JP2024509187A - 高流動性二重末端封止ポリアミドポリマー - Google Patents

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Abstract

アミン末端基、カルボキシル末端基、又はアミン末端基及びカルボキシル末端基の両方で末端封止されたポリアミド。具体的には、本開示は、22,000Da~56,000Daの重量平均分子量(Mw)、及び45未満のギ酸粘度(FAV)を有する末端封止ポリアミドポリマーに関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、全内容が参照により本明細書に援用される2021年3月3日に出願された米国仮特許出願第63/156,078号の優先権を主張するものである。
本発明は、高流動性二重末端封止ポリアミドポリマーの製造方法、詳細には、狭い分子量分布を有する高流動性二重末端封止ポリアミドポリマーの製造方法に関する。
ポリカプロラクタム又はポリアミド6(PA6)などの典型的なポリアミドポリマーは、ポリマーのカルボキシル末端基又は末端と反応することで末端封止するアミンを用いた単一末端封止(mono-termination)によって重合される。単一末端封止はまた、ポリマーのアミン末端基又は末端と反応することで末端封止する酸を用いることでも達成され得る。二重末端封止ポリマーは、アミン及び酸の両末端封止剤を含めることによって合成され得る。二重末端封止ポリマーでは、非末端封止ポリマーと比較してメルトフローインデックス(MFI)の低下が通常は見られ、加工性の低下に繋がっている。
物理的特性が改善された単一末端封止及び二重末端封止ポリマーが求められている。
本開示は、アミノ末端基又はカルボキシル末端基のうちの一方で単一末端封止され得るポリアミドポリマー、又は別の選択肢として、アミノ末端基及びカルボキシル末端基の両方で二重末端封止され得る、本明細書で二重末端封止ポリアミドと称するポリアミドポリマーを提供する。具体的には、本開示は、22,000Da~56,000Daの重量平均分子量(Mw)、及び45未満のギ酸粘度(FAV)を有する末端封止ポリアミドを提供する。低粘度であることにより、加工性を犠牲にすることも、又は配合後に粘度が大きく上昇することもなく、ポリアミドのガラス繊維入り配合が可能となる。
本開示はまた、末端封止ポリアミドの合成方法も提供し、その方法は、ラクタムを加水分解してアミン末端基及びカルボキシル末端基を有するモノマーを提供すること、230℃~270℃の温度でモノマーを重縮合して、アミン末端基及びカルボキシル基を有するポリアミドポリマーを提供すること、並びに少なくとも1つの鎖末端封止剤との反応によってポリアミドを末端封止して、重量平均分子量(Mw)が22,000Da~56,000Daである末端封止ポリアミドを提供すること、を含む。さらに、方法は、ポリアミドの重量平均分子量(Mw)対ポリアミドの数平均分子量(Mn)の比が1.8~3.5であるポリアミドが提供されるような方法で行われ得る。
本開示はさらに、本開示のガラス繊維入りポリアミドを含む組成物も含む。
本発明の上述の及び他の特徴、並びにそれらを達成する方法は、本発明の実施形態の以下の記述を添付の図面と合わせて参照することによって、より明らかとなり、本発明自体も、より良く理解されることになる。
図1A及び図1Bは、例1で述べる様々な非末端封止、単一末端封止、及び二重末端封止材料の引張強度を、psiの単位で示す。 図1A及び図1Bは、例1で述べる様々な非末端封止、単一末端封止、及び二重末端封止材料の引張強度を、psiの単位で示す。 図2は、例4で述べるように、末端封止に応じたガラス繊維入り化合物に対するギ酸粘度(FAV)対メルトフローインデックス(MFI)の傾向を示す。 図3は、例4で述べるように、様々な材料に対する衝撃強度及び引張強度対メルトフローインデックス(MFI)を示す。 図4A及び図4Bは、例5で述べる様々な非末端封止、単一末端封止、及び二重末端封止材料の、配合前後でのギ酸粘度(FAV)を示す。 図4A及び図4Bは、例5で述べる様々な非末端封止、単一末端封止、及び二重末端封止材料の、配合前後でのギ酸粘度(FAV)を示す。 図5は、例6で述べるように、非末端封止ポリマー及び二重末端封止ポリマーのスパイラルフロー(mmの単位)を示す。 図6Aは、例9で述べる総末端封止%対溶融粘度/時間の傾き、のグラフを示す。 図6Bは、例9で述べる粘度傾き/溶融安定性のヒストグラムを示す。
対応する符号は、複数の図面を通して対応する部分を示す。本明細書で示される例示は、本発明の様々な態様を示し、そのような例示は、いかなる形であっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
1.ポリアミド
本開示は、狭い分子量分布を有する低分子量末端封止ポリアミドに関する。
末端封止ポリアミドは、以下の式1に示されるように合成することができる。
Figure 2024509187000001
式1に示されるように、カプロラクタムなどのラクタムが加水分解に掛けられて、アミン末端基及びカルボキシル末端基を有するモノマーを得ることができる。続いて、モノマーが重縮合に掛けられて、アミン末端基及びカルボキシル末端基を有するポリアミドを得ることができる。次に、ポリアミドが、本明細書において末端封止剤とも称される鎖末端封止剤で処理されて、末端封止ポリアミドを得ることができる。例えば、アミン末端基を、酢酸又はステアリン酸などの酸と反応させて、アミン末端基をブロックし、アミン末端基でのさらなるポリマー成長を停止させてもよい。同様に、類似の反応を、シクロヘキシルアミン又はステアリルアミン(オクタデシルアミン)などのアミンでカルボキシル末端基を処理することによって行い、それによって、カルボキシル末端基をブロックし、カルボキシル末端基からのポリマーのさらなる成長を阻止してもよい。
単一末端封止ポリマーとは、アミン末端基のみ又はカルボキシル末端基のみが鎖末端封止剤で処理されたポリマーを意味する。二重末端封止ポリマーとは、アミン末端基及びカルボキシル末端基の両方が鎖末端封止剤で処理されたポリマーを意味する。
任意のポリマー集団中の遊離アミン末端基のすべてを、鎖末端封止剤と反応させてよく、又はある割合のアミン末端基を、鎖末端封止剤と反応させてもよい。アミン末端基封止剤の例としては、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ステアリン酸、及び/又はテレフタル酸などの酸が挙げられる。
非末端封止(遊離)アミン末端基の濃度は、以下の式2に示されるようにして特定することができ、式中、PTSAは、パラ-トルエンスルホン酸を表す。
Figure 2024509187000002
同様に、任意のポリマー集団中の遊離カルボキシル末端基のすべてを、鎖末端封止剤と反応させてよく、又はある割合のカルボキシル末端基を、鎖末端封止剤と反応させてもよい。カルボキシル末端基封止剤の例としては、シクロヘキシルアミン、ステアリルアミン、及びベンジルアミンなどの一官能性アミド、並びにポリエーテルアミンが挙げられる。
非末端封止(遊離)カルボキシル末端基の濃度は、以下の式3に示されるようにして特定することができ、式中、KOHは、水酸化カリウムを表す。
Figure 2024509187000003
ポリマー集団中のアミン末端基及びカルボキシル末端基の末端封止の度合いは、末端封止度とも称される末端封止パーセントによって表すこともできる。二重末端封止ポリアミドの末端封止度は、以下の式4、5、及び6を用いて特定することができる。
Figure 2024509187000004
本開示のポリアミドにおいて、総末端封止度は、30重量%以上、31重量%以上、約32重量%以上、約33重量%以上、約34重量%以上、約35重量%以上、約36重量%以上、約37重量%以上、約38重量%以上、約39重量%以上、約40重量%以上、約41重量%以上、約42重量%以上、約43重量%以下、約44重量%以下、約45重量%以下、約46重量%以下、約47重量%以下、約48重量%以下、約49重量%以下、約50重量%以下、約51重量%以下、約52重量%以下、約53重量%以下、約54重量%以下、約55重量%以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値である。
本開示のポリアミドにおいて、アミン末端基封止度は、約30重量%以上、約31重量%以上、約32重量%以上、約33重量%以上、約34重量%以上、約35重量%以上、36重量%以上、約37重量%以上、約38重量%以上、約39重量%以上、約40重量%以下、約41重量%以下、約42重量%以下、約43重量%以下、約44重量%以下、約45重量%以下、約46重量%以下、約47重量%以下、約48重量%以下、約49重量%以下、約50重量%以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値である。
本開示のポリアミドにおいて、カルボキシル末端基封止度は、約30重量%以上、約31重量%以上、約32重量%以上、約33重量%以上、約34重量%以上、約35重量%以上、36重量%以上、約37重量%以上、約38重量%以上、約39重量%以上、約40重量%以上、約41重量%以上、約42重量%以上、約43重量%以上、約44重量%以上、約45重量%以上、約46重量%以下、約47重量%以下、約48重量%以下、約49重量%以下、約50重量%以下、約51重量%以下、約52重量%以下、約53重量%以下、約54重量%以下、約55重量%以下、約56重量%以下、約57重量%以下、約58重量%以下、約59重量%以下、約60重量%以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値である。
ポリマーは、その分子量に関する様々な統計値によって表すことができる。例えば、数平均分子量(Mn)は、以下の式7に従って算出され、式中、Niは、サンプル中の質量がMiである分子の数である。
Figure 2024509187000005
サンプル中の分子の質量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって特定することができる。Mnは、したがって、サンプル中のポリマーの平均分子量を提供する。本開示のポリアミドは、約10,000Da以上、約10,200Da以上、約10,400Da以上、約10,600Da以上、約10,800Da以上、約11,000Da以上、約11,200Da以上、約11,400Da以上、約11,600Da以上、約11,800Da以上、約12,000Da以上、約12,200Da以上、約12,400Da以上、約12,600Da以上、約12,800Da以上、約13,000Da以上、約13,200Da以上、約13,400Da以上、約13,600Da以上、約13,800Da以上、約14,000Da以上、約14,200Da以上、約14,400Da以上、約14,600Da以上、約14,800Da以上、約15,000Da以下、約15,200Da以下、約15,400Da以下、約15,600Da以下、約15,800Da以下、約16,000Da以下、約16,200Da以下、約16,400Da以下、約16,600Da以下、約16,800Da以下、約17,000Da以下、約17,200Da以下、約17,400Da以下、約17,600Da以下、約17,800Da以下、約18,000Da以下、約18,200Da以下、約18,400Da以下、約18,600Da以下、約18,800Da以下、約19,000Da以下、約19,200Da以下、約19,400Da以下、約19,600Da以下、約19,800Da以下、約20,000Da以下、約20,200Da以下、約20,400Da以下、約20,600Da以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値のMnを有する。
本開示の二重末端封止ポリマーは、約11,000Da以上、約11,200Da以上、約11,400Da以上、約11,600Da以上、約11,800Da以上、約12,000Da以上、約12,200Da以上、約12,400Da以上、約12,600Da以上、約12,800Da以上、約13,000Da以上、約13,200Da以上、約13,400Da以上、約13,600Da以上、約13,800Da以上、約14,000Da以上、約14,200Da以上、約14,400Da以上、約14,600Da以上、約14,800Da以上、約15,000Da以下、約15,200Da以下、約15,400Da以下、約15,600Da以下、約15,800Da以下、約16,000Da以下、約16,200Da以下、約16,400Da以下、約16,600Da以下、約16,800Da以下、約17,000Da以下、約17,200Da以下、約17,400Da以下、約17,600Da以下、約17,800Da以下、約18,000Da以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値のMnを有し得る。
重量平均分子量(Mw)も、ポリマーを表すために用いられ得る。Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって特定することができる。同様に、Mwは、以下の式8に従って算出することができる。
Figure 2024509187000006
この式では、小さい分子よりも大きい分子の方が、測定値に対する影響が大きい。本開示のポリアミドは、約22,000Da以上、約23,000Da以上、約24,000以上、約25,000以上、約26,000以上、約27,000以上、約28,000Da以上、約29,000Da以上、約30,000Da以上、約31,000Da以上、約32,000Da以上、約33,000Da以上、約35,000Da以上、約36,000Da以上、約37,000Da以上、約38,000Da以上、約39,000Da以上、約40,000Da以上、約41,000Da以上、約42,000Da以上、約43,000Da以下、約44,000Da以下、約45,000Da以下、約46,000Da以下、約47,000Da以下、約48,000Da以下、約49,000Da以下、約50,000Da以下、約51,000Da以下、約52,000Da以下、約53,000Da以下、約54,000Da以下、約55,000Da以下、約56,000Da以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値のMwを有する。
本開示の二重末端封止ポリマーにおいて、Mwは、約22,000Da以上、約23,000Da以上、約24,000以上、約25,000以上、約26,000以上、約27,000以上、約28,000Da以下、約29,000Da以下、約30,000Da以下、約31,000Da以下、約32,000Da以下、約33,000Da以下、約35,000Da以下、約36,000Da以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値であり得る。
分散度又は多分散指数と称されるMwのMnに対する比は、ポリマーに関するさらなる情報を提供する。具体的には、ポリマーの分散度は、任意のポリマーサンプル中における分子量分布の尺度である。サンプルが均一な状態に近づくに従って、分散度は1に近づく。本開示のポリアミドは、約1.8以上、約1.9以上、約2.0以上、約2.1以上、約2.2以上、約2.3以上、約2.4以上、約2.5以上、約2.6以上、約2.7以上、約2.8以下、約2.9以下、約3.0以下、約3.1以下、約3.2以下、約3.3以下、約3.4以下、約3.5以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値の分散度を有する。
本開示の二重末端封止ポリマーは、約1.8以上、約1.9以上、約2.0以上、約2.1以上、約2.2以下、約2.3以下、約2.4以下、約2.5以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値の分散度を有し得る。
Mn及びMw、さらには分散度は、ガス浸透クロマトグラフィー(GPC)によって特定することができる。
Z平均分子量、Mzも、ポリマーを表すために用いられ得る。Mzは、以下の式9に従って算出される。
Figure 2024509187000007
本開示のポリアミドは、約58,500Da以上、約59,000Da以上、約59,500Da以上、約60,000Da以上、約60,500Da以上、約61,000Da以上、約61,500Da以上、約62,000Da以上、約62,500Da以上、約63,000Da以下、約63,500Da以下、約64,000Da以下、約64,500Da以下、約65,000Da以下、約65,500Da以下、約66,000Da以下、約66,500Da以下、約67,000Da以下、約67,500Da以下、約68,000Da以下、約68,500Da以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値のMzを有する。
MzのMwに対する比も、ポリマーを表すために用いられ得る。本開示のポリアミドは、約1.60以上、約1.61以上、約1.62以上、約1.63以下、約1.64以下、約1.65以下、約1.66以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの範囲内の、MzのMwに対する比を有し得る。
ポリアミドはまた、ASTM D-789に記載の方法によって特定されるそのギ酸粘度(FAV)によっても表され得る。本開示のポリアミドは、約28以上、約29以上、約30以上、約31以上、約32以上、約33以上、約34以上、約35以上、約36以上、約37以上、約38以上、約39以下、約40以下、約41以下、約42以下、約43以下、約44以下、約45以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値のFAVを有し得る。
本開示の二重末端封止ポリマーは、約28以上、約29以上、約30以上、約31以上、約32以下、約33以下、約34以下、約35以下、約36以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値のFAVを有し得る。
ポリアミドはまた、GB/T 12006.1-2009/ISO 307:2007に記載の方法によって特定されるその相対粘度(RV)によっても表され得る。本開示のポリアミドは、約2.0以上、約2.1以上、約2.2以上、約2.3以上、約2.4以下、約2.5以下、約2.6以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値のRVを有し得る。
本開示の二重末端封止ポリマーは、約2.0以上、約2.1以上、約2.2以下、約2.3以下、約2.4以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値のRVを有し得る。
本開示のポリアミドは、ISO 6427に従って測定した場合の比較的低い抽出可能分含有量を有し得る。例えば、抽出可能分含有量は、約2.0%以下、約1.5%以下、約1.0%以下、約0.5%以下、又は約0.1%以下であり得る。
本開示のポリアミドは、ASTM D1238に記載の方法によって特定した場合、20g/10分以上、約25g/10分以上、約30g/10分以下、約35g/10分以下、約40g/10分以下、又はこれらの値によって包含されるいずれかの値のメルトフローインデックス(MFI)を有し得る。
本開示の末端封止ポリマーは、予想外なことに、高分子量であっても、低い粘度を呈する。驚くべきことに、末端封止剤の選択が、出来上がったポリマーの粘度に対して影響を有し得ることが見出された。特に、二重末端封止ポリマーは、より高い分子量でより低い粘度をもたらすものと思われるが、二重末端封止だけでは、本開示の驚くべき結果を実現するのに充分ではないと思われる。類似の分子量及び総末端封止パーセントを有する二重末端封止ポリマーであっても、用いられる末端封止剤に応じて、予測できない形で粘度が変動し得る。
例えば、以下でさらに実証されるように、ポリマーのN末端に対する末端封止剤としてのステアリン酸対酢酸の選択は、ほとんど影響がないと思われる一方で、シクロヘキシルアミン対ステアリルアミン(オクタデシルアミン)の選択は、ポリマーの粘度に対して大きな影響を有すると思われる。
2.ポリアミドの合成
上記の式1に示されるように、ポリアミドは、まずラクタムを加水分解して、アミン末端基及びカルボキシル末端基を有するモノマーを得ることによって合成することができる。ラクタムは、例えば、β-ラクタム(2-アゼチジノン)、γ-ラクタム(2-ピロリドン)、δ-ラクトン(2-ピペリジノン)、又はε-ラクタム(カプロラクタム)であってよい。加水分解は、塩基性条件下又は酸性条件下で行われてよい。加水分解は、1つ以上の触媒の存在下で行われてよい。1つ以上の触媒は、亜リン酸、アルキル置換及びアリール置換ホスホン酸、次亜リン酸、及びリン酸から成る群より選択され得る。
加水分解は、約230℃以上、約235℃以上、約240℃以上、約245℃以上、約250℃以下、約255℃以下、約260℃以下、約265℃以下、約270℃以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値の温度で行われ得る。
加水分解は、約40psig以上、約45psig以上、約50psig以上、約55psig以下、約60psig以下、約65psig以下、約70psig以下、又はこれらの終点を包含するいずれかの範囲内の圧力で行われ得る。
ラクタムの加水分解に続いて、モノマーが重縮合条件に掛けられ得る。重縮合は、1つ以上の触媒の存在下で行われてよい。1つ以上の触媒は、亜リン酸、アルキル置換及びアリール置換ホスホン酸、次亜リン酸、及びリン酸から成る群より選択され得る。
重縮合は、約230℃以上、約235℃以上、約240℃以上、約245℃以上、約250℃以下、約255℃以下、約260℃以下、約265℃以下、約270℃以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値の温度で行われ得る。
上記の式1に示されるように、重縮合反応において水が生成される。水の除去プロセスは、窒素(N)の注入を介して適用され、及び/又は真空プロセスが適用されてもよい。過剰の水を除去するために、加圧又は真空プロセスが導入され、それを行うことで、重縮合反応の平衡が生成物の側(すなわち、右側)に推進されて、ポリアミドポリマーに対する重合の度合いが高まる結果となる。可能な限り重縮合反応の平衡を連続的に右側へ推進するために、最大のガス添加又は真空が用いられ、それによって、重合の度合いが高められたポリアミドポリマーが得られる。
重縮合によって、アミン末端基及びカルボキシル末端基を有するポリアミドが得られる。これらの末端基は、上記で考察したように、重合プロセスを停止するために、末端封止剤によって封止され得る。
本開示のポリアミドを合成するために、連続する複数ケトル(multi-kettle train)が用いられ得る。例えば、典型的なポリアミドポリマーは、連続する複数ケトルをおよそ13,000lb/時間~15,000lb/時間の運転率(run rate)で用いて合成され得る。理論に束縛されるものではないが、より低い速度又は運転率で重縮合工程を運転すると、より低い分散度又はより狭い分子量分布のポリアミドポリマーが得られ得るものと考えられる。例えば、約20%低い、約25%低い、約30%低い、約35%低い、又は約40%低い運転率であり得る。例えば、運転率は、約9000lb/時間以上、約10,000lb/時間以上、約11,000lb/時間以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値であり得る。
より低い運転率又は反応率、及びそれに伴う任意のケトル中での反応体の滞留時間の増加が、認識できるほどのより狭い分子量分布(低い分散度)となる理由であった可能性があると考えられる。分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって確認した。上記で述べたように、狭い分子量分布は、分散度(Mw/Mn比)によっても示される。これらの条件により、ポリマー#1、平均Mw/Mnが3.45、FAVが41~43である二重末端封止ポリマー、及びポリマー#2、平均Mw/Mnが3.33、FAVが35~37である二重末端封止ポリマー、が合成される結果となった。
3.配合材料
本開示のポリアミドは、配合されて、ガラス繊維入り材料を提供することができる。一般に、ガラス繊維入り配合物は、その対応する元のポリマーよりも強いが、元のポリマーと比較してメルトフローインデックス(MFI)及びギ酸粘度(FAV)が高く、そのことが加工の困難さに繋がる場合がある。
驚くべきことに、本開示のポリアミドは、その加工性を低下させることなく、配合材料に用いることができることが見出された。具体的には、以下でさらに説明し、図2に示されるように、非末端封止及び単一末端封止のベース樹脂と比較して、本開示の二重末端封止ガラス繊維入り配合物において、予想外なメルトフローの改善が見られた。この改善されたメルトフローにより、成形時の加工性が改善され得る。改善された加工性により、材料を高アスペクト比のモールドに用いることができるようになり、及び成形の生産性を高めることも可能となり得る。
本開示のポリアミドの配合材料は、ガラス繊維を、約30重量%以上、約31重量%以上、約32重量%以上、約33重量%以上、約34重量%以上、約35重量%以上、約36重量%以下、約37重量%以下、約38重量%以下、約39重量%以下、約40重量%以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値の量で含み得る。
ガラス繊維入り材料のメルトフローインデックス(MFI)は、ASTM D1238に記載の方法によって特定された場合、約30g/10分以上、約31g/10分以上、約32g/10分以上、約33g/10分以上、約34g/10分以上、約35g/10分以上、約36g/10分以上、約37g/10分以上、約38g/10分以下、約39g/10分以下、約40g/10分以下、約41g/10分以下、約42g/10分以下、約43g/10分以下、約44g/10分以下、約45g/10分以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの範囲内であり得る。
本開示のポリアミドのギ酸粘度(FAV)は、以下でさらに考察されるように、配合後に大きく上昇するとは考えられない。具体的には、本開示のガラス繊維入り配合物のFAVは、ASTM D-789に記載の方法によって特定された場合、約33以上、約34以上、35以上、約36以上、約37以上、約38以上、約39以下、約40以下、約41以下、約42以下、約43以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの値であり得る。
以下でさらに考察されるように、「高メルトフロー」二重末端封止ナイロン-6ポリアミドを、プロセス促進添加剤(process enhancing additive)としてナイロン-66ガラス繊維入り配合物に添加した場合に、さらなる予想外の改善が見られる。非末端封止ナイロン6は、約10重量%以上、約12重量%以上、約15重量%以上、約17重量%以下、約20重量%以下、又はこれらの終点を包含するいずれかの範囲内の量で添加され得る。15重量%の非末端封止ナイロン6(ナイロンの重量/重量ベース)ポリアミドを添加することにより、メルトフローインデックス(MFI)で測定されるメルトフローが、83%改善された。二重末端封止ナイロン6は、約10重量%以上、約12重量%以上、約15重量%以上、約17重量%以下、約20重量%以下、はこれらの終点を包含するいずれかの範囲内の量で添加され得る。15%の二重末端封止ナイロン6(ナイロンの重量/重量ベース)を添加した場合にも、メルトフローの改善が見られ、この場合、メルトフローインデックス(MFI)で測定されるメルトフローは、160%改善された。
ナイロン-66ガラス繊維入り配合物に対するメルトフローのこの改善により、改善された表面仕上げ、射出成形時に必要とされるエネルギーの低下、より小さい成形機を用いての同じパーツの成形能力、高アスペクト比パーツの成形、及びマルチキャビティモールドによるより多くのパーツの成形が可能と成り得る。
実施例
例1:抽出可能分の測定
キャピラリー溶融安定性試験を介してオリゴマー及びTOC(全有機炭素)の試験を行い、ある期間にわたる高温への曝露後のカプロラクタムの再生量を特定した。6つのサンプルを、275℃×30分間でキャピラリー粘度測定溶融安定性を用いて試験し、カプロラクタムの再生を特定した。試験の前に、サンプルを、80℃で12時間にわたって真空乾燥した。サンプルに2000±250ppmの水を吸収させた後に、試験を再度行った。ポリマー1及びポリマー2に対する初期結果は、いずれも同様の抽出可能分レベルを示している(ポリマー1に対しては0.94重量%、ポリマー2に対しては0.59重量%)。しかし、熱及び水分への曝露後、ポリマー2は、ポリマー1よりも僅かな抽出可能分レベルを呈している。
例2:引張強度
図1に示されるように、引張強度を、非末端封止(UT)、単一末端封止(MT)、及び二重末端封止(DT)の様々な材料について、ASTM D-638に記載の方法を用いて試験した。結果は、引張強度が末端封止と無関係であると思われることを示している。さらに、試験した材料では、ギ酸粘度(FAV)も36(図1のポリマー2)から60(図1のDT#1)まで変動したが、引張強度は、FAVにも無関係であると思われる。
例3:ガラス繊維入り材料の射出成形
二重末端封止ナイロン-6樹脂を、プロセス潤滑剤、着色顔料、無機又はガラス強化材、安定剤、及び他の機能調整剤を含み得る添加剤と共に配合する。配合は、典型的には、ゾーン加熱、添加剤フィーダー、及び押出しダイを備えた共回転二軸押出機を用いることによって行われる。配合押出機を、ポリアミドの融点を超える温度まで予備加熱し、続いて、ポリアミド樹脂及び所望される添加剤をスクリューに供給する。スクリューを一定の速度で回転させて、成分を充分に混合し、溶融配合物又は混合物をダイを通して押出す。溶融ストランドをダイを通して押出し、水浴中に落とし、そこで、ストランドは固化、冷却される。固体ストランドを、回転ブレード式ペレタイザーを用いて標準サイズのペレットに切断する。次に、続いての加工前に、切断したペレットを、2000ppm未満の水の水分レベルまで乾燥させる。加工は、射出成形によって行われてよく、これは、一軸押出機中で配合物又は混合物を再溶融すること、及び続いて、溶融物を温度制御したモールド中へ高速射出成形することを含む。
例4:ガラス繊維入り配合物の特性
ナイロン-6ポリアミドの末端封止(単一末端封止及び二重末端封止の両方)の効果を、ガラス繊維入り配合物で評価した。メルトフローインデックス(MFI)及び機械的特性を評価して、低粘度の末端封止ポリアミドに伴う機械的特性の保持又は改善と合わせてメルトフローの予想外の改善があるかどうかを特定した。製剤中のガラス繊維及び他の成分の量を、以下の表1に示し、表中、「NT」は、非末端封止を表し、「MT」は、単一末端封止を表し、「DT」は、二重末端封止を表す。「MB」は、50%のカーボンブラック、及び第1列に記載のナイロン成分の50%から成るマスターバッチを意味する。
Figure 2024509187000008
溶融安定性サンプルのFAV値を、規格ASTM D-789のギ酸粘度試験法を用いて測定した。RV値を、以下の式10に示すようにして特定した。
式10:
RV(96%HSOASTM D-789)=0.651×FAV0.357
以下の表2は、FAV及びRVの両方に対して得た結果のリストである。
Figure 2024509187000009
図2は、33%ガラス繊維入り配合物に対するギ酸粘度(FAV)対メルトフローインデックス(MFI)の傾向を、その末端封止に応じて示し、非末端封止ポリアミドを「UT」として表し、単一末端封止ポリアミドを「MT」として表し、二重末端封止ポリアミドを「DT」として表す。
図3は、引張強度及びノッチ付き衝撃強度などの機械的特性を示し、末端封止の変化にかかわらず比較的に一定に維持されており、非末端封止ポリアミドを「UT」として表し、単一末端封止ポリアミドを「MT」として表し、二重末端封止ポリアミドを「DT」として表す。比較のために、相対粘度(RV)が2.7で「2.7RV comp」として表されるサンプル及びRVが2.4で「2.4RV comp」として表されるサンプルの2つのさらなるナイロンサンプルを含む。
表3に示される規格による方法を用いた引張伸び、引張弾性率、ノッチなしシャルピー、曲げ弾性率、及び曲げ強度などの他の機械的特性についても、同じ傾向が見られる。試験の結果を、表4及び表5に示す。
Figure 2024509187000010
Figure 2024509187000011
Figure 2024509187000012
例5:未配合材料及び配合材料のFAV
ギ酸粘度(FAV)を、配合の前及び配合の後で、様々な非末端封止、単一末端封止、及び二重末端封止の材料に対して測定した。以下の表6は、FAVの変化を示す。
Figure 2024509187000013
非末端封止及び単一末端封止のポリアミドは、配合後に著しいFAVの変化を示すが、本開示の二重末端封止ポリアミドは(ポリマー1及びポリマー2)、FAVの変化をほとんど示さない。このデータを、図4にグラフの形で提示する。
例6:未配合材料におけるスパイラルフローの改善
末端封止材料が、加工時のモールド中において対応する非末端封止材料よりも良好に流動するかどうかを特定するために、2つのサンプルを比較した。UT#2を、類似のMw及びMnである代表的な非末端封止材料として選択し、ポリマー2を、二重末端封止材料として選択した。スパイラルフローを、ASTM D3123に従って測定して、射出成形プロセス時のモールド中での材料流動長さを示した。図5に示されるように、二重末端封止ポリマー(ポリマー2)は、同じ条件下で23mmの流動経路を有していた非末端封止ポリマー(UT#2)よりも長い流動経路(33mm)を有していた。これらの結果から、本開示の末端封止ポリマーが、射出成形時に非末端封止ポリマーよりも良好な又は高い流動性を示すことが示唆される。
例7:ガラス繊維入り配合物におけるメルトフローの改善
ガラス繊維入りナイロン-66のメルトフローインデックス(MFI)を、ASTM D1238に記載の方法を用いて、追加のポリアミドあり及びなしの両方で試験した。以下の表7に示されるように、15%の低FAV二重末端封止ポリアミド(ポリマー2など)をガラス繊維入りナイロン-66に添加した場合、メルトフローが大きく増加した。
Figure 2024509187000014
対照的に、表7に示されるように、類似のFAV(40FAV)である非末端封止ポリアミドUT#1(非末端封止サンプル#1)を添加した場合は、メルトフローインデックス(MFI)の改善は非常により小さかった。
例8:12リットルスケールでの単一末端封止ポリアミド及び二重末端封止ポリアミドの典型的な合成方法
以下は、12リットルスケールで単一末端封止ポリアミド及び二重末端封止ポリアミドを合成するために用いた典型的な方法である。当業者であれば、所望される最終生成物に基づいて、反応条件及び試薬を調節することができるであろう。
カプロラクタム(5584g)及び酢酸(13.5g)を、12Lの反応容器に投入する。次に脱イオン水(102g)を添加する。反応器の加圧試験を窒素で行った後、反応器の内容物をゆっくり230℃まで加熱して反応を開始する。反応器を60分間にわたって230℃に維持し、その後、窒素をパージしながら、20分間掛けて反応器を250℃に加熱する。3時間の反応時間後、続いて溶融ポリマーを重力によって単一ストランドに押出し、氷水で急冷し、ペレット化する。ペレットを浸出及び乾燥に掛けた後、ギ酸中での溶液粘度をASTM D789の方法に従って特定する。末端基分析も、この乾燥ポリアミドに対して行う。
二重末端封止ポリアミドの作製には、多少改変した方法を用いることができる。カプロラクタム(5513g)及びシクロヘキシルアミン(CHA)(21.3g)及びステアリン酸(63.8g)を、12Lの反応容器に投入する。脱イオン水(101g)を添加する。反応器の加圧試験を窒素で行った後、反応器の内容物をゆっくり230℃まで加熱して反応を開始する。次に、反応器を60分間にわたって230℃に維持し、続いて20分間の時間にわたる昇温によって250℃の温度に加熱して重合を開始する。7時間の反応後、続いて溶融ポリマーを重力によって単一ストランドに押出し、氷水で急冷し、ペレット化する。ペレットを浸出及び乾燥に掛けた後、ギ酸中での溶液粘度をASTM D789の方法に従って特定する。末端基分析も、この乾燥ポリアミドに対して行う。
例9:単一末端封止及び二重末端封止ポリマー対非末端封止ポリマーの溶融安定性
ポリアミド溶融粘度を、一定のせん断速度でキャピラリーレオメーターを用いることによって測定することは、ポリアミド粘度の経時での上昇を評価するための1つの方法である。溶融安定性の用語は、ポリアミド溶融物が、溶融配合時又はキャピラリーレオメーター測定時におけるポリアミド粘度の上昇に抵抗する傾向を表すために用いられる。時間による溶融粘度の傾きを、溶融安定性の定量的尺度として用いることができ、低い値の方が良好な溶融安定性を示している。
ポリアミド6(PA6)のサンプルをカプロラクタムから作製した。以下の表8は、サンプルが非末端封止(UT)、単一末端封止(MT)、又は二重末端封止(DT)であるかどうか、さらには末端封止レベル及び用いた末端封止剤を示し、末端封止レベルの相違は、総末端封止パーセントに影響する。酸末端封止剤及びアミン末端封止剤の量は、反応器に投入したmeq/kgとして記載する。
Figure 2024509187000015
次に、結晶化温度(T)及び融点(T)を、示差走査熱量測定(DSC)を介してサンプルに対して特定した。結果を、FAV、RV、及びMnと共に以下の表9に示す。アミン末端基は、表9中、meq/kgで示す。
Figure 2024509187000016
表10は、式5に従って特定されるN末端の末端封止パーセント(%NH)、式6に従って特定されるC末端の末端封止パーセント(%COOH)、及び式4に従って特定される総末端封止パーセント(%TT)、さらには260℃でのゼロせん断粘度、235℃での1.21におけるメルトフローレート、及びスパイラルフローを示す。
Figure 2024509187000017
図6Bは、PA6の例における粘度/時間傾き値のヒストグラムを示し、値は、サンプルの総末端封止%のレベルと共に、溶融安定性のレベルにグループ分けされている(良、より良、最良など)。一部のサンプルは、類似の相対的溶液粘度であるが総末端封止%が低く、粘度/時間傾きが高いサンプルと比較して、改善したメルトフロー(235℃、1.2kgでのメルトフローインデックス、MFIによって測定された場合)を有する可能性があることが示され得る。
アミン末端基の算出されたパーセント(%NH)、カルボン酸末端基の算出されたパーセント(%COOH)、及び総末端封止率(%TT)を、粘度傾き及びメルトフローインデックスと共に表10に示す。総末端封止パーセントは、可(0%)、良(26~27%)、より良(34~43%)、及び最良(55~59%)としてランク付けしている。
Figure 2024509187000018
これらの結果に基づくと、より高い総末端封止%のPA6サンプルは、溶融滞留時間(キャピラリーレオメトリー又は他の溶融プロセスにおいて)の間の溶融粘度上昇を低減するという点で、総末端封止%が低い又は総末端封止%が0%であるPA6よりも良好であり得ると思われる。このことにより、射出成形などの加工工程時のより良好な流動、並びに薄い、長い、及び/又は高アスペクト比の複雑なパーツを成形する能力の改善が得られる結果と成り得る。また、溶融安定性及び流動挙動の改善を進めるのは、単一末端封止と二重末端封止との間の相違ではなく、総末端封止%であると結論付けることもできる。
態様
態様1は、22,000Da~56,000Daの重量平均分子量(Mw)、及び45未満のギ酸粘度(FAV)を有する末端封止ポリアミドである。
態様2は、22,000Da~36,000Daの重量平均分子量(Mw)、及び45未満のギ酸粘度(FAV)を有する、態様1に記載の末端封止ポリアミドである。
態様3は、カルボキシル末端基を有し、カルボキシル末端基の末端封止パーセントが30重量%~60重量%である、態様1又は態様2に記載の末端封止ポリアミドである。
態様4は、アミン末端基を有し、アミン末端基の末端封止パーセントが30重量%~50重量%である、態様1~3のいずれか1つに記載の末端封止ポリアミドである。
態様5は、2.0~2.6の相対粘度(RV)を有する、態様1~4のいずれか1つに記載の末端封止ポリアミドである。
態様6は、20g/10分~40g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する、態様1~5のいずれか1つに記載の末端封止ポリアミドである。
態様7は、末端封止ポリアミドの重量平均分子量(Mw)の、末端封止ポリアミドの数平均分子量(Mn)に対する比が、1.8~3.5である、態様1~6のいずれか1つに記載の末端封止ポリアミドである。
態様8は、ガラス繊維を、末端封止ポリアミドとガラス繊維とを合わせた重量に基づいて、30重量%~40重量%の量でさらに含む、態様1~7のいずれか1つに記載の末端封止ポリアミドである。
態様9は、末端封止ポリアミドの合成方法であり、その方法は、ラクタムを加水分解してアミン末端基及びカルボキシル末端基を有するモノマーを提供すること、230℃~270℃の温度でモノマーを重縮合して、アミン末端基及びカルボキシル基を有するポリアミドポリマーを提供すること、並びに少なくとも1つの鎖末端封止剤との反応によってポリアミドを末端封止して、重量平均分子量(Mw)が22,000Da~56,000Daであり、ギ酸粘度(FAV)が45未満である末端封止ポリアミドを提供すること、を含む。
態様10は、末端封止ポリアミドが、22,000Da~36,000Daの重量平均分子量、及び45未満のギ酸粘度(FAV)を有する、態様9に記載の方法である。
態様11は、鎖末端封止剤が、シクロヘキシルアミン、ステアリルアミン、ステアリン酸、及び酢酸から成る群より選択される、態様9又は態様10に記載の方法である。
態様12は、末端封止ポリアミドのカルボキシル末端基の末端封止パーセントが30重量%~60重量%である、態様9~11のいずれか1つに記載の方法である。
態様13は、末端封止ポリアミドのアミン末端基の末端封止パーセントが30重量%~50重量%である、態様9~12のいずれか1つに記載の方法である。
態様14は、ガラス繊維を、ポリアミドとガラス繊維とを合わせた重量に基づいて、30重量%~40重量%の量で添加してガラス繊維入りポリアミドを提供することをさらに含む、態様9~13のいずれか1つに記載の方法である。
態様15は、ポリアミド組成物であり、組成物の総重量に基づいて80重量%~90重量%の量の態様14に記載のガラス繊維入りポリアミドと、組成物の総重量に基づいて10重量%~20重量%の量の第二のポリアミドとを含む。
態様16は、第二のポリアミドが非末端封止ポリアミド及び二重末端封止ポリアミドから成る群より選択される、態様15に記載の組成物である。
態様17は、組成物のメルトフローインデックス(MFI)が30g/10分~45g/10分である、態様15又は態様16に記載の組成物である。
態様18は、末端封止ポリアミドの重量平均分子量(Mw)の、末端封止ポリアミドの数平均分子量(Mn)に対する比が、1.8~3.5である、態様15~17のいずれか1つに記載の組成物である。
本発明を例示的な設計に関して記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内でさらに改変されてよい。さらに、本出願は、本発明が属する技術分野における公知の又は慣習的な実践の範囲内に含まれるような本開示からの逸脱も包含することを意図している。

Claims (18)

  1. 22,000Da~56,000Daの重量平均分子量(Mw)、及び
    45未満のギ酸粘度(FAV)、
    を有する、末端封止ポリアミド。
  2. 22,000Da~36,000Daの重量平均分子量(Mw)、及び
    45未満のギ酸粘度(FAV)、
    を有する、請求項1に記載の末端封止ポリアミド。
  3. カルボキシル末端基を有し、カルボキシル末端基の末端封止パーセントが30重量%~60重量%である、請求項1又は請求項2に記載の末端封止ポリアミド。
  4. アミン末端基を有し、アミン末端基の末端封止パーセントが30重量%~50重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の末端封止ポリアミド。
  5. 前記末端封止ポリアミドが、2.0~2.6の相対粘度(RV)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の末端封止ポリアミド。
  6. 20g/10分~40g/10分のメルトフローインデックス(MFI)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の末端封止ポリアミド。
  7. 前記末端封止ポリアミドの重量平均分子量(Mw)の、前記末端封止ポリアミドの数平均分子量(Mn)に対する比が、1.8~3.5である、請求項1~6のいずれか一項に記載の末端封止ポリアミド。
  8. ガラス繊維を、前記末端封止ポリアミドとガラス繊維とを合わせた重量に基づいて、30重量%~40重量%の量でさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の末端封止ポリアミド。
  9. 末端封止ポリアミドの合成方法であって、
    ラクタムを加水分解してアミン末端基及びカルボキシル末端基を有するモノマーを提供すること、
    230℃~270℃の温度で前記モノマーを重縮合して、アミン末端基及びカルボキシル基を有するポリアミドポリマーを提供すること、及び
    少なくとも1つの鎖末端封止剤との反応によって前記ポリアミドを末端封止して、重量平均分子量(Mw)が22,000Da~56,000Daであり、ギ酸粘度(FAV)が45未満である末端封止ポリアミドを提供すること、
    を含む、方法。
  10. 前記末端封止ポリアミドが、22,000Da~36,000Daの重量平均分子量、及び45未満のギ酸粘度(FAV)を有する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記鎖末端封止剤が、シクロヘキシルアミン、ステアリルアミン、ステアリン酸、及び酢酸から成る群より選択される、請求項9又は請求項10に記載の方法。
  12. 前記末端封止ポリアミドのカルボキシル末端基の末端封止パーセントが、30重量%~60重量%である、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記末端封止ポリアミドのアミン末端基の末端封止パーセントが、30重量%~50重量%である、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. ガラス繊維を、前記ポリアミドとガラス繊維とを合わせた重量に基づいて、30重量%~40重量%の量で添加してガラス繊維入りポリアミドを提供することをさらに含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. ポリアミド組成物であって、
    前記組成物の総重量に基づいて80重量%~90重量%の量の請求項14に記載のガラス繊維入りポリアミドと、
    前記組成物の総重量に基づいて10重量%~20重量%の量の第二のポリアミドと、
    を含む、ポリアミド組成物。
  16. 前記第二のポリアミドが、非末端封止ポリアミド及び二重末端封止ポリアミドから成る群より選択される、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記組成物のメルトフローインデックス(MFI)が、30g/10分~45g/10分である、請求項15又は請求項16に記載の組成物。
  18. 前記末端封止ポリアミドの重量平均分子量(Mw)の、前記末端封止ポリアミドの数平均分子量(Mn)に対する比が、1.8~3.5である、請求項15~17のいずれか一項に記載の組成物。
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