JP2024513501A - 昆虫忌避剤有効成分のための溶媒及びそれを用いた昆虫忌避システム - Google Patents

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Abstract

昆虫忌避システムは、芯及びヒーターを用いた熱活性化分散体の一部として、有効昆虫忌避剤成分及びグリコール溶媒を含む。有効成分は、ピレスロイド系殺虫剤又は天然昆虫忌避物質であり得る。グリコール溶媒は、少なくとも2つのヒドロキシル基を含み、グリコール溶媒の混合物であってもよい。1つの溶媒混合物では、へキシレングリコールとジプロピレングリコールとの組み合わせが、メトフルトリン又はトランスフルトリンのいずれかであるピレスロイド系殺虫剤と組み合わされる。昆虫忌避システムは、熱可塑性プラスチック材料から形成される携帯型昆虫忌避システムであってよく、電池に依存して熱を発生させ得る。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月6日に出願された米国特許仮出願第63/171,316号の利益を主張するものであり、その開示内容は参照により本明細書に援用される。
本発明は、空間的に分散される昆虫忌避剤全般に関し、詳細には、昆虫忌避剤有効成分の分散を促進するための溶媒媒体に関する。
排除領域(proscribed area)において蚊を殺傷又は忌避する空気浮遊化学物質から成る空間蚊忌避剤は、多くの場合、ヒトの皮膚上に蚊忌避剤をこすりつけるよりも好まれる。空気中に蚊忌避剤の濃度を生じさせる最も一般的な方法は、エネルギーの使用、最も多くの場合は熱エネルギーの使用による。その熱は、化学的又は電気的に発生され得る。電気による熱は、コンセントに繋がれたコードからの電気又は電池による電気を用いて得られ得る。電池によって発生される熱の量は、電池の寿命に影響を与える電力消費をもたらす。より多くの熱は、より多くの電力消費を必要とし、電池寿命が短縮される結果となる。空間忌避剤を有用なものとするためには、電池は、蚊の存在する屋外で過ごす時間にわたってユーザーを保護するのに充分に長い時間持続する必要がある。したがって、電池式デバイスで実現される温度は、電源に差し込むコード付きデバイスよりも必然的に低くなる。
空間忌避剤は、様々な形態で得られる。蚊取り線香及びペーパーマットなど、多くは単一回使用の場合用に作製されている。別の形態である液体蒸発器は、液体貯留部と、液体が吸われて先端部で蒸発する芯と、を含む。この設計では、リフィルの期間は、含有される液体の体積に主として制限される。典型的には、処方剤中の液体は、有効成分及びその成分を溶解するために用いられる石油蒸留物を含有する。そのような処方剤での1つの問題点は、小児が液体の一部を誤飲及び吸入した場合に、石油蒸留物が、化学性肺炎を引き起こし得ることである。多くの炭化水素及び石油蒸留物が、誤嚥有害性と見なされている。したがって、昆虫忌避剤有効成分及びリフィル容器材料との適合性を有するより安全な溶媒が必要とされている。他方、グリコール溶媒は、誤嚥有害性の基準から外れる化学的及び物理的特性を有する。
蚊の空間忌避を作り出すために昆虫忌避剤を含む炭化水素溶媒と芯とを組み合わせた製品は、本技術分野において公知である。しかし、そのような製品の誤嚥有害性は、いくつかの司法管轄区において、ラベル上での警告及びチャイルドレジスタンス包装を必要としている。米国特許第10,485,228号には、炭化水素処方剤の代わりとして、処方剤中にグリコールエーテルを組み込んだ水性処方剤の使用が教示されている。この製剤は、処方剤を信頼性高く分配するために、水、グリコールエーテル、及び0.1%~3.0%の濃度の有効成分を必要とする。’228特許に記載されているように、このような低い有効成分濃度は、「リビングルーム、ラウンジ、ベッドルームなどの屋内空間において実用的な効果…」を有する。しかし、屋外の状況で空間忌避のより大きい効果を実現するためには、風及び一般的に空間的囲いがないことなどの屋外環境因子を克服するために、より高い有効成分レベルが必要とされる。水性処方剤では、有効成分と溶媒との比が制限されて、分散能が低下し、揮発熱入力が増加する可能性がある。
本発明者らによって発見されたように、グルコールエーテル又は他の関連するグリコール系溶媒ではなく、グリコールを溶媒として用いることにより、27%以上という高さであると実証された有効成分のより高いパーセントの分散性が可能となり、並びにグリコールエーテルによって提示される材料適合性及び炭化水素溶媒に起因する誤嚥有害性などのある特定の他の問題が解決される。より高い成分パーセントは、40%近くであり得る。
昆虫忌避システムは、加熱要素、貯蔵部、及び芯を備える。貯蔵部は、有効昆虫忌避剤成分とグリコール溶媒との混合物を含有する。芯は、加熱要素中に延びる近位端部と、混合物中に延びる遠位端部とを有する。ある特定の実施形態では、有効昆虫忌避剤成分は、ピレスロイド系殺虫剤、又はピレスロイドの組み合わせ(例:メトフルトリン及びプラレトリン)である。これらの実施形態のある特定の態様では、ピレスロイド系殺虫剤は、好ましくは、メトフルトリン又はトランスフルトリンのうちの1つであり得る。他の実施形態では、有効昆虫忌避剤成分は、レモンユーカリ油、ラベンダー、シナモン油、タイム油、グリークキャットミント油(Greek catmint oil)、ダイズ油、シトロネラ、チャノキ油、ゲラニオール、又はニーム油のうちの少なくとも1つなどの天然昆虫忌避剤である。
昆虫忌避システムの様々な実施形態のグリコール溶媒は、エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、又はテトラエチレングリコール溶媒のうちの1つであり得る。ピレスロイド系殺虫剤と合わせて、ある特定の実施形態では、グリコール溶媒は、少なくとも第一のグリコール溶媒と第二のグリコール溶媒との混合物であり、第一のグリコール溶媒は、第二のグリコール溶媒よりも低い沸点を有する。グリコール溶媒が第一及び第二の溶媒の混合物である場合、グリコール混合物の1つの実施形態は、へキシレングリコールとジプロピレングリコールとの混合物であり得る。この実施形態の一態様では、へキシレングリコール対ジプロピレングリコールの比は、約70%対約30%の比であり得る。へキシレングリコール溶媒とジプロピレングリコール溶媒との混合物を有する実施形態のある特定の態様では、比は、65~70パーセントのへキシレングリコール対35~30パーセントのジプロピレングリコールの範囲内のへキシレングリコール対ジプロピレングリコールの比として製剤され得る。別の選択肢として、比の範囲は、60~70パーセントのへキシレングリコール対40~30パーセントのジプロピレングリコールの範囲であり得る。
昆虫忌避システムのある特定の実施形態では、デバイスは、電池式の携帯型昆虫忌避システムとして構成される。加熱要素は、約3ワット~約4ワットの範囲内の電力出力を有してよく、電池は、約2900mAh~約3200mAhの充電容量を有してよい。ある特定の他の実施形態では、加熱要素は、約60摂氏度~約140摂氏度の範囲内であり得る低電圧電池作動において充分な範囲の温度出力を発生させる。
本明細書で述べる昆虫忌避システムの実施形態のいずれにおいても、筐体及び貯蔵部は、熱可塑性プラスチック材料から形成されてよい。1つの態様では、筐体の熱可塑性プラスチック材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチックであり、貯蔵部の一部分は、ポリカーボネートプラスチックから形成される。貯蔵部はさらに、Oリングとして構成され得る、芯を係合させるニトリルゴムシールなどのシール要素を含み得る。
本発明は、昆虫忌避剤を溶解して、例えばd-アレスリン、プラレトリン、トランスフルトリン、及びメトフルトリンなどのピレスロイド、天然油及び他の天然成分、サルチジン、並びにパラ-メンタン-3,8-ジオールを含む昆虫忌避剤有効成分の分散を可能とし、温度要件を低減する溶媒に関する。1つの実施形態では、グリコール系溶媒は、メトフルトリンなどの昆虫忌避剤有効成分との適合性を有して、60~140℃の範囲内であり得る低電圧電池作動において充分な熱範囲内で空間昆虫忌避処方剤を揮発させることが見出された。1つの実施形態では、低電圧電池は、リチウムイオン電池であるが、いかなる電池エネルギー貯蔵ユニットが用いられてもよく、本発明の範囲から逸脱しない。1つの構成では、リチウムイオン電池は、約2900mAh~約3200mAhの範囲内のサイズであり得るが、これよりも大きい若しくは小さい電池サイズ、又は複数の電池が用いられてもよい。この構成では、電池は、約5ボルトDC及び約1000mAの電源をベースとする充電容量を有し得る。電池に付随し、有効成分とグリコールとの混合物を揮発させるように構成されるヒーターは、3~4ワットの範囲内の電力を消費し得る。そのような電池は、再充電を必要とするまで最大6時間の使用時間をもたらすことができ、それは、晩1回の蚊からの保護に適切な時間枠である。
これらの昆虫忌避製品は、ヒト及びそのペットを、昆虫のカ科(Culicidae)からの蚊、昆虫のブヨ科(Simulidae)からのブヨ、昆虫のチョウバエ科(Psychodidae)からのサシチョウバエ、昆虫のヌカカ科(Ceratopogonidae)からのヌカカ、及び他の問題となる飛ぶ又は這う節足動物を含む様々な刺咬昆虫から保護することができる。
メトフルトリン単独では、室温で揮発性であり得るが、送達システムの作用が、効果的に送達することができる物質の濃度に影響を及ぼす。したがって、具体的な製剤は、送達デバイスの表面積と物質の温度との掛け算である。充分に広い表面積が提供され得る場合は、蚊を忌避し、場合によっては殺傷するのに充分な量のメトフルトリンを空気中に供給することができる。しかし、そのような表面積要件は、扱い難く、非実用的な送達システムをもたらすことになる。より小さい基材では、蚊などの昆虫を忌避するのに効果的な量の有効成分を提供するために、何らかの形態のエネルギー入力が必要とされる。エネルギー入力は、強制空気流、熱、又は両方の組み合わせの形態であり得る。目立たないが有効である適切なパッケージサイズを提供する目的で、分配デバイスは、好ましくは約2mm~約8mm径のサイズ範囲で、より好ましくは約5mmのサイズで形成された芯を特徴とする。そのような芯は、液体処方剤をその先端部までゆっくり吸い、その先端部で芯が加熱されて、揮発と称される状態である蒸気及び小粒子の形態で、空気中に有効成分が放出される。ヒーターに近接して位置する芯の露出面積及び芯材料の毛管作用能(多孔性)が、周囲への物質の揮発速度をもたらす。1つの実施形態では、芯は、3~4ワットの加熱要素と共に、約15~25フィート径の領域内及び約20フィート径の特定範囲内において昆虫、特に蚊を最小限に抑える又は排除するのに充分な、最大27%の有効成分レベルである量でメトフルトリン又は他の忌避剤を提供するサイズとされる。メトフルトリンとグリコール溶媒とのそのような組み合わせは、揮発して、上記約6時間のリチウムイオン電池寿命で、昆虫のいない(昆虫が減少した)空間を作り出すことができる。
本発明者らは、メトフルトリン用の溶媒剤としてのグリコールの使用が、20フィートの蚊忌避ゾーンを作り出すのに効果的なメトフルトリンの量を提供するために、上記で述べた加熱要素と適合性を有することを見出した。本発明者らはまた、ある特定のグリコール溶媒が、昆虫忌避剤有効物質のためのより有効な可溶化剤であることも見出した。理論に束縛されるものではないが、ある特定のグリコール溶媒の有効性は、部分的に、化学的極性及びより低い分子量に基づき得る。有効成分の溶解に適するグリコール製剤は、芯を上昇し、芯の先端部で加熱されると蒸発することができる。これらのグリコール製剤は、これらの複数の特性を併せ持って、製品中で作用する。例えば、ピレスロイド系殺虫剤(昆虫に対する忌避剤としても機能し得る)などの典型的な有効成分を溶解する目的で、試験したグリコール製剤は、物質を溶解し、目標とする熱出力限度内での揮発を可能とするのに充分な分子量、及び化学的極性又は他の化学的/物理的特性を提供することができる。充分な屋外での蚊忌避性を提供するために必要とされる典型的な有効成分濃度は、異なる実施形態において、4%メトフルトリンから27%トランスフルトリンまで変動し得る。
芯の特性は、蚊を忌避するのに充分な速度での有効成分放出を可能とする速度で芯の細孔を通ってグリコールを移動可能とするグリコールの粘度に制限を加える。したがって、芯と溶媒との特性は、相互に影響する。これらの処方剤の試験に用いられる典型的な芯は、ポリエチレンテレフタレート若しくはアクリル化合物などの成分を含む複合体構造、又はセラミック構造の芯であった。芯の多孔度は、40~70%の範囲内、密度は、0.40~0.80mg/mmの範囲内であってよい。試験したグリコールは、デバイスが発生する比較的低い電池による熱を受ける芯の先端部で蒸発するのに充分に高い蒸気圧又は充分に低い沸点を示す。ある特定の実施形態では、グリコールの組み合わせが、所望される有効成分放出速度をもたらすのに必要な特性を提供し得る。1つの実施形態では、へキシレングリコールとジプロピレングリコールとの70:30の組み合わせは、0.45~0.55mg/mmの密度の芯を通して有効な速度で有効成分を放出するのに有効である。
溶媒選択に対するさらなる制約は、溶媒とボトル及びヒーターコンポーネントとの相互作用である。例えば、グリコールエーテルは、これらの製品に典型的に用いられるアクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、及びニトリル材料との適合性を有しないことが様々に見出された。ある特定のグリコールは、複合体芯との非適合性を呈し、許容可能な溶媒のリストを狭めるものでもあったが、これは、非反応性グリコールとの組み合わせによって緩和することができる。
したがって、グリコール溶媒は、製品の有効性を改善するために、特に、誤嚥有害性を作り出すことなく、屋外で蚊を忌避するための製品の有効な使用を可能とするために、より高いレベルで昆虫忌避剤成分を組み込むための溶解力をもたらす。溶解力、芯を通しての適切な放出速度、デバイス温度要件、並びにリフィル構造及びデバイスのコンポーネントとの適合性を含む、グリコール溶媒又は溶媒の組み合わせを選択する際の複数の因子は、相互に作用し合う。特定のグリコール、又はヘキシレングリコールとジプロピレングリコールとの70:30の組み合わせなどのグリコールの組み合わせは、これらの試験カテゴリーの各々において満足するものでなければならない。
本発明の様々な態様は、当業者であれば、好ましい実施形態の以下の詳細な記述から、添付の図面に照らして読むことで明らかとなるであろう。
図1は、本発明に従う昆虫忌避剤溶液を用いる分配デバイスの断面図である。 図2は、図1の分配デバイスの分解組立図である。 図3は、図1の分配デバイスの芯位置に近接する加熱要素の拡大図である。 図4は、試験したグリコール溶媒の物理的及び化学的特性を示す試験データの表である。試験データは、分配デバイスと列挙したグリコール溶媒との適合性を示す。 図5は、試験したグリコール関連溶媒及びグリコールエーテル溶媒の物理的及び化学的特性を示す試験データの表である。 図6は、選択されたピレスロイド系有効成分のグリコール溶媒中における溶解度を示す試験データの表である。 図7は、選択されたピレスロイド系有効成分のグリコール関連溶媒中における溶解度を示す試験データの表である。 図8は、グリコール溶媒を用いた分配デバイスの適合性及び蒸発速度を示す試験データの表である。 図9は、グリコール関連溶媒を用いた分配デバイスの適合性及び蒸発速度を示す試験データの表である。 図10は、グリコール溶媒の沸点対平均蒸発速度のグラフである。
本明細書で言及され、記載される場合、「グリコール」の用語は、分子鎖の異なる炭素原子に結合した2つのヒドロキシル(-OH)基を有する有機化合物を意味し、3つのヒドロキシル基を含有するグリセロールを含む。さらに、本明細書で言及され、記載される場合、「グリコール関連」化合物の用語は、グリコールに類似の化学構造を有し得る有機化合物であるが、この場合、ヒドロキシル基のうちの1つ以上が、エーテル基(2つのアルキル基又はアリール基に接続された酸素原子)、エステル基(ヒドロキシル基が修飾されて酸素-アルキル基となっている)、又はアセチル基のうちの1つで変換又は修飾されている(例:グリコールエーテル、グリコールエステル、又はグリコールアセテート)。
次に、図面を参照すると、図1~図3には、全体として10で示される昆虫忌避装置が示される。忌避装置10は、本発明に従う忌避製剤を用いる昆虫忌避剤分配装置の例として提示され、他の形態で構成される場合もある。忌避装置10は、忌避剤貯蔵部14と、充電式電池として構成され、加熱要素18に電力供給することができる電源16とを配置し、支持するベース12を含む。1つの実施形態では、加熱要素は、約3~4ワットの電力出力を有する円筒形加熱要素であってよい。加熱要素18は、カバー20内で支持されてよいが、加熱要素は、ベース12上で支持されてもよく、又は別個の筐体構造の一部(図示せず)であってもよい。カバー20は、電池16と加熱要素18との電気接触を提供することができる。1つの実施形態では、ベース及びカバーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチックなどの熱可塑性プラスチックから形成され得る。
忌避剤貯蔵部14は、流体格納容器部分又はボトル22を含む。1つの実施形態では、ボトル22は、ポリカーボネートなどの熱可塑性プラスチックから形成される。貯蔵部14は、芯26及び1つの実施形態ではニトリルOリングとして構成されるシール構造28を支持する上部分24を含む。様々な構造コンポーネント材料と忌避製剤との化学的適合性、及び製剤と芯構造との流体取り込み適合性は、商業的に現実的であり効果的な昆虫忌避デバイスの開発に影響を与える。芯26は、天然若しくは人工繊維から形成される、又は焼結材料を含む複合体若しくはセラミック材料から形成される繊維性の毛管構造として構成され得る。様々な処方剤実施形態の試験に用いた典型的な芯は、ポリエチレンテレフタレート、アクリル化合物、又はセラミックなどの成分を含む複合体構造の芯であった。1つの実施形態では、芯の多孔度は、40~70%の範囲内、密度は、0.40~0.80mg/mmの範囲内であってよい。別の実施形態では、芯の多孔度は、50~60%の範囲内であってよく、0.55~0.65mg/mmの密度を有してよい。芯特性の影響は、グリコールの粘度、選択されたグリコール溶媒中の有効成分の溶解度、及び有効成分の濃度とバランスさせる。これらの因子を、熱出力のレベルとバランスさせて、芯の細孔を通って移動し、蚊を忌避するのに充分な有効成分濃度を作り出すための速度で蒸発可能となる製剤を得る。
図1に示されるように、芯26の露出領域は、ヒーター18に近接して、一般的にはその中に位置する。熱が、ヒーターに近接する芯端部26aに適用されるに従って、その領域に含有される処方剤は、揮発され、有効成分が周囲領域に放出される。物質が芯から放出されるに従い、放出される物質によって作り出される圧力差によって、毛管作用は、さらなる流体を芯の近接端部に向かって吸い上げることができる。処方剤を揮発させるのに利用可能である熱放射エネルギーの量は、特に携帯型昆虫忌避デバイスの状況において、影響を与える因子である。商業的に現実的である携帯型忌避デバイスを作製するために、ユニットサイズ、電池充電寿命、及びヒーター出力が、製剤特性を考慮して設計される。示されている有効性及び規制上の容認という理由から、例えばメトフルトリン及びトランスフルトリンなどの合成ピレスロイドは、処方剤の忌避剤部分における良好な候補である。別の選択肢として、他の合成又は天然忌避物質が用いられてもよい。例えば、レモンユーカリ油、ラベンダー、シナモン油、タイム油、グリークキャットミント油、ダイズ油、シトロネラ、チャノキ油、ゲラニオール、又はニーム油などの天然忌避物質が用いられ得る。
著しい研究及び試験を通して、図2~図9の表に裏付けられるように、本発明者らは、ある特定のグリコール溶媒が、メトフルトリンなどの昆虫忌避剤有効成分との適合性を有して、低電圧電池作動において充分な熱範囲内で空間昆虫忌避処方剤を揮発させること、及びデバイス10の様々な材料と適合性を有することを見出した。1つの実施形態では、目標温度範囲の60℃~140℃は、メトフルトリンの充分な揮発を提供する。1つの実施形態では、低電圧電池は、リチウムイオン電池であるが、いかなる電池エネルギー貯蔵ユニットが用いられてもよく、本発明の範囲から逸脱しない。1つの構成では、リチウムイオン電池は、約2900mAh~約3200mAhの範囲内のサイズであり得るが、これよりも大きい若しくは小さい電池サイズ、又は複数の電池が用いられてもよい。この構成では、電池は、約5ボルトDC及び約1000mAの電源をベースとする充電容量を有し得る。電池に付随し、有効成分とグリコールとの混合物を揮発させるように構成されるヒーターは、3~4ワットの範囲内の電力を消費し得る。そのような電池は、再充電を必要とするまで最大6時間の使用時間をもたらすことができ、それは、晩1回の蚊からの保護に適切な時間枠である。
有効成分と溶媒との製剤の開発において、グリコール関連溶媒などのグリコールは、誤嚥有害性とは見されない物理的及び化学的特性を有する。様々なグリコール及び修飾グリコール溶媒の評価は、これらの溶媒と接触する様々な物質の考慮も含んでいた。グリコールエーテルのジプロピレングリコールプロピルエーテルは、ABSプラスチックなどのある特定のデバイス材料との適合性を有しないことが見出された。試験した別の溶媒は、グリセロールに対する変形例であるイソプロピリデングリセロールであり、これも、ABSプラスチックとの適合性を有していなかった。図8及び図9の表に示されるように、未修飾グリコールは、デバイスとの適合性に関連して好ましい溶媒候補であると見なされた。デバイスの考慮に加えて、有効成分の溶解度も、いくつかのレベルで重要な考慮事項である。エチレングリコール及びプロピレングリコールなどのグリコール溶媒のいくつかは、一部の昆虫忌避剤に対して、特に図6に示されるようにプラレトリンに対して、良好な溶媒ではなかった。溶媒物質の考慮だけでなく、特定の有効成分の濃度レベルの考慮も、加熱された忌避デバイスとの適合性を有する効果的な処方剤を作り出すために必要である。トランスフルトリンなどの一部の忌避剤は、屋外で有効とするためには、27%ものより高い濃度パーセントが処方剤に必要であることが見出された。そのような高いレベルで有効成分を組み込むことは、適切な有効成分候補をさらに減少させるものであるさらなる溶解度の課題を生じさせる。
候補物質が識別されると、選択されたグリコールに関する放出速度が良好な空間蚊忌避をもたらすのに充分であるかどうかの考慮となる。ある特定の試験条件では、グリセロール及びテトラエチレングリコールは、メトフルトリン及びトランスフルトリンに対しては限定された放出速度能力を有していたが、他のピレスロイドに対して考慮することはできる。好ましい実施形態では、へキシレングリコール及びジプロピレングリコールをメトフルトリンと組み合わせた製剤は、所望される放出速度及び屋外での昆虫忌避に対する空間効果を提供する。この実施形態では、目標放出速度を得るための2つのグリコール溶媒の組み合わせが、へキシレングリコール単独では揮発するのが早過ぎ、ジプロピレングリコールでは遅すぎるという観察された個々の状態を改善した。1つの実施形態では、2つの溶媒のおよそ70:30の溶媒比が提供される。別の態様では、溶媒比は、60~70:40~30又は65~70:35~30などの比の範囲であってよく、比グリコール量の合計は100となる。以下に概要を示す好ましい実施形態では、おおよその比率で66重量パーセントのへキシレングリコール及び28重量パーセントのジプロピレングリコールを5.5重量パーセントのメトフルトリンと混合することで、所望される忌避結果が得られた。
本発明の原理及び作用モードを、その好ましい実施形態で説明し、示してきた。しかし、本発明が、その趣旨又は範囲から逸脱することなく、具体的に説明し、示した内容とは異なって実践されてもよいことは理解されたい。

Claims (15)

  1. 加熱要素、
    有効昆虫忌避剤成分とグリコール溶媒との混合物を含有する貯蔵部、及び
    前記加熱要素中に延びる近位端部と、前記混合物中に延びる遠位端部とを有する芯、
    を備えた昆虫忌避システム。
  2. 前記有効昆虫忌避剤成分が、ピレスロイド系殺虫剤であり、前記グリコール溶媒が、少なくとも第一のグリコール溶媒と第二のグリコール溶媒との混合物であり、前記第一のグリコール溶媒は、前記第二のグリコール溶媒よりも低い沸点を有する、請求項1に記載の昆虫忌避システム。
  3. 前記ピレスロイド系殺虫剤が、メトフルトリン有効成分、トランスフルトリン有効成分、又はプラレトリン有効成分のうちの1つである、請求項2に記載の昆虫忌避システム。
  4. 前記有効昆虫忌避剤有効成分が、レモンユーカリ油、ラベンダー、シナモン油、タイム油、グリークキャットミント油、ダイズ油、シトロネラ、チャノキ油、ゲラニオール、又はニーム油のうちの少なくとも1つを含む天然昆虫忌避剤である、請求項1に記載の昆虫忌避システム。
  5. 前記有効昆虫忌避成分が、メトフルトリンであり、前記グリコール溶媒が、エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、又はテトラエチレングリコール溶媒のうちの1つである、請求項1に記載の昆虫忌避システム。
  6. 前記有効昆虫忌避剤成分が、メトフルトリン又はトランスフルトリンのうちの1つであり、前記グリコール溶媒が、へキシレングリコールとジプロピレングリコールとの混合物である、請求項1に記載の昆虫忌避システム。
  7. へキシレングリコール対ジプロピレングリコールの比が、65~70パーセントのへキシレングリコール対35~30パーセントのジプロピレングリコールの範囲内である、請求項6に記載の昆虫忌避システム。
  8. へキシレングリコール対ジプロピレングリコールの前記比が、60~70パーセントのへキシレングリコール対40~30パーセントのジプロピレングリコールの範囲内である、請求項6に記載の昆虫忌避システム。
  9. 電池式の携帯型昆虫忌避システムとして構成され、前記加熱要素が、約3ワット~約4ワットの範囲内の電力出力を有し、前記電池が、約2900mAh~約3200mAhの充電容量を有する、請求項6に記載の昆虫忌避システム。
  10. 筐体及び前記貯蔵部が、熱可塑性プラスチック材料から形成される、請求項1に記載の昆虫忌避システム。
  11. 前記筐体の熱可塑性プラスチック材料が、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチックであり、前記貯蔵部の一部分が、ポリカーボネートプラスチックから形成される、請求項10に記載の昆虫忌避システム。
  12. 前記貯蔵部が、前記芯を係合させるシール要素を含む、請求項10に記載の昆虫忌避システム。
  13. 前記シール要素が、ニトリルシール又はニトリルOリングである、請求項12に記載の昆虫忌避システム。
  14. 筐体が、前記加熱要素を支持し、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチックから形成され、前記貯蔵部の一部分が、ポリカーボネートプラスチックから形成され、前記有効昆虫忌避剤成分が、メトフルトリン又はトランスフルトリンのうちの1つであり、前記グリコール溶媒が、へキシレングリコールとジプロピレングリコールとの混合物である、請求項1に記載の昆虫忌避システム。
  15. 前記加熱要素が、約60摂氏度~約140摂氏度の範囲内であり得る低電圧電池作動において充分な範囲の温度出力を発生させる、請求項14に記載の昆虫忌避システム。
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