS1P1機能調節因子;フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子;T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)に対する抗体、又はダクリズマブ;CD52に対する抗体、又はアレムツズマブ;CD20に対する抗体、又はオクレリズマブ;並びにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害因子、又はテリフルノミドから選択される、実施形態14に記載の方法。
実施形態16.ニューロパチー疾患、任意選択的に末梢ニューロパチーの治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の実施形態1~5のいずれか1つに記載の結晶性化合物を対象に投与することを含む、方法。
実施形態17.ニューロパチー疾患が、糖尿病性ニューロパチーである、実施形態16に記載の方法。
実施形態18.1つ又は2つ以上の免疫調節剤の投与を更に含む、実施形態16に記載の方法。
実施形態19.1つ又は2つ以上の免疫調節剤が、IFN-β1分子;コルチコステロイド;グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマー;アルファ-4インテグリンに対する抗体若しくはその断片、又はナタリズマブ;アントラセンジオン分子又はミトキサントロン;フィンゴリモド、又はFTY720、又は他のS1P1機能調節因子;フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子;T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)に対する抗体、又はダクリズマブ;CD52に対する抗体、又はアレムツズマブ;CD20に対する抗体、又はオクレリズマブ;並びにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害因子、又はテリフルノミドから選択される、実施形態18に記載の方法。
実施形態20.対象におけるムスカリン性アセチルコリン受容体M活性を調節する方法であって、実施形態1~5のいずれか1つに記載の結晶性化合物を対象に投与することを含む、方法。
実施形態21.化合物が、選択的Mアンタゴニストとして作用する、実施形態20に記載の方法。
結晶性化合物の特徴づけ
本明細書に記載の結晶性化合物を、X線粉末回折(XRPD)、熱重量分析(thermo gravimetric analysis、TGA)、示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry、DSC)、サイクル-DSC、偏光顕微鏡法(polarized light microscopy、PLM)、及び高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography、HPLC)によって特徴づけた。結晶性化合物は、図1に示されるXRPDパターンを呈することが見出され、ピークを表1に列挙する。この結晶性形態を、ここでは「遊離塩基タイプA」と命名した。図2AのTGA/DSC結果は、最大120℃まで0.5%の重量損失、及び117.0℃(開始)で1つの吸熱シグナルを示した。したがって、120℃前の限定的なTGA損失及びそのままのDSCシグナルによって、遊離塩基タイプAは無水物であると推測された。図2Bのサイクル-DSC曲線は、サイクル1(10℃/分で150℃まで加熱)において117.4℃(開始)で1つの吸熱シグナルのみが観察され、サイクル2(10℃/分で30℃まで冷却)でもサイクル3(10℃/分で200℃まで加熱)でも熱シグナルは検出されなかったことを示した。図2CのXRPD結果は、150℃まで加熱し、室温まで冷却した後、非晶質試料が得られたことを示した。サイクル-DSCデータと組み合わせると、結晶性化合物が融解後に自発的に再結晶化することは困難であり得ると推測された。図2DのHPLCクロマトグラムは、結晶性化合物のHPLC純度が100.00面積%であることを示した。図2EのPLM画像は、結晶性化合物の形態が板状であることを示した。
37℃での速度論的可溶性、物理化学的安定性、及び吸湿性評価を含む更なる評価を、遊離塩基タイプAに対して実施した。
1.速度論的可溶性評価
これらの実験において、約20mgの遊離塩基タイプAを、それぞれ4mLのFaSSIF、FeSSIF、SGF、及びHOに懸濁させた。37℃で1時間、4時間、及び24時間回転させた後、懸濁液を遠心分離し、0.45μmのPTFE膜に通して濾過した。残留固体をXRPDによって試験し、上清をHPLC及びpHメータによって試験した。詳細な手順は、表15に見出すことができる。結果は、遊離塩基タイプAの可溶性が、高い方から低い方へ、SGF>FeSSIF>FaSSIF>HOの順にランク付けされたことを示した。SGFへの可溶性は、最大0.15mg/mLであり、HOへの可溶性は、0.02mg/mLであった。図4B及び図4CのXRPD結果は、試験培地中で1、4、及び24時間の間回転させた後、形態変化が観察されなかったことを示した。速度論的可溶性評価の結果を、図4A及び表2にまとめる。
S:遊離塩基の可溶性;
FC:形態変化。
2.物理化学的安定性評価
これらの実験では、約10mgの遊離塩基タイプAを25℃/60%RH、40℃/75%RHで1週間、及び60℃/密封で24時間保存した。保存後、固体をXRPD及びHPLCによって試験した。図4DのHPLC結果によって示されるように、遊離塩基タイプAにおいて純度減少は検出されなかった。図4EのXPRD重ね合わせは、形態変化が観察されなかったことを示した。表3に、その結果をまとめる。
3.吸湿性評価
遊離塩基タイプAの吸湿性を、DVS試験によって評価した。図4Fに示されるように、0%RHから95%RHまでの収着サイクルにおいて、80%RH/25℃で遊離塩基タイプAの0.01%の水取り込みが検出され、これは、「遊離塩基タイプAが非吸湿性であった」ことを示した。脱着曲線で観察されたマイナス重量変化については、試料損失又は機器変動に関連し得る。図4GのXRPD重ね合わせは、DVS試験後に形態変化が観察されなかったことを示した。
多形スクリーニング実験
合計102回の多形スクリーニング実験を、様々な結晶化方法を介して行った。表5の結果は、遊離塩基タイプAのみが得られたことを示した。スクリーニングで使用した溶媒の略語を表4に列挙する。
表4.溶媒略語リスト
:室温で約1週間の間保存した後、余分なピークは消失した。
1.貧溶媒添加
合計12回の貧溶媒添加実験を実行した。約20mgの遊離塩基タイプAを、表6に列挙した対応する溶媒を用いて20mLバイアル内で溶解させた。0.45μmのPTFE膜に通して濾過した後、得られた透明な溶液を室温で750rpmの速度で磁気撹拌し、次いで、表6に列挙された対応する貧溶媒を添加して沈殿を誘導するか、又は貧溶媒の総量が4.8mLに達するまで添加した。試料を室温で1~2時間撹拌した後、固体を単離し、分析した。結果を表6にまとめる。図5Aに示されるように、余分なピーク(印を付けた)を有する試料については、室温で約1週間保存した後、余分なピークは消失した。
2.低速蒸発
12種の条件下で異なる溶媒系を用いて、低速蒸発実験を実施した。簡潔に述べると、約20mgの遊離塩基タイプAを、表7に列挙した対応する溶媒を用いて3mLバイアル内で溶解させた。ボルテックスし、0.45μmのPTFE膜に通して濾過した後、得られた透明な溶液を、小さな穴を開けたParafilm(登録商標)で密封し、室温でゆっくりと蒸発させた。生じた固体をXRPD分析用に単離した。結果を表7にまとめる。
3.温度サイクリング(50℃から5℃)
温度サイクリング実験を13種の溶媒系中で行った。約20mgの遊離塩基タイプAを、表8に列挙した0.5mLの対応する溶媒の溶媒を用いてHPLCバイアル内で懸濁させた。サイクリング手順:温度を4.5℃/分の速度で50℃まで上昇させ、50℃で30分間保持する;温度を0.1℃/分の速度で5℃まで冷却し、5℃で30分間保持する。3サイクルの後、試料を5℃で保存した。得られた固体をXRPD分析用に単離した。透明な溶液が得られた場合、試料を-20℃でスラリー化した。目視可能な沈殿物が依然として存在しない場合、溶液を室温でゆっくりと蒸発させた。結果を表8にまとめる。
:-20℃でスラリーに移行→室温で低速蒸発(3穴)。
4.室温でのスラリー変換
スラリー変換実験を、室温の24種の異なる溶媒系で行った。約20mgの遊離塩基タイプAを、表9に列挙した0.5mLの対応する溶媒の溶媒を用いてHPLCバイアル内で懸濁させた。懸濁液を室温で約750rpmの速度で磁気撹拌した。約1週間後、残った固体をXRPD分析用に単離した。わずかな固体又は透明な溶液しか得られなかった場合、試料を5℃でスラリー化した。試料が依然として透明な溶液であった場合、-20℃でスラリー化した。目視可能な沈殿物が依然として存在しない場合、溶液を室温でゆっくりと蒸発させた。結果を表9にまとめる。
:5℃でスラリーに移行;
**:5℃でスラリーに移行→-20℃でスラリー;
***:5℃でスラリーに移行→-20℃でスラリー→室温で低速蒸発(3穴)。
5.50℃でのスラリー変換
スラリー変換実験を、50℃の10種の溶媒系で行った。約20mgの遊離塩基タイプAを、表10に列挙した0.5mLの対応する溶媒の溶媒を用いてHPLCガラスバイアル内で懸濁させた。懸濁液を50℃で撹拌し続けた。スラリー後に目視可能な固体が存在しなかった場合、試料を室温で更に撹拌した。試料が依然として透明であった場合、-20℃でスラリー化した。目視可能な沈殿物が依然として得られなかった試料については、室温でゆっくりと蒸発させた。生じた固体をXRPD分析用に単離した。結果を表10にまとめる。
:室温でスラリーに移行;
**:室温でスラリーに移行→-20℃でスラリー;
***:室温でスラリーに移行→-20℃でスラリー→室温で低速蒸発(3穴)。
6.固体蒸気拡散
合計12回の固体蒸気拡散実験を、異なる溶媒で実行した。約20mgの遊離塩基タイプAを4mLガラスバイアルに秤量した。次いで、表11に列挙した4mLの対応する溶媒を含有する20mLガラスバイアル内に、このバイアルを密封せずに注意深く配置した。20mLバイアルを密封し、室温で2~3週間保持して、溶媒蒸気と固体との間の十分な相互作用を可能にした。生じた固体をXRPDによって試験した。代わりに透明な溶液が得られた場合、試料を室温でゆっくりと蒸発させた。結果を表11にまとめる。
:室温で低速蒸発(3穴)に移行。
7.液体蒸気拡散
9種の条件下で、液体蒸気拡散実験を実施した。約20mgの遊離塩基タイプAを、表12に列挙した対応する溶媒に溶解させた。濾過後、透明な溶液を4mLガラスバイアルに移した。次いで、表12に列挙した4mLの対応する貧溶媒を含有する20mLガラスバイアル内に、このバイアルを密封せずに注意深く配置した。20mLバイアルを密封し、室温で保持して、溶媒蒸気と試料溶液との間の十分な相互作用を可能にした。生じた固体をXRPD分析用に単離し、結果を表12にまとめる。
8.ポリマー誘導結晶化実験
ポリマー誘導結晶化実験を、室温の8種の溶媒系で行った。約20mgの遊離塩基タイプAを、表18に列挙した0.5mLの対応する溶媒を用いて3mLバイアル内で懸濁させた。試料を室温でスラリー化した。濾過後、透明な溶液を、表13に列挙した対応する2mgのポリマー混合物を含有する3mLガラスバイアルに移した。次いで、バイアルを、室温での低速蒸発を容易にするために小さな穴を開けたParafilm(登録商標)で密封した。次いで、固体をXRPD分析用に単離した。結果を表13にまとめる。
ポリマー混合物A:ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ヒプロメロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)(1:1:1:1:1:1の質量比)
ポリマー混合物B、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アルギン酸ナトリウム(SA)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(1:1:1:1:1の質量比)
9.粉砕実験
(乾燥及びHOを用いる)2つの条件下で、粉砕実験を行った。乾燥:約20mgの遊離塩基タイプAを約15分間手動でミリングし、生じた固体をXRPDによって試験した。湿潤:2滴のHOを含む約20mgの遊離塩基タイプAを約15分間手動でミリングし、次いで、生じた固体をXRPDによって試験した。結果を表14にまとめ、XRPD重ね合わせを図5Bに示す。
速度論的可溶性評価のための手順
速度論的可溶性評価の詳細な手順を表15にまとめる。
6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルの調製
ステップ1:磁気撹拌器を備えた乾燥丸底フラスコ内で、2-メトキシイソニコチンアルデヒド(1当量、PharmaBlock,Inc)及びシアン化ナトリウム(0.25当量、Sigma-Aldrich)をMeCN(0.3M)中で合わせた。15分間の窒素を用いた表面下パージを介して、生じた懸濁液を脱酸素した後、アクリロニトリル(0.95当量、MeCN中14Mの溶液、Acros)を5分かけて滴加した。室温で3.5時間撹拌した後、反応物を氷酢酸(1当量Sigma-Aldrich)で注意深くクエンチし、水で更に希釈し、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO水溶液及びブラインで更に洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した。濾液を真空中で濃縮して、4-(2-メトキシピリジン-4-イル)-4-オキソブタンニトリルを固体として得た(収率92%)。
ステップ2:磁気撹拌器を備えたNalgene(登録商標)ボトル内で、先のステップからの4-(2-メトキシピリジン-4-イル)-4-オキソブタンニトリル(1当量)をジクロロメタン(0.5M)に溶解させた。次いで、これに、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(5当量、Sigma-Aldrich)、トリエチルアミン(2.5当量、Sigma-Aldrich)、最後にXtalFluor-E(登録商標)(5当量、Sigma-Aldrich)を連続して添加した。生じた反応混合物を、室温の窒素雰囲気下で3時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、次いで氷に注意深く添加した。有機層を分離し、水、飽和NaHCO水溶液、及びブラインで連続して洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。このようにして得られた粗生成物の、カラムクロマトグラフィー(SiO、勾配溶出液:Hex→EtOAc)による精製によって、4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタンニトリルを白色の固体として得た(収率72%)。
ステップ3:磁気撹拌器を備えた丸底フラスコ内で、先のステップからの4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタンニトリル(1当量)及び水酸化カリウム(4当量、Alfa Aesar)を、水及びエタノールの9:1(v/v)溶液(0.30M)中で合わせた。生じた溶液を80℃で12時間加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、tert-ブチルメチルエーテルで洗浄した。水層を分離し、活性炭で処理し、セライトのパッドに通して濾過した。次いで、このようにして得られた濾液を0℃まで冷却し、3MのHCl水溶液を滴加して、そのpHを注意深く約2まで調整した。次いで、真空濾過を介して標題化合物を単離し、水及びヘキサンで更に洗浄し、一定重量まで真空中で乾燥させた(収率80%)。
ステップ4:磁気撹拌器を備えた乾燥丸底フラスコ内で、先のステップからの4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタン酸(1当量)及び6-(3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルビス塩酸塩(1.05当量、下記参照)をTHF(0.43M)中で合わせた。次いで、生じた反応混合物を0℃まで冷却した後、DIEA(5当量、Sigma-Aldrichh)を30分かけて滴加した。0℃~10℃の間で更に30分間撹拌した後、無水プロピルホスホン酸(1.5当量、EtOAc中50重量%溶液、Sigma-Aldrich)を30分かけて反応混合物に滴加した。生じた黄色の溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を水に注ぎ、有機層を分離した。水層をtert-ブチルメチルエーテルで逆抽出した。有機抽出物を合わせ、活性炭で処理した。室温で12時間激しく撹拌した後、黒色の懸濁液をセライト床に通して濾過した。次いで、このようにして得られた濾液を真空中で濃縮し、生じた残留物を温かいイソプロパノール中に取った。室温で12時間激しく撹拌した後、所望の生成物が白色の固体として晶出した。真空濾過を介してこの固体を単離し、冷たいイソプロパノールで更に洗浄し、一定重量まで真空下で乾燥させた(収率80%)。LCMS:m/z=428.1[M+H]H NMR(DMSO-d):δ=8.50(d,J=2.5Hz,1H),8.29(d,J=5.0Hz,1H),7.88(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),7.11(dd,J=5.0,1.0Hz,1H),3.93(s,1H),6.91(d,J=9.0Hz,1H),4.69(br s,2H),4.06(d,J=12.0Hz,1H),3.88(s,3H),3.62(d,J=13.0Hz,1H),3.22(d,J=11.5Hz,1H),2.73(d,J=12.0Hz,1H),2.61~2.51(m,1H),2.49~2.37(m,2H),2.36~2.28(m,1H),1.94~1.83(m,2H),1.81~1.77(m,1H),1.61~1.53(m,1H).
6-(3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリルビス塩酸塩の調製
ステップ1:磁気撹拌器及び還流濃縮器を備えた乾燥丸底フラスコ内で、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボン酸tert-ブチル(1当量、PharmaBlock,Inc.)及び5-シアノ-2-フルオロピリジン(1.2当量、Combi-Blocks)をアセトニトリル(0.45M)に溶解させた。次いで、これに炭酸カリウム(2当量、Sigma-Aldrich)を一度に素早く添加し、生じた懸濁液を還流下で3時間撹拌した。次いで、反応懸濁液を室温まで冷却し、濾過した。不溶物を更にアセトニトリルですすぎ、濾液を真空中で濃縮した。次いで、生じた残留物をEtOAcと水との間に分配した。有機層を分離し、水(2回)及びブラインで更に洗浄した。合わせた水性洗浄液をEtOAc(2回)で逆抽出した。次いで、EtOAcを合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。(静置すると固化した)生じた油を温かいEtOAcに取り、次いで等しい体積のヘキサンを添加した。室温まで冷却すると、白色の結晶性固体のゆっくりとした沈殿が観察された。濾過を介してこの固体不純物を除去し、廃棄した。次いで、濾液を真空中で濃縮し、このようにして得られた粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、勾配溶出液:Hex→1:1(v/v)Hex:EtOAc)によって更に精製して、8-(5-シアノピリジン-2-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボン酸tert-ブチルを白色の結晶性固体として得た(収率94%)。
ステップ2:磁気撹拌器を備えた乾燥丸底フラスコ内で、先のステップからの8-(5-シアノピリジン-2-イル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボン酸tert-ブチル(1当量)をジクロロメタン(0.42M)に溶解させた。次いで、これに0℃のHCl(4当量、ジオキサン中4M溶液、Sigma-Aldrich)を30分の期間をかけて3回で添加した。生じた懸濁液を0℃で1時間撹拌し、次いで、16時間かけてゆっくりと室温まで温めた。反応混合物にtert-ブチルメチルエーテルを添加し、生じた濃厚な懸濁液を室温で1時間激しく撹拌した。最後に、懸濁液を濾過し、tert-ブチルメチルエーテルで更に洗浄し、風乾して、標題化合物を白色の結晶性固体として得た(収率96%)。
生物学的評価
ムスカリン性アセチルコリン受容体活性のインビトロ機能アッセイ
ヒトM受容体をエクオリンPerkin Elmerとともに安定的に発現するCHO-K1細胞を、10%のFBS(ATCC)、0.4mg/mLのジェネティシン(Sigma-Aldrich)、及び0.25mg/mLのゼオシン(Invitrogen)を含有するF12培地(Gibco)中で増殖させた。製造業者のプロトコールに従って、細胞を増殖させた。化合物試験のために、細胞をコンフルエントになるまで増殖させ、AccutaseSigma-Aldrich)で穏やかに剥離し、続いて150×gで5分間遠心分離した。次いで、細胞をアッセイ緩衝液(すなわち、0.1%のBSA(Sigma-Aldrich)を含む、フェノールレッドを含まないDMEM/F-12 HEPES(Invitrogen))中に5×10細胞/mlの密度で再懸濁した。滅菌条件下で、5μMのセレンテラジン(Invitrogen)を細胞に添加し、混合し、次いで、光から保護して、穏やかに撹拌しながら室温で4時間インキュベートした。
一次化合物プレートを、不透明96ウェルプレート(VWR)において100%のDMSO中で調製し、半対数増分で連続希釈した。二次化合物プレートをアッセイ緩衝液中3×濃度で調製した。化合物(6-(3-(4,4-ジフルオロ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)ブタノイル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ニコチノニトリル)を、白色の透明底組織培養処理96ウェルプレート(Fisher Scientific)に添加した。次いで、セレンテラジンを充填した細胞を、5×10細胞/ウェルで添加した。
化合物及び細胞を室温の暗所で30分間インキュベートした。EC80濃度のアセチルコリンを添加し、FlexStation 3(Molecular Devices)を使用してカルシウムフラックス測定した。40秒間かけて発光を測定し、曲線下面積を計算することによって、S字状の用量応答曲線を生成した。用量応答曲線及びIC50値を、Prism(GraphPad)を使用して生成した。0.1%のDMSO中100pM~10μMの最終濃度範囲で、化合物を試験した。
ヒトM、M、及びM受容体をそれぞれエクオリンとともに安定的に発現するCHO-K1細胞(Perkin Elmer)を使用して、EC80アセチルコリン応答を用量依存的に逆転させる試験化合物の能力を評価した。化合物のIC50を用量応答曲線から計算した。
化合物に対するM、M、M、及びM受容体の結果(IC50)を表16に示す。
A=10nM未満のIC50;B=100nM未満であるが、10nM以上のIC50;C=1μM(1,000nM)未満であるが、100nM以上のIC50;D=10μM(10,000nM)未満であるが、1μM(1,000nM)以上のIC50;E=1μM(1,000nM)超のIC50
上記は、明確にしかつ理解させる目的で実例及び実施例として詳細に記載されているが、本開示の趣旨から逸脱することなく、多数の様々な変更がなされ得ることが、当業者には理解されよう。したがって、本明細書に開示される形態は例示にすぎず、本開示の範囲を限定する意図はなく、むしろ、本発明の真の範囲及び趣旨に付随する全ての変更例及び代替例も包含することが意図されていることが、明確に理解されるべきである。

Claims (21)

  1. 13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、及び21.2±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする、上式を有する、結晶性化合物。
  2. 前記化合物が、6.7±0.15° 2θに、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、及び24.1±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の結晶性化合物。
  3. 前記化合物が、6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の結晶性化合物。
  4. 前記化合物が、6.7±0.15° 2θ、10.7±0.15° 2θ、13.4±0.15° 2θ、14.0±0.15° 2θ、15.2±0.15° 2θ、16.6±0.15° 2θ、17.7±0.15° 2θ、18.1±0.15° 2θ、18.4±0.15° 2θ、18.8±0.15° 2θ、19.3±0.15° 2θ、19.8±0.15° 2θ、20.0±0.15° 2θ、20.7±0.15° 2θ、21.0±0.15° 2θ、21.2±0.15° 2θ、24.1±0.15° 2θ、25.9±0.15° 2θ、26.3±0.15° 2θ、26.6±0.15° 2θ、27.0±0.15° 2θ、27.8±0.15° 2θ、及び30.6±0.15° 2θにピークを有するx線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の結晶性化合物。
  5. 前記化合物が、示差走査熱量測定で、約117℃で吸熱開始するものとして更に特徴づけられる、請求項1に記載の結晶性化合物。
  6. 請求項1に記載の結晶性化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物。
  7. 神経変性障害の治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の請求項1に記載の結晶性化合物を前記対象に投与することを含む、方法。
  8. 1つ又は2つ以上の免疫調節剤の投与を更に含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記1つ又は2つ以上の免疫調節剤が、IFN-β1分子;コルチコステロイド;グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマー;アルファ-4インテグリン又はナタリズマブに対する抗体又はその断片;アントラセンジオン分子又はミトキサントロン;フィンゴリモド、又はFTY720、又は他のS1P1機能調節因子;フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子;T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)又はダクリズマブに対する抗体;CD52又はアレムツズマブに対する抗体;CD20又はオクレリズマブに対する抗体;並びにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ又はテリフルノミドの阻害因子から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 脱髄疾患の治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の請求項1に記載の結晶性化合物を前記対象に投与することを含む、方法。
  11. 前記脱髄疾患が、中枢神経系の脱髄疾患である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記脱髄疾患が、多発性硬化症である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記脱髄疾患が、末梢神経系の脱髄疾患である、請求項10に記載の方法。
  14. 1つ又は2つ以上の免疫調節剤の投与を更に含む、請求項10に記載の方法。
  15. 前記1つ又は2つ以上の免疫調節剤が、IFN-β1分子;コルチコステロイド;グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマー;アルファ-4インテグリン又はナタリズマブに対する抗体又はその断片;アントラセンジオン分子又はミトキサントロン;フィンゴリモド、又はFTY720、又は他のS1P1機能調節因子;フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子;T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)又はダクリズマブに対する抗体;CD52又はアレムツズマブに対する抗体;CD20又はオクレリズマブに対する抗体;並びにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ又はテリフルノミドの阻害因子から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. ニューロパチー疾患、任意選択的に末梢ニューロパチーの治療方法であって、それを必要とする対象において、治療有効量の請求項1に記載の結晶性化合物を前記対象に投与することを含む、方法。
  17. 前記ニューロパチー疾患が、糖尿病性ニューロパチーである、請求項16に記載の方法。
  18. 1つ又は2つ以上の免疫調節剤の投与を更に含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記1つ又は2つ以上の免疫調節剤が、IFN-β1分子;コルチコステロイド;グルタミン酸、リジン、アラニン、及びチロシンのポリマー、又はグラチラマー;アルファ-4インテグリン又はナタリズマブに対する抗体又はその断片;アントラセンジオン分子又はミトキサントロン;フィンゴリモド、又はFTY720、又は他のS1P1機能調節因子;フマル酸ジメチル又は他のNRF2機能調節因子;T細胞のIL-2受容体のアルファサブユニット(CD25)又はダクリズマブに対する抗体;CD52又はアレムツズマブに対する抗体;CD20又はオクレリズマブに対する抗体;並びにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ又はテリフルノミドの阻害因子から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 対象におけるムスカリン性アセチルコリン受容体M活性を調節する方法であって、請求項1に記載の結晶性化合物を前記対象に投与することを含む、方法。
  21. 前記化合物が、選択的Mアンタゴニストとして作用する、請求項20に記載の方法。
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