JP2024511666A - 電池からリチウム塩をリサイクルするための方法 - Google Patents

電池からリチウム塩をリサイクルするための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、使用済みリチウム電池の電解質に含有されるリチウム塩をリサイクルするための方法であって、少なくとも1つのリチウム塩、少なくとも1つの電解質溶媒および水を含む電解質の流れを供給すること;電解質の流れに第1の溶媒を添加して少なくとも1つのリチウム塩を抽出し、一方に少なくとも1つのリチウム塩を含む相を、他方にリチウム塩が除去された相を回収する少なくとも1つのステップを含む、方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、使用済みリチウム電池の電解質に含有されるリチウム塩をリサイクルするための方法に関する。
リチウムイオン電池のようなリチウム(Li)含有電池は、電気自動車やモバイル機器、携帯機器に一般的に使用されている。
リチウムイオン電池またはリチウム硫黄電池は、少なくとも1つの負極(アノード)、1つの正極(カソード)、電解質、および好ましくはセパレータを備える。電解質は、一般に、溶媒に溶解したリチウム塩からなり、該溶媒は一般に、電解質の粘度と誘電率の間に良好な妥協点が得られるような有機溶媒混合物である。
使用済みリチウム電池の生成と廃棄は、環境保護と資源のリサイクルの観点から世界的な関心事となっている。
電池リサイクルの目的は、電池内に存在する有毒金属、希少金属、貴金属、または経済的にアップグレード可能な金属を回収することである。電池リサイクルにより、家庭ゴミに含まれる電池の量を減らすことも可能になる。実際、電池は特定の重金属やその他の化学物質が環境に蓄積する原因であり、該蓄積は、土壌汚染や水質汚染につながる可能性がある。
Liイオン電池のリサイクルには、乾式冶金リサイクルと湿式冶金リサイクルの、2つの主な方法がある。
乾式冶金リサイクルでは、炉と還元剤を使用し、Co、Cu、Fe、Niの金属合金を生成する。
湿式冶金リサイクルは、水溶液を使用してカソードからターゲット金属を浸出させる。
どちらのリサイクル方法においても、電解質由来のリチウム塩は、セルコストの最大8%を占める可能性があるが、ほとんどリサイクルされないか、まったくリサイクルされない。
D.L.Thompsonらによる論文「The importance of design in lithium ion battery recycling-a critical review」(Green Chemistry,2020)は、Liイオン電池のリサイクルに関する。該レビューでは、電極、とりわけカソード活物質の成分のリサイクルに焦点を当てている。該レビューはまた、Liイオン電池の電解質をリサイクルする難しさについても言及している。
Weiguang Lvらによる論文「Selective recovery of lithium from spent lithium-ion batteries by coupling advanced oxidation processes and chemical leaching processes」(ACS Sustainable Chemistry Engineering,2020,8,5165)では、酸化および化学浸出方法によるLiイオン電池のリサイクルについて記載されている。
リチウム電池の電解質に含有されるリチウム塩を効率よく、十分な純度で回収し、リサイクルすることができる方法を提供することが真に必要とされている。
本発明は主に、使用済みリチウム電池の電解質に含有されるリチウム塩をリサイクルする方法であって、
- 少なくとも1つのリチウム塩、少なくとも1つの電解質溶媒および水を含む電解質の流れを準備すること;
- 電解質の流れに第1の溶媒を添加して少なくとも1つのリチウム塩を抽出し、一方に少なくとも1つのリチウム塩を含む相を、他方にリチウム塩が除去された相を回収する少なくとも1つのステップを含む、方法に関する。
特定の実施形態によれば、少なくとも1つのリチウム塩は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾレート、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロボレート、リチウムジフルオロホスフェートおよびそれらの混合物から選択され、好ましくは、少なくとも1つのリチウム塩は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾレート、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロボレート、およびそれらの混合物から選択される。
特定の実施形態によれば、電解質溶媒は、カーボネート、エーテル、エステル、ケトン、アルコール、ニトリル、アミド、スルファミドおよびスルホンアミド、ならびにそれらの混合物から選択される。
特定の実施形態によれば、第1の溶媒は、エステル、ニトリル、エーテル、カーボネート、カルバメートおよびそれらの混合物から選択される。
特定の実施形態によれば、抽出プロセス中に第2の溶媒が添加され、第2の溶媒は、好ましくは、アルカン、芳香族溶媒、塩素化溶媒およびそれらの混合物から選択される。
特定の実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つのリチウム塩を含む相に第2の溶媒を添加することによる少なくとも1つの追加の抽出ステップを含み、第2の溶媒は、好ましくは、アルカン、芳香族溶媒、塩素化溶媒およびそれらの混合物から選択される。
特定の実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つのリチウム塩を含む相に第3の溶媒を添加して混合物を形成するステップと、少なくとも1つのリチウム塩を析出させる蒸発ステップとを含む。
特定の実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つのリチウム塩を含む相を蒸発させるステップに続いて、第3の溶媒を添加して少なくとも1つのリチウム塩を析出させるステップを含む。
特定の実施形態によれば、第3の溶媒は、アルカン、アルケン、芳香族、塩素化化合物およびそれらの混合物から選択される。
特定の実施形態によれば、少なくとも1つのリチウム塩、少なくとも1つの電解質溶媒および水を含む流れは、水を使用済みリチウム電池またはその一部と接触させることによって得られる。
特定の実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つのリサイクルされたリチウム塩を、追加の電解質溶媒に溶解することを含む。
本発明により、上記の必要性を満たすことが可能になる。より詳細には、本発明は、リチウム電池の電解質に含有されるリチウム塩を効率よく、十分な純度で回収し、リサイクルすることができる方法を提供する。
これは、本発明のリサイクル方法によって達成される。より詳細には、これは、未変化リチウム塩を含む相を良好な純度で回収し、リチウム電池に使用することを可能にする、第1の溶媒による抽出によって達成される。
有利には、第2の溶媒の使用により、(例えば抽出中に)リチウム塩に混入した残留水量の除去が可能になる。
有利には、第3の溶媒の使用により、リチウム塩を析出させ、新しい電解質溶媒に溶解可能な固体として回収することが可能になる。
したがって、本発明による方法により、リサイクルされたリチウム塩から、良好な特性と性能を有するリチウム電池を製造することができる。
ここで、以下の説明において、本発明をより詳細に、非限定的に説明する。
リチウム電池
リチウム電池は、少なくとも1つの電気化学セル、好ましくは複数の電気化学セルを備える。各電気化学セルは、負極、正極、および負極と正極との間に介在する電解質を含む。
各電気化学セルは、電解質が含浸されたセパレータをさらに備えてもよい。
電気化学セルは、電池内で直列および/または並列に組み立てることができる。
「負極」という用語は、電池が電流を生成しているとき(すなわち、電池が放電過程にあるとき)にアノードとして作用し、電池が充電過程にあるときにカソードとして作用する電極を意味する。
負極は通常、電気化学的活物質、任意選択で導電性物質、および任意選択でバインダーを備える。
「正極」という用語は、電池が電流を生成しているとき(すなわち、電池が放電過程にあるとき)にカソードとして作用し、電池が充電過程にあるときにアノードとして作用する電極を意味する。
正極は通常、電気化学的活物質、任意選択で導電性物質、および任意選択でバインダーを備える。
「電気化学的活物質」という用語は、イオンを可逆的に挿入できる物質を意味する。
「導電性物質」という用語は、電子を伝導することができる物質を意味する。
電気化学セルの負極は、とりわけ、電気化学的活物質として、金属リチウムを含んでもよい。このリチウム金属は、本質的に純粋な形態であってもよく、合金の形態であってもよい。使用することができるリチウム系合金の中で、挙げることができる例には、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-シリカ合金、リチウム-スズ合金、Li-Zn、LiBi、LiCdおよびLiSBが含まれる。上記の物質の混合物を使用することもできる。
負極は膜状であってもよく、棒状であってもよい。負極の一例としては、リチウムストリップをローラーで圧延して作製した光沢リチウム膜が挙げられる。
正極は、好ましくは酸化物タイプの、好ましくは二酸化マンガン(MnO)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウム-マンガン複合酸化物(例えばLiMnまたはLiMnO)、リチウム-ニッケル複合酸化物(例えばLiNiO)、リチウム-コバルト複合酸化物(例えばLiCoO)、リチウム-ニッケル-コバルト複合酸化物(例えばLiNi1-yCo)、リチウム-ニッケル-コバルト-マンガン複合酸化物(例えばLiNiMnCo(x+y+z=1))、リチウム過剰型リチウム-ニッケル-コバルト-マンガン複合酸化物(例えばLi1+x(NiMnCo1-x)、リチウム-遷移金属複合酸化物、スピネル構造のリチウム-マンガン-ニッケル複合酸化物(例えばLiMn2-yNi)、酸化バナジウム、およびそれらの混合物から選択される、電気化学的活物質を含む。
好ましくは、正極は、ニッケル含有率が高いリチウム-ニッケル-マンガン-コバルト複合酸化物(LiNiMnCo(x+y+z=1、NMCと略記、x>yかつx>z))、またはニッケル含有率が高いリチウム-ニッケル-コバルト-アルミニウム複合酸化物(LiNix’Coy’Alz’(x’+y’+z’=1、NCAと略記、x’>y’かつx’>z’))である、電気化学的活物質を含む。
これらの酸化物の具体例としては、NMC532(LiNi0.5Mn0.3Co0.2)、NMC622(LiNi0.6Mn0.2Co0.2)およびNMC811(LiNi0.8Mn0.1Co0.1)がある。
各電極の材料は、電気化学的活物質の他に、例えばカーボンブラック、Ketjen(登録商標)カーボン、Shawiniganカーボン、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、炭素繊維(例えば、気相成長炭素繊維またはVGCF)、有機前駆体の炭化によって得られる非粉末状炭素、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む炭素源などの導電性材料をさらに含んでもよい。正極の材料には、リチウム塩、またはセラミックもしくはガラスタイプの無機粒子、または他の適合する活物質(例えば硫黄)など、他の添加剤がさらに存在してもよい。
各電極の材料は、バインダーをさらに含んでもよい。バインダーの非限定的な例としては、直鎖状、分岐鎖状および/または架橋ポリエーテルポリマーバインダー(例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)またはこれら2種の混合物(またはEO/PO共重合体)をベースとし、任意選択で架橋性単位を含むポリマー)、水溶性バインダー(例えばSBR(スチレン-ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)、HNBR(水素化NBR)、CHR(エピクロロヒドリンゴム)、ACM(アクリレートゴム))、またはフルオロポリマーバインダー(例えばPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。水溶性バインダーなどの特定のバインダーは、CMC(カルボキシメチルセルロース)などの添加剤をさらに含んでもよい。
セパレータは、多孔質ポリマー膜であってもよい。非限定的な例として、セパレータは、エチレンホモポリマー、プロピレンホモポリマー、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メタクリレート共重合体、または上記ポリマーの多層構造など、ポリオレフィンの多孔質膜から構成されていてもよい。
電解質は、少なくとも1つのリチウム塩を含み、好ましくは複数のリチウム塩を含む。好ましくは、電解質は少なくともリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を含む。
リチウム塩は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾレート(LiTDI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiDBOB)、リチウムジフルオロホスフェート(LiPO)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、およびそれらの混合物から選択されてもよい。
特定の実施形態によれば、リチウム塩は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾレート、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロボレート、およびそれらの混合物から選択される。
特定の好ましい実施形態によれば、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)が存在してもよい。この場合、該化合物は、少なくとも1つの第2のリチウム塩(好ましくは上記のリストから選択される)および有利には、少なくともリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)と併せて見られる。
電解質溶媒は、エーテル、エステル、ケトン、アルコール、ニトリル、カーボネート、アミド、スルファミド、スルホンアミド、およびそれらの混合物から選択されてもよい。
エーテルの中では、直鎖状または環状エーテル、例えばジメトキシエタン(DME)、2~5個のオキシエチレン単位を含有するオリゴエチレングリコールのメチルエーテル、ジオキソラン、ジオキサン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランおよびそれらの混合物を挙げることができる。
エステルの中では、リン酸エステルまたは亜硫酸エステルを挙げることができる。例えば、ギ酸メチル、酢酸メチル、メチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、ガンマ-ブチロラクトンまたはそれらの混合物を挙げることができる。
ケトンの中では、とりわけ、シクロヘキサノンを挙げることができる。
アルコールの中で、挙げることができる例には、エチルアルコールおよびイソプロピルアルコールが含まれる。
ニトリルの中で、挙げることができる例には、アセトニトリル、ピルボニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルアミノプロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ピバロニトリル、イソバレロニトリル、グルタロニトリル、メトキシグルタロニトリル、2-メチルグルタロニトリル、3-メチルグルタロニトリル、アジポニトリル、マロノニトリル、1,2,6-トリシアノヘキサンおよびそれらの混合物が含まれる。
カーボネートの中で、挙げることができる例には、環状カーボネート、例えば、エチレンカーボネート(EC)(CAS:96-49-1)、プロピレンカーボネート(PC)(CAS:108-32-7)、ブチレンカーボネート(BC)(CAS:4437-85-8)、ジメチルカーボネート(DMC)(CAS:616-38-6)、ジエチルカーボネート(DEC)(CAS:105-58-8)、エチルメチルカーボネート(EMC)(CAS:623-53-0)、ジフェニルカーボネート(CAS:102-09-0)、メチルフェニルカーボネート(CAS:13509-27-8)、ジプロピルカーボネート(DPC)(CAS:623-96-1)、メチルプロピルカーボネート(MPC)(CAS:1333-41-1)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、ビニレンカーボネート(VC)(CAS:872-36-6)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)(CAS:114435-02-8)、トリフルオロプロピレンカーボネート(CAS:167951-80-6)またはそれらの混合物が含まれる。
アミドの中では、ジメチルホルムアミドおよびN-メチルピロリジノンを挙げることができる。
より好ましくは、電解質溶媒は、EC、EMC、ECとEMCの混合物、ECとDMCの混合物、ECとDECの混合物、ECとDECの混合物、PC、EC、DMCおよびEMCの混合物から選択される。
任意選択で、電解質は1つまたは複数の極性ポリマーを含んでもよい。極性ポリマーは、好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピフルオロヒドリン、トリフルオロエポキシプロパン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミド、フッ化ビニリデン、N-メチルピロリドンおよび/またはポリカチオンもしくはポリアニオン高分子電解質から誘導されるモノマー単位を含む。本電解質組成物が2種以上のポリマーを含む場合、そのうちの少なくとも1つは架橋されていてもよい。
さらに、電解質は1つまたは複数の添加剤を含んでもよい。添加剤は、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート、4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン、ピリダジン、ビニルピリダジン、キノリン、ビニルキノリン、ブタジエン、セバコニトリル、アルキルジスルフィド、フルオロトルエン、1,4-ジメトキシテトラフルオロトルエン、t-ブチルフェノール、ジ(t-ブチル)フェノール、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、オキシム、脂肪族エポキシド、ハロゲン化ビフェニル、メタクリル酸、アリルエチルカーボネート、酢酸ビニル、ジビニルアジペート、プロパンスルトン、アクリロニトリル、2-ビニルピリジン、無水マレイン酸、桂皮酸メチル、ホスホネート、ビニル含有シラン化合物、および/または2-シアノフランからなる群から選択されてもよい。
少なくとも1つのリチウム塩は、電解質中に、電解質の重量に対して0.1%~50%の含有率で存在してもよい。
方法
本発明による方法は、使用済みリチウム電池の電解質中に存在するリチウム塩を再び使用できるように回収し、リサイクルすることを可能にする。
本発明による方法は、少なくとも1つのリチウム塩、少なくとも1つの電解質溶媒および水を含む電解質の流れを供給する第1のステップを含む。
電解質の流れは、上述の電解質に由来する。より詳細には、電解質の流れは、電解質を水または水流で処理(洗浄)することにより得られる。
例えば、まずリチウム電池を分解し、任意選択で破砕してもよい。
特定の実施形態によれば、電解質を洗浄する前に、電解質の流れの溶媒含有率を低減するため、例えば、リチウム塩含有率が5%~90%になるように、蒸発ステップを実施してもよい。この蒸発は、したがって、20~150℃の温度で、任意選択で0.1~800mbarの減圧下で実施することができる。
あるいは、事前に蒸発させることなく、電解質を直接洗浄してもよい。
洗浄とは、電解質からリチウム塩を回収する目的で、水(または水流)を電池またはその一部(例えば、分解または破砕後の電池の一部)と接触させることからなる。接触させる時間は、1時間~200時間、好ましくは10時間~100時間、より好ましくは24時間~72時間であってもよい。接触は、例えば、5~50℃、好ましくは20~25℃(室温)の温度で実施することができる。
固形粒子を除去するために、洗浄後に濾過を行ってもよい。
好ましくは、洗浄は脱イオン水を用いて実施する。
本ステップで加える水の量は、電池重量の0.1~100倍であってもよい。
特定の実施形態によれば、電解質を水で洗浄後、電解質の流れにおける水の量を低減するために、蒸発ステップを実施することができる。この蒸発は、例えば、30℃を超える温度で、好ましくは0.1~800mbarの減圧下で実施することができる。
抽出ステップ前の電解質の流れにおける乾燥抽出物は、0.1%~50%、好ましくは1%~40%であり得る。
電解質の流れは、0.1%~50%、好ましくは1%~40%のリチウム塩含有率を有してもよい。
電解質の流れは、5%~90%、好ましくは10%~85%の電解質溶媒含有率を有してもよい。
次いで、本方法は、電解質の流れに含有されるリチウム塩を第1の溶媒で抽出するステップを含む。このステップにより、少なくとも1つのリチウム塩を第1の溶媒中に回収することができる。
したがって、このステップでは、第1の溶媒が電解質の流れに添加される。この添加の後、2つの異なる相が形成される。リチウム塩が除去された(水性)相と、第1の溶媒、電解質溶媒およびリチウム塩を含む(有機)相である。これらの2つの相は、次いで、例えばデカンテーションによって分離される。
特定の実施形態によれば、第1の溶媒添加および相分離ステップ(したがって、抽出ステップ)は、1回のみ実施することができる。
好ましい実施形態によれば、本ステップは、電解質の流れから抽出されるリチウム塩の量を最大にするために、数回、例えば2~10回繰り返すことができる。この目的のために、一旦第1の相分離が実施されると、分離された水性相に第1の溶媒が添加され、分離ステップが繰り返される。
本ステップは、5~75℃の温度で実施することができる。
抽出ステップの最後に、少なくとも1つのリチウム塩を含むさまざまな相をプールすることができる。このようにして、少なくとも1つのリチウム塩を含む相が一方に得られ、リチウム塩が除去された相が他方に得られる。リチウム塩が除去された相は、電解質に含まれるさまざまな不純物をさらに含み得る。
第1の溶媒は、好ましくは極性有機溶媒である。第1の溶媒は、水と接触して2つの相を形成するように、水不混和性溶媒である。
好ましくは、少なくとも1つのリチウム塩は、第1の溶媒への溶解度が、塩と溶媒の合計重量に対して5重量%以上であってもよい。この溶解度は、過剰のリチウム塩を第1の溶媒に入れ、48時間撹拌することによって測定される。その後の濾過および乾燥抽出物の測定により、溶解したリチウム塩の量を決定することができる。
好ましい実施形態によれば、第1の溶媒は、エステル、ニトリル、エーテル、カーボネート、カルバメートおよびそれらの混合物から選択されてもよい。
エステルの中では、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチルおよびプロピオン酸イソブチルを挙げることができる。
ニトリルの中では、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ペンタンニトリル、イソペンタンニトリル、ヘキサンニトリルおよびグルタロニトリルを挙げることができる。
エーテルの中では、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジプロピルエーテル、ジイソブチルエーテルおよびジブトキシエタンを挙げることができる。
カーボネートの中では、ジブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネートおよびジ-t-ブチルカーボネートを挙げることができる。
カルバメートの中では、1,3-ジイソプロピルウレア、1,3-ジブチルウレアおよび1,3-ジイソブチルウレアを挙げることができる。
好ましい実施形態によれば、第1の溶媒はエステルまたはニトリルである。
各抽出における電解質の流れと第1の溶媒との質量比は、0.1~50、好ましくは1~40の範囲であってもよい。
第1の溶媒とは異なる第2の溶媒を使用してもよい。第2の溶媒の目的は、第1の溶媒中のリチウム塩に混入した水分を除去することである。
特定の実施形態によれば、第2の溶媒は抽出中に添加してもよい。この場合、少なくとも1つのリチウム塩を含む相は、第1の溶媒と第2の溶媒の混合物である。数回の連続的な抽出が実施される場合、そのうちの何回かは第1の溶媒のみで実施され、他の抽出は第1および第2の溶媒の混合物で実施されることが想定され得る。例えば、1回または複数回の抽出を第1の溶媒で実施し、その後に第1の溶媒と第2の溶媒の混合物で1回または複数回の抽出を実施することができる。この場合、抽出中または各抽出中、第1の溶媒に対する第2の溶媒の質量比は0.1~5、好ましくは0.15~4であってもよい。
あるいは、第1の溶媒による1回または複数回の抽出の後、第2の溶媒のみで1回または複数回のさらなる抽出を実施してもよい。この場合、第2の溶媒は、第1の溶媒による抽出で得られたリチウム塩を含む相に添加され、この相に存在する残留水を分離・除去する。添加される相に対する第2の溶媒の質量比は、0.1~5、好ましくは0.15~4であってもよい。特定の実施形態によれば、追加の抽出は1回のみ実施される。
好ましい実施形態によれば、(第1の溶媒による抽出の場合について上に示したのと同じ方法で)追加の抽出を数回、例えば2~10回繰り返すことができる。
1回または複数回の追加の抽出を実施する場合、抽出後に回収された有機相(少なくとも1つのリチウム塩を含む)をプールし、混合する。
好ましくは、第2の溶媒は第1の溶媒と混和性であり、水と不混和性である。同様に好ましくは、第2の溶媒は有機溶媒であり、好ましくは無極性である。この溶媒は、好ましくは、アルカン、芳香族溶媒、塩素化溶媒およびそれらの混合物から選択される。
アルカンの中では、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカンおよびドデカンを挙げることができる。
芳香族系溶媒の中では、トルエンおよびキシレンを挙げることができる。
塩素化溶媒の中では、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼンを挙げることができる。
特定の実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つのリチウム塩を含む相を蒸発させるステップをさらに含んでもよい。このステップにより、この相に含有される水の量を15000ppm以下、好ましくは10000ppm以下の質量含有率まで低減することができる。また、このステップにより、少なくとも1つのリチウム塩を含む相の溶媒(第1および/または第2の溶媒)の量を低減することができる。例えば、この蒸発ステップで得られる溶液は、10%以下、好ましくは5%以下の溶媒(第1および/または第2)含有率を有してもよい。
この蒸発ステップは、10~90℃、好ましくは20~80℃の温度で実施することができる。
さらに、このステップは、好ましくは減圧下、すなわち0.1~800mbarで実施することができる。
蒸発後の電解質の流れにおける乾燥抽出物は、10%~75%、好ましくは5%~60%であってもよい。
この蒸発ステップの最後に、蒸発で得られた溶液に第3の溶媒を添加してもよい。この添加の目的は、溶液から少なくとも1つのリチウム塩を析出させることである。この添加は、蒸発で得られた溶液の質量に対して、0.5~50、好ましくは1~25の割合で行うことができる。
第3の溶媒は、好ましくは有機溶媒であり、さらに好ましくは無極性である。第3の溶媒は、好ましくは、少なくとも1つのリチウム塩を溶解しない溶媒である。第3の溶媒は、好ましくは、第1の溶媒の沸点よりも高い沸点を有する。好ましくは、第3の溶媒は、アルカン、アルケン、芳香族溶媒、塩素化化合物およびそれらの混合物から選択される。
好ましくは、第3の溶媒は第2の溶媒とは異なり、同様に好ましくは、第3の溶媒は高沸点、例えば105℃を超える沸点を有する溶媒である。
アルカンの中で、挙げることができる例には、デカンおよびドデカンが含まれる。
芳香族溶媒の中で、挙げることができる例には、トルエンおよびキシレンが含まれる。
塩素化溶媒の中で、挙げることができる例には、ジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼンが含まれる。
好ましい実施形態によれば、第3の溶媒は塩素化化合物であり、同様に好ましくは、第3の溶媒はクロロベンゼンである。
あるいは、第3の溶媒は、少なくとも1つのリチウム塩を含む相に添加してもよい。この場合、次いで、第1および/または第2の溶媒を除去し、第3の溶媒中少なくとも1つのリチウム塩の溶液をもたらすように、溶媒混合物(第1および/または第2および第3)が蒸発によって除去されてもよい。本実施形態は、第3の溶媒が、第1および/または第2の溶媒の沸点よりも高い沸点を有する場合に有利である。好ましくは、この差は少なくとも15℃、好ましくは少なくとも20℃である。例えば、この差は、15~20℃、または20~25℃、または25~30℃、または30~35℃、または35~40℃、またはそれ以上であってもよい。
このステップは、10~90℃、好ましくは20~80℃の温度で実施することができる。
さらに、このステップは、好ましくは減圧下、つまり0.1~800mbarで実施される。
第3の溶媒は、少なくとも1つのリチウム塩を含む相に、5%~75%、好ましくは10%~65%の量(または質量比)で添加することができる。
少なくとも1つのリチウム塩は、好ましくは第3の溶媒から析出させてもよい。
析出させたリチウム塩は、例えば、濾過によって回収することができる。特定の場合には、濾過の後に、得られた固体のリンスおよび/または乾燥を行うことができる。
このように、回収された少なくとも1つのリチウム塩は、その後リサイクルされ、リチウム電池の電解質として使用することができる。この目的のために、回収された少なくとも1つのリチウム塩を、上記で定義した通りであってもよい(追加の)電解質溶媒に添加することができる。
少なくとも1つのリチウム塩を析出させるために第3の溶媒を使用する代わりに、場合によっては、とりわけ第1の溶媒が所望の(追加の)電解質溶媒(カーボネートなど)と同一である場合には、(少なくとも1つのリチウム塩を含む相の)蒸発ステップを継続し、蒸発後に得られた溶液を、リチウム電池の製造に、より詳細にはリチウム電池の電解質に使用することが可能である。この目的のために、300ppm以下、好ましくは100ppm以下の質量含水率を有する溶液を得るように蒸発を継続することが好ましい。この場合、この含水率は、300ppm以下であってもよく、250ppm以下であってもよく、200ppm以下であってもよく、150ppm以下であってもよく、100ppm以下であってもよく、50ppm以下であってもよい。
本発明によるリチウム塩リサイクル方法により、リチウム電池の電解質からリチウム塩を効率的に回収し、リチウム電池の製造に再利用することができる。本発明によるリサイクルされたリチウム塩から製造された電池は、新しい(再生でない)リチウム塩を含む電解質から製造された電池の特性に匹敵する、良好な特性および性能を有する。本発明によるリサイクルされたリチウム塩から製造された電池は、例えば、新しいリチウム塩を含む電解質から製造された電池に匹敵する出力、および/または耐用年数および/または抵抗を有する。
以下の実施例により、本発明を限定することなく説明する。
例1-比較例
下記組成の電解質978μLを含むLiイオン電池(200mAh NMC622/グラファイトパウチセル)を使用した。1重量%のフルオロエチレンカーボネートと1重量%のビニルカーボネートを添加した体積比3:7のエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合物中、1mol/LのLiPF
1Cで1500回の充電/放電サイクルを行った後、電池を開封し、25℃で48時間、1Lの脱イオン水と接触させた。溶液を濾過し、45℃で真空下、固形分が40%になるまで濃縮した。得られた溶液は不均一で、固体部分と液体部分がある。この溶液を酢酸ブチル4×20gで抽出した。
19F NMR分析の結果、得られた有機溶液中にPF6-アニオンは認められなかった。
カチオンのイオンクロマトグラフィー分析では、リチウムカチオンの存在は認められなかった。
例2-本発明による実施例
下記組成の電解質978μLを含むLiイオン電池(200mAh NMC622/グラファイトパウチセル)を使用した。2重量%のフルオロエチレンカーボネートを添加した体積比3:7のエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合物中、0.9mol/LのLiFSI、0.05mol/LのLiTDIおよび0.05mol/LのLiPF
1Cで1500回の充電/放電サイクルを行った後、電池を開封し、1Lの脱イオン水と接触させた。得られた溶液を濾過し、45℃で減圧下、固形分が40%になるまで濃縮した。
この濃縮溶液を酢酸ブチル(4×20g)で抽出した。有機相をプールし、50℃で減圧下、固形分が45%になるまで濃縮した。得られた濃縮物の含水率は5232ppmであった。
次いで、クロロベンゼン(200g)を先の溶液に添加し、60℃で減圧下、蒸発により酢酸ブチルを除去した。白色固体が形成され、濾過により回収し、クロロベンゼン(3×50g)でリンスし、真空下で乾燥させた。19F NMR分析の結果、得られた固体の質量組成は以下の通りであった。LiFSI 92.4%、LiTDI 7.6%。イオンクロマトグラフィー分析では、9ppmのフッ化物と24ppmの硫酸塩が認められる。
例3-本発明による実施例
次いで、例2の固体を出発物質として使用し、以下の組成を有する新しい電解質を製造した。フルオロエチレンカーボネートを2重量%添加した体積比3:7のエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合物中、0.9mol/LのLiFSI、0.05mol/LのLiTDIおよび0.05mol/LのLiPF。したがって、この再生電解質979μLを含有するLiイオン電池(200mAh NMC622/グラファイトパウチセル)を、温度25℃においてCのデューティサイクルで1500サイクル充放電した。新鮮な(再生でない)電解質と再生電解質のサイクル結果を下表で比較する。
Figure 2024511666000001
上記の表に示すように、再生電解質は、不可逆容量、分極および容量損失の点で、新鮮な電解質と同様の性能を示している。初期容量は、このタイプの電池の製造におけるばらつきのために異なっている。これらの結果から、本発明によるリサイクル方法により、出発物質として再利用するのに十分な純度のリチウム塩を製造できることが確認される。

Claims (13)

  1. 使用済みリチウム電池の電解質に含有されるリチウム塩をリサイクルするための方法であって、
    - 少なくとも1つのリチウム塩、少なくとも1つの電解質溶媒および水を含む電解質の流れを供給すること;
    - 電解質の流れに第1の溶媒を添加して少なくとも1つのリチウム塩を抽出し、一方に少なくとも1つのリチウム塩を含む相を、他方にリチウム塩が枯渇した水性相を回収する少なくとも1つのステップを含む、方法。
  2. 第1の溶媒を添加後、第1の溶媒、電解質溶媒および少なくとも1つのリチウム塩を含む相を一方に回収し、リチウム塩が枯渇した水性相を他方に回収する、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つのリチウム塩が、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾレート、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロボレート、リチウムジフルオロホスフェートおよびそれらの混合物から選択され、好ましくは、少なくとも1つのリチウム塩が、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム2-トリフルオロメチル-4,5-ジシアノイミダゾレート、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロボレート、およびそれらの混合物から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つのリチウム塩が、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 電解質溶媒が、カーボネート、エーテル、エステル、ケトン、アルコール、ニトリル、アミド、スルファミドおよびスルホンアミド、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 第1の溶媒が、エステル、ニトリル、エーテル、カーボネート、カルバメートおよびそれらの混合物から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 抽出プロセス中に第2の溶媒が添加され、第2の溶媒は、好ましくは、アルカン、芳香族溶媒、塩素化溶媒およびそれらの混合物から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 少なくとも1つのリチウム塩を含む相に第2の溶媒を添加することによる少なくとも1つの追加の抽出ステップを含み、第2の溶媒が、好ましくは、アルカン、芳香族溶媒、塩素化溶媒およびそれらの混合物から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 少なくとも1つのリチウム塩を含む相に第3の溶媒を添加して混合物を形成するステップと、少なくとも1つのリチウム塩を析出させる蒸発ステップとを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 少なくとも1つのリチウム塩を含む相を蒸発させるステップに続いて、第3の溶媒を添加して少なくとも1つのリチウム塩を析出させるステップを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 第3の溶媒が、アルカン、アルケン、芳香族、塩素化化合物およびそれらの混合物から選択される、請求項9または10に記載の方法。
  12. 少なくとも1つのリチウム塩、少なくとも1つの電解質溶媒および水を含む流れが、水を使用済みリチウム電池またはその一部と接触させることによって得られる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 少なくとも1つのリサイクルされたリチウム塩を、追加の電解質溶媒に溶解することを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
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