JP2024511938A - 化膿性汗腺炎の治療における使用のためのレミブルチニブ - Google Patents

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Abstract

本開示は、化膿性汗腺炎を、このような疾患又は病態を有する被験体において治療及び/又は予防するための方法であって、治療的に有効な用量のLOU064を投与することを含む方法に関する。開示される使用及び方法において使用するための薬剤、投与計画、医薬組成物、組合せ、剤形、及びキットも開示される。

Description

本発明は、化膿性汗腺炎(HS)の有効で安全な治療に使用するための、LOU064又はその薬学的に許容される塩に関する。
化膿性汗腺炎(HS)(反対型ざ瘡又はベルヌーイ病とも呼ばれる)は、腋窩、鼠径部、乳房下襞(breast-fold)、及び肛門性器部における線維症を引き起こす深在性の結節、瘻孔、及び膿瘍によって特徴付けられる、慢性、再発性、炎症性疾患である(Revuz and Jemec(2016)Dermatol Clin 34:1-5;Jemec GB.(2012)N Engl J Med 366:158-64)。それは、代謝疾患、精神疾患、及び自己免疫疾患、並びに皮膚癌のリスクの増大を含む、かなりの疼痛及び併存疾患に関連している。(Revuz(2016);Shlyankevich et al.(2014)J Am Acad Dermatol 71:1144-50;Kohorst et al(2015)J Am Acad Dermatol 73:S27-35;Wolkenstein et al.(2007)J Am Acad Dermatol 56:621-3)。異なる人種/民族の中の平均HS罹患率は、アフリカ系アメリカ人集団において最も高く(1.3%)、ヒスパニック系/ラテンアメリカ系(0.07%)において最も低く、白人集団の間で中間であった(0.75%)(Sachdeva et al.(2021)J.Cutan Med Surg.:25(2):177-187。
HSの報告される罹患率は、集団の<1%から4%まで様々である。[Shlyankevich et al.(2014);Cosmatos et al.(2013)J Am Acad Dermatol 68:412-9;Davis et al.(2015)Skin Appendage Disord 1:65-73;Revuz et al.(2008)J Am Acad Dermatol 59:596-601;McMillan K.(2014)Am J Epidemiol 179:1477-83;Garg et al.(2017)J Am Acad Dermatol,77(1):118-122;Jemec et al.(1996)J Am Acad Dermatol 35:191-4]。しかしながら、HSは過小診断され、推定は、試験デザイン、集団、及び地理的場所によって変動するため、真の罹患率は、確認するのが困難である[Miller et al.(2016)Dermatol Clin 34:7-16]。アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)(NIH)は、HSを希少疾患として分類していないが、専門家は、一般に、この疾患の罹患率が、米国(US)人口の<1%であると考えている[Cosmatos et al.(2013);Genetic and Rare Diseases Information Center.National Institutes of Health.Hidradenitis suppurativa.Available at://rarediseases.info.nih.gov/diseases/6658/hidradenitis-suppurativa.Accessed March 20、2017;Gulliver et al.(2016)Rev Endocr Metab Disord 17:343-51;Garg et al.2007]。
HSのための現在の治療は、局所及び/又は全身抗生物質、ホルモン介入、レチノイド、及び、選択された場合、免疫抑制剤、生物製剤、例えば、HSの唯一の承認薬である腫瘍壊死因子[TNF]阻害剤モノクローナル抗体アダリムマブ、及び多くの場合に最後の手段として大きな外科的切除からなる[Gulliver et al.(2016);Zouboulis et al.(2015)J Eur Acad Dermatol Venereol 29:619-4414-16;Kimball et al.(2016)N Engl J Med 375:422-34]。病変は疼痛を伴うため、患者は、抗炎症治療に加えて、鎮痛薬及び鎮痛剤を頻繁に必要とする。
しかしながら、症状コントロール及び病変消散は、治療法によって一貫性がなく、根拠に基づくデータを提供するランダム化対照臨床試験結果が、ほとんどの治療法について不足しており、アダリムマブのみが承認されている。抗生物質療法が、数か月及びさらには数年にわたる長期の治療に使用されるが、抗生物質療法は、抗菌薬耐性の再増加をもたらし得る。レチノイドによる経口治療は、性的に活発な主に女性の集団において催奇形性の懸念をもたらす。さらに、ダプソン、フマレート及びシクロスポリンなどの抗炎症薬の有効性は、様々な結果を有する少ない症例の研究に基づいており、これらの分子は、体系的に使用されていない。これらの一貫性のない結果、及びHS疾患の重症度のため、HS患者は、他の慢性炎症性皮膚疾患を有する患者より高頻度で、高コストの環境(例えば、救急診療及び入院患者治療)で医療を利用する(Khalsa et al.(2016)J Am Acad Dermatol 73:609-14;Kirby et al.(2014)JAMA Dermatol 150:937-44)。
HSの免疫病原性は、ほとんど解明されておらず、広く及び若干不一致の病原性メカニズムが提案されている。補体活性化が、HS患者の皮膚及び血液中の補体断片C5aの高濃度によってHSの発症に関与するとされている(Kanni T.et al.Br J Dermatol.2018;179(2):413-419)。C5aは、活発に炎症を起こしたHS皮膚において顕著な細胞集団である好中球の主要な化学誘引物質である(Lima AL.et al.Br J Dermatol.2016;174(3):514-520)。さらに、NETosisと呼ばれるプロセスにおいて好中球細胞外トラップ(NET)を放出する好中球の増加したレベルが、増加したI型IFN応答及び形質細胞様樹状細胞(pDC)の活性化と共に、HS患者の血液及び皮膚の両方において実証されている(Byrd AS et al.,Sci transl Med.2019:11(508).eaav5908)。他の研究は、炎症性サイトカインIL-17A及びIFN-γ(Hotz C.et al.;J.Invest Dermatol.,2016:136(9):1768-1780;Vossen ARJV et al.Allergy.2019,74(3):631-634)、並びにケラチノサイト由来のIL-6及びIL-1βの関与を示唆した。さらなるトランスクリプトーム研究は、HSにおける免疫グロブリン及び形質細胞シグネチャの増加した発現を示したが(Hoffman LK.Et al.PLoS One.2018;13(9):e0203672)、HSに関与する免疫病原性メカニズムの明確及び包括的な見解は、不足している。
Gudjonssonらは、プロテオーム及びトランスクリプトーム手法及び単一細胞RNAシーケンシング又はscRNAseqなどの手法を用いて、深在性のHSにおける炎症反応を特徴付けた。このような研究は、IFN-γ、IL-36、及びTNFに集中した免疫応答を明らかにし、IL-17Aによる寄与はより少なかった。Gudjonssonらはさらに、HSにおける中心的なシグナル伝達ネットワークとしてのブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)及び脾臓チロシンキナーゼ(SYK)経路活性化と共に、HS発症における寄与因子として、免疫グロブリン産生及び補体活性化の関連する増加と共に、B細胞及び形質細胞を同定した(JCI Insight.2020;5(19):e139930.https://doi.org/10.1172/jci.insight.139930)。
HS発症におけるB細胞の役割も、以前の報告において示差されている(Van der Zee et al.2012,166:98-106;Musilova et al.J Invest Dermatol 2020,140:1091-1094)。さらに、HS発症におけるB細胞の役割はまた、2つの最近の研究によって強調され、一方は、HS外植片培養におけるリツキシマブの抗炎症性効果を実証しており(Vossen et al.,2019,181:314-23)、他方の症例研究は、リツキシマブによるB細胞枯渇を用いたHSの治療の成功を示す(Takahashi et al.,2018,45:e116-7)。しかしながら、さらなる研究が、B細胞を標的化することが有効な治療であり得るかどうかを決定するために必要とされる。
BTKは、ヒト肥満細胞及び好塩基球におけるFcεRIを介したシグナル伝達のために不可欠なキナーゼである。それはまた、B細胞成熟のために重要であるため、BTKは、B細胞悪性腫瘍の治療のために薬理学的に標的とされている。米国において現在3つのFDAに承認されたBTK阻害剤(BTKis)がある。イブルチニブ(商標名Imbruvica(登録商標);Pharmacyclics、及びAbbVie)、アカラブルチニブ(Calquence(登録商標);Acerta及びAstraZeneca)、及びザヌブルチニブ(Brukinsa(登録商標);BeiGene)は全て、BTKの経口用共有結合小分子阻害剤である。
さらに、開発中の多くのBTKiが、関節リウマチ、多発性硬化症、及び全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の治療のために臨床試験中である。例えば、アカラブルチニブ及びザヌブルチニブ並びに新規な化合物ONO-4059(チラブルチニブ)、HM71224(ポセルチニブ)及びABBV-105(ウパダシチニブ)は、B細胞悪性腫瘍及び/又は自己免疫疾患、例えば、関節リウマチ(RA)、シェーグレン症候群(SjS)及び全身性エリテマトーデス(SLE)においてそれらの有効性について現在試験されている。さらに、エボブルチニブ、トレブルチニブ及びフェネブルチニブは、多発性硬化症(MS)患者において第III相試験に入っており、オレラブルチニブは、第II相試験において試験され、BIIB091は、MSの治療における有効性について第I相試験において試験された。
BTK阻害剤が、HSの治療に有用であり得るという示唆にもかかわらず、この疾患の既存の動物モデルはなく、BTK阻害剤は、ヒトにおけるHSを治療することはまだ示されていない。さらに、いくつかのより以前に開発されたBTK阻害剤(例えばアカラブルチニブ、イブルチニブ)の選択性の欠如のため、それらのBTK阻害剤は、特に、長期/慢性及び安全な使用を必要とする適応症の治療のために、及び/又は小児若しくは思春期の青年集団において、非悪性適応症に好適でないことがある。現在承認されているBTK阻害剤の最も一般的な副作用としては、吐き気、下痢、発疹、感染症、血球減少、出血及び不整脈が挙げられる。特に、ファースト・イン・クラスの阻害剤であるイブルチニブの長期の毒性プロファイルは、十分に特徴付けられ、不整脈、出血、感染症、下痢、関節痛、及び高血圧症の臨床的に有意な発生を含む。米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration)からの承認を得る初期の第2世代BTKiであるアカラブルチニブは、BTKに対する改善されたキナーゼ選択性を実証するが、感染症、頭痛、及び下痢を含む一般的に観察される有害反応を伴う(Hematology Am Soc Hematol Educ Program.2020 Dec 4;2020(1):336-345)。
長期の安全性データは、現在開発中のBTK阻害剤について入手可能でないが、フェネブルチニブについての入手可能な安全性データは、BTK阻害剤が直面し得る最大の障害が、慢性使用中の副作用が許容可能であるかどうかであることを示唆し得る。例えば、フェネブルチニブの第IIa相試験で顕著な主要な事象は、高用量治療アームにおける被験体の8.3%及び6.3%におけるALT及び/又はASTの一時的なグレード3の増加であった。一部のBTKisについて既に観察された副作用のいくつかは、特に、長期の投与を必要とし得る場合、非悪性適応症を治療又は予防するためのそれらの使用を制限し得る。さらに、FDAに承認されたBTK阻害剤のいずれも、小児及び思春期の青年において承認されていない。したがって、小児における安全性データが入手可能になるまで、BTK阻害剤が実行可能な選択肢であるかどうかは不明である。
HSは、治療するのが依然として困難であり、その治療のために現在承認されている唯一の生物学的治療、抗TNF剤アダリムマブがあるが、アダリムマブでさえ、治療反応が、患者の約40%において最適ではない。この疾患は、身体的に及び精神的に消耗性であり、HS患者のための安全で有効な長期の治療、特に、経口治療を提供するという、明らかな満たされていないニーズがある。
トランスクリプトミクスシグネチャ濃縮(病変HS試料において過剰発現される遺伝子)。 化膿性汗腺炎の(バルク)トランスクリプトームデータセットにおけるLOUシグネチャ(LOU064抑制遺伝子)。 定常状態における脾臓BTK占有率のシミュレーション。 図4A:定常状態におけるBTK占有率の24時間にわたるトラフ。点としての中央値予測及び95%の予測区間を示す垂直線を示すグラフ。図4B:定常状態におけるBTK占有率の24時間にわたる平均。点としての中央値予測及び95%の予測区間を示す垂直線を示すグラフ。 (上記の通り。) ナノサイズLOU064の好ましい粒度分布。
本発明の根底にある課題は、HSの安全で有効な治療又は予防を提供することである。特に、本発明の目的は、HSの安全で有効な長期の治療又は予防を提供することである。
また、本発明の目的は、HSの改善された治療及び/又は予防を提供することである。例えば、本発明の目的は、抗TNF治療、例えばアダリムマブより有効な、HSの治療又は予防を提供することである。
したがって、HSを予防又は治療する方法であって、治療的に有効な用量のBTK阻害剤を、それを必要としている被験体に投与することを含む方法が、本明細書に開示される。本発明の方法に特に有用なのは、BMX、ITK及びTXKなどの他の構造的に類似したTecファミリーキナーゼに対して選択的であるBTK阻害剤(可逆的又は不可逆的)である。本発明により特に有用なのは、TecよりBTKに対して選択的である(例えば、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍のBTK/tec選択性)BTK阻害剤である。
HSを予防又は治療する方法であって、治療的に有効な用量のLOU064を、それを必要としている被験体に投与することを含む方法も、本明細書に開示される。
さらに、本発明はさらに、必要としている被験体におけるHSを治療又は予防する方法であって、治療的に有効な用量のLOU064又はその薬学的に許容される塩を、1つ以上の治療剤と共に前記被験体に投与することを含む方法を提供する。
本発明の別の態様において、本発明は、HSの治療及び/又は予防を必要としている患者におけるこのような治療及び/又は予防に使用するためのBTK阻害剤を提供する。
本発明の別の態様において、本発明は、HSの治療及び/又は予防を必要としている患者におけるこのような治療及び/又は予防に使用するためのLOU064を提供する。
本発明はさらに、HSの治療及び/又は予防を必要としている患者におけるこのような治療又は予防に使用するための、LOU064と1つ以上のさらなる治療剤との組合せに関する。
本発明のさらなる主題は、上述される治療に使用するための薬剤の製造のための方法である。
以下の実施形態E1~E32に要約される、本発明のさらなる態様、有利な特徴及び好ましい実施形態は、それぞれ単独で又は組み合わせて、本発明の目的を解決することに役立つ:
E1.化膿性汗腺炎(HS)を治療又は予防する方法であって、治療的に有効な用量のBTK阻害剤、例えば選択的BTK阻害剤、例えばLOU064を、それを必要としている被験体に投与することを含む方法。
E2.治療的に有効な用量のLOU064が、毎日約50mg~約200mgである、E1に記載の方法。
E3.治療的に有効な用量のLOU064が、1日2回約25mg~1日2回約100mgである、E2に記載の方法。
E4.治療的に有効な用量のLOU064が、1日2回約25mgである、E2に記載の方法。
E5.治療的に有効な用量のLOU064が、1日2回約100mgである、E2に記載の方法。
E6.LOU064が、短期間、例えば6か月未満、好ましくは、3か月未満にわたって投与される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E7.LOU064が、最大で16週間の間、例えば4、12、又は16週間の間に投与される、E6に記載の方法。
E8.LOU064が、長期間、例えば6か月超、好ましくは、1年超の慢性使用のために投与される、実施形態E1~E5のいずれか1つに記載の方法。
E9.LOU064が、単独療法として投与される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E10.LOU064が、CYP3Aの強力な阻害剤と同時に投与されない、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E11.LOU064が、CYP3A4の強力な阻害剤と同時に投与されない、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
E12.LOU064が、1つ以上の治療剤との組合せ療法において投与される、実施形態E1~E8のいずれか1つに記載の方法。
E13.患者が、LOU064と組み合わせて、少なくとも1つの局所用薬剤及び少なくとも1つの消毒薬でさらに治療される、E12に記載の方法。
E14.LOU064による治療の前に、患者が、HS用の全身性薬剤又は局所用治療薬で以前に治療されていない、実施形態E1~E11のいずれか1つに記載の方法。
E15.患者が、以下の基準の少なくとも1つに従って選択される:
a)患者が、中等度ないし重度のHSを有する;
b)LOU064による治療の前に、患者が、少なくとも3つの炎症性病変を有する;又は
c)LOU064による治療の前に、患者が、HSの結果として15以下の瘻孔の広範囲の瘢痕化を有さない);
d)患者が、少なくとも12か月にわたってHSの臨床診断を有する;
e)患者が、HS病変に関与する少なくとも2つの解剖学的部位を有する、上記の実施形態のいずれかに記載の方法。
E16.前記患者が、治療の16週目までに、以下:
a)簡易化HiSCR;
b)HiSCR臨床結果(HiSCR50、HiSCR75若しくはHiSCR90)
c)HS紅斑の減少;
d)疼痛NRS;例えば疼痛NRS30によって測定した際の皮膚疼痛の軽減
e)掻痒NRS;例えば掻痒NRS30によって測定した際の掻痒の軽減
f)全体若しくは様々なタイプのHS炎症病変数;例えばAN50、AN75、AN90若しくはAN100の減少;
g)IHS4スコアの減少;
h)DLQIによって測定した際の≦6の減少;及び/又は
i)DLQIの改善
のうちの少なくとも1つを達成する、上記の実施形態のいずれかに記載の方法。
E17.前記方法を用いて、中等度ないし重度のHSを有する患者の集団を治療する場合、前記患者の少なくとも40%が、治療の16週目までに、以下:
a)簡易化HiSCR;
b)HiSCR50;
c)HiSCR75
d)HiSCR90
のうちの少なくとも1つを達成する、上記の実施形態のいずれかに記載の方法。
E18.前記方法を用いて、中等度ないし重度のHSを有する患者の集団を治療する場合、前記患者の少なくとも25%が、治療の16週目までに、NRS30応答(例えば疼痛NRS30又は掻痒NRS30応答)を達成する、実施形態E1~E16のいずれかに記載の方法。
E19.前記方法を用いて、中等度ないし重度のHSを有する患者の集団を治療する場合、前記患者の15%未満が、16週間の治療の間、HS紅斑を生じる、実施形態E1~E16のいずれかに記載の方法。
E20.患者が、LOU064の第1の投与の1週間又は2週間後程度で、以下:
a)疼痛NRS、(例えば疼痛NRS30)によって測定した際の疼痛の軽減
b)掻痒NRS、(例えば皮膚掻痒NRS30)によって測定した際の掻痒の軽減
b)標準CRPアッセイを用いて測定した際の、例えば少なくとも25%のCRPの減少
のうちの少なくとも1つを有する、実施形態E1~E16のいずれかに記載の方法。
E21.前記患者が、炎症病変数、例えばAN50、化膿性汗腺炎臨床反応(HiSCR)(例えばsHiSCR、HiSCR50、HiSCR75若しくはHiSCR90)、掻痒又は疼痛数値評価スケール(NRS)、化膿性汗腺炎-医師総合評価(HS-PGA)、HSの重症度評価(SASH)、国際HS重症度スコアシステム(IHS4)又は皮膚科の生活の質指標(DLQI)によって測定した際、治療の終了の3か月後の持続的反応を達成する、上記の実施形態のいずれかに記載の方法。
E22.前記患者が、簡易化HiSCR(sHiSCR)、HiSCR50、HiSCR75又はHiSCR90によって測定した際、治療の終了の3か月後の持続的反応を達成する、E21に記載の方法。
E23.LOU064が、医薬組成物中に配置され、前記医薬組成物が、1つ以上の薬学的に許容される担体を含み、これはそれぞれ、独立して、充填剤、滑沢剤、バインダー、崩壊剤及び流動促進剤から選択される、上記の実施形態のいずれかに記載の方法。
E24.医薬組成物が、錠剤又はカプセル形態である、E23に記載の方法。
E25.医薬組成物が、LOU064のナノサイズ粒子を含む、実施形態E23又はE24に記載の方法。
E26.医薬組成物が、PCSによって測定した際の約50nm~約750nmの平均粒度を有するLOU064のナノサイズ粒子を含む、E25に記載の方法。
E27.医薬組成物が、約2:1の重量比でLOU064及びバインダーを含む、実施形態E23~E26のいずれか1つに記載の方法。
E28.医薬組成物が、約2:1:0.08の重量比でLOU064、バインダー及び界面活性剤を含む、E27に記載の方法。
E29.医薬組成物が、約1:1の重量比でLOU064及びバインダーを含む、実施形態E23~E26のいずれか1つに記載の方法。
E30.医薬組成物が、約1:1:0.05の重量比でLOU064、バインダー及び界面活性剤を含む、実施形態29に記載の方法。
E31.医薬組成物が、LOU064、バインダーとしてのポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー及び界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウムを含む、実施形態E23~E30のいずれか1つに記載の方法。
E32.LOU064が、約25℃の温度及び1.5405ÅのX線波長、λで測定されるとき、7.8±0.2°2θ、9.2±0.2°2θ、12.0±0.2°2θ、13.6±0.2°2θ、15.6±0.2°2θ、16.0±0.2°2θ、17.8±0.2°2θ、18.3±0.2°2θ、18.7±0.2°2θ、19.2±0.2°2θ、19.9±0.2°2θ、22.1±0.2°2θ、23.4±0.2°2θ、23.9±0.2°2θ、24.8±0.2°2θ、25.2±0.2°2θ、25.5±0.2°2θ、27.2±0.2°2θ、及び29.6±0.2°2θからなる群から選択される2θに関して1つ以上の代表的なピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる無水遊離塩基の結晶形態である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
本明細書において使用される際、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、細胞質チロシンキナーゼ及びTECキナーゼファミリーのメンバーである。BTKは、B細胞、マクロファージ、肥満細胞/好塩基球及び血小板を含む、適応及び自然免疫系の選択された細胞において発現される。BTKは、Fcε受容体(IgEの場合FcεR1)及び活性化Fcγ受容体(IgGの場合FcγR)、並びにB細胞抗原受容体(BCR)及びBTK阻害剤を介したシグナル伝達のために不可欠である。イブルチニブのようなBTK阻害剤は、B細胞悪性腫瘍の治療のために承認されている(Hendriks et al 2014)。最近、BTKの阻害が、インビトロでの肥満細胞及び好塩基球活性化/脱顆粒の阻害並びにIgE介在性アレルギーを患う患者による皮膚プリックテストにおける膨疹サイズの減少をもたらすことが実証された(Smiljkovic et al 2017;Regan et al 2017;Dispenza et al 2018)。したがって、BTKの阻害は、関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性じんましん、アトピー性皮膚炎、喘息、及び原発性シェーグレン症候群を含む様々な自己免疫及び慢性炎症性疾患を治療するための魅力的な治療コンセプトである(Tan et al 2013;Whang and Chang 2014)。BTK阻害剤の例としては、フェネブルチニブなどの非共有結合性、可逆的BTK阻害剤、並びにエボブルチニブ、トレブルチニブ、リルザブルチニブ、チラブルチニブ、ブラネブルチニブ、オレラブルチニブ及びレミブルチニブ(LOU064)などの、BTKの非共有結合性、不可逆的阻害剤が挙げられる。
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」並びに「からなる(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含む(comprising)」組成物は、Xのみからなってもよく、又は何か追加のものを含んでいてもよく、例えば、X+Yであってもよい。
本明細書において用いられる際に「薬学的に許容される」という語句は、妥当なベネフィット/リスク比に見合い、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適な、化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指す。
数値xに関連する「約」という用語は、例えば、+/-10%を意味する。数値範囲又は数値のリストの前に使用される場合、「約」という用語は、一連の各数値に適用され、例えば、「約1~5」という語句は、「約1~約5」として解釈されるべきであり、又は、例えば、「約1、2、3、4」という語句は、「約1、約2、約3、約4など」として解釈されるべきである。
本明細書において使用される際、「塩(salt)」又は「塩(salts)」という用語は、本発明の方法において使用するための化合物の酸付加塩又は塩基付加塩を指す。「塩」としては、特に、「薬学的に許容される塩」が挙げられる。「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の生物学的効果及び特性を保持し、典型的に、生物学的に又は他の形で有害でない塩を指す。多くの場合、本発明の方法において使用するための化合物は、アミノ基の存在によって酸塩及び/又は塩基塩を形成することが可能である。塩の例は、参照により本明細書に援用される国際公開第2015/079417号パンフレットに開示されるものである。
本明細書において使用される際、化合物、例えば、LOU064、又は別の薬剤に関連する「投与する」という用語は、任意の経路、好ましくは、経口投与による、患者へのその化合物の送達を指すのに使用される。
本明細書において使用される際、「薬学的に許容される担体」という用語は、当業者に公知であるように(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.Mack Printing Company,1990,pp.1289-1329を参照)、あらゆる溶媒、分散媒、コーティング、界面活性剤、酸化防止剤、保存料(例えば、抗菌剤、抗真菌薬)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存料、薬物安定剤、バインダー、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味料、着香剤、染料など及びそれらの組合せを含む。任意の従来の担体が、有効成分と不適合でない限り、治療用又は医薬組成物/製剤におけるその使用が想定される。
本発明の方法において使用するための化合物の「治療有効量/用量」という用語は、被験体の生物学的又は医学的応答、例えば、酵素若しくはタンパク質活性の低下若しくは阻害を誘発し、又はHSの症状を改善し、HS病態を緩和し、HSの疾患進行を減速するか若しくは遅延させ、又はHSを予防する、前記化合物の量を指す。
「治療」又は「治療する」という用語は、被験体又は被験体から単離された組織若しくは細胞株への、LOU064若しくはその薬学的に許容される塩、又はLOU064若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の適用又は投与として本明細書において定義され、ここで、被験体は、特定の疾患(例えば、HS)、疾患に関連する症状(例えば、HSの症状)、又は疾患を発症しやすい傾向(該当する場合)を有し、その目的は、疾患の1つ以上の症状を治癒させること(該当する場合)、重症度を軽減すること、そのような症状を緩和、改善すること、疾患を改善すること、疾患の任意の関連症状又は疾患を発症しやすい傾向を軽減若しくは改善することである。「治療」又は「治療する」という用語は、疾患を有する疑いのある被験体並びに病気であるか又は疾患若しくは病状を患っていると診断された被験体を治療することを含む。ある態様において、「治療する」という用語は、疾患又は障害を改善すること(すなわち、疾患又はその臨床症状の少なくとも1つの発現若しくは進行を遅らせるか又は停止させるか又は減少させること)を指す。別の実施形態において、「治療する」、「治療すること」又は「治療」は、患者によって認識できないことがあるものを含む少なくとも1つの物理的パラメータを軽減又は改善することを指す。さらに別の実施形態において、「治療する」、「治療すること」又は「治療」は、身体的に(例えば、認識できる症状の安定化)、生理学的に(例えば、物理的パラメータの安定化)、又は両方で、疾患又は障害を調節することを指す。より特定的に、疾患HSを「治療すること」という用語は、HS患者における炎症性病変を治療すること(数若しくは品質において又はそれらの体積及びサイズを減少させること)、及び/又はHS患者における膿瘍及び炎症性結節及び/若しくは排膿瘻孔を治療すること、及び/又は瘢痕の量を減少させること、及び/又は瘢痕に関連する機能的制約を緩和することを指す。疾患HSを治療することはまた、HSに関連する疼痛、倦怠感及び/又は掻痒を軽減すること、膿放出を減少させること及び膿放出に関連する臭いを減少させること、及び/又はHS患者についてのクオリティ・オブ・ライフを向上させること、及び/又は労働障害を減少させることを指す。
本明細書において使用される際、疾患又は障害(HS)の「予防」、「予防する」、「予防すること」という用語は、疾患若しくは障害の予防的処置;又は疾患若しくは障害の発現若しくは進行を遅延させ、及び若しくは抑制することを指す。より特定的に、疾患HSを「予防すること」という用語は、HS紅斑及び又は新たな病変が出現するのを防止すること;瘢痕を予防し、瘢痕に関連する機能的制約を防止すること、及び/又は特に、HSのための外科的介入を防止することを指す。
本明細書において使用される際、「被験体の集団」という語句は、このような処置から生物学的に、医学的に又はクオリティ・オブ・ライフにおいて利益を受け得る被験体の群を意味するために使用される。
本明細書において使用される際、「被験体」という用語は、動物を指す。典型的に、動物は、哺乳動物である。被験体はまた、例えば、霊長類(例えば、ヒト、男性又は女性)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類などを指す。特定の実施形態において、被験体は、霊長類である。好ましい実施形態において、被験体は、ヒトである。「被験体」という用語は、それがヒトを指す場合、「患者」と同義的に使用される。
本明細書において使用される際、「HSのための全身治療で以前に治療されていない」及び「治療未経験」という語句は、HSのための全身性薬剤、例えば、メトトレキサート、シクロスポリン、又は生物剤(例えば、IL-12及びIL-23遮断薬、例えば、ウステキヌマブ及びグセルクマブ又はTNF-α阻害剤、例えば、アダリムマブ又はインフリキシマブ、又はIL-17遮断薬、例えば、セクキヌマブ、イキセキズマブ及びブロダルマブ)で以前に処理されていないHS患者を指す。全身性薬剤(すなわち、経口で、注射によるなどで与えられる薬剤)は、全身性薬剤が、患者に送達されるとき、全身的(全身)効果を有する点で、局所用薬剤(例えば、局所薬及び光線療法)と異なる。開示される方法、レジメン、使用、キット、及び医薬組成物のある実施形態において、患者は、HSのための全身治療を以前に投与されていない。
本明細書において使用される際、「HSのための全身性薬剤で以前に治療された」という語句は、全身性薬剤を用いたHS治療を以前に受けた患者を意味するのに使用される。このような患者は、生物製剤、例えば、IL-12及びIL-23遮断薬、例えば、ウステキヌマブ及びグセルクマブ又はTNF-α阻害剤、例えば、インフリキシマブ、又はIL-17遮断薬、例えば、セクキヌマブ、イキセキズマブ及びブロダルマブで以前に治療された患者、並びに非生物製剤、例えば、全身性免疫抑制剤又は免疫調節剤(例えばシクロスポリン、メトトレキサート及びシクロホスファミド)、レチノイド(イソトレチノインなど)、ダプソン、メトホルミン及び経口亜鉛治療を含む全身治療で以前に治療された患者を含む。本開示のある実施形態において、患者は、HSのための全身性薬剤を以前に投与された。ある実施形態において、患者は、HSのための全身性薬剤(例えば、メトトレキサート、シクロスポリン)を以前に投与されたが、患者は、HSのための全身性生物製剤(すなわち、生物によって生成される薬物、例えば、抗体、受容体デコイなど)(例えば、セクキヌマブ、ウステキヌマブ、イキセキズマブ、ブロダルマブ、TNF α阻害剤(エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブレミケードなど)を以前に投与されていない。この場合、患者は、「生物製剤治療未経験」と称される。ある実施形態において、患者は、生物製剤治療未経験である。
本明細書において使用される際、患者に関連する「選択する」及び「選択された」は、特定の患者が、所定の基準を有する特定の患者に基づいて(によって)、患者のより大きい群から特異的に選択されることを意味するのに使用される。同様に、「選択的に治療する」は、特定の疾患を有する患者に治療を提供することを指し、ここで、その患者は、所定の基準を有する特定の患者に基づいて、患者のより大きい群から特異的に選択される。同様に、「選択的に投与する」は、所定の基準を有する特定の患者に基づいて(によって)、患者のより大きい群から特異的に選択される患者に薬物を投与することを指す。選択する、選択的に治療する、及び、選択的に投与するとは、患者がより大きい群の一員であることのみに基づいた標準的な治療計画が送達されるのではなく、患者の既往歴(例えば、過去の治療的介入、例えば、生物製剤による過去の治療)、生物学(例えば、特定の遺伝子マーカー)、及び/又は兆候(例えば、特定の診断基準を満たさない)に基づいた個別治療が患者に送達されることを意味する。本明細書において使用される治療の方法に関して、選択することは、特定の基準を有する患者の偶然の治療を指すのではなく、特定の基準を有する患者に基づいて、患者に治療を投与するための慎重な選択を指す。したがって、選択的な治療/投与は、患者の既往歴、疾患の症状、及び/又は生物学にかかわらず、特定の疾患を有する全ての患者に特定の薬物を送達する標準的な治療/投与と異なる。ある実施形態において、患者は、HSを有することに基づいて治療のために選択される。
本明細書において使用される際、本発明に関して(特に、特許請求の範囲に関して)使用される「a」、「an」、「the」という用語及び同様の用語は、本明細書に特に示されない限り、又は文脈上明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。
本明細書において使用される際の「医薬組合せ」という用語は、2つ以上の有効成分の使用又はそれを混合するか又は組み合わせることから得られる生成物を意味する。本明細書において使用される際の医薬組合せが、有効成分の固定された組合せ及び固定されていない組合せの両方を含むと理解されるべきである。「固定された組合せ(fixed combination)」という用語は、有効成分、例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び1つ以上の組合せパートナーが、単一の実体又は剤形として同時に患者に投与されることを意味する。このような場合のこの用語は、1つの単位剤形(例えば、カプセル、錠剤、又はサシェ)における固定用量の組合せを指す。固定されていない組合せ(non-fixed combination)」又は「パーツのキット」という用語はいずれも、有効成分、例えば、本開示の化合物及び1つ以上の組合せパートナー及び/又は1つ以上の助剤が、特定の時間制限なしに、同時に、並行して又は連続してのいずれかで、別個の実体として独立して患者に投与又は共投与されることを意味し、このような投与は、特に、これらの時間間隔が、組合せパートナーが共同効果、例えば、相加又は相乗効果を示すのを可能にする場合、患者の体内で2つの化合物の治療的に有効なレベルを提供する。「固定されていない組合せ」という用語は、カクテル療法、例えば、3つ以上の有効成分の投与にも適用される。したがって、「固定されていない組合せ」という用語は、本明細書に記載される化合物が、互いに独立して、すなわち、同時に又は異なる時点で投与され得るという意味で、特に、投与、使用、組成物又は製剤を定義する。「固定されていない組合せ」という用語は、単剤を、異なる量の有効成分をその中に含有するそれぞれの独立した製剤との1つ以上の固定された組合せ生成物と一緒に、使用することも包含することが理解されるべきである。本明細書に記載される組合せ生成物並びに「固定されていない組合せ」という用語は、有効成分(本明細書に記載される化合物を含む)を包含し、組合せパートナーが、互いに独立して販売されてもいる完全に別個の医薬剤形又は医薬製剤として投与されることがさらに理解されるべきである。固定されていない組合せの使用説明書が、包装、例えば、リーフレットなど、又は医師及び/若しくは医療スタッフに提供される他の情報で提供され、又は提供されてもよい。その際、独立した製剤又は製剤、生成物、若しくは組成物のパーツは、同時に又は時間をずらして投与され得、すなわち、パーツのキットの個々のパーツはそれぞれ、パーツのキットの任意のパーツについて、異なる時点で及び/又は等しい若しくは異なる時間間隔で投与され得る。特に、投与の時間間隔は、パーツの組み合わされた使用により治療される疾患に対する効果が、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩のみの使用によって得られる効果より大きい/高くなるように選択され;したがって、本明細書に記載される医薬組合せに使用される化合物は、共同で活性である。医薬組合せとして投与される第2の薬剤に対する、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の総量の比率は、治療される特定の患者亜集団のニーズ、又は例えば、患者の年齢、性別、体重などにより得る単独の患者のニーズにより適合させるために、変更又は調整され得る。
本明細書において用いられる際の「共投与」又は「組み合わされた投与」などの用語は、本明細書に記載される1つ以上の化合物を、選択された組合せパートナーと一緒に、それを必要としている単独の被験体(例えば、患者又は被験体)に投与することを包含することを意味し、化合物が、必ずしも同じ投与経路によって及び/又は同時に投与されるわけではない治療計画を含むことが意図される。
LOU064
LOU064(=N-(3-(6-アミノ-5-(2-(N-メチルアクリルアミド)エトキシ)ピリミジン-4-イル)-5-フルオロ-2-メチルフェニル)-4-シクロプロピル-2-フルオロベンズアミド、INN:レミブルチニブ)は、ブルトン型チロシンキナーゼの選択的阻害のための薬物候補として国際公開第2015/079417 A1号パンフレットに開示される。この化合物は、強力な高選択的な不可逆的共有結合BTK阻害剤である。BTKの不活性な立体構造への結合のため、LOU064は、優れたキナーゼ選択性を示し、したがって、キナーゼオフターゲット結合を低減し、共有結合阻害により、化合物は、長期の高い全身性化合物曝露の必要なく、強力及び持続的な薬力学的効果を示す(Angst,D.et al.,Discovery of LOU064(Remibrutinib),a Potent and Highly Selective Covalent Inhibitor of Bruton’s Tyrosine Kinase,J Med Chem.2020 May 28;63(10):5102-5118)。
本発明の方法において使用するためのLOU064は、式(I):

によって表される遊離塩基である。
他の実施形態において、N-(3-(6-アミノ-5-(2-(N-メチルアクリルアミド)エトキシ)ピリミジン-4-イル)-5-フルオロ-2-メチルフェニル)-4-シクロプロピル-2-フルオロベンズアミドは、参照により本明細書に援用される国際公開第2020/234779号パンフレット(実施例1)に開示されるように、遊離塩基の無水結晶形態Aである。
慢性自発性じんましん(CSU)(国際公開第2020/234782 A1号パンフレット)及びシェーグレン症候群(SjS)(国際公開第2020/234781 A1号パンフレット)の治療における使用のために既に提案されているLOU064は、CSU及びSjSについての第2相臨床試験において現在試験されている。
国際公開第2020/234782 A1号パンフレットにおいて、10mg、25mg及び100mgの用量の1日2回(b.i.d.)投与が、CSUにおいて最大の有効性を達成することが一般に示唆された。
少なくとも中等度に活性な慢性自発性じんましん(CSU)を有する、H-抗ヒスタミン剤によるコントロール不十分な患者において12週間にわたってLOU064の有効性及び安全性を評価する第2b相、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験において、患者に、LOU064 10mgをq.d.(1日1回)、35mgをq.d.、100mgをq.d.、10mgをb.i.d.(1日2回)、25mgをb.i.d.、100mgをb.i.d.、又はプラセボ(1:1:1:1:1:1:1の比率)を投与した。25mgをb.i.d.のレジメンが、他の用量と比較して特に有効であることが分かった。
したがって、25mgをb.i.d.の用量が、CSUについてのその後の第III相臨床試験のために選択された。
血液及び/又は組織におけるBTK占有率は、CSU及びSjS試験などの臨床試験のための用量を選択するための好適なバイオマーカーであることが報告された(国際公開第2020/234782号パンフレット及び国際公開第2020/234781号パンフレット)。
さらに、BTK占有率及びBTK占有率の持続が、雌ラットの血液及び様々な組織において異なることが報告されている(国際公開第2020/234781号パンフレット)。
異なる組織におけるBTK占有率は、異なる適応症における有効性及び最適な投与量選択に関連する。しかしながら、HS適応症に関連する全ての組織、ひいてはHSを治療又は予防するために浸透される必要がある組織についての現在一致する全体像はない。ラットにおいて報告されるように、BTK占有率及びBTK占有率半減期は、血液及び様々な組織において異なる。
BTK占有率半減期は、ターンオーバー速度(BTK細胞が再生する能力)に依存する。このようなターンオーバー速度は、各組織で異なり、種特異的である。BTK占有率は、同様に種依存的である化合物のPK/PD特性にさらに依存する。
BTK阻害剤は、3つの基本的な作用機序又は経路を介して作用又は介入し得る:
1)FcεR1を介したアレルギー性/I型過敏性の軽減、
2)FcγR及び/又はBCRを介した自己反応性/炎症又は3型過敏性におけるB細胞自己反応性及び免疫複合体の阻害、
3)BCRを介した自己抗体病変又は2型過敏性における自己抗体分泌の阻害。
理論に関連していないが、BTK阻害は、後者の2つの経路に関連しており、これは、HSが、B細胞活性に関連していること(Rumberger et al.2020、Gudjonsson et al.)並びに自己抗体の存在によることが示唆されているためである(Byrd et al(2018),J.Dermatol.;179(3):792-794、(2019),Camona-Rivera et al.(2021)J Invest Dermatol.Oct 1:S0022-202X(21)02286-7.doi:10.1016/j.jid.2021.07.187)。B細胞及び形質細胞は、病変組織中の三次リンパ器官に見られる。BTKターンオーバーは、皮膚肥満細胞と比較して、HS病変の三次リンパ器官に位置するB細胞内で潜在的により高く、十分な標的組織浸透は、線維性組織のリモデリング並びに膿瘍及び瘻管(fistula tract)のため、CSUと比較してHSにおいて達成するのがより困難であることがある。
一方、CSUは、(FcεR1を介した)抗IgE抗体の活性によって実証されるように、最初に上述された経路に特に依存する可能性が高く、したがって、HSにおける臨床反応は、CSU用量又は他の適応症について開示される任意の用量を用いて予測されないことがある。
したがって、何らかの理論によって制約されるものではないが、HSの治療又は予防のためのLOU064の有効な用量は、潜在的なより高いBTKターンオーバーで、炎症を起こした部分的に線維性のHS病変中のより高い組織濃度を可能にする用量である。
本発明の方法において使用するための医薬組成物
BTK阻害剤、すなわち、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される担体と組み合わせるときに、医薬組成物として使用され得る。このような組成物は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に加えて、担体、様々な希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、及び当該技術分野において公知の他の材料を含有し得る。担体の特性は、投与経路に依存する。開示される方法に使用するための医薬組成物は、特定の標的とされる障害の治療のためのさらなる治療剤も含有し得る。例えば、医薬組成物は、抗炎症薬又は鎮痒剤も含み得る。このようなさらなる要因及び/又は薬剤は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩との相乗効果を生じるため、又は式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩によって引き起こされる副作用を最小限に抑えるために、医薬組成物に含まれ得る。好ましい実施形態において、開示される方法において使用するための医薬組成物は、約50mg~200mgの1日量、例えば、25mgbid、又は100mgbidで、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
経口投与用の好適な組成物は、錠剤、トローチ剤、水性若しくは油性懸濁液、分散性散剤若しくは顆粒剤、エマルジョン、硬又は軟カプセル剤、又はシロップ若しくはエリキシル剤の形態で、有効量の本発明の化合物を含む。経口用として意図された組成物は、医薬組成物の製造のための当該技術分野において公知の任意の方法に従って調製され、このような組成物は、薬学的に洗練された口当たりの良い製剤を提供するために、甘味料、着香剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1つ以上の薬剤を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に好適な非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して有効成分を含有し得る。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;造粒剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、又はアルギン酸;バインダー、例えば、デンプン、ゼラチン又はアカシア;及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクである。錠剤は、被覆されていないか、又は消化管における崩壊及び吸収を遅延させ、それによって、より長い期間にわたって持続的な活性をもたらすため、公知の技術によって被覆される。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が用いられ得る。経口用の製剤は、有効成分が、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合された硬ゼラチンカプセルとして、又は有効成分が、水又は油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油と混合された軟ゼラチンカプセルとして提供され得る。
開示される方法において使用するための医薬組成物は、従来の方法で製造され得る。一実施形態において、医薬組成物は、経口投与用に提供される。例えば、医薬組成物は、
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン;
b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム又はカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコール;さらに錠剤用に
c)バインダー、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドン;必要に応じて
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸若しくはそのナトリウム塩、又は発泡性混合物;及び/又は
e)吸収剤、着色剤、香料及び甘味料
と一緒に有効成分を含む錠剤又はゼラチンカプセルである。
したがって、本発明の方法において使用するための医薬組成物は、LOU064及び1つ以上の薬学的に許容される担体を含み、これはそれぞれ、独立して、充填剤、滑沢剤、バインダー、崩壊剤及び流動促進剤から選択される。
別の実施形態において、好適な医薬組成物、LOU064は、任意の薬学的に許容される形態で存在し得る。医薬組成物は、錠剤又はカプセル形態であることが好ましいであろう。錠剤は、当該技術分野において公知の方法に従ってフィルムコーティング又は腸溶コーティングされ得る。ナノサイズ又はマイクロサイズ粒子として医薬組成物/製剤中にLOU064を含むことも好ましいであろう。
LOU064が、ナノサイズ粒子の形態で医薬製剤中に存在する場合、平均粒度は、1000nm未満であり得る。好ましくは、LOU064の平均粒度は、500nm未満、より好ましくは、250nm未満であり得る。
好ましい実施形態において、LOU064の平均粒度は、約50nm~約1000nm、又は約50nm~約750nm、又は約60nm~約500nm、又は約70nm~約350nm、又は約100nm~約170nmであり得、より好ましくは、LOU064の平均粒度は、約100nm~約350nm、又は約110nm~約200nm、又は約120nm~約180nm又は約120nm~約160nmであり得、好ましくは、LOU064の平均粒度は、約150nm~約200nmであり得る。
LOU064が、ナノサイズ粒子の形態で医薬製剤中に存在する場合、経口投与は、好ましくは、1日2回約25mg~約100mgの用量で、より好ましくは、1日2回約100mgの用量である。
LOU064が、マイクロサイズ粒子の形態で医薬製剤中に存在する場合、平均粒度は、1~5μm又は好ましくは、1.0~1.5μmであり得る。好ましくは、LOU064の平均粒度は、1.1~1.3μmであり得る。
LOU064が、マイクロサイズ粒子の形態で医薬製剤中に存在する場合、経口投与は、好ましくは、1日2回約25mg~約100mgの用量、例えば1日2回約25mgの用量である。
好ましい実施形態において、多分散指数(PI)は、0.01~0.5、より好ましくは、0.1~0.2、特に、0.12~0.14である。好ましい粒度分布が、図5に示される。
上記の平均粒度は、強度で重み付けされる。平均粒度は、動的光散乱によって決定され得る。好ましくは、平均粒度は、光子相関分光法(PCS)によって決定される。特に、平均粒度を決定するために、Malvern Panalytical Ltd.(UK)製のデバイス「Zetasizer Nano ZS」、Version 7.13が使用され得る。
好ましくは、測定が、精製水中0.1mMのNaCl溶液(1:10)を用いて湿式分散方法として行われ、ここで、減衰指数(attenuator index)は、2~9、特に、5である。測定は、好ましくは、25℃で行われる。測定システムのさらなる好ましい設定は、以下のとおりである:
セル:使い捨てサイジングキュベット
計数率(kcPs):315
持続時間:60秒
測定位置(mm):4.65。
本発明の一実施形態において、LOU064組成物は、ヒトへの経口投与のために適合された医薬組成物として、日常的な手順に従って製剤化される。典型的に、経口投与用の組成物は、カプセル剤又は錠剤である。
一実施形態において、LOU064のための医薬組成物/製剤は、参照により本明細書に援用される米国仮特許出願第63/141558号明細書又はそのファミリーメンバー(国際公開第2022/162513号パンフレット)に開示される製剤化に従って製剤化される。
本発明によれば、経口投与用の好適な医薬組成物は、LOU064及びバインダーを含む。
好適なバインダーとしては、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、セラック、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールコポリマー、ポリエチレン-プロピレングリコールコポリマー、又はそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、バインダーは、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーである。
LOU064及びバインダーの重量比は、約3:1~約1:3;例えば約3:1、約2:1、約1:1であり得、好ましくは、LOU064及びバインダーの重量比は、約2:1又は約1:1である。
好ましくは、経口投与用の好適な医薬組成物は、LOU064、バインダー及び界面活性剤を含む。
好適な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、ペルフルオロブタンスルホネート、スルホコハク酸ジオクチル、又はそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。
LOU064、バインダー及び界面活性剤の重量比は、約2:1:0.5、又は約2:1:0.1、又は約2:1:0.08、又は約2:1:0.05、又は約2:1:0.04、又は約2:1:0.03、又は約2:1:0.02である。好ましくは、LOU064、バインダー及び界面活性剤の重量比は、約2:1:0.08又は約1:1:0.05である。
特に好ましい実施形態において、経口投与用の好適な医薬組成物は、LOU064、バインダー及び界面活性剤を含み、ここで、バインダーは、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(コポビドン)であり、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)であり、LOU064、コポビドン及びSLSの重量比は、約2:1:0.08である。LOU064が、好ましくは、PCSによって測定した際に約100nm~約200nmの平均粒度を有するナノサイズ粒子の形態でこの医薬組成物中に存在することがさらに特に好ましい。
LOU064又はその薬学的に許容される塩、若しくはその結晶形態を用いたHSの治療又は予防の方法。
必要としている被験体における、HSを治療又は予防するのに使用するための、方法、及びLOU064又はその薬学的に許容される塩が開示され、本明細書において、治療的に有効な用量のLOU064又はその薬学的に許容される塩を被験体に投与することを含む。開示される方法に使用するためのLOU064又はその薬学的に許容される塩は、インビトロ、エクスビボで使用されるか又は医薬組成物に組み込まれ得、HS患者(例えば、ヒト患者)を治療するためにインビボで投与され得る。
適切な投与量は、例えば、LOU064の特定の薬学的に許容される塩、LOU064の特定の多形形態、患者の体重、投与方法、医薬組成物、並びに治療される病態の性質及び重症度、並びに被験体が受けた過去の治療の性質に応じて変化するであろう。最終的に、担当の医療従事者が、各個々の被験体を治療するLOU064の量を決定するであろう。ある実施形態において、担当の医療従事者は、低用量のLOU064を投与し、被験体の反応を観察し得る。
本開示の一実施形態において、LOU064又はその薬学的に許容される塩は、毎日約50mg~約200mgの用量で経口投与される。
本開示の一実施形態において、LOU064又はその薬学的に許容される塩は、1日2回約25mg~1日2回約100mg、例えば、約25mgを1日2回(BID)、約50mg BID又は約100mg BIDの用量で経口投与される。
別の実施形態において、LOU064は、1日2回約25mgの用量で経口投与される。
別の実施形態において、LOU064は、1日2回約100mgの用量で経口投与される。
本開示の医薬組成物を使用する治療期間は、治療される疾患又は障害の重症度並びに各個々の被験体の病態及び個人的な反応に応じて変化するであろう。ある実施形態において、被験体は、短期間、例えば最大で1週間、例えば最大で2週間、例えば最大で4週間、例えば最大で12週間、例えば最大で16週間、例えば最大で24週間にわたってLOU064を投与される。
ある他の実施形態において、被験体は、好ましくは、長期間にわたってLOU064を投与される(例えばLOU064は、疾患が、その使用を正当化するよう存在する限り、例えば少なくとも6か月、例えば1年間、2年間、3年間、4、年間、10年間超にわたる全期間で無制限に使用される。LOU064又はその薬学的に許容される塩は、最大で5年間、10年間、15年間、20年間又は生涯にわたって使用され得る。好ましい実施形態において、本発明に係るLOU064による治療は、慢性治療である。
HSは、主に、身体の腋窩、鼠径部、乳房下部、肛門性器部、及び会陰部の皮膚間擦部を侵す、慢性の炎症性の瘢痕化状態である。それは、反対型ざ瘡とも呼ばれる。3つの診断基準は、HSの診断を確立する:典型的病変(初期の一次病変における深在性の有痛性結節[隠れた]腫物、又は二次病変における膿瘍、排膿洞、架橋瘢痕、及び「墓石状」開放面皰);典型的なトポグラフィー(腋窩、鼠径部、生殖器、会陰部及び肛門周囲部、臀部、並びに乳房下部及び乳房間部;並びに慢性化及び再発(Margesson and Danby(2014)Best Practices and Res.Clin.Ob.And Gyn 28:1013-1027)。HSの身体的な程度は、以下の表1に示される、Hurleyの臨床病期分類を用いて分類され得る:
HSは、毛包性角栓、管断裂、及び二次的炎症からなる。患者は、まず、毛包管の詰まりを生じ、これは、時間と共に管の漏出及び真皮への水平方向の断裂をもたらす。毛包-毛嚢脂腺(FPSB)の修復が失敗した場合、毛包断片は、HS疾患経過を開始させる3つの反応を刺激する。第1の反応は、自然免疫系によって引き起こされる炎症反応であり、化膿及び組織破壊を引き起こし、異物反応及び広範な瘢痕化をもたらす。第2の反応は、上皮で覆われた洞をもたらし、これは、炎症反応によって引き起こされる破壊を生き延びたFPSB単位に由来する幹細胞から生じ得る。第3に、炎症細胞を含有するゲルからなる侵襲性の増殖性のゼラチン状塊が、ほとんどの場合に発生し、上述される上皮で覆われた要素の前駆体と仮定される(Margesson and Danby(2014)を参照。本明細書において使用される際、「HS疾患進行を遅らせること」という語句は、上述されるHS疾患経過の局面のいずれか、特に、炎症反応の進行速度を減速させることを意味する。本開示のある実施形態において、LOU064による治療は、HS疾患進行を遅らせる。
患者におけるHSの再発は、丘疹、膿疱又は炎症性結節、疼痛及び掻痒、膿瘍、排膿、及びそれらの任意の組合せの発生を含む。本明細書において使用される際、「HS紅斑」(など)は、ベースラインと比べた2つのANの最小の増加を伴う膿瘍及び炎症性結節数(AN)の少なくとも25%の増加として定義される。
本開示のある実施形態において、LOU064による開示される方法に従う治療は、HS紅斑を予防し、HS紅斑の重症度を低下させ、及び/又はHS紅斑の頻度を低下させる。ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、5%未満、10%未満、15%未満又は20%未満が、最初の16週間の治療中に紅斑を生じる。
本明細書において使用される際、「HS紅斑の重症度を低下させること」などの語句は、HS紅斑の強度を低下させること、例えば、膿瘍及び/若しくは炎症性結節の数及び/若しくはサイズを減少させること、特定の紅斑構成要素の強度を低下させること(例えば、膿瘍及び/又は炎症性結節の数、サイズ、厚さなどを減少させること、皮膚刺激(掻痒、疼痛)などの程度を低下させること)、及び/又は紅斑(又はその構成要素)が持続する時間の量を減少させることを意味する。
本明細書において使用される際、「HS紅斑の頻度を低下させること」などの語句は、HS紅斑の発生率を低下させること、例えば、膿瘍及び/又は炎症性結節の発生率を低下させることを意味する。HS紅斑の頻度を低下させることによって、患者は、より少ないHS再発を生じる。紅斑の発生率は、患者を経時的に監視して、紅斑の罹患率が低下したかどうかを決定することによって評価され得る。
本明細書において使用される際、「HS紅斑を予防すること」という語句は、将来的なHS紅斑及び/又は紅斑構成要素をなくすことを意味する。
HS治療の有効性は、HS病態及び/又はHS臨床反応を測定する様々な公知の方法及び手段を用いて評価され得る。いくつかの例としては、例えば、Hurleyの病期分類、重症度評価スコアリングシステム(SAHS)、Sartoriusスコア、修正Sartoriusスコア、HS医師総合評価(HS-PGA)スコア、皮膚関連の疼痛又は皮膚掻痒を評価するための視覚的アナログスケール(VAS)又は数値評価スケール(NRS)、皮膚科の生活の質指標(DLQI)、膿瘍及び炎症性結節の合計に基づくHS臨床反応(HiSCR:HiSCR50、HiSCR75又はHiSCR90)、簡易化HiSCR、EuroQuol-5D(EQ5D)、病院不安及びうつ尺度、医療資源活用、化膿性汗腺炎重症度指標(HSSI)、作業生産性指標(WPI)、炎症体表面積(BSA)、反対型ざ瘡重症度指標(AISI)などが挙げられる(例えば、Deckers and Prens(2016)Drugs 76:215-229;Sartorius et al.(2009)Br.J.Dermatol 161:831-39;Chiricozzi et al.(2015)Wounds 27(10):258-264を参照)。ある実施形態において、本明細書に開示される本発明の方法の有効性は、HS医師総合評価(HS-PGA)、重症度評価スコアリングスコア(SAHS)、スコア数値評価スケール(NRS)(掻痒若しくは疼痛)、皮膚科の生活の質指標(DLQI)、膿瘍及び炎症性結節の合計に基づくHS臨床反応(HiSCR、すなわち、HiSCR50、HiSCR75若しくはHiSCR90)、及び/又は簡易化HiSCRによって評価され得る。好ましくは、本明細書に開示されるHS治療の有効性は、膿瘍及び炎症性結節の合計に基づくHS臨床反応(HiSCR、すなわち、HiSCR50、HiSCR75若しくはHiSCR90)、及び/又は簡易化HiSCRによって評価され得る。
ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応してHiSCRを達成する。ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%又は少なくとも70%が、16週目までに、以下:
-HiSCR50;
-HiSCR75;
-HiSCR90;又は
-簡易化HiSCR(sHiSCR);好ましくは、2HiSCR
のうちの少なくとも1つを達成する。
他の実施形態において、本明細書に開示されるHS治療の有効性は、治療の16週目までの、治療された患者におけるレスポンダーの割合(すなわち、本発明の化合物によるHS治療に対して、HiSCR反応(HiSCR、すなわち、HiSCR50、HiSCR75、HiSCR90又はsHiSCR反応)を達成する患者)と、プラセボ治療された患者におけるレスポンダーの割合との差によって測定され得る。ある実施形態において、HiSCR(HiSCR50、HiSCR75、HiSCR90又はsHiSCR)によって測定した際のレスポンダーの割合のこの差は、少なくとも15%、少なくとも25%、少なくとも30%又は少なくとも35%である。
治療反応についての好ましいスコアリングシステムは、HiSCR(HiSCR50、HiSCR75又はHiSCR90)、簡易化HiSCR、疼痛又は皮膚掻痒NRS(例えば疼痛NRS30又は皮膚掻痒NRS30)、重症度評価スコアリングシステム(SAHS)、HS-PGA、炎症病変数(膿瘍、炎症性結節、及び/又は排膿瘻孔の数)、ISH4及びDLQIである。
化膿性汗腺炎臨床反応(HiSCR)は、HS治療に対する臨床反応の尺度である。治療に対する(ベースラインと比較した)HiSCR50反応は、以下のとおりである:1)膿瘍及び炎症性結節の少なくとも50%の減少(AN50)、及び2)膿瘍の数の増加なし、及び3)排膿瘻孔の数の増加なし。
ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応してHiSCR50を達成する。
ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、又は少なくとも70%が、治療の16週目までにHiSCR50を達成する。
本明細書において使用される際、「簡易化HiSCR」又は「sHiSCR」は、病変の進行を評価する場合にベースラインに対する膿瘍計数を含まない修正HiSCRを指す。好ましい実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して簡易化HiSCRを達成する。ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、又は少なくとも70%が、治療の16週目までに簡易化HiSCRを達成する。
治療に対する(ベースラインと比較した)HiSCR75反応は、以下のとおりである:1)膿瘍及び炎症性結節の少なくとも75%の減少、及び2)膿瘍の数の増加なし、及び3)排膿瘻孔の数の増加なし。
治療に対する(ベースラインと比較した)HiSCR90反応は、以下のとおりである:1)膿瘍及び炎症性結節の少なくとも90%の減少、及び2)膿瘍の数の増加なし、及び3)排膿瘻孔の数の増加なし。
好ましい実施形態において、HS患者は、HS治療に反応してHiSCR75又はHiSCR90を達成する。
ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、又は少なくとも70%が、治療の16週目までにHiSCR75を達成する。
ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、又は少なくとも70%が、治療の16週目までにHiSCR90を達成する。
疼痛は、数値評価スケール(NRS)を用いて評価され得る。ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して改善された疼痛NRSを達成する。疼痛NRS30は、疼痛の少なくとも30%の軽減及び3以上のベースラインスコアを有する患者におけるベースラインからの、皮膚疼痛の患者総合評価(PGA)におけるベースラインからの少なくとも1単位の低下として定義される。ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応してNRS30を達成する。ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、又は少なくとも60%が、治療の16週目までにNRS30を達成する。この実施形態の好ましい態様において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、少なくとも30%が、治療の16週目までにNRS30を達成する。ある実施形態において、権利請求される方法に従う治療に反応して、患者は、最初の投与の1週間又は2週間後程度で、VAS又はNRS、好ましく、NRSによって測定した際、疼痛の軽減を生じる。
重症度評価スコアリングシステム(SAHS)は、Hassam et al.JAMA Dermatol(2018),154(3):330-335に記載されている。HSの重症度は、SAHSスコアによって評価され得、それについて以下の項目が調べられる:病変領域の数(左腋窩、右腋窩、左乳腺下、右乳腺下、乳房間又は胸部、腹部、恥丘、左鼠径部、右鼠径部、生殖器、肛門周囲又は会陰部、左臀部、右臀部、及びその他[例えば、頸部、耳介後方])、瘻孔以外の炎症性及び/又は有痛性病変(ILOF)の数、及び瘻孔の数。医師によって評価されるこれらの項目は、患者によって報告される2つの項目によって完成された:患者は、新しい腫物の数又は過去4週間の間に広がった既存の腫物の数について尋ねられ、患者の日常活動(例えば、座る、動く、又は作業する)中の最も症候性の病変の疼痛の現在の重症度(NRS)を数値評価スケールで評価することを求められた。SAHSスコアは、上記の全ての収集された情報の複合スコアである。HSの軽症症例は、4以下のSAHSスコアによって定義される。中等度のHSは、5~8のSASHスコアによって定義され、HSの重症症例は、9以上のSASHによって定義される。
ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して改善されたSAHSスコアを達成する。ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して、SAHSスコアの、ベースラインからの少なくとも1ポイントの低下を達成する。他の実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して、SAHSスコアの、ベースラインからの少なくとも2ポイントの低下又は少なくとも3ポイントの低下を達成する。好ましくは、SAHSスコアは、LOU064による治療前に、ベースラインで少なくとも4であった。
国際化膿性汗腺炎重症度スコアシステム(IHS4)は、臨床試験又は実生活条件で使用され得る、HS重症度を動的に評価するための臨床的に確立された手段である(Zouboulis et al.(2017);Br.J.Dermatol.;177(5):1401-9.)。この手段に従うHSの重症度は、このスキームに従って個々のHS病変を合計することによって評価される:
結節の数×1+
膿瘍の数×2+
排膿路(瘻孔/洞)の数×4
次に、HSの重症度は、以下として定義される:
軽度HS:≦3ポイント
中等度HS:4~10ポイント
重度HS:≧11ポイント
HS病変の定義は、以下のとおりである:結節(炎症性結節)は、>10mmの直径を有する、隆起した、3次元の、円形の、浸潤した病変である。膿瘍は、紅斑部によって囲まれる、>10mmの直径を有する、柔らかいが波動性の腫瘤であり;膿瘍の中心に膿を含む。排膿路は、可変の長さ及び深さの、隆起した、柔らかいが波動性の縦方向の腫瘤であり、皮膚表面で終端し、液体が漏出することがある。瘻孔及び洞は、排膿路の例である。
ある実施形態において、HS患者は、改善されたIHS4スコア(すなわち、低下)を達成する。
ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して、IHS4スコアの、ベースラインからの少なくとも2ポイントの低下を達成する。他の実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して、IHS4スコアの、ベースラインからの少なくとも3ポイントの低下又は少なくとも4ポイントの低下を達成する。
DLQIは、最も確立された皮膚科の生活の質の測定手段である。それは、前週の間の感情及び日常生活活動の様々な局面に対する皮膚疾患に関する質問からなる。各質問は、0(全くそうではない)~3(非常にそうである)で採点される。合計30ポイントが最大スコアであり、ここで、0~1は、患者の生活に対して、影響なし、2~5は小さい、6~10は中程度の、11~20は非常に大きい、21~30は極めて大きい影響であると見なされる(Finlay and Khan(1994)Clin Exp Dermatol 19:210-16を参照)。ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して改善されたDLQIを達成する。
ある実施形態において、権利請求される方法に従う治療に反応して、患者は、最初の投与の1週間又は2週間後程度で、標準CRPアッセイ又は高感度CRP(hsCRP)アッセイによって測定した際のCRPの減少を生じる。本明細書において使用される際、「C-反応性タンパク」及び「CRP」は、血清C-反応性タンパク、すなわち、炎症に対する急性期反応の指標として一般的に使用される血漿タンパク質を指す。血漿中のCRPのレベルは、任意の濃度、例えば、mg/dl、nmol/Lで示され得る。CRPのレベルは、様々な標準アッセイ、例えば、放射免疫拡散法、エレクトロイムノアッセイ、免疫比濁法、ELISA、比濁法、蛍光偏光イムノアッセイ、及びレーザーネフェロメトリーによって測定され得る。CRPについての検査は、標準CRP検査又は高感度CRP(hs-CRP)検査(すなわち、レーザーネフェロメトリーを用いて試料中の低レベルのCRPを測定することが可能な高感度検査)を用い得る。CRPのレベルを検出するためのキットは、様々な企業、例えば、Calbiotech,Inc、Cayman Chemical、Roche Diagnostics Corporation、Abazyme、DADE Behring、Abnova Corporation、Aniara Corporation、Bio-Quant Inc.、Siemens Healthcare Diagnosticsなどから購入することができる。
Sartorius HSスコア(HSスコア、又はHSSとも呼ばれる)は、HS患者における病変領域、結節、及び瘻孔を計数することによって付けられる(Sartorius et al.(2003)Br J Dermatol 149:211-13)。修正Sartorius HSスコアは、使用をより実用的にする少しの簡易化、例えば、スコアに含めるより少ない特定の病変、各パラメータについて与えられるポイントの数の変更などを行うことによる、元のバージョンのHSSの修正版である(Sartorius et al.(2009)Br.J Dermatol.161:831-839)。ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して改善された修正Sartorius HSを達成する。
HS医師総合評価(HS-PGA)は、HS病変(すなわち、膿瘍、排膿瘻孔、炎症性結節、及び非炎症性結節)の数に基づく6段階の評価スケール(スコアは、0~5の範囲である)である。(Kimball AB,Kerdel F,Adams D et al Adalimumab for the treatment of moderate to severe hidradenitis suppurativa:a parallel randomized trial.Ann Intern Med 2012;157:846-855)。ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して改善されたHS-PGAを達成する。ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して、HS-PGAスコアの、ベースラインからの少なくとも2ポイントの低下を達成する。好ましくは、HS-PGAスコアは、LOU064による治療前に、ベースラインで少なくとも3であった。
ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、16週目までに治療に反応した患者(例えば、16週目までにHiSCR(例えばHiSCR50;HiSCR75若しくはHiSCR90)又は簡易化HiSCRを達成する患者)の少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%が、治療の終了の3か月後又は治療の終了の6か月後、又は治療の終了の12か月後に、反応を持続していた。この実施形態の別の態様において、16週目までに治療に反応した患者(例えば、16週目までにHiSCR(例えばHiSCR50;HiSCR75若しくはHiSCR90)又は簡易化HiSCRを達成する患者)の少なくとも40%又は患者の少なくとも50%が、治療の終了の3か月後に反応を持続していた。好ましくは、16週目までに治療に反応した患者(例えば、16週目までにHiSCR(例えばHiSCR50;HiSCR75若しくはHiSCR90)又は簡易化HiSCRを達成する患者)の少なくとも70%が、治療の終了の3か月後に反応を持続していた。本明細書において使用される際、「持続した」という用語は、転帰又は目標(例えば、疼痛軽減、炎症軽減)が、所与の時間にわたって実質的に維持されることを意味する。
病変関連の掻痒は、患者調査によって評価され得る。患者は、病変関連の掻痒を0(掻痒なし)~10(考えられるより悪い掻痒)で評価することを求められる。ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、掻痒スコアは、少なくとも2ポイント、好ましくは、少なくとも3ポイント改善される。さらに、プラセボ群と比較した場合、治療群とプラセボ群との差は、少なくとも1ポイントである。
病変関連の掻痒はまた、掻痒数値スケール(NRS)によって評価され得る。掻痒は、HS患者の大部分によって報告される(Fernandez et al(2021)Itch and pain by lesion morphology in hidradenitis suppurativa patients.Int J Dermatol.;60(2):e56-e59)。NRSは、応答者が、彼らの皮膚疾患関連の掻痒の強度を最もよく反映する整数(11段階評価で0~10の整数)を選択する視覚的アナログスケール(VAS)のセグメント化された数値バージョンである(Nguyen et al.(2021),.J Eur Acad Dermatol Venereol.2021 Jan;35(1):50-61)。ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して改善された皮膚NRSを達成する。掻痒NRS30は、ベースラインからの皮膚掻痒の少なくとも30%の軽減として定義される。ある実施形態において、HS患者は、HS治療に反応して皮膚NRS30を達成する。ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、又は少なくとも60%が、治療の16週目までに皮膚NRS30を達成する。この実施形態の好ましい態様において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、少なくとも30%が、治療の16週目までに皮膚NRS30を達成する。ある実施形態において、権利請求される方法に従う治療に反応して、患者は、最初の投与の1週間又は2週間後程度で、皮膚NRSによって測定した際の、皮膚掻痒の軽減を生じる。
病変の排膿によって引き起こされる臭いは、患者調査によって評価され得る。患者は、病変の排膿によって引き起こされる臭いを、1(臭いなし)、2(少しの臭い)、3(中程度の臭い)から4(かなりの臭い)で評価することを求められる。ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、掻痒スコアは、少なくとも1ポイント、好ましくは、少なくとも2ポイント改善される。さらに、プラセボ群と比較した場合、治療群とプラセボ群との差は、少なくとも1ポイントである。
仕事を完了する能力についてのHSに対する影響は、患者調査によって評価され得る。患者は、HSが仕事を完了する能力にどの程度影響を与えるかを、1(全くなし)、2(少し)、3(中程度に)、4(大いに)から5(仕事が全くできない)で評価することを求められる。ある実施形態において、HS患者の集団が、開示される方法に従って治療される場合、掻痒スコアは、少なくとも1ポイント、好ましくは、少なくとも2ポイント改善される。さらに、プラセボ群と比較した場合、治療群とプラセボ群との差は、少なくとも1ポイントである。
安全性
最大で600mgの単回投与及びさらに最大で18日間にわたる100mg b.i.d.のLOU064の短期間の安全性が、第I相臨床試験において示された。しかしながら、長期(すなわち、52週超)の安全性に関連するデータは、現時点で入手可能でない。
共有結合不可逆的BTK阻害剤エボブルチニブ及びトレブルチニブで観察された用量制限副作用を考慮すると、エボブルチニブは、第II相臨床試験において75mg b.i.d.の用量で既に用量制限肝酵素上昇を示し、トレブルチニブは、用量制限下痢を示し(Becker A.et al.,2019,Clin Transl Sci;13,325-336;Montalban X.et al.,2019,N Engl J Med;380(25):2406-17,Smith P.F.et al.,2019,ACTRIMS Forum,Feb 28,2019,P072)、これらの有害事象の発生の有意な増加が、長期間(最大で52週間)にわたる100mg b.i.d.の高用量でもLOU064で見られなかったことは有望なことである。特に、LOU064は、長期間(最大で52週間)にわたって100mg b.i.d.の用量でいずれの用量制限肝酵素上昇及び他のオフターゲット効果も誘発しない。したがって、LOU064は、長期の治療に適している。
したがって、本発明の一目的は、記載される方法において使用するためのLOU064であり、ここで、治療の12週まで、24週まで又は52週まで、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、及びリパーゼのレベルは、治療の開始時のベースラインレベルと比較して10%を超えて変化しない。
したがって、LOU064は、HSを効率的に治療するだけでなく、特に、治療が長期間にわたって維持される場合、他のBTK阻害剤と比較して、特に、アカラブルチニブと比較して、より良好な安全性プロファイルも有することが特に意外であった。例えば、主に、血液悪性疾患の治療のために現在承認されているBTK阻害剤(イブルチニブ、アカラブルチニブ、及びザヌブルチニブ)は、既知の安全性の障害を有する。主要な安全性の障害としては、感染症、血小板機能に対する影響(出血のリスク)、及び血球減少が挙げられる。1つ以上の承認されたBTKisについての他の安全性への懸念としては、心不整脈(心房細動及び粗動)及び、イブルチニブのみについて、心不全及び高血圧症が挙げられる。
したがって、本発明の好ましい実施形態において、HSを治療するのに使用するためのLOU064又はその薬学的に許容される塩は、長期の治療に使用される。長期の治療という用語は、LOU064又はその薬学的に許容される塩が、長期間にわたって使用されることを示す。例えば、LOU064又はその薬学的に許容される塩は、6か月、10か月、1年間、2年間、3年間、4年間、10年間超にわたって安全に使用され得る。LOU064又はその薬学的に許容される塩は、最大で2年間、5年間、10年間、15年間、20年間又は生涯にわたって使用され得る。
一実施形態において、LOU064は、HSを効率的に治療するだけでなく、以下の特徴:
- 感染症のリスクの臨床的に関連する増加なし、
- 大量出血の臨床的に関連する増加なし、
- 肝酵素の臨床的に関連する上昇なし
のうちの1つ以上を含む安全性プロファイルを有し;このような長期の治療を可能にする。
組合せ:
開示される方法に使用するための医薬組成物は、特定の標的とされる障害の治療のためのさらなる治療剤も含有し得る。例えば、医薬組成物は、抗炎症薬も含み得る。このようなさらなる要因及び/又は薬剤は、本明細書に記載されるLOU064との相乗効果を生じるために、医薬組成物に含まれ得る。
様々な治療法が、HSの治療の際に、LOU064と有益に組み合わされ得る。
したがって、LOU064は、1つ以上の他の治療剤と同時に、又はその前又はその後、投与され得る。本発明の方法に使用するためのLOU064は、同じ若しくは異なる投与経路によって別々に、又は他の薬剤と同じ医薬組成物中で一緒に投与され得る。
一実施形態において、本発明は、被験体におけるHSを治療又は予防する方法であって、治療法における同時の、別個の又は連続した使用のための組み合わされた製剤として、治療的に有効な用量のLOU064及び少なくとも1つの他の治療剤を被験体に投与することを含む方法に関する。任意に、本発明の方法に使用するための医薬組成物は、上述されるように、薬学的に許容される賦形剤を含み得る。
本発明の方法に使用するための組み合わされた製剤として提供される生成物は、同じ医薬組成物中で一緒にLOU064及び他の治療剤を含むか、又は別個の形態、例えばキットの形態でLOU064及び他の治療剤を含む組成物を含む。
一実施形態において、本発明は、2つ以上の別個の医薬組成物(そのうちの少なくとも1つが、LOU064又はその薬学的に許容される塩を含有する)を含む、本発明の方法に使用するためのキットを提供する。一実施形態において、キットは、容器、分割された瓶、又は分解された箔パケットなどの、前記組成物を別個に保持するための手段を含む。このようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に典型的に使用されるように、ブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる投与間隔で別個の組成物を投与するため、又は別個の組成物を互いに対して滴定するための、例えば、経口及び非経口の異なる剤形を投与するのに使用され得る。服薬遵守を補助するために、本発明のキットは、典型的に、投与指示書を含む。
本発明の組合せ治療において、LOU064及び他の治療剤は、同じ又は異なる製造業者によって製造及び/又は製剤化され得る。さらに、LOU064及び他の治療薬は、(i)医師への組合せ生成物の発表の前に(例えば、本発明の方法に使用するための化合物及び他の治療剤を含むキットの場合);(ii)投与の直前に医師自身で(又は医師の指導の下で)(iii)例えば、LOU064及び他の治療剤の連続投与中に患者自身で、組合せ治療へと一緒にされ得る。
したがって、本発明は、HSを治療又は予防するための、LOU064又はその薬学的に許容される塩の使用を提供し、ここで、薬剤は、別の治療剤と共に投与するために調製される。本発明はまた、HSを治療又は予防するための別の治療剤の使用を提供し、ここで、薬剤は、投与されるLOU064又はその薬学的に許容される塩である。
本発明はまた、HSを治療又は予防する方法に使用するための、LOU064又はその薬学的に許容される塩を提供し、ここで、前記化合物は、別の治療剤と共に投与するために調製される。本発明はまた、HSを治療又は予防する方法に使用するための別の治療剤を提供し、ここで、他の治療剤は、LOU064又はその薬学的に許容される塩と共に投与するために調製される。
本発明はまた、HSを治療又は予防する方法に使用するための、LOU064又はその薬学的に許容される塩を提供し、ここで、前記化合物は、別の治療剤と共に投与される。本発明はまた、HSを治療又は予防する方法に使用するための別の治療剤を提供し、ここで、他の治療剤は、LOU064又はその薬学的に許容される塩と共に投与される。
本発明はまた、HSの治療及び/又は予防を必要としている患者においてHSを治療及び/又は予防するための、LOU064又はその薬学的に許容される塩の使用を提供し、ここで、患者は、別の治療剤で以前に(例えば、24時間以内に)治療されている。本発明はまた、必要としている患者におけるHSを治療又は予防するための別の治療剤の使用を提供し、ここで、患者は、LOU064又はその薬学的に許容される塩で以前に(例えば、24時間以内に)治療されている。
このような組合せ治療は、局所治療(クリーム[非ステロイド性又はステロイド性]、洗浄薬、消毒薬)、全身治療(例えば、生物製剤、抗生物質、又は化学物質による)、消毒薬、光線力学的療法、及び外科的介入(レーザー、排膿又は切開、切除)を含む。
経口抗生物質の例は、テトラサイクリン及びクリンダマイシン及びリファンピシンである。
LOU064と共に使用するための局所HS剤の非限定的な例としては、過酸化ベンゾイル、局所ステロイドクリーム、アミノグリコシド系の局所抗生物質、例えば、クリンダマイシン、ゲンタマイシン、及びエリスロマイシン、レゾルシノールクリーム、ヨウ素スクラブ、及びクロルヘキシジンが挙げられる。
LOU064と共に使用するための全身治療に使用されるHS剤の非限定的な例としては、IL-17アンタゴニスト(イキセキズマブ、ブロダルマブ、セクキヌマブCJM112)、同様にIL17A/Fアンタゴニスト(ビメキズマブなど)又はIL17Cアンタゴニスト(MOR106など)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)遮断薬(Enbrel(登録商標)(エタネルセプト)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)及びSimponi(登録商標)(ゴリムマブ)など)、インターロイキン12/23遮断薬(Stelara(登録商標)(ウステキヌマブ)、タソシチニブ、及びブリアキヌマブなど)、IL-23遮断薬(グセルクマブ、チルドラキズマブ及びリサンキズマブなど)p19阻害剤、PDE4阻害剤、例えばアプレミラスト若しくはOtezla(登録商標)、又はロフルミラストなどのその他)、補体経路阻害剤、例えばB因子阻害剤(例えば、国際公開第2015/009616号パンフレットに開示される化合物、又は4-((2S,4S)-4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル)-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル)安息香酸としても知られているLNP023)、C5a阻害剤(IFX-001又はビロベリマブ又はAvacopanとしても知られているCCX168、若しくはBDB001など)、IL-1アンタゴニスト(カナキヌマブ、ゲボキズマブ、リロナセプト、アナキンラ、若しくはベルメキマブ)、又は二重特異性抗体、例えばMAS825若しくはルチキズマブ(IL-1b及びIL-1a)、インフラマソーム阻害剤、例えばNLRP3及びNLRP5阻害剤、CXCR1/2阻害剤、IL-18アンタゴニスト、IL-6アンタゴニスト、IL-36アンタゴニスト、CD20アンタゴニスト、CTLA4アンタゴニスト、IL-8アンタゴニスト、B細胞枯渇剤(特に、CD20アンタゴニスト、例えばリツキシマブ、並びにBAFF-R、例えばイアナルマブ、及びCD40アンタゴニスト、例えばイスカリマブ(CFZ533))、IL-21アンタゴニスト、IL-22アンタゴニスト、IL-36又はIL-36Rアンタゴニスト、GCSF阻害剤、VEGFアンタゴニスト、CXCLアンタゴニスト、MK-2阻害剤、例えばズンセメチニブ、IRAK4阻害剤又はIRAK4分解剤(SAR44656など)、LTA4H阻害剤、S1P阻害剤、BTK阻害剤、SYK阻害剤、例えばフォスタマチニブ、MMPアンタゴニスト、及びデフェンシンアンタゴニスト(例えば、受容体デコイ、アンタゴニスト抗体など)、並びに広域の経口JAK阻害剤(汎JAKi)又はより特異的なTYK2又はJAK 1、JAK2若しくはJAK 3阻害剤が挙げられる(より特異的/選択的なJAK/TYK阻害剤としては、例えばアロステリック阻害剤、例えばデュークラバシチニブ(deucrayacitinib)又は触媒阻害剤が挙げられる)。
HSの治療の際に、LOU064と組み合わせて使用するためのさらなるHS剤としては、レチノイド、例えばアシトレチン(例えば、Soriatane(登録商標))及びイソトレチノイン、免疫系抑制剤(例えば、ラパマイシン、T細胞遮断薬[例えば、Amevive(登録商標)(アレファセプト)及びRaptiva(登録商標)[エファリズマブ])シクロスポリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチル、ミコフェノール酸、レフルノミド、タクロリムスなど)、ヒドロキシウレア(例えば、Hydrea(登録商標))、スルファサラジン、6-チオグアニン、フマレート(例えば、フマル酸ジメチル及びフマル酸エステル)、アザチオプリン、コルヒチン、アリトレチノイン、ステロイド、コルチコステロイド、セルトリズマブ、モメタゾン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、ボツリヌス毒素、トリアムシノロン、IFX-1(InflaRx)、LY-3041658(Eli Lilly)、TE-2232(Immunwork)、NSAIDs、COX阻害剤、処方箋の麻薬、ケトプロフェン、コデイン、ガバペンチン、プレガバリン、ゲンタニル(gentanyl)、抗生物質(局所、経口、静脈内(IV))(例えば、クリンダマイシン、リファンピン、テトラサイクリン、サレサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、リメサイクリン、トリメトプリム-スルファメトキサゾール、エリスロマイシン、セフトリアキソン、モキシフロキサシン、メトロニダゾール、別々に又は組合せとして)、コルチコステロイド(注射用又は経口)、抗アンドロゲン/ホルモン療法(経口避妊薬、スピロノラクトン、フィナステリド、デュタステリド、プロゲステロンIUD、酢酸シプロテロン、エチニルエストラジオール、ゲストデン、ノルゲスチメート、デソゲストレル、ドロスピレノン、スピロノラクトン)、トリアムシノロンアセトニド、MEDI8968、ヒドロキシクロロキン、ダプソン、メトホルミン、アダパレン、アゼライン酸及び亜鉛が挙げられる。
開示されるキット、方法、及び使用に使用するための好ましい組合せは、PDE4i及びJAKi、並びに抗生物質(全て経口用)を含む。
組み合わせて使用するためのJAK阻害剤の例は、BMS986165、INCB054707、ルキソリチニブ、アブロシチニブ、トファシチニブ及びバリシチニブである。JAK阻害剤の他の例は、国際公開第2017/089985号パンフレット、国際公開第2018/055550号パンフレット及び国際公開第2018/055551号パンフレットに開示される化合物である。
当業者は、LOU064との共送達のための上記のHS剤の適切な投与量を理解することができるであろう。
LOU064経口薬物曝露が、CYP3A阻害剤、特に、強力なCYP3A阻害剤、例えば強力なCYP3A4阻害剤と共に投与される場合、数倍増加され得ることが予想される。同様に、CYP4Aの、例えばCYP3A4の強力な誘導剤は、曝露を著しく減少させ、LOU064の有効性の低下をもたらし得る。LOU064のこれらの特性は、HSの治療だけでなく、任意のBTK介在性の病態のための治療及び/又は予防にも関連する。強力なCYP3A阻害剤又はCYP3A誘導剤は、FDA 2020ガイドラインに従って定義される。したがって、強力なCYP3A阻害剤(例えばCYP3A4阻害剤)は、LOU064との共投与後、LOU064単独の投与と比較して、5倍超の曲線下面積(AUC)の増加又はクリアランスの80%超の減少をもたらす阻害剤である。強力なCYP3A誘導剤(例えば強力なCYP3A4誘導剤)は、LOU064との共投与後、LOU064単独の投与と比較して、AUCを80%以上だけ(例えば85%だけ、90%だけ、95%だけ)減少させる誘導剤である。
強力なCYP3A阻害剤及び/又は誘導剤、例えば強力なCYP3A4阻害剤及び/又は誘導剤との同時投与は、おそらくLOU064薬物曝露の大きな変化を引き起こし得、回避されるべきである。強力なCYP3A4阻害剤としては、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル/リトナビル、ダルナビル/リトナビル、エルビテグラビル/リトナビル、イデラリシブ、インジナビル、インジナビル/リトナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、LCL161、ロピナビル/リトナビル、ミベフラジル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ポサコナゾール、リトナビル、サキナビル、サキナビル/リトナビル、テラプレビル、テリスロマイシン、チプラナビル/リトナビル、トロレアンドマイシン、Viekira pack又は/及びボリコナゾールから選択される薬物が挙げられる。CYP3A4阻害剤は、グレープフルーツ果汁にも含まれ得る。
したがって、別の好ましい実施形態において、LOU064は、例えば、本明細書において上に定義されるように、CYP3A4の強力な阻害剤及び/又は誘導剤と同時に投与されない。
LOU064が、それらの曝露及び有効性に対する大きな影響なく、エチニルエストラジオール又はレボノルゲストレルなどの経口避妊薬と共投与され得ることがさらに分かっている。したがって、好ましい実施形態において、LOU064は、経口避妊薬と共投与される。
共有結合不可逆的BTK阻害剤として、LOU064は、デノボタンパク質合成によって相殺されるBTKの不可逆的阻害によって作用する。したがって、何らかの理論によって制約されるのを望むものではないが、B細胞枯渇後のB細胞プールの再構成は、数か月かかり得るが、BTK阻害後のB細胞機能の回復は、中止の直後、特に、数日以内に達成され得ると考えられる。したがって、必要である場合、この治療法は、迅速に停止され得、それにより、予期せぬ状況が生じた場合に、臨床医及び患者に、より容易で及びより速い反応能力を与える。
特に、COVID-19パンデミックを考慮すると、B細胞枯渇患者は、感染症のより高いリスクを有する。さらに、完全に機能的な適応免疫応答がないことは、より重篤な経過につながる可能性が高い。
しかしながら、LOU064は、B細胞のプールの枯渇をもたらさないため、治療の停止は、完全なB細胞機能の迅速な回復につながる。これは、患者及び治療担当医師が、感染又はワクチン接種の要件、特に、生ワクチン及び弱毒化ワクチンによるワクチン接種に迅速に対応する可能性を与える。
本発明によれば、LOU064は、感染中、例えばCOVID-19感染中に投与され得る。したがって、LOU064投与は、感染中、例えばCOVID-19感染中に継続され得る。
好ましくは、LOU064投与は、感染が解消されるまで、活動性感染、例えばCOVID-19を有する患者において遅延される。
したがって、本発明の一実施形態は、COVID-19に急性感染したか又は以前に感染した患者が治療される、HSの治療に使用するためのLOU064に関する。
さらなる実施形態において、LOU064治療は、COVID-19感染中に継続される。
好ましい実施形態において、LOU064治療は、COVID-19感染中に中断され、感染を克服した後、継続される。
本発明のさらに他の実施形態は、患者が、LOU064治療中にワクチン接種される、HSの治療に使用するためのLOU064に関する。或いは、患者は、非生ワクチンにより、LOU064治療中にワクチン接種され得る。一実施形態において、患者は、LOU064治療中に(例えばLOU064治療を開始した15日後の時点で)4価インフルエンザワクチン、PPV-23ワクチン又はKLH新抗原ワクチンを接種される。この実施形態の一態様において、4価インフルエンザワクチンを投与される患者は、ベースラインと比較してワクチン接種の28日後の時点で、抗血球凝集素抗体力価の>4倍の増加によって定義されるような応答を達成する。この実施形態の別の態様において、PPV-23ワクチンを投与される患者は、ベースラインと比較してワクチン接種の28日後にIgG力価の>2倍の増加を達成する。さらに別の実施形態において、KLH新抗原ワクチンを投与される患者は、ワクチン接種の28日後に抗KLH IgG及びIgM力価によって測定した際にT細胞依存性抗体反応を達成する。
本発明の別の実施形態は、LOU064治療が、ワクチン接種のために中止され、特に、LOU064治療が、ワクチン接種の5~10日前、例えば7又は8日前、好ましくは、6週間前に中止され、ワクチン接種後、例えば、ワクチン接種の5~20日後、好ましくは、5~10日後、又は最も好ましくは、10~15日後に継続される、HSの治療に使用するためのLOU064に関する。代替的な実施形態において、ワクチン接種は、生ワクチン及び/又は弱毒化ワクチンによるワクチン接種である。この実施形態の特定の態様において、患者は、LOU064治療を中止した後(例えばLOU064治療を中止した5~10日後又は7又は8日後)、4価インフルエンザワクチン、PPV-23ワクチン又はKLH新抗原ワクチンを接種される。この実施形態の一態様において、4価インフルエンザワクチンを投与される患者は、ベースラインと比較してワクチン接種の28日後の時点で抗血球凝集素抗体力価の>4倍の増加によって定義されるような応答を達成する。この実施形態の別の態様において、PPV-23ワクチンを投与される患者は、IgG力価ベースラインと比較してワクチン接種の28日後に>2倍の増加を達成する。さらに別の実施形態において、KLH新抗原ワクチンを投与される患者は、ワクチン接種の28日後に抗KLH IgG及びIgM力価によって測定した際にT細胞依存性抗体反応を達成する。その後、LOU064治療が、ワクチン接種の29日後に開始して継続される。
LOU064又はその薬学的に許容される塩は、好都合に経口投与される。本開示の医薬組成物を用いた経口治療の期間は、治療される疾患及び病態の重症度並びに各個々の患者の個人的な反応に応じて変化するであろう。医療従事者は、本開示の医薬組成物を用いた、経口治療の適切な期間及び治療の投与のタイミングを決定するであろう。ある実施形態において、患者は、少なくとも16週間、少なくとも24週間、少なくとも36週間、少なくとも48週間、少なくとも52週間にわたって、権利請求される方法に従ってHSを治療される。ある実施形態において、患者は、慢性使用においてHSを治療される。
一実施形態において、HSの予防又は治療に使用するための本発明の医薬組成物は、約50~70kgの被験体について、約25mg~約100mgの有効成分の単位投与量であり得る。化合物、医薬組成物の治療的に有効な投与量は、被験体の種、体重、年齢及び個々の病態、造影剤腎症障害の重症度に依存する。通常の技能の医師、臨床医又は獣医は、障害又は疾患を予防し、治療し、又はその進行を阻害するのに必要な有効成分のそれぞれの有効量を容易に決定することができる。
好ましい製剤は、約25mg~約100mgのLOU064、並びに充填剤、崩壊剤、バインダー、及び任意に滑沢剤及び流動促進剤から独立して選択される1つ以上の賦形剤を含む、カプセル又は錠剤組成物である。好ましい実施形態において、カプセル又は錠剤組成物は、約25mgのLOU064又はその薬学的に許容される塩、並びに充填剤、崩壊剤、バインダー、及び任意に滑沢剤及び流動促進剤から独立して選択される1つ以上の賦形剤を含む。さらに別の実施形態において、カプセル又は錠剤組成物は、約50mgのLOU064又は約100mgのLOU064並びに充填剤、崩壊剤、バインダー、及び任意に滑沢剤及び流動促進剤から独立して選択される1つ以上の賦形剤を含む。
化膿性汗腺炎(HS)を治療する方法であって、それを必要としている患者に、約50mg~約200mgの用量のLOU064、又はその薬学的に許容される塩)を1日1回経口投与することを含む方法が、本明細書に開示される。前記用量は、1日1回の投与計画又は1日2回の投与計画のいずれかで患者に投与され得る。別の実施形態において、本方法は、それを必要としている患者に、約25mg~約100mgの用量のLOU064を1日2回(BID)経口投与することを含む。この実施形態の好ましい態様において、本方法は、約25mgの用量のLOU064を前記患者に1日2回(BID)経口投与することを含む。この実施形態の別の好ましい態様において、本方法は、約100mgの用量のLOU064を前記患者に1日2回(BID)経口投与することを含む。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、(簡易化)化膿性汗腺炎臨床反応(HiSCR)、HiSCR50、HiSCR75、HiSCR90、数値評価スケール(NRS)、化膿性汗腺炎-医師総合評価(HS-PGA)、又は皮膚科の生活の質指標(DLQI)、HSの重症度評価(SASH)、又は国際HS重症度スコアシステム(IHS4)によって測定した際、治療の1年後に持続的反応を達成する。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、本明細書に開示されるLOU064による治療の前に、患者は、HSのための全身性薬剤で以前に治療された。開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、全身性薬剤は、局所治療、抗生物質、免疫系抑制剤、TNF-α阻害剤、IL-1アンタゴニスト、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
開示される方法、使用及びキットのある実施形態において、本明細書に記載されるLOU064による治療の前に、患者は、HS用の全身性薬剤又は局所用治療薬で以前に治療されていない(すなわち、患者は、治療未経験又は生物製剤治療未経験である)。
開示される方法、使用及びキットの一実施形態において、本明細書に記載されるLOU064(又はその薬学的に許容される塩)は、抗生物質、JAK阻害剤、TYK2阻害剤、PDE4阻害剤又は免疫抑制剤のうちの少なくとも1つと組み合わせて投与される。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、本明細書に記載されるLOU064の用量は、約25mg~約100mg BIDである。開示される方法、使用及びキットの他の好ましい実施形態において、LOU064の用量は、約25mg BID又は100mg BIDである。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者が、中等度ないし重度のHSを有する。
本明細書において使用される際、「中等度ないし重度の」という語句は、患者が、≧3の活動性の炎症性病変[すなわち、膿瘍及び/又は炎症性結節などの深在性の炎症性病変]、15以下の瘻孔及びHS病変に関与する必要がある少なくとも2つの解剖学的部位を有するHS疾患を指す。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、成人である。開示される方法、使用及びキットのある実施形態において、HS患者は、中等度ないし重度のHS疾患に罹患した成人である。
開示される方法、使用及びキットのある実施形態において、患者は、思春期の患者(12歳以上)である。ある実施形態において、患者は、中等度ないし重度のHSに罹患した思春期の患者である。
開示される方法、使用及びキットのある実施形態において、患者は、少なくとも1年間にわたってHSと診断されている。
開示される方法、使用及びキットのある実施形態において、患者は、HSの結果としての広範囲の瘢痕化を有さない(すなわち、<20の瘻孔、排膿性又は非排膿性、好ましくは、15以下の瘻孔)。
開示される方法、使用及びキットのある実施形態において、患者は、従来の全身性HS治療に対する不十分な反応を以前に有していた。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、LOU064による治療の前に、患者は、≧3のHS-PGAスコアを有する。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、治療の16週目までに(簡易化)HiSCRを達成する。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、治療の16週目までにNRS30(例えば疼痛NRS30又は皮膚掻痒NRS30)を達成する。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、治療の16週目までにHS紅斑の減少を有する。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、治療の16週目までに、DLQIによって測定した際の≦6の減少を達成する。
好ましい実施形態において、開示される方法、使用又はキットを用いて、中等度ないし重度のHSを有する患者の集団を治療する場合、前記患者の少なくとも40%が、前記投与工程に反応して、治療の16週目までにHiSCR(sHiSCR、HiSCR50、HiSCR75又はHiSCR90)を達成する。
別の好ましい実施形態において、開示される方法、使用又はキットを用いて、中等度ないし重度のHSを有する患者の集団を治療する場合、レスポンダーの割合(例えば、HS治療に対して、HiSCR反応(sHiSCR、HiSCR50、HiSCR75又はHiSCR90反応)を達成する患者)と、プラセボ治療された患者におけるレスポンダーの割合との差は、治療の16週目までに、少なくとも15%、少なくとも25%、又は少なくとも30%である。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、治療の16週目までに修正Sartoriusスコアの低下を有する。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、治療の16週目までにDLQIの改善を有する。
好ましい実施形態において、開示される方法、使用又はキットを用いて、中等度ないし重度のHSを有する患者の集団を治療する場合、前記患者の少なくとも25%(好ましくは、少なくとも30%)が、前記投与工程に応答して、治療の16週目までに、NRS30を達成する。
好ましい実施形態において、開示される方法、使用又はキットを用いて、中等度ないし重度のHSを有する患者の集団を治療する場合、前記患者の15%未満が、前記投与工程に応答して、16週間の治療の間、HS紅斑を生じる。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、本明細書に記載されるLOU064と組み合わせて、少なくとも1つの局所用薬剤及び少なくとも1つの消毒薬でさらに治療される。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、少なくとも16週間、少なくとも24週間、少なくとも36週間、少なくとも48週間又は少なくとも52週間にわたって本明細書に記載されるLOU064で治療される。最も好ましくは、患者は、少なくとも16週間にわたって治療される。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、LOU064の第1の投与の1週間又は2週間後程度で、VAS又はNRS、好ましくは、NRSによって測定した際の疼痛の軽減を有する。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、LOU064の第1の投与の1週間又は2週間後程度で、NRSによって測定した際の皮膚掻痒の軽減を有する。例えば、患者は、LOU064の第1の投与の1週間又は2週間後に皮膚掻痒NRS30を達成する。
開示される方法、使用及びキットの好ましい実施形態において、患者は、LOU064の第1の投与の1週間又は2週間後程度で、標準CRPアッセイを用いて測定した際のCRPの減少(約25~約30%の減少)を有する。
本開示の好ましい実施形態において、LOU064は、国際公開第2020/234779号パンフレット(実施例1)に開示されるように遊離塩基の無水結晶形態Aである。この実施形態の一態様において、LOU064形態Aは、実質的に純粋な相にある。
総則
本開示の1つ以上の実施形態の詳細が、上記の添付の説明に記載される。本明細書に記載されるものと同様又は同等の任意の方法及び材料が、本開示の実施又は試験において使用され得るが、好ましい方法及び材料がここで記載される。本開示の他の特徴、目的、及び利点が、本明細書及び特許請求の範囲から明らかであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈上特に明記されない限り、複数の指示対象を含む。特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての専門用語及び科学用語が、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に引用される全ての特許及び刊行物は、参照により援用される。以下の実施例は、本開示の好ましい実施形態をより詳細に例示するために示される。
略語
AE 有害作用
b.i.d.又はBID 1日2回
q.d. 1日1回
ECG 心電図
PK 薬物動態
PD 薬力学
p.o. 経口(口からの=経口)
実施例1:化膿性汗腺炎のトランスクリプトームデータセットにおけるLOU064シグネチャ(LOU064によって下方制御される遺伝子)
図1:遺伝子発現を、健康なドナーからの皮膚並びにHS患者からの病変及び非病変皮膚においてAffymetrix GeneChip HG-U133 Plus 2を用いて測定した(GSE148027)。本発明者らは、BTK発現(プローブ205504_atによって測定される)が、健康な対照と比較して病変l(非病変ではない)皮膚において有意に上方制御されることを見出した。
図2は、化膿性汗腺炎の(バルク)トランスクリプトームデータセットにおけるLOUシグネチャ(LOU064抑制遺伝子)を表す。LOU064シグネチャを、全血をIgMで刺激することによって生成し、続いて、LOU064による治療を行った。これらの試料のトランスクリプトームプロファイルを、Ampliseqを用いて測定した。(刺激のみと比較して)LOU064によって有意に下方制御される(FDR<0.05)ことを本発明者らが見出した52の遺伝子を、「LOUシグネチャ」として定義した。
バルクトランスクリプトミクスデータを、Affy chipsによって測定した(Carlos A.Penno et al.,J.Invest.Dermatol.2020,Vol 140,Issue 21,2421-2432.e10)-52のうち49のシグネチャ遺伝子がまた、このデータにおいて存在し、合計106のプローブによって標的とされる(各遺伝子が、複数のプローブによって標的とされ得る)。これらの106のプローブを、GSVAと呼ばれるアルゴリズム(Sonja Hanzelmann et al.BMC Bioinformatics 2013,14(7)-https://doi.org/10.1186/1471-2105-14-7)によってシグネチャ濃縮に使用し、このアルゴリズムは、各試料についての全ての他の測定されるプローブと比較して、これらの106のプローブの濃縮を計算する(遺伝子セット濃縮についての一般的な方法(general method on gene set enrichment):Aravind Subramanian et al.PNAS 2005,102(43)15545-15550)。結果は、図1において視覚化される。Wilcoxon試験を用いて、健康な試料と病変HS試料との間で有意に異なるシグネチャ濃縮を示した(p~2.7e-7)。
データは、汗腺炎病変におけるLOU064-抑制遺伝子(LOU064シグネチャ)の上方制御を実証する。
実施例2:用量根拠
後述される翻訳PK/PDモデルシミュレーションを用いて、ターンオーバー及び薬効における関連する種間差がないことを仮定して、レミブルチニブのヒト末梢組織占有率(例えば脾臓及びリンパ節)を予測した。PK/PDモデルは、B細胞に焦点を合わされ、これは、上述されるように、HSにおけるBTK阻害の関連する主要な標的であることが報告される。B細胞は、典型的に、循環分画(circulating fraction)のほか、リンパ節中及び脾臓中に存在する。HSにおいて、B細胞はまた、主要リンパ節及び胚中心の特徴に類似する、HS病変組織におけるいわゆる「三次リンパ器官」中に存在する。HS病変における脾臓、リンパ節又は三次リンパ器官中に存在するB細胞は、末梢血中の循環B細胞と比較してより速いBTKターンオーバーを示すものと考えられる。翻訳PK/PDモデルシミュレーションは、LOU064によるHSの治療のための用量選択を導いた。
LOU064についての翻訳PK/PDモデルを用いたBTK占有率の予測
血液におけるBTK占有率は、LOU064薬理学的特性(不可逆的結合)による用量選択のための有益なバイオマーカーでない。それは、他のバイオマーカー(CD63、CD203c、皮膚プリックテスト)によって薬理学的活性を示す前に、低用量でさえ完全占有率に達する。組織における占有率は、LOU064の予測される有効性をより代表し得る。
目的
この分析の目的は、健康なボランティアにおけるLOU064の薬物動態(PK)を特性評価し、以前に開発された、翻訳目標占有率モデルを用いて、ある範囲の用量及び投与計画(1日2回(B.I.D)対1日1回(QD))にわたるヒト脾臓/組織におけるBTK占有率をシミュレートすることであった。
データ
Kaul et al.(2021)によって報告された第I相臨床試験からの薬物動態データを、102人の患者を含め、本分析において使用した。
方法
脾臓/組織におけるBTK占有率をシミュレートするための翻訳目標占有率モデルを、2工程手法を用いて開発した。
第1の工程において、集団PKモデルが、Kaul et al.(2021)によって報告された第I相臨床試験からのLOU064 PKデータを説明するために確立された。第2の工程において、集団PKモデルからのパラメータ推定値を、BTK占有率モデルにおいて使用して、血液及び脾臓/組織におけるBTK占有率を予測した。最後に、BTK占有率モデルを用いて、異なる用量で、異なる投与計画(1日1回(QD)、1日2回(B.I.D))について脾臓/組織におけるBTK占有率を予測した。
結果
集団PKモデルが、Kaul et al.(2021)によって報告された第I相臨床試験からの中間PKを説明するために開発された。50mg未満の用量の反復投与後のクリアランスの変化に対処するために(高用量における差異を有さない1日目と比較した際の、12日目の定常状態におけるより低いクリアランス)、クリアランスを、50mg未満の用量について指数関数的時間減衰及び50mg超の用量について一定のクリアランスの関数としてモデル化した。概して、得られた集団モデルは、PKデータをある程度説明した。
PKパラメータ推定値を、翻訳BTK占有率モデルにおいて使用して、定常状態におけるBTK占有率をシミュレートした。BTK占有率シミュレーションは、1日2回(B.I.D)投与が、より高いBTK占有率を達成するために、同じ用量の1日1回(QD)投与より有効であることを示した(24時間区間にわたるトラフで又は平均して)。
1日1回(QD)及び1日2回(B.I.D)レジメンで選択された投与回数について、24時間の期間にわたるトラフ及び平均した定常状態BTK占有率が、1日1回10mg、35mg、100mg並びに1日2回10mg、25mg及び100mgの投与計画についてそれぞれ、図4A(定常状態におけるBTK占有率の24時間にわたるトラフ)及び図4B(定常状態におけるBTK占有率の24時間にわたる平均)に示される。両方の図は、最大で200mgの1日用量(100mgを1日2回(B.I.D))が、末梢標的組織においてトラフBTK占有率≧80%を達成するために必要とされ得ることを示す。
シミュレーションを、異なる投与計画を比較するために行った。経時的な100mgを1日2回(B.I.D)、対100mgを1日1回(QD)の定常状態におけるシミュレートされる脾臓BTK占有率の比較が、図3に示される。グラフは、基本原理から予想されるように、1日2回(B.I.D)投与からの占有率が、1日1回(QD)投与と比較して、より高く、より変化が少ないことを示す。
結論:
モデルは、全体的な有意により高いBTK占有率が、b.i.d投与計画を用いて達成され得ることを予測した。約70~95%のトラフBTK占有率が、25mg b.i.d.投与計画についてヒト組織において予測される一方、100mg b.i.d.投与計画が、≧90%のトラフBTK占有率を達成することが予測される。
実施例3:臨床試験デザイン
被験体及び調査員の盲検化は、HSにおける病変数又は総合HS-PGAスコア、並びに有害事象などの主観的な読み出しの偏りのない評価を可能にする。
ランダム化、被験体及び調査員盲検、プラセボ対照、多施設及び並行群間比較試験は、中等度ないし重度の化膿性汗腺炎(HS)を有する被験体におけるLOU064(レミブルチニブ)などのいくつかの積極的治療化合物の有効性、安全性及び忍容性を評価するために行われる。スクリーニング期間の後、治療期間は、16週間にわたり、その後、約4週間の安全性フォローアップが続く。被験体に、25mg BID p.o.のLOU064、100mg BID p.o.、又はプラセボBID p.oを投与する。約70人の被験体は、ランダムに分けられ、60人が実薬を投与され(30人が100mg bidを投与され、30人が25mg bidを投与される)、10人がプラセボを投与される。
主要目的は、プラセボと比較した16週間の治療後のHS被験体における、LOU064による治療の予備的有効性を示すことである。16週間の治療期間の後、4週間にわたるフォローアップ期間が、効果の持続性が16週間の治療後に持続又は増加され得ることを観察するために含まれる。
プロトコルの要約
主要目的:この試験の主要目的は、16週間の治療後に簡易化化膿性汗腺炎臨床反応(HiSCR)によって定義される臨床反応を達成する患者の割合を比較することによって、中等度ないし重度の炎症性HS患者における、プラセボと比較した際のレミブルチニブの有効性を評価することである。
副次的目的:ベースライン時及び試験完了来院まで反復して、(i)AEの回数及び重症度並びに(ii)身体検査、バイタルサイン、安全性検査測定及びECGによって、中等度ないし重度の化膿性汗腺炎(HS)を有する患者におけるレミブルチニブの安全性及び忍容性を評価するため。
試験デザイン:これは、中等度ないし重度の化膿性汗腺炎を有する被験体における、レミブルチニブの有効性、安全性及び忍容性を評価するための、非確認的、ランダム化、被験体及び調査者盲検、プラセボ対照、多施設及び並行群間比較試験である。単一のコホートにおける任意の被験体の参加の最長期間は、レミブルチニブについて25週間を超えてはならず、35日のスクリーニング期間、16週間の治療期間からなり、4週間の安全性フォローによって終了される。1日目(1週目)から113日目(17週目)のLOU064(レミブルチニブ)、100mg b.i.d.p.o又は25mg b.i.d.p.o又はプラセボが含まれる。被験体は、3:3:1の比率で、レミブルチニブ治療アーム又はその対応するプラセボのいずれかにランダムに分けられる。
集団:スクリーニング前の少なくとも12か月間にわたって再発性炎症性病変と診断された、中等度ないし重度の化膿性汗腺炎を呈する、18~65歳の成人男性及び女性参加者。
主要な適格基準:スクリーニング前の少なくとも12か月間にわたって臨床的に診断されたHSを有する、18~65歳(端点を含む)の男性及び女性被験体;スクリーニング時に50kg(端点を含む)の最小体重;スクリーニング時(1日目の投与前)の評価に従って、中等度ないし重度のHSを有する患者:
- 合計で少なくとも3の炎症性病変、すなわち、膿瘍及び/又は炎症性結節、並びに
- 15以下の瘻孔、並びに
- HS病変に関与する必要がある少なくとも2つの解剖学的部位。
主要な除外基準:
- スクリーニングの時点、又はランダム化の30日以内若しくは又は5半減期以内のいずれか長い方;又は現地の規制による要請がある場合より長い時間以内の他の被験薬の使用;
- レミブルチニブの投与中及び最後の投与後の最低2週間にわたって非常に効果的な避妊法を使用する場合を除き、生理学的に妊娠可能な女性
- かなりの出血リスク又は凝固障害、例えば:
・臨床的に関連する、例えば非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の使用に関連する消化管出血の病歴:
・ランダム化の前の2週間以内の抗凝固薬[例えば、ワーファリン又は新規経口抗凝固薬(NOAC)]の使用
・スクリーニング時の1.5を超える国際標準比(INR)
・ランダム化の前の2週間以内の、抗血小板薬[抗血小板薬二剤併用療法(例えばアセチルサリチル酸+クロピドグレル)を含む]の使用
注記:アセチルサリチル酸(最大で100mg/日)又はクロピドグレルによる単独療法は、除外されない。
・スクリーニング前の8週間以内の大手術又は試験治療期間中に予定されている手術。
主要な有効性評価:
- 簡易化及び元の化膿性汗腺炎臨床反応(HiSCR)率
- 国際化膿性汗腺炎重症度スコアシステム(IHS4)
- 化膿性汗腺炎-医師総合評価(HS-PGA)スコア及びレスポンダーの割合
- HS炎症病変数
- 化膿性汗腺炎の重症度評価(SAHS)
主要な安全性評価:
- 有害事象の回数及び重症度(CTCAE v5.0等級付け)
- バイタルサイン、安全性検査測定、及びECGを含む身体検査
他の評価:
- PK
- 皮膚掻痒NRS(コホートD)
- 皮膚疼痛数値評価スケール(NRS)、皮膚科の生活の質指標(DLQI)、患者総合評価(PGA)を含む患者報告アウトカム。
臨床的評価のさらなる言及:
・簡易化HiSCRを、主要エンドポイントとして選択した。アダリムマブを用いて行われる第3相臨床試験に使用される元のHiSCR(Kimball et al 2016 N Engl J Med 375:422-34)は実証されている。簡易化HiSCRは、排膿瘻孔の増加を含まず、膿瘍及び炎症性結節の総数の50%の減少として定義される。しかしながら、元のHiSCRと対照的に、前の条件が満たされる場合、膿瘍の増加は、臨床反応を構成することが許容される。
・HSの炎症性病変は、典型的な解剖学的部位における個々の病変(炎症性結節、膿瘍及び排膿瘻孔)として計数されるであろう。計数に加えて、総合評価スケール(化膿性汗腺炎-医師総合評価又はHS-PGA)並びに複合スコア(化膿性汗腺炎の重症度評価スコア又はSAHS)が使用されるであろう。膿瘍及び結節も、AN数として示されるであろう。
・HS-PGA(化膿性汗腺炎-医師総合評価):スコアは、HSを評価するための探索的目的として使用され、Kimball AB,Kerdel F,Adams D,et al(2012)Adalimumab for the treatment of moderate to severe Hidradenitis suppurativa:a parallel randomized trial.Ann Intern Med;157:846-55において使用され、記載された。
・SAHSスコアは、複合スコアであり(Hessam S,Scholl L,Sand M,et al(2018)A Novel Severity Assessment Scoring System for Hidradenitis Suppurativa.JAMA Dermatol;154(3):330-335.)、炎症病変数、瘻孔数、及びNRS疼痛の収集された情報から得られる。さらに、解剖学的部位及び新しい腫物又は広がった既存の腫物は、両方のコホートにおいて収集されるであろう。
・皮膚科の生活の質指標(DLQI)を含むいくつかの患者報告アウトカムが使用されるであろう。最後に、被験体の観点から、皮膚関連の疼痛は、最も重要な症状であり、疼痛についての数値評価スケール(NRS)が含まれる。
・他の患者報告アウトカム(PRO)が、多くの国及び言語で利用可能な検証されたスコアを用いた皮膚科関連の生活の質(QoL)手段としての皮膚科の生活の質指標(DLQI)を含むであろう。それは、患者総合評価を同様に含む。
・皮膚疼痛-NRS(疼痛についての数値評価スケール):皮膚関連の疼痛についてのNRSが、アダリムマブ試験において使用され(Kimball et al.(2016)N Engl J Med 375:422-34)、患者の最大負荷の1つである皮膚又はHS関連疼痛として使用されるであろう(Matusiak et al(2017)J Am Acad Dermatol;76:670-5)。HS関連の疼痛は、直前の24時間で平均して及び最も悪い時点で(直前の24時間で)記録されるであろう。
・掻痒が、HS患者における症状としてここで認識される際、皮膚掻痒NRSが含まれていた(Nguyen et al 2021、Fernandez et al 2021)。
実施例5:100mgのフィルムコート錠
以下に、好ましい医薬組成物(フィルムコート錠)が示される。
実施例6:50mgのフィルムコート錠
以下に、好ましい医薬組成物(フィルムコート錠)が示される。
実施例7:25mgのフィルムコート錠
以下に、好ましい医薬組成物(フィルムコート錠)が示される。
実施例8:LOU064の安全性
LOU064の安全性が、MS以外の適応症、特に、慢性自発性じんましん(CSU)及びシェーグレン症候群(SjS)に罹患した患者で行われる第I相及び第II相薬物動態及び臨床薬理学健康被験体試験及び第II相/第III相臨床試験において試験された。
第I相臨床試験におけるLOU064の短期間の安全性
単回投与として、又は最大で18日間にわたる0.5mg~600mgの用量範囲をカバーする最大で18日間にわたる複数回投与として、及びさらに最大で12日間にわたる100及び200mgを1日2回(b.i.d.)でのLOU064の短期間の安全性が、第I相臨床試験において示された(Kaul,M.et al.(2021).Remibrutinib(LOU064):A selective potent oral BTK inhibitor with promising clinical safety and pharmacodynamics in a randomized phase I trial.Clinical and Translational Science.10.1111/cts.13005)。
CSU被験体における第2b相試験(延長期)における安全性の要約(中間結果)
第2b相試験に参加したCSUを有する適格な被験体におけるLOU064の長期の安全性及び忍容性を評価するための52週間の非盲検継続投与試験において、使用される用量は、100mgを1日2回(b.i.d.)であった。
安全性シグナルは、17.86週間の曝露中央値(範囲:2.9週間~44.7)でLOU064の少なくとも1回の投与を与えられた100人の被験体の中間分析に基づいて観察されなかった。カットオフの時点で、93人の被験体(93%)が、継続中であり、7人の被験体が、試験を中止しており;中止はいずれも有害事象によるものではなかった。表4は、中間分析のためのカットオフ日までに第2b相試験において観察された安全性の要約を示す。
58人の被験体(58%)は、少なくとも1つの、治療中に発生したAEを生じた。AEの大部分は、重篤でなく、治療中止につながらず、重症度は軽度であった。最も高い頻度で罹患されるSOCは、感染症及び寄生虫症(14%)であり、続いて皮膚及び皮下組織障害(13%)であり、特定の有害事象に関する傾向はなかった。最もよく見られる有害事象基本語(≧2%)は、頭痛(6%)、下痢(4%)、目まい(3%)及び胃腸炎(3%)であり;出血事象(出血SMQ広域並びに血小板凝集異常、血小板凝集減少、血小板凝集阻害、血小板機能障害、血小板機能試験異常及び血小板毒性を含むPTの下での事象として定義される)又はSOC血液及びリンパ系障害の下での事象は報告されなかった。3つのSAE:卵巣嚢胞、胸部痛及び虫垂炎が報告され;いずれも、試験薬に関連していると見なされなかった。
第2b相試験及び対応する非盲検継続投与試験からの結論
統合すると、評価された全ての用量にわたって、第2b相試験における安全性に関する所見はなかった。さらに、LOU064 100mg 1日2回(b.i.d.)を非盲検で使用する対応するCSU継続投与試験において、安全性シグナルは、31-Aug-2020の時点で登録された100人の被験体において観察されなかった。提供される最も高い用量の100mg LOU064 1日2回(b.i.d.)は、忍容性良好であると見なされ、好ましい安全性プロファイルを有していた。
CSU被験体(中間結果/35.14週間の曝露中央値を有する患者)における第2b相試験(延長期)における安全性の要約
100mgを1日2回(b.i.d.)の用量で、第2b相試験に参加したCSUを有する適格な被験体におけるLOU064の長期の安全性及び忍容性を評価するための上記の52週間の非盲検継続投与試験において、新たな中間分析を、35.14週間の曝露中央値を有する患者(N=183)で行い、結果を、(1:1:1:1:1:1:1)レミブルチニブ10mg qd(1日1回)、35mg qd、100mg qd、10mg bid(1日2回)、25mg bid、若しくは100mg bid又はプラセボを最大で12週間(wks)(NCT03926611)を与えられた、CSUを有する成人患者におけるランダム化二重盲検、プラセボ対照Ph2bコア試験における安全性結果と比較した(表5)。
ES(中央値35.14週間、N=183)の長期の曝露において、レミブルチニブ治療(57.4%[n=105])に対して少なくとも1つの有害作用(AE)を有する患者の割合は、CSと同様であった(任意のレミブルチニブ用量によって示される)(58.1%[n=155];中央値12.14週間、N=267)。ESにおいて、4つの重篤な有害作用(SAE)、治療中止及び死亡につながる6つのAEがあった。ES及びCSにおいて報告された器官別大分類(SOC)によるAEの発生は、同様であった:感染症及び寄生虫症(23.0%及び24.0%)、続いて皮膚/皮下組織障害(17.5%及び16.9%)(表5)。基本語による報告されるAEの発生は、ES及びCSにおいて同等であり、頭痛(6.6%及び9.7%)が最も頻度が高かった。感染症(23%)、出血(4.4%)及び血球減少(0.5%)などのESにおけるAESIの発生は、CSと一致していた。新たに発生する顕著なアミノ基転移酵素の増加は、ES(個人的な理由で早期に中止した1人の患者において、4週間以内に正規化された、分離ALT>3×ULN)及びCS(治療に対して正規化された、1人の患者におけるALT>5×ULN)の両方において1つであった。検査パラメータの分析は、有意な安全性の懸念を示さず、バイタルサインの臨床的に有意な変化は観察されなかった。いずれかの患者において示される有意なECG所見又は>500msのQTはなかった。
結論
レミブルチニブは、全用量範囲にわたって好ましい安全性プロファイルを示し、CSUを有する患者における最大で52週間の100mg bidの用量へのより長い期間の曝露にわたって、新たな安全性シグナルは観察されなかった。
実施例9:健康な被験体におけるレミブルチニブの同時及び断続的投与による3つの異なるタイプのワクチンに対する免疫応答の調節の評価
試験デザイン
全体的な設計
このランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験は、並行群間比較設計を有する。最大で20%の推定中断率を考慮して最小で72人の評価可能な完了者を達成するために、約90人の、妊娠の可能性のない健康な女性及び男性参加者を、3つの治療群のいずれかにランダムに分ける。試験は、28日のスクリーニング期間、43日の治療期間、その後、最後の試験薬投与後の2週間以内に試験完了評価(57日目)からなるであろう。安全性フォローアップの電話を、最後の試験薬投与の約30日後(73日目)に行う。参加者は、-1日目から1及び14~17日目に定住している。全体で、各参加者の最大試験期間は、約85日間である。
インフルエンザのための同時及び断続的なレミブルチニブ治療シナリオ/Pneumovax(登録商標)23及びImmucothel(登録商標)の影響を、プラセボに対して評価する。
試験の実施
スクリーニング及びベースライン
スクリーニング時に適格基準を満たす参加者は、-1日目にベースライン評価を受けることになる。全てのベースライン安全性評価結果は、最初の投与前に入手可能でなければならない。ベースライン時に、参加者は、後述される3つの治療群のうちの1つにランダムに分けられる。
治療
全ての参加者は、1日目から42日目まで試験薬(レミブルチニブ100mg又はプラセボ1日2回(b.i.d.))を投与され、43日目に治療来院の終了のために診療所に戻る。全ての参加者は、15日目に4価インフルエンザワクチン、PPV-23ワクチン及びKLH新抗原ワクチンも投与される。ワクチン接種は、試験薬投与の3時間後に行われるべきである。
臨床来院中及び定住(-1日目から1及び14~17日目)中、参加者は、診療所で治験職員によって試験薬を投与される。治療期間中の臨床来院からの退院時は、服薬日誌と共に、自宅で自己投与するために試験薬が参加者に与えられる。
安全性評価は、身体検査、ECG、バイタルサイン、標準的な臨床検査評価(血液学、血液化学、尿検査)有害事象及び重篤な有害事象モニタリングを含む。
レミブルチニブ薬物動態を評価するために複数の血液試料が、8日目、15日目及び36日目に全ての参加者から得られた。
群A(同時のレミブルチニブ治療):
参加者は、15日目の3つのワクチンの投与前にPK/PD定常状態を達成するために、1~7日目にプラセボ(1日2回(b.i.d.))、続いて、試験8~15日目にレミブルチニブによる治療(100mgを1日2回(b.i.d.))を投与される。参加者は、42日目までレミブルチニブ(100mgを1日2回(b.i.d.))を投与され続ける。
群B(断続的なレミブルチニブ治療):
参加者は、PK/PD定常状態条件を達成するために、1~7日目にレミブルチニブ100mgを1日2回(b.i.d)で治療され、続いて、8~28日目にプラセボ(1日2回(b.i.d.))を投与され、15日目に3つのワクチンを投与されることになる。レミブルチニブ100mgを1日2回(b.i.d.)による治療は、29~42日目に再開される治療である。
群C(プラセボ):
群Cの参加者は、1~42日目にプラセボ(b.i.d)を投与され、プラセボ条件下で15日目に3つのワクチンを接種されることになる。
主要な適格基準
・署名入りのインフォームドコンセントが、試験への参加前に得られなければならない。
・健康な、又は軽度の肥満であるかそれ以外は健康な、18~55歳(端点を含む)の男性及び妊娠の可能性のない女性参加者。
・参加者は、示されるように、既往歴、スクリーニング及びベースライン来院時の身体検査、バイタルサイン、ECG、及び臨床検査によって決定した際に良好な健康状態であるべきである。
・スクリーニング及びベースライン時に、バイタルサイン(最高及び最低血圧及び脈拍数)が、座位で及び再度立位で(評価スケジュールによって必要とされる場合)評価される。座位バイタルサイン(3分間座った後)は、以下の範囲内であるべきである:
・35.0~37.5℃の鼓膜体温。
・90~139mmHg(端点を含む)の最高血圧(SBP)。
・50~89mmHg(端点を含む)の最低血圧(DBP)。
・45~90bpm(端点を含む)の脈拍数。
・参加者は、試験に参加するために体重が少なくとも50kgでなければならず、18~34.9kg/m2の範囲内の体格指数(BMI)を有さなければならない。
・参加者は、プロトコルによって必要とされる際に臨床現場に留まり、ICFにおいて概説される要件/指示に従う意思がなければならない。
・試験の要件を理解し、それに従うために、現地語を読み、話し、理解することができる。
主要な除外基準
1.5半減期以内又は最初の投与前の30日以内の、どちらか長い方の他の被験薬の使用。
2.臨床的に有意なECG異常の現在の証拠若しくは既往歴又はQT延長症候群若しくは心臓伝導における他の異常の家族歴(祖父母、両親、及び兄弟姉妹)、トルサード・ド・ポワント(TdP)(例えば心不全、低カリウム血症)のさらなるリスク要因の履歴及び/又は既知の病歴又は現在の臨床的に有意な不整脈。PR>220msec、QRS複合>120msec、男性及び女性についてQTcF>450msec、又は早期再分極、非特異的S-T又はT波変化以外の任意の他の形態学的変化として定義される異常なECG。
3.局所再発又は転移の証拠があるかどうかにかかわらず、過去5年以内の、治療された又は未治療の任意の器官系の悪性腫瘍(皮膚の限局性基底細胞癌又はインサイチュ子宮頸癌以外)の病歴又は存在。
4.最初の投与前の2週間以内に解消されていない、(限定はされないが)心臓血管、肺、代謝、肝臓、腎臓、血液、内分泌、神経系又は精神疾患を含む任意の器官別大分類の何らかの臨床的に有意な疾患の病歴又は存在。
5.レミブルチニブ若しくは同じ化合物クラスからの薬物又はその賦形剤に対する過敏性。
6.何らかの急性感染、発熱又はこの試験において投与されるワクチンの任意の関連成分(例えば、鶏卵又は甲殻類/KLH)に対する過敏性反応若しくは既知の過敏性を含む、Pneumovax 23、インフルエンザ又はKLHワクチンの使用についてのいずれかの禁忌。
7.2022~2023年の季節性インフルエンザワクチンのワクチン接種歴又は登録前に2022~2023年のインフルエンザの季節中のインフルエンザ感染の既知の臨床診断。
8.KLHによる過去の曝露又は免疫化の履歴。

Claims (32)

  1. HSの治療及び/又は予防に使用するための、BTK阻害剤、例えば選択的BTK阻害剤、例えばLOU064。
  2. LOU064が、毎日約50mg~約200mgの用量で投与される、請求項1に記載の使用のためのLOU064。
  3. LOU064が、1日2回約25mg~1日2回約100mgの用量で投与される、請求項2に記載の使用のためのLOU064。
  4. LOU064が、1日2回約100mgの用量で投与される、請求項2に記載の使用のためのLOU064。
  5. LOU064が、1日2回約25mgの用量で投与される、請求項2に記載の使用のためのLOU064。
  6. LOU064が、短期間、例えば6か月未満、好ましくは、3か月未満にわたって投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  7. LOU064が、最大で16週間の間、例えば4、12又は16週間の間に投与される、請求項6に記載の使用のためのLOU064。
  8. LOU064が、長期間;例えば6か月超、1年超の慢性使用のために投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  9. LOU064が、単独療法として投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  10. LOU064が、CYP3Aの強力な阻害剤と同時に投与されない、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  11. LOU064が、CYP3A4の強力な阻害剤と同時に投与されない、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  12. LOU064又はそれを含む医薬組成物が、1つ以上の第2の治療剤と組み合わせて投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  13. HSの治療及び/又は予防を必要としている患者におけるこのような治療及び/又は予防に使用するための、治療的に有効な用量のLOU064及び1つ以上の治療剤を含む組合せ物。
  14. 前記患者が、LOU064と組み合わせて、少なくとも1つの局所用薬剤及び少なくとも1つの消毒薬でさらに治療される、請求項13に記載の使用のためのLOU064。
  15. 前記LOU064による治療の前に、前記患者が、HS用の全身性薬剤又は局所用治療薬で以前に治療されていない、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  16. 前記患者が、以下の基準の少なくとも1つに従って選択される:
    a)前記患者が、中等度ないし重度のHSを有する;
    b)前記LOU064による治療の前に、前記患者が、少なくとも3つの炎症性病変を有する;又は
    c)前記LOU064による治療の前に、前記患者が、HSの結果として15以下の瘻孔の広範囲の瘢痕化を有さない);
    d)前記患者が、少なくとも12か月にわたってHSの臨床診断を有する;
    e)前記患者が、HS病変に関与する少なくとも2つの解剖学的部位を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  17. 前記患者が、治療の16週目までに、以下:
    a)簡易化HiSCR;
    b)HS紅斑の減少;
    c)疼痛NRS、例えば疼痛NRS30によって測定した際の疼痛の軽減;
    d)掻痒NRS、例えば皮膚掻痒NRS30によって測定した際の皮膚掻痒の軽減
    f)全体若しくは様々なタイプのHS炎症病変数、例えばAN50、AN75、AN90若しくはAN100の減少;
    g)IHS4スコアの減少;
    h)DLQIによって測定した際の≦6の減少;及び/又は
    i)DLQIの改善
    のうちの少なくとも1つを達成する、請求項1~16のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  18. 前記方法を用いて、中等度ないし重度のHSを有する患者の集団を治療する場合、前記患者の少なくとも40%が、16週目までに、以下:
    a)HiSCR50;
    b)HiSCR75;
    c)HiSCR90;又は
    d)簡易化HiSCR
    のうちの少なくとも1つを達成する、請求項1~17のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  19. 治療の16週目までに、前記患者の少なくとも25%が、NRS30応答(例えば疼痛NRS30又は皮膚掻痒NRS30応答)を達成し;又は前記患者の15%未満が、HS紅斑を生じる、請求項1~17のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  20. 前記患者が、LOU064の第1の投与の1週間又は2週間後程度で、以下:
    a)疼痛NRSによって測定した際の疼痛の軽減、例えば、患者が、疼痛NRS30を達成する、
    b)掻痒NRSによって測定した際の皮膚掻痒の軽減;例えば患者が、皮膚掻痒NRS30を達成する、
    c)標準CRPアッセイを用いて測定した際のCRPの減少、少なくとも25%の減少
    のうちの少なくとも1つを有する、請求項1~17のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  21. 前記患者が、炎症病変数、例えばAN50、化膿性汗腺炎臨床反応(HiSCR)(例えばsHiSCR、HiSCR50、HiSCR75若しくはHiSCR90)、掻痒又は疼痛数値評価スケール(NRS)、化膿性汗腺炎-医師総合評価(HS-PGA)、HSの重症度評価(SASH)、国際HS重症度スコアシステム(IHS4)又は皮膚科の生活の質指標(DLQI)によって測定した際、前記治療の終了の3か月後の持続的反応を達成する、請求項1~20のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  22. 前記患者が、簡易化HiSCR(sHiSCR)、HiSCR50、HiSCR75又はHiSCR90によって測定した際、治療の終了の3か月後の持続的反応を達成する、請求項21に記載の使用のためのLOU064。
  23. LOU064が、医薬組成物中に配置され、前記医薬組成物が、1つ以上の薬学的に許容される担体を含み、これはそれぞれ、独立して、充填剤、滑沢剤、バインダー、崩壊剤及び流動促進剤から選択される、請求項1~22のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  24. 前記医薬組成物が、錠剤又はカプセル形態である、請求項23に記載の使用のためのLOU064。
  25. 前記医薬組成物が、LOU064のナノサイズ粒子を含む、請求項23又は24に記載の使用のためのLOU064。
  26. 前記医薬組成物が、PCSによって測定した際の約50nm~約750nmの平均粒度を有するLOU064のナノサイズ粒子を含む、請求項25に記載の使用のためのLOU064。
  27. 前記医薬組成物が、約2:1の重量比でLOU064及びバインダーを含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  28. 前記医薬組成物が、約2:1:0.08の重量比でLOU064、バインダー及び界面活性剤を含む、請求項27に記載の使用のためのLOU064。
  29. 前記医薬組成物が、約1:1の重量比でLOU064及びバインダーを含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  30. 前記医薬組成物が、約1:1:0.05の重量比でLOU064、バインダー及び界面活性剤を含む、請求項29に記載の使用のためのLOU064。
  31. 前記医薬組成物が、LOU064、バインダーとしてのポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー及び界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウムを含む、請求項23~30のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
  32. LOU064が、約25℃の温度及び1.5405ÅのX線波長、λで測定されるとき、7.8±0.2°2θ、9.2±0.2°2θ、12.0±0.2°2θ、13.6±0.2°2θ、15.6±0.2°2θ、16.0±0.2°2θ、17.8±0.2°2θ、18.3±0.2°2θ、18.7±0.2°2θ、19.2±0.2°2θ、19.9±0.2°2θ、22.1±0.2°2θ、23.4±0.2°2θ、23.9±0.2°2θ、24.8±0.2°2θ、25.2±0.2°2θ、25.5±0.2°2θ、27.2±0.2°2θ、及び29.6±0.2°2θからなる群から選択される2θに関して1つ以上の代表的なピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる無水遊離塩基の結晶形態である、請求項1~31のいずれか一項に記載の使用のためのLOU064。
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